JP3748492B2 - 縁監視装置、およびその利用装置、ならびに縁判定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、対向する縁を監視する技術に関するものであり、例えば雑誌や書籍などを製本するために印刷装置により印刷された矩形のシートを、所定形状の折丁に二つ折り加工するためのチョッパー折り機などに係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ウェブ状(帯状)の印刷紙に印刷された印刷シートは、その装置の後段に併設した印刷シート折り機によって、連続的に所定の折り形状に折り加工して、雑誌や書籍を製本するための折丁を製造している。
【0003】
一般に、雑誌・書籍などの印刷に多用されているオフセット輪転印刷装置では、巻き取り紙(ロール紙)から巻き出し送行する長尺状のウェブシートに、印刷ユニットで所要の文字・絵柄を印刷したのち、三角板などのフォーマー手段(折りプレート)でウェブシートを送行方向に沿って二つ折り、三つ折り、四つ折りなどの所定の形状に連続的に折り加工し、シーターなどの断裁手段によって枚葉状にシート断裁して印刷シートを得たのち、さらにその印刷シート送行方向または印刷シート送行方向と直交する方向に、チョッパー折り機にて印刷シートを二つ折りして、折丁として最終的にスタッカーに排出するようになっている。
【0004】
すなわち、印刷ユニットから供給される印刷済みのウェブシートは、三角板とその下方(送行方向下流)に配置された対向する一対のガイドローラとを備えたフォーマー手段によって、そのシート幅方向を、例えば半分に折り(二つ折り)加工されるようになっている。
【0005】
続いて、二つ折り加工されたウェブシートは、チャッキング機構・くわえ折り機構・カッター機構を備えた2〜3本のロータリーシリンダーからなるロータリー式折り機に、そのチャッキング機構によってシート先端部をチャッキングされて導入され、導入方向と直交する方向にくわえ折り機構でさらに二つ折りされると共に、カッター機構により一定長の断裁ピッチ毎に印刷シートとして断裁されて、折り加工された枚葉状の印刷シートとして排出される。
【0006】
そして、この折り加工された枚葉状の印刷シートは、チョッパー折り機に導入され、その印刷シートの中間部が互いに平行な対向ロールの、例えば上方に位置するように移送され、対向ロールの上方より対向ロール間に繰り返し突入するチョッパーブレードが対向ロール間に降下する際に、印刷シートは送行方向に沿って、または送行方向と直交する方向に沿って、さらに半分に折られて、すなわちチョッパー折りされて排出され、雑誌や書籍などの折丁が完成する。
【0007】
図13は、チョッパー折り機の一例を示す説明図、図14は図13に示したチョッパー折り機を横方向から見たときの説明図であり、印刷および折り加工された枚葉状の印刷シート100は、ガイドテーブル4の上を送行する上ベルト5と下ベルト6との間に挟み込まれて、1部づつチョッパー折り機の一対の平行なロール2a、2bからなる対向ロール2の上に矢印方向に導入され、導入方向の前方両側に設置した前当部7・7に印刷シート100の前端部が当接して常に定位置に位置決めされるようになっている。
【0008】
そして、印刷シート100の前端部が前当部7・7に当接して停止するタイミングで、または印刷シート100の前端部が前当部7・7に当接する直前または当接した直後のタイミングで、チョッパーブレード1が印刷シート100の上方より下方の対向ロール2のロール2a、2bの間に向かって下降動作し、このチョッパーブレード1の動作によって、対向ロール2の上にある印刷シート100はロール2a、2bの間に導入されて二つ折りされ、対向ロール2の下方のチョッパー折り印刷シートが通過する経路200を二つ折り印刷シート101(製本用の折丁)となって通過・排出されるようになっている。なお、対向ロール2下方の経路200内に、印刷シート100の二つ折りをより確実にするために、別の平行な一対の対向ロール3を備えたものもある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のチョッパー折り機においては、印刷および折り加工された枚葉状の印刷シート100が斜めの姿勢でチョッパー折り機に導入されたり、あるいは印刷シート100の前端部がチョッパー折り機の両方の前当部7・7に正しく当接せずに、一方の前当部7だけに当接して、印刷シート100が斜めの状態のままチョッパーブレード1が下降動作して二つ折りされた場合には、二つ折りされた印刷シート101は、図8(a)に示したように捻られた状態に折られて折り不良が発生し、製本用折丁としては不良品になってしまう。また、チョッパー折り以前の断裁工程や折り工程などで偏りを生じていた場合には、図8(b)に示したように天地ずれなども起こることがある。
