JP3750141B2 - チアゾリン誘導体 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は新規なチアゾリン誘導体に関し、更に詳しくは、フィブリノーゲン受容体拮抗作用、細胞接着因子拮抗作用を有する新規なチアゾリン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
血小板は各種血小板凝集惹起物質の刺激により、血小板膜糖蛋白GPIIb/IIIa複合体上にフィブリノーゲンの結合部位が発現し、その結果血小板が相互にフィブリノーゲンを介して結合し凝集するといわれている。従って、フィブリノーゲン受容体に対する拮抗作用を有する化合物は、血小板凝集抑制作用を有する可能性があり、フィブリノーゲンの受容体との結合部位であるといわれているArg−Gly−Aspを含むArg−Gly−Asp−Ser(以下RGDSと記す)等のペプチド誘導体[Thrombosys Res,第56巻,第6号,第687ページ(1989年)]や分子内にアミジノ基を有する化合物(特開平2−223543号公報に記載)などがフィブリノーゲン受容体に対する拮抗作用を有し、血小板凝集抑制作用を有することが知られている。しかし上記化合物の作用は充分ではなかった。
【0003】
またフィブリノーゲン受容体に対する拮抗作用を有し、血小板凝集抑制作用を有するチアゾリン誘導体が報告されている(WO94/02472号)がこれらの化合物は水溶性が低く、注射剤として投与する場合医薬としての有用性が充分ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、優れたフィブリノーゲン受容体拮抗作用を有し、かつ良好な水溶性を示す化合物を提供し、ひいては血小板凝集抑制剤として実用的な化合物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、ある種のチアゾリン誘導体が前記課題を達成できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記式(I)
【0006】
【化3】
【0007】
[式中、R1はシアノ基、チオカルバモイル基、炭素原子数2〜7個のアルキルチオイミドイル基、アミジノ基または式(II)
【0008】
【化4】
【0009】
(式中、R4及びR5はそれぞれ水素原子あるいは炭素原子数1〜6個のアルキル基を示し、m及びnは1〜3の整数を示し、Aはメチレン基、酸素原子、硫黄原子または式 >N−R6(式中、R6は水素原子またはピリジル基を示す。)で表される基を示す。)で表わされる基を示し、lは1〜5の整数を示し、R2は水素原子または炭素原子数1〜6個のアルキル基を示し、R3は水素原子または炭素原子数1〜6個のアルキル基を示す。]で表されるチアゾリン誘導体およびその塩である。
【0010】
本発明において、アルキル基とは直鎖状または分岐鎖状のものをいう。
式(I)の化合物の塩とは、アルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニア、アルキルアミン類、鉱酸、カルボン酸、スルホン酸などとの塩であり、たとえばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、アルミニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩などが挙げられる。
【0011】
本発明化合物は、例えば以下に示す方法によって製造することができる。
すなわち下記式(a)
【0012】
【化5】
【0013】
(式中、R7は炭素原子数1〜6個のアルキル基を示す。)で表わされる化合物と式 X−(CH2)lCO2R8(式中、lは前記と同意義であり、Xはハロゲン原子を示し、R8は水素原子以外のR2を示す。)で表わされるハロゲン化物、式R9SO3(CH2)lCO2R8(式中、R9は任意のアルキル基またはアリール基を示し、l及びR8は前記と同意義である。)で表わされるスルホン酸エステルなどのアルキル化剤を塩基の存在下に反応させて、式(b)
【0014】
【化6】
【0015】
(式中、R7、R8及びlは前記と同意義である。)で表わされる化合物を得る。
【0016】
次に、式(b)の化合物のR7のエステル部分を通常用いられる方法を用いて加水分解して、式(c)
【0017】
【化7】
【0018】
(式中、R8及びlは前記と同意義である。)で表わされる化合物またはそれらの塩とした後、式 H2N(CH2)2CO2R10(式中、R10は水素原子以外のR3を示す。)で表される化合物あるいはその塩を用いて、アミド結合を形成する通常の方法によりアミド化することによって、R1がシアノ基であり、R2及びR3が炭素原子数1〜6個のアルキル基である式(I)の化合物へと導くことができる。
【0019】
