JP3748321B2 - 火災予防装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷物を保管する無人の自動倉庫及び無人の生産ライン等の建造物に用いて好適な火災予防装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
荷物を保管する倉庫及び生産工場(特に無人の生産ラインを有する生産工場)等の建物においては、火災の発生を防止するために、建物内に煙感知装置が配設されている。この煙感知装置は通常、煙を感知したら警報ランプの点滅や警報ブザーの鳴動によって火災の発生を知らせるようになっている。この煙感知装置の警報によって、作業者が消火作業を行う。
【0003】
また、建物内に前記煙感知装置と共に消火装置が配設され、煙感知装置での火災発生の感知に連動して、消火装置で消火作業を行う消火システムも一般に知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、建物内における火災には、外部から荷物と共に持ち込まれた火種によって発生するものがある。この場合には、建物内で煙感知装置が煙の発生を感知するまで、その火種を発見することができないことが多い。即ち、火種を有した荷物が倉庫内に搬入された後、倉庫内に煙が充満し、又は火種がある程度燃え広がらないと、煙感知装置は火災を感知することができない。また、作業者が倉庫内で作業している場合でも、煙感知装置による警報があるまで煙の発生に気づかずにある程度燃え広がってしまうことがある。この火災のおそれは、荷物の保管倉庫や加工工場や船舶等の建造物においても同様である。
【0005】
このため、前記従来の煙感知装置では、火災が大きくなる前に発見して消火することはできるが、火災の発生を未然に防ぐことはできないという問題点がある。
【0006】
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、外部から火種が持ち込まれることによる火災の発生を未然に防止することができる火災予防装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、第1の発明に係る火災予防装置は、建造物の搬入口から内部に搬入される荷物の搬入経路に臨ませて配設され、搬入される荷物内の火種の有無を感知する火種感知手段を備えた火災予防装置において、前記火種感知手段が、荷物を移送する移送部と、この移送部に臨ませて設けられ、搬入される荷物内の火種の有無を、前記移送部による荷物の走行中に感知する火種感知部と、前記移送部で移送される荷物の大きさ及び包装の状態を検出する荷物状態検出センサと、この荷物状態検出センサで検出した荷物の状態に合わせて、前記荷物が大きいとき早く、前記荷物が小さいとき遅く、前記荷物が包装されているとき遅く通過するように前記移送部による移送速度を設定する制御部とを備えて構成されたことを特徴とする。
【0011】
この構成により、移送部で移送される荷物の大きさ等が荷物状態検出センサで検出されると、制御部が、その大きさ等に対応する設定速度で移送部を制御する。火種感知部は、制御部で制御された速度で移送される荷物中の火種の有無を感知する。この荷物の移送速度は、火種感知部で火種を確実に検知できる最も速い速度に設定される。これにより、搬入作業の効率を損なうことなく、確実に火種感知を行うことができる。具体的には、大きい荷物の場合は、火種の有無を感知しやすいため、早く通過させ、小さい荷物の場合は、火種の有無を感知しづらいため、遅く通過させる。荷物が包装されている場合は、火種の有無を感知しづらいため、遅く通過させる。これにより、搬入作業の効率を損なうことなく、確実に火種感知を行うことができる。
【0012】
第2の発明に係る火災予防装置は、前記火種感知部での火種感知により、前記移送部の駆動を停止し又は逆方向に駆動する制御部を備えて構成されたことを特徴とする。
【0013】
この構成により、火種感知部が火種を感知した場合は、制御部が移送部の駆動を停止させ又は逆方向に駆動させて、火種を含む荷物が建造物の内部に搬入されるのを防止する。これにより、火災の発生を確実に防止することができる。
【0014】
第3の発明に係る火災予防装置は、前記火種感知部が、火種から発生する煙を感知する煙感知部と、火種から発生する炎を感知する炎感知部とを備えて構成されたことを特徴とする。
【0015】
この構成により、荷物内の火種によって煙が発生しているときには、煙感知部がその火種からの煙を感知する。既に炎が発生しているときには、炎感知部がその炎を感知する。これにより、荷物内の火種を確実に感知することができる。
【0016】
第4の発明に係る火災予防装置は、前記火種感知部が、前記移送部にその上側から臨ませて設けられ火種から発生する煙を感知する煙感知部と、前記移送部にその上側又は下側のいずれか一方又は両方から臨ませて設けられ火種から発生する炎を感知する炎感知部とを備えて構成されたことを特徴とする。
【0017】
この構成により、荷物内の火種によって煙が発生しているときには、上側から臨ませて設けられた煙感知部がその火種から上昇する煙を感知する。既に炎が発生しているときには、上側又は下側のいずれか一方又は両方から臨ませて設けられた炎感知部がその炎を感知する。これにより、荷物内の火種をより確実に感知することができる。
【0018】
第5の発明に係る火災予防装置は、前記炎感知部が、炎が発する赤外線又は紫外線を感知する炎センサによって構成されたことを特徴とする。
【0019】
