JP3746198B2 - 扉開閉装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、家具や建具等に設けられる扉体を開閉するための扉開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
家具や建具等の固定部材に扉体を取り付けるための扉開閉装置は種々のものがある。これらのうちで当該取付作業の向上を図ったものとして、特開平11−107609号公報に開示のものがある。
この公報に開示の装置では、図10,11に示すように、戸体側部材101aの先端部に、軸102が下向きに垂直に突出した状態で設けられる一方、枠体側部材101bの先端部に、軸102を回動可能に支持するための上向きに開放した軸受103が設けられ、この軸受103に、軸102を横方向(水平方向)から軸受103内に挿入する挿入口104が設けられるとともに、この挿入口104を開閉する蓋体105が横回動可能に設けられている。
また、この装置の改良装置では、図10〜12に示すように、軸102を軸受103の挿入口104から挿入して戸体Bを枠体Aに吊り込む戸体取付時に、蓋体105を自動的に閉めるために、閉操作部材106が、戸体側部材101aに設けられている。そして、この閉操作部材106は、戸体側部材101aの先端部下端部に装着されるキャップ(図示せず)に下向きに突出して一体形成される一方、蓋体105の外面部には、「し」の字状に隆起した操作部107が形成され、操作部107に閉操作部材106が戸体Bの閉動作時に当接し、戸体Bの閉動作と連動して蓋体105が閉方向へ回動操作されるようになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の装置は、取付作業の向上が図られているが、当該取付作業をワンタッチで行えない煩わしさがある。
即ち、上述の装置では、軸を横方向(水平方向)から挿入口を介して軸受内に挿入する場合に、この挿入口を開閉する蓋体を手動によって開閉操作しなければならない煩わしさがある。
また、その改良装置では、蓋体を自動的に閉める構成が採られているが、この構成では、閉操作部材が操作部に当接しなくては当該操作部、即ち、蓋体にその閉方向の力を付与できないため、図12(B)において、閉操作部材が同図中の範囲Pにある場合には、蓋体を自動的に閉めることが可能であるが、範囲Qの場合には不可能であり、取付作業に際しては閉操作部材と操作部との位置に配慮しつつ作業しなければならない。しかも、閉操作部材が上記範囲Pにあっても、戸体の閉動作と連動させなければ蓋体を自動的に閉めることができないという煩わしさがある。
【0004】
本発明の目的は、家具や建具等の固定部材に扉体を取り付けるための取付作業をワンタッチで行える扉開閉装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る扉開閉装置は、固定部材に配設された第1係合部材と扉体に配設された第2係合部材とが、この第2係合部材に固着された軸棒の、第1係合部材への挿入によって連設される扉開閉装置であり、第1係合部材への軸棒の挿入の際に、この軸棒の作用により第1係合部材に対して移動するように配設される一方、前記第1係合部材の一方端に形成された円筒状の湾曲部内に前記軸棒に平行に配設されるコイルスプリングにより軸棒の挿入を阻止するように配設される移動部材を備え、前記移動部材は、前記第1係合部材の一方端に形成された円筒状の湾曲部に沿って移動可能な回転キャップであり、前記コイルスプリングは、その一端が前記回転キャップの切欠き部に係合する一方、その他端が前記円筒状の湾曲部の最下端に固定された固定キャップの突設部に係合する第1弾性部材であって、前記回転キャップに付勢力を付与して、この回転キャップが前記湾曲部に形成される隙間を閉塞するように作用するとともに、前記軸棒が前記隙間を介して挿入されるのを阻止するように作用する第1弾性部材である。
【0006】