また、上記で得られた本発明化合物を、たとえば塩基を触媒として用いて硫化水素と反応させる方法、NaBH2S3と反応させる方法等によってR1がチオカルバモイル基に変換された化合物へと導くことができる。さらにここで得られた本発明化合物を、式 R11−X(式中、R11は炭素原子数1〜6個のアルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。)で表わされる低級アルキルハライド、式 R11 2−SO4(式中、R11は前記と同意義である。)で表わされる化合物などのアルキル化剤で処理することにより、R1が炭素原子数2〜7個のアルキルチオイミドイル基に変換された化合物へと導くことができ、さらに対応するアミン類あるいはその塩で処理することによって、R1がアミジノ基または式(II)の基であり、R2及びR3が炭素原子数1〜6個のアルキル基である式(I)の化合物へと導くことができる。
【0020】
別法として、R1がアミジノ基または式(II)の基であり、R2及びR3が炭素原子数1〜6個のアルキル基である式(I)の化合物は、R1がシアノ基であり、R2及びR3が炭素原子数1〜6個のアルキル基である式(I)の化合物から例えばイミノクロリドやイミノエーテルを経由するシアノ基をアミジノ基に変換する一般的な方法を用いて合成することもできる。
【0021】
R2及びR3が水素原子である式(I)の化合物またはその塩を製造する場合、R2及びR3が炭素原子数1〜6個のアルキル基である式(I)の化合物からエステルの加水分解を行なうことにより得ることができる。エステルの加水分解はアルカリ処理、鉱酸、有機酸処理等の一般的な方法を用いることができる。
【0022】
上記の反応で塩基を用いる場合の塩基としては例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ジムシルナトリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、第3ブチルカリウム等のアルカリ金属塩類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等のアミン類等を用いることができ、アミン類の塩とは例えば酢酸アンモニウム等の有機酸塩等を用いることができる。反応溶媒としては水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、第3ブチルアルコール等のアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、塩化メチレン、クロロホルム、アセトン、酢酸等の反応に不活性な溶媒を用いることができる。
【0023】
【発明の効果】
このようにして得た式(I)の化合物は、血小板上のフィブリノーゲン受容体(GpIIb/IIIa)に対するフィブリノーゲン、フィブロネクチン、フォンヴィルブラント因子等の各種粘着性タンパク質の結合を阻害し、血小板の凝集、粘着に対する抑制作用を有する。また式(I)の化合物は各種細胞表面への上記粘着性タンパク質及びヴィトロネクチン、コラーゲン等の細胞間マトリックスを形成する粘着性タンパク質の結合を阻害し、細胞間の相互作用、細胞−細胞間マトリックス間の相互作用に作用する。
【0024】
従って本発明の化合物は血栓症、脳梗塞、心筋梗塞等の虚血性疾患、動脈硬化症等の疾患の予防および治療剤、悪性腫瘍の転移抑制剤などに用いることができる。
この目的のためには、式(I)の化合物を常用の増量剤、結合剤、崩壊剤、pH調節剤、溶解剤などを添加し、常用の製剤技術によって錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤などに調製することができる。式(I)の化合物は、成人の患者に対して0.001〜5000mg/日を1回でまたは数回に分けて経口または非経口で投与する。この投与量は疾病の種類、患者の年齢、体重、症状により適宜増減することができる。
【0025】
以下、試験例を挙げて式(I)の化合物のフィブリノーゲン受容体拮抗作用を説明する。
試験例1[ヒト血小板 フィブリノーゲン結合試験]
試験開始2週間前より血小板の機能に影響を及ぼすことが知られている薬剤の服用を行っていない健常人の肘静脈よりクエン酸採血(3.13%クエン酸ナトリウム液1容:血液9容)を行い、この血液を室温で120gで15分間遠沈して得た上清を多血小板血漿(PRP)とした。
上記のPRPに1/5量のACD溶液(ACD溶液:クエン酸/クエン酸ナトリウム/デキストロース)を加え、1200gで15分間遠沈した。沈澱物をタイロード液(20%ウシ胎児血清、2mM Mg2+)に懸濁した後セファロース2Bカラムを用いてゲル濾過を行いフィブリノーゲン除去血小板懸濁液(1×109個/ml)を得た。このフィブリノーゲン除去血小板懸濁液に被験薬として式(I)の化合物をジメチルスルホキシドに溶解し、生理食塩水で所要濃度に調整した液及びADP(終濃度10μM)と125Iでラベルしたヒトフィブリノーゲンを用いて結合実験を行い被験薬の結合阻害率を算出した。
【0026】
また、比較薬としてRGDS(シグマ社製)、3−[3−(4−アミジノベンゾイル)ベンズアミド]プロピオン酸(特開平2−223543号公報に記載された化合物、以下 対照薬1と記す)及び N−(2−カルボキシエチル)−2−(4−アミジノベンゾイルイミノ)−3,4−ジメチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド 臭化水素酸塩(WO94/02472号に記載された化合物、以下 対照薬2と記す)を用い、前記と同様に試験液を調整し、これについて前記と同様の試験を行った。
