JP3746771B2 - サンプルトランスファ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微量の液体を移し替える装置に係わり、極微量の液体試料を精度良く移し替える装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、微量の液体試料を精度良く移し替える装置として、光学的手法により吐出量を算出することで精度を向上し移し替える装置(特開平7−27770号公報)、音響センサを用いて吸引液量を測定することで精度を向上し移し替える装置(特開平11−125638号公報、特開平9−264772号公報)、分注チップを用いた分注装置(特開2000−206123号公報)等が知られている。これらの方式では、液体試料の吸入吐出端に使い捨てのチップを装着して使用している。チップは内外ともに先端に行くに従い細くなった円錐形をした樹脂製品で、扱う液体試料の量により各種の大きさの物が安価に市販されている。大きさは微量用の小さいものでも外径が6mm程度、長さが30mm程度で、その使用理由は液体試料の汚染防止のためである。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−27770号公報
【特許文献2】
特開平11−125638号公報
【特許文献3】
特開平9−264772号公報
【特許文献4】
特開2000−206123号公報
【非特許文献1】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
使い捨てのチップは、安価とはいえ1試料につき1本消費するため、大量の試料を扱う際の費用は大きく、また、使用後のチップは産業廃棄物として処理しなければならないため、処理費用もかさむ。チップは通常、ディスポーザルの注射器に注射針を取り付けるのと同様に、テーパ同士を摩擦によりシールをかねて装着する。そのため液溜まりができ、液体試料の残留や気泡の停滞により移し替え精度の低下を招く。また、前述のようにチップ外径は小さい物でも6mm程度あるため、複数の液体試料を同時に扱うためにチップを隣り合わせたとき、その間隔はチップの外径により制限され、おおよそ6mm以上になってしまい、それ以上密度は上げられない。つまり、複数の液体試料を入れた容器は約6mm以上離れた間隔で配置されていることが必要で、高密度に容器を配置したサンプルプレートへの対応を難しくしている。
【0005】
このように上記従来技術では、使い捨てチップに掛かる費用と使用後の処理の問題、チップの構造上、移し替え精度の低下を招き、微少量の液体試料を精度良く移し替えできないという問題、チップの大きさにより制限を受け、複数の液体試料を同時に扱う場合、高密度に容器を配置したサンプルプレートへの対応が難しいという問題があった。
【0006】
本発明は、液体試料移し替えに掛かる費用を低減するとともに、移し替え精度を向上し、微少量の液体試料を精度良く移し替えることを可能にすること、また、高密度のサンプルプレートに対応し、複数の液体試料を同時に扱い作業時間の短縮を図る手段を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、チップに代えてガラス細管の表面に光透過性のある樹脂を被覆した可撓性のあるガラスキャピラリを用いる。ガラスキャピラリの一方の端を吸引吐出部として用い、もう一方の端をシリンジポンプのシリンジもしくはシリンジの針に継手によって直接接続することで、配管と吸引吐出部とを兼用する。この方法により、使い捨てのチップを使わずに済むため、チップに掛かる費用と使用後の処理費用が不要になり、環境にも悪影響を与えずに済む。また、液体試料の残留や気泡の停滞の原因になる液溜まりを少なくすことができ、0.1μlから20μl程度の極微量の液体試料を精度良く移し替えることができる。さらに、ガラスキャピラリ外径は1mm以下であるため、吸引吐出部を高密度で配列することができ、容器間隔1mm程度のサンプルプレートに対応が可能であり、大量の試料を短時間に処理することができる。
