JP3746369B2 - 用紙後処理装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置の排紙部に連結される用紙後処理装置およびその用紙後処理装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
用紙排出方向下流側の先端が上方になるように斜めに傾斜したステープルトレイと、ステープルトレイの後端に設けた後端フェンスとステープルトレイ上の用紙を叩いて自重により後端フェンスに滑落させる戻しローラを備え、ステープルトレイの上流側(ステープルトレイに向かう用紙搬送方向上流側)に設けた用紙センサが用紙を検知すると、直ちに、あるいは所定時間後に戻しローラを動作させるソレノイドをオンして、戻しローラによりステープルトレイ上の用紙面を叩き、用紙を自重で後端フェンスに滑落させて、用紙の後端を揃える用紙後処理装置が提案されている。
【0003】
この種の用紙後処理装置は、ステープル処理を行うため、用紙受け入れ後、用紙搬送速度を加速し、画像形成装置より高速搬送して後続用紙との間隔を開けて、後続用紙とのバッティングを防いでいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
戻しローラを駆動するソレノイドの吸引時間は、一般的に数10〜数100mS掛かる。低CPM(コピー/分)の画像形成装置に装着され搬送速度が低い用紙後処理装置の場合は問題はないが、より高CPMの画像形成装置に対応するほど、用紙搬送速度を高速にしなければならず、用紙後端検知で戻しローラを制御すると、後端検知から戻しローラが動作するまでに、ソレノイドの吸引時間分遅れるため、最低でもL(=搬送速度×ソレノイド動作時間)の距離を用紙が搬送されるので、戻しローラとセンサの距離は最低L以上でなければならない。
【0005】
また、ソレノイドの吸引時間のばらつき、温度上昇による吸引時間の遅れ、戻しローラの当接位置(用紙後端から戻しローラが当たる位置までの設定距離)を含めると、Lよりさらに距離を大きくする必要があり、機械設計上、制約されてしまうという問題がある。
【0006】
また、Lの余裕が小さいと、温度上昇による遅れ、吸引時間等のばらつきによって、戻しローラの空振り、動作タイミングのずれによるスタック不良、ジャム等が発生する。例えば、1200mm/Sで搬送し、ソレノイドの吸引時間が100mS程度とすると、最低でもL=120mm+αmm以上に制約される。
【0007】
また、ソレノイドの吸引時間を短縮しようとすると、より強力で大型のものが必要となり、高価となってしまう。さらに、近年画像形成装置はさらに高CPM化されており、より高CPM機に対応する必要性が出てきている。より高CPM機に対応するために、搬送速度を上げる場合、ソフトのみで対応できず、構造変更も必要になる場合もある。
【0008】
本発明の課題は、より高CPMの画像形成装置に対応して生産性を上げることができる用紙後処理装置および画像形成装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、画像形成装置から排出される用紙を受け入れる用紙排出搬送路入口から、搬送路を経て搬送されてくる用紙を収納するステープルトレイと、綴じ処理を行うための綴じ手段と、綴じ手段の綴じ処理に先行して、用紙をガイド板へ寄せ集めるための戻しローラと、前記戻しローラの動作タイミングをとる用紙検知手段を備えた用紙後処理装置において、前記用紙検知手段は、前記搬送路の前記用紙排出搬送路入口に配設し、前記用紙検知手段が用紙を検知した時を基準とする前記戻しローラの動作制御を行う第1の手段により解決される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は本発明の実施の形態に係る用紙後処理装置全体の構成図、図2はジョガーフェンスと戻しローラの駆動機構を示す斜視図、図3は後端フェンス部近傍の拡大構成図、図4はステープル装置を中心とした斜視図、図5は綴じ後の用紙束を放出ベルトにより放出する様子を示す透視斜視図、図6は本発明の実施の形態に係る用紙後処理装置の電装系のブロック図である。
【0013】