その結果を表1に示した。ただし、表中の化合物番号は実施例に示す化合物番号と同一である。
【0027】
【表1】
【0028】
試験例2[溶解性試験]
pH7.0の0.1M燐酸緩衝液1.0mlを正確に量り、これに溶解限界量に対して過剰量の被験薬を加えた。上記懸濁液を5分間超音波処理した後、25℃の水浴中で24時間撹拌し、0.22μmのメンブランフィルターを用いて不溶物を濾過した。濾液を適宜希釈して試料溶液とした。また別途被験薬を1mgを溶離液で正確に100mlに希釈した標準溶液を作成した。上記試料溶液、標準溶液を高速液体クロマトグラフ法によって定量して被験薬の溶解度を算出した。
その結果を表2に示した。ただし、表中の化合物番号は実施例に示す化合物番号と同一である。
【0029】
【表2】
【0030】
【実施例】
実施例1
(1)2−(4−シアノベンゾイルアミノ)−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸エチル(12.5g)、6−ブロモカプロン酸−t−ブチル(10g)、60%油性水素化ナトリウム(1.67g)、ヨウ化ナトリウム(6g)、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略す。)(100ml)の混合物を室温で1晩撹拌した。酢酸エチルを加え析出した結晶を濾取し、これを7%クエン酸水溶液で処理した。析出した結晶を濾取して3−(5−t−ブトキシカルボニルペンチル)−2−(4−シアノベンゾイルイミノ)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボン酸エチル11.2gを得た。
融点 133.5〜135℃。
【0031】
(2)3−(5−t−ブトキシカルボニルペンチル)−2−(4−シアノベンゾイルイミノ)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボン酸エチル(11g)、10%水酸化ナトリウム水溶液(19ml)、メタノール(200ml)、塩化メチレン(50ml)、アセトン(150ml)の混合物を室温で1晩撹拌した。反応混合物を減圧濃縮の後7%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を7%クエン酸、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥の後、減圧濃縮して3−(5−t−ブトキシカルボニルペンチル)−2−(4−シアノベンゾイルイミノ)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボン酸10.6gを得た。
融点 119〜122℃。
【0032】
(3)3−(5−t−ブトキシカルボニルペンチル)−2−(4−シアノベンゾイルイミノ)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボン酸エチル10.4g、β−アラニンメチルエステル・塩酸塩(3.58g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物(3.9g)、1−エチル−3−(N,N−ジメチルプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(4.9g)、トリエチルアミン(3.6ml)、DMF(100ml)の混合物を室温で2時間撹拌した。酢酸エチルを加え、7%クエン酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)で精製してN−(2−メトキシカルボニルエチル)−3−(5−t−ブトキシカルボニルペンチル)−2−(4−シアノベンゾイルイミノ)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド(化合物1)7.9gを得た。
【0033】
1H−NMR(CDCl3,200MHz) δ(ppm):1.32(s,9H),1.38(m,2H),1.56(m,2H),1.75(m,2H),2.19(t,J=7Hz,2H),2.55(t,J=7Hz,2H),2.60(s,3H),3.42(q,J=7Hz,2H),3.61(s,3H),4.35(t,J=7Hz,2H),7.95(d,J=8Hz,2H),8.3〜8.4(br,1H),8.32(d,J=8Hz,2H)。
【0034】
実施例2
化合物1(7.8g)、水硫化ナトリウム(70%、2.4g)、塩化マグネシウム・6水和物(3.1g)、DMF(50ml)の混合物を室温で1晩撹拌した。水(1.2l)を加え酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水、3%塩酸、飽和食塩水で順次洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥した。大部分を減圧濃縮し、析出した結晶を濾取してN−(2−メトキシカルボニルエチル)−3−(5−t−ブトキシカルボニルペンチル)−2−(4−チオカルバモイルベンゾイルイミノ)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド(化合物2)7.1gを得た。