【0008】
シリンジポンプのシリンダ側壁に洗浄液供給ポートを開口させ、ピストンの先端が洗浄液供給ポートより手前に位置するようにピストンを引いたとき、洗浄液が洗浄液供給ポートからシリンダ内を通してキャピラリの吸引吐出部に供給されるようにする。
【0009】
使用法の一例としては、シリンジポンプのピストンをその先端が洗浄液供給ポートを越えるまで引き、洗浄液をシリンジ及びガラスキャピラリ内に満たすと同時にガラスキャピラリを通してガラスキャピラリの吸引吐出端から吐出し、続いてシリンジポンプのピストンを、液体試料吸引可能な位置まで押すことでガラスキャピラリの吸引吐出端から洗浄液を吐出し、その後シリンジポンプのピストンを引き、ガラスキャピラリの吸引吐出端から洗浄液と液体試料とを分離するための大気を吸引した後に液体試料を吸引する。洗浄液と液体試料とを分離するために吸引する大気の量は、ガラスキャピラリの内部に入った大気の長さで表したときにガラスキャピラリの内径に比べ十分長く、シリンジポンプによる吸引吐出の分解能よりも十分多い量とし、液体試料を吐出する時に、吸引した量よりも少ない量の大気を一緒に吐出するようにしてもよい。
【0010】
また、あらかじめガラスキャピラリ内部に満たされた純水等の液体の中に、液体試料吸引部であるガラスキャピラリ先端から特定位置に1箇所もしくは特定位置から別途特定された間隔で複数個の大気の泡を吸引しておき、該泡を検出もしくはカウントすることにより液体試料の位置もしくは液体試料の吸引量を検出するようにしてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して発明の実施の形態を説明する。
〔実施例1〕
図1は、本発明によるサンプルトランスファ装置の平面図であり、外壁を取り外した図である。図2は、その正面図であり、サンプルプレート部で断面した図である。図3は吸引吐出系1系統分の概略を示す図である。
【0012】
本装置には、4枚の96穴サンプルプレート1と1枚の384穴サンプルプレート2をセットし、それらの間で液体試料を移し替えることが出来る。液体試料の吸引吐出を行う吸引吐出端3は、ガラス細管の表面に光透過性のある樹脂を被覆した可撓性のあるガラスキャピラリ4の一方の端部であり、液体試料や洗浄液と接触する先端から数十mmの範囲の外周を撥水処理してある。ガラスキャピラリ4のもう一方の端部は、シリンジポンプユニット5内のシリンジポンプ6を構成するシリンジ7に付いている針8に接続されている。本装置では、ガラスキャピラリ4とシリンジポンプ6を用いた吸引吐出系9は8系統あり、同時もしくは任意の吸引吐出系を用いて、1動作当たり最大で8ヶ所の液体試料を吸引、吐出して移し替えることが出来る。
【0013】
8本のキャピラリ4の吸引吐出端3は、それぞれ独立して上下移動する8組のフィンガー10に保持され、フィンガー10は、吸引吐出端3が4枚の96穴サンプルプレート1と1枚の384穴サンプルプレート2の任意の穴位置に来るように移動し、かつ、吸引吐出端3がサンプルプレートの穴内に出入りするための上下移動を行うために、Xステージ11、Yステージ12、Zステージ13を組み合わせたXYZステージ14に固定されている。さらに、8組のフィンガー10は、それぞれがZ’ステージ13’に取り付けてあり、単独で上下可能なようになっている。
【0014】
96穴サンプルプレート1と384穴サンプルプレート2の間の位置には、液体試料を吸引吐出した後に吸引吐出端3の外周及びガラスキャピラリ4の内部を洗浄するための洗浄液を入れた洗浄液槽(A)15と洗浄液槽(B)16、及び、洗浄液を洗い流すために純水がわずかに放流された状態で満たされている廃液槽17が配置されている。また、キャピラリ4の内部の洗浄液を洗い流すための純水は、純水供給タンク18から純水供給ポンプ19により圧送され、マニホールド20で8系統の吸引吐出系9に分岐し、シリンジ7の内部、ガラスキャピラリ4を経由して吸引吐出端3から廃液槽17内に吐出される。
【0015】
