JP3746314B2 - Al系金属配線の形成方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はAl系金属配線の形成方法に関し、さらに詳しくは、形状制御性と選択性に優れ、パーティクル汚染やアフターコロージョンの低減されたAl系金属配線の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI等の半導体装置の内部配線や電極材料として、純Alや、各種マイグレーション耐性を高めるためAlに1〜2%のSiを添加したAl−Si合金、さらには0.5〜1%のCuを加えたAl−Si−Cu合金等のAl系金属が広く使用されている。またAl系金属層の上層および下層には、下地との密着性やバリア性を高めるため、Ti層やTiN層等のTi系材料層を配したり、露光光の反射を防止するTiON層を配した積層構造が多用されている。
【0003】
Al系金属層のパターニングは、蒸気圧の高いAlClx 系の反応生成物を形成するために、一般にCl系ガスによるプラズマエッチングが施される。例えば米国特許第4,256,534号明細書には、BCl3 /Cl2 混合ガスによるパターニング方法が開示されている。
【0004】
Al系金属層のプラズマエッチングにおいては、メインエッチャントはCl* (Clラジカル)であり、自発的かつ速やかなエッチング反応が進行する。このため、Cl* のみでは等方性の強いエッチングとなり、サイドエッチングが発生する。そこで通常は、ある程度被処理基板への垂直入射イオンエネルギを高めたプラズマエッチング条件の採用により、イオンアシスト反応を併用するとともに、入射イオンによりスパッタリングされたレジストマスクの分解生成物を側壁保護膜として利用することで、異方性エッチングを達成している。イオンアシスト反応の併用は、SiやCu等の合金成分や、Ti等の積層構造成分等、反応生成物の蒸気圧が小さい化合物をスパッタリングして除去し、残渣の発生を抑えるためにも必要である。混合ガス中のBCl3 は、Al系金属層の表面に存在する自然酸化膜のブレークスルーに用いる還元剤であるとともに、入射イオンとしてのBClx + を供給するという重要な役割を担っている。
【0005】
ところで、上述のようにレジストマスクのスパッタによる分解生成物を側壁保護膜として積極的に用いるイオンモードの異方性エッチングにおいては、必然的にレジストマスクや下地層間絶縁膜との選択比が低下する。BCl3 /Cl2 混合ガスによる典型的なAl系金属層のパターニングにおいては、対レジストマスク選択比はわずかに2程度である。かかる選択比の低さは、微細な配線パターンの加工においてレジストマスクとの寸法変換差や、異方性形状の劣化を招く原因となる。
【0006】
すなわち、レジストマスクとの低選択比をカバーする手段として、レジストマスクの厚膜化がまず考えられるが、特に高段差部分ではリソグラフィ時における露光光の焦点深度(DOF)の問題がある。また高段差部分ではレジストマスクのスピンコーティング時に塗布厚が薄膜化し、所期の膜厚が得られない等、単にレジストコーティング条件を厚膜化しただけでは充分な効果が期待できないのが実情である。
【0007】
また前述したバリアメタル層や反射防止膜構造の採用が問題を一層困難なものとしている。バリアメタル層や反射防止膜構造を採用したAl系金属配線においては、これらの難エッチング性材料層を含む積層構造をパターニングするため、Cl系ガスを用いイオンモードの強いエッチング条件を採用するので、エッチングレートが低下し、このためエッチングが長時間化することも耐レジストマスク選択比を低下する原因となる。
【0008】
一方、サブハーフミクロンクラスの高集積化した微細なデザインルールのもとでは、フォトリソグラフィにおける露光時の解像度を向上するためにも、レジストの塗布厚を低減することが要求される。しかも、露光波長の短波長化にともない、KrF等のエキシマレーザリソグラフィが採用されつつあるが、これらエキシマレーザリソグラフィ対応の化学増幅型レジストはイオン入射耐性が必ずしも充分でない。したがって、レジスト塗布厚低減による微細加工性の確保と、対レジストマスク選択比の確保とはトレードオフの関係にあり、特に段差下地上のAl系金属層のパターニングにおいて段差部の残渣を除去するオーバーエッチング工程では、レジストマスクの膜減りによるパターン変換差の問題は無視できないレベルとなっている。
【0009】
かかる問題に対処するために、従来よりレジストマスクの補強策として、レジストマスクの表面にイオン衝撃耐性の高い材料を形成する試みがなされている。例えば、エッチングガスとしてSiCl4 を用いて、レジストマスクの表面をSiで被覆する方法が第33回集積回路シンポジウム講演予稿集、p.114(1987)に報告されているが、被エッチング基板上へのSiの堆積によるパーティクルレベルの増加については未解決である。
【0010】
またBBr3 等のBr系ガスを用いるプロセスがProceedings of the 11th.Symposium on Dry Process、II−2、p.45(1989)、あるいは特開平1−30227号公報に報告ないしは開示されている。このプロセスは、レジストマスク表面を蒸気圧の小さい反応生成物CBrx で被覆してエッチング耐性を高めるものである。CBrx によるレジストマスク保護のメカニズムについては、月刊セミコンダクター・ワールド誌(プレスジャーナル社刊)1990年12月号、p.103〜107に詳述されており、対レジストマスク選択比として5の値が報告されている。しかしながら、かかるレベルの選択比を達成するにはCBrx を多量に堆積する必要があり、Al系金属配線のパターン変換差や、断面の過度のテーパ形状化の問題があり、さらに被処理基板やプラズマエッチング装置内部のパーティクルレベルを悪化させる虞れが大きい。さらに、段差を有する下地絶縁膜上のAl系金属層のパターニングにおいては、過剰の側壁保護膜の堆積等により段差側面の下部に延在するストリンガ残渣を発生し、配線間の短絡を生じる虞れがある。さらに本質的な問題として、バリアメタル層や反射防止膜構造のAl系金属層をパターニングするための高イオンエネルギ条件下では、充分な側壁保護効果を発揮できない。これは、2原子間の結合エネルギで比較すると、C−Brが280±21kJ/molであり、C−Clの397±29kJ/molやC−Cの607±2IkJ/molと比較して小さいことからも明らかである。なお2原子間の結合エネルギは、CRC Handbook of Chemistry and Physics,75st.Edition,1994(CRC Press)によった。
【0011】
これとは別に、レジストマスク構成元素である、C、HおよびOを含む化合物であるメタノールを添加し、Cl2 /CH3 OH混合ガスによりAl系金属層をプラズマエッチングする例が特開平4−147621号公報に開示されている。これはCH3 OHの添加により、レジストマスクの分解が相対的に少なくなることを利用し、選択比3.5〜4を達成するものである。しかし、BClx + 等質量の大きなイオン種のスパッタリング効果は期待できず、自然酸化膜の除去に難があり、このため実際にエッチングが始まる迄のinduction time(dead time)の長時間化やパターニングの均一性に問題があった。
【0012】
一方、Al系金属配線のパターニングに特有の現象として、アフターコロージョンの問題がある。アフターコロージョンの発生機構については、例えば月刊セミコンダクター・ワールド誌(プレスジャーナル社刊)1989年4月号、p.101−106に詳述されているが、その概要は以下の通りである。
