JP3746524B2 - 制酸剤組成物およびそれを用いた医薬組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、制酸剤組成物、より詳しくは、低酸、無酸症の患者には効果が発現せず、酸過多症の患者には速やかに効果が発現する制酸剤組成物、この制酸剤組成物を含む医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、むねやけ、食後の不快感、膨満感などは、胃酸過多が主因とされていたが、近年、低酸または無酸の場合にも同様の症状を呈する例が少なからずあることが報告されている。低酸および無酸症の人は、自覚症状のみから判断して、総合胃腸薬や制酸剤を服用することが多い。しかし、このような場合には、症状がむしろ悪化する場合がある。そのため、低酸および無酸症の患者にはその効果が発現せず、過酸症の患者のみに効果を発現することが好ましい。このような目的に合致する制酸剤に関し、例えば、特開昭50−101520号公報には、制酸成分をpH5〜6以下で溶解する被覆剤で被覆する方法が開示されている。また、特開昭59−210012号公報には、酸性領域でのみ可溶な被覆剤で被覆された制酸剤が記載されている。
【0003】
しかし、これらの制酸剤において、被覆剤として用いられているポリマー、例えば、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート(三共(株)製、商品名AEA)、ジメチルアミノエチルメタクリレート−メタクリレート共重合体(レーム ファルマ社(ドイツ)製、商品名オイドラギッド(Eudragit)E)は高価である。さらに、被覆剤のコーティングには、有機溶剤(例えば、アルコール、アセトン、塩化メチレンなど)を用いるため、安全性および残留溶媒の問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、被覆剤としてのポリマーや有機溶媒を用いることなく、酸性領域では溶解して胃酸を中和し、中性領域ではpHの上昇を抑制できる制酸剤組成物および医薬組成物を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、簡単な組成でpHを中性領域に迅速に調整できる制酸剤組成物および医薬組成物を提供することにある。
【0006】
本発明のさらに他の目的は、胃酸を迅速に中和できる制酸剤組成物および医薬組成物を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、酸性領域では迅速に中和できるとともに、液性に拘らず中性領域を維持できる制酸剤組成物および医薬組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討の結果、制酸成分としてヒドロタルサイトとジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートとをそれぞれ単独で用いると、効果的に制酸性が発現しないにも拘らず、両者を組合せると、高い制酸性および速効性を示すこと、水酸化マグネシウムなどの速効性制酸成分を添加すると、さらに上記特性が改善されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の制酸剤組成物および医薬組成物は、制酸成分としてヒドロタルサイトジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、及び速効性制酸成分を含み、ヒドロタルサイトとジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートとの割合が、前者/後者=30/70〜90/10(重量比)であり、前記速効性制酸成分が、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
【0010】
なお、本明細書において、制酸成分で構成された組成物を「制酸剤組成物」と称し、上記制酸剤組成物と制酸成分以外の薬効成分、添加剤などの他の成分とを含む組成物を、制酸剤をも含めて「医薬組成物」と総称する。
【0011】
制酸成分としてのヒドロタルサイトは、マグネシウムの塩基性炭酸塩に属し、制酸性に関し、持効性が高いという特色がある。ヒドロタルサイトは、天然又は合成ヒドロタルサイトのいずれであってもよい。好ましいヒドロタルサイトには、合成ヒドロタルサイトが含まれる。合成ヒドロタルサイトは、例えば、商品名アルカマック(協和化学(株))として市販されている。
【0012】
代表的なヒドロタルサイトは、組成式 Mg6 Al2 (OH)16CO3 で表され、Alの少なくとも一部はFeなどの他の金属で置換されていてもよい。ヒドロタルサイトは、前記組成式において、Alを含むヒドロタルサイトとFeなどの金属を含むヒドロタルサイトとの混合物として使用してもよい。
【0013】