前記構成のより、炎センサが赤外線又は紫外線を感知することで、炎の発生の有無を検出する。これにより、荷物内の火種を確実に検出することができる。
【0020】
第6の発明に係る火災予防装置は、煙感知部が煙を吸引するサンプリング管を有すると共にこのサンプリング管をU字状に形成したことを特徴とする。
【0021】
前記構成のより、サンプリング管をU字状に形成したので、より長く広い部分で煙の有無を検出することができるようになり、より確実に煙の存在を感知することができるようになる。
【0022】
第7の発明に係る火災予防装置は、前記荷物の搬入経路に臨ませて配設された両側壁部及び天井部と、前記両側壁部に掛け渡して設けられこの両側壁部及び前記天井部と相俟って上昇してくる煙を取り込む遮蔽板とから構成された空気取込部を設けると共に、この空気取込部に前記煙検知部を収納したことを特徴とする。
【0023】
前記構成により、荷物から発生して上昇する煙は空気取込部にたまる。煙検知部は空気取込部にたまった空気を吸引して、煙の有無を検出する。これにより、より確実に煙感知を行うことができるようになる。
【0024】
第8の発明に係る火災予防装置は、建造物の搬入口から内部に搬入される荷物の搬入経路に臨ませて配設され、搬入される荷物内の火種の有無を感知する火種感知手段を備えた火災予防装置において、前記火種感知手段が、前記搬入経路を移送される荷物の表面に臨ませて設けられ、その荷物の表面の空気を直接的に吸引する吸引管と、この吸引管で吸引した空気中から煙の微粒子を感知する煙感知部とを備えて構成されたことを特徴とする。
【0025】
前記構成により、荷物の表面に臨ませて設けられた吸引管が、荷物の表面の空気を直接的に吸引する。これにより、荷物の表面の濃度の高い煙を吸引することができる。この結果、荷物内の火種の有無をより確実に感知することができるようになる。
【0026】
第9の発明に係る火災予防装置は、前記吸引管が揺動可能に設けられ、吸引管の揺動によりその吸引先端部が荷物の表面を正確になぞって火種から発生する煙を最も濃度の高い状態で感知することを特徴とする。
【0027】
前記構成により、吸引管の吸引先端部が荷物の表面を正確になぞることができるようになる。荷物の表面に凹凸がある場合も、吸引管の吸引先端部がその凹凸に合わせて荷物の表面を正確になぞることができるようになる。これにより、火種から発生する煙を最も濃度の高い状態で吸引することができるようになる。この結果、より確実に火種の有無を感知することができるようになる。
【0028】
第10の発明に係る火災予防装置は、前記火種感知手段で火種を感知する処理に必要な時間と、その間に前記移送部を移送される荷物の移動量とを考慮して、火種を含む荷物を特定して作動する警報器を備えたことを特徴とする。
【0029】
前記構成により、火種感知処理で火種を感知したときは、感知に必要な時間と、その間の移動量とを考慮して、火種を含む荷物を特定できる状態で警報器を鳴動させる。これにより、作業者は火種を含む荷物を容易に特定して、その荷物の除去作業や消火作業等を迅速に行うことができる。
【0030】
第11の発明に係る火災予防装置は、前記火種感知手段に隣接して設けられ、火種感知手段で荷物内に火種を感知したときに消火作業を行う消火手段を備えたことを特徴とする。
【0031】
前記構成により、搬入される荷物内の火種を火種感知手段で感知したときは、この火種感知手段と連動して消火作業を行う。即ち、火種感知手段で火種を感知したときには即座に消火手段を作動させて、荷物内の火種を確実に消す。これにより、火災の発生を未然に防ぐ。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る火災予防装置を添付図面に基づいて説明する。
【0035】
本実施形態の火災予防装置は、建造物内に搬入される荷物の搬入経路に臨ませて配設されるものである。具体的には、建造物の搬入口に面して配設される。この建造物としては、荷物を内部に搬入して保管する倉庫や、搬入した荷物を加工する工場や、搬入した荷物を運搬する船舶等がある。ここでは、建造物として、荷物の搬入、保管、搬出等の管理がロボットによって全部自動的に行われる無人の自動倉庫を例に説明する。
【0036】
[第1実施形態]
自動倉庫は、図2に示すように、建物1の内部に、複数並列に配設された棚棟2と、各棚棟2の間に配設されて外部から棚棟2に荷物を収納すると共に棚棟2内の荷物を外部に取り出す出し入れロボット3と、建物1の搬入口1Aから搬入された荷物を出し入れロボット3まで搬送すると共に出し入れロボット3によって棚棟2から取り出された荷物を搬出口1Bまで搬送する搬送ロボット4とを備えて構成されている。この建物1内には、従来と同様の煙感知装置と消火装置(いずれも図示せず)とが設けられている。これら出し入れロボット3、搬送ロボット4、煙感知装置及び消火装置は、制御装置(図示せず)で制御されている。
【0037】
建物1の搬入口1Aには、搬入される荷物内の火種の有無を感知する火種感知手段としての火種感知装置5が配設されている。この火種感知装置5は、図1に示すように、搬入口1Aに連通する門状に構成されている。即ち、両側を仕切る側壁部6,7と、上側を仕切る天井部8とを備えて門状に構成されている。天井部8は山形に形成されている。天井部8の前後には遮蔽板9(図1においては、前側の遮蔽板のみ図示する。)が設けられている。そして、山形の天井部8と両側の側壁部6,7と前後の遮蔽板9とで、通過する荷物の周囲の空気を取り込む空気取込部10が形成されている。山形の天井部8の最上部には、排気口11及び排気ファン12が設けられている。そして、この排気ファン12によって空気取込部10内の空気を排気口11から外部に排出することで、火種感知装置5内の空気(火種感知装置5内を通過した荷物の周囲に存在してこの荷物からの煙を含んだ空気)を空気取込部10内に効率的に取り込むようになっている。