【0013】
Al系金属層をCl系ガスでパターニングした後のAl系金属配線パターン近傍部には、エッチングの反応生成物であるAlClx やエッチングガスそのものの分解生成物が残留する。これらは被エッチング基板上に吸着するのみならず、レジストマスクの内部にも侵入する。AlClx やエッチングガスの分解生成物は大気に触れると水分を吸収し、電解質としてCl- を含む水滴となり、この水溶液中にAlが溶出し腐食が発生する。さらにレジストとCl系ガスとの反応生成物であるCClx は、側壁保護膜としてエッチングの異方性確保に重要であるが、この側壁保護膜中のClもエッチング終了後には有害な残留塩素となる。
【0014】
特に最近ではAl系金属配線へのCuの添加が一般化し、アフターコロージョンの問題が顕在化する傾向にある。これは、エッチング除去されるはずの反応生成物であるCuClx がその低い蒸気圧のためにAl系金属配線のパターン上に残留し、ここに水分が供給されると、Cl- を電解質とし、AlとCuを両極とする局部電池が形成されて腐食が加速されるからである。この機構は、Tiを含むバリアメタル層や反射防止層等の異種材料層との積層構造の採用においても同様である。このため、従来にも増して徹底したアフターコロージョン対策が望まれる。
【0015】
さらにレジストマスクの分解生成物による側壁保護膜中に含まれる残留塩素は、被処理基板が大気中の酸素と接触したり、O2 プラズマアッシングを施すとAl2 O3 系の強固な残渣となり、パターニングされたAl系金属配線側面上にフェンス状に残留して上層に形成する層間絶縁膜のステップカバレッジを低下する。またスクラブ洗浄等の手段により剥離した場合には、被処理基板上のパーティクルレベルを悪化する。このためにも過剰の側壁保護膜の形成は好ましいものではない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような技術的背景をふまえ、これらの問題点を解決することをその技術的課題とするものである。すなわち本発明の課題は、対エッチングマスク選択比が大きく、異方性に優れ、しかも過剰な側壁保護膜の堆積によるパーティクル汚染や寸法変換差、あるいは下地段差でのストリンガ残渣のないAl系金属層のプラズマエッチング方法を提供することである。
【0017】
本発明の別の課題は、Cu等難エッチング性の元素を含むAl系金属層や、Ti系材料層等異種材料との積層構造であっても、エッチング残渣やアフターコロージョンのないAl系金属層のプラズマエッチング方法を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のAl系金属層のパターニング方法は、上述の課題を解決するために提案するものであり、下地材料層上に形成されたAl系金属層を、レジストマスクをマスクにしてプラズマエッチングするAl系金属配線の形成方法において、エッチングガスにCl系ガスを用いるとともに、このエッチングガス中に、側壁保護膜に寄与する炭素系ポリマ強化用の化合物として、CS2およびC3S2のうちの少なくとも1種からなる硫化炭素を添加して、Al系金属層をプラズマエッチングすることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2記載のAl系金属層のパターニング方法は、下地材料層上に形成されたAl系金属層を、レジストマスクをマスクにしてプラズマエッチングするAl系金属配線の形成方法において、エッチングガスにCl系ガスを用いるとともに、このエッチングガス中に側壁保護膜に寄与する炭素系ポリマ強化用の化合物として硫化炭素を添加し、Cl系ガスと硫化炭素の流量比を4:1として、Al系金属層をプラズマエッチングすることを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明の請求項4記載のAl系金属層のパターニング方法は、下地材料層上に形成されたAl系金属層を、レジストマスクをマスクにしてプラズマエッチングするAl系金属配線の形成方法において、エッチングガスにCl系ガスを用いるとともに、このエッチングガス中に硫化炭素とN系ガスとを添加して、被エッチング基板を室温以下に制御しつつ、Al系金属層をプラズマエッチングすることを特徴とするものである。
【0020】
本発明のAl系金属配線のパターニング方法においては、プラズマエッチング終了後、被エッチング基板を加熱しつつ、F系ガスを含むガスによるプラズマ処理を施すことが望ましい。
【0021】
本発明で採用する硫化炭素または硫化炭素系化合物としては、CS2(bp=46.3℃)あるいはこれよりも蒸気圧が小さい化合物である、C3S2を例示できる。これらを単独または組み合わせて用いることが可能である。
【0022】
【作用】
本発明の第1のポイントは、CS2をはじめとする硫化炭素を含むエッチングガスを用いることにより、側壁保護膜として寄与する炭素系ポリマの膜質を強化し、その堆積量を減らしても充分な側壁保護効果を発揮して異方性加工を達成し、高い対レジストマスク選択比および対下地材料層選択比を達成する点、および側壁保護膜に取り込まれて残留する塩素量を低減してアフターコロージョン耐性を高める点にある。
【0023】
従来Cl系ガスによるAl系金属層のパターニングは、レジストマスクの分解生成物を主体とした、塩素成分を多量に含有する炭素系ポリマを側壁保護膜としていた。したがって、その膜質は弱く、異方性加工を達成するためには側壁保護膜の堆積量をある程度確保する必要があった。本発明で採用するCS2をはじめとする硫化炭素または硫化炭素系化合物は、その分解生成物を側壁保護膜として用いることにより、炭素系ポリマの構成元素に占める炭素原子の組成比を安定して増大させる作用を有する。これにより、側壁保護膜の膜質が増強され、入射イオンエネルギやラジカル攻撃に対する側壁保護膜の耐性を高めることができる。
【0024】
側壁保護膜として寄与する炭素系ポリマの膜質が強化されることにより、Al系金属配線の異方性加工に必要な入射イオンエネルギを低減することができ、対レジストマスクとの選択比を向上することができる。このことは、従来より薄いレジスト膜厚であっても充分に実用に耐えるレジストマスクが得られるということであり、加工寸法変換差の低減や、レジスト露光時における高解像度に寄与する。
【0025】
エッチング入射エネルギの低減は、層間絶縁膜等の下地材料層との選択比向上にも寄与し、下地材料層のスパッタリングによるAl系金属配線のパターン側面への再付着が減少する。したがって、再付着物に取り込まれる形で存在する残留塩素が低減され、アフターコロージョンを効果的に抑制することができる。
【0026】
さらに、側壁保護膜を構成する炭素系ポリマの膜質の向上により、異方性、選択性を確保するために必要な炭素系ポリマの堆積量を低減できるので、被エッチング基板はもとより、エッチングチャンバ内のパーティクルレベルを減少できる。さらに炭素系ポリマ中に取り込まれる形でエッチング後のパターン側面に残存する残留塩素も当然減少し、この面からもアフターコロージョン耐性が大きく向上する。
【0027】
本発明は上述した作用を基本とし、さらに一層の低汚染化とアフターコロージョン耐性の向上法をも提供する。本発明の第2のポイントは、塩素含有量の少ない炭素系ポリマの堆積に加え、ポリチアジル(SN)n の堆積をも側壁保護膜に用い、その膜質を一層強固なものとすることである。
【0028】