本装置で使用する96穴サンプルプレート1と384穴サンプルプレート2は、一般的に使用されているサンプルプレートの標準的な種類であり、96穴サンプルプレート1の穴ピッチは9mm、384穴サンプルプレート2の穴ピッチは4.5mmである。そのため、8本の吸入吐出端を同時に用いて96穴サンプルプレート1から384穴サンプルプレート2に液体試料を移し替える場合、穴ピッチ9mmの96穴サンプルプレート1で吸引した液体試料を穴ピッチ4.5mmの384穴サンプルプレート2に吐出するときには、1穴飛ばしに吐出せざるを得ない。逆に384穴サンプルプレートから96穴サンプルプレートに液体試料を移し替える場合も同様である。
【0016】
本装置では、8本の吸入吐出端を同時に用いて96穴サンプルプレート1から384穴サンプルプレート2に液体試料を移し替える場合、吸引吐出端3を保持している8個のフィンガー10のピッチを4.5mmと9mm間で可変できるようにしている。さらに、先に述べたように、吸引吐出端3を保持している8個のフィンガー10はそれぞれ独立して上下移動可能であるため、任意の位置間で1サンプルずつランダムに移し替えが可能であり、各種移し替えパターンに高速に対応できるようになっている。
【0017】
前述したように、本サンプルトランスファ装置では、8系統のガラスキャピラリとシリンジポンプを組み合わせた吸引吐出系を用いている。図3に、このうち1系統分の概略図を示す。
【0018】
シリンジポンプユニット5のベース21に固定されているシリンジ7に対し、シリンジ7のピストン22の一端はシリンジ7内に挿入され、もう一端の挿入されていない部分に付いているボタン23の部分は、シリンジポンプユニット5の移動部24に固定されている。移動部24はモータ25によりシリンジ7の長手方向に移動し、ピストン22を押し引きする。以後、移動部24をモータ25によりシリンジ7の長手方向に移動し、ピストン22を押し、もしくは、ピストン22を引く、と言う動作を、単に、ピストン22を押し、もしくは、ピストン22を引く、と省略して述べる。
【0019】
モータ25の回転運動を移動部24がシリンジ7の長手方向に移動する直進運動に変換するために、ボールねじ等によるねじ送り機構(回転−直進変換機構)を用い、モータ25の回転角度を制御することによりピストン22の押し引き量を制御しているが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0020】
図4(a)(b)に、洗浄液を洗い流すための純水をシリンジ7及びキャピラリ4に供給、停止する構造を拡大して示す。本発明では、図4(a)(b)に示すように、シリンジ7の、所望する量を吸引した時のピストン22の先端位置とピストン22先端がシリンジ7から引き抜けるシリンジ7の入り口の位置までの間には、シリンジ7にシリンジ7の長手方向と直角方向に純水供給ポート27を設けている。キャピラリ4の内部の洗浄液を洗い流すための純水は、純水供給タンク18から純水供給ポンプ19により圧送され、マニホールド20で8系統の吸引吐出系9に分岐し、純水供給用配管26を通って純水供給ポート27まで供給されているが、通常、純水供給ポート27は図4(a)に示すようにピストン22により塞がれており、シリンジ7内に純水は供給されない。しかし、ピストン22をその先端が前記純水供給ポート27を越えて引いた時には、ピストン22により塞がれていた純水供給ポート27が図4(b)に示すように開かれ、シリンジ7内部及びキャピラリ4を通して吸引吐出端3に純水が供給、吐出される。
【0021】
以上の構造により、シリンジポンプによる液体試料の吸引吐出と、洗浄のための純水供給との切り替えを行うバルブが不要になる。通常、バルブ内には液溜りになる部分が多く、大きな気泡が溜りやすい。シリンジポンプで吸引する場合、内部の圧力を下げることにより吸引する。そのため、配管内に大きな気泡があると内部の圧力が下がると共に気泡が大きく膨らみ、正確な量を吸引することが難しくなる。
【0022】