【0010】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、例えばチョッパー折りされたシートの対向する縁の状態が正確に監視できるようにして、チョッパー折り機の折り動作タイミングの調整や、不良品の抜取作業などが迅速に、且つ、確実に行えるようにすることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための第1の発明は、対向する両縁を光の反射および/または屈折を利用して光学的に接近させる複数の一次画像接近手段と、一次画像接近手段で接近された両縁画像同士を同様に接近させる二次画像接近手段とを少なくとも備えると共に、対向する両縁を備えたシートの到達を検出するセンサと、このセンサからの信号に基づいて縁監視装置の起動時期を決定する監視時期決定手段、若しくはチョッパーブレードまたは対向ロールの動作系に1サイクルの動作を行う毎に信号を出力するセンサと、このセンサからの信号に基づいて縁監視装置の起動時期を決定する監視時期決定手段とを備え、複数組みの両縁を1台の監視カメラで同時撮影可能とした縁監視装置である。
【0012】
第2の発明は、互いに逆方向に回転する平行な一対の対向ロールと、印刷シートをこの一対の対向ロールの間に二つ折り状態で案内するチョッパーブレードとを備えると共に、前記縁監視装置を備えたチョッパー折り機において、前記一対の対向ロールから二つ折りされて排出された印刷シートの折り線両端部から続いて対向している両縁に、縁監視装置の一次画像接近手段が対応設置されたチョッパー折り機である。
【0013】
第3の発明は、互いに逆方向に回転する平行な一対の対向ロールと、印刷シートをこの一対の対向ロールの間に二つ折り状態で案内するチョッパーブレードとを備えると共に、前記一対の対向ロールで二つ折りされて排出された印刷シートの折り線両端部から続いて対向している両縁を監視する前記縁監視装置を備えたチョッパー折り機において、少なくとも前記縁監視装置が前記一対の対向ロールから排出された二つ折り印刷シートの面に平行な入射光軸を備えて設置された1台の監視カメラと、前記二つ折り印刷シートの面と直交する入射光軸を備えて前記二つ折り印刷シートの対向した両縁に対応設置され、その両縁を光の反射および/または屈折を利用して光学的に接近させ前記監視カメラによる前記両縁同時撮影を可能とする画像接近手段とを備えたチョッパー折り機である。
【0014】
第4の発明は、前記何れかの発明の装置においてバックライトとして機能する光源を縁監視装置が備えるようにした装置である。
【0017】
第5の発明は、前記何れかの発明の装置の監視カメラが撮影した画像を画像処理手段で処理して前記両縁を示す画素の候補を抽出すると共に、各縁が存在し得る領域毎に、この抽出された画素についてX−Y直交座標からハフ変換により基準点からの距離ρと傾きθのρ−θ空間へ変換し、各ρ−θ空間での重心を求めてそれぞれを示す直線の基準点からの距離Ρと傾きΘとし、この距離Ρと傾きΘとで特徴づけられる直線同士を比較して対向する両縁の良否を判定するようにした縁判定方法である。
【0018】
第6の発明は、前記何れかの発明の装置の監視カメラが撮影した画像を画像処理手段で処理して前記両縁を示す画素の候補を抽出すると共に、各縁が存在し得る領域毎に、この抽出された画素がX−Y直交座標空間である程度連続した塊になるように処理を行ない、それぞれに最大の塊のモーメントの主軸を求め、各主軸の位置と傾きを中心とした狭い範囲で、前記抽出された各縁を表す候補の画素についてX−Y直交座標からハフ変換により基準点からの距離ρと傾きθのρ−θ空間へ変換し、各ρ−θ空間での重心を求めてそれぞれを示す直線の基準点からの距離Ρと傾きΘとし、この距離Ρと傾きΘとで特徴づけられる直線同士を比較して対向する両縁の良否を判定するようにした縁判定方法である。
