JP3748999B2 - 空気調和機の風向変更装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機の風向変更装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、空気調和機本体の吹出口に設けられる風向変更用の横羽根として、アルミニウム製横羽根が用いられることは知られている。この種のアルミニウム製横羽根を用いる場合には、結露を防止するために横羽根の表面に植毛等の二次加工が必要となるので、横羽根の製造コストが増大するという問題がある。これを解消するため、空気調和機本体の吹出口に設けられる風向変更用の横羽根として、射出成形により製造した樹脂製横羽根を用いることが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、空気調和機本体の吹出口に樹脂製横羽根を用いる場合、この横羽根は従来射出成形により一体に製造されるので、空気調和機本体の吹出口に適合する所望の長さの横羽根を数種類製造するとなると、数種類分に相当する金型製造費が増大し、横羽根の製造コストが増大するという問題がある。
【0004】
そこで、本発明の目的は、上述した従来技術が有する課題を解消し、コストを抑制した空気調和機の風向変更装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、押出し成形により形成された樹脂製の横羽根素材を空気調和機本体の吹出口に適合する所望の長さに切断して横羽根本体を形成し、この横羽根本体の支持面には支持部材を超音波溶着により溶着し、前記横羽根本体の支持面に長手方向に延びる位置決め溝を設け、この位置決め溝に嵌合する位置決め突起を前記支持部材に設けたことを特徴とするものである。
【0008】
前記発明によれば、まず押出し成形により樹脂製の横羽根素材が製造され、ついでこの横羽根素材が空気調和機本体の吹出口に適合する所望の長さに切断される。これによれば、空気調和機本体の吹出口に適合する長さの複数種類の横羽根をあらかじめ準備する必要がないので、横羽根の製造管理は容易になり、しかも横羽根の製造が射出成形によらないので、従来のように複数種類の金型は不要になり、金型製造費は大幅に抑制される。つぎに横羽根本体の支持面に超音波溶着により支持部材を溶着するので、支持部材は堅固に固定され、しかも任意の位置に固定できるので、横羽根設計の自由度が向上する。例えば、横羽根本体に位置決め溝が形成されれば、この位置決め溝に支持部材の突起を嵌合させるだけで、支持部材を横羽根本体の正確な位置に固定することが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1において、符号1は空気調和機本体を示す。この空気調和機本体1は天井から吊り下げられた吊りボルト3に引っかけられて室内天井板5の下面に設置・固定されている。空気調和機本体1には電装箱11、送風機13、熱交換器15、冷媒配管29等の各種機器類が殆ど隙間なく収納されている。送風機13は、図2に示すように四台の送風機ユニット21〜24からなりこれらは一台のモータ25で駆動される回転軸27に固定・配置されている。
【0011】
熱交換器15は、図1に示すようにフィン・チューブ型の熱交換器であり、空気調和機本体1内に斜めに設置される。この熱交換器15には冷媒配管29が接続され、この冷媒配管29は空気調和機本体1の外に導出され、室外機(図示せず)の圧縮機、減圧装置、室外熱交換器等に接続される。
【0012】
この熱交換器15の下方には、図1に示すように発泡スチロール製のドレンパン31が設置され、このドレンパン31の下面には板金製パネル33が設置される。ドレンパン31のドレン溜まり31aには、図2に示すようにフレキシブルチューブ32を介してドレンポンプユニット35が接続され、このドレンポンプユニット35に収容されるドレンポンプは、ドレン溜まり31aに収集されたドレンを吸い上げて空気調和機本体1の外に排出する。
【0013】
送風機13の下方には、図1に示すように樹脂製の吸込グリル37が開閉可能に設置され、この吸込グリル37には空気清浄用フィルタ39が取り付けられる。そして、送風機13が駆動されると吸込グリル37およびフィルタ39を通じて室内の空気が空気調和機本体1内に吸い込まれ、この空気は熱交換器15で熱交換された後に、吹出口41を介して室内に吹き出される。43は空気調和機本体1の略中央を横断的に仕切る中仕切板である。
【0014】
図3は、空気調和機本体1の吹出口41を示す。この吹出口41には風向変更用の樹脂製の横羽根100および縦羽根200が設けられる。なお、横羽根100は吹出口41より吹き出される空気を上下方向に変更するためのものであり、縦羽根200は空気を左右方向に変更するためのものである。
【0015】
この実施形態では、樹脂製の横羽根100は以下の手順に従って製造される。第一に押出し成形により樹脂製の横羽根素材(図示せず)が製造される。この段階では横羽根素材の長さは任意の長さに設定される。第二にこの樹脂製の横羽根素材が空気調和機本体1の吹出口に適合する所望の長さに切断されて、図4に示すように、所定長の横羽根本体51が形成される。
【0016】
これによれば、空気調和機本体の吹出口に適合する長さの複数種類の横羽根をあらかじめ準備する必要がないので、横羽根の製造管理は容易になり、しかも横羽根の製造が射出成形によらないので、従来のように複数種類の金型は不要になり、金型製造費は大幅に抑制される。
【0017】