【0038】
側壁部6には、火種から発生する煙を感知する煙感知部としての煙感知器15が設けられている。この煙感知器15は、側壁部6に面して据え付けられた本体部16と、この本体部16から前記空気取込部10内まで延ばして先端部が空気取込部10内に臨まされた状態で配設されたサンプリング管17とから構成されている。本体部16は、サンプリング管17を介して空気取込部10内の空気を吸引するファン(図示せず)と、このファンで吸引した空気中から煙の微粒子を感知する煙感知部(図示せず)とを備えて構成されている。サンプリング管17は、側壁部6の外側から内側に通されてこの側壁部6の内側面に沿って天井部8の下側まで配設されている。天井部8の下側に位置するサンプリング管17は、煙感知のサンプリングのための吸引孔(図示せず)が多数設けられている。ここでは、煙の感知効率を向上させるために、吸引孔を有するサンプリング管17の部分を長く設定されている。さらに、煙を含む空気が集中する排気口11を中心にして、サンプリング管17をU字状に折り曲げて配設されている。これにより、空気取込部10内の広い部分で煙を含む空気がサンプリング管17を介して効率的に吸引される。このサンプリング管17で吸引された空気は、本体部16内の前記煙感知部によって煙の有無が、超高感度で感知されるようになっている。
【0039】
門状の火種感知装置5内には、荷物を移送する移送部としてのローラコンベア18が配設されている。このローラコンベア18は、全部が同じ方向に回転して荷物を回転方向に移送するローラ19と、各ローラ19を駆動して全部を同じ方向に回転させる駆動モータ20とを備えて構成されている。なお、各ローラ19は、スプロケットとチェーン等の連結手段によって駆動モータ20と連結されている。駆動モータ20は後述する制御部26に接続され、この制御部26の制御によって正逆方向に回転するようになっている。これにより、駆動モータ20が正方向に回転することでローラ19上の荷物を建物1の内部に移送し、逆方向に回転することでローラ19上の火種を感知した荷物を建物1の外部に移送して排除するようになっている。さらに、制御部26は、ローラ19の回転速度も制御している。
【0040】
ローラコンベア18の下側には、火種から発生する炎を感知する炎感知部としての炎感知器22が設けられている。この炎感知器22は、側壁部6に面して据え付けられた本体部23と、この本体部23から前記ローラコンベア18の直下まで延ばして設けられ炎が発する赤外線又は紫外線を感知する炎センサ24とから構成されている。
【0041】
このように、火種感知部を、火種から発生する煙を感知する煙感知器15と、火種から発生する炎を感知する炎感知器22とから構成することにより、それぞれの機能を使い分けて火種の有無を確実に感知するようになっている。即ち、荷物内の火種によって煙が発生しているときには、上側から臨ませて設けられた煙感知器15がその火種から上昇してくる煙を感知し、既に炎が発生しているときには、下側から臨ませて設けられた炎感知器22がその炎を感知するようになっている。
【0042】
火種感知装置5の天井部8には、荷物の大きさ及び包装状態(シュリング包装の有無)を検出する荷物状態検出センサとしてのカメラ25が設けられている。このカメラ25からの画像データは、制御部26によって画像処理されて、荷物の大きさおよびシュリング包装の有無が検出されるようになっている。この画像処理方法としては、荷物の大きさに対して例えばエッジ検出処理、シュリング包装の有無に対して例えば平均輝度検出処理により行う。具体的には、荷物の大きさは、エッジ検出によって検出した荷物の輪郭から推測する。また、シュリング包装の有無は、検出した荷物部分の平均輝度と、予め設定されたしきい値とを比較して判断する。
【0043】
この画像処理で検出した大きさ及びシュリング包装の有無に合わせてローラコンベア18の駆動モータ20の駆動速度が設定されている。この駆動モータ20の設定速度は、荷物の走行速度であり、荷物の搬入作業の効率を損なうことなく、荷物から発生する煙を空気取込部10に効率的に取り込んでサンプリング管17から確実に吸引させることができる速度である。換言すると、搬入作業効率を損なわずに、火種感知を確実に行うことができる速度である。荷物の周囲の空気が空気取込部10に流入する効率は、荷物の大きさ及びシュリング包装の有無によって異なる。即ち、大きい荷物は、火種感知装置5を比較的早く通過させても十分な量の空気(荷物の周囲の空気であって、火種感知に十分な量の空気)が空気取込部10に取り込まれる。また、小さい荷物は、火種感知装置5を比較的遅く通過させないと十分な量の空気が空気取込部10に取り込まれない。一方、シュリング包装がされている場合は煙が外部に漏れにくいため、シュリング包装と判断したときには、火種感知装置5を比較的遅く通過させて、十分な量の空気が空気取込部10に取り込まれるようにする。
【0044】
この十分な量の空気の具体的数値は、実験により設定する。即ち、荷物の大きさと、その大きさの荷物から十分な量の空気が空気取込部10に取り込まれるのに必要な荷物の通過速度との関係を予め測定し、各種の荷物の大きさに合わせて複数段の通過速度を設定しておく。さらに、シュリング包装の有無と、十分な量の空気が空気取込部10に取り込まれるのに必要な荷物の通過速度との関係を予め測定し、各種の荷物の大きさとの関係も合わせて複数段の通過速度を設定しておく。
