JP3748909B2 - フォトレジスト組成物 - Google Patents
フォトレジスト組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3748909B2 JP3748909B2 JP26550194A JP26550194A JP3748909B2 JP 3748909 B2 JP3748909 B2 JP 3748909B2 JP 26550194 A JP26550194 A JP 26550194A JP 26550194 A JP26550194 A JP 26550194A JP 3748909 B2 JP3748909 B2 JP 3748909B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- propylene glycol
- photoresist composition
- photoresist
- solvent
- ether acetate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、一般に幅射線に感応するフォトレジスト組成物に関するものである。詳しくはアルカリ可溶性樹脂、感放射線化合物及び溶媒からなるフォトレジスト組成物の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
集積回路は年を追うごとに高集積度化され、ダイナミックランダムアクセスメモリー(DRAM)を例にとれば、現在では、4Mビットの記憶容量を持つものの本格生産が開始されている。それに伴い集積回路の生産に不可欠のフォトリソグラフィー技術に対する要求も年々厳しくなってきており、例えば、1MビットDRAMの生産には、1μmレベルのリソグラフィー技術が必要とされ、4M、16MDRAMにおいては、それぞれ、0.8μm、0.5μmレベルのリソグラフィー技術が必要とされるといわれている。
【0003】
この様な背景に鑑みて、リソグラフィー工程で使用されるレジスト中の異物の含有量も厳しく管理されたものが要求されており、フォトレジストの製造に際しては最終的に0.2μ程度のポアのフィルターを用いて濾過されるのが通常である。しかし、長期間保存していると、たとえ製造時に濾過されていても液中より異物が発生してくることがあり、IC製造に重大な影響を及ぼすことがある。したがって、IC製造に用いられるフォトレジストには良好な保存安定性が最も強く求められている。
【0004】
さらに、前述の様な加工寸法の微細化に伴い、形成されたフォトレジストパターンの寸法安定性に対する要請が厳しくなってきている。又、フォトリソグラフ工程において形成されたフォトレジストパターンは、後に続けて施されるエッチング工程やイオン注入工程におけるマスクとなるため、フォトレジストのパターンの形状に対する要請も厳しくなり、フォトレジストの断面形状もより良好な矩形性が望まれており、理想的には長方形状の形状が求められている。
【0005】
従来よりフォトレジストの溶媒には、エチルセロソルブアセテート(ECA)が実用されてきた。しかし、ECAを用いたフォトレジストは、前記パターン断面形状の矩形性では不十分な点があり、この改善が望まれている。又近年になってECAの人体に対する悪影響が提言されるに至り、フォトレジストの溶媒についても非ECA化が求められ始めている。フォトレジスト用の非ECA溶媒としては、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等のアルコキシカルボン酸エステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等のプロピレングリコールエーテルエステル誘導体類、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のプロピレングリコールエーテル誘導体類、プロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールジアセテート等のグリコールジエステル類、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等のケトンエステル類、アセチルアセトン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン誘導体類、ジアセトンアルコールメチルエーテル等のケトンエーテル誘導体類、アセトール、ジアセトンアルコール等のケトンアルコール誘導体類、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド誘導体類、アニソール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル誘導体類、乳酸メチル、乳酸エチル、グリコール酸エチル、2−ヒドロキシブタン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等のヒドロキシカルボン酸エステル誘導体類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、安息香酸メチル、プロピオン酸エチル等のカルボン酸エステル誘導体類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等の環状エスエル類、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等の炭酸エステル誘導体類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等、数多く挙げられる(例えば、特開昭62−123444号公報、特開昭61−7837号公報等)。しかし、溶媒の変更はフォトレジストの種々の特性、特に保存安定性に影響を与え、いずれの溶媒も、保存安定性というフォトレジスト用の溶媒に必須の性質において必ずしも満足がいくものではなく、ECAに代わる溶媒が見出されていないのが現状である。