JP2011054579A - 除電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】除電装置から発生するプラス、マイナスイオンのイオンバランスを保持すること。
【解決手段】 電源部1と電源制御装置3とを接続線2で接続し、電源制御装置3の出力側は、正側の高電圧発生回路4と負側の高電圧発生回路5に接続する。正側の高電圧発生回路4は正側の電極針6と、負側の高電圧発生回路5は負側電極針7に接続する。正負の電極針から発生するイオンは、ファン8により対象物体に吹き付けられる。電源制御装置3は、接地線9に接続された検出抵抗10の信号で対象物体の帯電電位の極性と大きさを判断し、対象物体のイオンバランスを保持するように正負の高電圧発生回路の出力電圧を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、正または負の電荷に帯電している対象物体の帯電量をゼロに近づけるための除電装置に関するものである。
液晶製造ライン等において、対象物体が帯電しているとほこり等が付着して製品が不良品となることがあり、また、コンベア等により物体を搬送している場合には、小さい対象物体が帯電することにより製品同士が吸引されて接触してしまい、生産ラインが停止してしまうことがある。このため、静電気の発生を抑制する必要がある個所には、限られたスペースに多数の除電装置が配置される場合がある。
静電気は対象物体に蓄積されている正または負の電荷により生ずるものであり、静電気に起因する対象物体の帯電電位は、大地を基準電位として、対象物体の表面電位を測定することにより決定されている。除電の原理は、このような対象物体に蓄積されている電荷を大地に流し込むか、または蓄積されている電荷とは反対の極性のイオンを吹き付けて帯電電位を中和することにより、対象物体に蓄積されている電荷をゼロに近づけるものである。
上記した除電の原理を応用して、従来除電装置として、電極針に直流高電圧または交流高電圧を印加して電極針からプラス、マイナスのイオンを発生させて、このイオンを対象物体に吹き付けるようにしたものが知られている。図8は、交流を用いた除電装置の一例を示す回路図である。図において、20は電源部、21は昇圧トランス、22は電極針、fはファンである。昇圧トランス21の一次側巻線は、商用周波数電源等の低圧の電源部20に接続され、二次巻線からは例えば3000〜10000ボルト程度の交流高電圧を出力して電極針22に印加し、電極針22からはプラス、マイナスのイオンが交互に発生する。
電極針22は対象物体からある距離をおいて配置されているが、プラス、マイナスのイオンの反発力によりイオンが飛ばされて対象物体に付着する。この反発力が弱くてそのままでは電極針から発生したイオンが対象物体には付着しにくい場合には、図示のように電極針から発生したイオンを対象物体に吹き付けるためにファンfが設けられていることがある。電極針22から発生するプラス、マイナスのイオンは、前記したファンfにより対象物体に吹き付けられ、帯電電位を中和する。
図9は、直流型の除電装置の一例を示す回路図である。図において、1は直流または交流の低圧の電源部、2は接続線、3は電源制御回路、4は正の高電圧発生回路、5は負の高電圧発生回路、6は正の電極針、7は負の電極針、8はファン、9は接地線である。正の高電圧発生回路4、負の高電圧発生回路5には例えば、コンデンサとダイオードからなる倍電圧整流回路が用いられている。この場合にも、正負のイオンの反発力が弱い場合にのみファンが用いられるものであり、ファンは設けられていない場合もある。
図10は倍電圧整流回路の一例を示す回路図であり、同図の(a)は正の高電圧発生回路を、また、同図の(b)は負の高電圧発生回路を示している。このような倍電圧回路を使用すると、トランスの二次側からは、一次側巻線に入力される電圧に対してダイオードとコンデンサからなるユニット数をnとすると、入力電圧のn乗倍の直流高電圧が出力される。
電源制御回路3は、正、負の高電圧発生回路4、5の電圧制御と、ファン8の起動停止等の運転制御を行う。正、負の電極針6、7には、それぞれ正、負の高電圧発生回路4、5から直流の高電圧が印加されて、電極針の先端部からプラス、マイナスのイオンが発生する。ファン8は電極針から発生するプラス、マイナスのイオンを対象物体に吹き付ける。
