JP3750902B2 - ボード成形品のヒンジ部構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、フロアボード等のボード成形品に係り、特に、両面折りが可能で、しかもヒンジ部の外観見栄えに優れたボード成形品のヒンジ部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ハッチバックタイプの車両においては、リヤシートとバックドアとの間のラゲージルームのフロア面にスペアタイヤ等を収納する収納凹部が設けられることが多く、通常この収納凹部の開口を覆うフロアボードが設置されている。
【0003】
図8はフロアボード1を示すもので、このフロアボード1は、形状保持性を有する芯材2の表面に表皮材3を貼付して構成されており、芯材2としては、木紛を混入したポリプロピレン樹脂をTダイ押出成形機によりシート状に押し出し、このシート原反を加熱軟化処理後、コールドプレス成形することにより所要形状に成形されており、この芯材2のコールドプレス成形時にクロス、不織布、樹脂シート等を素材とした表皮材3がプレス一体化される。
【0004】
そして、使い勝手を考慮して、フロアボード1は、ヒンジ部4が設けられており、このヒンジ部4は図9に拡大して示すように、2列の細溝5a,5bを条設することにより構成され、上記フロアボード1の収容操作としては、図10に示すように、特に、フロアボード1の製品表面側同士を重ね合わせることにより折り畳んだ状態で収容スペース内に保管できる構成となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のフロアボード1は、ヒンジ部4の形状のため、例えば、図9に示すようにフラット状でスペアタイヤ収納部の開口等を被覆した状態においては、フロアボード1を支持する支持部品6とヒンジ部4が当接しておらず、浮いた状態であるため、外力Fに対して十分な支持強度が得られず、ヒンジ部4にシワや変形が生じ易いという欠点が指摘されている。
【0006】
また、ヒンジ部4の形状により、フロアボード1を収容するには、図10に示すように、製品表面側同士を重ね合わせる折り畳み操作は可能であっても、製品裏面側同士を重ね合わせる折り畳み操作ができず、誤って裏面側同士を重ね合わせて折り畳もうとすれば、ヒンジ部4が破損する等の不具合があり、折り畳み収容時における折り方向に制約を受けるため、使い勝手上好ましいものではなかった。
【0007】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、フラット状に使用する際におけるヒンジ部の十分な支持強度が得られ、シワや変形が発生することがなく、意匠性に優れるとともに、折り畳み収容時における折り方向に制約を受けることなく、両方向に折り畳み可能としたボード成形品のヒンジ部構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願の請求項1に記載の発明は、芯材と表皮材との積層体から構成され、芯材に設けたヒンジ部を介して折り畳み可能なボード成形品のヒンジ部構造であって、ヒンジ部は、折れ線に沿って条設され、ボード成形品を支持する支持部品面と当接する先端面を備えた支持凸条と、上記支持凸条の両側に肉抜き形成される凹溝と、凹溝のそれぞれ支持凸条寄りに形成され、両面折り時、ヒンジ中心となる細溝とから構成され、支持凸条の厚みよりも凹溝の幅が大きく設定されていることを特徴とする。
【0009】
ここで、芯材としては、保形性に優れ、かつ薄肉ヒンジを形成する必要があることから、フィラーを混入したポリオレフィン系樹脂が好ましく、コスト、成形性等を考慮すれば、木紛、繊維、タルク等のフィラーを混入したポリプロピレン樹脂が好適である。
【0010】
また、芯材の成形方法としては、射出成形、コールドプレス成形等、汎用の成形手法が適用できるが、生産効率を考慮すれば、芯材と表皮材とを一体成形できるコールドプレス成形が適している。
【0011】
そして、請求項1に記載の発明によれば、ヒンジ部の一部を構成する支持凸条が支持部品と当接しているため、ヒンジ部に製品表面側から外力が加わっても、シワや変形等が生じることがない。
【0013】
そして、請求項1に記載の発明によれば、支持凸条の厚みよりも凹溝の幅が大きく設定されているため、製品表面側を重ね合わせてボード成形品を折り畳むことができることは勿論、製品裏面側を重ね合わせて折り畳んだ際、凹溝内に支持凸条が収容されるため、裏面側同士を重ね合わせて折り畳むことができ、両面折りが可能となる。
【0014】
次いで、本願の請求項2に記載の発明は、ボード成形品を支持する支持部品のフランジには、上記ボード成形品のヒンジ部と嵌合する嵌合部が設けられていることを特徴とする。
【0015】
そして、請求項2に記載の発明によれば、ボード成形品のヒンジ部については、支持部品にヒンジ部と嵌合する形状の嵌合部が設けられているため、ボード成形品におけるヒンジ部の支持強度をより強化することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るボート成形品のヒンジ部構造の実施形態について、車両のラゲージルーム内に設置されるフロアボードに適用して以下説明する。
【0017】
図1はフロアボードを設置する車両のラゲージルーム内を示す外観図、図2は本発明に係るフロアボードを示す斜視図、図3は同フロアボードの要部構造を示す断面図、図4,図5はフロアボードを両方向に折り畳んだ状態を示す各説明図である。また、図6,図7は本発明の別実施形態を示すもので、図6はフロアボードと支持部品との関係を示す斜視図、図7はフロアボードと支持部品との関係を示す断面図である。
【0018】
図1乃至図5において、リヤシート1の後部側に設けられているラゲージルーム2のフロア面には、スペアタイヤ等を収納するスペアタイヤ収納凹部3が設けられており、この収納凹部3の上面開口を被覆するために、フロアボード10が設けられている。
【0019】