そこで、溶媒自体がECAに代わる安全な溶媒であり、かつかかる溶媒に溶解したフォトレジストの保存安定性が優れ、又該フォトレジストを使用して形成されたパターンの断面形状の矩形性が良好でかつ、感度、解像度等の良好なフォトレジスト液が要望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記の背景に鑑み、非ECAの安全な溶媒を含有し、且つ、保存安定性に優れ、又形成されたパターンの断面形状の矩形性が良好なフォトレジスト液を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために我々は種々検討を重ねた結果、特に、乳酸アルキルエステルと、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートとを特定の混合比率で混合した混合溶媒を溶媒としてフォトレジスト組成物を調製すれば、得られたフォトレジスト液の保存安定性に優れ、且つ、これを使用して形成されたフォトレジストパターンの断面形状の矩形性が良好なフォトレジスト液を調製できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明の要旨は、アルカリ可溶性樹脂、感放射線化合物及び溶媒からなるフォトレジスト組成物において、溶媒として乳酸アルキルエステル(A)と、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート(B)とをその混合割合〔B/(A+B)〕が0.1〜0.4(重量比)となる範囲で含有する溶媒を用いることを特徴とするフォトレジスト組成物に存する。
【0009】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明にて用いられるアルカリ可溶性樹脂は特に限定されないが、具体的には、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレンもしくはその誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体等があげられる。なかでも好ましくはノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレンもしくはその誘導体が用いられる。
【0010】
ノボラック樹脂としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3−エチルフェノール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール等のアルキルフェノール類、2−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール、4−フェノキシフェノール等のアルコキシ又はアリルオキシフェノール類、α−ナフトール、β−ナフトール、3−メチル−α−ナフトール等のナフトール類、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシ−5−メチルベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等のポリヒドロキシベンゼン類等のヒドロキシ芳香族化合物モノマー成分とホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等の脂肪族アルデヒド類、ベンズアルデヒド等の芳香族アルデヒド類、アセトン等のアルキルケトン類等のカルボニル化合物とを、例えば塩酸、硫酸、しゅう酸等を触媒として、混合加熱し重縮合させることにより製造することができる。
【0011】
ポリヒドロキシスチレンもしくはその誘導体としては、4−ヒドロキシスチレン、3−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3−クロロ−4−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシスチレン誘導体を重合させることにより製造することができる。又、必要に応じ、得られたアルカリ可溶性樹脂を更に、水素等により還元し短波長領域の吸光度を低くしたものをもちいても良い。なお、上記のアルカリ可溶性樹脂を製造するためのヒドロキシ芳香族化合物モノマーは、本発明に悪影響を与えないかぎり更にハロゲン、ニトロ基、エステル基等の置換基を有していても良い。アルカリ可溶性樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量(以下、単に分子量という)は、通常2,000〜30,000、好ましくは3,000〜20,000程度である。
【0012】
これらのなかでもノボラック樹脂が好ましく、特に、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノールより選ばれた1種類以上のフェノール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒドより選ばれた1種類以上のアルデヒド類とから製造されるノボラック樹脂が好ましい。
特に、m−クレゾール、p−クレゾール及び2,5−キシレノールを、ホルムアルデヒド又はこれとアセトアルデヒドとの混合物と縮合することにより得られるノボラック樹脂が好ましい。
【0013】
本発明にて用いられる感放射線化合物は特に限定されないが、その構造中にオルトキノンジアジド基を含む化合物及びポリハロゲン化炭化水素基を含む化合物等があげられる。