融点 141.5〜144℃。
【0035】
実施例3
化合物2(7g)、ヨウ化メチル(7.8ml)、アセトン(150ml)の混合物を加熱還流下4時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、酢酸エチルで結晶化しこれを濾取してN−(2−メトキシカルボニルエチル)−2−[4−(メチルチオイミドイル)ベンゾイルイミノ]−3−(5−t−ブトキシカルボニルペンチル)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド・ヨウ化水素酸塩(化合物3)8.0gを得た。
融点 98〜101℃。
【0036】
実施例4
化合物3(2g)、酢酸アンモニウム(0.86g)、メタノール(4ml)の混合物を加熱還流下70分間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮の後、塩化メチレンを加え不溶物を濾別し、母液を減圧濃縮した。酢酸エチルを加え結晶化し、得られた結晶を水で洗浄してN−(2−メトキシカルボニルエチル)−2−(4−アミジノベンゾイルイミノ)−3−(5−t−ブトキシカルボニルペンチル)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド・酢酸塩(化合物4)1.2gを得た。
融点 174〜179℃。
【0037】
実施例5
化合物4(1.1g)、トリフルオロ酢酸(以下TFAと略す。)(10ml)の混合物を室温で30分撹拌し、減圧濃縮した。塩化メチレンを加え撹拌し、結晶を濾取してN−(2−メトキシカルボニルエチル)−2−(4−アミジノベンゾイルイミノ)−3−(5−カルボキシペンチル)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド・3TFA塩(化合物5)1.16gを得た。
融点 213〜216.5℃。
【0038】
実施例6
化合物4(0.3g)、23%臭化水素酸水溶液(3ml)の混合物を80℃で30分撹拌した。室温まで冷却の後、水(3ml)を加えて析出した結晶を濾取してN−(2−カルボキシエチル)−2−(4−アミジノベンゾイルイミノ)−3−(5−カルボキシペンチル)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド・臭化水素酸塩(化合物6)0.14gを得た。
融点 193〜196℃。
【0039】
実施例7
化合物3(1g)、1−(2−ピリジル)ピペラジン(0.34g)、酢酸(0.13ml)、メタノール(10ml)の混合物を加熱還流下2時間撹拌した。減圧濃縮の後塩化メチレンに溶解し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮の後、残渣をトルエンで結晶化してN−(2−メトキシカルボニルエチル)−2−{4−[4−(2−ピリジル)ピペラジノイミドイル]ベンゾイルイミノ}−3−(5−t−ブトキシカルボニルペンチル)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド(化合物7)0.60gを得た。
融点 120〜122℃。
【0040】
実施例8
化合物7(0.5g)を原料に用い、実施例6と同様の操作を行なってN−(2−カルボキシエチル)−2−{4−[4−(2−ピリジル)ピペラジノイミドイル]ベンゾイルイミノ}−3−(5−カルボキシペンチル)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド・臭化水素酸塩(化合物8)0.41gを得た。
融点 221〜224℃。
【0041】
実施例9
化合物3(1g)、モルホリン(0.18g)、酢酸(0.13ml)、メタノール(10ml)の混合物を加熱還流下2時間撹拌した。減圧濃縮の後塩化メチレンに溶解し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮の後、残渣を酢酸エチルで結晶化してN−(2−メトキシカルボニルエチル)−2−[4−(モルホリノイミドイル)ベンゾイルイミノ]−3−(5−t−ブトキシカルボニルペンチル)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド(化合物9)0.29gを得た。
融点 204〜205℃。
【0042】
実施例10
化合物9(0.19g)を原料に用い、実施例6と同様の操作を行なってN−(2−カルボキシエチル)−2−[4−(モルホリノイミドイル)ベンゾイルイミノ]−3−(5−カルボキシペンチル)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド・臭化水素酸塩(化合物10)0.11gを得た。