硫化炭素系化合物は、放電解離によりプラズマ中に遊離のイオウを放出し、同じくN系ガスの解離により生じる原子状窒素と反応してチアジル(SN)を生成する。チアジルは、酸素類似体化合物である一酸化窒素(NO)の分子構造から類推されるように不対電子を有しており、プラズマ中で容易に重合して(SN)n を生成する。このポリチアジルは、室温以下に制御されている被エッチング基板上に堆積し、イオン入射の少ないパターン側面に残留し、膜質の強化された炭素系ポリマとともに、さらに強固な側壁保護膜を形成する。ポリチアジルは、減圧雰囲気中では被エッチング基板が約130℃以下であれば堆積することが可能であるが、安定した堆積のためには被エッチング基板を室温以下、さらに好ましくは、0℃程度あるいはそれ以下に制御することが望ましい。ただし−数十℃におよぶ極低温は、エッチングレートが低減するなど好ましくない。
【0029】
この複合強化された側壁保護膜により、異方性加工に必要な入射イオンエネルギを一層低減でき、選択比の向上および低ダメージ化を徹底することが可能となる。また、ポリチアジルの寄与により炭素系ポリマの堆積量を低減することが可能となるので、パーティクル汚染やアフターコロージョンの発生をより軽減することができる。
【0030】
プラズマエッチング終了後、被エッチング基板上に残留したポリチアジルは、被エッチング基板を加熱することにより昇華除去されるので、残渣として残ることはなく、コンタミネーションやパーティクル汚染源となる虞れは無い。ポリチアジルの昇華温度は減圧雰囲気中約130℃以上である。またポリチアジルはレジストマスクのアッシング工程でレジストマスクと同時に酸化除去することも可能である。
【0031】
本願の第3のポイントは、Al系金属層のプラズマエッチング終了後、被エッチング基板を加熱しながら、F系ガスを含むガスによりプラズマ処理を施し、アフターコロージョンの防止を徹底する点にある。このプラズマ処理により、プラズマエッチング後のAl系金属配線に付着または近傍に残留している塩素がフッ素に置換される。またプラズマの輻射熱や基板ステージからの加熱により、側壁保護膜中に結合ないしは吸蔵されている塩素が脱離される。したがって、基本的に側壁保護膜の堆積量が少ないプラズマエッチングプロセスの採用と相俟って、Al系金属配線のアフターコロージョンを完全に防止することが可能となる。
【0032】
【実施例】
以下、本発明の具体的実施例につき、図面を参照して説明する。
【0033】
実施例1
本実施例は、バリアメタル層、Al系金属層および反射防止層がこの順に積層されたAl系多層膜を、CS2 を含むエッチングガスを用いてプラズマエッチングした例であり、このプロセスを図1(a)〜(c)を参照して説明する。
【0034】
まず図1(a)に示すように、SiO2 からなる層間絶縁膜1上にTi層2、TiN層3からなるバリアメタル層4、Al−1%Si−0.5%CuからなるAl系金属層5、TiON層からなる反射防止層6を順次スパッタリング等により形成し、さらにレジストマスク8がパターニングされた被エッチング基板を準備する。
ここで各層の厚さは一例としてTi層2が30nm、TiN層3が70nm、Al系金属層5が400nmそして反射防止層6が100nmであり、これらの各層でAl系多層膜7を構成している。またレジストマスク8は、化学増幅型レジストとKrFエキシマレーザリソグラフィにより、0.25nm幅にパターニングしたものである。
【0035】
この被エッチング基板を基板バイアス印加型有磁場マイクロ波プラズマエッチング装置の基板ステージ上にセットし、一例として下記条件でAl系金属層を含むAl系多層膜のプラズマエッチングする。
CS2 30 sccm
Cl2 40 sccm
BCl3 80 sccm
ガス圧力 2 Pa
マイクロ波パワー 900 W(2.45GHz)
RFバイアスパワー 30 W(2.0MHz)
被エッチング基板温度 常温
本プラズマエッチング条件におけるRFバイアスパワーは、通常のエッチング条件より低減されたものである。このプラズマエッチング工程においては、ECRプラズマ中でCl2 とBCl3 から生成するCl* を主エッチング種とするラジカル反応が、Clx + やBClx + イオンの入射エネルギにアシストされる機構でエッチングが進行し、Al系多層膜7は反応生成物AlClx 、TiClx の形で除去された。これと同時に、レジストマスク8の分解生成物に由来するCClx が生成し、CS2 から解離生成した遊離のCやSが構造中に取り込まれたカーボンリッチで強固な炭素系ポリマが被エッチング基板上に堆積する。この炭素系ポリマは生成量そのものは従来プロセスより多くはないが、パターン側面に堆積して薄い側壁保護膜9を形成し、高いエッチング耐性を示して異方性加工に寄与し、良好な異方性形状を有するAl系金属配線が形成された。Al系金属層5のエッチングレートは1.0μm/分、対レジストマスク選択比は約4であった。エッチング終了後の状態を図1(b)に示す。
【0036】
この後、被エッチング基板をエッチング装置に付属のプラズマアッシング装置に搬送し、常法に準拠してO2 プラズマアッシングを施し、レジストマスク8と側壁保護膜9を除去した。アッシング終了後のAl系金属配線の状態を図1(c)に示す。
【0037】
本実施例によれば、Al系金属層を硫化炭素化合物を含むエッチングガスでプラズマエッチングすることにより、強固な側壁保護膜が形成され、RFバイアスパワーの低減にもかかわらず、異方性形状が得られる。また側壁保護膜内の残留塩素の低減と、下地層間絶縁膜のスパッタリングによる再付着物が防止されることにより、アフターコロージョンは効果的に抑制される。また炭素系ポリマの生成量が少ないので、被エッチング基板の処理枚数を重ねてもチャンバ内のパーティクルレベルが悪化することがない。
【0038】
実施例2
本実施例は、実施例1と同じAl系多層膜をCS2 とN2 を含むエッチングガスを用いるとともに、被エッチング基板を室温以下に制御してプラズマエッチングした例であり、このプロセスを同じく図1(a)〜(c)を参照して説明する。
【0039】
図1(a)に示す被エッチング基板は、前実施例と同様の構成であるので、重複する説明を省略する。この被エッチング基板を基板バイアス印加型有磁場マイクロ波プラズマエッチング装置の基板ステージ上にセットし、一例として下記条件でAl系金属層を含むAl系多層膜のプラズマエッチングする。この基板ステージは、エッチング装置に付属のチラーからエタノール系冷媒を循環することにより被エッチング基板を冷却することができるものである。
CS2 30 sccm
Cl2 60 sccm
N2 30 sccm
ガス圧力 2 Pa
マイクロ波パワー 900 W(2.45GHz)
RFバイアスパワー 15 W(2.0MHz)
被エッチング基板温度 0 ℃
本プラズマエッチング条件におけるRFバイアスパワーは、実施例1のエッチング条件におけるRFバイアスパワーよりさらに低減されたものである。このプラズマエッチング工程においては、塩素含有量の少ない炭素系ポリマの他に、ポリチアジルが被エッチング基板上に堆積し、強固な側壁保護膜9を形成する。この側壁保護膜9は、高いエッチング耐性を示して異方性加工に寄与し、良好な異方性形状を有するAl系金属配線が形成された。Al系金属層5のエッチングレートは0.9μm/分となったが、対レジストマスク選択比は約6に向上した。エッチング終了後の状態を図1(b)に示す。
【0040】
この後、被エッチング基板をエッチング装置に付属のプラズマアッシング装置の搬送し、常法に準拠してO2 プラズマアッシングを施し、レジストマスク8と側壁保護膜9を除去した。アッシング終了後の状態を図1(c)に示す。
