JP3747346B2 - 帯電物の表面電位検出装置および該検出装置を用いた 除電装置 - Google Patents

帯電物の表面電位検出装置および該検出装置を用いた 除電装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電物の表面電位の検出範囲を拡張するとともに安全性を高めた表面電位検出装置と、該表面電位検出装置を用いた除電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶製造ライン等において、対象物体が帯電しているとほこり等が付着して製品が不良品となることがあり、また、コンベア等により物体を搬送している場合には、小さい対象物体が帯電することにより製品同士が吸引されて接触してしまい、生産ラインが停止してしまうことがある。このため、静電気の発生を抑制する必要がある個所には、限られたスペースに多数の除電装置が配置される場合がある。
【0003】
静電気は対象物体に蓄積されている正または負の電荷により生ずるものであり、静電気に起因する対象物体の帯電電位は、大地を基準電位として、対象物体の表面電位を測定することにより決定されている。除電の原理は、このような対象物体に蓄積されている電荷を大地に流し込むか、または蓄積されている電荷とは反対の極性のイオンを吹き付けて帯電電位を中和することにより、対象物体に蓄積されている電荷をゼロに近づけるものである。
【0004】
上記した除電の原理を応用して、従来除電装置として、電極針に直流高電圧または交流高電圧を印加して電極針からプラス、マイナスのイオンを発生させて、このイオンを対象物体に吹き付けるようにしたものが知られている。図17は、直流型の除電装置の一例を示す回路図である。図において、21は直流または交流の電源部、22は接続線、23は電源制御回路、24は正の高電圧発生回路、25は負の高電圧発生回路、26は正の電極針、27は負の電極針、28はファンである。
【0005】
正の高電圧発生回路24、負の高電圧発生回路25には例えばコンデンサとダイオードからなる倍電圧整流回路が用いられて小型化が図られている。正負の高電圧発生回路24、25には、電極針26、27を取り付けることに代えて細線等の長尺状物や突起部を有する部材等の電極手段を取り付けてイオン発生部とすることもできる。
【0006】
電極針は対象物体からある距離をおいて配置されているが、プラス、マイナスのイオンの反発力によりイオンが飛ばされて対象物体に付着する。この反発力が弱くてそのままでは電極針から発生したイオンが対象物体には付着しにくい場合には、図示のように電極針から発生したイオンを対象物体に吹き付けるためにファン28が設けられていることがある。電極針26、27から発生するプラス、マイナスのイオンは、前記したファン28により対象物体に吹き付けられ、帯電電位を中和する。
【0007】
図18は、直流型の除電装置の別の例を示す回路図である。この例では、帯電物29に接近した位置にセンサ30を設置する構成としている。帯電物29の帯電極性と帯電電圧の大きさをセンサ30により検出し、検出信号は表示装置31を介してA/D変換器32に供給する。センサ30の検出信号により帯電物29の帯電の状態を表示装置31に表示するので、作業者は帯電物29の帯電の状態を確認できる。
【0008】
図19は、図18に示されたようなセンサを用いて帯電物の帯電状態を検出する従来例の構成の回路図である。図において1は帯電物、2はセンサ、3は増幅器である。センサ2は、帯電物1とセンサ2間に生成されている電気力線Efの本数(電界の強さ)を測定することにより、帯電物1の表面電位を非接触で測定している。この測定値は帯電物1の帯電の極性とその大きさを表している。
【0009】
図20は、センサを用いて帯電物の帯電状態を検出する従来例の別の構成の回路図である。図において、1は帯電物、2はセンサ、3は増幅器、Iは積分器、5は高圧電源、VRは分圧器である。センサ2は、前記のように帯電物1とセンサ2間に生成されている電気力線Efの本数(電界の強さ)を測定するものであるが、この電気力線Efは帯電物1とセンサ2との両物体間の電位差により発生する。
【0010】
図20の例では、このような電気力線の性質を利用している。すなわち、センサ2の検出信号を増幅器3、積分器Iを介して高圧電源5に入力し、高圧電源5からはセンサ2の検出信号がゼロとなるような出力電圧をセンサ2に供給するフィードバック制御を行っている。センサ2の検出信号がゼロとなるのは、帯電物1の電位とセンサ2の電位が等しい場合であるから、このときのセンサ2への供給電圧の値が帯電物1の帯電電位に相当する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