制酸成分としてのジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートは、制酸作用が持続するという特色がある。ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートは、例えば、商品名グリシナール(協和化学(株))として市販されている。
【0014】
なお、ヒドロタルサイトとジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートとをそれぞれ単独で用いても、制酸性と速効性とを両立できないが、両者を組合せて使用することにより、高い制酸性および速効性を有する制酸剤組成物が得られる。ヒドロタルサイトとジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートとの割合は、制酸性および速効性を損わない範囲で選択でき、例えば、前者/後者=30/70〜90/10(重量比)、好ましくは40/60〜80/20(重量比)、さらに好ましくは45/55〜70/30(重量比)程度である。
【0015】
制酸剤組成物は、制酸成分としてさらに、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の速効性制酸成分を含んでいる。これらの速効性制酸成分は、単独で又は二種以上組合せて使用できる。
【0016】
好ましい速効性制酸成分には、水酸化マグネシウムが含まれる。水酸化マグネシウムは、例えば、商品名キョーワスイマグ(協和化学(株))などとして市販されている。
【0017】
なお、速効性制酸成分を単独で使用しても、目的とする機能が発現しないが、前記制酸成分と組合せることにより、制酸性と速効性とをさらに改善できる。速効性制酸成分の含有量は、速効性が損われない範囲で選択でき、例えば、制酸成分の総量中、10〜50重量%、好ましくは15〜45重量%、さらに好ましくは20〜40重量%程度である。
【0018】
なお、本発明の制酸剤組成物は、必要に応じて他の制酸成分、例えば、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム系制酸剤、水酸化カルシウムなどのカルシウム系制酸剤、ケイ酸マグネシウムなどのマグネシウム系制酸剤、アミノ酢酸などを含んでいてもよい。
【0019】
ヒドロタルサイト、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、速効性制酸成分などの制酸成分は、通常、粉粒状、特に粉末状で使用される。
【0020】
本発明の制酸剤組成物は、酸性領域では溶解して胃酸を中和し、中性領域ではpHの上昇を抑制する作用を有し、低酸および無酸症の患者が服用しても制酸剤が胃の中で溶解しにくく、酸過多症の患者が服用した場合には、速やかに溶出して過剰の酸を中和し、制酸性を有効に発現する特色がある。
【0021】
このように、本発明の制酸剤組成物は、高い制酸性及び速効性を備えているので、制酸用医薬組成物として用いるのに有用である。制酸用医薬組成物は、前記制酸剤組成物に加えて、添加剤などを含む制酸剤であってもよく、さらに消化剤、鎮痛剤などの制酸成分以外の薬効成分などを含む医薬であってもよい。
【0022】
前記添加剤としては、慣用の成分、例えば、乳糖、コーンスターチ、タルク、結晶セルロース(アビセルなど)、粉糖、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、軽質無水ケイ酸、炭酸カルシウム、L−システインなどの賦形剤;澱粉、アルファー化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリンなどの結合剤;カルボキシメチルセルロースカルシウム(例えば、ECG505など)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム(例えば、アクジゾルなど)などの崩壊剤;アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤(例えば、プルロニックF68など)などの界面活性剤;スクラルファートなどの粘膜保護剤;脂質(例えば、ステアリン酸などの高級脂肪酸、ステアリルアルコールなどの高級アルコール、脂肪酸グリセリンエステル、硬化綿実油、硬化ヒマシ油、硬化大豆油などの油脂類、カルナウバワックス、マイクロクリスタリンワックスなどのワックス類など);着色剤;矯味剤や賦香剤;吸着剤;防腐剤;湿潤剤;帯電防止剤;崩壊延長剤などが挙げられる。
【0023】
前記添加剤のうち、製剤化のための担体として、賦形剤、結合剤が繁用され、崩壊剤を用いる場合も多い。添加剤、特に担体の使用量は、組成物全体に対して、例えば、10〜70重量%、好ましくは15〜65重量%、さらに好ましくは20〜60重量%程度である。
【0024】
また、医薬組成物において、制酸成分以外の薬効成分の種類は特に制限されず、ヒト用医薬のみならず、動物薬も含まれる。制酸成分以外の薬効成分としては、例えば、消化剤、健胃剤、消化性潰瘍用剤、整腸剤などの消化器系薬剤などが挙げられ、生薬であってもよい。前記制酸剤組成物は、消化剤、健胃剤、消化性潰瘍用剤などの胃腸薬などと併用する場合が多い。これらの消化器系薬剤は一種又は二種以上使用できる。