また、バルブの他に気泡が溜りやすい場所として継手がある。継手部分に溜る気泡の量は、継手の構造と継手の数による。気泡の溜りにくい構造にし、極力数を減らすことが重要である。本実施例による配管の構造は次の通りである。
【0023】
シリンジポンプ6に接続されている配管類は、図3、図4、図5に示すように、純水供給用配管26の接続には継手28、シリンジ7に付いている針8の接続には継手29、キャピラリ4の接続には継手30と、いずれもテーパを締め付ける方式の継手を用い、液溜まりを極力なくすようにして配管している。図5に拡大して示す中継ブロック31は、針8とキャピラリ4とを接続するために使用している。
【0024】
図6に、従来の配管の構造を示す。バルブ32とバルブ33は、キャピラリにシリンジポンプを接続して吸引,吐出を行うか、もしくは純水を供給するかを切り替えるために用い、中継ブロック34は、三方からの配管を接続するティーの役目を果たしている。図3による本実施例と比べると、バルブ32、バルブ33の、継手28、継手30の分だけ、4個多い継手を必要としている。何よりも、この従来の例による一番の問題は、全てのバルブと継手の液溜りが吸引精度に悪影響を及ぼすと言う点である。それに対し、本発明による実施例ではシリンジポンプの吸引精度に影響を及ぼす液溜りは、継手29、継手30にあるわずかな部分のみであり、継手28の部分の液溜まりはシリンジポンプの吸引精度に影響を及ぼさない。これらの結果、0.1μlから20μl程度の極微量の液体試料を精度良く移し替えることが可能になった。
【0025】
次に、本装置により液体試料を移し替える時の動作を、96穴サンプルプレート1から384穴サンプルプレート2に、8系統の吸引吐出系を同時に用いて移す動作を例に、簡単に説明する。
【0026】
動作開始前の初期設定として、吸引吐出端3は廃液槽17の洗浄液内に入る位置で待機しており、シリンジポンプ6、及び、ガラスキャピラリ4の内部には、シリンジポンプ6で発生させた吸引吐出力をガラスキャピラリ4の吸引吐出端3に伝達するための媒体として純水供給ポート27から供給された純水が満たされている。
【0027】
吸引吐出端3が廃液槽17の洗浄液内に入る位置で待機していた8組のフィンガー10は、XYZステージ14により上昇し、図1に仮想線で示すフィンガー10’のようにピッチを9mmに広げながら、かつ、シリンジポンプユニット5のピストン22を引き、ガラスキャピラリ4の吸引吐出端3からあらかじめ指定した微量の大気を吸引しながら、96穴サンプルプレート1の1枚目の、8穴×12列の1列目上に移動し、吸引吐出端3を96穴サンプルプレート1のウェル内に降下させる。次にピストン22をさらに引き、あらかじめ指定した分量の、ウェル内の液体試料を吸引吐出端3からキャピラリ4内に吸引する。液体試料を吸引する前に微量の大気を吸引するのは、キャピラリ4内に充填されている純水と液体試料が混ざらないように分離するためである。
【0028】
液体試料吸引後、フィンガー10は、XYZステージ14により上昇し、ピッチを4.5mmに狭めながら384穴サンプルプレート2の16穴×24列の最初の1列目上に移動し、吸引吐出端3を384穴サンプルプレート2のウェル内に降下させる。次に、ピストン22を押し、先に吸引した液体試料の全量を吐出する。さらに、液体試料を完全に吐出するため、吸引した大気をわずかに吐出する。
【0029】
液体試料吐出後、フィンガー10は、XYZステージ14により上昇し、ピッチを4.5mmに保ったまま廃液槽17に移動して吐出端3を廃液槽17内に降下させる。そこで残りの大気の全てを吐出し、さらに、大気を完全に吐出するために、あらかじめキャピラリ4内に充填してあった純水をわずかに吐出する。
【0030】
吸引した大気及び液体試料を完全に吐出した後、フィンガー10は、XYZステージ14により上昇し、ピッチを4.5mmに保ったまま洗浄液槽(A)15もしくは洗浄液槽(B)16に移動して降下し、吸引吐出端3を洗浄液内に浸す。この位置で吸引吐出端3の外部を洗浄すると共に洗浄液を吸引し、ガラスキャピラリ4の内部を洗浄する。この時吸引する洗浄液の量は、洗浄前に吸引した液体試料の量よりもわずかに多く設定する。