交流、または直流を用いた除電装置においては、対象物体が帯電している場合に帯電している電荷とは逆の極性のイオンを吹き付けて、対象物体の帯電電位を中和している。この場合に、対象物体が正、負いずれの極性に帯電していても中和できるように、除電装置にはプラス、マイナスのイオンを同量発生させることが求められている。例えば、対象物体が正極性に帯電している場合には、主としてマイナスのイオンを吹き付ければよいが、マイナスのイオンが過剰に吹き付けられると逆に負極性に帯電してしまうことになり、除電したことにはならない。
このような現象が生じないように、除電装置からは常にプラスとマイナスのイオンを同量に発生させてイオンバランスをとり、対象物体の帯電電位が一方極性に偏重しないようにすることが求められている。また、対象物体が一旦除電された後には、対象物体には常にプラスとマイナスのイオンを同量に発生させておくことにより、対象物体が正、負いずれかの極性に帯電しないようにする必要がある。
しかしながら、従来の除電装置においては、プラスとマイナスのイオンを同量に発生させるように電極針の入力側では印加電圧等の制御をしているが、実際に電極針の先端部からプラスとマイナスのイオンがどの程度発生しているのかを検出しておらず、除電装置から常にプラスとマイナスのイオンを同量に発生させることはできないという問題があった。
また、除電装置は、電源電圧を高電圧に昇圧するための昇圧トランスや制御装置等の多数の部品を有しており、電極針から発生するイオンを対象物体に吹き付けるためのファンを設置する場合にはファンを含めて、これらの構成部品を一体にしてケース等に配置しているので装置全体が大型となり、限られたスペースには設置できない場合があるという問題があった。
更に、対象物体がプラス、マイナスのいずれの極性でどれだけの大きさの電位に帯電しているのか検出できないので、除電装置のイオン発生量を的確に制御できないという問題があった。
更に、対象物体が除電されたかどうかを判断するための手段が設けられていないので、対象物体が除電されない状態であるのに除電の処理が終了していると誤認されることにより、製品の故障発生の原因になるという問題があった。
更に、電極針等のイオン発生部の劣化や損傷を判断する手段が設けられていないために、除電装置から所定のイオンを発生させるための適正なメンテナンスが行えないという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みて、電極手段の先端部から常にプラスとマイナスのイオンを同量発生させて、イオンバランスが保持できるように構成した除電装置の提供を目的とするものである。
また、所定量の正負のイオンを発生させるために昇圧トランスの容量を変えることなく限られたスペースに設置できるように、構成部品を分割して収納できるような構成とした除電装置の提供を目的とするものである。
更に、対象物体がプラス、マイナスのいずれの極性でどれだけの大きさの電位に帯電しているのかを正確に検出できるように構成した除電装置の提供を目的とするものである。
更に、対象物体の除電の状態を表示して除電が正常に行われたかどうかを作業者が判断できるように構成した除電装置の提供を目的とするものである。
更に、イオン発生部の劣化や損傷を報知して、除電装置のメンテナンスを適正に行えるように構成した除電装置の提供を目的とするものである。
このような目的を達成するために、本発明においては除電装置を、電源電圧を所定の振幅の電圧に昇圧する昇圧トランスを有し、パルス状電圧として出力する高電圧発生手段と、パルス状電圧が供給されて、該パルス状電圧のパルス幅に応じたプラスとマイナスのイオンを先端部から発生する電極手段と、昇圧トランスの二次側巻線に設けられた接地線と、接地線に設けられ、電極手段から発生するプラスとマイナスのイオン量の差により対象物体の帯電電圧の極性と帯電量を検出する検出抵抗と、検出抵抗により検出された対象物体の帯電量をゼロに近づけるように高電圧発生手段のパルス状電圧のパルス幅を制御する制御手段とを設けたことを特徴としている。
