JP3747086B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像が記録されて排出される転写紙の所定枚数目に、転写紙とは種類の異なるインターシートを挿入するインターシートモードを有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、排紙トレイに排出される複数枚の転写紙の間に、通常の転写紙とは種類の異なるインターシートを挿入することで、排出された転写紙の分類を容易に行うことができるインターシートモードを備えた複写機が知られている。
インターシートとして用いられる用紙は、一般に厚紙であることが多い。厚紙は通常の転写紙と比べて熱容量が大きいので、厚紙に画像を記録する場合、通常の転写紙よりも強く加熱しないと、転写されたトナー像の定着性が悪くなる。そこで、従来の複写機において、インターシートのような厚紙が給送されるときには、トナー像の定着性を確保するために厚紙定着制御が行われている。
【0003】
厚紙定着制御とは、厚紙に転写されたトナー像を定着させるための定着ローラの加熱温度(定着温度)を高くしたり(特開平3−208077号公報参照)、先に搬送された転写紙の給紙開始から厚紙の給紙開始までの時間を、通常の転写紙の給送時間間隔よりも長くする(特開平4−322279号公報参照)ような制御である。さらに、定着ローラでトナー像を定着するに際し、定着ローラの間隔を広げて用紙にしわやカールが生じないように制御されることもある(特開平4−5676号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、定着ローラを加熱するヒータの容量にも限界があり、瞬時に定着温度を高くすることはできず、十分な温度に達するまでには時間がかかるので、用紙間隔を大きくする必要がある。すなわち、インターシートモードにおいて、上述のような厚紙定着制御が行われると、インターシートの搬送時間が長くなり、全体として、装置の処理速度が低下することになる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、インターシートモードにおける処理速度の低下の少ない画像形成装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するための、この発明の画像形成装置は、画像が記録されて排出される転写紙の所定枚数目に、転写紙とは種類の異なるインターシートを挿入するインターシートモードを有する画像形成装置において、
インターシートモードを設定するためのインターシートモード設定手段と、
インターシートに画像を記録するか否かを設定する画像記録設定手段と、
上記インターシートモード設定手段によりインターシートモードが設定されており、かつ、上記画像記録設定手段によりインターシートに画像を記録しないことが設定されているときは、転写紙に画像が記録されるときよりも早いタイミングでインターシートを搬送するインターシート高速処理を行う制御手段と、
を含むことを特徴とするものである。
【0007】
この構成によれば、インターシートモードが設定されており、かつ、インターシートに画像が記録されないときは、制御手段による制御の下、インターシート高速処理が行われる。
インターシート高速処理では、画像の形成とは同期させずに、転写紙に画像が記録されるときよりも早いタイミングでインターシートが搬送される。すなわち、たとえば、給紙ローラが制御されて、先に搬送された転写紙の給紙開始からインターシートの給紙開始までの時間が、転写紙が連続して給紙されるときの給紙時間間隔よりも短くされる。また、レジストローラが制御されて、画像記録時よりも早いタイミングでインターシートが給紙される。
【0008】
これにより、インターシートに画像を記録しないときには、インターシートを処理する速度を、転写紙に画像を記録するときの速度よりも速くすることができる。よって、インターシートモードにおける装置全体の処理速度の低下を少なくすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るインターシートモードを備えた複写機の内部の構成を概略化した断面図である。図1を参照して、複写機1の構成を説明するとともに、用紙に複写像が記録されるときの複写機1の動作について説明する。
【0010】
複写機1には、複写機本体2の高さ方向の中央部から下方の部分に、たとえば上中下3段に構成されたカセット装着段が備えられており、それぞれ給紙カセット61,62および63が装着されている。給紙カセット61,62および63の内部には、転写紙およびインターシートなどの用紙が収容される。本実施形態では、上段の給紙カセット61には、たとえば日本工業規格A列4番(以下、「A4判」という。)の転写紙がセットされ、中段の給紙カセット62には、日本工業規格B列4番(以下、「B4判」という。)の転写紙がセットされ、下段の給紙カセット63には、インターシートがセットされているとする。
【0011】
