JP4327265B2 - 例えば湯出し口−穿孔機用の引上げ装置 - Google Patents

例えば湯出し口−穿孔機用の引上げ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、請求項1の前文に記載する湯出し口−穿孔機のための引上げ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
どちらの引上げ装置のてこ運動学も同じであり、引上げるべき機械部分だけが異なっている、すなわち湯出し口−穿孔機であるので、以下、引上げ機構を湯出し口−穿孔機に関してのみ説明する。
【0003】
冶金炉の湯出し口を開いた後、液状の金属により損傷されない様に、台枠を工具、例えば穿孔棒、と共に、樋の上の作業位置からできるだけ迅速に、開口から流れ出す液状金属流の外に取り出さなければならない。
【0004】
それでも、工具は消耗のため頻繁に交換しなければならない。その際、ロボットとして、消耗した工具(以下、穿孔棒と呼ぶ)を取り出し、新しい穿孔棒を貯蔵庫から台枠に差し込む棒交換器を使用することが多い。これには、棒交換器が正しく掴める様に、穿孔棒を備えた台枠は常に同じ水平静止位置をとることが必要である。
【0005】
作業位置の傾斜角度を調節できる公知の引上げ装置は、穿孔角度の変動により静止位置も変化するので、自動棒交換の際にこの必要条件を満たすことができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、穿孔位置に対して調節された穿孔棒の傾斜角度と無関係に、穿孔棒が静止位置で常に水平姿勢を取り、静止姿勢における引上げ装置全体が確実に保持される、湯出し口−穿孔機用の引上げ装置を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題は、本発明により請求項1および5の特徴により解決され、その際、本発明の有利な実施態様を従属請求項に記載する。
【0008】
請求項1および5に特徴を記載する両実施態様は、湯出し口−穿孔機の静止位置で穿孔棒の同じ水平姿勢が保証されることに加えて、さらに重要な利点を有する。引上げシリンダーの力を特にベルクランクおよび継手を経由して引上げアームの短いてこアームに伝達することにより、継手および短いてこアームを膝関節の形態で封鎖位置に配置することができるので、引上げ装置全体が、引上げシリンダー中の油圧に関係なく、引上げシリンダーの圧力が失われても、さらには引上げシリンダーを除去しても、静止位置に確実に保持される。また、この様にして穿孔棒の水平な静止姿勢が確保されるので、自動的な穿孔棒交換を難無く行なうことができる。
【0009】
クランクと継手の特別な配置により、穿孔位置からの引上げ速度が最初は非常に高く(これは穿孔棒の耐用寿命にとって非常に重要である)、静止位置に向かって実質的にゼロに近付くので、静止位置に到達する時は、衝撃がほとんど起こらない。従来の湯出し口−穿孔機では重量が比較的大きいので、軌道上で方向転換させるために、特に強力な懸垂装置を回転台に取り付ける必要があったが、本発明により、より軽量の構造が可能になる。
【0010】
特に上方に十分な空間がある所に使用する、請求項1〜4に記載する第一の実施態様では、長穴を有するつなぎリンク中で穿孔角度を(予め決められた範囲内で)任意に調節しても、湯出し口−穿孔機の静止位置における穿孔棒の水平姿勢は変わらない。
【0011】
これは、上方の空間が例えば作業台により制限されている所に使用する、請求項5および6に記載する第二の実施態様にも当てはまり、この場合、第一の実施態様の操縦棒に置き換わる傾斜シリンダーにより穿孔角度の調節が行なわれ、傾斜シリンダーの行程は穿孔位置への方向で調節できる様に制限されている。穿孔位置の高さは、この第二の実施態様では、同じ様式で引上げシリンダーで決められる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、添付の図面を参照しながら、本発明の引上げ装置をより詳細に説明する。
【0013】