【0019】
第7の発明は、前記第5または第6の発明の縁判定方法において、ρ−θ空間での強度が高いものだけをサンプリングし、この強度の高いものだけの重心を求めて、距離Ρと傾きΘとするようにした縁判定方法である。
【0020】
第8の発明は、前記第7の発明の縁判定方法において、ρ−θ空間で一番強度の高いものと、この強度が一番高いものとの距離ρと傾きθの差が共に所定値以内にあり、且つ、距離ρと傾きθの少なくとも一方が連続しているものについてのみサンプリングを行うようにした縁判定方法である。
【0021】
第9の発明は、前記何れかの発明の装置の監視カメラが撮影した画像を画像処理手段で処理して前記両縁を示す画素の候補を抽出すると共に、各縁が存在し得る領域毎に、この抽出された画素についてX−Y直交座標からハフ変換により基準点からの距離ρと傾きθのρ−θ空間へ変換し、各ρ−θ空間で所定強度以上のものが複数箇所に別れて存在するとき、それぞれに重心を求めてそれぞれを直線の基準点からの距離Ρ、傾きΘとし、距離Ρ、傾きΘの少なくとも一方が他の直線の距離Ρ、傾きΘと所定値以上離れているときに、角折れ・破れなどの欠陥発生警報を出力するようにした縁判定方法前記である。
【0022】
第10の発明は、前記何れかの発明の装置の監視カメラが撮影した画像を画像処理手段で処理して前記両縁を示す画素の候補を抽出すると共に、各縁が存在し得る領域毎に、この抽出された画素がX−Y直交座標空間である程度連続した塊になるように処理を行ない、それぞれに最大の塊のモーメントの主軸を求め、各主軸の位置と傾きを中心とした狭い範囲で、前記抽出された各縁を表す候補の画素についてX−Y直交座標からハフ変換により基準点からの距離ρと傾きθのρ−θ空間へ変換し、各ρ−θ空間で所定強度以上のものが複数箇所に別れて存在するとき、それぞれに重心を求めてそれぞれを直線の基準点からの距離Ρ、傾きΘとし、距離Ρ、傾きΘの少なくとも一方が他の直線の距離Ρ、傾きΘと所定値以上離れているときに、角折れ・破れなどの欠陥発生警報を出力するようにした縁判定方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。なお、理解を容易にするため、これらの図においても前記図13・図14において説明した部分と同様の機能を有する部分には、同一の符号を付した。
【0024】
すなわち、図1・図2において、1は上下動作するチョッパーブレード、2は対向して水平に設置された平行な1対のロール2a、2bからなる対向ロール、3はこの対向ロール2の下方に同様に設置された1対のロール3a、3bからなるもう一つの対向ロールであり、上段の対向ロール2よりもニップ圧(挟持圧)が強くなっている。また、4はガイドテーブル、5は上部ベルト、6は下部ベルトであり、200は対向ロール3を含めた二つ折り印刷シート101が通過する経路である。
【0025】
したがって、本発明のチョッパー折り機の折り機構の基本構造は、前記図13・図14に基づいて説明した従来のチョッパー折り機と同一である。
【0026】
そして、本発明のチョッパー折り機においても、前段の図示しない印刷ユニット・フォーマー手段・断裁手段などを駆動して得られた枚葉状の印刷シート100は図1に示すように、対向ロール2の例えば上方に図面裏面側から表面側に導入され、前記図13・図14に示す前当部7・7に当接するなどして停止する。
【0027】
また、二つ折り印刷シート101が通過する経路200を挟んで、後述する監視カメラ8などと共に縁監視装置を構成する光源9と画像接近手段10とが水平に対向設置されている。光源9と画像接近手段10とは、図2に示すようにそれぞれ左右一対の9Lと9R、10Lと10Rからなり、それぞれが対向ロール2から二つ折りされて排出された直後の二つ折り印刷シート101の折り線102の両端部から続く左右の両縁103L、103Rに対応設置されている。
【0028】
この場合の光源9はバックライトとして機能するものであり、画像接近手段10を構成している左右一対の画像接近手段10L、10Rは、それぞれ2個の全反射プリズムを重ねて形成されたものである。
【0029】