帯電物1とセンサ2間の電気力線Efの本数は、図21の説明図に示すように両者間の距離に依存して変化する。同図(a),(b),(c)のように、センサ2の位置を帯電物1から離していくにしたがって、センサ2で検出される信号の値は小さくなる。
【0012】
図22は、帯電物1とセンサ2間の距離に対するセンサ2の出力信号との関係を示す特性図である。図に示すように、センサ2で得られる出力信号(帯電物1の表面電位)は、帯電物1とセンサ2間の距離に応じて変動するので、図19で説明したような従来例の構成では測定精度が悪くなるという問題があった。
【0013】
また、図20で説明した従来例においては、センサ2に高圧電源5の出力電圧を供給しているので、センサ2の測定範囲は、高圧電源5の電源電圧の範囲内に制限され、広範囲の測定レンジを得ようとすると高圧電源5が大型化してしまいコストが高くなり、しかも、高電圧をセンサ2に供給することになるので作業者が感電する危険性があるという問題があった。
【0014】
更に、帯電物の表面電位をセンサにより測定して、この測定結果に基づいて高電圧発生手段を制御しイオン量を中和することにより帯電物を除電する除電装置においては、センサに上記のような問題があるために精度良くかつ安全に帯電物の除電ができないという問題があった。
【0015】
本発明はこのような問題に鑑みて、帯電物の表面電位の測定精度を向上させ、検出範囲を拡張するとともに安全性を高めた表面電位検出装置の提供を目的とするものである。
【0016】
また、帯電物の表面電位をセンサにより測定して、この測定結果に基づいて高電圧発生手段を制御しイオン量を中和することにより精度良くかつ安全に帯電物の除電を行える除電装置の提供を目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、帯電物と対向配置され、該帯電物との間に生成される電界の強さを検出するセンサと、前記センサに高電圧を供給する高圧電源と、前記センサからの出力信号が入力され、前記帯電物の表面と前記センサ間の電界の強さがゼロとなるような指令信号を前記高圧電源に出力することにより、前記センサに供給された電圧値から前記帯電物の表面電位を求める制御装置とを有する帯電物の表面電位検出装置において、前記制御装置は、前記高圧電源の電源電圧の範囲内で前記センサに供給される電圧値を変化させた際に前記帯電物の表面と前記センサ間の電界の強さがゼロにならないときには、前記高圧電源の電源電圧の範囲内で前記センサに供給される電圧値を予め設定された測定毎に各々異なった電圧値で指令し、前記センサに供給された各電圧値におけるセンサの出力信号の値を記憶して、記憶された複数のセンサの出力信号の値から前記帯電物の表面電位の値を演算することを特徴とする帯電物の表面電位検出装置によって達成される。
【0018】
また前記制御装置は、前記センサに供給された電圧値と前記センサの出力信号の値との関係を最小自乗法を用いて一次方程式を求めることにより、前記帯電物の表面電位の値を演算することを特徴する。
【0019】
また前記表面電位検出装置は、さらに、前記センサとは電気的に絶縁され前記センサからの出力信号が入力される信号伝達手段を有し、前記制御装置は、前記信号伝達手段からの出力信号が入力される構成としたことを特徴とする。
【0020】
前記制御装置は、さらに、
前記指令信号による供給電圧値が前記高圧電源の電源電圧の範囲外であるときには、前記遮断手段に指令信号を出力してセンサへの高電圧の供給を遮断することを特徴とする。
【0021】
また前記制御装置は、さらに、前記センサの帯電物との対向面に設けられ帯電物から放射される電気力線を通過させてセンサに導入するための間隙を形成した絶縁シートと、前記間隙が設けられ絶縁シートに取り付けられる金属板と、前記センサと金属板間に接続される抵抗とを有することを特徴とする。
【0022】
また上記課題は、電源電圧を所定の電圧に昇圧する高電圧発生手段と、