更に、電極手段から発生するプラスとマイナスのイオン量を検出する検出手段と、高電圧発生手段の出力電圧をモニタリングするモニタリング手段と、モニタリング手段によりモニタリングされた高電圧発生手段の出力電圧に対する検出手段により検出された検出値が所定の範囲よりも少ないと警報を発生する警報手段とを更に備えたことを特徴としている。
更に、検出抵抗からの信号により対象物体の帯電の状態を表示する表示手段を有することを特徴としている。
更に、電源電圧を所定の振幅の電圧に昇圧する昇圧トランスを有し、パルス状電圧として出力する高電圧発生手段と、前記パルス状電圧が供給されて、該パルス状電圧のパルス幅に応じたプラスとマイナスのイオンを先端部から発生する電極手段とを備える除電装置において、前記昇圧トランスの二次側巻線に設けられた接地線と、前記接地線に設けられ、前記電極手段から発生するプラスとマイナスのイオン量の差により対象物体の帯電電圧の極性と帯電量を検出する検出抵抗と、前記検出抵抗により検出された対象物体の帯電電圧をゼロに近づけるように高電圧発生手段のパルス状電圧のパルス幅を制御する制御手段と、前記電極手段から発生するプラスとマイナスのイオン量を検出する検出手段と、前記高電圧発生手段の出力電圧をモニタリングするモニタリング手段と、前記モニタリング手段によりモニタリングされた前記高電圧発生手段の出力電圧に対する前記検出手段により得られた検出値が所定の範囲よりも少ないと警報を発生する警報手段とを備えたことを特徴としている。
更に、検出手段で得られた検出値が所定の範囲よりも少ないと警報を発生して、除電装置のイオン発生部の劣化や損傷を報知する警報手段を設けたことを特徴としている。
本発明は、電極手段から発生するイオンを対象物体に吹き付けるファンを設ける構成の除電装置をも対象とするものであり、このようなファンを設けた構成の除電装置にも上記本発明の各特徴を具備させている。
本発明のこのような特徴により、電極手段から発生するプラスとマイナスのイオン量の差を検出して昇圧手段の出力電圧を制御しているので、電極手段からは常にプラス、マイナス同数のイオンを発生させることができ、イオンバランスを保持して対象物体の帯電電位をゼロに近づけることができる。
また、除電装置の高電圧の構成部品と他の部品とを分離してそれぞれ別個のユニットに収納しているので、対象物体に対して設置のスペースを考慮してこれらのユニットを配置できる。各ユニットを接続するケーブルは低電圧の仕様のものが適用され、線径の細いもので足りる。また、ケーブルを作業現場で引き回しても作業員に感電等の危険を及ぼす恐れがない。
更に、対象物体に近接した位置に帯電電位の極性とその大きさを検出するセンサを配置し、その検出信号により対象物体の帯電の状態を表示するので作業者は対象物体の帯電の状態を確認できる。また、センサで検出された対象物体の帯電の状態に応じて高電圧発生手段を制御しているので、対象物体の除電を急速に行うことができる。
更に、対象物体の除電の状態を表示できるように構成しているので、対象物体が除電されない状態のまま除電処理が終了したと誤認されることによる製品の故障発生が避けられる。
更に、イオン発生部の劣化や損傷を報知できるように警報手段を設けているので、除電装置のメンテナンスを適正に行うことができる。
これらの各作用は、電極手段から発生するイオンを対象物体に吹き付けるファンを設ける構成の除電装置においても得られるものである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図11は本発明の原理を説明する回路図である。図において、除電装置の高電圧発生部Xの出力側に設けられた電極針Y1,Y2から発生するプラス、マイナスのイオンは、ファンZにより対象物体に向けて吹き付けられる。このときの空気中を流れるプラス、マイナスのイオン流は、高電圧発生部Xと大地間の電流として考えることができる。すなわち、高電圧発生部Xから大地に向かって流れる電流i1はマイナスのイオン流を表し、大地から高電圧発生部Xに向かって流れる電流i2はプラスのイオン流を表している。