【0041】
本実施例によれば、Al系金属層を硫化炭素化合物とN系ガスとを含むエッチングガスでプラズマエッチングすることにより、ポリチアジルを含む強固な側壁保護膜が形成され、RFバイアスパワーの一層の低減にもかかわらず、良好な異方性形状が得られる。レジストマスクのエッジの後退もなく、パターン変換差は認められなかった。またポリチアジルの堆積分だけ、炭素系ポリマの堆積を減少でき、この分側壁保護膜内の残留塩素の低減が図れたこと、および下地層間絶縁膜のスパッタリングによる再付着物が一層減少したことにより、アフターコロージョンは大幅に抑制される。また炭素系ポリマの生成量が極めて少ないので、被エッチング基板の処理枚数を重ねても、チャンバ内のパーティクルレベルが悪化することがない。
【0042】
実施例3
本実施例は、Al系多層膜を実施例2と同じCS2 とN2 を含むエッチングガスを用いるとともに、被エッチング基板を室温以下に制御してプラズマエッチングした後、F系ガスを含むガスでプラズマ処理を施した例であり、このプロセスを図2(a)〜(d)を参照して説明する。
【0043】
図2(a)に示す被エッチング基板は、前実施例における図1(a)と同様の構成であるので、重複する説明を省略する。この被エッチング基板を基板バイアス印加型有磁場マイクロ波プラズマエッチング装置の基板ステージ上にセットし、一例として下記条件でAl系金属層を含むAl系多層膜のプラズマエッチングする。この基板ステージも、エッチング装置に付属のチラーからエタノール系冷媒を循環することにより被エッチング基板を冷却することができるものである。
CS2 20 sccm
BCl3 80 sccm
N2 20 sccm
ガス圧力 2 Pa
マイクロ波パワー 900 W(2.45GHz)
RFバイアスパワー 15 W(2.0MHz)
被エッチング基板温度 10 ℃
本プラズマエッチング工程におけるエッチングの機構は、前実施例2のエッチング機構に準拠するものである。エッチング終了後の状態を図1(b)に示す。
【0044】
この後、被エッチング基板をエッチング装置に付属のプラズマアッシング装置の搬送し、一例として下記条件でプラズマ処理を施した。
CF4 100 sccm
O2 50 sccm
ガス圧力 10 Pa
マイクロ波パワー 900 W(2.45GHz)
RFバイアスパワー 0 W
被エッチング基板温度 100 ℃
本プラズマ処理により、炭素系ポリマとポリチアジルを含む側壁保護膜9は速やかに除去される。この除去の機構は、炭素系ポリマに関してはO* による酸化燃焼および含有塩素のフッ素置換による蒸気圧の上昇等であり、ポリチアジルに関しては被エッチング基板加熱による昇華およびO* による酸化燃焼等である。なお、このプラズマ処理によりレジストマスク8に吸蔵ないしは結合して残留していた塩素もフッ素に置換される。この状態を図1(c)に示す。
【0045】
続けて、同じアッシング装置内で常法に準拠してO2 プラズマアッシングを施し、レジストマスク8を除去したところ、アッシング残渣のない良好なAl系金属配線が形成された。アッシング終了後の状態を図1(d)に示す。
【0046】
本実施例によれば、実施例2の効果に加え、特にアフターコロージョン低減の効果が徹底される。図1(d)の状態のAl系金属配線を、パシベーション膜なしに大気中に放置したところ、72時間後にもアフターコロージョンの発生は認められなかった。
【0047】
以上、本発明を3例の実施例により説明したが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。製造プロセス条件の数値や構成材料等も、好ましい一例を例示したものであり、各種の変更が可能である。
【0048】
例えば、Al系金属層としてAl−1%Si−0.5%Cuを例示したが、Al−SiやAl−Ti合金や純Alであってもよい。Al系多層膜を構成するバリアメタル層や反射防止膜の構成も、上記構成に限定されることはない。近年各種マイグレーション対策とし採用されているAl/W積層配線に適用してもよい。
【0049】
硫化炭素または硫化炭素系化合物として、CS2の他にC3S2も使用できる。C3S2はCS2より蒸気圧が小さいので、バブラを加熱しながらHe等でバブリングして用いればよい。エッチングチャンバへの導入配管中での露結を防止するため、配管加熱は必要である。
【0050】
F系ガスとしては実施例で例示したCF4 の他にC2 F6 、C3 F8 等他のF原子を有する化合物を使用できる。その他、添加ガスとしてHe、Ar等希ガスを用いればスパッタリング、冷却、希釈および放電の安定性等の各効果が得られる。
【0051】
さらに、使用するエッチング装置、エッチング条件、被エッチング基板の構成等は適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のAl系金属配線の形成方法によれば、側壁保護膜の強化により、薄い側壁保護膜であっても異方性形状、エッチング選択比、低パーティクル汚染および低アフターコロージョンの諸要求を同時に満たす形成方法が可能となる。
すなわち、請求項1の発明によれば、カーボンリッチな炭素系ポリマを側壁保護膜に採用することにより、側壁保護膜の膜質を強化し、上記効果を得ることが可能となる。
また請求項4、5の発明によれば、カーボンリッチな炭素系ポリマに加え、ポリチアジルをも側壁保護膜として利用できるので、上記効果を徹底できる。
さらに、請求項6の発明によれば、上記効果に加え、特にアフターコロージョンの低減に卓越した効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施例1および2の工程を説明する概略断面図であり、(a)は層間絶縁膜上にバリアメタル層、Al系金属層、反射防止層およびレジストマスクを形状した状態、(b)は側壁保護膜を形成しつつAl系金属配線をパターニングした状態、(c)はレジストマスクおよび側壁保護膜をアッシング除去した状態である。
【図2】本発明を適用した実施例3の工程を説明する概略断面図であり、(a)は層間絶縁膜上にバリアメタル層、Al系金属層、反射防止層およびレジストマスクを形状した状態、(b)は側壁保護膜を形成しつつAl系金属配線をパターニングした状態、(c)はプラズマ処理を施した状態、そして(d)はレジストマスクをアッシング除去した状態である。
【符号の説明】
1 半導体基板
2 Ti層
3 TiN層
4 バリアメタル層
5 Al系金属層
6 反射防止層
7 Al系多層膜
8 レジストマスク
9 側壁保護膜
【産業上の利用分野】
本発明はAl系金属配線の形成方法に関し、さらに詳しくは、形状制御性と選択性に優れ、パーティクル汚染やアフターコロージョンの低減されたAl系金属配線の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI等の半導体装置の内部配線や電極材料として、純Alや、各種マイグレーション耐性を高めるためAlに1〜2%のSiを添加したAl−Si合金、さらには0.5〜1%のCuを加えたAl−Si−Cu合金等のAl系金属が広く使用されている。またAl系金属層の上層および下層には、下地との密着性やバリア性を高めるため、Ti層やTiN層等のTi系材料層を配したり、露光光の反射を防止するTiON層を配した積層構造が多用されている。
【0003】