図1は、穿孔位置にある湯出し口−穿孔機の側面を示す。この穿孔機は、本質的に、穿孔棒3を備えた穿孔機2を取り付けるための穿孔台枠1、台枠保持部4および引上げアーム6および操縦棒7を含む四リンク回転連鎖5からなる。四リンク回転連鎖5は、台枠保持部4を引上げフレーム8に回転できる様に接続しており、その引き上げフレーム8は、垂直軸を中心にして旋回できる様にブーム(図には示していない)を介して回転台9に取り付けられている。四リンク回転連鎖5は、引上げシリンダー10と共に、図2および3に穿孔位置ないし静止位置で示す引上げ装置を構成するが、その作動の仕方を以下にこれらの図で説明する。
【0014】
図2で、引上げシリンダー10のピストン棒11は、この図には示していない穿孔棒3を備えた台枠保持部4が、ここで例えば6°の傾斜した穿孔位置になる様に作動している。この穿孔位置の最も深い姿勢は、穿孔位置で引上げフレーム8に突き当たる止め部12により制限する、または補正することができる。
【0015】
引上げシリンダー10の力は、穿孔位置に移動する際に、最初にピストンリング面に圧力がかかった後、引上げ装置の重量により支援され、その際、底部側の油圧油は実質的に流出が制限され(絞られ)、ピストン棒11により、ベルクランク13および継手14を介し、2本のアームを有する引上げアーム6の上側の短いてこアーム15に伝達される。ベルクランク13は、引上げフレーム8に固定配置された軸16を中心にして旋回できる様に軸受され、関節17を介してピストン棒11と、および関節18を介して継手14に接続されている。継手14は、関節19を介して、引上げフレーム8に固定された軸20を中心にして軸受された引上げアーム6の短いてこアーム15に接続され、その引き上げアーム6の長いてこアームは関節21を介して台枠保持部4に旋回できる様に接続されている。
【0016】
四リンク回転連鎖5の操縦棒7は、引上げフレーム8上で関節22を中心にして旋回できる様に軸受され、曲がった長穴を有するつなぎリンク24中に調節および固定できる様に配置された関節23を介して台枠保持部4と接続している。
【0017】
引上げ装置を図3に示す静止位置に移動させるには、引上げシリンダー10の底部側に圧力をかけるが、その際、四リンク回転連鎖5の各部品の長さおよび軸および関節16−23位置を特別に選択することにより、関節23により曲がった長穴を有するつなぎリンク24の中で穿孔角度が図2に示す約6°に調節されていても、台枠保持部4は常に水平な姿勢を取る。長穴を有するつなぎリンク24の中で関節23を移動させることにより、穿孔角度を下方に大きくしても、長穴を有するつなぎリンク24が曲りを有し、その曲りの中央点が台枠保持部4の静止位置で関節22の軸と重なるので、図3に示す水平な静止位置はまったく変化しない。静止位置は、それ自体、引上げシリンダー10の行程により制限される。それでも止25が引上げフレーム8に固定されている。
【0018】
引上げ装置の静止位置では、関節16、18、19がそれらの軸と共にほとんど一線に並び、関節18に直線からさらる僅かな曲りがあるので、これが膝関節の様に封鎖位置を取り、装置全体をその静止位置に確実に保持する。この時、引上げシリンダー10をこの位置で取り外しても、止め部25にはほとんど負荷がかからない。
【0019】
図2および3からさらに、この配置により、穿孔位置(図2)からの引上げ速度は、最初は非常に大きいので穿孔棒3(図1)が樋から非常に素早く抜け出し、静止位置(図3)に向かって引上げ速度がゼロに近付くので、この静止位置に衝撃なしに到達することができ、冒頭に述べた湯出し口−穿孔機のブームおよび回転台に関する利点が得られることが分かる。
【0020】
図2および3で説明したこの実施態様は、穿孔位置と静止位置の間に十分な私有空間がある場合にのみ使用できる。そうでない場合、および上方への自由空間が例えば作業台により、または他の条件により制限される場合、図4および5に示す第二の実施態様を使用できるが、これらの図では図2および3と同じ部品には同じ番号を付けである。
【0021】