また、複写機本体2の上面には、原稿(図示せず)を載置するための透明なコンタクトガラス21が嵌められており、その上方にはコンタクトガラス21上の原稿を押さえつけるための原稿カバー3が取り付けられている。コンタクトガラス21の下方には、光学系4が設けられており、その下方には画像形成系5が設けられている。
【0012】
光学系4は、コンタクトガラス21上に載置された原稿を照明するための光源41を有している。光源41の光は、原稿によって反射され、その反射光は、第1ミラー42によって第2ミラー43に向けて反射される。第1ミラー42からの光は、第2ミラー43および第3ミラー44によって、その光路を折り返され、レンズ45へと導かれる。レンズ45で集束された光は、第4ミラー46および第5ミラー47によって光路を再び折り返された後、さらに第6ミラー48によって下方に光路を曲げられて、画像形成系5に入射する。
【0013】
画像形成系5は、光学系4の下方に位置し、光学系4からの光以外が入射することがないように、図示しない遮光枠で囲われている。画像形成系5には、そのほぼ中央に、複写動作時に一定速度で回転する感光体ドラム51が備えられている。感光体ドラム51の周囲には、その回転方向に従って順に、メインチャージャ52、現像装置53、転写チャージャ54、分離チャージャ55およびクリーナ56が配置されている。上述の第6ミラー48によって反射された光は、メインチャージャ52と現像装置53との間の感光体ドラム51の表面に集光される。
【0014】
感光体ドラム51の表面は、メインチャージャ52によって一様に所定の電位に帯電された後、光学系4から与えられる原稿の反射光により露光される。露光された部分の帯電電荷が逃げて、原稿の反転像に対応した電荷のある領域と電荷のない領域とが生じることにより静電潜像が形成される。静電潜像が形成された感光体ドラム51の表面が、現像装置53に対向すると、電荷のある領域にトナーが付着されて、静電潜像がトナー像に現像される。このトナー像は、転写チャージャー54による放電によって、用紙に転写される。
【0015】
画像形成系5における画像の形成と同期して、給紙カセット61,62または63から用紙が給紙される。給紙カセット61,62および63にそれぞれ関連して、用紙を1枚ずつ搬送路上に繰り出すための給紙ローラ64,65および66が備えられている。複写動作時には、いずれかの給紙ローラ64,65,66が回転駆動されて、給紙カセット61,62,63のいずれかから用紙が搬送路上に繰り出される。たとえば、A4判の転写紙に複写像が記録されるときには、給紙ローラ64が回転駆動されて、上段の給紙カセット61からA4判の転写紙が繰り出される。また、インターシートが給紙されるときには、給紙ローラ66が回転駆動されて、下段の給紙カセット63にセットされたインターシートが繰り出される。
【0016】
搬送路上に繰り出された用紙は、搬送ローラ67によって、レジストローラ68に向けて搬送される。レジストローラ68は、感光体ドラム51の近傍に配置されており、搬送されてきた用紙を一旦停止させた後、用紙と感光体ドラム51の表面のトナー像とが位置合わせされるタイミングで、用紙を感光体ドラム51に向けて給紙する。
【0017】
転写チャージャー54によってトナー像が転写された用紙は、さらに分離チャージャー55による放電により、感光体ドラム51の表面から分離される。その後、用紙は搬送ベルト69により搬送され、熱ローラ70および圧ローラ71を含む定着ローラ7によって、トナー像が用紙に定着される。定着ローラ7を通過した用紙は、複写機本体2に取り付けられている排紙トレイ22に排出される。また、感光体ドラム51の表面に残留しているトナーは、クリーナー56で清掃される。
【0018】
図2は、複写機1の電気的構成を示すブロック図である。複写機1は、制御手段としてのCPU10を備えている。CPU10には、RAM12およびROM13を含むメモリ11が接続されている。CPU10は、ROM13に記憶されているプログラムに従って、各部の制御を行う。
また、CPU10には、複写機本体2のたとえば上面に設けられた操作パネル2が接続されている。操作パネル2には、インターシートモードを設定するためのインターシートモード設定キー23と、インターシートに画像を記録するか否かを設定するための画像記録キー25と、複写部数の設定や、インターシートモードにおいて、排出される転写紙の何枚目にインターシートを排出するかを設定するためのテンキー24とが備えられている。操作パネル2には、図示しないが、さらに、複写動作を開始させるためのプリント開始キーや、設定された複写モードおよび複写枚数などを表示するための表示部などが備えられている。
【0019】