【0031】
洗浄液を吸引した後、フィンガー10は、XYZステージ14により上昇し、ピッチを4.5mmに保ったまま廃液槽17に移動して降下し、吐出端3を廃液槽17内に降下させる。この位置でピストン22を押し、洗浄液槽(A)15もしくは洗浄液槽(B)16にて吸引した洗浄液を全量吐出する。続いてピストン22を引き、廃液槽17内に満たされている純水を吸引するが、この時、ピストン22の先端が純水供給ポート27を超える位置まで引き、ピストン22により塞がれていた純水供給ポート27を開く。
【0032】
純水供給ポート27が開かれたことを確認したら、純水供給ポンプ19を起動し、純水供給タンク18から純水を供給する。純水は、マニホールド20で8系統の吸引吐出系9に分岐し、それぞれのシリンジポンプ6の内部、ガラスキャピラリ4を経由して吸引吐出端3から廃液槽17内に吐出される。同時にこの位置では、吐出端3の外部に付いた洗浄液を廃液槽17内に放流されている純水で洗い流される。ガラスキャピラリ4の内部が十分に洗浄され、かつ、純水で洗い流された後、次の液体試料吸引のためにピストン22を押す。
【0033】
以上の動作を、96穴サンプルプレート1の1枚目の、8穴×12列の最初の1列目から順に位置を変え、4枚の96穴サンプルプレート1内の液体試料を全て384穴サンプルプレート2の所定の位置に移し替えるまで繰り返し、移し替え動作を終了する。
【0034】
上記説明では、8系統の吸引吐出系9を同時に動かし、96穴サンプルプレート1の液体試料を順番に384穴サンプルプレート2の所定の位置に移し替える動作を行っているため、フィンガー10の上昇、降下をXYZステージ14により行っているが、96穴サンプルプレート1の任意の位置の液体試料を384穴サンプルプレート2の任意の位置に移し替える場合は、フィンガー10の上昇、降下を、必要に応じてZ’ステージ14’により単独または複数同時に行うことが可能である。
【0035】
また、上記説明では96穴サンプルプレート1から384穴サンプルプレート2に液体試料を移し替えているが、384穴サンプルプレート2から96穴サンプルプレート1に移し替える場合も同様である。
【0036】
次に、シリンジポンプの内部構造について図7を用いて説明する。
本発明に用いているシリンジポンプは、先に述べたようにシリンジにその長手方向と直角方向に純水供給ポートを設けており、ピストンをその先端が前記純水供給ポートを越えて引いた時にのみ、ピストンにより塞がれていた純水供給ポートが開かれ、シリンジ内部及びキャピラリを通して吸引吐出端に純水が供給、吐出されるような、バルブ機能をもたせた構造になっている。シリンジポンプを構成するシリンジとピストン間のシールの構造は、図7(a)(b)(c)(d)に示す4種類が考えられる。それぞれの図はシリンジの内径とピストンの外径、及び、シール部を誇張して描いた略図である。
【0037】
図7(a)は、シリンジ7の内径とピストン22の外径が、その間で液体が漏れることなくシール可能なように概略同一であり、かつ、ピストン22は少なくとも該シリンダの長さ以上の範囲が同一外径であるため、ピストン22を、その先端が純水供給ポート27を超えて引くまで、純水供給ポート22に供給される純水を塞ぐことが出来る。
【0038】
図7(b)は、ピストン22の先端とシリンジ7の入り口部分の2ヶ所でシールされる構造であるため、図7(a)と同様に、ピストン22を、その先端が純水供給ポート27を超えて引くまで、純水供給ポート22に供給される純水を塞ぐことが出来る。しかし、2ヶ所のシールに挟まれた空間の体積が変化するという問題がある。
【0039】