融点 225〜228℃。
【産業上の利用分野】
本発明は新規なチアゾリン誘導体に関し、更に詳しくは、フィブリノーゲン受容体拮抗作用、細胞接着因子拮抗作用を有する新規なチアゾリン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
血小板は各種血小板凝集惹起物質の刺激により、血小板膜糖蛋白GPIIb/IIIa複合体上にフィブリノーゲンの結合部位が発現し、その結果血小板が相互にフィブリノーゲンを介して結合し凝集するといわれている。従って、フィブリノーゲン受容体に対する拮抗作用を有する化合物は、血小板凝集抑制作用を有する可能性があり、フィブリノーゲンの受容体との結合部位であるといわれているArg−Gly−Aspを含むArg−Gly−Asp−Ser(以下RGDSと記す)等のペプチド誘導体[Thrombosys Res,第56巻,第6号,第687ページ(1989年)]や分子内にアミジノ基を有する化合物(特開平2−223543号公報に記載)などがフィブリノーゲン受容体に対する拮抗作用を有し、血小板凝集抑制作用を有することが知られている。しかし上記化合物の作用は充分ではなかった。
【0003】
またフィブリノーゲン受容体に対する拮抗作用を有し、血小板凝集抑制作用を有するチアゾリン誘導体が報告されている(WO94/02472号)がこれらの化合物は水溶性が低く、注射剤として投与する場合医薬としての有用性が充分ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、優れたフィブリノーゲン受容体拮抗作用を有し、かつ良好な水溶性を示す化合物を提供し、ひいては血小板凝集抑制剤として実用的な化合物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、ある種のチアゾリン誘導体が前記課題を達成できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記式(I)
【0006】
【化3】
【0007】
[式中、R1はシアノ基、チオカルバモイル基、炭素原子数2〜7個のアルキルチオイミドイル基、アミジノ基または式(II)
【0008】
【化4】
【0009】
(式中、R4及びR5はそれぞれ水素原子あるいは炭素原子数1〜6個のアルキル基を示し、m及びnは1〜3の整数を示し、Aはメチレン基、酸素原子、硫黄原子または式 >N−R6(式中、R6は水素原子またはピリジル基を示す。)で表される基を示す。)で表わされる基を示し、lは1〜5の整数を示し、R2は水素原子または炭素原子数1〜6個のアルキル基を示し、R3は水素原子または炭素原子数1〜6個のアルキル基を示す。]で表されるチアゾリン誘導体およびその塩である。
【0010】
本発明において、アルキル基とは直鎖状または分岐鎖状のものをいう。
式(I)の化合物の塩とは、アルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニア、アルキルアミン類、鉱酸、カルボン酸、スルホン酸などとの塩であり、たとえばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、アルミニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩などが挙げられる。
【0011】
本発明化合物は、例えば以下に示す方法によって製造することができる。
すなわち下記式(a)
【0012】
【化5】
【0013】
(式中、R7は炭素原子数1〜6個のアルキル基を示す。)で表わされる化合物と式 X−(CH2)lCO2R8(式中、lは前記と同意義であり、Xはハロゲン原子を示し、R8は水素原子以外のR2を示す。)で表わされるハロゲン化物、式R9SO3(CH2)lCO2R8(式中、R9は任意のアルキル基またはアリール基を示し、l及びR8は前記と同意義である。)で表わされるスルホン酸エステルなどのアルキル化剤を塩基の存在下に反応させて、式(b)
【0014】
【化6】
【0015】
(式中、R7、R8及びlは前記と同意義である。)で表わされる化合物を得る。
【0016】
次に、式(b)の化合物のR7のエステル部分を通常用いられる方法を用いて加水分解して、式(c)
【0017】
【化7】
【0018】
(式中、R8及びlは前記と同意義である。)で表わされる化合物またはそれらの塩とした後、式 H2N(CH2)2CO2R10(式中、R10は水素原子以外のR3を示す。)で表される化合物あるいはその塩を用いて、アミド結合を形成する通常の方法によりアミド化することによって、R1がシアノ基であり、R2及びR3が炭素原子数1〜6個のアルキル基である式(I)の化合物へと導くことができる。
【0019】