図1において、複写機からの用紙排出搬送路入口に、用紙検知手段である入口センサ36、入口ローラ1、及び分岐爪8が設けられ、この分岐爪8により、排紙トレイ12方向へ行く用紙(シート)と、ステープル装置(ステープルユニット)11方向へ行く用紙とが分けられる。
【0014】
排紙トレイ12方向の搬送路には、複数の上搬送ローラ2、排紙センサ38、排出ローラ3、用紙を一方に寄せる寄せローラ7、積載用紙により上下する紙面レバー13、積載用紙高さを検出する紙面センサ33などが配置され、ステープル装置11方向の搬送路には、複数の下搬送ローラ4、用紙検知手段である排紙センサ37、紙送りローラ(ブラシローラ)6等が配置されている。
【0015】
下搬送ローラ4は、後述する搬送モータ54により駆動され、排紙トレイ12は、後述する上下モータ51、シフトモータ52により適宜上下左右に移動される。
【0016】
ステープル装置11は、ステープルトレイ21の下側に設けられ、ステープルトレイ21には、用紙の整合を行うためのジョガーフェンス9、及び戻しローラ5、ジョガーフェンス9の背後位置に綴じた用紙束を排出するための放出ベルト10がそれぞれ配置されている。39は放出ベルトホームセンサである。
【0017】
このジョガーフェンス9は、図2に示すように、ジョガーモータ26によりジョガーベルト49を介して用紙の幅方向に駆動され、戻しローラ5は、戻しソレノイド30により用紙面に接離するような振り子運動されるように構成されている。
【0018】
また、ブラシローラ6は、ブラシローラベルト47により図3の矢印方向に回転するようになっている。ジョガーフェンス9の下側には、図3に示すように、用紙後端に突き当てるための後端フェンス19が設けられている。
【0019】
また、ステープル装置11は、図4に示すように、ステープラ移動モータ27によりステープルベルト50を介して駆動され、横移動する。22はステープラホームセンサである。後端フェンス19は、固定片19a,19bと、ステープル装置11が移動する際に一緒に移動する可動片19c,19dを有する。
【0020】
ところで、排紙センサ37は、用紙後端を検知して即、戻しソレノイド30にオン命令を出して戻しローラ5を作動させても、そのタイミングで戻しローラ5が用紙の後端に打ち当て可能になるような位置に配置されている。
【0021】
また、図5に示すように、ステープル装置11により綴じられた用紙束の後端は、放出ベルト10に設けられた放出爪10aに係止され、放出モータ57により駆動される放出ベルト10の回転により排紙トレイ12に排出されるようになっている。
【0022】
ここで、本発明の実施の形態に係る用紙後処理装置の電装系について図6を参照して説明する。
【0023】
図6に示すように、用紙後処理装置内の各スイッチ、及び各センサからの信号が、I/Oインタフェース60を介してCPU70へ入力される。CPU70は、入力された信号に応じて、上下モータ51、シフトモータ52、分岐ソレノイド53、戻しソレノイド30、搬送モータ54、排紙モータ55、ステープルモータ56、放出モータ57、ステープラ移動モータ27、ジョガーモータ26を駆動する。搬送モータ54のパルス信号は、CPU70に入力されてカウントされ、このカウントに応じて戻しソレノイド30が制御される。用紙整合制御手段は、CPU70及びCPU70を動かす種々のオペレーションプログラムによって構成される。
【0024】
次に、ステープルモードが選択された場合について説明する。
【0025】
ステープルモードが選択されると、図2に示すように、ジョガーフェンス9は、ホームポジションより移動し、用紙幅より片側7ミリメートル離れた位置で待機する。用紙が下搬送ローラ4(搬送モータ54で駆動される)によって搬送され、用紙後端が排紙センサ37を通過すると、ジョガーフェンス9が待機位置から5ミリメートル内側にジョギング(矢印方向の往復運動)を行う。
【0026】
また、第1の参考例では、排紙センサ37は、用紙先端通過時点にそれを検知し、その信号をCPU70に入力し、CPU70では、この信号の受信時点から搬送モータ54からの発信パルスをカウントし、所定パルス発信後に戻しソレノイド30をオンさせる。
【0027】
次に、第1の実施の形態では、入口センサ36は、用紙通過時点にそれを検知し、その信号をCPU70に入力し、CPU70では、この信号の受信時点から搬送モータ54からの発信パルスをカウントし、所定パルス発信後に戻しソレノイド30をオンさせる。
