JP3750167B2 - チャイルドプルーフ注出口栓 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、円筒状の口栓体(20)と帽子状のキャップ(30)とを備えた、薬品類や潤滑油や液体洗剤などの非食用液体を収容する、中,大型の紙積層材料製の液体用紙容器に取付ける注出口栓の改良 に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、牛乳やジュースや酒類などの食用液体を収容する、また最近は、薬品類や潤滑油や液体洗剤などの非食用液体を収容する、図4(A)に示す上面が切妻屋根形の(ゲーブルトップ形と通称する)、また図4(B)に示す上面が平坦な(フラットトップ形と通称する)、500〜2700ml入りの中,大型の紙積層材料製の液体用紙容器(40)が、広く用いられているものであって、これら中,大型の紙積層材料製の液体用紙容器(40)の多くが、下部外壁に鍔状部(21)を有する円筒状の口栓体(20)と、この円筒状の口栓体(20)の外壁に螺旋状に嵌合して、回転して開栓,閉栓する帽子状のキャップ(30)とを備えた、プラスチック製の注出口栓を取付けて用いられている。
【0003】
また従来から、前述した円筒状の口栓体(20)と帽子状のキャップ(30)とを備えた、中,大型の紙積層材料製の液体用紙容器に取付ける注出口栓においては、円筒状の口栓体(20)の下部内壁に、図示しない引張って開封するリング付の密封板を設けるなどして、また口栓体(20)の鍔状部(21)の下面側に、図示しない破って開封する密封フィルムを貼着するなどして、この液体用紙容器を最初に開封する迄の、液体内容物の劣化,変質や液漏れなどを防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが従来の、前述した円筒状の口栓体(20)と帽子状のキャップ(30)とを備えた注出口栓を、特に薬品類や潤滑油や液体洗剤などの非食用液体を収容する、中,大型の紙積層材料製の液体用紙容器に取付けた場合においては、この液体用紙容器を最初に開封する時に、まず帽子状のキャップ(30)を螺旋状に左回転して開栓して、次に前述したリング付の密封板や密封フィルムなどを、引張ったり破ったりして注出口栓を開封する必要があるものの、この液体用紙容器を一旦開封した後には、帽子状のキャップ(30)を螺旋状に左回転して開栓するだけで、簡単に液体内容物を注出できるものであって、判断力が伴わない乳,幼児などが、面白半分に帽子状のキャップ(30)を開栓して、薬品類や潤滑油や液体洗剤などを誤飲するなどの、重大な事故に繋がる危険性があった。
【0005】
ところで、本発明の目的は、薬品類や潤滑油や液体洗剤などの非食用液体を収容する、中,大型の紙積層材料製の液体用紙容器に取付ける注出口栓であって、判断力が伴わない乳,幼児などが、面白半分に帽子状のキャップ(30)を開栓しようとしても、簡単に帽子状のキャップ(30)を開栓して液体内容物を注出できない、簡単な構造で誤飲するなどの重大な事故を防止できるチャイルドプルーフ注出口栓を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のチャイルドプルーフ注出口栓は、図1,図2に示すように、下部外壁に鍔状部(21)を有する円筒状の口栓体(20)と、この円筒状の口栓体(20)の外壁に螺旋状に嵌合して、回転して開栓,閉栓する帽子状のキャップ(30)とを備えた、液体用紙容器に取付けるプラスチック製の注出口栓において、帽子状のキャップ(30)の上部側方に、鍔状部(21)に固定した固定リング(11)に、中央に薄肉の曲折部(a)を有する複数本の樹脂バネ(12,12,…)を介して一体に連設した、適度の抵抗で下降する保護リング(10)を設けたチャイルドプルーフ注出口栓である。
【0007】
また、本発明のチャイルドプルーフ注出口栓は、図3に示すように、下部外壁に鍔状部(21)を有する円筒状の口栓体(20)と、この円筒状の口栓体(20)の外壁に螺旋状に嵌合して、回転して開栓,閉栓する帽子状のキャップ(30)とを備えた、液体用紙容器(40)の取付け孔(41)の内方より取付けるプラスチック製の注出口栓において、帽子状のキャップ(30)の上部側方に、取付け孔(41)の周辺に固定した固定リング(11)に、中央に薄肉の曲折部(a)を有する複数本の樹脂バネ(12,12,…)を介して一体に連設した、適度の抵抗で下降する保護リング(10)を設けたチャイルドプルーフ注出口栓である。
【0008】