オルトキノンジアジド基を含む化合物としては、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸等のエステル又はアミド等のオルトキノンジアジド系化合物が挙げられる。具体的にはグリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシアルキル化合物、前記アルカリ可溶性樹脂の記載に於いて例示した如きヒドロキシ芳香族化合物とカルボニル化合物の重縮合物であるノボラック樹脂、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2′,4′−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3′,4′.5′−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン等のポリヒドロキシベンゾフェノン化合物、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、1−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル〕−4−〔1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン等のトリスフェノール化合物、ビスフェノールA、没食子酸エステル、ケルセチン、モリン、フェノールフタレイン等のフェノール性水酸基含有化合物の1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル又はスルホン酸アミド等が用いられる。
【0014】
これらのなかでも特に重量平均分子量が600〜2200程度のノボラック樹脂及び/又はポリヒドロキシベンゾフェノン化合物の1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸エステル又はアミド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル又はアミド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル又はアミドが好ましい。
【0015】
ポリハロゲン化炭化水素基を含む化合物としては、ヘキサクロロエタン、ヘキサクロロアセトン、1,2,3,4,5,6−ヘキサクロロシクロヘキサノン、四臭化炭素、ヨードフォルム、1,1,2,2−テトラブロモエタン、1,2,3,4−テトラブロモブタン等のポリハロゲン化炭化水素基を含む炭化水素類等の光酸発生剤等があげられる。これらのポリハロゲン化炭化水素基は、例えば、トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ビス(トリブロモメチル)ベンゼン、トリブロモメチルフェニルスルフォン等のように、トリアジン、ベンゼン等の置換基として、あるいはスルフォン化合物の構成基として含有されていてもよい。又、ジフェニールヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニールヨードニウムクロライド等のヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムブロマイド等のスルホニウム塩等のオニウム塩をポリハロゲン化炭化水素基を持つ化合物として用いることもできる。
【0016】
感放射線化合物の中では、特に、上記1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル及び1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルが好ましい。
尚、上記の感放射線化合物は、単独で用いても混合して使用してもよい。
又、本発明のフォトレジスト組成物は、必要に応じ、酸性条件下で作用するアルカリ可溶性樹脂の架橋剤を含有することもできる。特に、感放射線化合物がポリハロゲン化炭化水素基を含む化合物である場合には、該架橋剤を含有するフォトレジスト組成物は、ネガ型フォトレジストとして有効である。この架橋剤は特に限定されないが、例えば、ヘキサメトキシメチル化メラミン、N,N,N′,N′−テトラヒドロキシメチルサクシナミド、N,N′−ジメトキシメチル尿素、テトラメトキシメチル尿素、2,4,6−トリヒドロキシメチル化フェノール等のヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、又はエトキシメチル基等の架橋性基を一分子中に2個以上含有する化合物等があげられる。
【0017】
本発明では、フォトレジスト組成物の溶媒として、乳酸アルキルエステル(A)とプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート(B)とをその混合割合〔B/(A+B)〕が0.1〜0.4(重量比)の範囲で含有する溶媒を用いることを必須条件とするものである。上記(A)、(B)のいずれの溶媒が少なすぎても本発明の効果が十分に達成されない。
【0018】
本発明にて用いられる乳酸アルキルエステル(A)は、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピルのような乳酸のC1 〜C4 低級アルキルエステルが挙げられ、かかる乳酸アルキルエステル(A)は単独でも2種以上混合使用してもよいが、単独で使用するのが好ましく、特に乳酸エチルが好ましい。又、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート(B)としては、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテートのようなプロピレングリコールのモノC1 〜C4 低級アルキルエーテルの酢酸エステルが挙げられ、かかるプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート(B)は、単独でも2種以上混合してもよいが、単独で使用するのが好ましく、特にプロピレングリコールメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールエチルエーテルアセテートが好ましい。双方の組合せの中でも乳酸エチルとプロピレングリコールメチルエーテルアセテートとの組合せ及び乳酸エチルとプロピレングリコールエチルエーテルアセテートとの組合せが好ましく、特に乳酸エチルとプロピレングリコールメチルエーテルアセテートとの組合せが好ましい。
