JP3745607B2 - 自動倉庫における物品ピッキング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動倉庫に収納されているパレットを外部に取り出してそのパレット内から所望の物品をピッキングし、ピッキング後のパレットを再び自動倉庫に戻すように構成された自動倉庫における物品ピッキング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の自動倉庫における物品ピッキング装置は、コンピュータの向先出庫指示で自動倉庫内の所定のパレットをスタッカークレーンを用いて出庫し、さらにコンベア搬送ラインを用いて所定のピッキング位置に搬送し、このピッキング位置で指示された物品をピッキングし、ピッキングの終了したパレットをコンベア搬送ライン及びスタッカークレーンを用いて再び自動倉庫の所定の位置に戻すように構成されていた。
【0003】
この種の物品ピッキング装置は通常向先単位のピッキング作業であるため、あるパレットに複数の向先指示があっても集約ピッキングが行なわれない。即ち自動倉庫を管理する管理コンピュータの向先出庫指示で所定のパレットをピッキング位置まで搬送し、向先単位のピッキング作業が完了するとこのパレットを一旦自動倉庫の棚内に再入庫し、再び同一パレットへの次の向先出庫指示によって出庫して同様のピッキング作業を行なうようになっており、このため同一パレットに対して複数向先指示がある場合はピッキングに時間がかかるという問題があった。
【0004】
このため前記コンベア搬送ラインに別途ストックコンベアを設置し、複数向先出庫指示のあるパレットの場合はピッキング終了後に自動倉庫に戻さず、次の向先出庫指示があるまでストックコンベアに待機させておき、次の向先出庫指示があるとストックコンベアからピッキング位置にパレットを搬送してピッキングを行うようにし、全ての向先出庫指示によるピッキングが終了した後にこのパレットを自動倉庫の所定位置に戻すようにする方法も考えられる。このように構成すれば、スタッカークレーンやコンベア搬送ラインへの負担が軽減され、またピッキング位置への出庫搬送時間が大幅に短縮される。
【0005】
しかしながら上記ストックコンベアを設置した物品ピッキング装置においても、ストックコンベアにストックできるパレットが満杯の場合は、それ以外のパレットはたとえ複数向先出庫指示があっても一度自動倉庫の棚に戻さなければならず、この場合は前述と同様にピッキングに時間がかかるという問題があった。特に自動倉庫の棚に戻すパレットの中でも、再出庫までの時間の短いもの(そのパレットの出庫順番が現在ピック作業中のパレットに近いもの)は再入庫と再出庫が連続して行なわれる手順を経るため非効率的である。
【0006】
またこの種の物品ピッキング装置は順番制御の性質上、前記再出庫までの時間の短いパレットの再入庫と再出庫が終わるまで、このパレットより遅い出庫順序のパレットをコンベア搬送ラインに搬送できず、コンベア搬送ラインを止める原因となっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、複数向先指示があって再ピッキングする必要のあるパレットの自動倉庫への再入出庫の手順を簡素化でき、搬送時間の短縮化が図れてピッキング時間の短縮化が図れる自動倉庫における物品ピッキング装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため本発明は、棚と棚に物品を出し入れするクレーンとを有する自動倉庫と、自動倉庫から出庫されたパレットを搬送するコンベア搬送ラインと、倉庫管理コンピュータと、前記倉庫管理コンピュータの向先出庫指示により前記自動倉庫の出庫用ゲートから出庫されたパレットをコンベア搬送ラインを介して所定のピッキング位置に搬送し、ピッキング位置で指示された物品がピッキングされたパレットを再びコンベア搬送ラインを介して前記自動倉庫の入庫用ゲートから自動倉庫内に戻すように制御する搬送制御手段とを具備する自動倉庫における物品ピッキング装置において、前記コンベア搬送ラインの前記ピッキング位置近傍にストックコンベアを設置し、前記搬送制御手段は、複数向先出庫指示のあるパレットであって且つ次出庫順番の上位から所定数のパレットをピッキング終了後も次向先出庫指示まで前記ストックコンベアに待機させ、全ての向先出庫指示によるピッキングが終了した後、当該パレットを前記コンベア搬送ラインを介して前記自動倉庫の入庫用ゲートに戻すとともに、再ピッキングされるパレットであって且つストックコンベアに搬送されず自動倉庫の入庫用ゲートに戻されたパレットがクレーンによる次の出庫順番のパレットであって且つ出庫用ゲートに別のパレットがない場合はこのパレットを入庫用ゲートから