JP3911745B2 - 開封刃を内蔵する注出口栓 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、清酒、果汁飲料、調味料、油類や液体洗剤などに使用される液体用紙容器の頂部に突設される開封刃を内蔵する注出口栓に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体用紙容器(00)は、例えば図4に示すように、四角形状の胴部をもち、その切妻屋根形の頂部傾斜板(21)には、注出のし易さから注出口栓(10)が突設されたものが広く使用されていた。この注出口栓は、スパウト(100)(注出口具)にキャップ(200)を冠着したものであり、注出口栓に開封刃を内蔵するものとしては、例えば実公平5−35058号公報で開示されたものがある。この開封刃を内蔵する注出口栓は、破断可能なフィルムで封止した液体用紙容器の注出孔に取着されこの注出孔に対応した円筒部を備える注出口具と、この注出口具の円筒部に挿入され下縁に刃部を備える略筒状の開封刃と、円筒部を覆うようにして取着されたキャップとからなり、円筒部の内面とこれに相対する開封刃の外面との両者は、互いに摺接して上下方向に移動可能な回転防止手段を備えて、開封刃が円筒部に対して上下移動可能に設けられ、開封刃は、開封刃の筒壁部に上縁から下縁側に向けて傾斜して上方に面する斜面を備え、キャップは、下方に面して開封刃の斜面に摺接する案内斜面を備える筒体を有して、キャップの回転時に開封刃を下降可能に設けたものであり、内容物を注出時に、図4に示すように、キャップ(200)を回転させて取り外すときに、キャップの回転により開封用筒体(130)を降下させ先端の開封刃(132)で封止するフィルム(30)を破断して容器を開封するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近、環境保全や省資源の立場から、使用済みの容器包装を分別回収して、再商品化することが求められるようになってきた。しかしながら、上述の従来の開封刃を内蔵する注出口栓を取り付けた液体用紙容器(10)は、図4に示すように、注出口栓(10)の開封刃(132)が容器の内側に突出しているために、容器を解体して分別回収するときに、手などに怪我をし易い危惧があった。
【0004】
本発明は、上述の従来の開封刃を内蔵する注出口栓の問題を解決したものであり、使用済みの液体用紙容器を解体して分別回収するときに、注出口栓の開封刃で手などに怪我をする危惧がなく、また、封止フィルムの破断片が破断した部分を塞ぐことがない開封刃を内蔵する注出口栓を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、図1に示すように、液体用紙容器(20)の注出孔(22)に突設される開封刃を内蔵するスパウト(100)とキャップ(200)とからなる注出口栓であって、前記キャップ(200)の天板(210)下面に、外周面に螺旋状の下降用案内斜面(231)を形成するガイド用内筒(230)を垂設し、前記スパウト(100)の注出筒(120)の内周面を、上下二段に形成し、上方の内周面に、下端に係止リング(123)を形成しその上方に複数の縦溝(122)を設け、前記係止リングの下面のリング状段差面(124)に封止フィルム(30)を貼着して前記注出筒(120)の内側を封止し、この注出筒の上方に、前記縦溝(122)を摺動する複数の突起(131)を外周面にもち、下端に開封刃(132)を形成し、内周面に前記ガイド用内筒(230)の下降用案内斜面(231)と摺動し合う下降用案内斜面(133)を形成した開封用筒体(130)を摺動可能に挿着し、キャップを取り外す途中において、下降する前記開封用筒体の下端の開封刃(132)が前記封止フィルム(30)を破断し、キャップを取り外したときには、前記開封用筒体の上端外周面の複数の突起(131)の下面が前記係止リング(123)の上面に当接して、下降した前記開封用筒体の開封刃の先端位置が、前記スパウトのフランジ下面(112)より上方の位置で停止することを特徴とする開封刃を内蔵する注出口栓(10)である。
【0006】
本発明の開封刃を内蔵する口栓を頂部に突設した液体用紙容器は、キャップを取り外すためにキャップを回転して上昇させると、図2に示すように、キャップ(200)の天板(210)から垂設するガイド用内筒(230)の外周面の下降用案内斜面(231)と摺接する下降用案内斜面(133)を内周面にもちスパウト(100)の注出筒(120)内側に収容されている開封用筒体(130)が、キャップの回転方向と逆の回転方向の力を受けるが、開封用筒体の外周面の突起(131)がスパウトの注出筒の縦溝(122)と摺接しているため、縦溝に沿って開封用筒体が下方に移動し、開封用筒体の下端の開封刃(132)で封止フィルム(30)を破断して容器を開封する。そして、キャップを取り外したときには、図3に示すように、下降していた開封用筒体(130)は、外周面の突起(131)がスパウト(100)の注出筒(120)の内周面の係止リング(123)と当接して係止し、スパウトの下方内側に収容される。このとき、開封用筒体の開封刃(132)の先端位置が、スパウトのフランジ下面(110)より上方位置で停止しており、使用後の容器を解体して分別回収するときに、容器内に突出する開封刃がなく、手などを怪我する危惧がない。
【0007】