【0025】
消化剤としては、例えば、ジアスターゼ、プチアリン、アミラーゼなどのでんぷん消化酵素、ペプシン、トリプシン、パパインなどの蛋白消化酵素、脂肪消化酵素(リパーゼ)、パンクレアチン、塩酸リモナーデ、ウルソデスオキシコール酸、胆汁末などが挙げられる。健胃剤としては、例えば、塩酸ベタイン、グルタミン酸塩酸塩、l−メントール、塩化カルニチン、乾燥酵母などが挙げられ、消化性潰瘍用剤としては、例えば、アズレンスルホン酸ナトリウム、アルジオキサ、L−グルタミン、銅クロロフィリンカリウム、メチルメチオニンスルホニウムクロライド、ジメチルポリシロキサンなどが挙げられる。整腸剤には、例えば、整腸生菌成分などが含まれる。
【0026】
また、生薬としては、例えば、ロートエキス、ケイヒ(cinnamomi cortex)、コウボク(magnoliae cortex)、ショウキョウ(zingiberis rhizoma)、ソウジュツ(atractylodis lanceae rhizoma)、ダイオウ(rhei rhizoma)、チョウジ(caryophylli flos)、チンピ(aurantii nobilis pericarpium)、ニンジン(ginseng radix) 、赤芽柏(mallotus japonicus)、オウバク(phellodendri cortex) 、センブリ(swertia japonica)、エンゴサク(Corydalis tuber) 、カンゾウ(glycyrrhizae radix)、シャクヤク(paeonia lactiflora)、ゲンチアナ(Gentianae radix) 、リュウタン(Gentianae scabrae radix) 、オウレン(Coptidis rhizoma)、トウヒ(Aurantii pericarpium)、ウイキョウ(Foeniculi fructus) 、サンショウ(Zanthoxyli fructus)などが挙げられる。
【0027】
なお、制酸成分以外の薬効成分の含有量は、その種類に応じて適当に選択でき、例えば、組成物全体に対して、0.001〜50重量%、好ましくは0.01〜40重量%、さらに好ましくは0.1〜35重量%程度である。
【0028】
前記医薬組成物において、各制酸成分の含有量および制酸剤組成物の総量は、有効量である限り広い範囲で選択できる。医薬組成物において、ヒドロタルサイトおよびジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートで構成された制酸剤組成物の総量は、医薬組成物全体に対して、例えば、5〜80重量%、好ましくは10〜60重量%、さらに好ましくは20〜50重量%程度である。さらに、医薬組成物において、速効性制酸成分の含有量は、医薬組成物全体に対して、例えば、2〜30重量%、好ましくは5〜25重量%程度である。好ましい速効性制酸成分である水酸化マグネシウムの含有量は、医薬組成物中、例えば、5〜30重量%、好ましくは7〜25重量%程度である。
【0029】
医薬組成物において、ヒドロタルサイト、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートおよび速効性制酸成分で構成された制酸剤組成物の総量は、医薬組成物全体に対して、例えば、10重量%以上、好ましくは20〜70重量%、さらに好ましくは25〜60重量%程度である。
【0030】
医薬組成物の形態は特に制限されず、前記制酸剤組成物と添加剤と、必要に応じて薬効成分を含む粉末状混合物であってもよいが、製剤化されているのが好ましい。製剤には、前記制酸剤組成物と制酸成分以外の薬効成分や添加剤などを含む造粒物(例えば、細粒剤、顆粒剤、散剤、丸剤など)、前記粉末状混合物や造粒物などを含む組成物を打錠した錠剤、前記造粒物などをカプセル内に充填又は内包したカプセル剤などの固形製剤が含まれる。製剤は、細粒剤、顆粒剤、錠剤などである場合が多い。
【0031】
なお、細粒剤の平均粒子径は、例えば、10〜500μm、好ましくは100〜500μm程度であり、顆粒剤の平均粒子径は、例えば、300〜1500μm、好ましくは500〜1500μm程度である。
【0032】
前記制酸剤組成物を含む製剤は、その形態に応じて、慣用の方法で調製できる。例えば、前記制酸剤組成物と、添加剤と、必要に応じて制酸成分以外の薬効成分を用い、慣用の方法、例えば、押出し造粒、流動造粒、噴霧造粒、転動造粒などの方法で製剤を調製できる。造粒に際しては、乾式造粒法又は湿式造粒法のいずれも採用でき、湿式造粒法においては、安全性の高い溶媒(例えば、エタノールなどのアルコール、水など)や前記結合剤の溶媒溶液を用いる場合が多い。
【0033】
【発明の効果】
本発明の制酸剤組成物および医薬組成物は、被覆などを施すことなく、簡単な組成で、酸性領域では溶解して胃酸を中和し、中性領域ではpHの上昇を抑制できる。また、さらに速効性制酸成分を含む組成物は、胃酸を迅速に中和することができる。