【0019】
上記溶媒(A)と(B)との混合割合は、上記範囲内であれば特に限定されないが、フォトレジスト組成物の保存安定性及び該フォトレジスト組成物を使用して形成されたパターンの形状の点で特に好ましくは0.12〜0.38(重量比)、更に好ましくは0.15〜0.35(重量比)の範囲である。なお、本発明のフォトレジスト組成物はその性能に悪影響を及ぼさない範囲にてキシレン等の第3成分の溶媒を添加しても良いが、その添加割合は総溶媒量の30重量%以下が好ましい。
【0020】
本発明のフォトレジスト組成物中のアルカリ可溶性樹脂の含有量は通常1〜40重量%程度である。また、フォトレジスト組成物中の感放射線化合物の含有量は通常0.1〜30重量%程度である。特に、感放射線化合物がオルトキノンジアジド基を含む化合物である場合にはオルトキノンジアジド基を含む化合物の含有量は1〜30重量%程度であり、フォトレジスト組成物中の固型分に対するオルトキノンジアジド基を含む化合物の割合は、通常20〜60重量%程度である。
【0021】
又、感放射線性化合物がポリハロゲン化炭化水素基を有する化合物である場合には、フォトレジスト組成物中のポリハロゲン化炭化水素基を有する化合物の含有量は通常0.1〜10重量%程度であり、更にフォトレジスト組成物中の固型分に対するポリハロゲン化炭化水素基を有する化合物の割合は、通常1〜10重量%程度である。又、架橋剤を含有する場合、その含有量はアルカリ可溶性樹脂に対して0.01〜0.5重量倍程度である。
更に、本発明のフォトレジスト組成物は塗布性を向上させるため界面活性剤を、又、基板よりの乱反射光の影響を少なくするために吸光性材料を、又、感度向上のための増感剤等の添加剤を含有することもできる。
【0022】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例によりなんら制限を受けない。尚、以下の実施例において、エステル化率(%)はフェノール性水酸基とキノンジアジド化合物の反応モル比から算出した値を示す。
実施例1〜2、比較例1〜7
m−クレゾール、p−クレゾール及び2,5−キシレノールの3:4:3(モル比)の混合物及びホルムアルデヒドより製造されたノボラック樹脂(重量平均分子量6,500)7.5gと、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドとのエステル化物2.5g(反応モル比1:3.4)とを、表−1に示した溶媒30gに溶解し、これらを孔径0.2μmのテフロン製フィルターにて精密濾過し、フォトレジスト組成物を調製した。尚、実施例1及び2のフォトレジスト組成物の調製の際、感光剤は3時間以内に完全に溶解した。得られた各フォトレジストを室温にて保存し、異物発生状況を300日間にわたり10日間隔で目視観察を行った。結果を表−1にまとめて示した。なお、表中、溶媒の種類の欄の略号は、下記の意味を示す。
EL;乳酸エチル
PGMEA;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
ECA;エチルセロソルブアセテート
XYL;キシレン
【0023】
【表1】
【0024】
実施例3、比較例8〜10
m−クレゾール、p−クレゾール及び2,5−キシレノールの5:4:1(モル比)の混合物及びホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの8:2(モル比)混合物とから製造されたノボラック樹脂(重量平均分子量4,000)7.4gと、2,3,4,2′,4′−ペンタヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドのエステル化物(反応モル比1:4.2)0.6gと、m−クレゾールとアセトアルデヒドの縮合物(重量平均分子量1,000)の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸のエステル化物(エステル化率40%)2.0gを、表−2に示した溶媒30gに溶解し、これらを孔径0.2μmのテフロン製フィルターにて精密濾過し、フォトレジスト組成物を調製した。尚、実施例3のフォトレジスト組成物の調製の際、感光剤は3時間以内に完全に溶解した。
【0025】
これらのフォトレジスト組成物をスピンコーターによりシリコンウエハーに塗布した後、80℃ホットプレート上にて70秒間加熱して溶媒を除去し、膜厚1.07μmのフォトレジスト塗布膜を形成した。これをニコン(株)製i−線ステッパー(N.A.=0.50)にて露光した後、110℃ホットプレート上にて70秒間加熱し、次に、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に60秒間浸し、現像した。
形成されたパターンの断面形状を電子顕微鏡により観察し、その結果を表−2にまとめて示した。なお、表中、溶媒の種類の欄中の略号は表−1と同義を示す。又、実施例3及び比較例8〜9のフォトレジスト組成物につき、感度、解像度及び焦点深度を評価した。結果を表−3に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
実施例4
実施例2において感光剤を2,3,4,2′,4′−ペンタヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドとのエステル化物(反応モル比=1:3)1.5g、及びピロガロールとアセトンの重縮合物(重量平均分子量1,300)の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドとのエステル化物(エステル化率50%)1.2gにかえた他は同様にしてフォトレジスト組成物を調製した。尚、フォトレジスト組成物の調製の際、感光剤は3時間以内に完全に溶解した。