すなわち、画像接近手段10L、10Rの下側のプリズムは、それぞれ直角を挟む一面を対向ロールから排出された直後の二つ折り印刷シート101の側に、すなわちそれぞれの入射光軸10LX、10RXが二つ折り印刷シート101の面と直交し、且つ、直角を挟む他方の一面が上方に向くように設置され、上側のプリズムは、それぞれ直角を挟む一面を下に向け、直角を挟む他方の一面が互いに向き合うように向けて、下側のプリズムの上に重ねられ、光源9から出て画像接近手段10L、10Rに入った光は、それぞれの内部で直角に二度反射した後、互いに向き合った面から直角に出て水平に進み、互いに近づく。
【0030】
そして、画像接近手段10L、10Rの中間点に直角二等辺ミラー11が、斜面を下方に向け、直角を挟むミラー面11L、11Rがそれぞれ画像接近手段10L、10Rに臨むように設置され、この左右一対の画像接近手段10L、10R内で全反射し、水平に進んで接近した光が平行になって真上に進むようになっており、その先に1台の監視カメラ8が下向きに、すなわち入射光軸8Xを対向ロール2から排出された二つ折り印刷シート101の面に平行に設置され、この監視カメラ8によって二つ折り印刷シート101の対向する左右の両縁103L、103Rが同時に撮影できるように構成されている。
【0031】
なお、監視カメラ8、画像接近手段10、直角二等辺ミラー11は、例えば図3に示したように、チョッパー折り機の対向ロールなどを囲っている図示しない安全柵の堅牢な金属製扉301に組み付けられ、ヒンジ302の回動機構によりチョッパー折り機の対向ロール前方から扉301ごと所望時に適宜取り除けるようになっている。
【0032】
すなわち、扉301で図示しない安全柵を閉めたときにチョッパー折り機の対向ロールに臨む側の扉面上部に監視カメラ8が下向きに設置され、この監視カメラ8の下側に画像接近手段10と直角二等辺ミラー11とが設置されている。なお、監視カメラ8はねじなどによって扉301に直接固定され、画像接近手段10と直角二等辺ミラー11とはねじなどによって扉301に固定された取り付け板303に貼り付けるなどして扉301に取り付けられ、監視カメラ8と画像接近手段10および直角二等辺ミラー11との光軸調整がなされている。
【0033】
したがって、図示しない安全柵に取り付けた扉301を回動して監視カメラ8、画像接近手段10、直角二等辺ミラー11を横方向に移動することで、チョッパー折り機の対向ロール前方に広い作業スペースが確保できので、対向ロールのニップ圧調整などが容易になり、調整後に扉301を対向ロールの前方に回動して安全柵を閉じるだけで、光軸調整などがなされた縁監視装置が簡単にセットできるので、チョッパー折り状態の監視作業を速やかに開始することができる。
【0034】
また、監視カメラ8は、例えばNTSC方式準拠のCCDカメラであり、パソコンなどからなる画像処理装置12と接続され、監視カメラ8で撮影した二つ折り印刷シート101の縁103L、103Rの画像がオンラインで処理できるようになっている。また、二つ折り印刷シート101の縁103L、103Rの画像が、監視カメラ8の結像面、すなわち電荷結合デバイスが並んでいる面において所定距離、例えば250画素程度離れる構成となっている。
【0035】
さらに必要に応じて、二つ折り印刷シート101の前端部の到達(通過)を検出して前端部通過検出信号を発信するタイミングセンサ13を設ける。そして、このタイミングセンサ13が出力する前端部通過検出信号を受けたのち、タイマー、カウンターなどの動作により所定時間t(t=0を含む)経過後、監視カメラ8による撮影を開始する。
【0036】
なお、この場合のタイミングセンサ13は、経路200に臨んで設置した照射光源13aと、その反対側に設置した検出受光部13bとからなり、照射光源13aから出た光が検出受光部13bに届かなくなったときに、二つ折り印刷シート101の前端がタイミングセンサ13の位置に到達したと判断するように構成してあるが、タイミングセンサ13としては、対向ロール2若しくはチョッパーブレード1の動作系に、1サイクル毎にタイミング信号を発信する回転カムスイッチ、マイクロスイッチ、ロータリーエンコーダなどからなるタイミングスイッチを設置し、これをタイミングセンサとして利用することもできる。
【0037】