たとえば、転写紙50枚の連続複写を行うときに、転写紙が10枚排出されるごとに、画像が記録されないインターシートを排出するには、インターシートモード設定キー23を押してインターシートモードに設定してから、テンキー24の「1」「0」のキーを押す。その後、操作パネル2のセットキー(図示しない。)を押すなどの所定の操作を行う。このとき、インターシートに画像を記録しないので、画像記録キー25は押さない。このようにして設定された複写条件は、CPU10に入力される。すると、表示部には、「インターシートを10枚ごとに挿入します。インターシートには画像を記録しません。」などのメッセージが表示される。この他、所定の操作を行うことによって、たとえば、転写紙40枚の連続複写を行うときに、5枚目と15枚目と27枚目にインターシートを挿入するなど、インターシートをランダムに挿入することもできる。さらに、画像記録キーを押して、インターシートに画像を記録することを設定することもできる。
【0020】
さらに、CPU10には、図示しない複数のクラッチを介してレジストローラ68および給紙ローラ64,65,66が接続されている。上記クラッチによって、複写機本体2に備えられているメインモータの駆動力が、レジストローラ68および給紙ローラ64,65,66に伝達される。CPU10は、このクラッチを制御することでレジストローラ68および給紙ローラ64,65,66の駆動タイミングを制御する。さらにまた、CPU10は、定着モータ制御回路14を介して定着ローラ7の回転速度を制御し、定着ヒータ制御回路15を介して熱ローラ70を加熱するための定着ヒータ72を制御する。定着ローラ7は、複写機本体2に備えられている定着モータによって回転駆動されているので、CPU10によって定着モータが制御されることで、定着ローラ7の回転速度が制御されることになる。
【0021】
図3は、CPU10における処理を説明するためのフローチャートである。コピー開始キーが押されると、CPU10は、インターシートモード設定キーからの出力を参照して、インターシートモードかどうかを判断する(ステップS1)。通常コピーモードに設定されているときは、ステップS2の通常コピー制御が行われる。
【0022】
通常コピー制御では、図4(a)に示すように、先の転写紙と次の転写紙とが、一定の間隔をおいて搬送される。具体的には、給紙ローラ64または65が予め定められた時間間隔をおいて駆動されて、給紙カセット61または62から転写紙が繰り出される。転写紙はレジストローラ68で一旦停止し、転写チャージャー54の位置において転写紙と感光体ドラム51の表面のトナー像とが位置合わせされるタイミングで、搬送が再開される。また、このとき、転写紙の先端がレジストローラ68に到達してから所定時間、レジストローラ68を停止させた状態で搬送ローラ67を駆動させることにより、転写紙にループ状のたわみを作り、転写紙のななめ送り補正が行われる。予め設定された枚数の転写紙に複写像が記録されると(ステップS3)、処理は終了する。
【0023】
インターシートモードに設定されているときは、処理がステップS1からステップS4に移る。先に述べたように、転写紙50枚の連続複写が行われて、転写紙が10枚排出されるごとに、インターシートを排出されるときの処理について説明するものとする。ステップS4で、給紙される用紙が、インターシートかどうかが判断される。1枚目は転写紙であるから、ステップS4の判断が否定されて、通常コピー制御による処理が行われる(ステップS5)。そして、ステップS9で、給紙された用紙が最後の用紙かどうかが判断される。1枚目の転写紙であるから、この判断は否定されて、処理がステップS4に戻る。
【0024】
ステップS4で、2枚目に給紙される用紙がインターシートかどうかが判断される。2枚目も転写紙であるから、ステップS5で通常コピー制御が行われる。処理は、ステップS5からステップS9に移り、さらにステップS4に再び戻る。このようなステップS4、ステップS5およびステップS9の処理が繰り返されて、10枚の転写紙に画像が記録される。
【0025】
11枚目に給紙されるのはインターシートであるから、ステップS4の判断が肯定される。そして、画像記録キー25の出力が参照されて、インターシートに画像が記録されるかどうかが判断される(ステップS6)。インターシートへの画像の記録は行われず、複写機本体2を単に通過するだけのときは、インターシート高速処理制御が行われる(ステップS7)。
【0026】
インターシート高速処理制御では、図4(b)に示すように、先の転写紙とインターシートとの間隔が、用紙ジャムを生じない最小の間隔になる。具体的には、給紙ローラ66が制御されて、インターシートの給紙開始タイミングが、上述の通常コピー制御における転写紙の給紙開始タイミングよりも早くされる。また、通常コピー制御では、レジストローラ68によって、転写紙のななめ送り補正が行われるとともに、画像形成系5における画像の形成と同期させて転写紙の搬送が行われていたが、インターシートに画像が記録されないときには、レジストローラ68の位置でインターシートを一旦停止させる必要がなく、インターシートの搬送タイミングが早くされる。また、インターシート高速処理制御では、定着ローラ7の回転速度が速くなるように、複写機本体2に備えられている定着モータが制御されてもよい。
【0027】
また、ステップS6で、インターシートへの画像の記録が行われると判断されたときには、厚紙定着制御が行われる(ステップS8)。
