JPH11115962A - 開封刃を内蔵する注出口栓 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】使用済の液体用紙容器を解体して分別回収する
際に、容器内側に突出する注出口栓の開封刃で怪我をす
る危惧がない開封刃を内蔵する注出口栓の提供。 【解決手段】キャップ200 には周壁220 内周面に螺合部
221 を設け、天板210 下面に外周面に螺旋状の複数の案
内斜面231 を形成するガイド用内筒230 を垂設し、スパ
ウト100 には注出筒110 外周面に螺合部111 を設け、内
面に下方に係止部113 をもつ複数の縦溝112 を形成し、
この縦溝を摺動する複数の摺動突起131 を上方の外周面
にもち、内周面にキャップの案内斜面231 と摺接する複
数の案内斜面133 を形成し、下端面に仮係止部132 を設
け、内側に係止桟134 をもつ開封用筒体130 を挿着し、
この開封用筒体の下端に上面に仮係止部143 をもち、内
側に掛止部145 を上端にもつ吊着棒144 を備え、下面に
複数の開封刃141 を環状に連設した開封刃リング140 を
吊着可能に仮係止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、清酒、果汁飲料、
調味料、柔軟剤や液体洗剤などに使用される液体用紙容
器の頂部に突設される開封刃を内蔵する注出口栓に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、液体用紙容器（２０）は、例えば
図８に示すように、四角形状の胴部をもち、その切妻屋
根形の頂部傾斜板（２１）には、注出のし易さから注出
口栓（１０）が突設されたものが広く使用されていた。
この注出口栓は、スパウト（１００）（注出口具）にキ
ャップ（２００）を螺合して冠着したものであり、注出
口栓に開封刃を内蔵するものとしては、例えば実公平５
−３５０５８号公報で開示されたものがある。この開封
刃を内蔵する注出口栓は、破断可能なフィルムで封止し
た液体用紙容器の注出孔に取着されこの注出孔に対応し
た円筒部を備える注出口具と、この注出口具の円筒部に
挿入され下縁に刃部を備える略筒状の開封刃と、円筒部
を覆うようにして取着されたキャップとからなり、円筒
部の内面とこれに相対する開封刃の外面との両者は、互
いに摺接して上下方向に移動可能な回転防止手段を備え
て、開封刃が円筒部に対して上下移動可能に設けられ、
開封刃は、開封刃の筒壁部に上縁から下縁側に向けて傾
斜して上方に面する斜面を備え、キャップは、下方に面
して開封刃の斜面に摺接する案内斜面を備える筒体を有
して、キャップの回転時に開封刃を下降可能に設けたも
のであり、内容物を注出するために、キャップを回転さ
せて取り外すときに、例えば図８に示すように、キャッ
プ（２００）の回転により開封用筒体（１３０）を降下
させ先端に固定して設けられた開封刃（１４１）で封止
するフィルム（３０）を破断して容器を開封するもので
あった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、最近、環境
保全や省資源の立場から、使用済みの容器包装を分別回
収して、廃棄や再商品化することが求められるようにな
ってきた。しかしながら、上述の従来の開封刃を内蔵す
る注出口栓を取り付けた液体用紙容器（２０）は、図８
に示すように、注出口栓（１０）の開封用筒体（１３
０）の先端に固定して設けられた開封刃（１４４）が容
器の内側に突出しているために、容器を解体して分別回
収するときに、手などに怪我をし易いことがあった。

【０００４】本発明は、上述の従来の開封刃を内蔵する
注出口栓の問題を解決したものであり、使用済みの液体
用紙容器を解体して分別回収するときに、容器内側に突
出する注出口栓の開封刃で手などに怪我をする危惧がな
い開封刃を内蔵する注出口栓を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第１
の発明は、破断可能な封止フィルムで封止された液体用
紙容器の注出孔の周縁部上面に熱融着又は接着して突設
される開封刃を内蔵するスパウトとキャップとからなる
注出口栓において、図１に示すように、前記キャップ
（２００）には、周壁（２２０）内周面に螺合部（２２
１）を設け、天板（２１０）下面に外周面に螺旋状の複
数の案内斜面（２３１）を形成するガイド用内筒（２３
０）を垂設し、前記スパウト（１００）には、注出筒
（１１０）外周面に螺合部（１１１）を設け、内面に下
方に係止部（１１３）をもつ複数の縦溝（１１２）を形
成し、この縦溝を摺動する複数の摺動突起（１３１）を
上方の外周面にもち、内周面に前記キャップの案内斜面
（２３１）と摺接する複数の案内斜面（１３３）を形成
し、下端面に仮係止部（１３２）を設け、内側に掛止桟
（１３４）をもつ開封用筒体（１３０）を挿着し、この
開封用筒体の下端に、上面に仮係止部（１４３）をも
ち、内側に掛止部（１４５）を上端にもつ吊着棒（１４
４）を備え、下面に複数の開封刃（１４１）を環状に連
設した開封刃リング（１４０）を吊着可能に仮係止した
ことを特徴とする開封刃を内蔵する注出口栓（１０）で
ある。