画像処理装置12による画像処理の一例を説明すると、例えば図4に示したように、監視カメラ8から入力された画像は、図示しないAD変換器を通してデジタル化され、画像メモリ14のX−Y空間15に2次元の配列として格納される。この格納された2次元画像は、図示しない微分回路(CPUで処理しても良い)で水平方向に微分され、エッジが強調される。強調されたエッジはさらに図示しない2値化回路で2値化され、再び画像メモリ14のX−Y空間15に格納される。このX−Y空間15に格納された2値化画像をCPU17でハフ変換し、ρ−θ空間16へρ−θの強度として格納する。このρ−θ空間16の強度分布からCPU17により上位の候補群を求め、強度を重みとして重心のρ、θを求め、それぞれをΡ、Θとして出力する。
【0038】
対向ロール2によってチョッパー折りされた二つ折り印刷シート101の縁103L、103Rは、監視カメラ8によって一つの画面に、バックライトとして機能する光源9により生じた影の端の部分として図5に示したように撮影される。
【0039】
そして、画像処理装置12によって検査窓内を水平方向に微分し、縦方向のエッジ成分を強調し、例えば微分強度のピーク値を基準に二値化の閾値を求め、縁を2値画像として求める。この画像の二値化処理によって、二つ折り印刷シート101の縁103L、103Rを示す候補画素が抽出される。
【0040】
そして、縁103L、103Rそれぞれを示す直線の、基準点からの距離Ρと傾きΘとを、例えば図6のように処理して求め、距離Ρと傾きΘとで特徴付けられる直線同士を比較してチョッパー折り状態を判別する。
【0041】
すなわち、各縁が存在し得る領域毎に、縁103L、103Rそれぞれに抽出された画素についてX−Y直交座標からハフ変換により基準点からの距離ρと傾きθのρ−θ空間へ変換し、強度が上位のもの(例えば、最大値の90%以内)を選択し、その内でρとθの少なくともどちらかが連続しているものだけを選択し、候補群のρとθに強度を重みとして重心を求めてそれぞれを示す直線の基準点からの距離Ρと傾きΘとし、このΡとΘとで特徴づけられる直線同士を比較して、チョッパー折りされた二つ折り印刷シート101の良否を決定する。
【0042】
なお、X−Y直交座標からρ−θ空間へのハフ変換は、例えば距離ρについては画素サイズの1/10〜1/20程度、傾きθについても1/10〜1/20度程度に細かく行う。
【0043】
そして、縁103Lを示す直線の傾きΘと、縁103Rを示す直線の傾きΘとの差が、例えば0.15°以下であれば、チョッパー折りが正常に行われ、前記条件を同時に満足しないときにはチョッパー折りが正常に行われていないと判別する。
【0044】
なお、前記条件は、折丁の内容、すなわち製本される本の内容によって異なることは予想されることである。
【0045】
また、強度の上位のものを選択する方法としては、例えば上位から5番目までと云ったように個数を限定して行うことも可能である。
【0046】
また、図7に示したように、二値化して求めた二つ折り印刷シート101の縁103L、103Rの候補となる画素18を(図7a)、膨張化処理などしてある程度の大きさの塊19とし(図7b)、この塊19のモーメントの主軸20を求める(図7c)。そして、この主軸20の位置と傾きを中心とした狭い範囲、すなわち距離ρ±Δρの範囲と、傾きθ±Δθの範囲で、前記図4におけるハフ変換を行うこともできる(図7d)。この処理方法によれば、ハフ変換処理が簡単になり、チョッパー折り状態の判別が迅速に行えるようになる。
【0047】
また、縁103L、103Rを示す候補の画素をそれぞれハフ変換により基準点からの距離ρと傾きθのρ−θ空間へ変換したときに、何れかのρ−θ空間で所定強度以上のものが複数箇所に別れて存在するとき、それぞれに重心を求めてそれぞれを直線の基準点からの距離Ρ、傾きΘとし、傾きΘが他の直線の傾きΘと所定値、例えば2°程度以上離れているときには、二つ折り印刷シート101の縁103L、103Rに図8(c)に示したような角折れ104が生じている可能性があるので、角折れ発生を知らせる警報を制御パネルなどに出力する。
【0048】
また、何れかのρ−θ空間で所定強度以上のものが一箇所または複数箇所に別れて比較的広い範囲に分散して存在するときは、二つ折り印刷シート101の縁103L、103Rに図8(d)に示したような破れ105が生じている可能性があるので、破れ発生を知らせる警報を制御パネルなどに出力するようにする。
【0049】
なお、光源9から出て左右一対の画像接近手段10L、10Rに届いた光が、平行になって真下に進むように画像接近手段10と直角二等辺ミラー11とを構成し、監視カメラ8を上向きに設置することもできる。