【0045】
26は制御部である。この制御部26は、図3に示す処理機能を備えて、前記各部を制御している。即ち、制御部26には、煙感知器15と、炎感知器22と、ローラコンベア18の駆動モータ20と、カメラ25とがそれぞれ接続され、前述した処理機能を有している。
【0046】
さらに、制御部26には警報器27が接続され、煙や炎を感知したときに鳴動して、作業者に火種の存在を知らせるようになっている。この警報器27は、火種感知装置5で火種を感知する処理に必要な時間を考慮して鳴動するようになっている。即ち、火種感知装置5で火種の存在を感知するにはある程度時間がかかるが、その間もローラコンベア18上の荷物は移動しているので、警報器27が鳴動したときには、火種を含む荷物はローラコンベア18上をある程度移動してしまう。このため、ローラコンベア18上の荷物の移送速度との関係で、火種を含む荷物が特定位置(予め設定された、火種を含む荷物の停止位置等)まで移動するのに必要な時間を経過した後に警報器27を鳴動させるようになっている。なお、この移動する方向は、通常は搬入する方向であるが、火種の検知によってローラコンベア18が逆回転する場合には、荷物を外部へ排出する方向もあり得る。これにより、警報器27の鳴動と同時に火種を含む荷物が確実に特定され、作業者は火種を含む荷物の除去作業や消火作業等を迅速に行うことができるようになっている。
【0047】
[動作]
以上のように構成された火災予防装置は次のように動作する。
【0048】
建物1内での荷物の出し入れ作業は自動倉庫側の制御装置(図示せず)によって制御されている。具体的には、建物1の内部に搬入口1A及び火種感知装置5を介して搬入された荷物は、搬送ロボット4に渡される。この搬送ロボット4は、受け取った荷物を指定された出し入れロボット3に渡し、この出し入れロボット3は受け取った荷物を指定された棚棟2内の棚部に収納する。
【0049】
また、棚棟2の棚部に収納された荷物を取り出すときには、前記の場合と逆に、出し入れロボット3が指定された棚棟2内の特定の棚部から荷物を取り出して搬送ロボット4に渡す。この搬送ロボット4は渡された荷物を搬出口1Bまで搬送する。そして、搬出口1Bから外部に取り出される。
【0050】
前記各荷物はその搬入の際に火種感知装置5を通過するが、この火種感知装置5では、通過する荷物中に火種がないかが感知される。具体的には、図3に示す制御処理が行われる。
【0051】
まず、カメラ25で荷物が撮られ、画像処理によって荷物の大きさ及び包装状態が判定される(ステップS1)。このステップS1で判定した荷物の大きさ等に合わせてローラコンベア18の駆動モータ20の駆動速度が設定され、この設定速度で荷物が移送される(ステップS2)。
【0052】
一方、火種感知装置5の排気ファン12は回転されており、空気取込部10内の空気は排気口11から外部に排出されている。これに伴って火種感知装置5内の空気が空気取込部10内に流入する。これにより、通過する荷物の周囲の空気が空気取込部10内に取り込まれる。空気取込部10内では、取り込まれた空気が煙感知器15に吸引される。具体的には、空気取込部10内の空気が、煙感知器15内のファンによってサンプリング管17を介して吸引される。吸引された空気は、本体部16の煙感知部で、空気中に煙の微粒子が混入していないかを、超高感度で感知される(ステップS3)。
【0053】
このとき、煙の混入が感知されれば、駆動モータ20を停止又は逆回転させて、火種を含む荷物の建物1内への侵入を阻止し、又は外部に排除する(ステップS4)。次いで、警報器27を鳴動させて警報を発し、火種を含む荷物の存在を作業者に知らせる(ステップS5)。作業者は火種を含む荷物を特定して速やかに消火活動を行う。
【0054】
一方、ステップS3において煙の混入が感知されない場合は、炎感知器22で荷物から炎が発生していないかを感知する(ステップS6)。ここで、炎を感知した場合は、前記ステップS4及びステップS5の処理を行う。
【0055】
[効果]
以上のように、外部から建物1内に火種を含む荷物が搬入された場合でも、その火種を火種感知装置5で感知して、棚棟2に収納されるのを防ぐことができるので、火災の発生を未然に防止することができ、自動倉庫の安全性を向上させることができる。
【0056】
また、火種感知装置5では、通過する荷物の直上に空気取込部10を設けて荷物の周囲の空気を収集するので、荷物の周囲の空気に煙が混入している場合、その煙が拡散して薄められる前に効率的に収集することができるようになる。これにより、荷物から発生している僅かな煙でも効率的に収集することができるようになる。この結果、小さな火種も確実に感知することができ、火災の発生を未然に防ぐことができるようになる。
【0057】
特に、移送される荷物の大きさ等に合わせて移送速度を設定し、荷物の走行中に煙感知を行うので、荷物の搬入作業の効率を損なうことなく、荷物の周囲の空気を空気取込部10に確実に収集することができる。さらに、サンプリング管17をU字状に折り曲げて配設いているので、空気取込部10に収集された空気を煙感知器15の本体部16に効率的に取り込むことができる。これにより、確実な火種感知による火災予防と、荷物の搬入作業の効率化を同時に図ることができるようになる。
【0058】
さらに、火種の感知を、煙の感知と炎の感知の2段階で行うので、荷物内の火種から炎は発生していないが煙が発生している場合でも、既に炎が発生していて煙が殆ど発生していない場合でも、確実に火種の存在を感知することができるようになる。