【0028】
戻しローラ5は、戻しソレノイド30のオン、オフにより振り子運動をし、オン時には用紙を叩いて下方向に戻し、後端フェンス19に突き当てて用紙の縦揃えを行う。ステープルトレイ21に収納されている用紙が入口センサ36(あるいは排紙センサ37)を通過する度にその信号がCPU70に入力されて、用紙の枚数がカウントされる。
【0029】
この戻しソレノイド30がオフして所定時間経過後、ジョガーフェンス9は、ジョガーモータ26によって2ミリメートル内側に移動して一旦停止し、用紙の横揃えが終了する。ジョガーフェンス9は、その後7ミリメートル戻り、次の用紙を待つ。この動作を最終頁まで行う。最終頁では、再び7ミリメートルのジョギングを行い、用紙束の両端を押さえてステープル動作に備える。
【0030】
その後、所定時間後にステープル装置11が作動し、綴じ処理が行われる。このとき、複数綴じが指定されていれば、1個所の綴じ処理が終了した後、ステープル移動モータ27が駆動され、ステープル装置11が用紙後端に沿って適正位置まで移動され、2個所目の綴じ処理が行われる。
【0031】
綴じ処理が終了すると、放出モータ57が駆動され、放出ベルト10を駆動する。このとき、排紙モータ55も駆動され、放出爪10aにより持ち上げられた用紙束を受け取るべく回転し始める。このとき、ジョガーフェンス9は、サイズ及び枚数により動作が異なるように制御される。
【0032】
例えば、綴じ枚数が設定枚数より少ない、あるいは設定サイズより小さい場合には、ジョガーフェンス9により用紙束を押さえながら、放出爪10aにより用紙束後端を引っ掛け搬送する。
【0033】
そして、放出ベルトホームセンサ39より、所定パルス後にジョガーフェンス9を2ミリメートル退避させ、ジョガーフェンス9による用紙への拘束を解除する(この所定パルスは、放出爪10aが用紙束後端に衝突してから、ジョガーフェンス9の先端を抜ける間で設定されている)。
【0034】
また、綴じ枚数が設定枚数より多い、あるいは設定サイズより大きい場合には、予めジョガーフェンス9を2ミリメートル退避させ、放出を行う。何れの場合も、用紙束がジョガーフェンス9を抜けきると、ジョガーフェンス9はさらに5ミリメートル移動して待機位置に復帰し、次の用紙に備える。また、用紙に対するジョガーフェンス9の距離により、拘束力を調節することも可能である。
【0035】
以上の一連の動作をラストジョブまで繰り返し行う。
【0036】
図7は排紙トレイ上下機構を示す透視斜視図である。
【0037】
排紙トレイ12は、図7に示すように、上下リフトベルト48により吊るされている。上下リフトベルト48は、ギヤ列及びタイミングベルトを介して上下モータ51により駆動され、上下モータ51の正転または逆転により上昇または下降する。
【0038】
排紙トレイ12のホームポジション及び移動時の高さは、上下方向に回動可能な紙面レバー13と紙面センサ32,33により検出され、また、排紙トレイ12上が用紙で満杯になると、下限センサ34によりこれが検出される。さらに、排紙トレイ12の上昇時に、寄せローラ7が排紙トレイ12により押し上げられると、上限スイッチ31がオフになり、上下モータ51が回転を停止することにより、排紙トレイ12のオーバランによる破損を防止している。
【0039】
第1の参考例によれば、排紙センサ37が用紙先端を検知したタイミングを基に、戻しローラ5の動作制御を行うので、用紙長さ分を搬送する時間だけ余分に戻しソレノイド30(あるいはモータ)で戻しローラ5を動作させる時間、ばらつき、負荷温度上昇による動作遅れ時間等を吸収することができる。そのため、戻しローラ5と排紙センサ37の構造上の位置関係の制約も少なくすることができる。
また、この余裕時間分、戻しソレノイド30(あるいはモータ)の動作時間を遅くすることができるので、戻しソレノイド30(あるいはモータ)を小型、低パワーに抑えることができ、コストも低くできる。
【0040】
第1の実施の形態によれば、排紙センサ37の上流側の入口センサ36を動作基準にしているため、最終の排紙センサ37による後端検知で制御する場合より、高速搬送でき、より高CPMの画像形成装置に対応できる。従来技術より高速搬送が可能であるので、その分揃え時間にも余裕が大きく取れるので、用紙の揃え性も向上させることができる。