【０００６】そして、本発明の第２の発明は、液体用紙
容器の口栓取付孔の周縁部下面に熱融着又は接着して突
設される開封刃を内蔵するスパウトとキャップとからな
る注出口栓において、図４に示すように、前記キャップ
（２００）には、周壁（２２０）内周面に螺合部（２２
１）を設け、天板（２１０）下面に外周面に螺旋状の複
数の案内斜面（２３１）を形成するガイド用内筒（２３
０）を垂設し、前記スパウト（１００）には、注出筒
（１１０）外周面に螺合部（１１１）を設け、内面に下
方に係止部（１１３）をもつ複数の縦溝（１１２）を形
成し、この縦溝を摺動する複数の摺動突起（１３１）を
上方の外周面にもち、内周面に前記キャップの案内斜面
（２３１）と摺接する複数の案内斜面（１３３）を形成
し、下端面に仮係止部（１３２）を設け、内側に掛止桟
（１３４）をもつ開封用筒体（１３０）を挿着し、この
開封用筒体の下端に、上面に仮係止部（１４３）をも
ち、内側に掛止部（１４５）を上端にもつ吊着棒（１４
４）を備え、下面に複数の開封刃（１４１）を環状に連
設した開封刃リング（１４０）を下方へ吊着可能に仮係
止し、且つ、前記スパウト（１００）の台座リング（１
２０）の下面に封止フィルム（３０）を熱融着又は接着
して封止したことを特徴とする開封刃を内蔵する注出口
栓（１０）である。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の開封刃を内蔵する注出口
栓（１０）は、図５に示すように、液体用紙容器（２
０）の内側から封止フィルム（３０）で封止された例え
ば頂部傾斜板（２１）の注出孔（２２）の周縁部上面
に、スパウト（１００）の台座リング（１２０）の下面
を超音波シール法などにより熱融着又は接着剤で接着し
て突設するか（外付け）、または、図６に示すように、
スパウト（１００）の台座リング（１２０）の下面に封
止フィルム（３０）をヒートシール法やインサート射出
成形法などにより熱融着又は接着剤で接着して注出孔を
封止した本発明の注出口栓（１０）を、液体用紙容器
（２０）の口栓取付孔（２３）に注出筒（１１０）を挿
入し、台座リング（１２０）の上面を液体用紙容器（２
０）の口栓取付孔（２３）の周縁部下面に熱融着又は接
着して突設するものである（内付け）。

【０００８】そして、本発明の注出口栓（１０）の構成
部材は、図１及び図４に示すように、キャップ（２０
０）とスパウト（１００）と開封用筒体（１３０）と開
封刃リング（１４０）とからなる。次に、これら構成部
材の構造を詳細に説明する。

【０００９】まず、キャップ（２００）は、図１及び図
４に示すように、天板（２１０）と周壁（２２０）から
なり、周壁の内周面には、スパウトとの螺合部（２２
１）を設け、天板（２１０）下面の中央位置には、外周
面に開封用筒体との螺旋状で通常２本の複数の案内斜面
（２３１）を対応させて形成する案内用筒部（２３０）
を垂設するものである。

【００１０】次に、スパウト（１００）は、図１及び図
４に示すように、台座リング（１２０）の内周縁部に注
出筒（１１０）を立設するものであり、その注出筒（１
１０）の外周面にキャップとの螺合部（１１１）を設
け、内周面には、下方に係止部（１１３）をもつ通常８
本からなる複数の縦溝（１１２）を設けるものである。