【0059】
[第2実施形態]
本実施形態では、炎感知器22の炎センサ24の配設個数と煙感知器15のサンプリング管17の配設状態を異ならせている。具体的には、図4に示すように構成されている。なお、本実施形態に係る火災予防装置の全体構成は、前記第1実施形態の火災予防装置とほぼ同様であるので、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0060】
本実施形態では、背の高い荷物に対応して装置全体を高く成形されている。このため、煙感知器15の本体部16と炎感知器22の本体部23は、載置台31上に載置されている。
【0061】
さらに、煙感知器15のサンプリング管32は、天井部8の内側面(下側面)にU字状に配設されると共に、両先端部が両側壁部6,7に沿って下方へ垂下して設けられている。これにより、サンプリング管32は、通過する荷物の上面及び両側面を覆って配設され、荷物の周囲から空気を吸引するようになっている。
【0062】
さらに、炎感知器22の炎センサ33は、ローラコンベア18の下側に1つと、上側に2つそれぞれ設けられている。下側の1つの炎センサ33は、ローラコンベア18の直下の位置で、床に固定されている。上側の2つの炎センサ33は、ローラコンベア18の左右上方に位置する天井部8の内側にそれぞれ取り付けられている。なお、天井部8には、排気口11及び排気ファン12は設けられていない。このため、荷物から発生した煙は、自然に上昇して空気取込部10内に流入するようになっている。
【0063】
この構成によって、火災予防装置を通過する荷物から発生する煙は、火災予防装置内において、荷物の表面から発生して周囲に漂う。このうち、各側壁部6,7付近の煙は、側壁部6,7に配設したサンプリング管32から吸引される。さらに、上昇して空気取込部10内に取り込まれた空気は、この空気取込部10内にU字状に配設されたサンプリング管32で吸引される。これにより、空気取込部10内の広い範囲で空気がサンプリング管32に効率的に吸引され、確実に煙の有無が感知される。
【0064】
また、炎センサ33は、3カ所に設けられて、通過する荷物を、その下側の1カ所と上側の2カ所の合計3カ所から監視するので、この3つの炎センサ33によって荷物の外周全周を監視することができるようになる。これにより、荷物のどの位置から炎が発生していても、確実に感知することができる。
【0065】
この結果、より確実に火種の有無を感知することができるようになり、前記第1実施形態同様の効果を奏することができる。
【0066】
[第1変形例]
前記各実施形態では、火種感知装置5を1つだけ備え、1つずつの煙感知器15及び炎感知器22で、1つの荷物に対してそれぞれ煙及び炎を1回ずつ感知するようにしたが、火種感知装置5を搬入経路に2つ以上並べてもよい。これにより、煙感知器15及び炎感知器22が2つ以上並んで、煙及び炎の感知が2回以上行われることになり、煙及び炎の感知精度を大幅に向上させることができる。
【0067】
[第2変形例]
前記第1実施形態では、サンプリング管17をU字状に折り曲げて配設したが、円状や渦巻き状やつづら折り状等の他の形状に配設してもよい。これにより、スペース的に限られた空気取込部10内にサンプリング管17を少しでも長く収納できるようになり、煙の感知精度をさらに向上させることができる。
【0068】
[第3変形例]
前記第1実施形態では、空気取込部10と排気ファン12とで、荷物の周囲の空気を強制的にサンプリング管17の吸引孔に導入するようにしたが、荷物の周囲の空気を直接的に吸引するようにしてもよい。
【0069】
例えば火種感知装置を、図5に示すように、ローラコンベア18と、このローラコンベア18を囲繞するように設けられた枠体41と、この枠体41の内部に配設された配管(図示せず)と、この配管からローラコンベア18上の荷物の表面に縄のれん状に臨ませて多数配設された吸引管42と、前記配管に接続された状態で枠体41の近傍に設けられた本体部43とから構成してもよい。
【0070】
吸引管42は、荷物の表面に臨ませて配設されることで、その吸引先端部が荷物の表面に接触して、その表面の空気を直接的に吸引するようになっている。本体部43は、吸引管42で吸引した空気中から煙の微粒子を感知する煙感知部である。
【0071】
左右の吸引管42は、図6に示すように、揺動支持部材45で支持されている。この揺動支持部材45は、吸引管42の基端部に一体的に取り付けられてこの吸引管42を枠体41に揺動可能に支持するコイルスプリングから構成されている。なおこの場合、吸引管42は、枠体41内の配管との接続部を除いて、撓むことのない硬質の管材によって構成される。これにより、揺動支持部材45で支持される部分が撓みうると共に、先端部が直線的に荷物まで延びた状態を保たれている。また、吸引管42が可撓性のある材料で構成されているときには、この吸引管42を内部に挿入して直線的に支持する支持管を用いる。そして、この支持管が揺動支持部材45で支持される。これにより、支持管が吸引管42を直線的に支持した状態で自由に揺動し得るようになる。
【0072】
また、枠体41の上側から荷物に垂らす吸引管42は、可撓性のある柔らかいものを用いる。この吸引管42の場合は、その基端部を枠体41内の配管に直接に接続する。
【0073】
各吸引管42は、枠体41の左右と上部にそれぞれ設けてもよいが、一部に設けてもよい。即ち、左右の両側又は一側にのみ複数本設けてもよく、上部にのみ複数本設けてもよい。配設する位置及ぶ本数は、搬送される荷物の大きさ等の諸条件によって適宜設定する。