【0034】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。
【0035】
実施例1
合成ヒドロタルサイト550g、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート550g、水酸化マグネシウム550g、乳糖1000g、コーンスターチ585g、結晶セルロース40g、カルボキシメチルセルロースカルシウム(ECG505)20gを均一に混合し、プルロニックF68 5gを含む水溶液900mlを用いて、常法に従って湿式練合した。
【0036】
練合物を、押出し造粒機((株)菊水製作所製;RG−C125)の0.8mmφスクリーンを通した後、マルメライザー(不二パウダル(株)製;QJ−230)を用いて球形顆粒を調製し、乾燥した。
【0037】
得られた顆粒剤の制酸活性は、顆粒の試験法として制酸活性試験に汎用されている下記のフックス変法試験により測定した。
【0038】
(1)酸性液による試験
0.1N塩酸50mlを攪拌しつつ、試料1gを温度37℃で添加し、10分経過後から1分間当り0.1N塩酸を2mlの割合で注加する。上記試験中は試験液の温度は37℃に保ち、連続的にpHを測定する。
【0039】
(2)精製水による試験
精製水を攪拌しつつ、試料1gを温度37℃で添加し、連続的にpHを測定する。
【0040】
結果を図1及び図2に示す。図1及び図2から明らかなように、酸性液による試験では、約10分で中和でき、pH3〜6の領域での持続時間は約52分であり、精製水による試験では、pH7.8で持続していた。従って、酸性領域では迅速に中和し、中性領域ではpHの上昇を抑制できる。
【0041】
参考例1
合成ヒドロタルサイト250mg、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート250mgの混合末の制酸活性を、実施例1と同様にして測定したところ、表1、図3及び図4に示す結果を得た。
【0042】
なお、上記各制酸成分の使用量は、制酸力120mlに相当する量である。また、表中、酸性液による試験結果は10分後の測定値、精製水による試験結果は30分後の測定値である。
【0043】
図3及び図4から明らかなように、酸性液による試験では、約10分で中和でき、pH3〜6の領域での持続時間は約40分であり、精製水による試験では、pH7.8で持続していた。従って、酸性領域では迅速に中和し、中性領域ではpHの上昇を抑制できる。
【0044】
比較例1〜3
合成ヒドロタルサイト(比較例1)、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート(比較例2)、水酸化マグネシウム(比較例3)をそれぞれ単独で用いる以外、実施例1と同様にして制酸活性を測定した。前記実施例1及び2の結果とともに、結果を表1に示す。
【0045】
なお、上記各制酸成分の使用量は、制酸力140mlに相当する量である。また、表1中、酸性液による試験結果は10分後の測定値、精製水による試験結果は30分後の測定値である。
【0046】
【表1】
Figure 0003746524
表1から明らかなように、合成ヒドロタルサイト(比較例1)、水酸化マグネシウム(比較例3)を単独で用いても、精製水での試験ではpHの上昇が大きく、中性領域を保つのが困難である。また、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート(比較例2)は、pHの安定性に関して比較的良好な結果を示すが、速効性に欠ける。
【0047】
実施例
合成ヒドロタルサイト660g、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート495g、水酸化マグネシウム495g、乳糖700g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース170g、コーンスターチ300g、およびアクジゾル(クロスカルメロースナトリウム)90gをバーチカルグラニュータ(パウレック(株)製;VG−10)で混合し、ヒドロキシプロピルセルロース90gを700mlの水に溶解した液を用いて湿式造粒した後、パワーミル(昭和化学機械(株)製;P−3)で整粒し、乾燥して顆粒剤を得た。
【0048】
得られた顆粒剤にカルボキシメチルセルロースカルシウム(ECG505)150g、ステアリン酸マグネシウム9gを添加し、タンブラーミキサー(昭和化学機械(株)製;TM−15)で5分間混合した後、ロータリー式錠剤機((株)菊水製作所製;19K)を用いて、錠剤(直径10mmφ、500mg/錠)を調製した。
【0049】
そして、制酸力140mlに相当する量の錠剤を用い、実施例1と同様にして制酸活性を測定したところ、(1)酸性液による試験では、10分後のpHが6.0、(2)精製水による試験では、30分後のpHが7.9であり、液性に拘らず、pHを中性領域に維持できた。