Al系金属層のパターニングは、蒸気圧の高いAlClx 系の反応生成物を形成するために、一般にCl系ガスによるプラズマエッチングが施される。例えば米国特許第4,256,534号明細書には、BCl3 /Cl2 混合ガスによるパターニング方法が開示されている。
【0004】
Al系金属層のプラズマエッチングにおいては、メインエッチャントはCl* (Clラジカル)であり、自発的かつ速やかなエッチング反応が進行する。このため、Cl* のみでは等方性の強いエッチングとなり、サイドエッチングが発生する。そこで通常は、ある程度被処理基板への垂直入射イオンエネルギを高めたプラズマエッチング条件の採用により、イオンアシスト反応を併用するとともに、入射イオンによりスパッタリングされたレジストマスクの分解生成物を側壁保護膜として利用することで、異方性エッチングを達成している。イオンアシスト反応の併用は、SiやCu等の合金成分や、Ti等の積層構造成分等、反応生成物の蒸気圧が小さい化合物をスパッタリングして除去し、残渣の発生を抑えるためにも必要である。混合ガス中のBCl3 は、Al系金属層の表面に存在する自然酸化膜のブレークスルーに用いる還元剤であるとともに、入射イオンとしてのBClx + を供給するという重要な役割を担っている。
【0005】
ところで、上述のようにレジストマスクのスパッタによる分解生成物を側壁保護膜として積極的に用いるイオンモードの異方性エッチングにおいては、必然的にレジストマスクや下地層間絶縁膜との選択比が低下する。BCl3 /Cl2 混合ガスによる典型的なAl系金属層のパターニングにおいては、対レジストマスク選択比はわずかに2程度である。かかる選択比の低さは、微細な配線パターンの加工においてレジストマスクとの寸法変換差や、異方性形状の劣化を招く原因となる。
【0006】
すなわち、レジストマスクとの低選択比をカバーする手段として、レジストマスクの厚膜化がまず考えられるが、特に高段差部分ではリソグラフィ時における露光光の焦点深度(DOF)の問題がある。また高段差部分ではレジストマスクのスピンコーティング時に塗布厚が薄膜化し、所期の膜厚が得られない等、単にレジストコーティング条件を厚膜化しただけでは充分な効果が期待できないのが実情である。
【0007】
また前述したバリアメタル層や反射防止膜構造の採用が問題を一層困難なものとしている。バリアメタル層や反射防止膜構造を採用したAl系金属配線においては、これらの難エッチング性材料層を含む積層構造をパターニングするため、Cl系ガスを用いイオンモードの強いエッチング条件を採用するので、エッチングレートが低下し、このためエッチングが長時間化することも耐レジストマスク選択比を低下する原因となる。
【0008】
一方、サブハーフミクロンクラスの高集積化した微細なデザインルールのもとでは、フォトリソグラフィにおける露光時の解像度を向上するためにも、レジストの塗布厚を低減することが要求される。しかも、露光波長の短波長化にともない、KrF等のエキシマレーザリソグラフィが採用されつつあるが、これらエキシマレーザリソグラフィ対応の化学増幅型レジストはイオン入射耐性が必ずしも充分でない。したがって、レジスト塗布厚低減による微細加工性の確保と、対レジストマスク選択比の確保とはトレードオフの関係にあり、特に段差下地上のAl系金属層のパターニングにおいて段差部の残渣を除去するオーバーエッチング工程では、レジストマスクの膜減りによるパターン変換差の問題は無視できないレベルとなっている。
【0009】
かかる問題に対処するために、従来よりレジストマスクの補強策として、レジストマスクの表面にイオン衝撃耐性の高い材料を形成する試みがなされている。例えば、エッチングガスとしてSiCl4 を用いて、レジストマスクの表面をSiで被覆する方法が第33回集積回路シンポジウム講演予稿集、p.114(1987)に報告されているが、被エッチング基板上へのSiの堆積によるパーティクルレベルの増加については未解決である。
【0010】
またBBr3 等のBr系ガスを用いるプロセスがProceedings of the 11th.Symposium on Dry Process、II−2、p.45(1989)、あるいは特開平1−30227号公報に報告ないしは開示されている。このプロセスは、レジストマスク表面を蒸気圧の小さい反応生成物CBrx で被覆してエッチング耐性を高めるものである。CBrx によるレジストマスク保護のメカニズムについては、月刊セミコンダクター・ワールド誌(プレスジャーナル社刊)1990年12月号、p.103〜107に詳述されており、対レジストマスク選択比として5の値が報告されている。しかしながら、かかるレベルの選択比を達成するにはCBrx を多量に堆積する必要があり、Al系金属配線のパターン変換差や、断面の過度のテーパ形状化の問題があり、さらに被処理基板やプラズマエッチング装置内部のパーティクルレベルを悪化させる虞れが大きい。さらに、段差を有する下地絶縁膜上のAl系金属層のパターニングにおいては、過剰の側壁保護膜の堆積等により段差側面の下部に延在するストリンガ残渣を発生し、配線間の短絡を生じる虞れがある。さらに本質的な問題として、バリアメタル層や反射防止膜構造のAl系金属層をパターニングするための高イオンエネルギ条件下では、充分な側壁保護効果を発揮できない。これは、2原子間の結合エネルギで比較すると、C−Brが280±21kJ/molであり、C−Clの397±29kJ/molやC−Cの607±2IkJ/molと比較して小さいことからも明らかである。なお2原子間の結合エネルギは、CRC Handbook of Chemistry and Physics,75st.Edition,1994(CRC Press)によった。
【0011】
これとは別に、レジストマスク構成元素である、C、HおよびOを含む化合物であるメタノールを添加し、Cl2 /CH3 OH混合ガスによりAl系金属層をプラズマエッチングする例が特開平4−147621号公報に開示されている。これはCH3 OHの添加により、レジストマスクの分解が相対的に少なくなることを利用し、選択比3.5〜4を達成するものである。しかし、BClx + 等質量の大きなイオン種のスパッタリング効果は期待できず、自然酸化膜の除去に難があり、このため実際にエッチングが始まる迄のinduction time(dead time)の長時間化やパターニングの均一性に問題があった。
【0012】
一方、Al系金属配線のパターニングに特有の現象として、アフターコロージョンの問題がある。アフターコロージョンの発生機構については、例えば月刊セミコンダクター・ワールド誌(プレスジャーナル社刊)1989年4月号、p.101−106に詳述されているが、その概要は以下の通りである。
【0013】
Al系金属層をCl系ガスでパターニングした後のAl系金属配線パターン近傍部には、エッチングの反応生成物であるAlClx やエッチングガスそのものの分解生成物が残留する。これらは被エッチング基板上に吸着するのみならず、レジストマスクの内部にも侵入する。AlClx やエッチングガスの分解生成物は大気に触れると水分を吸収し、電解質としてCl- を含む水滴となり、この水溶液中にAlが溶出し腐食が発生する。さらにレジストとCl系ガスとの反応生成物であるCClx は、側壁保護膜としてエッチングの異方性確保に重要であるが、この側壁保護膜中のClもエッチング終了後には有害な残留塩素となる。
【0014】