【0029】
このフォトレジスト組成物を実施例3と同様にシリコンウエハーに塗布し、1.17μmのフォトレジスト塗布膜を形成した。これをニコン(株)製g−線ステッパー(N.A.=0.54)にて露光した後、120℃ホットプレート上にて90秒間加熱し、実施例3と同様に現像を行った。形成されたパターンの解像度を電子顕微鏡にて観察したところ、0.8μmのライン&スペースが1:1に仕上がる露光量と同一の露光量にて0.55μmのライン&スペースが形状よく解像された。
【0030】
比較例11
実施例4において乳酸エチルにかえて3−エトキシプロピオン酸エチルを用いた他は同様にしてフォトレジスト組成物を調製しようとしたが、10時間良好撹拌しても感光剤は完全に溶解しなかった。
【0031】
実施例5、比較例12
実施例1と同様に調製したフォトレジスト組成物及び実施例1において溶媒の(A)成分である乳酸エチルを3−エトキシプロピオン酸エチルに変えた以外は同様にして調製したフォトレジスト組成物を、45℃の恒温室に保管し、毎日目視観察にて異物発生までの日数を観測した(加速保存安定性テスト)。結果を表−4に示す。
【0032】
実施例6
実施例2において感光剤を2,3,4,2′,4′−ペンタヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドとのエステル化物(反応モル比=1:3)1.9gに変えた他は同様にして調製したフォトレジスト組成物を用い、実施例4と同様に高温での加速保存安定性テストを行った。結果を表−4に示す。尚、フォトレジスト組成物調製の際、感光剤は3時間以内に完全に溶解した。
【0033】
比較例13
実施例2において感光剤を実施例6と同様の感光剤1.9gに変え、溶媒の(A)成分である乳酸エチルを3−エトキシプロピオン酸エチルに変えた以外は同様にして調製したフォトレジスト組成物を用い、実施例4と同様に高温での加速保存安定性テストを行った。結果を表−4に示す。
【0034】
実施例7
実施例2において感光剤を2,3,4,2′,4′−ペンタヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドとのエステル化物(反応モル比=1:4.2)1.9gに変えた他は同様にして調製したフォトレジスト組成物を用い、実施例4と同様に高温での加速保存安定性テストを行った。結果を表−4に示す。尚、フォトレジスト組成物調製の際、感光剤は3時間以内に完全に溶解した。
【0035】
比較例14
実施例2において感光剤を実施例7と同様の感光剤1.9gに変え、溶媒の(A)成分である乳酸エチルを3−エトキシプロピオン酸エチルに変えた以外は同様にしてフォトレジスト組成物を調製しようとしたが10時間良好撹拌しても感光剤は完全に溶解しなかった。
【0036】
実施例8
実施例3と同様に調製したフォトレジスト組成物を用い、実施例4と同様に高温での加速保存安定性テストを行った。結果を表−4に示す。
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】
本発明のフォトレジスト組成物は、安全性の高い溶媒を用いつつ、保存安定性に優れ、さらにこれを使用して形成されたパターンの断面形状の矩形性が良好である。しかも、感度、解像度等も良好であり、特にIC製造用フォトレジストとして極めて良好である。
Claims (3)
- アルカリ可溶性樹脂、感放射線化合物及び溶媒からなるフォトレジスト組成物において、溶媒として乳酸アルキルエステル(A)と、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート(B)とをその混合割合〔B/(A+B)〕が0.1〜0.4(重量比)となる範囲で含有する溶媒を用いることを特徴とするフォトレジスト組成物であって、
感放射線化合物が、重量平均分子量600〜2200のノボラック樹脂及びポリヒドロキシベンゾフェノン化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル又は1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルであることを特徴とする前記フォトレジスト組成物。 - 乳酸アルキルエステルが乳酸C1〜C4アルキルエステルであり、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートがプロピレングリコールC1〜C4アルキルエーテルアセテートであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 乳酸アルキルエステルが乳酸エチルであり、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートがプロピレングリコールメチルエーテルアセテート又はプロピレングリコールエチルエーテルアセテートであることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項記載の組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26550194A JP3748909B2 (ja) | 1993-10-28 | 1994-10-28 | フォトレジスト組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27057293 | 1993-10-28 | ||
JP5-270572 | 1993-10-28 | ||