上記請求項1に係る扉開閉装置においては、上記移動部材を、第1係合部材の一方端に形成された円筒状の湾曲部に沿って移動可能な回転キャップとし、上記コイルスプリングを、前記第1係合部材の一方端に形成された円筒状の湾曲部内に前記軸棒に平行に配設し、当該コイルスプリングの一端を前記回転キャップの切欠き部に係合させる一方、当該コイルスプリングの他端を前記円筒状の湾曲部の最下端に固定された固定キャップの突設部に係合させることにより、回転キャップに付勢力を付与して、この回転キャップが第1係合部材の湾曲部に形成される隙間を閉塞するように作用するとともに、軸棒が上記隙間を介して挿入されるのを阻止するように作用する、例えば捩りバネのような第1弾性部材とするもので、この装置によれば、軸棒を、回転キャップに当接させ、第1係合部材の円筒状の湾曲部に形成される隙間に押し込むだけで、家具や建具等の固定部材に扉体を取り付けることができるので、この取付作業をワンタッチで行える。
【0007】
また、本発明の請求項2に係る扉開閉装置は、固定部材に配設された第1係合部材と扉体に配設された第2係合部材とが、該第2係合部材に固着された軸棒の、前記第1係合部材への挿入によって連設される扉開閉装置であって、前記第1係合部材への前記軸棒の挿入の際に、この軸棒の作用により前記第1係合部材に対して移動するように配設される一方、その自重により又は前記第1係合部材の一方端に形成された円筒状の湾曲部内に前記軸棒に平行に配設されるコイルスプリングにより前記軸棒の挿入を阻止するように配設される移動部材を備え、上記移動部材を、第1係合部材の一方端に形成された円筒状の湾曲部の、その円筒軸方向に沿って移動可能な可動片とし、上記コイルスプリングを、可動片に付勢力を付与してこの可動片が第1係合部材の湾曲部の隙間に形成される開口部を閉塞するように作用するとともに、軸棒が上記開口部を介して挿入されるのを阻止するように作用する第2弾性部材とするもので、この装置によれば、軸棒を、可動片に当接させ、第1係合部材の円筒状の湾曲部の隙間に形成される開口部に挿入するだけで、家具や建具等の固定部材に扉体を取り付けることができるので、この取付作業をワンタッチで行える。
【0008】
また、本発明の請求項3に係る扉開閉装置は、回転キャップが所定位置で保持される時には、当該回転キャップに形成された凸部が上記第1係合部材の固定ブロックに形成された凹部に嵌入するとともに、回転キャップは、上記嵌入状態を保持すべく、例えば圧縮バネのような第3弾性部材によって付勢されるようにしたものである。したがって、回転キャップを所定位置で保持しておく必要がある場合、即ち、扉体の取外作業の場合等には、当該作業を容易に行える。
尚、場合によっては、回転キャップを保持した状態で、上記取付作業を行うこともできる。
ところで、回転キャップが保持される所定位置は、上記取付作業をワンタッチで行う際に移動する回転キャップの移動域との相対位置が考慮される。
また、第3弾性部材については、上記請求項1で用いた第1弾性部材を用い、この第1弾性部材に圧縮バネ機能を併せ持たせるようにしてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態に係る扉開閉装置を図1〜5を参照して説明する。
本扉開閉装置1では、図1に示すように、固定部材(図示せず)に配設された第1係合部材2と扉体(図示せず)に配設された第2係合部材3とを連設する場合、第2係合部材3に固着された軸棒4を第1係合部材2にワンタッチで挿入できる工夫が施されている。尚、本扉開閉装置1は、固定部材及び扉体に所定間隔をあけて配設される扉開閉装置のうち一方の扉開閉装置であり、本実施の形態では、固定部材及び扉体の上方に配設されている。
【0010】
本扉開閉装置1の構成を図1及び2を参照して説明する。