また、本発明のチャイルドプルーフ注出口栓は、図1に示すように、前述したチャイルドプルーフ注出口栓において、適度の抵抗で下降する保護リング(10)の一部を切欠いたチャイルドプルーフ注出口栓である。
【0009】
【作用】
本発明のチャイルドプルーフ注出口栓においては、下部外壁に鍔状部(21)を有する円筒状の口栓体(20)と、この円筒状の口栓体(20)の外壁に螺旋状に嵌合して、回転して開栓,閉栓する帽子状のキャップ(30)とを備えた、薬品類や潤滑油や液体洗剤などの非食用液体を収容する、中,大型の紙積層材料製の液体用紙容器に取付ける、従来と同様のプラスチック製の注出口栓において、図2,図3に示すように、帽子状のキャップ(30)の上部側方に、鍔状部(21)又は取付け孔(41)の周辺に固定した固定リング(11)に複数本の樹脂バネ(12,12,…)を介して一体に連設した、適度の抵抗で下降する保護リング(10)を設けたことによって、まず図1(B)に示すように、適度の抵抗で下降する保護リング(10)を指などで押下げながら、次に帽子状のキャップ(30)を螺旋状に左回転して開栓して、始めて液体内容物を注出できるものであって、判断力が伴わない乳,幼児などが、面白半分に帽子状のキャップ(30)を開栓しようとしても、この保護リング(10)が邪魔になって、簡単に帽子状のキャップ(30)を開栓して液体内容物を注出できない、簡単な構造で誤飲するなどの重大な事故を防止できるチャイルドプルーフ注出口栓を提供することができる。
【0010】
すなわち、帽子状のキャップ(30)の上部側方に、判断力が伴わない乳,幼児などが押下げることが難しい程度の、適度の抵抗で下降する保護リング(10)を、図1(A),図2,図3に示すように、帽子状のキャップ(30)の上部側壁を覆うように設けたことによって、回転して開栓,閉栓する帽子状のキャップ(30)の閉栓が緩かった場合であっても、判断力が伴わない乳,幼児などが、この保護リング(10)を押下げながら帽子状のキャップ(30)を開栓することが難しいために、面白半分に帽子状のキャップ(30)を開栓して、薬品類や潤滑油や液体洗剤などを誤飲するなどの、重大な事故に繋がる危険性を防止できる。
【0011】
また、本発明のチャイルドプルーフ注出口栓においては、図1に示すように、前述した適度の抵抗で下降する保護リング(10)の一部を切欠いたことによって、帽子状のキャップ(30)を開栓して液体内容物を注出する時の、注出経路を確保することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のチャイルドプルーフ注出口栓における、帽子状のキャップ(30)の上部側方に設けた、鍔状部(21)又は取付け孔(41)の周辺に固定した固定リング(11)に複数本の樹脂バネ(12,12,…)を介して一体に連設した、適度の抵抗で下降する保護リング(10)については、前述した円筒状の口栓体(20)と帽子状のキャップ(30)とを備えた、中,大型の紙積層材料製の液体用紙容器に取付ける、従来のプラスチック製の注出口栓と同様に、ポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチック材料を用いて、固定リング(11)と複数本の樹脂バネ(12,12,…)と保護リング(10)とを、通常の射出成形方法で一体に連設して成形して、固定リング(11)を口栓体(20)の鍔状部(21)の上面に貼着(図2を参照)するなどして、また固定リング(11)を液体用紙容器(40)の取付け孔(41)の周辺上面に貼着(図3を参照)するなどして、さらに固定リング(11)を円筒状の口栓体(20)の下部外壁に嵌合するなどして、適度の抵抗で下降する保護リング(10)を、図1(A),図2,図3に示すように、帽子状のキャップ(30)の上部側壁を覆うように設けるものである。
【0013】
また、本発明のチャイルドプルーフ注出口栓における、判断力が伴わない乳,幼児などが押下げることが難しい程度の、適度の抵抗で下降する保護リング(10)については、例えば図2,図3に示すように、中央に薄肉の曲折部(a)を有する複数本の樹脂バネ(12,12,…)を介して、固定リング(11)と保護リング(10)とを一体に連設して成形して、また樹脂バネ(12,12,…)の本数と使用するプラスチック材料とに応じて、樹脂バネ(12,12,…)の曲折部(a)の肉厚を調節して成形して、この複数本の樹脂バネ(12,12,…)の働きによって、判断力が伴わない乳,幼児などが押下げることが難しい200〜300gの、適度の抵抗で下降する保護リング(10)を得ることができる。