特に最近ではAl系金属配線へのCuの添加が一般化し、アフターコロージョンの問題が顕在化する傾向にある。これは、エッチング除去されるはずの反応生成物であるCuClx がその低い蒸気圧のためにAl系金属配線のパターン上に残留し、ここに水分が供給されると、Cl- を電解質とし、AlとCuを両極とする局部電池が形成されて腐食が加速されるからである。この機構は、Tiを含むバリアメタル層や反射防止層等の異種材料層との積層構造の採用においても同様である。このため、従来にも増して徹底したアフターコロージョン対策が望まれる。
【0015】
さらにレジストマスクの分解生成物による側壁保護膜中に含まれる残留塩素は、被処理基板が大気中の酸素と接触したり、O2 プラズマアッシングを施すとAl2 O3 系の強固な残渣となり、パターニングされたAl系金属配線側面上にフェンス状に残留して上層に形成する層間絶縁膜のステップカバレッジを低下する。またスクラブ洗浄等の手段により剥離した場合には、被処理基板上のパーティクルレベルを悪化する。このためにも過剰の側壁保護膜の形成は好ましいものではない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような技術的背景をふまえ、これらの問題点を解決することをその技術的課題とするものである。すなわち本発明の課題は、対エッチングマスク選択比が大きく、異方性に優れ、しかも過剰な側壁保護膜の堆積によるパーティクル汚染や寸法変換差、あるいは下地段差でのストリンガ残渣のないAl系金属層のプラズマエッチング方法を提供することである。
【0017】
本発明の別の課題は、Cu等難エッチング性の元素を含むAl系金属層や、Ti系材料層等異種材料との積層構造であっても、エッチング残渣やアフターコロージョンのないAl系金属層のプラズマエッチング方法を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のAl系金属層のパターニング方法は、上述の課題を解決するために提案するものであり、下地材料層上に形成されたAl系金属層を、レジストマスクをマスクにしてプラズマエッチングするAl系金属配線の形成方法において、エッチングガスにCl系ガスを用いるとともに、このエッチングガス中に、側壁保護膜に寄与する炭素系ポリマ強化用の化合物として、CS2およびC3S2のうちの少なくとも1種からなる硫化炭素を添加して、Al系金属層をプラズマエッチングすることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2記載のAl系金属層のパターニング方法は、下地材料層上に形成されたAl系金属層を、レジストマスクをマスクにしてプラズマエッチングするAl系金属配線の形成方法において、エッチングガスにCl系ガスを用いるとともに、このエッチングガス中に側壁保護膜に寄与する炭素系ポリマ強化用の化合物として硫化炭素を添加し、Cl系ガスと硫化炭素の流量比を4:1として、Al系金属層をプラズマエッチングすることを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明の請求項4記載のAl系金属層のパターニング方法は、下地材料層上に形成されたAl系金属層を、レジストマスクをマスクにしてプラズマエッチングするAl系金属配線の形成方法において、エッチングガスにCl系ガスを用いるとともに、このエッチングガス中に硫化炭素とN系ガスとを添加して、被エッチング基板を室温以下に制御しつつ、Al系金属層をプラズマエッチングすることを特徴とするものである。
【0020】
本発明のAl系金属配線のパターニング方法においては、プラズマエッチング終了後、被エッチング基板を加熱しつつ、F系ガスを含むガスによるプラズマ処理を施すことが望ましい。
【0021】
本発明で採用する硫化炭素または硫化炭素系化合物としては、CS2(bp=46.3℃)あるいはこれよりも蒸気圧が小さい化合物である、C3S2を例示できる。これらを単独または組み合わせて用いることが可能である。
【0022】
【作用】
本発明の第1のポイントは、CS2をはじめとする硫化炭素を含むエッチングガスを用いることにより、側壁保護膜として寄与する炭素系ポリマの膜質を強化し、その堆積量を減らしても充分な側壁保護効果を発揮して異方性加工を達成し、高い対レジストマスク選択比および対下地材料層選択比を達成する点、および側壁保護膜に取り込まれて残留する塩素量を低減してアフターコロージョン耐性を高める点にある。
【0023】
従来Cl系ガスによるAl系金属層のパターニングは、レジストマスクの分解生成物を主体とした、塩素成分を多量に含有する炭素系ポリマを側壁保護膜としていた。したがって、その膜質は弱く、異方性加工を達成するためには側壁保護膜の堆積量をある程度確保する必要があった。本発明で採用するCS2をはじめとする硫化炭素または硫化炭素系化合物は、その分解生成物を側壁保護膜として用いることにより、炭素系ポリマの構成元素に占める炭素原子の組成比を安定して増大させる作用を有する。これにより、側壁保護膜の膜質が増強され、入射イオンエネルギやラジカル攻撃に対する側壁保護膜の耐性を高めることができる。
【0024】
側壁保護膜として寄与する炭素系ポリマの膜質が強化されることにより、Al系金属配線の異方性加工に必要な入射イオンエネルギを低減することができ、対レジストマスクとの選択比を向上することができる。このことは、従来より薄いレジスト膜厚であっても充分に実用に耐えるレジストマスクが得られるということであり、加工寸法変換差の低減や、レジスト露光時における高解像度に寄与する。
【0025】
エッチング入射エネルギの低減は、層間絶縁膜等の下地材料層との選択比向上にも寄与し、下地材料層のスパッタリングによるAl系金属配線のパターン側面への再付着が減少する。したがって、再付着物に取り込まれる形で存在する残留塩素が低減され、アフターコロージョンを効果的に抑制することができる。
【0026】
さらに、側壁保護膜を構成する炭素系ポリマの膜質の向上により、異方性、選択性を確保するために必要な炭素系ポリマの堆積量を低減できるので、被エッチング基板はもとより、エッチングチャンバ内のパーティクルレベルを減少できる。さらに炭素系ポリマ中に取り込まれる形でエッチング後のパターン側面に残存する残留塩素も当然減少し、この面からもアフターコロージョン耐性が大きく向上する。
【0027】
本発明は上述した作用を基本とし、さらに一層の低汚染化とアフターコロージョン耐性の向上法をも提供する。本発明の第2のポイントは、塩素含有量の少ない炭素系ポリマの堆積に加え、ポリチアジル(SN)n の堆積をも側壁保護膜に用い、その膜質を一層強固なものとすることである。
【0028】
硫化炭素系化合物は、放電解離によりプラズマ中に遊離のイオウを放出し、同じくN系ガスの解離により生じる原子状窒素と反応してチアジル(SN)を生成する。チアジルは、酸素類似体化合物である一酸化窒素(NO)の分子構造から類推されるように不対電子を有しており、プラズマ中で容易に重合して(SN)n を生成する。このポリチアジルは、室温以下に制御されている被エッチング基板上に堆積し、イオン入射の少ないパターン側面に残留し、膜質の強化された炭素系ポリマとともに、さらに強固な側壁保護膜を形成する。ポリチアジルは、減圧雰囲気中では被エッチング基板が約130℃以下であれば堆積することが可能であるが、安定した堆積のためには被エッチング基板を室温以下、さらに好ましくは、0℃程度あるいはそれ以下に制御することが望ましい。ただし−数十℃におよぶ極低温は、エッチングレートが低減するなど好ましくない。
【0029】