【0074】
この構成により、左右の吸引管42は、揺動支持部材45に支持されて荷物の進行方向に自由に揺動し、吸引管42の吸引先端部の開口が荷物の表面を正確になぞる。また、吸引管42は、柔らかくしなって、複雑な凹凸表面を持つ荷物であっても、その表面を正確になぞる。即ち、ローラコンベア18上を走行中の荷物の上側及び左右の表面を正確になぞり、その荷物の表面の空気を直接的に吸引する。この場合、荷物の走行速度はあまり影響しないため、ある程度早く移動させてもよい。
【0075】
この結果、火種から煙が発生しているときに、最も煙の濃度が高い状態で空気を吸引することができるようになり、移送速度を低下させることなく、より確実に火種の有無を感知することができる。
【0076】
[第4変形例]
また、前記第3変形例では、細い管状の吸引管42を多数配設したが、図7に示すように、吸引管51の吸引口52を細長くして、荷物の表面の空気を一度に広い範囲で吸引できるようにしてもよい。この吸引管51の配設は、枠体41の上側から1つだけ荷物に向けて垂らしたり、一側から1つだけ荷物に向けて臨ませたり、両側から1つづつ荷物に向けて臨ませたりする。また、複数の吸引管51を並列に設けるようにしてもよい。
【0077】
この場合も、前記第3変形例と同様に、確実に火種の有無を感知することができる。
【0078】
[第5変形例]
前記各実施形態では、火種感知装置5のみを備えて構成したが、この火種感知装置5に隣接して消火装置(図示せず)を備えてもよい。消火装置を備える位置は、荷物の搬入方向奥側と手前側のいずれもあり得る。消火装置を手前側に設けるのは、火種の検知によってローラコンベア18が逆回転する態様の場合である。
【0079】
この消火装置は、火種感知装置5と同様に、門状に形成され、内部に消火用の水、消火ガス、化学消火剤等を吹き出す消火剤噴射装置を内蔵して構成される。この消火剤噴射装置は、前記制御部26に接続され、煙や炎を感知したとき、それに連動して消火作業を行うようにする。
【0080】
これにより、火種を感知したときには、すぐに消火剤噴射装置が作動して荷物内の火種が消火され、火災の発生を未然に防ぐことができるようになる。
【0081】
[その他の変形例]
(1) 火種感知装置5のうち、荷物の流れの上流側に、荷物を一定間隔で連続的に搬入する搬入装置等の搬入手段を設けてもよい。この搬入手段には、前記火種感知手段が接続され、火種を感知したときに、荷物の搬入を停止するように設定する。これにより、荷崩れを起こした荷物や火種を含んだ荷物が建造物内に搬入されるのを、確実に防止することができる。
【0082】
(2) 火種感知装置5を単体として携帯できるように構成し、必要なときに必要な位置の搬入口1Aに据え付けて使用するようにしてもよい。この場合、火種感知装置5は、前述のように、制御装置に接続して連動するようにしても、単独で動作するようにしてもよい。
【0083】
(3) 前記各実施形態では、火種感知装置5を建物1の搬入口1Aの内側に面して配設したが、外側に配設してもよいことはいうまでもない。
【0084】
また、搬入口1Aに密着させて配設しても、搬入口1Aからある程度距離をおいて配設してもよい。ある程度距離をおく場合には、搬入口1Aに面した状態で、建物1の内外側の荷物の搬送経路に臨ませて配設される。
【0085】
さらに、火種感知装置5を建物1内に配設する場合には、搬入口1Aから出し入れロボット3までの間の搬送経路に配設してもよい。
【0086】
これらの場合も、火種の有無を火種感知装置5で確実に感知することができ、前記各実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0087】
(4) 前記第1実施形態では、火種感知装置5の空気取込部10を天井部8に設けたが、この空気取込部10は、天井部8に限らず、側壁部6,7の一方又は両方に設けてもよい。
【0088】
(5) 前記各実施形態では、建造物として自動倉庫を例に説明したが、工場や船舶等においても、本発明の火災予防装置を用いることができる。即ち、部品等の荷物を内部に搬入してロボット等で加工する工場や、荷物を船内に積み込んで運搬する船舶等の場合も、その搬入口1Aに本発明の火災予防装置を用いることで、前記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0089】
(7) 建物1までの搬送手段としては、トラック、搬送ロボット、無人又は有人の搬送車、ベルトコンベア等の各種の手段がある。また、建物1内においても、搬入口1Aから出し入れロボット3までの搬送手段として、搬送ロボット4に限らず、前記無人又は有人の搬送車、ベルトコンベア等の各種の搬送手段を用いることができる。
【0090】
(8) 前記第1実施形態では、天井部8に排気口11及び排気ファン12を設けたが、これらを設けない構成でもよい。この場合は第2実施形態と同様に、煙は空気よりも軽いため上昇して空気取込部10内にたまる。この空気取込部10内にたまった煙が空気と一緒に煙感知器15のサンプリング管17から吸引されて、煙の存在が検知される。
【0091】