これらに対し、図7(c)は、純水が針8の方に送られないように塞ぐことは出来るが、純水供給ポートに供給されている純水が外部に漏れ出てしまうと言う問題がある。また、図7(d)は、従来技術の項で述べた特開2000−206123号公報などで使用されている構造で、シリンジ7に挿入するピストン22の体積分だけの量を吸引、吐出する方式であり、シリンジ7の長手方向と直角方向に設けた純水供給ポートに供給する純水を別のバルブ35で塞ぐ必要がある。よって、本発明に適した構造は図7(a)であるが、図7(b)も液体試料の吸引,吐出精度に悪影響を及ぼすことは無いので使用可能である。本実施例で採用しているのは図7(a)の構造である。
【0040】
本実施例に使用しているガラスキャピラリ4の長さは、1本あたり約800mmである。この長さは、吸引吐出端3の移動範囲と固定端の位置関係により決定される。本実施例では、ガラスキャピラリ4の一端はシリンジポンプユニット5に固定されており、もう一端の吸引吐出端3は、フィンガー10と共にXYZステージ14等により、およそ160mm×700mm×60mmの範囲を移動する。移動範囲と固定端の位置関係は図1、図2に示す通りであり、これらにガラスキャピラリ4の可撓性を考慮し、長さを決定している。また、ガラスキャピラリ4の内径は、ガラスキャピラリ4の長さと液体試料の吸引量、粘度、及び、吸引吐出速度から、50μmから300μmの物を選択して使用している。ガラスキャピラリ4の外径は、選択した内径と入手のし易さから、150μmから400μmの物を選択して使用している。
【0041】
〔実施例2〕
実施例1では、モータ25の回転角度を制御することによりピストン22の押し引き量を制御して、オープンループで吸引吐出量を制御しているが、本実施例では、図8に示すような系で吸引量を検出しモータ25にフィードバックすることで、より精度の高い吸引吐出を行っている。
【0042】
すなわち、図8及び図9の検出部の拡大図に示すように、吸引吐出に用いているガラスキャピラリ4の吸引吐出端3側に、吸引吐出系1系統あたり1組もしくは複数組の、半導体光源36と半導体受光素子37による検出器38を設け、液体試料とあらかじめキャピラリ内に満たされている純水とが混ざらないように分離するために吸引した微量の大気39を検出し、吸引吐出端3の先端から検出位置までの距離とガラスキャピラリの内径から求められる吸引量を確認した結果をコントローラ40を介してモータ25にフィードバックし制御している。尚、大気39の検出は、吸引した液体試料と吸引した微量の大気39の境目である液面を検出し、より高い検出精度を得るようにしている。検出器38は透過型を用いているが、反射型による検出でも可能であり、また、光による検出のみならず、超音波等を用いた検出方法も使用可能である。
【0043】
液体試料の吸引量によっては、検出器38を配置する位置が吸引吐出端3の先端付近になり、検出器38の配置が不可能になる場合がある。その場合、大気39を吸引する前に、あらかじめ大気39’を吸引して廃液槽17内の純水をガラスキャピラリ4内で一定長さが得られる量だけ吸引しておき、大気39’を検出する。
【0044】
上記実施例では、大気39が検出器38により検出されるまでモータ25を制御し、液体試料の量を一定に制御している。吸引量が変る場合は検出器38の取り付け位置を移動するか、検出器38を複数取り付けて対応する。吸引量を微調整する場合は、図10に示すように幅の広い光軸41を投射できる半導体光源36’とラインセンサ42により、液面の位置を検出しフィードバックする。
【0045】
本実施例では、8系統のガラスキャピラリとシリンジポンプを組み合わせた吸引吐出系を用いている。前記半導体光源36と半導体受光素子37による検出器38を、吸引吐出系1系統あたり1組もしくは複数組設けると、設置場所や費用の問題が出てくる。そこで、図11のように、1個の半導体受光素子に対し、1本のガラスキャピラリと1個の半導体光源から成る組み合わせを複数組用い、全ての半導体光源から照射される光が、該組み合わされるガラスキャピラリを透過もしくは反射した後1個の半導体受光素子上に照射されるように配置し、それぞれの半導体光源を時分割で点灯することにより、それぞれのガラスキャピラリの液体位置を検出することで、設置場所と費用の削減に効果がある。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、使い捨てチップを用いることなく、ガラス細管の表面に光透過性のある樹脂を被覆した可撓性のあるガラスキャピラリを用いることで、液体試料の残留や気泡の停滞の原因になる液溜まりをほぼ無くすことができ、移し替え精度を向上することができた。さらに、吸引吐出部を高密度で配列することができ、大量の試料を短時間に処理することに対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるサンプルトランスファ装置の一例を示す平面図。