本装置1は、図1に示すように、第1係合部材2及び第2係合部材3並びにこれら部材を連設するための連結部材を備えており、このうち第1係合部材2は、取付プレート5に加えて、本実施の形態では、ケース体6及び調整プレート7を備え、取付プレート5は、固定部材に固着されたケース体6上を、カム機構8によって調整プレート7とともに前後方向(同図の矢印方向)に移動する一方、調整ボルト9によって左右方向(同図に対し垂直方向)に移動して、それぞれの方向に対する調整ができるようになっている。そして、略板状をなす上記取付プレート5の一方端には、円筒状の湾曲部5aが形成され、この湾曲部5aには、後に詳述する連結部材が配設されている。
また、第2係合部材3は、本実施の形態では、取付プレート10のみで構成され、この取付プレート10の一方端には、円筒体10aが形成され、この円筒体10aには、同図中の下端に連結部材としての上記軸棒4及びカバー11aが固着され、その上端に連結部材としてのキャップ11bが嵌挿されている。
【0011】
取付プレート5の湾曲部5aに配設される連結部材は、図2に示すように、移動部材としての回転キャップ12、固定プロック13、コイルスプリング(第1,3弾性部材)14及び固定キャップ15で構成されている。
このうち回転キャップ12は、最上端に略S字状断面部16aを有する上部16と、略円筒状で、その最下端外周に一対の突設部(凸部)17aを有するとともに、当該最下端から上方に向かって切欠き部17bを有する下部17とで構成される。また、固定プロック13は、略パイプ状の円筒部18a及びこの円筒部18aの側壁面の一部に突設された凸嵌合部18bを有し、円筒部18aの底に一対の係止部(凹部)18cを有する下部18と、この下部18から上方に延出して最上端に略C字状断面部19aを有する上部19とで構成される。また、固定キャップ15は、一対の略半円柱状の突設部20aが固着された円板部20と、この円板部20上に、上方に向かって上記突設部20aを包囲する態様で配される略パイプ状の円柱部21とで構成され、この円柱部21及び円板部20の側壁面の一部に凹嵌合部21aが突設されている。
【0012】
このような連結部材において、固定キャップ15は、取付プレート5の湾曲部5aの最下端に圧入などして固定され、固定プロック13は、その凸嵌合部18bが固定キャップ15の凹嵌合部21aに当接してなるように、当該湾曲部5a内に圧入または接着等の方法により所定位置に固定される。そして、回転キャップ12は、その断面部16aが湾曲部5aに緩嵌されて当該湾曲部5aに沿って摺動(移動)可能に配設されるとともに、その下部17の切欠き部17bを狭めるように力を加えることによって下部17が円筒部18aに挿通される。
【0013】
このとき、スプリング14は、その一端が回転キャップ12の切欠き部17bに係合する一方、その他端が固定キャップ15の突設部20aに係合し、回転キャップ12及び固定キャップ15に対し、それらが互いに離反する方向の付勢力を付与する。これにより、回転キャップ12は、その突設部17aが固定ブロック13の円筒部18aの内径端に当接されて、図2中の矢印方向の付勢力が付与される。しかるに、後述するように、扉体の取外作業のときには、回転キャップ12は、その突設部17aが係止部18cに嵌入された状態で、上記矢印方向と同様の付勢力が付与されて保持される。また、このスプリング14は、回転キャップ12に対して、上記付勢力に加え、当該回転キャップ12が湾曲部5aに形成される隙間5bを閉塞するように作用する付勢力を付与しており、後述するように軸棒4が隙間5bを介して挿入されるのを阻止するように作用する。
【0014】
次に、本装置1を用いて扉体の取付作業及び取外作業を行う場合の手順を図3〜5を参照して説明する。尚、図3〜5においては、固定部材や扉体は省略されている。
まず、取付作業をする場合について説明する。
回転キャップ12に対し軸棒4を図3(A)に示す位置に持って来るために、固定部材及び扉体の下方に配設される扉開閉装置(図示せず)で、扉体の下方を固定部材に係止させる。しかる後、図3(A)に示すように、回転キャップ12の、湾曲部5aの隙間5bを閉塞している部位に軸棒4を当接させ、当接させた状態で力を加えて行くと、図3(B)に示すように、スプリング14の付勢力に抗して回転キャップ12が同図中の矢印方向に摺動する。尚、軸棒4が当接する回転キャップ12の部位は、回転キャップ12に対しその摺動方向への力が最も有効に付与されるように、所要の傾斜角16dがつけられている。