第三にこの横羽根本体51の支持面52に超音波溶着により支持部材53a,b(図5)が溶着される。横羽根本体51には長手方向に延びる位置決め溝55が設けられ、支持部材53a,bにはこの位置決め溝55に嵌合する突起57(図5)が形成される。従って、横羽根本体51と支持部材53a,bとを溶着する場合、横羽根本体51の長手方向の位置を決めた後、位置決め溝55に突起57を嵌合させるだけで、支持部材53a,bを簡単に位置決めすることができる。
【0018】
超音波溶着によれば、加圧した2枚の板(横羽根本体51と支持部材53a,b)に超音波振動エネルギを与えて、2枚の板に相対的な摩擦を起こさせ、酸化皮膜を破壊し、発生した摩擦熱によって2枚の板が溶着される。
【0019】
これによれば、横羽根本体51と支持部材53a,bとを、比較的低コストで確実に溶着することができ、しかも支持部材53a,bを横羽根本体51の任意の位置に溶着できるので、横羽根設計の自由度を向上させることができる。
【0020】
横羽根本体51には、図2に示すように、三個の支持部材53a,bが溶着されている。図中左右の支持部材53aは同一形状を有し、それぞれ長いピン54を備え、この長いピン54は、空気調和機本体1の側部に設けられた軸受け部59に回動自在に支持される。また、中央の支持部材51bには、図5Bに示すように、ピン56が一体に形成され、このピン56には樹脂製のカラー58が嵌め込まれ、この樹脂製のカラー58は、図2に示すように、空気調和機本体1の中央から延出するブラケット61の孔に嵌合され、このブラケット61によって支持される。
【0021】
この実施形態では、押出し成形によって製造された横羽根素材を用いて、横羽根本体を製造するので、複数種類の横羽根の準備が不要になり、横羽根の製造管理が容易になると共に、従来のような金型製造費は大幅に抑制され、しかも横羽根本体の支持面に超音波溶着により支持部材を溶着するので、支持部材は堅固に固定され、任意の位置に固定されるので、横羽根設計の自由度が向上する他、樹脂製であるので、アルミニウム製横羽根と比較して結露しにくく、植毛等の二次加工が不要となる。また樹脂製の横羽根本体51は軽量であるため、横羽根駆動用モータに係る力学的な負荷は小さくなり、横羽根駆動用モータの寿命を伸ばすことが可能となる等の効果を奏する。
【0022】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、まず押出し成形により樹脂製の横羽根素材が製造され、ついでこの横羽根素材が空気調和機本体の吹出口に適合する所望の長さに切断されるので、空気調和機本体の吹出口に適合する長さの複数種類の横羽根をあらかじめ準備する必要がなく、横羽根の製造管理が容易になり、しかも横羽根の製造が射出成形によらないので、従来のように複数種類の金型は不要になり、金型製造費は大幅に抑制される。また、横羽根本体の支持面に超音波溶着により支持部材を溶着するので、支持部材は堅固に固定され、しかも任意の位置に固定できるので、横羽根設計の自由度が向上する。
【0023】
また請求項1に記載の発明によれば、横羽根本体に位置決め溝が形成されるので、この位置決め溝に支持部材の位置決め突起を嵌合させるだけで、この支持部材を横羽根本体の正確な位置に簡単に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空気調和機の一実施形態を示す側面断面図である。
【図2】同じく内部構造を示す平面図である。
【図3】空気調和機本体の吹出口を示す図である。
【図4】横羽根本体と支持部材とを示す平面図である。
【図5】(A)は両端の支持部材を示す側面図であり、(B)は中央の支持部材を示す側面図である。
【符号の説明】
1 空気調和機本体
51 横羽根本体
53a,b 支持部材
55 位置決め溝
57 位置決め突起
58 カラー
100 横羽根
Claims (1)
- 押出し成形により形成された樹脂製の横羽根素材を空気調和機本体の吹出口に適合する所望の長さに切断して横羽根本体を形成し、この横羽根本体の支持面には支持部材を超音波溶着により溶着し、
前記横羽根本体の支持面に長手方向に延びる位置決め溝を設け、この位置決め溝に嵌合する位置決め突起を前記支持部材に設けたことを特徴とする空気調和機の風向変更装置。
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JP28301297A JP3748999B2 (ja) | 1997-09-30 | 1997-09-30 | 空気調和機の風向変更装置 |
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Publications (2)
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JPH11108433A JPH11108433A (ja) | 1999-04-23 |
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Family Applications (1)
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1997
- 1997-09-30 JP JP28301297A patent/JP3748999B2/ja not_active Expired - Fee Related
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