本発明は、このようなイオン流と電流との相互関係から、除電装置から発生しているプラス、マイナスのイオン量が同数であれば中和されて電流はゼロとなることに着目してなされたものである。本発明においては、除電装置の電源部と大地間に流れる電流の方向と大きさとを検出して、この電流をゼロにするように電源部を制御している。このような電源部の制御により、除電装置から常に所定数のプラス、マイナスのイオンを発生させている。
図1は、本発明による直流を用いた除電装置の一例を示す回路図である。図において、1は直流または交流の電源部、2は接続線、3は電源制御装置、4は正の高電圧発生回路、5は負の高電圧発生回路、6は正の電極針、7は負の電極針、8はイオンを対象物体に吹き付ける際に必要な場合に設けられるファンで電極針に近接した位置に設置されるが、正負のイオンの反発力のみでイオンが対象物体に付着する場合にはファンの設置を省略できる。9は接地線である。このような構成は図8で説明した従来の除電装置と同様であるが、本発明においては接地線9にプラス、マイナスのイオンを検出する検出抵抗10を接続した点に特徴がある。なお、電源制御装置3には、その作用を後述する表示装置O,警報装置Pが設けられている。
前述したように、対象物体に対する除電は、帯電している極性とは逆極性のイオンを吹き付けることにより行われているが、このときのイオンの流れは大地を基準電位として形成されているので、除電装置で形成されているプラス、マイナスのイオンのいずれかの極性のイオンの発生量が他方の極性のイオンの発生量よりも多いときには、その差の値は接地線9の電流の大きさに比例する。このため、接地線9の電流の大きさと方向を測定することにより、除電装置からはプラス、マイナスのいずれの極性のイオンがどれだけの量多く発生しているかが判定できる。
本発明においては、接地線に接続した検出抵抗を用いて、除電装置から発生するいずれの極性のイオンの量が多いかを判断して、プラス、マイナスのイオンの発生量を常に等しくするような制御をしている。すなわち、プラス、マイナスのイオンの発生量が同等となるイオンバランスの状態であれば、中和されて大地と除電装置間の電位はゼロとなり、検出抵抗10を流れる電流は検出されない。したがって、接地線を流れる電流値を電源制御回路3にフィードバックすることにより正側、負側の高電圧発生回路の電圧を制御して、除電装置のイオンバランスをとるようにしている。
図2は、本発明のこのようなイオンバランスの制御を行うための具体例を示す電源制御回路3の一部の回路図である。図において、1’は電源部の電圧を所定の高電圧に昇圧する高電圧発生装置である。図に示すように、接地線に接続した検出抵抗10で検出された電流値を電圧の信号に変換する電流電圧変換回路11、電流電圧変換回路11の信号を増幅する増幅器12、増幅器12のアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路13、A/D変換回路13の信号により正側および負側の高電圧発生回路4、5の出力電圧を制御する信号を供給する制御回路14が設けられている。
図3は、制御回路14で形成される制御信号により、正側および負側の高電圧発生回路4、5から出力されるパルス状電圧波形の一例を示すタイミングチャートである。図3(a)は、周期Tのうち時間taでプラスイオンを発生させるための電圧波形であり、図3(b)は周期Tのうち時間tbでマイナスイオンを発生させるための電圧波形である。電圧波形の振幅値は、例えば6000Vに選定される。この実施例においては、電流電圧変換回路11により検出された信号の正負の極性とその大きさに応じてパルス幅ta,tbを制御して、イオンバランスを保持するようにしている。
なお、以上の例では正の高電圧発生回路4、負の高電圧発生回路5には正負の電極針6、7を取り付ける構成について説明したが、本発明の除電装置においてはイオン発生部の構成はこれに限らず、正負の高電圧発生回路には、細線等の長尺状物や突起部を有する部材等の電極手段を取り付けてイオン発生部とすることもできる。
図1において、電源制御装置3には表示装置Oが設けられている。この表示装置Oは図2で説明したような、電極針6、7から発生している正負のイオンについて、いずれの極性のイオンがどれだけの量多く発生しているかの状態を検出している検出手段の信号を表示するものであるが、この検出手段の信号は、イオン発生部の上記特性の信号であると共に、対象物体のイオン付着状態の信号であるものと考えることができる。