高電圧発生手段の出力電圧が供給されて先端部からプラスとマイナスのイオンを発生する電極手段と、帯電物と対向配置され、該帯電物との間に生成される電界の強さを検出するセンサと、前記センサに高電圧を供給する高圧電源と、前記センサからの出力信号が入力され、前記帯電物の表面と前記センサ間の電界の強さがゼロとなるような指令信号を前記高圧電源に出力することにより、前記センサに供給された電圧値から前記帯電物の表面電位を求める制御装置とを有する除電装置において、前記制御装置は、前記高圧電源の電源電圧の範囲内で前記センサに供給される電圧値を変化させた際に前記帯電物の表面と前記センサ間の電界の強さがゼロにならないときには、前記高圧電源の電源電圧の範囲内で前記センサに供給される電圧値を予め設定された測定毎に各々異なった電圧値で指令し、前記センサに供給された各電圧値におけるセンサの出力信号の値を記憶して、記憶された複数のセンサの出力信号の値から前記帯電物の表面電位の値を演算することを特徴とする除電装置によって達成される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の帯電物の表面電位検出装置の概略の構成を説明する基本的な回路図である。図において、1は帯電物、2はセンサ、3は増幅器、4は制御回路、5は高圧電源、6は電圧検出回路、7は切り替え回路である。本発明においては、センサ2による帯電物1の表面電位の測定を、センサ2に高圧電源5の出力電圧を供給した状態で行う場合と、センサ2に高圧電源5の出力電圧を供給しない状態で行う場合とを併用することを基本的な構成としている。
【0024】
図1の例では、高圧電源5の出力電圧は、電源電圧の範囲内であれば切り替え回路7を介してセンサ2に供給される。このときのセンサ2の出力信号を制御回路に入力しているが、電圧検出回路6により検出される高圧電源5の出力電圧が電源電圧の範囲外となれば、制御回路4からの信号により切り替え回路7を遮断して、このときのセンサ2の出力信号を制御回路4に入力している。
【0025】
図2(a)は、センサ2に供給される高圧電源5の電圧Vsとセンサ2から得られる出力電圧Voutとの関係を示す特性図である。図に示すように、センサ2に供給される電圧Vsを増加させるにしたがって、帯電物1とセンサ2間の電位差は小さくなるので、センサ2から得られる出力電圧Voutは低下する。この出力電圧Voutがゼロとなるときの印加電圧Vsの値は、帯電物の表面電位Vtに相当する。
【0026】
図2(b)は図2(a)の特性で説明した本発明のセンサによる測定原理を説明する説明図である。帯電物の表面電位をVtとすると、センサ2に供給される電圧との間に差がある場合には、センサ2の出力電圧はその差の電圧に相当するが、両者の電圧に差がない場合にはセンサ2の出力電圧はゼロとなる。すなわち、このときのセンサ2への供給電圧が帯電物1の表面電位Vtに相当することになる。
【0027】
図3は、図1に示した本発明の実施の形態に係る帯電物の表面電位検出装置の具体的な回路図である。図において、2はセンサ、3は増幅器、5は高圧電源、8はA/D変換器、9は比較器、10はフォトカプラ、11は中央処理装置(CPU),12はD/A変換器である。破線内に配置されているセンサ2、増幅器3、A/D変換器8、比較器9は、高圧電源5の出力電圧が供給される測定器の高圧部Aを形成している。
【0028】
図3の例では、高圧部Aには高圧電源5から出力される高電圧が供給されているので、危険防止の観点から高圧部AとCPU11とは電気的に絶縁してフォトカプラ10を介して非接触で信号を伝達する構成としている。センサ2の出力電圧はアナログの信号であるが、高圧部AにA/D変換器8を設けてデジタル値に変換することにより信号処理を簡単に行えるようにしている。A/D変換器8を設けずに増幅器3よりアナログ値の信号Bとして取り出す構成としても良い。
【0029】
図4は、図3の構成において帯電物の表面電位を検出する手順を示すフローチャートである。次にこの検出手順について説明する。
(1)CPU11より高圧部Aの電位が0Vとなるような指令信号をD/A変換器12に出力する(ステップS1)。
(2)センサ2からの出力電圧Voutの値が0よりも小さいかどうかを判断する(ステップS2)。
【0030】
(3)ステップS2の判断結果がNOであればセンサ2からの出力電圧Voutの値が正の場合であるから、帯電物1を基準とした場合に帯電物1よりも高圧部Aの電位が低いことになり、高圧部Aに供給する電圧を上昇させて両者間の電位をゼロに近ずけるように高圧電源の出力電圧を制御する(ステップS3)。
(4)ステップS2の判断結果がYESであればセンサ2からの出力電圧Voutの値が負の場合であるから、帯電物1を基準とした場合に帯電物1よりも高圧部Aの電位が高いことになり、高圧部Aに供給する電圧を下降させて両者間の電位をゼロに近づけるように高圧電源の出力電圧を制御する(ステップS4)。