【0050】
また、例えば図9に示したように、直角二等辺ミラー11の上方に全反射プリズム21を、直角を挟む一面が下を向き、直角を挟む他方の一面が二つ折り印刷シート101の面に直交するように設置すると共に、この全反射プリズム21の二つ折り印刷シート101の面と直交する面に向けて1台の監視カメラ8を設置し、この監視カメラ8によって二つ折り印刷シート101の両縁103L、103Rが同時に撮影できるように構成することも可能である。
【0051】
〔第2の実施形態〕
以下、本発明の第2の実施形態を図10〜図12に基づいて説明する。なお、理解を容易にするため、これらの図においても前記図面において説明した部分と同様の機能を有する部分には、同一の符号を付した。
【0052】
この第2の実施形態は、1台の監視カメラ8によって複数組みの両縁同時観察を可能にした例である。すなわち、チョッパー折り機の対向ロールから排出された直後の二つ折り印刷シート101の両縁103L、103Rの下端と上端に臨んで、それぞれ左右一対の全反射プリズムからなる一次画像接近手段22L、22Uが設置されている。そして、それぞれの中間部、すなわち下部側の一次画像接近手段22Lを構成している左右一対の全反射プリズム22LLと22LRの中間点には直角二等辺ミラー23Lが、上部側の一次画像接近手段22Uを構成している左右一対の全反射プリズム22ULと22URの中間点には直角二等辺ミラー23Uが、それぞれ斜面を二つ折り印刷シート101に平行に、且つ、二つ折り印刷シート101に向けて起立されている。
【0053】
そして、直角二等辺ミラー23L、23Uそれぞれの前方に、全反射プリズムからなる二次画像接近手段24L、24Uが設置されている。下側の二次画像接近手段24Lは直角を挟む一面を二つ折り印刷シート101の面に平行に、且つ、二つ折り印刷シート101に向けると共に、直角を挟む他方の一面を真上に向けて設置され、上側の二次画像接近手段24Uは直角を挟む一面を二つ折り印刷シート101の面に平行に、且つ、二つ折り印刷シート101に向けると共に、直角を挟む他方の一面を真下に向けて設置されている。
【0054】
また、二次画像接近手段24L、24Uの中間点に第2の直角二等辺ミラー25が、斜面を二つ折り印刷シート101の面に平行に、且つ、二つ折り印刷シート101に向けて設置され、この第2の直角二等辺ミラー25の前方に監視カメラ8が第2の直角二等辺ミラー25に向けて横向きに設置され、この監視カメラ8によって二つ折り印刷シート101の両縁103L、103Rの上下が同時に図11(A)のように2段に撮影可能となっている。
【0055】
そして、監視カメラ8は前記第1の実施形態の場合と同様の機能を備えた画像処理装置12と接続され、検査窓26A、26B毎に前記と同様に画像が解析され、二つ折り印刷シート101の良否判定が行われるようになっている。
【0056】
なお、一次画像接近手段22L、22Uは、異なる二つの二つ折り印刷シート101の両縁103L、103Rそれぞれに対応設置することもできる。例えば、二分割などして供給される枚葉状の印刷シートを、上下二段に設置した対向ロールそれぞれで二つ折りして排出する二段式チョッパー折り機の、対向ロールそれぞれの下流に設置し、それぞれから二つ折りして排出される印刷シート101の縁103L、103Rを、1台の監視カメラ8で同時に監視するように構成することもできる。
【0057】
また、全反射プリズムや直角二等辺ミラーをさらに組み合わせて、図11(B)のように4組みの縁が1台の監視カメラ8によって同時に撮影できるように光学系を組み立てることもできる。また、図12に示したように併設する直角二等辺ミラー11の間から第3の所望の縁の像を送り、図11(C)のように検査窓を3個横並びさせる構成とすることもできる。
【0058】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
【0059】
例えば、監視カメラ8などを固定する図3に示した扉301には、作業用あるいは目視用の窓を開設するようにしても良い。
【0060】