すなわち、対象物体に付着しているイオンが正負の極性でバランスしている状態であれば検出手段の信号はゼロとなるが、いずれかの極性のイオンの付着量が多い場合には検出手段の信号はゼロとはならない。表示装置Oに表示されたデータを監視することにより対象物体の除電の状態を作業者は判断できるので、検出手段の信号をゼロとなるように電源制御装置3を制御することにより、対象物体の除電の完了を確認することができる。
また、電源制御装置3には警報装置Pが設けられている。この警報装置Pは、電極針6、7から発生している正負のイオンについて、電極針の摩耗や埃の付着等によりイオンの発生量が所定の範囲よりも少ない場合には警報を発生するものである。警報装置としては、正負の高電圧発生回路4、5の電圧対電流の特性をモニタリングして、基準値と比較して比較値が一定の範囲外であれば警報信号を発生する構成とすることができる。このような警報装置を設けることにより、作業者は、除電装置のメンテナンスを適正に行うことができる。
図4は、本発明の除電装置の各構成部品をユニット化してケースに収納する例の説明図である。図に示すように、ユニットAには直流または交流の電源部1、接続線2、電源制御回路3、接地線9、検出抵抗10を配置してケースに収納する。また、ユニットBには、正の高電圧発生回路4、負の高電圧発生回路5、正の電極針6、負の電極針7、ファン8を配置してケースに収納する。ユニットA,Bは、両端にコネクタを有するケーブルCにより接続する。なお、電源部として商用周波数の電源を使用する場合等には、電源部1はユニットAとは分離して配置することができる。
除電装置は、対象物体の存在している場所によってはスペースの関係等によりできるだけ小型であることが要請されるが、一定の高電圧を発生するためには昇圧トランスの容量の関係から小型化には限界がある。図4のように除電装置を二つのユニットに分割するとイオンの発生、吹き付けに必要な正の電極針6、負の電極針7、ファン8を配置したユニットBのみをユニットAから分離して対象物体の近傍に設置できるので、除電装置を小型化したと同様にスペースの問題は解消できる。なお、ファンを設置しない除電装置であればユニットBには高電圧発生部のみが収納される。
しかも、高電圧発生部はユニットBにまとめて配置しているので、低圧側のユニットAから配線されるケーブルCは細い線径のものが使用でき、ケーブル内は低圧の電圧が印加されているので床面等に引き回しても作業者が感電等の事故を引き起こす恐れがなく、作業者の安全が図れる。
図5は、本発明の別の実施の形態を説明する回路図である。この例では、接地線に検出抵抗を接続することに代えて、対象物体15に近接した位置にセンサ16を配置する構成としている。対象物体15の帯電極性と帯電電圧の大きさをセンサ16により検出し、検出信号は表示装置17を介してA/D変換器18に供給する。センサ16の検出信号により対象物体の帯電の状態を表示装置17に表示するので作業者は対象物体の帯電の状態を確認できる。
A/D変換器18によりデジタル信号に変換された検出信号は、電源制御装置3に入力され、対象物体に帯電されている極性とは逆極性のイオンを対象物体に大量に吹き付けるように、正側または負側の高電圧発生回路4、5の一方の出力電圧を一時的に大きくするように制御して、対象物体から急速に除電する。高電圧発生回路の電圧が低下して定常値に達すると、通常のセンサなしの運転モードに移行し、イオンバランスした状態を保持して、対象物体の帯電をゼロに近づける。
図6は、図5の例による対象物体の除電を説明する特性図である。図の実線はセンサを用いた場合の高電圧発生回路の出力電圧の特性であり、破線は通常のセンサを用いない場合の高電圧発生回路の出力電圧の特性である。図に示されているように、センサを用いて高電圧発生回路の出力電圧を上記のように制御すると、出力電圧は一時的な大きな値から急速に減少して定常値に収斂している。