この複合強化された側壁保護膜により、異方性加工に必要な入射イオンエネルギを一層低減でき、選択比の向上および低ダメージ化を徹底することが可能となる。また、ポリチアジルの寄与により炭素系ポリマの堆積量を低減することが可能となるので、パーティクル汚染やアフターコロージョンの発生をより軽減することができる。
【0030】
プラズマエッチング終了後、被エッチング基板上に残留したポリチアジルは、被エッチング基板を加熱することにより昇華除去されるので、残渣として残ることはなく、コンタミネーションやパーティクル汚染源となる虞れは無い。ポリチアジルの昇華温度は減圧雰囲気中約130℃以上である。またポリチアジルはレジストマスクのアッシング工程でレジストマスクと同時に酸化除去することも可能である。
【0031】
本願の第3のポイントは、Al系金属層のプラズマエッチング終了後、被エッチング基板を加熱しながら、F系ガスを含むガスによりプラズマ処理を施し、アフターコロージョンの防止を徹底する点にある。このプラズマ処理により、プラズマエッチング後のAl系金属配線に付着または近傍に残留している塩素がフッ素に置換される。またプラズマの輻射熱や基板ステージからの加熱により、側壁保護膜中に結合ないしは吸蔵されている塩素が脱離される。したがって、基本的に側壁保護膜の堆積量が少ないプラズマエッチングプロセスの採用と相俟って、Al系金属配線のアフターコロージョンを完全に防止することが可能となる。
【0032】
【実施例】
以下、本発明の具体的実施例につき、図面を参照して説明する。
【0033】
実施例1
本実施例は、バリアメタル層、Al系金属層および反射防止層がこの順に積層されたAl系多層膜を、CS2 を含むエッチングガスを用いてプラズマエッチングした例であり、このプロセスを図1(a)〜(c)を参照して説明する。
【0034】
まず図1(a)に示すように、SiO2 からなる層間絶縁膜1上にTi層2、TiN層3からなるバリアメタル層4、Al−1%Si−0.5%CuからなるAl系金属層5、TiON層からなる反射防止層6を順次スパッタリング等により形成し、さらにレジストマスク8がパターニングされた被エッチング基板を準備する。
ここで各層の厚さは一例としてTi層2が30nm、TiN層3が70nm、Al系金属層5が400nmそして反射防止層6が100nmであり、これらの各層でAl系多層膜7を構成している。またレジストマスク8は、化学増幅型レジストとKrFエキシマレーザリソグラフィにより、0.25nm幅にパターニングしたものである。
【0035】
この被エッチング基板を基板バイアス印加型有磁場マイクロ波プラズマエッチング装置の基板ステージ上にセットし、一例として下記条件でAl系金属層を含むAl系多層膜のプラズマエッチングする。
CS2 30 sccm
Cl2 40 sccm
BCl3 80 sccm
ガス圧力 2 Pa
マイクロ波パワー 900 W(2.45GHz)
RFバイアスパワー 30 W(2.0MHz)
被エッチング基板温度 常温
本プラズマエッチング条件におけるRFバイアスパワーは、通常のエッチング条件より低減されたものである。このプラズマエッチング工程においては、ECRプラズマ中でCl2 とBCl3 から生成するCl* を主エッチング種とするラジカル反応が、Clx + やBClx + イオンの入射エネルギにアシストされる機構でエッチングが進行し、Al系多層膜7は反応生成物AlClx 、TiClx の形で除去された。これと同時に、レジストマスク8の分解生成物に由来するCClx が生成し、CS2 から解離生成した遊離のCやSが構造中に取り込まれたカーボンリッチで強固な炭素系ポリマが被エッチング基板上に堆積する。この炭素系ポリマは生成量そのものは従来プロセスより多くはないが、パターン側面に堆積して薄い側壁保護膜9を形成し、高いエッチング耐性を示して異方性加工に寄与し、良好な異方性形状を有するAl系金属配線が形成された。Al系金属層5のエッチングレートは1.0μm/分、対レジストマスク選択比は約4であった。エッチング終了後の状態を図1(b)に示す。
【0036】
この後、被エッチング基板をエッチング装置に付属のプラズマアッシング装置に搬送し、常法に準拠してO2 プラズマアッシングを施し、レジストマスク8と側壁保護膜9を除去した。アッシング終了後のAl系金属配線の状態を図1(c)に示す。
【0037】
本実施例によれば、Al系金属層を硫化炭素化合物を含むエッチングガスでプラズマエッチングすることにより、強固な側壁保護膜が形成され、RFバイアスパワーの低減にもかかわらず、異方性形状が得られる。また側壁保護膜内の残留塩素の低減と、下地層間絶縁膜のスパッタリングによる再付着物が防止されることにより、アフターコロージョンは効果的に抑制される。また炭素系ポリマの生成量が少ないので、被エッチング基板の処理枚数を重ねてもチャンバ内のパーティクルレベルが悪化することがない。
【0038】
実施例2
本実施例は、実施例1と同じAl系多層膜をCS2 とN2 を含むエッチングガスを用いるとともに、被エッチング基板を室温以下に制御してプラズマエッチングした例であり、このプロセスを同じく図1(a)〜(c)を参照して説明する。
【0039】
図1(a)に示す被エッチング基板は、前実施例と同様の構成であるので、重複する説明を省略する。この被エッチング基板を基板バイアス印加型有磁場マイクロ波プラズマエッチング装置の基板ステージ上にセットし、一例として下記条件でAl系金属層を含むAl系多層膜のプラズマエッチングする。この基板ステージは、エッチング装置に付属のチラーからエタノール系冷媒を循環することにより被エッチング基板を冷却することができるものである。
CS2 30 sccm
Cl2 60 sccm
N2 30 sccm
ガス圧力 2 Pa
マイクロ波パワー 900 W(2.45GHz)
RFバイアスパワー 15 W(2.0MHz)
被エッチング基板温度 0 ℃
本プラズマエッチング条件におけるRFバイアスパワーは、実施例1のエッチング条件におけるRFバイアスパワーよりさらに低減されたものである。このプラズマエッチング工程においては、塩素含有量の少ない炭素系ポリマの他に、ポリチアジルが被エッチング基板上に堆積し、強固な側壁保護膜9を形成する。この側壁保護膜9は、高いエッチング耐性を示して異方性加工に寄与し、良好な異方性形状を有するAl系金属配線が形成された。Al系金属層5のエッチングレートは0.9μm/分となったが、対レジストマスク選択比は約6に向上した。エッチング終了後の状態を図1(b)に示す。
【0040】
この後、被エッチング基板をエッチング装置に付属のプラズマアッシング装置の搬送し、常法に準拠してO2 プラズマアッシングを施し、レジストマスク8と側壁保護膜9を除去した。アッシング終了後の状態を図1(c)に示す。
【0041】
本実施例によれば、Al系金属層を硫化炭素化合物とN系ガスとを含むエッチングガスでプラズマエッチングすることにより、ポリチアジルを含む強固な側壁保護膜が形成され、RFバイアスパワーの一層の低減にもかかわらず、良好な異方性形状が得られる。レジストマスクのエッジの後退もなく、パターン変換差は認められなかった。またポリチアジルの堆積分だけ、炭素系ポリマの堆積を減少でき、この分側壁保護膜内の残留塩素の低減が図れたこと、および下地層間絶縁膜のスパッタリングによる再付着物が一層減少したことにより、アフターコロージョンは大幅に抑制される。また炭素系ポリマの生成量が極めて少ないので、被エッチング基板の処理枚数を重ねても、チャンバ内のパーティクルレベルが悪化することがない。
【0042】
実施例3