【0050】
実施例
合成ヒドロタルサイト732g、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート294g、水酸化マグネシウム441g、チンピ乾燥エキス150g、ソウジュツ末20g、コウボクエキス末17g、ショウキョウ末100g、チョウジ末30g、dl−塩化カルニチン300g、カンゾウ末150g、D−ソルビトール1600g、軽質無水ケイ酸(サイロイド266)80g、乳糖50g、およびヒドロキシプロピルセルロース40gをバーチカルグラニュータ(パウレック(株)製;VG−25)で混合し、l−メントール16gを溶解したアルコール溶液を添加して造粒し、真空乾燥機(楠木制作所製)を用いて乾燥した。乾燥した造粒物をパワーミル(昭和化学機械(株)製;P−3)を用いて整粒した。なお、得られた細粒剤は、3包当り、合成ヒドロタルサイト732mg、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート294mg、水酸化マグネシウム441mgを含み、制酸力420mlに相当する。
【0051】
そして、実施例1と同様にして制酸活性を測定したところ、図5及び図6に示す結果を得た。図5及び図6から明らかなように、酸性液による試験では、約10分で中和でき、pH3〜6の領域での持続時間は約40分であり、精製水による試験では、pH7.9で持続していた。従って、酸性領域では迅速に中和し、中性領域ではpHの上昇を抑制できる。
【0052】
実施例
ニーダー(畑鉄工所製)内に、合成ケイ酸アルミニウムの粉末450gおよび軽質無水ケイ酸の粉末25gを仕込み、これにdl−塩化カルニチン450gを水700mlに溶解させた溶液を添加して上記粉末に吸着させた。これを真空乾燥機(橘製作所製)で乾燥後、アトマイザー(不二パウダル製;KII−2)を用いて粉砕し、吸着末を調製した。
【0053】
該吸着末925g、合成ヒドロタルサイト(VF)700g、水酸化マグネシウム450g、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート(アルミニウムグリシネート)300g、カンゾウ末150g、チンピ乾燥エキス150g、ソウジュツ末200g、コウボク乾燥エキス20g、ショウキョウ末100g、チョウジ末30g、D−ソルビトール1000g、マンニトール74gおよびヒドロキシプロピルセルロース(HPC)80gをバーチカルグラニュレーター(パウレック(株)製;FM−G25)に仕込んで混合した後、l−メントール16gを溶解したアルコール溶液を加えて造粒した。次いで流動層乾燥機(パウレック(株)製;FD5S)を用いて乾燥した。乾燥後、篩過したたものに流動化剤として軽質無水ケイ酸5gを添加混合して顆粒剤4200gを得た。
【0054】
実施例
ニーダー(畑鉄工所製)内に、合成ケイ酸アルミニウムの粉末350gおよび軽質無水ケイ酸の粉末30gを仕込み、これにdl−塩化カルニチン450gを水240mlに溶解した溶液を添加して上記粉末に吸着させた。これを真空乾燥機(橘製作所製)で乾燥後、アトマイザー(不二パウダル製;KII−2)を用いて粉砕し、吸着末を調製した。
【0055】
該吸着末830g、軽質無水ケイ酸49.5g、合成ヒドロタルサイト(VF)700g、水酸化マグネシウム450g、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート(アルミニウムグリシネート)300g、カンゾウ末125g、チンピ乾燥エキス150g、ソウジュツ末60g、コウボク乾燥エキス20g、ショウキョウ末10g、チョウジ末30g、クロスカルメロースナトリウム(アクジゾル)99.5g、マンニトール74gおよびHPC−L(ヒドロキシプロピルセルロース−L)120gをハイスピードミキサー(深江工業製)を用いて造粒した。これをフローコーター(フロイント製)で乾燥後、パワーミル(昭和化学機械(株)製;P−3S)で整粒した。l−メントール13gを溶解したアルコールを用いて整粒末を賦香した。この整粒末3031gにステアリング酸マグネシウム(滑沢剤)19gおよびクロスカルメロースナトリウム(アクジゾル)100gを加えて、タンブラーミキサー(昭和化学機械(株)製;TM−15)で混合し、9.5mmφ普通面を有する杵を備えたロータリー式錠剤機((株)菊水製作所製;コレクト19k)を用いて錠剤を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1における酸性液による試験結果を示すグラフである。
【図2】図2は実施例1における精製水による試験結果を示すグラフである。
【図3】図3は参考例1における酸性液による試験結果を示すグラフである。
【図4】図4は参考例1における精製水による試験結果を示すグラフである。
【図5】図5は実施例における酸性液による試験結果を示すグラフである。
【図6】図6は実施例における精製水による試験結果を示すグラフである。

Claims (21)