【0031】
(5)高圧部Aに高圧電源5から供給されている電圧VAが、高圧電源5の電源電圧の下限値−VHと上限値+VHの範囲内であるかどうかを判断する(ステップS5)。
(6)ステップS5の判断がYESであれば、高圧部Aに供給されている電圧はまだ高圧電源5の電源電圧の範囲内であるから、CPU11はD/A変換器12に次の指令信号を出力する(ステップS6)。以下、ステップS2〜ステップS6のループ処理を繰り返す。
【0032】
(7)ステップS5の判断がNOであれば、高圧部Aに供給されている電圧は高圧電源5の電源電圧の範囲外となるので、ループ処理を抜けて高圧部Aには高圧電源5からの電圧を供給せずに、この状態でセンサの出力信号Voutを読み取る。
【0033】
以上の例は、図3の構成において高圧部AのA/D変換器8からフォトカプラ10を介して出力されるデジタル信号をCPU11で処理するものであるが、高圧部A内で一部の処理を行う構成とすることもできる。この場合には、比較器9においてセンサ2の出力信号の大きさについて図4のステップS2の判断を行い、判断結果の信号をフォトカプラ10を介してCPU11に送り、CPU11は高圧電源5の高圧部Aに対する供給電圧の指令信号をD/A変換器12に出力する構成とすることも可能である。
【0034】
図5、6は、図3の回路図と図4のフローチャートで説明した、本発明の帯電物1の表面電位検出センサの動作特性を示す特性図である。図5は、帯電物1の表面電位Vtが高圧電源5の電源電圧の範囲内であるとき(−VH<Vt<+VH)の特性である。図に示されているようにセンサ2に供給される電圧は、図4のフローチャートで説明したような高圧電源5に対するフィードバック制御により次第に一定値Vsに収斂し、Vt=Vsのときにセンサ2の出力電圧Voutがゼロとなるので、この状態でセンサ2に供給されている高圧電源5の出力電圧Vsの値から帯電物1の表面電位Vtが検出できる。
【0035】
図6は、帯電物1の表面電位Vtが高圧電源5の電源電圧の範囲よりも小さいかまたは大きい場合(Vt<−VH,Vt>+VH)の特性である。図に示されているのは、Vt>+VHの場合であるがセンサ2に供給される電圧は次第に上昇していき、+VHの値で一定となりこれ以上は大きくされない。このときにセンサ2に供給される電圧は遮断され、この状態でセンサ2の出力電圧Voutを読み取り、帯電物1の表面電位Vtを検出する。
【0036】
このように、図3に具体的な回路図を示した本発明の実施の態様によれば、従来、帯電物の表面電位の値が高圧電源の電源電圧の範囲外であれば、電源電圧の範囲が異なる高圧電源を別個に用意しないと測定できなかったという問題が解消される。
【0037】
図7は、本発明の別の実施の態様における回路図である。図3と同じ図示番号については説明を省略するが、この例では、予め高電圧部Aに供給する高圧電源5の出力電圧を数点設定しておき、各供給電圧においてセンサ2で検出された信号に相当する出力電圧をCPU11に記憶させる。帯電物1の表面電位は、CPU11に記憶されているセンサ2の検出信号に基づいて演算で求める。
【0038】
図8は、図7に示した回路図の構成により帯電物の表面電位を検出する手順のフローチャートである。次にこのフローチャートについて説明する。
(1)CPU11よりの指令信号をD/A変換器12に出力する(ステップS11)。高圧電源5は、この指令信号に基づいて所定の電圧VAを高圧部Aに供給する。
(2)センサ2からの出力電圧Voutを増幅器3を介してA/D変換器8に入力する(ステップS12)。
【0039】
(3)A/D変換器8からの信号をフォトカプラ10を介してCPU11に入力し、この値を記憶させる(ステップS13)。
(4)CPU11より高圧部Aに供給する次の電圧指令信号をD/A変換器12に出力する(ステップS14)。高圧電源5は、この指令信号に基づいて所定の電圧VAを高圧部Aに供給する。
【0040】
(5)センサ2により予め設定した回数の測定が行われたかどうかを判断する(ステップS15)。判断結果がNOであれば、ステップS12〜ステップS15のループ処理を繰り返す。
(6)このときの判断結果がYESであれば、高圧部Aに供給された設定回数分の電圧VAと各VAに対するセンサ2の出力電圧Voutとの関係から、演算により帯電物の表面電位Vtを求める(ステップS16)。
【0041】