【００１１】次に、開封用筒体（１３０）は、図１及び
図４に示すように、外周面の上方にスパウトの縦溝（１
１２）を摺動する通常４個の複数の摺動突起（１３１）
を設け、内周面には、キャップの案内斜面（２３１）と
摺接する通常２本の複数の案内斜面（１３３）を対応さ
せて形成し、下端面には、開封刃リングとの凹状又は凸
状の仮係止部（１３２）を設け、内側に開封刃リングを
掛止する掛止桟（１３４）を設けるものである。

【００１２】次に、開封刃リング（１４０）は、図１及
び図４に示すように、上面に開封用筒体との凸状又は凹
状の仮係止部（１４３）を設け、内側に開封用筒体の掛
止桟（１３４）との掛止部（１４５）を上端にもつ吊着
棒（１４４）を立設して備えるものであり、下面には複
数の開封刃（１４１）を環状に連設するものである。こ
の連設する開封刃は、通常、複数の三角刃を並べたもの
であるが、図７に示すように、封止フィルム（３０）の
破断片（３１）が落下することを防ぐために、任意の箇
所に欠刃部（１４３）を設けるものである。

【００１３】上述した構成部材のキャップ、スパウト、
開封用筒体及び開封刃リングは、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどの熱可塑性樹脂を用いて射出成形法で作製
するものである。そして、図１及び図４に示すように、
スパウト（１００）に、開封用筒体（１３０）の外周面
の摺動突起（１３１）をスパウトの縦溝（１１２）に嵌
めて、上下に摺動可能に開封用筒体をスパウトの内側に
挿着し、開封刃リング（１４０）を、開封用筒体の内側
に吊着棒（１４４）を、下降したときに、上端の掛止部
（１４５）が開封用筒体の掛止桟（１３４）に引っ掛か
るように立設させて、上面の仮係止部（１４３）を開封
用筒体の仮係止部（１３２）に嵌めて仮係止し、スパウ
トにキャップ（２００）を螺合させて冠着して本発明の
開封刃を内蔵する注出口栓（１０）を作製するものであ
る。なお、図４に示す封止フィルム（３０）は、開封刃
で破断可能な積層フィルムで、例えばアルミニウム箔の
表裏にポリオレフィン層を形成したものである。

【００１４】本発明の開封刃を内蔵する注出口栓を頂部
に突設した液体用紙容器は、キャップを取り外すために
キャップを回転して上昇させると、図２に示すように、
キャップ（２００）の天板（２１０）から垂設するガイ
ド用内筒（２３０）の外周面の案内斜面（２３１）が、
開封用筒体（１３０）の内周面の案内斜面（１３３）と
摺接して、開封用筒体がキャップの回転方向と逆回転方
向の力を受けるが、開封用筒体の外周面の摺動突起（１
３１）がスパウト（１００）の注出筒（１１０）の内面
に設けられた縦溝（１１２）と摺接しているため、縦溝
に沿って開封用筒体が下降して、開封用筒体の下端に仮
係止された開封刃リング（１４０）の下面に設けられた
連設する開封刃（１４１）で封止フィルム（３０）を破
断して液体用紙容器（２０）を開封する。さらに、下降
する開封用筒体（１３０）は、案内斜面（１３３）が上
昇するキャップの案内斜面（２３１）から外れ、スパウ
ト（１００）の縦溝（１１２）の下方の係止部（１１
３）に摺動突起（１３１）が当接して停止し、また、封
止フィルムを破断したのち、開封用筒体の下端に仮係止
されていた開封刃リング（１４０）が、図３に示すよう
に、開封用筒体（１３０）から外れて、開封用筒体の掛
止桟（１３４）に吊着棒（１４４）の上端の掛止部（１
４５）が当接して、小さな外力でも可動状態に懸垂す
る。

【００１５】そして、図７（ａ）に示すように、本発明
の開封刃を内蔵する注出口栓（１０）を頂部傾斜板（２
１）に突設した液体用紙容器（２０）は、キャップ（２
００）を取り外して容器を一旦開封すると、容器内へ開
封用筒体（１３０）と開封刃リング（１４０）とが突出
するが、開封刃リングが開封用筒体から離れて小さな外
力でも可動状態に懸垂しているため、使用後の容器を解
体して分別回収しているときに、手などが開封刃（１４
１）に触れると、開封刃リングが移動するので手などに
怪我をすることがない。