また、上記で得られた本発明化合物を、たとえば塩基を触媒として用いて硫化水素と反応させる方法、NaBH2S3と反応させる方法等によってR1がチオカルバモイル基に変換された化合物へと導くことができる。さらにここで得られた本発明化合物を、式 R11−X(式中、R11は炭素原子数1〜6個のアルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。)で表わされる低級アルキルハライド、式 R11 2−SO4(式中、R11は前記と同意義である。)で表わされる化合物などのアルキル化剤で処理することにより、R1が炭素原子数2〜7個のアルキルチオイミドイル基に変換された化合物へと導くことができ、さらに対応するアミン類あるいはその塩で処理することによって、R1がアミジノ基または式(II)の基であり、R2及びR3が炭素原子数1〜6個のアルキル基である式(I)の化合物へと導くことができる。
【0020】
別法として、R1がアミジノ基または式(II)の基であり、R2及びR3が炭素原子数1〜6個のアルキル基である式(I)の化合物は、R1がシアノ基であり、R2及びR3が炭素原子数1〜6個のアルキル基である式(I)の化合物から例えばイミノクロリドやイミノエーテルを経由するシアノ基をアミジノ基に変換する一般的な方法を用いて合成することもできる。
【0021】
R2及びR3が水素原子である式(I)の化合物またはその塩を製造する場合、R2及びR3が炭素原子数1〜6個のアルキル基である式(I)の化合物からエステルの加水分解を行なうことにより得ることができる。エステルの加水分解はアルカリ処理、鉱酸、有機酸処理等の一般的な方法を用いることができる。
【0022】
上記の反応で塩基を用いる場合の塩基としては例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ジムシルナトリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、第3ブチルカリウム等のアルカリ金属塩類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等のアミン類等を用いることができ、アミン類の塩とは例えば酢酸アンモニウム等の有機酸塩等を用いることができる。反応溶媒としては水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、第3ブチルアルコール等のアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、塩化メチレン、クロロホルム、アセトン、酢酸等の反応に不活性な溶媒を用いることができる。
【0023】
【発明の効果】
このようにして得た式(I)の化合物は、血小板上のフィブリノーゲン受容体(GpIIb/IIIa)に対するフィブリノーゲン、フィブロネクチン、フォンヴィルブラント因子等の各種粘着性タンパク質の結合を阻害し、血小板の凝集、粘着に対する抑制作用を有する。また式(I)の化合物は各種細胞表面への上記粘着性タンパク質及びヴィトロネクチン、コラーゲン等の細胞間マトリックスを形成する粘着性タンパク質の結合を阻害し、細胞間の相互作用、細胞−細胞間マトリックス間の相互作用に作用する。
【0024】
従って本発明の化合物は血栓症、脳梗塞、心筋梗塞等の虚血性疾患、動脈硬化症等の疾患の予防および治療剤、悪性腫瘍の転移抑制剤などに用いることができる。
この目的のためには、式(I)の化合物を常用の増量剤、結合剤、崩壊剤、pH調節剤、溶解剤などを添加し、常用の製剤技術によって錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤などに調製することができる。式(I)の化合物は、成人の患者に対して0.001〜5000mg/日を1回でまたは数回に分けて経口または非経口で投与する。この投与量は疾病の種類、患者の年齢、体重、症状により適宜増減することができる。
【0025】
以下、試験例を挙げて式(I)の化合物のフィブリノーゲン受容体拮抗作用を説明する。
試験例1[ヒト血小板 フィブリノーゲン結合試験]
試験開始2週間前より血小板の機能に影響を及ぼすことが知られている薬剤の服用を行っていない健常人の肘静脈よりクエン酸採血(3.13%クエン酸ナトリウム液1容:血液9容)を行い、この血液を室温で120gで15分間遠沈して得た上清を多血小板血漿(PRP)とした。
上記のPRPに1/5量のACD溶液(ACD溶液:クエン酸/クエン酸ナトリウム/デキストロース)を加え、1200gで15分間遠沈した。沈澱物をタイロード液(20%ウシ胎児血清、2mM Mg2+)に懸濁した後セファロース2Bカラムを用いてゲル濾過を行いフィブリノーゲン除去血小板懸濁液(1×109個/ml)を得た。このフィブリノーゲン除去血小板懸濁液に被験薬として式(I)の化合物をジメチルスルホキシドに溶解し、生理食塩水で所要濃度に調整した液及びADP(終濃度10μM)と125Iでラベルしたヒトフィブリノーゲンを用いて結合実験を行い被験薬の結合阻害率を算出した。
【0026】
また、比較薬としてRGDS(シグマ社製)、3−[3−(4−アミジノベンゾイル)ベンズアミド]プロピオン酸(特開平2−223543号公報に記載された化合物、以下 対照薬1と記す)及び N−(2−カルボキシエチル)−2−(4−アミジノベンゾイルイミノ)−3,4−ジメチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド 臭化水素酸塩(WO94/02472号に記載された化合物、以下 対照薬2と記す)を用い、前記と同様に試験液を調整し、これについて前記と同様の試験を行った。