本実施例は、Al系多層膜を実施例2と同じCS2 とN2 を含むエッチングガスを用いるとともに、被エッチング基板を室温以下に制御してプラズマエッチングした後、F系ガスを含むガスでプラズマ処理を施した例であり、このプロセスを図2(a)〜(d)を参照して説明する。
【0043】
図2(a)に示す被エッチング基板は、前実施例における図1(a)と同様の構成であるので、重複する説明を省略する。この被エッチング基板を基板バイアス印加型有磁場マイクロ波プラズマエッチング装置の基板ステージ上にセットし、一例として下記条件でAl系金属層を含むAl系多層膜のプラズマエッチングする。この基板ステージも、エッチング装置に付属のチラーからエタノール系冷媒を循環することにより被エッチング基板を冷却することができるものである。
CS2 20 sccm
BCl3 80 sccm
N2 20 sccm
ガス圧力 2 Pa
マイクロ波パワー 900 W(2.45GHz)
RFバイアスパワー 15 W(2.0MHz)
被エッチング基板温度 10 ℃
本プラズマエッチング工程におけるエッチングの機構は、前実施例2のエッチング機構に準拠するものである。エッチング終了後の状態を図1(b)に示す。
【0044】
この後、被エッチング基板をエッチング装置に付属のプラズマアッシング装置の搬送し、一例として下記条件でプラズマ処理を施した。
CF4 100 sccm
O2 50 sccm
ガス圧力 10 Pa
マイクロ波パワー 900 W(2.45GHz)
RFバイアスパワー 0 W
被エッチング基板温度 100 ℃
本プラズマ処理により、炭素系ポリマとポリチアジルを含む側壁保護膜9は速やかに除去される。この除去の機構は、炭素系ポリマに関してはO* による酸化燃焼および含有塩素のフッ素置換による蒸気圧の上昇等であり、ポリチアジルに関しては被エッチング基板加熱による昇華およびO* による酸化燃焼等である。なお、このプラズマ処理によりレジストマスク8に吸蔵ないしは結合して残留していた塩素もフッ素に置換される。この状態を図1(c)に示す。
【0045】
続けて、同じアッシング装置内で常法に準拠してO2 プラズマアッシングを施し、レジストマスク8を除去したところ、アッシング残渣のない良好なAl系金属配線が形成された。アッシング終了後の状態を図1(d)に示す。
【0046】
本実施例によれば、実施例2の効果に加え、特にアフターコロージョン低減の効果が徹底される。図1(d)の状態のAl系金属配線を、パシベーション膜なしに大気中に放置したところ、72時間後にもアフターコロージョンの発生は認められなかった。
【0047】
以上、本発明を3例の実施例により説明したが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。製造プロセス条件の数値や構成材料等も、好ましい一例を例示したものであり、各種の変更が可能である。
【0048】
例えば、Al系金属層としてAl−1%Si−0.5%Cuを例示したが、Al−SiやAl−Ti合金や純Alであってもよい。Al系多層膜を構成するバリアメタル層や反射防止膜の構成も、上記構成に限定されることはない。近年各種マイグレーション対策とし採用されているAl/W積層配線に適用してもよい。
【0049】
硫化炭素または硫化炭素系化合物として、CS2の他にC3S2も使用できる。C3S2はCS2より蒸気圧が小さいので、バブラを加熱しながらHe等でバブリングして用いればよい。エッチングチャンバへの導入配管中での露結を防止するため、配管加熱は必要である。
【0050】
F系ガスとしては実施例で例示したCF4 の他にC2 F6 、C3 F8 等他のF原子を有する化合物を使用できる。その他、添加ガスとしてHe、Ar等希ガスを用いればスパッタリング、冷却、希釈および放電の安定性等の各効果が得られる。
【0051】
さらに、使用するエッチング装置、エッチング条件、被エッチング基板の構成等は適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のAl系金属配線の形成方法によれば、側壁保護膜の強化により、薄い側壁保護膜であっても異方性形状、エッチング選択比、低パーティクル汚染および低アフターコロージョンの諸要求を同時に満たす形成方法が可能となる。
すなわち、請求項1の発明によれば、カーボンリッチな炭素系ポリマを側壁保護膜に採用することにより、側壁保護膜の膜質を強化し、上記効果を得ることが可能となる。
また請求項4、5の発明によれば、カーボンリッチな炭素系ポリマに加え、ポリチアジルをも側壁保護膜として利用できるので、上記効果を徹底できる。
さらに、請求項6の発明によれば、上記効果に加え、特にアフターコロージョンの低減に卓越した効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施例1および2の工程を説明する概略断面図であり、(a)は層間絶縁膜上にバリアメタル層、Al系金属層、反射防止層およびレジストマスクを形状した状態、(b)は側壁保護膜を形成しつつAl系金属配線をパターニングした状態、(c)はレジストマスクおよび側壁保護膜をアッシング除去した状態である。
【図2】本発明を適用した実施例3の工程を説明する概略断面図であり、(a)は層間絶縁膜上にバリアメタル層、Al系金属層、反射防止層およびレジストマスクを形状した状態、(b)は側壁保護膜を形成しつつAl系金属配線をパターニングした状態、(c)はプラズマ処理を施した状態、そして(d)はレジストマスクをアッシング除去した状態である。
【符号の説明】
1 半導体基板
2 Ti層
3 TiN層
4 バリアメタル層
5 Al系金属層
6 反射防止層
7 Al系多層膜
8 レジストマスク
9 側壁保護膜
Claims (6)
- 下地材料層上に形成されたAl系金属層を、レジストマスクをマスクにしてプラズマエッチングするAl系金属配線の形成方法において、
エッチングガスにCl系ガスを用いるとともに、このエッチングガス中に、側壁保護膜に寄与する炭素系ポリマ強化用の化合物としてCS2およびC3S2のうちの少なくとも1種からなる硫化炭素を添加して、
前記Al系金属層をプラズマエッチングすることを特徴とする、Al系金属配線の形成方法。 - 下地材料層上に形成されたAl系金属層を、レジストマスクをマスクにしてプラズマエッチングするAl系金属配線の形成方法において、
エッチングガスにCl系ガスを用いるとともに、このエッチングガス中に側壁保護膜に寄与する炭素系ポリマ強化用の化合物として硫化炭素を添加し、前記Cl系ガスと前記硫化炭素の流量比を4:1として、
前記Al系金属層をプラズマエッチングすることを特徴とする、Al系金属配線の形成方法。 - 前記Cl系ガスはBCl3を含むことを特徴とする請求項1または2記載のAl系金属配線の形成方法。
- 下地材料層上に形成されたAl系金属層を、レジストマスクをマスクにしてプラズマエッチングするAl系金属配線の形成方法において、
エッチングガスにCl系ガスを用いるとともに、このエッチングガス中に硫化炭素とN系ガスとを添加して、
被エッチング基板を室温以下に制御しつつ、
前記Al系金属層をプラズマエッチングすることを特徴とする、Al系金属配線の形成方法。 - 前記硫化炭素は、CS 2 およびC 3 S 2 のうちの少なくとも1種からなることを特徴とする、請求項4記載のAl系金属配線の形成方法。
- プラズマエッチング終了後、
被エッチング基板を加熱しつつ、
F系ガスを含むガスによるプラズマ処理を施すことを特徴とする、請求項1、2または4記載のAl系金属配線の形成方法。
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