このフロアボード10は、図2,図3に示すように、保形性を備えたフラット状の芯材11と、芯材11の表面側に一体貼付された表皮材12とから構成されており、2分割に折り畳み可能なようにヒンジ部20が設けられている。
【0020】
更に詳しくは、芯材11は、木紛を混入したポリプロピレンをTダイ押出成形機によりシート状に押し出し、このシート原反を加熱軟化処理した後、コールドプレス成形により所要形状に成形され、芯材11の成形時にヒンジ部20も一体成形される。また、表皮材12としては、クロス、不織布、合成樹脂シート等から適宜選択され、表皮材12は芯材11のプレス成形時に一体貼着される。
【0021】
そして、本発明に係るフロアボード10は、ヒンジ部20における良好な支持強度が得られ、かつヒンジ部20付近にシワや変形が発生することがなく、良好な外観見栄えを長期に亘り維持することができるとともに、かつ一方方向ではなく両方向に折り畳むことができ、使い勝手を高めたことが特徴である。
【0022】
すなわち、ヒンジ部20は、折れ線に沿って延びる支持凸条21と、この支持凸条21の両側に肉抜きされた凹溝22と、ヒンジ中心となるように凹溝22内で支持凸条21寄りに設けられた細溝23とから構成されている。
【0023】
更に、支持凸条21と凹溝22の寸法関係としては、支持凸条21の厚みdは芯材11の厚みd1と同一であり、フロアボード10を支持する支持部品30と当接しており、更に、凹溝22の幅wは支持凸条21の厚みdよりも大きく設定されている。
【0024】
従って、支持部品30上にフロアボード10をフラット状に載置した状態では、支持凸条21の先端面21aが支持部品30と常時当接しているため、図中Fで示す外力が加わっても、芯材11が変形したり、また、表皮材12にシワが発生したりすることがなく、強固な支持強度が得られ、かつ体裁も長期に亘り良好に維持できる。
【0025】
そして、本発明に係るフロアボード10は、図4に示すように、表皮材12同士を重ね合わせるように折り畳むことは従来例と同様、円滑に折り畳み操作できるとともに、図5に示すように、芯材11の裏面同士を重ね合わせるように、逆方向に折り畳むことも可能である。
【0026】
このことは、凹溝22の幅wを支持凸条21の厚みdよりも大きく設定することにより、支持凸条21を凹溝22内に収納できるようにしたためである。
【0027】
従って、スペアタイヤの取出時、フロアボード10を取り外して収容スペースに収容する際、図4,図5に示すように、フロアボード10を両方向に折り畳み操作することができるため、誤って逆方向に折り畳んでヒンジ部20を損傷させることがなく、収容操作性並びに耐久性に優れる。
【0028】
次いで、図6,図7は、フロアボード10を支持する支持部品30の別実施形態を示すもので、支持部品30のフランジ31の略中央部にフロアボード10に形成したヒンジ部20と嵌合する嵌合部32が形成されている。
【0029】
従って、支持部品30のフランジ31上にフロアボード10を載置すれば、フロアボード10のヒンジ部20が嵌合部32に嵌合することにより、フロアボード10におけるヒンジ部20の支持強度をより強化することができる。
【0030】
以上説明した実施形態は、ラゲージルーム2のフロアボード10に適用した実施形態であるが、ヒンジ機能を備えたボード成形品であれば、リヤパーセルシェルフ、各種リッド等用途を特に限定するものではない。
【0031】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に係るボード成形品のヒンジ構造によれば、ヒンジ部の支持強度を強化することができるとともに、ヒンジ部の体裁も良好に維持でき、しかも、ヒンジ部を基に両方向に折り畳み可能な使用形態が可能であるため、使い勝手を高めることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をフロアボードに適用した一実施形態を示すラゲージルーム内の外観図である。
【図2】本発明の一実施形態であるフロアボードを示す斜視図である。
【図3】図2中III −III 線断面図である。
【図4】図2に示すフロアボードの製品表面側同士を重ね合わせて折り畳んだ状態を示す説明図である。
【図5】図2に示すフロアボードの裏面側同士を重ね合わせて折り畳んだ状態を示す説明図である。
【図6】本発明を適用したフロアボードと支持部品との関係を示す説明図である。
【図7】図6に示すフロアボードと支持部品との関係を示す断面図である。
【図8】従来のフロアボードを示す斜視図である。
【図9】図8中IX−IX線断面図である。
【図10】従来のフロアボードの折り畳み状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 リヤシート
2 ラゲージルーム
3 スペアタイヤ収納凹部
10 フロアボード
11 芯材
12 表皮材
20 ヒンジ部
21 支持凸条
22 凹溝
23 細溝
30 支持部品
32 嵌合部
d 支持凸条の厚み
w 凹溝の幅
Claims (2)
- 芯材(11)と表皮材(12)との積層体から構成され、芯材(11)に設けたヒンジ部(20)を介して折り畳み可能なボード成形品のヒンジ部構造であって、
ヒンジ部(20)は、折れ線に沿って条設され、ボード成形品(10)を支持する支持部品(30)面と当接する先端面(21a)を備えた支持凸条(21)と、上記支持凸条(21)の両側に肉抜き形成される凹溝(22)と、凹溝(22)のそれぞれ支持凸条(21)寄りに形成され、両面折り時、ヒンジ中心となる細溝(23)とから構成され、支持凸条(21)の厚み(d)よりも凹溝(22)の幅(w)が大きく設定されていることを特徴とするボード成形品のヒンジ部構造。 - ボード成形品(10)を支持する支持部品(30)のフランジ(31)には、上記ボード成形品(10)のヒンジ部(20)と嵌合する嵌合部(32)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のボード成形品のヒンジ部構造。
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