厚紙定着制御では、インターシートに転写されたトナー像の定着性が高められる。インターシートのような厚紙は、定着ローラ7の定着熱を通常の転写紙よりも多く奪うので、定着ヒータ72の出力を上げて、定着ローラ7の温度が十分に高くする必要がある。定着温度が十分高くなるまでには、通常よりも長い時間が必要であるから、インターシートの搬送タイミングが、上述の通常コピー制御における転写紙の搬送タイミングよりも遅らされて、先の転写紙とインターシートとの間隔が十分大きくされる。さらに、定着モータが制御されて、定着ローラ7の回転速度が下げられる。
【0028】
インターシート高速処理制御または厚紙定着制御が行われて、インターシートが処理されると、処理はステップS9に移る。まだ、インターシートが1枚挿入されただけであるから、ステップS9の判断は否定されて、ステップS4に戻り、さらに10枚の転写紙への画像の記録が行われて、インターシートが排出される。このようにして、ステップS4ないしステップS9の処理が、50枚目の転写紙への画像の記録が完了するまで繰り返されると、ステップS9の判断が肯定されて、処理は終了する。
【0029】
このように、インターシートモードにおいて、インターシートに画像が記録されないときには、給紙ローラ66およびレジストローラ68が制御されて、インターシートの搬送タイミングが、転写紙の搬送タイミングよりも早められるので、インターシートの処理速度を速くすることができる。
また、インターシートに画像が記録されるときには、先に給紙された転写紙とインターシートとの間隔が十分に置かれて、定着ヒータ72の温度が上げられるので、画像の定着性を確保することができる。
【0030】
これにより、従来、画像の定着性が確保できないことを理由に使用できなかった厚紙でも、画像を記録せずに、単に装置内を通過させるだけであれば、インターシートとして使用することができる。したがって、インターシートとして使用できる用紙の種類が増える。
本発明の実施形態の説明は以上の通りであるが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。たとえば、上述の実施形態では、複写機を例に取り上げて説明したが、ファクシミリ装置やプリンタなどの画像形成装置であってもよい。
【0031】
また、用紙厚を検出できるセンサが設けられるか、またはインターシートが通常の転写紙よりも厚い用紙か薄い用紙かを設定するキーが設けられて、インターシートが薄い用紙のときには、インターシートに画像が記録されるときであっても、厚紙定着制御を行わずに、通常コピー制御を行うようにされてもよい。このときは、装置の処理速度を低下させることなくインターシートモードを実行できる。
【0032】
さらに、インターシートが厚紙のときは、定着ローラの定着圧を下げて、インターシートにしわやカールが生じないようにしてもよい。
この他、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、インターシートモードにおいて、インターシートに画像が記録されないときには、インターシートを処理する速度を、転写紙に画像を記録するときの速度よりも早くすることができる。これにより、インターシートモードにおける装置全体の処理速度の低下を少なくすることができる。また、従来、画像の定着性が確保できないことを理由に使用できなかった厚紙でも、画像を記録せずに、単に装置内を通過させるだけであれば使用することができる。したがって、インターシートとして使用できる用紙の種類が増える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインターシート機能付複写機の内部の構成を概略化した断面図である。
【図2】上記複写機の電気的構成を示すのブロック図である。
【図3】CPUにおける処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】用紙の搬送状態を示す概要図である。
【符号の説明】
1 複写機
7 定着ローラ
10 CPU
14 定着モータ制御回路
15 定着ヒータ制御回路
23 インターシートモード設定キー
24 テンキー
25 画像記録キー
64,65,66 給紙ローラ
68 レジストローラ
72 定着ヒータ

Claims (1)

  1. 画像が記録されて排出される転写紙の所定枚数目に、転写紙とは種類の異なるインターシートを挿入するインターシートモードを有する画像形成装置において、
    インターシートモードを設定するためのインターシートモード設定手段と、
    インターシートに画像を記録するか否かを設定する画像記録設定手段と、
    上記インターシートモード設定手段によりインターシートモードが設定されており、かつ、上記画像記録設定手段によりインターシートに画像を記録しないことが設定されているときは、転写紙に画像が記録されるときよりも早いタイミングでインターシートを搬送するインターシート高速処理を行う制御手段と、
    を含むことを特徴とする画像形成装置。
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