また、封止フィルム(30)の破断片(31)は、図3に示すように、スパウト(100)の注出筒(120)の内周面と開封用筒体(130)の外周面との間隙(125)に収容されるため、破断片が封止フィルムの破断部分を塞ぐことがない。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の開封刃を内蔵する注出口栓(10)は、図1に示すように、液体用紙容器(20)の注出孔(22)に突設されるものであり、スパウト(100)と封止フィルム(30)で内側を封止した開封用筒体(130)とキャップ(200)とから構成される。これら構成部材は、封止フィルムを除いて、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を用いて射出成形法で作製するものであり、封止フィルムは、積層フィルムで、例えばアルミニウム箔の表裏にポリエチレン層を形成したものである。そして、口栓の液体用紙容器への取付け方法は、例えば、スパウトの下方のフランジ(110)の貼着リング(111)上面を、容器の頂部傾斜板(22)の下面に超音波シール法などにより熱融着するか、スパウトのフランジ下面を、容器の頂部傾斜板の上面に熱融着するものである。
【0009】
キャップ(200)は、図1及び図3に示すように、周壁(220)の内周面にスパウトとの螺合部(221)を形成し、天板(210)の下面中央に、ガイド用内筒(230)を垂設したものであり、このガイド用内筒の外周面に、開封用筒体(130)を降下させる螺旋状で通常2本の対応する下降用案内斜面(231)を使用目的に適合する位置範囲に形成するものである。
【0010】
また、スパウト(100)は、図1及び図3に示すように、フランジ(110)の内周縁に注出筒(120)を立設したもので、この注出筒の外周面にキャップとの螺合部(121)を形成し、内周面は、上方の内周面より下方の内周面の内径を大きくして二段に形成し、上方の内周面に、下端に係止リング(123)を形成しその上方に通常8本からなる複数の縦溝(122)を形成したものである。そして、係止リングの下面のリング状段差面(124)に封止フィルム(30)を熱融着法又はインサート射出成形法で貼着して注出筒の内側を封止し、この注出筒の上方に、縦溝を摺動する通常4個の複数の突起(131)を外周面にもち、下端に開封刃(132)を形成し、内周面にガイド用内筒の下降用案内斜面(231)と摺動し合う下降用案内斜面(133)を形成する開封用筒体(130)を摺動可能に挿着するものである。なお、開封用筒体の下端に形成する開封刃は、通常、複数の三角刃を並べたものであるが、封止フィルムの破断片が落下することを防ぐため、任意の箇所に欠刃部を設けるものである。
【0011】
そして、口栓を液体用紙容器に取り付けたときに、キャップ(200)を取り外す途中において、図2に示すように、下降する開封用筒体(130)の下端の開封刃(132)が封止フィルム(30)を破断し、キャップを取り外したときには、図3に示すように、下降した開封用筒体(130)の開封刃(132)の先端位置が、スパウト(100)のフランジ下面(112)より上方の位置で停止するように、商品企画時に設計するものである。
【0012】
【発明の効果】
本発明の開封刃を内蔵する注出口栓を取り付けた液体用紙容器は、使用後の分別回収のために容器を解体しても、開封刃がスパウト内に収容されており、従来の開封刃を内蔵する注出口栓のように容器の内側に突出する開封刃がないため、手などに怪我をする危惧がない。
【0013】
また、開封刃で破断された破断片が、破断部分を塞いで内容物が注出しにくくなることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】液体用紙容器に取り付けた本発明の一実施例の開封刃を内蔵する注出口栓の断面図である。
【図2】キャップを回転して取り外すときに、開封用筒体が下降し開封刃で封止フィルムを破断したときの状態を示す説明図である。
【図3】キャップを取り去ったときに、開封された容器に突設するスパウト内に開封用筒体が収容され、容器内に突出する開封刃がない状態を示す説明図である。
【図4】従来の一例の開封刃を内蔵する注出口栓を取り付けた液体用紙容器を開封したときの注出口栓の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10……注出口栓
20……液体用紙容器
21……頂部傾斜板
22……注出孔
30……封止フィルム又はフィルム
31……破断片
40……内容物
100……スパウト
110……フランジ
111……貼着リング
112……フランジ下面
120……注出筒
121,221……螺合部
122……縦溝
123……係止リング
124……リング状段差面
125……間隙
130……開封用筒体
131……突起
132……開封刃
133,231……案内斜面
200……キャップ
210……天板
211……封止リング
220……周壁
230……ガイド用内筒
Claims (1)
- 液体用紙容器の注出孔に突設される開封刃を内蔵するスパウトとキャップとからなる注出口栓であって、前記キャップの天板下面に、外周面に螺旋状の下降用案内斜面を形成するガイド用内筒を垂設し、前記スパウトの注出筒の内周面を、上下、二段に形成し、上方の内周面に、下端に係止リングを形成しその上方に複数の縦溝を設け、前記係止リングの下面のリング状段差面に、封止フィルムを貼着して前記注出筒の内側を封止し、この注出筒の上方に、前記縦溝を摺動する複数の突起を外周面にもち、下端に開封刃を形成し、内周面に前記ガイド用内筒の下降用案内斜面と摺動し合う下降用案内斜面を形成した開封用筒体を摺動可能に挿着し、キャップを取り外す途中において、下降する前記開封用筒体の下端の開封刃が前記封止フィルムを破断し、キャップを取り外したときには、前記開封用筒体の上端外周面の複数の突起の下面が前記係止リングの上面に当接して、下降した前記開封用筒体の開封刃の先端位置が、前記スパウトのフランジ下面より上方の位置で停止することを特徴とする開封刃を内蔵する注出口栓。
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- 1997-01-08 JP JP00153997A patent/JP3911745B2/ja not_active Expired - Fee Related
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