(9) 前記第1実施形態では、荷物の大きさ及び包装状態(シュリング包装の有無)を検出する荷物状態検出センサとしてのカメラ25を用いたが、本発明はこれに限らず、各種のセンサを用いてもよい。例えば、図8に示すように、ローラコンベア18を囲繞する門状の枠体54の内側に、ローラコンベア18上を移送される荷物に臨ませて棒状のリミットスイッチ55,56,57を設けてもよい。これらのリミットスイッチ55,56,57は、荷物の通過によって押し曲げられたときにオン状態になるように設定されている。これらのうち、最も長いリミットスイッチ55は想定される最も小さい荷物の幅に合わせた長さに設定される。これにより、ローラコンベア18を通過する荷物は必ずリミットスイッチ55を押し曲げてオン状態になる。このオン状態の時間とローラコンベア18の速度とから荷物の全長が判別できる。さらに、3種類の長さのリミットスイッチ55,56,57のうちのどれが押し曲げられたかによって横幅が、押し曲げられたリミットスイッチ55,56,57のうち最も上方のスイッチの位置で荷物の高さがそれぞれ分かる。これにより、荷物の大きさが判別できる。
【0092】
さらに、棒状のリミットスイッチ55,56,57以外にも、枠体54に縦方向に発光素子と受光素子とを並べてもよい。この場合も、遮光された受発光素子の位置によって荷物の長さと高さが判別でき、おおよその荷物の大きさが判別できる。
【0093】
また、発光素子と受光素子を枠体54に隣接させて配設し、荷物に反射してくる発光素子からの光を受光素子で受けて、その強さを測定することにより、シュリング包装の有無を判別するようにしてもよい。
【0094】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明によれば次のような効果を奏することができる。
【0095】
(1) 外部から建造物内に火種を含む荷物が搬入された場合でも、その火種を火種感知手段で感知するので、建造物内に火種が収納されるのを確実に防止することができる。
【0096】
さらに、火種感知手段による火種の感知は、荷物の走行中に行われるので、荷物の搬入作業の効率を損なうことがなくなる。即ち、高い搬入作業性を維持したまま、火種の有無を確実に感知することができ、安全性を大幅に向上させることができるようになる。
【0097】
(2) 移送部で移送される荷物の大きさや包装状態を荷物状態検出センサで検出し、荷物状態に対応した設定速度で荷物を移送するようにしたので、荷物の搬入作業の効率を損なわない搬入速度を維持した状態で、確実に火種の有無を感知することができるようになる。
【0098】
(3) 火種感知によって移送部の駆動を停止し又は逆方向に駆動するので、建造物内に火種が侵入するのを確実に防止することができる。この結果、火災の発生を未然に防止することができ、建造物の安全性を大幅に向上させることができる。
【0099】
(4) 火種感知部を、煙感知部と炎感知部とを備えて構成し、煙と炎の2段階で火種の感知を行うので、より確実に火種の存在を感知することができるようになる。即ち、火種から煙だけが発生している状態でも、炎が発生して煙がほとんど出ていない状態でも、確実に感知することができるようになる。
【0100】
(5) 煙感知部を移送部の上側から臨ませて設けたので、火種から発生した煙は上昇して煙感知部で感知される。荷物から炎が発生しているときは、荷物の上下から臨ませた炎感知部が、確実に炎を感知する。この結果、荷物内の火種を確実に感知することができ、火災の発生を未然に防ぐことができる。
【0101】
(6) 炎感知部を、炎が発する赤外線又は紫外線を感知する炎センサによって構成したので、荷物から発生している炎を確実に感知することができるようになる。
【0102】
(7) 煙感知部が煙を吸引するサンプリング管を有すると共に、このサンプリング管をU字状に形成したので、より長く広い部分で煙の有無を検出することができるようになり、より確実に煙の存在を感知することができるようになる。
【0103】
(8) 空気取込部を設けると共に、その内部に煙検知部を収納したので、荷物から発生する煙をこの空気取込部に一旦ためてから煙検知部で煙の有無を検出することができ、より確実に煙感知を行うことができるようになる。
【0104】
(9) 火種感知手段を、荷物の表面に臨ませて設けられた吸引管を備えて構成したので、この吸引管で荷物の表面の空気を直接的に吸引することができるようになる。この結果、荷物内の火種の有無をより確実に感知することができるようになる。
【0105】
(10) 吸引管を揺動可能に設けることにより、その吸引先端部が荷物の表面を正確になぞることができるようにしたので、火種から発生する煙を最も濃度の高い状態で吸引することができるようになる。この結果、より確実に火種の有無を感知することができるようになる。
【0106】
(11) 搬入される荷物内の火種の有無を感知する火種感知手段と共に、火種感知手段と連動して消火作業を行う消火手段とを備えたので、火種感知手段で火種を感知したときには即座に消火手段が作動して、荷物内の火種を確実に消すことができる。これにより、火災の発生を未然に防ぐことができるようになる。
【0107】
(12)火種感知処理に必要な時間と、その間に移送される荷物の移動量とを考慮して鳴動する警報器を備えたので、作業者は火種を含む荷物を容易に特定することができ、その火種を含む荷物の除去作業や消火作業等を迅速に行うことができる。
【0108】
(13) 火種感知手段を、搬入経路にその上側から臨ませて設けられ火種から発生する煙を感知する煙感知部と、前記搬入経路にその上側又は下側のいずれか一方又は両方から臨ませて設けられ火種から発生する炎を感知する炎感知部とを備えて構成し、煙の感知と炎の感知の2段階で火種感知を行うようにしたので、荷物内の火種から炎は発生していないが煙が発生している場合でも、既に炎が発生していて煙が殆ど発生していない場合でも、確実に火種の存在を感知することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る火災予防装置を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る火災予防装置を備えた自動倉庫を示す概略斜視図である。