直流の高電圧発生回路として図10で説明した倍電圧発生回路を用いる構成であると、例えば高電圧発生回路から10000Vの高電圧を出力する場合には、正負それぞれに5000Vの出力電圧を形成する倍電圧回路が用いられるが、このような高電圧になると倍電圧回路の構成要素であるダイオードの耐圧の関係から多数のコンデンサとダイオードからなるユニットが必要となり、コストが高くなるという問題がある。
このため、図12の回路図に示すような交互に正負のパルス状の高電圧を電極手段に印加する高電圧発生回路の適用が考えられる。図において、Eは直流電源、Sはスイッチ、OSは発振器、DC/DCはコンバータ、COはコンデンサ、Nは電極針である。
図13(a)、(b)は、図12の回路図の動作を説明するタイミングチャートである。発振器OSが所定の周期TでスイッチSを開閉すると、コンバータDC/DCからは、例えば振幅が2Vのパルス状の電圧が出力され、コンデンサCOの入力側の端子aには図13(a)に示すような振幅が2Vのパルス状の波形の電圧が印加される。コンデンサCOの出力端子bからは、コンデンサCOの充放電の特性に応じて図13(b)に示すような最大振幅が+Vと−Vである波形の正負のパルス状の出力電圧が得られる。
したがって、電極針Nには図13(b)に示すような波形の正負のパルス状の電圧が印加されることになり、電極針からは交互に正負のイオンが発生する。このように、図13(a)の回路図に示したような構成の高電圧発生回路も本発明の除電装置に適用できる。
以上の例は、直流の高電圧を用いた除電装置の例であるが、本発明は交流の高電圧を用いた除電装置にも適用できる。図7は、交流の高電圧を用いた除電装置の例を説明する回路図である。図において、20は交流電源、21は昇圧トランス、22は電極針、23はA/D変換器、24は直流バイアス電源装置、25は検出抵抗、26は検出回路、27は制御回路、28は電圧制御装置である。昇圧トランス21の出力側からは、電源電圧を所定の電圧に昇圧した高電圧の交流が得られ、電圧制御装置28を介して所定の電圧が電極針に印加される。電極針の先端部からは、プラス、マイナスのイオンが交互に出力される。
この例では、昇圧トランスの二次側巻線の接地線に、直流バイアス電源装置24を介して検出抵抗25を接続しているので、検出抵抗25には電極針22から発生しているイオンに相当する正負の直流電流が流れる。図1の直流高電圧を用いた除電装置と同様にして、検出回路26により除電装置の電極針から発生しているプラス、マイナスのイオン量の差が判断でき、この差をゼロにするように制御回路27の信号により電圧制御装置28を制御して、イオンバランスを保持する。検出回路26では、例えば一定期間の正負の直流パルス数をカウントする等の手段により、正負のイオン量の差を検出することができる。
なお、交流型の除電装置においては、電源側からは正負のサイクルで電圧が供給されているので、電極針22では原理的には正負のイオンが交互に同量発生することになるが、オフセットの影響等により常に正負のイオンが同量電極針22から発生しているわけではない。このため、昇圧トランス21と電極針22の間に電圧制御装置28を設けて電圧のレベル調整をすることにより、電極針からの正負のイオン発生量を調整している。
交流型の除電装置においても、プラス、マイナスのイオンを交互に出力する手段としては、電極針に代えて、細線等の長尺状物や突起部を有する部材を用いる構成とすることもできる。また、イオンを対象物に吹き飛ばすファンを設ける構成としても良い。
更に、交流型の除電装置においても、図1に記載したような直流型の除電装置と同様に、対象物に付着したイオンの正負の極性と量を表示する表示装置Oと、電極針から出力されるイオン量が所定の範囲外となると警報を発生する警報装置Pを設ける構成とすることもできる。
以上のように、本発明においては除電装置を、電源電圧を所定の電圧に昇圧する高電圧発生手段と、高電圧発生手段の出力電圧が供給されて先端部からプラスとマイナスのイオンを発生する電極手段と、電極手段から発生するプラスとマイナスのイオン量の差を検出する検出手段と、検出手段からの信号により高電圧発生手段の出力電圧を制御して電極手段から発生するプラスとマイナスのイオンの量を同数とする制御手段とを設けた構成としている。このように、電極手段から発生するプラスとマイナスのイオン量の差を検出する検出手段からの信号により高電圧発生手段手段の出力電圧を制御しているので、電極手段の先端部からは常にプラス、マイナス同数のイオンを発生させることができ、対象物体の帯電電位をゼロに近づけることができる。