【図2】本発明によるサンプルトランスファ装置の一例の正面図。
【図3】本発明によるサンプルトランスファ装置の吸引吐出系1系統分の概略図。
【図4】純水をシリンジ及びキャピラリに供給、停止する構造を示す拡大図。
【図5】中継ブロックの拡大図。
【図6】従来の配管の構造を示す図。
【図7】シリンジポンプの内部構造を示す略図。
【図8】液体試料の吸引検出及び制御系を表す略図。
【図9】検出部の拡大図。
【図10】ラインセンサによる液面検出方法を表す略図。
【図11】1個の半導体受光素子で複数のガラスキャピラリの液面を検出する方法を表す略図。
【符号の説明】
1…96穴サンプルプレート、2…384穴サンプルプレート、3…吸引吐出端、4…ガラスキャピラリ、5…シリンジポンプユニット、6…シリンジポンプ、7…シリンジ、8…針、9…吸引吐出系、10…フィンガー、10’…フィンガー、11…Xステージ、12…Yステージ、13…Zステージ、14…XYZステージ、13’…Z’ステージ、15…洗浄液槽(A)、16…洗浄液槽(B)、17…廃液槽、18…純水供給タンク、19…純水供給ポンプ、20…マニホールド、21…ベース、22…ピストン、23…ボタン、24…移動部、25…モータ、26…純水供給用配管、27…純水供給ポート、28…継手、29…継手、30…継手、31…中継ブロック、32…バルブ、33…バルブ、34…中継ブロック、35…バルブ、36…半導体光源、36’…半導体光源、37…半導体受光素子、38…検出器、39…大気、39’…大気、40…コントローラ、41…幅の広い光軸、42…ラインセンサ

Claims (4)

  1. 液体サンプルを吸引・吐出する吸引吐出部と、前記吸引吐出部に吸引吐出力を発生するシリンジポンプと、前記吸引吐出部と前記シリンジポンプとの間を接続する配管とを有するサンプルトランスファ装置において、
    前記配管として可撓性のあるキャピラリを用い、当該キャピラリの一方の端部を前記吸引吐出部として用い、他方の端部を前記シリンジポンプのシリンジもしくはシリンジの針に継手によって接続し、
    前記シリンジポンプはシリンダと当該シリンダの内部をシールしてスライドするピストンとを備え、前記シリンダは側壁に洗浄液供給管に接続された洗浄液供給ポートが開口しており、前記ピストンの先端が前記洗浄液供給ポートより手前に位置するように前記シリンダから前記ピストンを引いたとき、洗浄液が前記洗浄液供給ポートから前記シリンダ内を通して前記キャピラリの前記吸引吐出部に供給されることを特徴とするサンプルトランスファ装置。
  2. 請求項記載のサンプルトランスファ装置において、前記ピストンは、当該ピストンを前記シリンダの奥まで押し込んだとき前記洗浄液供給ポートを塞ぐ位置から先端までの長さ部分が、前記シリンダの内径と略同一の同じ外径を有することを特徴とするサンプルトランスファ装置。
  3. 請求項1又は2記載のサンプルトランスファ装置において、前記キャピラリは内径が50μmから300μm、外径が150μmから400μmのガラスキャピラリであることを特徴とするサンプルトランスファ装置。
  4. 請求項1又は2記載のサンプルトランスファ装置において、前記キャピラリは前記吸入吐出端の端面及び前記吸入吐出端から所定長さの外周面が撥水処理されていることを特徴とするサンプルトランスファ装置。
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