図2および3に示す第一の実施態様との本質的な違いは、引上げアーム6が短いことおよび操縦棒7の代わりに傾斜シリンダー26があることである。図4は、穿孔位置にある引上げ装置を示すが、そこでは台枠保持部4を太線で示してある。シリンダー10および26の両方に対して、ただ1個のバルブ(図には示していない)だけが必要であり、その際、シリンダー10、26の底部側およびピストン棒側はそれぞれ油圧的に平行に操作される。その様なバルブは安全性の理由から引上げ装置から遠く離して配置されるので、それによって、1個のバルブのみならず、配管も節約される。
【0022】
引上げ装置を図4に示す作動位置から上方へ移動させるには、両方のリンダー10、26の底部側に同時に同じ圧力を作用させ、引上げシリンダー10のピストン棒11および傾斜シリンダー10のピストン棒27を伸長させる。その際、台枠保持部44、台枠1、穿孔棒3および穿孔機2の重心は関節21の右側に位置し、そのために傾斜シリンダー26のピストン棒27が伸長し易くなるので、台枠保持部4および穿孔台枠1の重量配分および引上げ装置の運動により、先ず台枠保持部44が図4で細線で示す水平姿勢を取る。この台枠保持部4の傾斜運動は非常に速く行なわれるので、穿孔棒3はその前端部と共に液状金属流からやはり非常に迅速に引き出される。続いて直ちに、引上げシリンダー10の油圧が作用するので、そのピストン棒11が伸び、引上げ装置を図5に示す静止位置に移動させる。
【0023】
台枠保持部4の図4に示す作動位置では、ピストン棒11を取り囲んでいる引上げ制限スリーブ28が引上げシリンダー10に接している。引上げ制限スリーブ28は、ねじ山により伸長されたピストン棒11の上で、穿孔位置における引上げ装置の下側最終姿勢を固定するために調節することができる。台枠保持部4の傾斜位置ないし穿孔角度は、引上げ制限スリーブ29で調節され、その引上げ制限スリーブ29は、引上げシリンダー10の場合と同様に、傾斜シリンダー26のピストン棒27上でねじ山により調節することができる。
【0024】
シリンダー10および26はピストン棒側でも油圧的に平行に接続されているので、図5に示す静止位置から図4に示す最終的な作動位置ないし穿孔位置への移動は、次の様に行なわれる。図5に示す様に、静止位置において関節18は、関節16および19の間で、第一の実施態様の場合と同様に、やはり自己封鎖する膝関節を形成するので、この第二の実施態様でも、引上げ装置は静止位置に確実に保持され、ここでも上方への速度が最初は高いが、静止位置に向かってゼロに近付くので、静止位置には確実に衝撃なしに到達する。引上げ装置を下降させるには、両シリンダー10および26のリング面に、すでに説明した共通のバルブを経由して同時に同じ圧力を作用させる。これによって、先ず関節18の封鎖作用が解除されるが、その際、大きな力は必要としない。穿孔装置全体の重量が、引上げ制限スリーブ28が再びシリンダー10に突き当たる(図4)まで、引上げシリンダー10のピストン11の引入れを「支援」する。次いで、シリンダー26のピストン27のリング面にかかる圧力が(重心が関節21の右側に位置するために生じる重量に抗して)高くなり、台枠保持部4を所望の穿孔角度に応じて傾斜位置に移動させる。
【0025】
所望の移動過程は、シリンダー10、26用の油圧−配管系統の中に組み込んだ圧力調整弁(図には示していない)により、さらに調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 穿孔位置における引上げ装置の第一の実施態様を示す湯出し口−穿孔機の側面図
【図2】 穿孔位置で分離した、図1に示す引上げ装置の部分的に切り取った側面図
【図3】 静止位置にある引上げ装置
【図4】 穿孔位置にある第二の実施態様による引上げ装置の、分離した、部分的に切り取った側面図
【図5】 第二の実施態様の静止位置を示す図
【符号の説明】
1 穿孔台枠
2 穿孔機
3 穿孔棒
4 台枠保持部
5 四リンク回転連鎖
6 引上げアーム
7 操縦棒
8 引上げフレーム
9 回転台
10 引上げシリンダー
11 引上げシリンダー10のピストン棒
12 止め部
13 ベルクランク
14 継手
15 引上げアーム6の短いてこアーム
16 ベルクランク13用の旋回軸