出庫用ゲートへ直送することを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記コンベア搬送ラインの前記ピッキング位置近傍にストックコンベアを設置し、前記搬送制御手段は、複数向先出庫指示のあるパレットをピッキング終了後も次向先出庫指示まで前記ストックコンベアに待機させ、全ての向先出庫指示によるピッキングが終了した後、当該パレットを前記コンベア搬送ラインを介して前記自動倉庫の入庫用ゲートに戻すことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の物品ピッキング装置を具備する自動倉庫設備の全体概略構成図である。同図に示すようにこの自動倉庫設備は、自動倉庫10とコンベア搬送ライン20とを具備して構成されている。自動倉庫10は一対の棚11が所定間隔を置いて配列されたものが複数列(図では四列)配置されている。各棚11と棚11の間にはスタッカークレーン12が配置され、このスタッカークレーン12によって棚11内にパレットを出し入れできるようになっている。
【0011】
コンベア搬送ライン20は各棚11に隣接して配置され、スタッカークレーン12からの出庫パレットを受けると共に入庫パレットをスタッカークレーン12に渡す入出庫用コンベア21と、入出庫用コンベア21からのパレットを受けると共に入出庫用コンベア21にパレットを渡す搬送コンベア22とからなっている。入出庫用コンベア21の棚11側には、入庫用ゲート15と出庫用ゲート16とが、一台のスタッカークレーン12の両側に対となるように交互に設けられている。搬送コンベア22の所定位置にはパレット内の物品をピッキングするためのピッキングゲート(ピッキング位置)23と、パレットを入庫するための入庫ゲート24と、パレットを出庫するための出庫ゲート25とが設けられ、さらにピッキングゲート23に隣接して複数本(この実施の形態では5本)のストックコンベア26が設けられている。
【0012】
図2は上記自動倉庫設備を制御する制御装置の一構成例を示す図である。同図に示すようにこの制御装置は、ホストコンピュータ31と、倉庫管理コンピュータ32と、制御盤33とを具備して構成されている。制御盤33は倉庫管理コンピュータ32と自動倉庫10のスタッカークレーン12及びコンベア搬送ライン20とを接続し、通信及び搬送制御を行う制御盤である。34はスタッカークレーン12を遠隔制御するスタッカークレーン遠隔制御盤であり、35はコンベア搬送ライン20に属する入出庫用コンベア21と搬送コンベア22とピッキングゲート23と入庫ゲート24と出庫ゲート25とストックコンベア26とを制御するコンベア制御盤である。
【0013】
上記制御装置による制御は以下のようにして行なわれる。即ちまずホストコンピュータ31から倉庫管理コンピュータ32に予定出庫データが出力されると、倉庫管理コンピュータ32は予定出庫データに該当するパレットを引き当て、制御盤33及びスタッカークレーン遠隔制御盤34を介してスタッカークレーン12を制御し、このパレットを出庫用ゲート16において入出庫用コンベア21に渡し、図1に矢印a1で示すように搬送コンベア22によってピッキングゲート23まで搬送する。ピッキングゲート23ではピッキング作業者が指示された物品をパレット内よりピッキングする。そして次の向先がある場合は矢印a2で示すようにこのパレットを何れかのストックコンベア26に搬送してパレット待機位置261に待機させる。一方次の向先がない場合はパレットを矢印a3で示すように所定の入出庫用コンベア21に戻し、入庫用ゲート15からスタッカークレーン12で棚11に戻す。一方ストックコンベア26に待機していたパレットが次の向先指示の順番になると矢印a4で示すようにピッキングゲート23まで搬送されて再びピッキングされ、全ての向先出庫指示のピッキングが終了すると、搬送コンベア22及び入出庫用コンベア21で矢印a3のように搬送され所定の棚11に再入庫される。
【0014】
一方ストックコンベア26にストックできるパレットの数はこの実施形態では5台であるが、この5台のパレットがストックコンベア26にストックされていると、さらに複数の向先指示のあるパレットが棚11から出庫されてピッキングゲート23でピッキングされた場合、これをストックコンベア26にストックすることはできないので、このパレットは矢印a3で示すように入出庫用コンベア21から入庫用ゲート15に戻すが、そのパレットがそのスタッカークレーン12の次の出庫順序の順番のものであるときは入庫用ゲート15から出庫用ゲート16へ直送して出庫用ゲート16に待機させておく。それ以外の出庫順序のものの場合は入庫用ゲート15からスタッカークレーン12で棚11に戻す。そして出庫用ゲート16に待機させたパレットにピッキングの順番がくると、このパレットを出庫用ゲート16から入出庫用コンベア21に渡し、矢印a1に示すように搬送コンベア22によってピッキングゲート23まで搬送してピッキングする。その後はそのパレットの条件に応じて上記各種の位置に搬送する。以下上記ピッキングのための動作を詳細に説明する。