また、扉301の反対の面、すなわち扉を301を閉めたときに外側に位置する面に監視カメラ8、画像接近手段10などを組み付け、画像接近手段10に臨んで扉301に開設する窓を介して印刷シート101のチョッパー折り状態を監視するように構成することもできる。このような配置にすると、監視カメラ8、画像接近手段10などの調整作業が広い場所で行えると云った利点がある。
【0061】
また、本発明の監視装置は、チョッパー折り不良が発見されたときに、不良品であることを表示する所要のマークを印したり、不良シートを抜き取るための適宜の装置に、所要の制御信号を出力するように構成することもできる。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、例えばチョッパー折りされたシートの対向する縁の状態が正確に監視できるので、チョッパー折り機の折り動作タイミングの調整や、不良品の抜取作業などが迅速に、且つ、確実に行える。
【0063】
しかも、請求項1に関連する装置では二つ折り印刷シートなどの複数組の両端部が1台の監視カメラで同時に監視できるので設備費の削減が図れ、請求項3に関連する装置では監視カメラと画像接近手段とを扉などに組み付けて回動可能に構成すれば、光軸のずれなどを心配することなく自在に移動できるので、対向ロールの前方に広い作業スペースを確保した状態で、例えば対向ロールのニップ圧などの調整が行え、且つ、調整作業が終了したときには扉を閉めるだけで、特別の光軸調整をしなくても直ぐにシートなどの両縁監視が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチョッパー折り機を正面から見た時の説明図である。
【図2】第1の実施形態を斜視図で示す説明図である。
【図3】監視カメラなどの取り付け状態の説明図である。
【図4】画像処理手段の説明図である。
【図5】カメラ画像の説明図である。
【図6】画像処理工程の説明図である。
【図7】ハフ変換の範囲を限定する処理工程の説明図である。
【図8】形状不良となった二つ折り印刷シートの説明図である。
【図9】第1の実施形態における変形実施の説明図である。
【図10】第2の実施形態を斜視図で示す説明図である。
【図11】第2の実施形態におけるカメラ画像の説明図である。
【図12】第2の実施形態における変形実施の説明図である。
【図13】従来のチョッパー折り機の説明図である。
【図14】図13のチョッパー折り機を横方向から見た時の説明図である。
【符号の説明】
1 チョッパーブレード
2・3 対向ロール
4 ガイドテーブル
5 上部ベルト
6 下部ベルト
7 前当部
8 監視カメラ
8X 入射光軸
9・9L・9R 光源
10・10L・10R 画像接近手段
10LX・10RX 入射光軸
11 直角ミラー
11L・11R ミラー面
12 画像処理装置
13 タイミングセンサ
13a 照射光源
13b 検出受光部
14 画像メモリ
15 X−Y空間
16 ρ−θ空間
17 CPU
18 画素
19 塊
20 主軸
21 全反射プリズム
22L・22U 一次画像接近手段
22LL・22LR・22UL・22UR 全反射プリズム
23L・23U 直角二等辺ミラー
24L・24U 二次画像接近手段
25 直角二等辺ミラー
26A・26B 検査窓
100 印刷シート
101 二つ折り印刷シート
102 折り線
103L・103R 縁
104 角折れ
105 破れ
200 経路
301 扉
302 ヒンジ
303 取り付け板
Claims (10)
- 対向する両縁を光の反射および/または屈折を利用して光学的に接近させる複数の一次画像接近手段と、一次画像接近手段で接近された両縁画像同士を同様に接近させる二次画像接近手段とを少なくとも備えると共に、対向する両縁を備えたシートの到達を検出するセンサと、このセンサからの信号に基づいて縁監視装置の起動時期を決定する監視時期決定手段、若しくはチョッパーブレードまたは対向ロールの動作系に1サイクルの動作を行う毎に信号を出力するセンサと、このセンサからの信号に基づいて縁監視装置の起動時期を決定する監視時期決定手段とを備え、複数組みの両縁を1台の監視カメラで同時撮影可能としたことを特徴とする縁監視装置。
- 互いに逆方向に回転する平行な一対の対向ロールと、印刷シートをこの一対の対向ロールの間に二つ折り状態で案内するチョッパーブレードとを備えると共に、請求項1記載の縁監視装置を備えたチョッパー折り機において、前記一対の対向ロールから二つ折りされて排出された印刷シートの折り線両端部から続いて対向している両縁に、縁監視装置の一次画像接近手段が対応設置されたことを特徴とするチョッパー折り機。