その結果を表1に示した。ただし、表中の化合物番号は実施例に示す化合物番号と同一である。
【0027】
【表1】
【0028】
試験例2[溶解性試験]
pH7.0の0.1M燐酸緩衝液1.0mlを正確に量り、これに溶解限界量に対して過剰量の被験薬を加えた。上記懸濁液を5分間超音波処理した後、25℃の水浴中で24時間撹拌し、0.22μmのメンブランフィルターを用いて不溶物を濾過した。濾液を適宜希釈して試料溶液とした。また別途被験薬を1mgを溶離液で正確に100mlに希釈した標準溶液を作成した。上記試料溶液、標準溶液を高速液体クロマトグラフ法によって定量して被験薬の溶解度を算出した。
その結果を表2に示した。ただし、表中の化合物番号は実施例に示す化合物番号と同一である。
【0029】
【表2】
【0030】
【実施例】
実施例1
(1)2−(4−シアノベンゾイルアミノ)−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸エチル(12.5g)、6−ブロモカプロン酸−t−ブチル(10g)、60%油性水素化ナトリウム(1.67g)、ヨウ化ナトリウム(6g)、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略す。)(100ml)の混合物を室温で1晩撹拌した。酢酸エチルを加え析出した結晶を濾取し、これを7%クエン酸水溶液で処理した。析出した結晶を濾取して3−(5−t−ブトキシカルボニルペンチル)−2−(4−シアノベンゾイルイミノ)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボン酸エチル11.2gを得た。
融点 133.5〜135℃。
【0031】
(2)3−(5−t−ブトキシカルボニルペンチル)−2−(4−シアノベンゾイルイミノ)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボン酸エチル(11g)、10%水酸化ナトリウム水溶液(19ml)、メタノール(200ml)、塩化メチレン(50ml)、アセトン(150ml)の混合物を室温で1晩撹拌した。反応混合物を減圧濃縮の後7%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を7%クエン酸、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥の後、減圧濃縮して3−(5−t−ブトキシカルボニルペンチル)−2−(4−シアノベンゾイルイミノ)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボン酸10.6gを得た。
融点 119〜122℃。
【0032】
(3)3−(5−t−ブトキシカルボニルペンチル)−2−(4−シアノベンゾイルイミノ)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボン酸エチル10.4g、β−アラニンメチルエステル・塩酸塩(3.58g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物(3.9g)、1−エチル−3−(N,N−ジメチルプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(4.9g)、トリエチルアミン(3.6ml)、DMF(100ml)の混合物を室温で2時間撹拌した。酢酸エチルを加え、7%クエン酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)で精製してN−(2−メトキシカルボニルエチル)−3−(5−t−ブトキシカルボニルペンチル)−2−(4−シアノベンゾイルイミノ)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド(化合物1)7.9gを得た。
【0033】
1H−NMR(CDCl3,200MHz) δ(ppm):1.32(s,9H),1.38(m,2H),1.56(m,2H),1.75(m,2H),2.19(t,J=7Hz,2H),2.55(t,J=7Hz,2H),2.60(s,3H),3.42(q,J=7Hz,2H),3.61(s,3H),4.35(t,J=7Hz,2H),7.95(d,J=8Hz,2H),8.3〜8.4(br,1H),8.32(d,J=8Hz,2H)。
【0034】
実施例2
化合物1(7.8g)、水硫化ナトリウム(70%、2.4g)、塩化マグネシウム・6水和物(3.1g)、DMF(50ml)の混合物を室温で1晩撹拌した。水(1.2l)を加え酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水、3%塩酸、飽和食塩水で順次洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥した。大部分を減圧濃縮し、析出した結晶を濾取してN−(2−メトキシカルボニルエチル)−3−(5−t−ブトキシカルボニルペンチル)−2−(4−チオカルバモイルベンゾイルイミノ)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド(化合物2)7.1gを得た。