  1. 制酸成分としてヒドロタルサイトジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、及び速効性制酸成分を含む制酸剤組成物であって、ヒドロタルサイトとジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートとの割合が、前者/後者=30/70〜90/10(重量比)であり、前記速効性制酸成分が、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムからなる群から選ばれた少なくとも一種である制酸剤組成物。
  2. ヒドロタルサイトとジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートとの割合が、前者/後者=40/60〜80/20(重量比)である請求項1記載の制酸剤組成物。
  3. ヒドロタルサイトが組成式 Mg6Al2(OH)16CO3 で表されるマグネシウムの塩基性炭酸塩である請求項1記載の制酸剤組成物。
  4. 速効性制酸成分が水酸化マグネシウムである請求項記載の制酸剤組成物。
  5. 制酸成分の総量中、速効性制酸成分を10〜50重量%含む請求項記載の制酸剤組成物。
  6. 制酸剤組成物全体に対して、ヒドロタルサイトおよびジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートの合計量が55〜85重量%、および水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムからなる群から選択された少なくとも1つの速効性制酸成分15〜45重量%とで構成され、前記ヒドロタルサイトとジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートとの割合が、前者/後者=40/60〜80/20(重量比)である制酸剤組成物。
  7. 制酸剤組成物全体に対して、ヒドロタルサイト及びジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートの合計量60〜80重量%、および水酸化マグネシウム20〜40重量%で構成されている請求項記載の制酸剤組成物。
  8. 請求項記載の制酸剤組成物を含む制酸用医薬組成物。
  9. 組成物全体に対して、ヒドロタルサイトおよびジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートを総量として5〜80重量%含む請求項記載の医薬組成物。
  10. 組成物全体に対して、ヒドロタルサイト、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートおよび速効性制酸成分を総量として10重量%以上含む請求項記載の医薬組成物。
  11. 組成物全体に対する速効性制酸成分の含有量が2〜30重量%である請求項記載の医薬組成物。
  12. 組成物全体に対して、水酸化マグネシウムを5〜30重量%含む請求項記載の医薬組成物。
  13. ヒドロタルサイト、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、速効性制酸成分、および添加剤を含む請求項記載の医薬組成物。
  14. 組成物全体に対して、ヒドロタルサイトおよびジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートの総量10〜60重量%、速効性制酸成分5〜25重量%、および添加剤15〜65重量%を含み、ヒドロタルサイトとジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートとの重量割合が、前者/後者=40/60〜80/20である請求項13記載の医薬組成物。
  15. 組成物全体に対して、ヒドロタルサイト、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートおよび速効性制酸成分を総量として20〜70重量%含む請求項13記載の医薬組成物。
  16. 組成物全体に対して、速効性制酸成分としての水酸化マグネシウムを7〜25重量%含む請求項13記載の医薬組成物。
  17. さらに制酸成分以外の薬効成分を含む請求項13記載の医薬組成物。
  18. 制酸成分以外の薬効成分が消化器系薬剤である請求項17記載の医薬組成物。
  19. 制酸成分以外の薬効成分が、消化剤、健胃剤、消化性潰瘍用剤及び整腸剤からなる群から選択された少なくとも一種である請求項17記載の医薬組成物。
  20. 組成物全体に対して、制酸成分以外の薬効成分0.001〜50重量%、賦形剤、結合剤及び崩壊剤から選ばれた少なくとも一種の添加剤20〜60重量%を含む請求項17記載の医薬組成物。
  21. 細粒剤、顆粒剤または錠剤である請求項記載の医薬組成物。
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