JP26550194A JP3748909B2 (ja) | 1993-10-28 | 1994-10-28 | フォトレジスト組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07175215A JPH07175215A (ja) | 1995-07-14 |
JP3748909B2 true JP3748909B2 (ja) | 2006-02-22 |
Family
ID=26547001
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26550194A Expired - Lifetime JP3748909B2 (ja) | 1993-10-28 | 1994-10-28 | フォトレジスト組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3748909B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4494061B2 (ja) * | 2004-03-30 | 2010-06-30 | 東京応化工業株式会社 | ポジ型レジスト組成物 |
JP2006145734A (ja) * | 2004-11-18 | 2006-06-08 | Nippon Zeon Co Ltd | ポジ型フォトレジスト組成物 |
JP4647418B2 (ja) * | 2005-07-19 | 2011-03-09 | ダイセル化学工業株式会社 | レジスト組成物 |
-
1994
- 1994-10-28 JP JP26550194A patent/JP3748909B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07175215A (ja) | 1995-07-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20030134223A1 (en) | Positive photoresist composition and method of patterning resist thin film for use in inclined implantation process | |
US6030741A (en) | Positive resist composition | |
US5759736A (en) | Photoresist composition | |
WO2004088424A2 (en) | Photoresist compositions | |
JP3748909B2 (ja) | フォトレジスト組成物 | |
US6048659A (en) | Radiation-sensitive resin composition | |
JP3245207B2 (ja) | 感放射線性樹脂組成物 | |
US5738968A (en) | Positive photoresist composition | |
JPH0588466B2 (ja) | ||
KR100357496B1 (ko) | 감광성수지조성물및포토레지스터패턴형성방법 | |
JPH08220750A (ja) | ポジ型レジスト組成物 | |
US6106994A (en) | Production process of polyphenol diesters, and positive photosensitive compositions | |
JP3631289B2 (ja) | ポジ型ホトレジスト組成物 | |
JP3483628B2 (ja) | 感放射線性組成物 | |
JP3844555B2 (ja) | フォトレジスト組成物 | |
JP3258384B2 (ja) | ポジ型感放射線性樹脂組成物 | |
JP3600375B2 (ja) | ポジ型ホトレジスト組成物 | |
JPH04362645A (ja) | ポジ型レジスト組成物 | |
JPH09211847A (ja) | ポジ型ホトレジスト組成物 | |
JP2917637B2 (ja) | フォトレジスト組成物 | |
JPH09138505A (ja) | フォトレジスト組成物 | |
JPH0882924A (ja) | 感放射線性組成物 | |
JPH04340549A (ja) | フォトレジスト組成物 | |
JPH05313367A (ja) | ポジ型感放射線性樹脂組成物 | |
JPH07234505A (ja) | ポジ型ホトレジスト組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051130 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091209 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101209 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101209 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111209 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111209 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121209 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121209 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131209 Year of fee payment: 8 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |