JP3746272B2 - サドル分水栓交換工法と交換機器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、分水栓の増設や老朽化等により、既設のサドル分水栓を新しいサドル分水栓と交換するための交換工法とその際に用いるサドル分水栓交換機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、サドル分水栓の交換機は、特許文献1に示されるように本管分水孔閉塞機構を先端に備えたライジングスピンドルや回動軸を分水栓の直立孔を通じて配水本管に挿入して閉塞機構を操作して本管分水孔を閉塞して水流を閉止するものであった。
なお、本願発明に先立って本件出願人によって出願された2002−60215号出願、2002−71276号出願が先願として存在する。
【0003】
【特許文献1】
特公平6−97078号公報
【特許文献2】
特開昭61−36591号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法は本管分水孔を閉塞して水流を閉止することはできるものの、旧分水栓の止水機構が正常に作動しない場合には用いることができず、更に、新旧分水栓にアタッチメントやライジングスピンドルの着脱を繰り返す等工程が複雑で多くの労力と時間を要するという問題がある。
【0005】
また、交換作業には本管分水孔の完全な閉塞が前提となるが、ストッパーの作動状况を確認するには、例えば特許文献1に示されているようにスピンドルに覗き穴を設け、スピンドル先端位置の確認とパッカーの膨縮状態を目視する程度に留まり、確実な止水確認の手段がなく、不安定な一面があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は一時的に水流の噴出はあるが、簡易、迅速に新旧分水栓の交換を行おうとするものであり、交換する旧分水栓と並列して配水本管上に取り付けた支持ベースに移設杆を設定し、その操作によって旧分水栓の除去と同時に同位置に新規分水栓を覆着するように構成した。
【0007】
即ち、支持ベース上に、軸回動可能で、且つ、支持ベースを支点としての上下動が可能に構成された移設杆を配水本管に平行して設定し、その周壁に、先端部にそれぞれ分水栓頭頂部の着合機構を設けた2つの回動アームを略90度の角度に拡開して取付け、一方の回動アームの先端着合機構を旧分水栓、他方の回動アームに下部包持体を取り外した状態の新分水栓の各頭頂部を着合して旧分水栓の包持サドルを取り外し状態として移設杆を略90度回動することにより、旧分水栓を配水本管から移行させると同時に新分水栓の底部を旧分水栓の着合位置に移行させて交換着合するものである。
【0008】
旧分水栓を配水本管から移行させる際に配水本管分水孔から水流が噴出するが、他方の回動アームに着合する下部包持体を取り外した状態の新分水栓が取り外された旧分水栓の位置上に移行されるので、直ちに移設杆を押し下げることにより新規分水栓が分水孔に覆着され水流は閉止される。
【0009】
この構成により、旧分水栓の止水機構が正常に作動しない場合でも給水管部分を圧潰して閉塞する等して交換することができ、更に、配水本管に対する分水栓本来の設定作業以外の作業を最小限に押さえて交換作業に要する時間を大幅に短縮し、複雑な手順を要することなく確実に新旧分水栓の交換を行なえるようにしたものである。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
1は交換機本体を構成する移設杆で、一端を配水本管Aへの取付け機構21を備えた支持ベース2上のヒンジ機構22に支着されている。
【0011】
移設杆1には移設杆に軸回動可能に挿通する回動基軸11が覆着され、先端部は移設杆1の支点として支着ジョイント23に支着され、支着ジョイント23は下端部をクランクナット24によって回動固定されるヒンジ部22に上下回動可能に軸支される。
【0012】
回動基軸11は先端部に回動機構部12に軸回動可能に嵌装し回動範囲を規制する窓孔13を備えたアーム設定部35が設けられ、回動機構部12が固定ボルト38によって移設杆1に締着されることによって軸回動は固定され、固定時には移設杆1と回動基軸11が一体となって作動する。
【0013】
アーム設定部35は、回動基軸11が移設杆1を軸として回動するとき、移設杆1に植設されたストッパーボルト34が窓孔13の側縁に当接する範囲で回動が規制されるように構成されており、その外周壁には、先端部にそれぞれ分水栓頭頂部の着合機構31を設けた2つの回動アーム3a、3bが略90度の角度に拡開して取付けられ、移設杆の前記規制回動によって下方に向けられた回動アーム3aが側方に、側方に向けられた回動アーム3bが下方に転換移行する。
【0014】
回動アーム3a、3bは、窓孔13による規制回動範囲に対応して略90度の角度に拡開して取付けられ、回動アーム3aの先端部に分水栓頭頂部に着合するカップリング36と接続ナット37からなる着合機構31を備え、その上部に分水栓頭頂部への取付けに際し着合機構の高さを調節する高さ調節ナット32、33が設けられ、アーム設定部35の回動によって3a、3bの位置が転換するようになっている。
【0015】
以上のように構成された交換機により新旧サドル分水栓の交換を行う工程は次の通りである。先ず、旧分水栓の設定状態から説明すると、上部包持体6の上部に構成された分水栓本体5は配水本管Aをサドルの上部包持体6と下部包持体61が包持してボルトナット62によって締着し、配水本管Aに着合設定される。
【0016】
サドル分水栓は本体5の側部に給水支管4との連結開口部51と弁体操作機構52を構成し、上部に弁体53を介して垂直方向の分水栓直立孔54、中央部に弁体53を操作機構52と掛合して収容する弁体格納部、下部は配水本管Aに装着する上部包持体6となっている。
【0017】
サドルの上部包持体6はサドル分水栓の本体5の下部外周に付設され、これとガスケットによって配水本管Aの上面に分水栓本体が着装されると共に、ボルトナット62による下部包持体61との締着により、配水本管Aに分水栓本体が装着固定される。
【0018】
上端は常時はキャップ55によって覆蓋され、下端は上部包持体6を介して配水本管Aに穿孔された通水孔aに接合している。従って、キャップ55を外し弁体53を開弁すると分水栓直立孔54、弁体53の通水路、配水本管Aの通水孔aが連通して、そのままでは配水本管Aの水が噴き上げることになる。
【0019】
分水栓の交換にあたっては、先ず、旧分水栓Bと並列して回動アーム3aの着合機構31が旧分水栓Bの頭頂部に接合できる位置に取付け機構21を設定して配水本管Aに取付ける。
【0020】
次いで、回動アーム3aの着合機構31を旧分水栓Bの頭頂部に合わせて高さ調節ナット32、33により調節しながら旧分水栓Bのキャップ55の側部からカップリング36を覆着し接続ナット37により分水栓上端に回動アーム3aを着合し、回動アーム3bの着合機構31(新分水栓Cの着合には高さ調節等の問題がないので着合ナットのみで構成される)に、下部包持体を取り外し本体の弁体53を閉栓した状態の新分水栓Cを着合する。
【0021】
そこで、旧分水栓Bの給水支管4(鉛管等)を本体に近い位置で圧潰するなどして通水を遮断して切断し、移設杆1(回動基軸11が覆着されている)の尾端を押し下げて旧分水栓Bの本体を配水本管Aに圧着させながら分水栓Bのボルトナット62を緩めて下部包持体61を外す。
【0022】
更に、移設杆1の上下回動を水平位置に固定しているクランクナット24と回動基軸11の軸回動を固定している固定ボルト38を緩めて素早く移設杆1を引き上げると共に回動基軸11を回動して旧分水栓Bと新分水栓Cの位置を転換し移設杆1の尾端を押し下げて新分水栓Cの本体を配水本管Aに圧着させクランクナット24を締め下部包持体61を締着して新分水栓Cの配水本管Aへの取付けを行う。
【0023】
新分水栓Cの取付け後、交換機から旧分水栓Bを取り外し、新分水栓Cから交換機を取り外して新分水栓Cにキャップ55を嵌めて給水管を配管し弁体53を開栓して交換を終了する。この間、旧分水栓Bと新分水栓Cの位置転換時には配水本管Aから水流が噴出するので、作業員は合羽等を着用する必要があるが従来工法に比して作業時間は大幅に短縮される。
【0024】
本発明は以上のように構成したので、従来工法のように複雑な手順により本管分水孔の開閉操作を行うことなく、既設分水栓の弁機構に故障のある場合でも容易に既設分水栓を除去して新規に対応するサドル付分水栓への交換を可能としたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による分水栓交換工法の実施例を示すもので、配水本管に支持ベースを設定し、既設分水栓に交換機を着合した状態における交換機と配水本管の全体側面図
【図2】 同じく、回動アームに新規分水栓を着合した状態における交換機と配水本管の全体正面図
【図3】 同じく、既設分水栓の配水本管着合部を取り外し、支持ベースを支点として移設杆を引き上げた状態における交換機と配水本管の全体側面図
【図4】 同じく、既設分水栓の給水支管を本体に近い位置で圧潰して通水を遮断して切断した状態と要部を断面として分水栓の構造を示す部分拡大縦断正面図
【図5】 同じく、回動アームと分水栓頭頂部の着合構造を示す着合締着前の部分拡大側面図
【図6】 同じく、回動アームと分水栓頭頂部の着合構造を示す着合締着後の部分拡大側面図
【符号の説明】
1 移設杆
11 移設杆に覆着された回動基軸
12 回動基軸の回動機構部
13 回動基軸の窓孔
2 支持ベース
21 支持ベースの配水本管への取付け機構
22 支持ベースのヒンジ部
23 支着ジョイント
24 クランクナット
3a 既設分水栓を着合する回動アーム
3b 新規分水栓を着合する回動アーム
31 回動アームの分水栓着合機構
32 高さ調節ナット
33 高さ調節ナット
34 ストッパーボルト
35 回動基軸のアーム設定部
36 カップリング
37 接続ナット
38 固定ボルト
4 旧分水栓の給水支管
5 分水栓本体
51 連結開口部
52 弁体操作機構
53 弁体
54 分水栓直立孔
55 分水栓のキャップ
6 上部包持体
61 下部包持体
62 ボルトナット
A 配水本管
B 既設サドル分水栓
C 新規サドル分水栓
a 本管分水孔
Claims (2)
- 支持ベース上に配水本管に平行して設定され、支持ベースを支点として上下動可能な移設杆の軸回動可能な周壁に、先端部にそれぞれ分水栓頭頂部の着合機構を設けた2つの回動アームを略90度の角度に拡開して取付けた交換機の支持ベースを、交換する旧分水栓と並列して配水本管上に取り付けると共に、一方の回動アームの先端着合機構を旧分水栓、他方の回動アームに下部包持体を取り外した状態の新分水栓の各頭頂部を着合して旧分水栓の包持サドルを取り外し状態として移設杆を回動することにより、旧分水栓を配水本管から移行させると同時に新分水栓の底部を旧分水栓の着合位置に移行させて交換着合するように構成したことを特徴とするサドル分水栓交換工法
- 配水本管への取付け機構を備えた支持ベース上に、支持ベースを支点としての上下動が可能に構成された移設杆を配水本管に平行して設定し、更に、同移設杆の周壁を軸回動可能に構成すると共にその周壁面に、先端部にそれぞれ分水栓頭頂部の着合機構を設けた2つの回動アームを略90度の角度に拡開して取付けて構成したことを特徴とするサドル分水栓交換機
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