【図3】制御部での処理機能を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態に係る火災予防装置を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る火災予防装置の第1変形例を示す正面図である。
【図6】図5の火災予防装置の吸引管及び揺動支持部材を示す要部拡大図である。
【図7】本発明に係る火災予防装置の第2変形例を示す正面図である。
【図8】本発明に係る火災予防装置の第3変形例を示す正面図である。
【符号の説明】
1:建物、2:棚棟、3:出し入れロボット、4:搬送ロボット、5:火種感知装置、6,7:側壁部、8:天井部、9:遮蔽板、10:空気取込部、11:排気口、12:排気ファン、15:煙感知器、16:本体部、17:配管、18:ローラコンベア、20:駆動モータ、22:炎感知器、23:本体部、24:炎センサ、25:カメラ、26:制御部、27:警報器。
Claims (11)
- 建造物の搬入口から内部に搬入される荷物の搬入経路に臨ませて配設され、搬入される荷物内の火種の有無を感知する火種感知手段を備えた火災予防装置において、
前記火種感知手段が、
荷物を移送する移送部と、
この移送部に臨ませて設けられ、搬入される荷物内の火種の有無を、前記移送部による荷物の走行中に感知する火種感知部と、
前記移送部で移送される荷物の大きさ及び包装の状態を検出する荷物状態検出センサと、
この荷物状態検出センサで検出した荷物の状態に合わせて、前記荷物が大きいとき早く、前記荷物が小さいとき遅く、又は前記荷物が包装されているとき遅く通過するように前記移送部による移送速度を設定する制御部と
を備えて構成されたことを特徴とする火災予防装置。 - 請求項1に記載の火災予防装置において、
前記火種感知部での火種感知により、前記移送部の駆動を停止し又は逆方向に駆動する制御部を備えて構成されたことを特徴とする火災予防装置。 - 請求項1又は2に記載の火災予防装置において、
前記火種感知部が、火種から発生する煙を感知する煙感知部と、火種から発生する炎を感知する炎感知部とを備えて構成されたことを特徴とする火災予防装置。 - 請求項1乃至2のいずれかに記載の火災予防装置において、
前記火種感知部が、
前記移送部にその上側から臨ませて設けられ火種から発生する煙を感知する煙感知部と、
前記移送部にその上側又は下側のいずれか一方又は両方から臨ませて設けられ火種から発生する炎を感知する炎感知部と
を備えて構成されたことを特徴とする火災予防装置。 - 請求項3又は4に記載の火災予防装置において、
前記炎感知部が、炎が発する赤外線又は紫外線を感知する炎センサによって構成されたことを特徴とする火災予防装置。 - 請求項3乃至5のいずれかに記載の火災予防装置において、
煙感知部が煙を吸引するサンプリング管を有すると共にこのサンプリング管をU字状に形成したことを特徴とする火災予防装置。 - 請求項3乃至6のいずれかに記載の火災予防装置において、
前記荷物の搬入経路に臨ませて配設された両側壁部及び天井部と、前記両側壁部に掛け渡して設けられこの両側壁部及び前記天井部と相俟って上昇してくる煙を取り込む遮蔽板とから構成された空気取込部を設けると共に、この空気取込部に前記煙検知部を収納したことを特徴とする火災予防装置。 - 建造物の搬入口から内部に搬入される荷物の搬入経路に臨ませて配設され、搬入される荷物内の火種の有無を感知する火種感知手段を備えた火災予防装置において、
前記火種感知手段が、
前記搬入経路を移送される荷物の表面に臨ませて設けられ、その荷物の表面の空気を直接的に吸引する吸引管と、
この吸引管で吸引した空気中から煙の微粒子を感知する煙感知部と
を備えて構成されたことを特徴とする火災予防装置。 - 請求項8に記載の火災予防装置において、
前記吸引管が揺動可能に設けられ、吸引管の揺動によりその吸引先端部が荷物の表面を正確になぞって火種から発生する煙を最も濃度の高い状態で感知することを特徴とする火災予防装置。 - 請求項1乃至9のいずれかに記載の火災予防装置において、
前記火種感知手段で火種を感知する処理に必要な時間と、その間に前記移送部を移送される荷物の移動量とを考慮して、火種を含む荷物を特定して作動する警報器を備えたことを特徴とする火災予防装置。 - 請求項1乃至10のいずれかに記載の火災予防装置において、
前記火種感知手段に隣接して設けられ、火種感知手段で荷物内に火種を感知したときに消火作業を行う消火手段を備えたことを特徴とする火災予防装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011248646A (ja) * | 2010-05-27 | 2011-12-08 | Toho Titanium Co Ltd | 火災検知システム、同システムを使用した火災検知装置、および同装置を使用した顆粒状金属の消火方法 |
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-
1997
- 1997-10-24 JP JP29220497A patent/JP3748321B2/ja not_active Expired - Lifetime
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