【００１６】

【発明の効果】本発明の開封刃を内蔵する注出口栓を取
り付けた液体用紙容器は、使用後の分別回収のために容
器を解体しても、開封刃リングが開封用筒体から小さな
外力でも可動状態に懸垂しているため、従来の開封刃を
内蔵する注出口栓のように容器の内側に突出する開封刃
で手などを怪我する危惧がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態例の開封刃を内蔵する注出
口栓の構造を示す説明図である。

【図２】液体用紙容器に取り付けた図１に示す注出口栓
の封止フィルムを破断した時の状態を示す説明図であ
る。

【図３】液体用紙容器に取り付けた図１に示す注出口栓
の封止フィルムを破断したのちに、開封刃リングが開封
用筒体から懸垂状態で分離した状態を示す説明図であ
る。

【図４】本発明の他の一実施形態例の開封刃を内蔵する
注出口栓の構造を示す説明図である。

【図５】スパウトを液体用紙容器の注出孔に外付けした
状態を示す説明図である。

【図６】スパウトを液体用紙容器の注出孔に内付けした
状態を示す説明図である。

【図７】図１に示す実施形態例の注出口栓を取り付けた
液体用紙容器を、開封したときの状態を示す説明図であ
る。

【図８】従来の一例の開封刃を内蔵する注出口栓を取り
付けた液体用紙容器を、開封したときの状態を示す説明
図である。

【符号の説明】

１０……注出口栓 ２０……液体用紙容器 ２１……頂部傾斜板 ２２……注出孔 ２３……口栓取付孔 ３０……封止フィルム ３１……破断片 １００……スパウト １１０……注出筒 １１１，２２１……螺合部 １１２……縦溝 １１３……係止部 １２０……台座リング １３０……開封用筒体 １３１……摺動突起 １３２，１４３……仮係止部 １３３，２３１……案内斜面 １３４……掛止桟 １４０……開封刃リング １４１……開封刃 １４２……欠刃部 １４４……吊着棒 １４５……掛止部 ２００……キャップ ２１０……天板 ２２０……周壁 ２３０……ガイド用内筒

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】破断可能な封止フィルムで封止された液体
   用紙容器の注出孔の周縁部上面に熱融着又は接着して突
   設される開封刃を内蔵するスパウトとキャップとからな
   る注出口栓において、前記キャップには、周壁内周面に
   螺合部を設け、天板下面に外周面に螺旋状の複数の案内
   斜面を形成するガイド用内筒を垂設し、前記スパウトに
   は、注出筒外周面に螺合部を設け、内面に下方に係止部
   をもつ複数の縦溝を形成し、該縦溝を摺動する複数の摺
   動突起を上方の外周面にもち、内周面に前記キャップの
   案内斜面と摺接する複数の案内斜面を形成し、下端面に
   仮係止部を設け、内側に掛止桟をもつ開封用筒体を挿着
   し、該開封用筒体の下端に、上面に仮係止部をもち、内
   側に掛止部を上端にもつ吊着棒を備え、下面に複数の開
   封刃を環状に連設した開封刃リングを吊着可能に仮係止
   したことを特徴とする開封刃を内蔵する注出口栓。
2. 【請求項２】液体用紙容器の口栓取付孔の周縁部下面に
   熱融着又は接着して突設される開封刃を内蔵するスパウ
   トとキャップとからなる注出口栓において、前記キャッ
   プには、周壁内周面に螺合部を設け、天板下面に外周面
   に螺旋状の複数の案内斜面を形成するガイド用内筒を垂
   設し、前記スパウトには、注出筒外周面に螺合部を設
   け、内面に下方に係止部をもつ複数の縦溝を形成し、該
   縦溝を摺動する複数の摺動突起を上方の外周面にもち、
   内周面に前記キャップの案内斜面と摺接する複数の案内
   斜面を形成し、下端面に仮係止部を設け、内側に掛止桟
   をもつ開封用筒体を挿着し、該開封用筒体の下端に、上
   面に仮係止部をもち、内側に掛止部を上端にもつ吊着棒
   を備え、下面に複数の開封刃を環状に連設した開封刃リ
   ングを下方へ吊着可能に仮係止し、且つ、前記スパウト
   の台座リングの下面に封止フィルムを熱融着又は接着し
   て封止したことを特徴とする開封刃を内蔵する注出口
   栓。