図9は、図8のフローチャートで説明した帯電物の表面電位を演算により検出する場合の特性図である。図に示すように、高圧部Aに供給される高圧電源5の出力電圧VAの値が電源電圧の範囲内(−VH<VA<+VH)において、センサ2の検出信号に基づく出力電圧Voutを数点プロットしておく。次に、各プロット点を結ぶ直線の方程式を例えば最小自乗法により求める。この直線を延長してVAの軸と交差する点はセンサの出力電圧Voutがゼロの点、即ち、帯電物の表面電位Vtと高圧部Aの供給電圧VAとが等しい値となるから、この交差する点で帯電物の表面電位Vtを求めることができる。
【0042】
帯電物1とセンサ2間の電気力線(電束密度)Efの本数は、電界の大きさに比例するから、帯電物1の表面電位Vtを基準にすると高圧部Aに供給される電圧、すなわちセンサ2に供給される電圧VAを変化させた場合には、図9のVAとVoutとの関係を示す特性は必ず直線で表されることになる。このため、本発明のこのような構成によれば、帯電物1に対するセンサ2の設置の位置が変わり、両者間の距離が変動しても、図9の特性は直線の傾きが変わるだけであり帯電物1の表面電位Vtは的確に検出できる。
【0043】
図10は、センサ2に高電圧を印加することにより、作業者に対する感電の危険が発生することを防止する手段を講じた帯電物の表面電位検出装置の例の説明図である。図において、13は絶縁シート、14は金属板、R1はセンサ2と金属板14間に接続される抵抗である。帯電物から放射される電気力線は金属板14、14間及び絶縁シート13、13間に形成されている間隙部Pを通して導入されてセンサ2で検出される。このような危険防止手段の作用について図11の回路図により説明する。
【0044】
図11において、RHは人体の抵抗である。高圧電源からの出力電圧でセンサ2に供給されている電圧をVsとして、このときにセンサ2に触れると人体に加わる電圧Vrは、Vr={RH/(R1+RH)}Vs、で表される。センサ2と金属板14間に接続される抵抗R1の値を大きくすることにより、人体に加わる電圧Vrを感電の危険のない微小な値に減少させることができる。
【0045】
図12は、金属板14の帯電物1に対する対向面の大きさを拡張した構成の説明図である。3はセンサ2の検出信号を増幅する増幅器である。このように金属板14の帯電物1に対する対向面の大きさを拡張した構成とすることにより、帯電物1とセンサ2間に生成される電気力線の分布は均一となり、帯電物1の表面電位の検出が精度よく行える。
【0046】
図10、図12に示されたような、電気力線を通過させる間隙を形成した絶縁シートと金属板とをセンサに取り付け、センサと金属板とを抵抗値の大きな抵抗で接続した構成は、図3、図7で説明した構成のセンサからの出力信号により帯電物の表面電位を検出する本発明の帯電物の表面電位検出装置に適用される。
【0047】
図13は、本発明による帯電物の表面電位を検出するセンサの具体的な構成の説明図である。図において、aは基体、bは取付部、cは測定窓、dは回転部である。帯電物からの電気力線は、センサの測定窓cから入力されて出力電圧が形成される。この例においては、取付部bを回転させることにより測定窓cの位置が変わる。このため、帯電物が配置されている位置に合わせて基体aは固定したままで測定窓cの位置を変えることにより、帯電物の表面電位を検出できるのでセンサの使い勝手が良くなる。
【0048】
図14は、本発明による帯電物の表面電位を検出するセンサの別の構成の説明図である。この例では、図14(a)がセンサの基本的な測定位置であるが、帯電物の位置に応じて基体aの位置は固定したまま測定窓cの位置を変えることができる。例えば、図14(b)のようにして取付部bを矢印P方向に引出し、次に矢印Q方向に取付部bを90度回転して基体aに取り付けると、図14(c)に示すように測定窓cの位置は基体aの表面側に位置するようになる。
【0049】
図15は、本発明による帯電物の表面電位を検出するセンサの更に別の構成の説明図である。図15(a)が基本的なセンサの配置位置で、図15(b)はその矢視X方向の正面図である。図15(c)は、回転部dで取付部bを上側に折り曲げて測定窓の位置を上側とした状態の説明図である。また、この例では、図15(d)の破線に示す様にして取付部bを下側に折り曲げるようにして測定窓cの配置位置を下側に変更することもできる。
【0050】
図16は、本発明による帯電物の表面電位を検出するセンサの更に別の構成の説明図である。この例では図16(a)のセンサの基本的な配置位置から、回転部dにより取付部bを矢印T方向に水平に回転させることにより、図16(b)のように帯電物に対する測定窓cの配置位置を基体aの側面側に変えることができる。