融点 141.5〜144℃。
【0035】
実施例3
化合物2(7g)、ヨウ化メチル(7.8ml)、アセトン(150ml)の混合物を加熱還流下4時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、酢酸エチルで結晶化しこれを濾取してN−(2−メトキシカルボニルエチル)−2−[4−(メチルチオイミドイル)ベンゾイルイミノ]−3−(5−t−ブトキシカルボニルペンチル)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド・ヨウ化水素酸塩(化合物3)8.0gを得た。
融点 98〜101℃。
【0036】
実施例4
化合物3(2g)、酢酸アンモニウム(0.86g)、メタノール(4ml)の混合物を加熱還流下70分間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮の後、塩化メチレンを加え不溶物を濾別し、母液を減圧濃縮した。酢酸エチルを加え結晶化し、得られた結晶を水で洗浄してN−(2−メトキシカルボニルエチル)−2−(4−アミジノベンゾイルイミノ)−3−(5−t−ブトキシカルボニルペンチル)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド・酢酸塩(化合物4)1.2gを得た。
融点 174〜179℃。
【0037】
実施例5
化合物4(1.1g)、トリフルオロ酢酸(以下TFAと略す。)(10ml)の混合物を室温で30分撹拌し、減圧濃縮した。塩化メチレンを加え撹拌し、結晶を濾取してN−(2−メトキシカルボニルエチル)−2−(4−アミジノベンゾイルイミノ)−3−(5−カルボキシペンチル)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド・3TFA塩(化合物5)1.16gを得た。
融点 213〜216.5℃。
【0038】
実施例6
化合物4(0.3g)、23%臭化水素酸水溶液(3ml)の混合物を80℃で30分撹拌した。室温まで冷却の後、水(3ml)を加えて析出した結晶を濾取してN−(2−カルボキシエチル)−2−(4−アミジノベンゾイルイミノ)−3−(5−カルボキシペンチル)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド・臭化水素酸塩(化合物6)0.14gを得た。
融点 193〜196℃。
【0039】
実施例7
化合物3(1g)、1−(2−ピリジル)ピペラジン(0.34g)、酢酸(0.13ml)、メタノール(10ml)の混合物を加熱還流下2時間撹拌した。減圧濃縮の後塩化メチレンに溶解し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮の後、残渣をトルエンで結晶化してN−(2−メトキシカルボニルエチル)−2−{4−[4−(2−ピリジル)ピペラジノイミドイル]ベンゾイルイミノ}−3−(5−t−ブトキシカルボニルペンチル)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド(化合物7)0.60gを得た。
融点 120〜122℃。
【0040】
実施例8
化合物7(0.5g)を原料に用い、実施例6と同様の操作を行なってN−(2−カルボキシエチル)−2−{4−[4−(2−ピリジル)ピペラジノイミドイル]ベンゾイルイミノ}−3−(5−カルボキシペンチル)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド・臭化水素酸塩(化合物8)0.41gを得た。
融点 221〜224℃。
【0041】
実施例9
化合物3(1g)、モルホリン(0.18g)、酢酸(0.13ml)、メタノール(10ml)の混合物を加熱還流下2時間撹拌した。減圧濃縮の後塩化メチレンに溶解し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮の後、残渣を酢酸エチルで結晶化してN−(2−メトキシカルボニルエチル)−2−[4−(モルホリノイミドイル)ベンゾイルイミノ]−3−(5−t−ブトキシカルボニルペンチル)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド(化合物9)0.29gを得た。
融点 204〜205℃。
【0042】
実施例10
化合物9(0.19g)を原料に用い、実施例6と同様の操作を行なってN−(2−カルボキシエチル)−2−[4−(モルホリノイミドイル)ベンゾイルイミノ]−3−(5−カルボキシペンチル)−4−メチル−3H−チアゾリン−5−カルボキサミド・臭化水素酸塩(化合物10)0.11gを得た。
融点 225〜228℃。
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