【0015】
上記構成の自動倉庫設備において、ホストコンピュータ31により、向先、順番、物品コード、出庫数の予定出庫データが倉庫管理コンピュータ32に出力される。倉庫管理コンピュータ32はこの予定出庫データに基づいて自動倉庫10内の該当パレットを引き当てる。引き当てたパレットを予定出庫データ通りにオーダーピッキングするため、倉庫管理コンピュータ32で該当パレットの出庫指示により出庫順番を図3に示すように付番する。図3において、A01,A02,B01,C01,D01,…は物品コードを示し、001,002,003,…は出庫順番を示す。
【0016】
倉庫管理コンピュータ32上で引き当てたパレットの出庫順番や出庫搬送回数などを図4に示す表のように管理し、その順番に従って出庫指示を制御盤33を介しスタッカークレーン遠隔制御盤34及びコンベア制御盤35に送る。またパレット上の在庫数の関係より複数パレットにまたがって出庫されるパレットも発生するが、同一商品パレットが連続した出庫搬送となるように、倉庫管理コンピュータ32にて順番を管理する。
【0017】
制御盤33で管理しているトラッキングデータ及び未実行データ(仮想データ)には倉庫管理コンピュータ32で付番した出庫順番を持たせる。制御盤33は各パレットの出庫順番を図5に示すチェックポイントPで比較し、図5に示す位置にあるパレット36の搬送可否をチェックする。
【0018】
自動倉庫10内より出庫された前記パレット36が搬送コンベア22へ載り移る際、点線Xより上の各入出庫用コンベア21上及び合流点より上流の搬送コンベア22にプールされているパレット、スタッカークレーン12で搬送中のパレット、実行待ちパレット(仮想データ)の各出庫順番を制御盤33にてチェックし、パレット36より出庫順番の小さいパレットが存在するかどうかをチェックする。小さい出庫順番のパレットがあった場合、そのパレットが先に搬送されるまで、搬送コンベア22に移載せず待機し、小さい出庫順番のパレットがない場合、搬送コンベア22に移載する。
【0019】
上記関係を図示すると、図6(a),(b)のようになる。図6において、Nに付した番号は出庫順番を、nに付した番号は搬送順番を示す。図示するように出庫順番の小さい方の搬送順番が出庫順番の大きい方の搬送順番より小さくなる。
【0020】
ピッキングゲート23でピッキング作業が完了したパレットは、図7に示すよう倉庫管理コンピュータ32の指示でパレットの状態に応じて下記のように搬送される。
【0021】
▲1▼複数回の出庫指示があり、すぐに次出庫指示されるパレットの場合
→ ストックコンベア26へ搬送指示する(矢印a2)。
【0022】
▲2▼複数回の出庫指示はあるがストックコンベア26に空きがなく且つ再入庫しようとする棚11のスタッカークレーン12の次の出庫順序の順番のものである場合
→ 入庫用ゲート15に戻した後出庫用ゲート16へ直送して待機するように指示する(矢印a3及びa5)。
【0023】
▲3▼一回の出庫指示しかないパレットの場合、又は複数回の出庫指示はあるが上記▲1▼,▲2▼に含まれないものの場合
→ 棚11内へ再入庫指示する(矢印a3)。
【0024】
倉庫管理コンピュータ32は、複数回出庫指示のあるパレットで次出庫順番の上位から所定数のパレット(ここでは5パレット)をストックコンベア26に仮置きするように制御する。ストックコンベア26上のパレットは複数回ピッキングゲート23でピッキング作業を行ない、ピッキング作業が完了した時点で自動倉庫10の棚11内に再入庫される。
【0025】
ストックコンベア26からの搬送起動は図8に示すポイントAに、別のパレットN4が到着した際、制御盤33により、ストックコンベア26上のパレットの出庫順番と比較し、搬送可否をチェックする。ストックコンベア26上に搬送コンベア22上のN4のパレットより小さい出庫順番パレットがある場合(図ではN3のパレット)、そのパレットをピッキングゲート23へ搬送起動させる。そしてN4のパレットはそのままピッキングゲート23の手前まで搬送させ、そこで待機させる。
【0026】
ピッキングゲート23へのパレットの引き込みは、制御盤33により、図9に示すように出庫順番を比較し、搬送可否をチェックする。即ち、ピッキングゲート23の左右に存在するパレットで出庫順番の若い方のパレットをピッキングゲート23に引き込む(図では左にN4のパレットと右にN3のパレットが存在するから、右のN3のパレットを引き込む)。