【0015】
ここで、回転キャップ12の摺動動作を図4で説明する。但し、同図では、固定プロック13は省略されている。
回転キャップ12が摺動して図4(A)の状態から(C)の状態になるに従って、スプリング14の一端(固定キャップ15の突設部20aに係合)に対し、その他端(回転キャップ12の切欠き部17bに係合)が、回転キャップ12の回転方向(矢印方向)と同一方向に回転していく様子がわかる。
ところで、回転キャップ12の摺動範囲、換言すれば回転範囲は、軸棒4の径より大きくなければならないのはもちろんであるが、回転キャップ12が保持される位置、即ち、回転キャップ12の突設部17aが固定プロック13の係止部18cに嵌入される位置より大きくならないように設定される。
【0016】
このような回転キャップ12の摺動に従って、軸棒4は、上記隙間5bを通って湾曲部5a内に、詳細には湾曲部5aを包囲する略S字状断面部16aの所定湾曲部内に押し込まれる。押し込まれると、回転キャップ12がスプリング14の付勢力によって元の位置、即ち、隙間5bを閉塞する部位に戻り、軸棒4は、上述の所定湾曲部内で係止される。このようにして、本装置1を用いれば、ワンタッチで当該作業が行える。
【0017】
ところで、場合によっては、図3(C)のように予め回転キャップ12を保持した状態にして、上記略S字状断面部16aの所定湾曲部内に軸棒4を挿入し、それから回転キャップ12の保持状態を解除するようにしても当該作業は行える。
【0018】
次に、取外作業をする場合には、図3(C)のように回転キャップ12を保持した状態にして軸棒4を取り外せばよい。
ここで、回転キャップ12を保持させるしかたを図5を参照して説明する。
回転キャップ12を保持させるためには、回転キャップ12の操作部16bに力を加えスプリング14の付勢力に抗して回転キャップ12を摺動させ、その断面部16aの奥部16cが湾曲部5aの先端5cに当接したところで(図2及び図3(C)を参照)、操作部16bに加えた力を解除すると、回転キャップ12と固定プロック13とは図5に示すような位置で、回転キャップ12の突設部17aが固定プロック13の係止部18cに嵌入される。そして、回転キャップ12は、スプリング14からの押し上げ力(付勢力)を受け、上記嵌入状態で保持される。
尚、この保持を解除するためには、回転キャップ12の操作部16bに力を加えスプリング14の付勢力に抗して同図中の矢印方向に押し下げながら、操作部16bに加えた力を解除すればよい。このとき、回転キャップ12は、スプリング14の付勢力によって図3(A)に示す位置に戻る。
【0019】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る扉開閉装置を図6,7を参照して説明する。尚、図6,7において、図1〜5の構成部材と同一の部材には同一番号を付し、その説明は割愛する。
本扉開閉装置30が扉開閉装置1と異なるところは、扉開閉装置1では回転キャップ12を取付プレート5の湾曲部5aに沿って摺動させることにより軸棒4を挿入する態様を採ったが、本扉開閉装置30では、後述の可動片31を固定片32の湾曲板37bの、その円弧軸方向に沿って摺動(第1係合部材の円筒状の湾曲部の、その円筒軸方向に沿って移動)させることにより軸棒4を挿入する態様を採ったものである。
したがって、本扉開閉装置30では、その取付プレート5の湾曲部5aに配設される連結部材は、図6に示すように、移動部材としての上記可動片31、固定片32、コイルスプリング(第2弾性部材)33で構成されている。
【0020】