また、高電圧の構成部品と他の構成部品とを分離してそれ別個のユニットに収納しているので、対象物体に対して設置のスペースを考慮してこれらのユニットを配置できる。各ユニットを接続するケーブルは低電圧の仕様のものが適用され、線径の細いもので足りる。また、ケーブルを作業現場で引き回しても作業員に感電等の危険を及ぼす恐れがない。
更に、対象物体に近接して帯電電位の極性とその大きさを検出するセンサを配置し、その検出信号により対象物体の帯電の状態を表示するので作業者は対象物体の帯電の状態を確認できる。また、センサで検出された対象物体の帯電の状態に応じて高電圧発生手段の出力電圧を制御しているので、対象物体の除電を急速に行うことができる。
また、電極手段に近接した位置にファンを設けることにより、電極手段から発生するイオンを対象物体に吹き付けて除電を効果的に行うことができる。
更に、対象物体の除電の状態を表示する表示手段が設けられているので、作業者は対象物体の除電が終了しているかどうかを確認することができ、除電未終了の対象物体を除電終了と誤認することによる製品等の故障発生を防止できる。
更に、イオン発生部に劣化や損傷が生じた場合にはこれを報知する警報手段が設けられているので、除電装置の適正なメンテナンスが行える。
本発明に係る除電装置の好適な実施の形態における構成を示す回路図である。 本発明に係る除電装置のイオンバランス制御の構成を示す回路図である。 本発明に係る除電装置のタイミングチャートである。 本発明に係る除電装置の別の実施の形態における構成を示す説明図である。 本発明に係る除電装置の別の実施の形態における構成を示す回路図である。 図5の実施の形態における特性図である。 本発明に係る除電装置の別の実施の形態における構成を示す回路図である。 従来例の除電装置の回路図である。 従来例の除電装置の回路図である。 (a),(b)倍電圧発生回路の一例を示す回路図である。 本発明の原理を説明する回路図である。 パルス状の高電圧発生回路を用いた除電装置の回路図である。 (a),(b)図12の回路図の構成を用いた例の動作を説明するタイミングチャートである。
1 電源部
2 接続線
3 電源制御装置
4 正側高電圧発生回路
5 負側高電圧発生回路
6 正側電極針
7 負側電極針
8 ファン
9 接地線
10 検出抵抗

Claims (3)

  1. 電源電圧を所定の振幅の電圧に昇圧する昇圧トランスを有し、正負にパルス状に変化するパルス状電圧として出力する高電圧発生手段と、前記パルス状電圧が供給されて、該パルス状電圧の正及び負の各々のパルス幅に応じた量のプラスとマイナスのイオンを先端部から交互に発生する電極手段とを備える除電装置において、
    前記昇圧トランスの二次側巻線に設けられた接地線と、
    前記接地線に設けられ、前記電極手段から発生するプラスとマイナスのイオン量の差に比例した大きさの電流を検出する検出抵抗と、
    前記検出抵抗により検出された電流値を前記高電圧発生手段にフィードバックすることにより、前記検出抵抗が検出する電流をゼロに近づけるように前記高電圧発生手段のパルス状電圧の正負のパルス幅を制御し、当該除電装置のイオンバランスを保持する制御手段とを備えることを特徴とする除電装置。
  2. 前記高電圧発生手段と前記電極手段の間に電圧のレベルを調整する調整手段とを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の除電装置。
  3. 前記イオンバランスを保持した通常の運転モードから、前記高電圧発生手段の正又は負の一方の出力電圧を一時的に大きくするように制御し、対象物体を急速に除電するモードに移行させる制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の除電装置。
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