また、前記従来技術より、用紙を検知してから戻しローラ5に用紙が到達するまでの時間が長い分だけ余分に、戻しソレノイド30・モータ等で戻しローラを動作させる時間、ばらつき、負荷温度上昇による動作遅れ時間等を吸収できるので、戻しローラ5と用紙検知手段の構造上の位置関係の制約も少なくすることができる。また、この余裕時間分、戻しソレノイド30・モータ等の動作時間を遅くすることができるので、戻しソレノイド30・モータ等を小型、低パワーのものを使用でき、コストも低減できる。
【0041】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、戻しローラの動作開始タイミングをとる用紙検知手段を用紙排出搬送路入口に配設した用紙検知手段に設定しているので、高速搬送でき、より高CPMの画像形成装置に対応できる。従来技術より高速搬送が可能であるので、その分揃え時間にも余裕が大きく取れるので、用紙の揃え性も向上させることができる。
また、前記従来技術より、用紙を検知してから戻しローラに用紙が到達するまでの時間が長い分だけ余分に、ソレノイド・モータ等で戻しローラを動作させる時間、ばらつき、負荷温度上昇による動作遅れ時間等を吸収できるので、戻しローラと用紙検知手段の構造上の位置関係の制約も少なくすることができる。また、この余裕時間分ソレノイド・モータ等の動作時間を遅くすることができるので、ソレノイド・モータ等を小型、低パワーのものを使用でき、コストも低減できる。
【0042】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明による作用効果を奏する画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る用紙後処理装置全体の構成図である。
【図2】ジョガーフェンスと戻しローラの駆動機構を示す斜視図である。
【図3】後端フェンス部近傍の拡大構成図である。
【図4】ステープル装置を中心とした斜視図である。
【図5】綴じ後の用紙束を放出ベルトにより放出する様子を示す透視斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る用紙後処理装置の電装系のブロック図である。
【図7】排紙トレイ上下機構を示す透視斜視図である。
【符号の説明】
5 戻しローラ
19 後端フェンス
21 ステープルトレイ
30 戻しソレノイド
36 入口センサ
37 排紙センサ
Claims (2)
- 画像形成装置から排出される用紙を受け入れる用紙排出搬送路入口から、搬送路を経て搬送されてくる用紙を収納するステープルトレイと、綴じ処理を行うための綴じ手段と、綴じ手段の綴じ処理に先行して、用紙をガイド板へ寄せ集めるための戻しローラと、前記戻しローラの動作タイミングをとる用紙検知手段を備えた用紙後処理装置において、
前記用紙検知手段は、前記搬送路の前記用紙排出搬送路入口に配設し、
前記用紙検知手段が用紙を検知した時を基準とする前記戻しローラの動作制御を行うことを特徴とする用紙後処理装置。 - 請求項1に記載の用紙後処理装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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JP03483698A JP3746369B2 (ja) | 1998-02-17 | 1998-02-17 | 用紙後処理装置および画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JPH11228012A JPH11228012A (ja) | 1999-08-24 |
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JP (1) | JP3746369B2 (ja) |
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- 1998-02-17 JP JP03483698A patent/JP3746369B2/ja not_active Expired - Fee Related
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