このうち可動片31は、一方側が有底の中空短円筒34aに当該短円筒34aの軸に偏心して設けられた脚34bを有する部材34と、肉抜きが施された矩形面35aを有する略3角柱状の部材35とが並列的に連接された樹脂製の部材であり、部材35では、矩形面35aとの交叉面の一つが円弧状に加工されて円弧面35bをなし、この円弧面35bと部材34との間に所定の隙間36が、上記短円筒34aの軸に平行に形成されている。更に、上記円弧面35bと反対側の傾斜面もまた円弧状に加工されて円弧面35cをなし、この円弧面35cの両端には面取りが施されている。
一方、固定片32は、円板部材37aの一部周縁に沿って垂設された円弧状の湾曲板37bを有する部材37と、開口部38aが設けられた中空円筒状の部材38とが直列的に連接された部材であり、部材37の湾曲板37bには、切欠き39が形成されるとともに、この切欠き39に略対向する湾曲板37bの端部は、部材38の開口部38aの直上のところまで垂下している。
【0021】
このような連結部材において、固定片32は、取付プレート5の湾曲部5aに、この隙間5bの位置に固定片32の開口部38aが配され、その部材38のところで圧入される。そして、可動片31は、当該可動片31の隙間36に固定片32の湾曲板37bが緩挿され、当該可動片31の円弧面35bが湾曲板37bの、その円弧軸方向に沿って摺動できるような態様で湾曲部5aに配設される。このとき、スプリング33が、固定片32の円板部材37aと可動片31の短円筒34aとの間に、可動片31を図6中の矢印方向に付勢して介装される。この状態における可動片31は、その短円筒34aの有底部が部材38の端面38bに当接する状態となって上記開口部38aを閉塞するように作用し、後述するように軸棒4がこの開口部38aを介して挿入されるのを阻止するように作用する。
【0022】
本装置30を用いて扉体の取付作業及び取外作業を行う場合の手順を図7を参照して説明する。尚、図7においては、固定部材や扉体は省略されている。
まず、取付作業をする場合について説明する。
可動片31に対し軸棒4を図7(A)に示す位置に持って来るために、固定部材及び扉体の下方に配設される扉開閉装置(図示せず)で、扉体の下方を固定部材に係止させる。しかる後、図7(A)に示すように、上述のように軸棒4の挿入を阻止する可動片31に対し、その円弧面35cに軸棒4を当接させ、当接させた状態で力を加えて行くと、図7(B)に示すように、スプリング33の付勢力に抗して可動片31が同図中の矢印方向の分力により湾曲板37bに沿って摺動する。尚、円弧面35cの傾斜角度は、可動片31に作用する軸棒4の力の摺動方向への分力が最も有効に付与されるように選定する必要がある。
【0023】
このような可動片31の摺動に連れて、軸棒4は、上記開口部38aを通って固定片32内に、即ち湾曲部5a内に挿入される。挿入されると、可動片31がスプリング33の付勢力によって元の位置、即ち、開口部38aを閉塞する部位に戻り、軸棒4は、湾曲部5a内で係止される。このようにして、本装置30を用いれば、ワンタッチで当該作業が行える。
また、取外作業をする場合には、可動片31をスプリング33の付勢力に抗して図7(B)中の矢印方向に摺動させて軸棒4を取り外せばよい。このとき、可動片31は、スプリング33の付勢力によって開口部38aを閉塞する部位に戻り、図7(A)の状態になる。
【0024】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る扉開閉装置を図8,9を参照して説明する。尚、図8,9において、図1〜7の構成部材と同一の部材には同一番号を付し、その説明は割愛する。
本扉開閉装置40が扉開閉装置30と異なるところは、扉開閉装置30では、スプリング33により軸棒4の挿入を阻止する態様を採ったが、本扉開閉装置40では、後述する可動片41の自重により軸棒4の挿入を阻止する態様を採ったものである。
したがって、本扉開閉装置40において、その連結部材は、図8に示すように、移動部材としての上記可動片41及び蓋体42のみで構成されている。但し、これに関連して本扉開閉装置40では、取付プレート5の代わりに取付プレート43を用いている。
【0025】