【0051】
以上の例は、直流の高電圧を用いた除電装置に帯電物の表面電位検出装置を適用した例の説明であるが、本発明は交流の高電圧を用いた除電装置にも適用できる。図23は、交流の高電圧を用いた除電装置の例を説明する回路図である。図において、41は交流電源、42は昇圧トランス、43は電極針、fはファンである。昇圧トランス42の出力側からは、電源電圧を所定の電圧に昇圧した高電圧の交流が得られ、電極針の先端部からは、プラス、マイナスのイオンが交互に出力される。
【0052】
この場合にも、電極針43を取り付けることに代えて細線等の長尺状物や突起部を有する部材等の電極手段を取り付けてイオン発生部とすることもできる。また、ファンも必要に応じて取り付けられるものである。
【0053】
このような交流型の除電装置においても、帯電物に近接して配置される帯電物の表面電位検出装置は、これまで説明してきた直流型の除電装置に適用されるものと同様の構成のものが適用できる。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明の帯電物の表面電位検出装置は、センサによる帯電物の表面電位の測定を、高圧電源の電源電圧の範囲内ではセンサに高圧電源の出力電圧を供給した状態で行い、高圧電源の電源電圧の範囲外ではセンサに高圧電源の出力電圧を供給しない状態で行う構成としているので、広範囲の帯電物の表面電位の検出ができる。
【0055】
また、本発明の帯電物の表面電位検出装置は、高圧電源の電源電圧の範囲内でセンサに供給される電圧値を予め設定された回数で複数回供給し、センサに供給された各電圧値におけるセンサの出力信号の値を記憶して、記憶されたセンサの出力信号の値から帯電物の表面電位の値を演算する構成としているので、帯電物とセンサ設置位置との距離に拘りなく精度良く帯電物の表面電位の検出ができる。
【0056】
また、本発明の帯電物の表面電位検出装置は、センサに絶縁シートを介して金属板を取り付け、センサと金属板とを抵抗値の大きな抵抗で接続しているので、作業者がセンサに触れても感電の心配がなく安全に帯電物の表面電位の検出ができる。
【0057】
また、本発明の除電装置は、上記の各特徴を有する帯電物の表面電位検出装置を用いた構成としているので、帯電物の除電を精度良くまた安全に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における基本的な構成を示す回路図である。
【図2】(a)本発明の実施の形態における帯電物の表面電位を測定する原理を説明する特性図である。
(b)本発明の実施の形態における帯電物の表面電位を測定する原理を説明する説明図である。
【図3】本発明に係る実施の形態の回路図である。
【図4】本発明に係る実施の形態における処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る実施の形態における特性を示す特性図である。
【図6】本発明に係る実施の形態における特性を示す特性図である。
【図7】本発明に係る別の実施の形態の回路図である。
【図8】本発明に係る別の実施の形態における処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係る別の実施の形態における特性を示す特性図である。
【図10】本発明に係るセンサの構成の説明図である。
【図11】本発明に係るセンサの別の構成の説明図である。
【図12】本発明に係るセンサの別の構成の説明図である。
【図13】本発明に適用されるセンサの構成の説明図である。
【図14】(a),(b),(c) 本発明に適用されるセンサの構成の説明図である。
【図15】(a),(b),(c)、(d) 本発明に適用されるセンサの構成の説明図である。
【図16】(a),(b) 本発明に適用されるセンサの構成の説明図である。
【図17】直流型の除電装置の回路図である。
【図18】本発明が適用される直流型の除電装置の回路図である。
【図19】従来例の説明図である。
【図20】従来例の回路図である。
【図21】(a),(b),(c) 帯電物とセンサ間の電気力線の分布の説明図である。
【図22】帯電物とセンサ間の距離に対するセンサ出力の関係を示す特性図である。
【図23】本発明が適用される交流型の除電装置の回路図である。
【符号の説明】
1 帯電物
2 センサ
3 増幅器