17 ピストン棒11とベルクランク13の間の関節
18 ベルクランク13と継手14の間の関節
19 継手14とてこアーム15の間の関節
20 引上げアーム用の旋回軸
21 台枠保持部4と引上げアーム6の間の関節
22 操縦棒7と引上げフレーム8の間、ないし傾斜シリンダー26と引上げフレーム8の間の関節
23 台枠保持部4と操縦棒7の間、ないし台枠保持部4とピストン棒27の間の関節
24 台枠保持部4中の長穴を有するつなぎリンク
25 止め部
26 傾斜シリンダー
27 傾斜シリンダー26のピストン棒
28 引上げシリンダー10用の引上げ制限スリーブ
29 傾斜シリンダー26用の引上げ制限スリーブ

Claims (6)

  1. 四リンク回転連鎖を介して、引上げシリンダー(10)により、該四リンク回転連鎖の操縦棒(7)で調節できる角度を有した穿孔位置から静止位置に、台枠保持部(4)を上方に旋回させることができる、穿孔機用の引上げ装置であって、
    前記引上げシリンダー(10)は、ピストン棒(11)を有し、引上げフレーム(8)に固定配置された軸(16)を中心にして旋回できる様に軸受されたベルクランク(13)の関節(17)に該ピストン棒(11)を介して接続されており、
    前記ベルクランク(13)は、継手(14)を介して、上側の短いてこアーム(15)および下側の長いてこアームからなる引上げアーム(6)の該上側の短いてこアーム(15)に自由に旋回できる様に接続されており、該引上げアーム(6)が、前記引上げフレーム(8)に固定されたもう1つの軸(20)を中心にして旋回できる様に軸受されており、
    前記継手(14)および前記ベルクランク(13)が、もう1つの関節(18)を介して旋回可能に接続されており、前記継手(14)および前記上側の短いてこアーム(15)が、さらなるもう1つの関節(19)を介して旋回可能に接続されており、前記軸(16)、前記もう1つの関節(18)および前記さらなるもう1つの関節(19)が略一直線上に並んだ際に前記引上げ装置全体を静止位置に保持するように構成されていることを特徴とする引上げ装置。
  2. 前記操縦棒(7)が両端部を有し、該操縦棒(7)は、該両端部のうちの一方の端部において旋回軸(22)を介して前記引上フレーム(8)と旋回可能に接続しており、該両端部のうちのもう一方の端部においてもう1つの旋回軸(23)を介して前記台枠保持部(4)と旋回可能に接続しており、
    前記台枠保持部(4)が、曲がった長穴を有するつなぎリンク(24)を有し、
    前記もう1つの旋回軸(23)が、前記角度を調節するために前記つなぎリンク(24)の中で前記曲がった長穴の円弧に沿って調整可能に案内されると共に、固定可能に案内され、
    前記引上げ装置が前記静止位置にある時、前記つなぎリンク(24)の前記曲がった長穴の中央点が、前記操縦棒(7)の前記旋回軸(22)の軸と重なることを特徴とする請求項1記載の引上げ装置。
  3. 前記操縦棒(7)が、ピストン棒(27)を有する傾斜シリンダー(26)であり、該傾斜シリンダー(26)の角度を調節するための行程が、調節可能な引上げ制限スリーブ(28、29)により制限されることを特徴とする請求項1記載の引上げ装置。
  4. 前記引上げシリンダー(10)ならびに前記傾斜シリンダー(26)を同調して操作するために、共通のバルブを備えていることを特徴とする請求項3記載の引上げ装置。
  5. 前記引上げ装置の前記穿孔位置を固定するために、前記引上げシリンダー(10)のピストン棒(11)の上、ならびに前記傾斜シリンダー(26)のピストン棒(27)の上に、それぞれねじ山を介して調節できる引上げ制限スリーブ(28ならびに29)を備えていることを特徴とする請求項3記載の引上げ装置。
  6. 前記もう1つの関節(18)の近くに、前記引上げ装置の前記静止位置で作用する止め部(25)が備えられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の引上げ装置。
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