可動片41は、中空円筒状の部材44に、この部材44の略中央から下端で、且つ、外周円弧面に、肉抜きが施された矩形面45aを有する略3角柱状の部材45が付設されたような形態の部材であり、このうちの部材44には、その軸方向に長さが略等しい大径部44aと小径部44bとが穿設される一方、その上端から上記矩形面45aの近傍に至るところに、当該部材44の軸方向に平行にスリット44cが設けられるとともに、このスリット44cは、その延長線が部材45に対しいくらかズレた位置に設けられている。また、部材45には、上記矩形面45aとの交叉面の一つに円弧状面が加工され、この円弧状面を介して当該部材45が、上述のように部材44に付設された態様をなす。更に、部材45には、上記円弧面と反対側の傾斜面に円弧面45bが加工され、この円弧面45bの両端には面取りが施されている。一方、蓋体42は、薄円板状の部材42aに細長円筒状の部材42bを垂設した部材である。
ところで、本扉開閉装置40では、上述のように取付プレート43を用いており、この取付プレート43は、略板状の一方端を切り欠いて突出部46を形成し、この突出部46の先端部に円筒状の湾曲部46aが形成されるようにしたものである。尚、湾曲部46aには、取付プレート5の湾曲部5aと異なり、隙間5bのようなものは形成されていない。
【0026】
このような連結部材において、可動片41は、その大径部44a内に湾曲部46aが緩挿されるとともに、そのスリット44cに突出部46の基端部46bが緩挿される。そして、蓋体42は、その部材42bが、大径部44a内に緩挿された湾曲部46aに緩挿される一方、その部材42aが部材44の端面に、例えば接着剤等で固着される。したがって、可動片41は、取付作業を始める前は、部材42aが湾曲部46aの端面に当接した状態で自重により垂れ下がっている(図9(A)参照)。
【0027】
本装置40を用いて扉体の取付作業及び取外作業を行う場合の手順を図9を参照して説明する。尚、図9においては、固定部材や扉体は省略されている。
まず、取付作業をする場合について説明する。
可動片41に対し軸棒4を図9(A)に示す位置に持って来るために、固定部材及び扉体の下方に配設される扉開閉装置(図示せず)で、扉体の下方を固定部材に係止させる。しかる後、図9(A)に示すように、軸棒4の挿入を阻止する可動片41に対し、その円弧面45bに軸棒4を当接させ、当接させた状態で力を加えて行くと、図9(B)に示すように、可動片41の自重に抗して可動片41が同図中の矢印方向の分力により突出部46の基端部46bを摺動する。尚、円弧面45bの傾斜角度は、上述同様に、可動片41に作用する軸棒4の力の摺動方向への分力が最も有効に付与されるように選定する必要がある。
【0028】
このような可動片41の摺動に連れて、軸棒4は、可動片41を押し上げて当該可動片41の小径部44b内に挿入される。挿入されると、可動片41がその自重によって元の状態、即ち、部材42aが湾曲部46aの端面に当接した状態に戻り、軸棒4は、可動片41内で係止される。このようにして、本装置40を用いれば、極めて簡便な装置によってワンタッチで当該作業が行える。
また、取外作業をする場合には、可動片41をその自重に抗して図9(B)中の矢印方向に摺動させて軸棒4を取り外せばよい。このとき、可動片41は、その自重によって部材42aが湾曲部46aの端面に当接した状態に戻り、図9(A)の状態になる。
【0029】
ところで、上述した第1〜3の実施の形態では、装置1,30,40が固定部材及び扉体の上方に配設されている場合について説明したが、固定部材及び扉体の下方に配設される場合であっても、同様に当該取付作業をワンタッチで行える。
また、上述した第1〜3の実施の形態では、第2係合部材3に固着された軸棒4を、第1係合部材2へ挿入する態様について説明したが、第1係合部材に軸棒4を固着し、この軸棒4に対して第2係合部材3が挿入されるようにする態様であっても、同様に当該取付作業をワンタッチで行える。
【0030】
【発明の効果】