- 互いに逆方向に回転する平行な一対の対向ロールと、印刷シートをこの一対の対向ロールの間に二つ折り状態で案内するチョッパーブレードとを備えると共に、前記一対の対向ロールで二つ折りされて排出された印刷シートの折り線両端部から続いて対向している両縁を監視する請求項1記載の縁監視装置を備えたチョッパー折り機において、少なくとも前記縁監視装置が前記一対の対向ロールから排出された二つ折り印刷シートの面に平行な入射光軸を備えて設置された1台の監視カメラと、前記二つ折り印刷シートの面と直交する入射光軸を備えて前記二つ折り印刷シートの対向した両縁に対応設置され、その両縁を光の反射および/または屈折を利用して光学的に接近させ前記監視カメラによる前記両縁同時撮影を可能とする画像接近手段とを備えたことを特徴とするチョッパー折り機。
- バックライトとして機能する光源を縁監視装置が備えたことを特徴とする請求項1〜3何れかに記載の装置。
- 請求項1〜4何れかに記載の装置の監視カメラが撮影した画像を画像処理手段で処理して前記両縁を示す画素の候補を抽出すると共に、各縁が存在し得る領域毎に、この抽出された画素についてX−Y直交座標からハフ変換により基準点からの距離ρと傾きθのρ−θ空間へ変換し、各ρ−θ空間での重心を求めてそれぞれを示す直線の基準点からの距離Ρと傾きΘとし、この距離Ρと傾きΘとで特徴づけられる直線同士を比較して対向する両縁の良否を判定することを特徴とする縁判定方法。
- 請求項1〜4何れかに記載の装置の監視カメラが撮影した画像を画像処理手段で処理して前記両縁を示す画素の候補を抽出すると共に、各縁が存在し得る領域毎に、この抽出された画素がX−Y直交座標空間である程度連続した塊になるように処理を行ない、それぞれに最大の塊のモーメントの主軸を求め、各主軸の位置と傾きを中心とした狭い範囲で、前記抽出された各縁を表す候補の画素についてX−Y直交座標からハフ変換により基準点からの距離ρと傾きθのρ−θ空間へ変換し、各ρ−θ空間での重心を求めてそれぞれを示す直線の基準点からの距離Ρと傾きΘとし、この距離Ρと傾きΘとで特徴づけられる直線同士を比較して対向する両縁の良否を判定することを特徴とする縁判定方法。
- ρ−θ空間での強度が高いものだけをサンプリングし、この強度の高いものだけの重心を求めて、距離Ρと傾きΘとすることを特徴とする請求項5または6記載の縁判定方法。
- ρ−θ空間で一番強度の高いものと、この強度が一番高いものとの距離ρと傾きθの差が共に所定値以内にあり、且つ、距離ρと傾きθの少なくとも一方が連続しているものについてのみサンプリングが行われることを特徴とする請求項7記載の縁判定方法。
- 請求項1〜4何れかに記載の装置の監視カメラで撮影した画像を画像処理手段で処理して前記両縁を示す画素の候補を抽出すると共に、各縁が存在し得る領域毎に、この抽出された画素についてX−Y直交座標からハフ変換により基準点からの距離ρと傾きθのρ−θ空間へ変換し、各ρ−θ空間で所定強度以上のものが複数箇所に別れて存在するとき、それぞれに重心を求めてそれぞれを直線の基準点からの距離Ρ、傾きΘとし、距離Ρ、傾きΘの少なくとも一方が他の直線の距離Ρ、傾きΘと所定値以上離れているときに、角折れ・破れなどの欠陥発生警報を出力することを特徴とする縁判定方法。
- 請求項1〜4何れかに記載の装置の監視カメラで撮影した画像を画像処理手段で処理して前記両縁を示す画素の候補を抽出すると共に、各縁が存在し得る領域毎に、この抽出された画素がX−Y直交座標空間である程度連続した塊になるように処理を行ない、それぞれに最大の塊のモーメントの主軸を求め、各主軸の位置と傾きを中心とした狭い範囲で、前記抽出された各縁を表す候補の画素についてX−Y直交座標からハフ変換により基準点からの距離ρと傾きθのρ−θ空間へ変換し、各ρ−θ空間で所定強度以上のものが複数箇所に別れて存在するとき、それぞれに重心を求めてそれぞれを直線の基準点からの距離Ρ、傾きΘとし、距離Ρ、傾きΘの少なくとも一方が他の直線の距離Ρ、傾きΘと所定値以上離れているときに、角折れ・破れなどの欠陥発生警報を出力することを特徴とする縁判定方法。
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