【0014】
さらに、本発明のチャイルドプルーフ注出口栓においては、前述した円筒状の口栓体(20)と帽子状のキャップ(30)とを備えた、中,大型の紙積層材料製の液体用紙容器に取付ける、従来のプラスチック製の注出口栓と同様に、円筒状の口栓体(20)の下部内壁に、図示しない引張って開封するリング付の密封板を設けるなどして、また口栓体(20)の鍔状部(21)の下面側に、図示しない破って開封する密封フィルムを貼着するなどして、この液体用紙容器を最初に開封する迄の、液体内容物の劣化,変質や液漏れなどを防止することができる。
【0015】
【実施例】
実施例のチャイルドプルーフ注出口栓における、図1(A)は、開栓前の状態を示す斜視図であって、図1(B)は、保護リング(10)を指などで押下げながら、帽子状のキャップ(30)を開栓する状態を示す斜視図である。
また図2は、実施例のチャイルドプルーフ注出口栓における、開栓前の状態を示す断面図である。
【0016】
すなわち、下部外壁に鍔状部(21)を有する従来と同様の円筒状の口栓体(20)と、この円筒状の口栓体(20)の外壁に螺旋状に嵌合して、回転して開栓,閉栓する従来と同様の帽子状のキャップ(30)と、鍔状部(21)に固定する円板状の固定リング(11)に、中央に幅が4mmで肉厚が0.4mmの薄肉の曲折部(a)を有する2本の樹脂バネ(12,12)を介して一体に連設した、適度の抵抗で下降する一部を切欠いた円板状の保護リング(10)とを、着色ポリエチレンを用いて、それぞれ通常の射出成形方法で成形した後に、この適度の抵抗で下降する保護リング(10)が帽子状のキャップ(30)の上部側壁を覆うように、円板状の固定リング(11)を口栓体(20)の鍔状部(21)の上面に強固に貼着して、図1,図2に示す実施例のチャイルドプルーフ注出口栓を作製した。
【0017】
次に、家庭用の液体洗剤を収容する、図4(A)に示す上面が切妻屋根形の、900ml入りの中型の紙積層材料製の液体用紙容器(40)に、図2に示すように、液体用紙容器(40)の取付け孔(41)の周辺外面と円筒状の口栓体(20)の鍔状部(21)の下面とを熱融着して、実施例のチャイルドプルーフ注出口栓を強固に取付けた。
【0018】
続いて、本実施例のチャイルドプルーフ注出口栓において、まず図1(B)に示すように、適度の抵抗で下降する保護リング(10)を指などで押下げながら、次に帽子状のキャップ(30)を螺旋状に左回転して開栓して、収容した家庭用の液体洗剤を注出したところ、指などで押下げる保護リング(10)に、判断力が伴わない乳,幼児などが押下げることが難しい程度の、約280gの適度の抵抗が得られたものであって、判断力が伴わない乳,幼児などが、面白半分に帽子状のキャップ(30)を開栓しようとしても、この保護リング(10)が邪魔になって、簡単に帽子状のキャップ(30)を開栓して液体内容物を注出できない、簡単な構造で誤飲するなどの重大な事故を防止できるチャイルドプルーフ注出口栓が得られた。
【0019】
なお、本実施例のチャイルドプルーフ注出口栓においては、固定リング(11)を鍔状部(21)に貼着して固定した後に、図2に示すように、液体用紙容器(40)の取付け孔(41)の周辺外面と円筒状の口栓体(20)の鍔状部(21)の下面とを熱融着したが、この順序に限らず、逆に液体用紙容器(40)の取付け孔(41)の周辺外面と円筒状の口栓体(20)の鍔状部(21)の下面とを熱融着して、実施例のチャイルドプルーフ注出口栓を強固に取付けた後に、円板状の固定リング(11)を口栓体(20)の鍔状部(21)の上面に強固に貼着しても良い。
【0020】
図3は、他の実施例のチャイルドプルーフ注出口栓における、開栓前の状態を示す断面図である。
【0021】
すなわち、まず前述した実施例の円筒状の口栓体(20)を、液体用紙容器(40)の取付け孔(41)の内方より挿入して、この取付け孔(41)の周辺内面と口栓体(20)の鍔状部(21)の上面とを熱融着して強固に取付けた後に、前述した実施例の固定リング(11)を、液体用紙容器(40)の取付け孔(41)の周辺外面に強固に貼着したものであって、前述した実施例のチャイルドプルーフ注出口栓と同様に、判断力が伴わない乳,幼児などが、面白半分に帽子状のキャップ(30)を開栓しようとしても、保護リング(10)が邪魔になって、簡単に帽子状のキャップ(30)を開栓して液体内容物を注出できない、簡単な構造で誤飲するなどの重大な事故を防止できるチャイルドプルーフ注出口栓が得られた。
【0022】
【発明の効果】
以上、作用及び実施例に示すとおり、本発明のチャイルドプルーフ注出口栓においては、円筒状の口栓体(20)と帽子状のキャップ(30)とを備えた、薬品類や潤滑油や液体洗剤などの非食用液体を収容する、中,大型の紙積層材料製の液体用紙容器に取付ける、従来と同様のプラスチック製の注出口栓において、帽子状のキャップ(30)の上部側方に、鍔状部(21)又は取付け孔(41)の周辺に固定した固定リング(11)に複数本の樹脂バネ(12,12,…)を介して一体に連設した、適度の抵抗で下降する保護リング(10)を設けたことによって、まず適度の抵抗で下降する保護リング(10)を指などで押下げながら、次に帽子状のキャップ(30)を螺旋状に左回転して開栓して、始めて液体内容物を注出できるものであって、判断力が伴わない乳,幼児などが、面白半分に帽子状のキャップ(30)を開栓しようとしても、この保護リング(10)が邪魔になって、簡単に帽子状のキャップ(30)を開栓して液体内容物を注出できない、簡単な構造で誤飲するなどの重大な事故を防止できるチャイルドプルーフ注出口栓が得られた。
【0023】
また、本発明のチャイルドプルーフ注出口栓においては、前述した適度の抵抗で下降する保護リング(10)の一部を切欠いたことによって、帽子状のキャップ(30)を開栓して液体内容物を注出する時の、保護リング(10)が邪魔にならずに注出できる、注出経路を確保することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のチャイルドプルーフ注出口栓における、開栓前の状態(A)と、保護リング(10)を指などで押下げながら、帽子状のキャップ(30)を開栓する状態(B)とを示す斜視図である。
【図2】実施例のチャイルドプルーフ注出口栓における、開栓前の状態を示す断面図である。
【図3】他の実施例のチャイルドプルーフ注出口栓における、開栓前の状態を示す断面図である。
【図4】従来のプラスチック製の注出口栓を、中,大型の紙積層材料製の液体用紙容器(40)に取付けた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 …保護リング
11 …固定リング
12 …樹脂バネ
20 …口栓体
21 …鍔状部
30 …キャップ
40 …液体用紙容器
41 …取付け孔
a …曲折部
Claims (3)
- 下部外壁に鍔状部(21)を有する円筒状の口栓体(20)と、この円筒状の口栓体(20)の外壁に螺旋状に嵌合して、回転して開栓,閉栓する帽子状のキャップ(30)とを備えた、液体用紙容器に取付けるプラスチック製の注出口栓において、帽子状のキャップ(30)の上部側方に、鍔状部(21)に固定した固定リング(11)に、中央に薄肉の曲折部(a)を有する複数本の樹脂バネ(12,12,…)を介して一体に連設した、適度の抵抗で下降する保護リング(10)を設けたことを特徴とするチャイルドプルーフ注出口栓。
- 下部外壁に鍔状部(21)を有する円筒状の口栓体(20)と、この円筒状の口栓体(20)の外壁に螺旋状に嵌合して、回転して開栓,閉栓する帽子状のキャップ(30)とを備えた、液体用紙容器(40)の取付け孔(41)の内方より取付けるプラスチック製の注出口栓において、帽子状のキャップ(30)の上部側方に、取付け孔(41)の周辺に固定した固定リング(11)に、中央に薄肉の曲折部(a)を有する複数本の樹脂バネ(12,12,…)を介して一体に連設した、適度の抵抗で下降する保護リング(10)を設けたことを特徴とするチャイルドプルーフ注出口栓。
- 請求項1又は請求項2に記載のチャイルドプルーフ注出口栓において、適度の抵抗で下降する保護リング(10)の一部を切欠いたことを特徴とするチャイルドプルーフ注出口栓。
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Cited By (1)
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- 1995-11-15 JP JP29642795A patent/JP3750167B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2012201397A (ja) * | 2011-03-25 | 2012-10-22 | Japan Crown Cork Co Ltd | 保護カバー付き注出具 |
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