本発明の扉開閉装置によれば、家具や建具等の固定部材に扉体を取り付けるための取付作業をワンタッチで行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態に係る扉開閉装置の一部断面構成図である。
【図2】 図1の取付プレート及びその連結部材の分解斜視図である。
【図3】 第1の実施の形態に係る装置の、取付作業時での動作説明図である。
【図4】 図3の分解斜視図である。
【図5】 第1の実施の形態に係る装置の、取外作業時での動作説明図である。
【図6】 第2の実施の形態に係る扉開閉装置の取付プレート及びその連結部材の分解斜視図である。
【図7】 第2の実施の形態に係る装置の動作説明図である。
【図8】 第3の実施の形態に係る扉開閉装置の取付プレート及びその連結部材の分解斜視図である。
【図9】 第3の実施の形態に係る装置の動作説明図である。
【図10】 従来の扉開閉装置の構成図である。
【図11】 従来の扉開閉装置の斜視図である。
【図12】 従来の改良された扉開閉装置の動作説明図である。
【符号の説明】
1,30,40 扉開閉装置
2 第1係合部材
3 第2係合部材
4 軸棒
5,43 取付プレート(第1係合部材)
5a 湾曲部
5b 隙間
12 回転キャップ(移動部材)
13 固定ブロック
14 スプリング(第1弾性部材及び第3弾性部材)
17a 突設部(凸部)
18c 係止部(凹部)
31,41 可動片(移動部材)
33 スプリング(第2弾性部材)
38a 開口部
Claims (3)
- 固定部材に配設された第1係合部材と扉体に配設された第2係合部材とが、該第2係合部材に固着された軸棒の、前記第1係合部材への挿入によって連設される扉開閉装置であって、前記第1係合部材への前記軸棒の挿入の際に、この軸棒の作用により前記第1係合部材に対して移動するように配設される一方、前記第1係合部材の一方端に形成された円筒状の湾曲部内に前記軸棒に平行に配設されるコイルスプリングにより前記軸棒の挿入を阻止するように配設される移動部材を備え、
前記移動部材は、前記第1係合部材の一方端に形成された円筒状の湾曲部に沿って移動可能な回転キャップであり、
前記コイルスプリングは、その一端が前記回転キャップの切欠き部に係合する一方、その他端が前記円筒状の湾曲部の最下端に固定された固定キャップの突設部に係合する第1弾性部材であって、前記回転キャップに付勢力を付与して、この回転キャップが前記湾曲部に形成される隙間を閉塞するように作用するとともに、前記軸棒が前記隙間を介して挿入されるのを阻止するように作用する第1弾性部材であることを特徴とする扉開閉装置。 - 固定部材に配設された第1係合部材と扉体に配設された第2係合部材とが、該第2係合部材に固着された軸棒の、前記第1係合部材への挿入によって連設される扉開閉装置であって、前記第1係合部材への前記軸棒の挿入の際に、この軸棒の作用により前記第1係合部材に対して移動するように配設される一方、その自重により又は前記第1係合部材の一方端に形成された円筒状の湾曲部内に前記軸棒に平行に配設されるコイルスプリングにより前記軸棒の挿入を阻止するように配設される移動部材を備え、
前記移動部材は、前記第1係合部材の一方端に形成された円筒状の湾曲部の、その円筒軸方向に沿って移動可能な可動片であり、
前記コイルスプリングは、前記可動片に付勢力を付与して、この可動片が前記湾曲部の隙間に形成される開口部を閉塞するように作用するとともに、前記軸棒が前記開口部を介して挿入されるのを阻止するように作用する第2弾性部材であることを特徴とする扉開閉装置。 - 前記回転キャップが所定位置で保持される時には、当該回転キャップに形成された凸部が前記第1係合部材の固定ブロックに形成された凹部に嵌入するとともに、前記回転キャップは、前記嵌入状態を保持すべく第3弾性部材によって付勢されることを特徴とする請求項1に記載の扉開閉装置。
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