4 制御回路
5 高圧電源
6 電圧検出回路
7 切り替え回路
8 A/D変換器
9 比較器
10 フォトカプラ
11 CPU
12 D/A変換器
13 絶縁シート
14 金属板
Ef 電気力線

Claims (8)

  1. 帯電物と対向配置され、該帯電物との間に生成される電界の強さを検出するセンサと、
    前記センサに高電圧を供給する高圧電源と、
    前記センサからの出力信号が入力され、前記帯電物の表面と前記センサ間の電界の強さがゼロとなるような指令信号を前記高圧電源に出力することにより、前記センサに供給された電圧値から前記帯電物の表面電位を求める制御装置とを有する帯電物の表面電位検出装置において、
    前記制御装置は、
    前記高圧電源の電源電圧の範囲内で前記センサに供給される電圧値を変化させた際に前記帯電物の表面と前記センサ間の電界の強さがゼロにならないときには、前記高圧電源の電源電圧の範囲内で前記センサに供給される電圧値を予め設定された測定毎に各々異なった電圧値で指令し、前記センサに供給された各電圧値におけるセンサの出力信号の値を記憶して、記憶された複数のセンサの出力信号の値から前記帯電物の表面電位の値を演算することを特徴とする帯電物の表面電位検出装置。
  2. 前記制御装置は、前記センサに供給された電圧値と前記センサの出力信号の値との関係を最小自乗法を用いて一次方程式を求めることにより、前記帯電物の表面電位の値を演算することを特徴とする請求項1に記載の帯電物の表面電位検出装置。
  3. 前記表面電位検出装置は、さらに、
    前記センサとは電気的に絶縁され前記センサからの出力信号が入力される信号伝達手段を有し、
    前記制御装置は、前記信号伝達手段からの出力信号が入力される構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載の帯電物の表面電位検出装置。
  4. 前記制御装置は、さらに、
    前記指令信号による供給電圧値が前記高圧電源の電源電圧の範囲外であるときには、前記遮断手段に遮断指令信号を出力してセンサへの高電圧の供給を遮断することを特徴とする請求項1乃至3に記載の帯電物の表面電位検出装置。
  5. 前記制御装置は、さらに、
    前記センサの帯電物との対向面に設けられ帯電物から放射される電気力線を通過させてセンサに導入するための間隙を形成した絶縁シートと、
    前記間隙が設けられ絶縁シートに取り付けられる金属板と、
    前記センサと金属板間に接続される抵抗と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至4に記載の表面電位検出装置。
  6. 電源電圧を所定の電圧に昇圧する高電圧発生手段と、
    高電圧発生手段の出力電圧が供給されて先端部からプラスとマイナスのイオンを発生する電極手段と、
    帯電物と対向配置され、該帯電物の間に生成される電界の強さを検出するセンサと、
    前記センサに高電圧を供給する高圧電源と、
    前記センサからの出力信号が入力され、前記帯電物の表面と前記センサ間の電界の強さがゼロとなるような指令信号を前記高圧電源に出力することにより、前記センサに供給された電圧値から前記帯電物の表面電位を求める制御装置とを有する除電装置において、
    前記制御装置は、
    前記高圧電源の電源電圧の範囲内で前記センサに供給される電圧値を変化させた際に前記帯電物の表面と前記センサ間の電界の強さがゼロにならないときには、前記高圧電源の電源電圧の範囲内で前記センサに供給される電圧値を予め設定された測定毎に各々異なった電圧値で指令し、前記センサに供給された各電圧値におけるセンサの出力信号の値を記憶して、記憶された複数のセンサの出力信号の値から前記帯電物の表面電位の値を演算することを特徴とする除電装置。
  7. 前記制御装置は、前記センサに供給される電圧値と前記センサの出力信号の値との関係を最小自乗法を用いて一次方程式を求めることにより、前記帯電物の表面電 位の値を演算することを特徴とする請求項6に記載の除電装置。
  8. 前記表面電位検出装置は、さらに、
    前記センサとは電気的に絶縁され前記センサからの出力信号が入力される信号伝達手段を有し、
    前記制御装置は、前記信号伝達手段からの出力信号が入力される構成としたことを特徴とする請求項6または7に記載の除電装置。
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