【0027】
上記出庫及びピッキングのための倉庫管理コンピュータ32の搬送制御フローを図10及び図11に示す。図に基づいて出庫及びピッキングのための搬送制御を説明する。予定出庫データに従い、該当パレットを引き当てる(ステップST1)。在庫管理における先入先出管理の手法(FIFO)に基づき、出庫順番を付番する(ステップST2)。先入先出管理に従って制御盤33に出庫指示を送信する(ステップST3)。
【0028】
制御盤33は倉庫管理コンピュータ32の出庫指示に従って出庫動作を開始する(ステップST4)。自分より若い出庫順番のパレットがあるか否かをチェックポイントPで判断し(ステップST5)、小さい出庫順番のパレットがなければ次のチェックポイントA(図8参照)まで搬送し(ステップST6)、小さい出庫順番のパレットがあればこの小さい出庫順番のパレットを先に搬送させ、大きい出庫順番のパレットは入出庫用コンベア21上に待機する(ステップST7)。(図5及び図6(a),(b)参照)
【0029】
次にチェックポイントAまで搬送した場合は自分より小さい出庫順番のパレットがあるか否かをチェックポイントAで判断し(ステップST8)、小さい出庫順番のパレットがなければピッキングゲート23の直近まで搬送し(ステップST9)、小さい出庫順番のパレットがあればストックコンベア26上のパレットをピッキングゲート23へ搬送する(ステップST10)。(図8参照)
【0030】
次にピッキングゲート23の左右に存在するパレットのどちらの出庫順番が小さいか否かを判断し(ステップST11)、左のパレットの出庫順番が若ければ左のパレットをピッキングゲート23に引き込み(ステップST12)、右のパレットの出庫順番が若ければ右のパレットをピッキングゲート23に引き込む(ステップST13)。(図9参照)
【0031】
作業者はピッキングゲート23にて、パレット内の物品のピッキング作業を行ない(ステップST14)、ピッキング作業を完了する(ステップST15)。
【0032】
続いて倉庫管理コンピュータ32は上記ピッキング作業の完了したパレットをストックコンベア26に搬送するか否かを判断する(ステップST16)。ストックコンベア26への搬送は、前述のようにピッキング作業の完了したパレットに複数回の出庫指示があり、且つ残りの出庫指令による出庫順番が上位の所定の順番内にあり、且つストックコンベア26に空きがある場合に行なう。そしてストックコンベア26に搬送する場合はストックコンベア26上への搬送を指示する(ステップST17)。
【0033】
一方ピッキング作業が完了したパレットをストックコンベア26に搬送しない場合、即ちピッキング作業の完了したパレットに次の出庫指示がない場合及びピッキング作業の完了したパレットに複数回の出庫指示はあるが残りの出庫指令による出庫順番が上位の所定の順番内にない場合やストックコンベア26に空きがない場合は、倉庫管理コンピュータ32はそのパレットを入庫用ゲート15へ搬送するように指示し(ステップST18)、次にそのパレットが入庫用ゲート15に到着すると(ステップST19)、このパレットがこのパレットを収納するスタッカークレーン12の次の出庫順番に該当するか否かを判断し(ステップST20)、次の出庫順番に該当しない場合は自動倉庫10への再入庫を指示し(ステップST21)、また出庫用ゲート16に出庫待ちデータがある場合(即ち出庫用ゲート16にパレットがある場合)も自動倉庫10への再入庫を指示し(ステップST22,21)、一方出庫用ゲート16に出庫待ちデータがない場合(即ち出庫用ゲート16にパレットがない場合)はスタッカークレーン12に入庫用ゲート15上のパレットを出庫用ゲート16に直送することを指示する(ステップST22,23)。
【0034】
ところで出庫パレットと入庫・再入庫パレットが共通搬送ルートを搬送される場合、搬送コンベア22には入出庫用コンベア21からの出庫パレット、入庫ゲート24からの入庫パレット、ピッキングゲート23からの再入庫パレットが乗り移り、搬送コンベア22が混雑し、パレットの出入庫及びピッキング作業に支障をきたすことがある。そこで搬送コンベア22で出庫パレットと入庫・再入庫パレットの両方を搬送するエリアには搬送コンベア22上には基本的に出庫パレットは一個だけしか乗せないようにする合流制御をする必要がある。
【0035】
次に、上記パレットの合流制御について図12、図13、図14及び図15を用いて説明する。図12はパレットの合流制御を説明するための図である。棚11から出庫されたパレットが搬送コンベア22へ乗り移る際、チェックポイントPAの通過出庫順番及び予備チェックポイント(予備チェックエリア)PA’上のパレットの出庫順番(図ではN5〜N9)をチェックする。そして自身の出庫順番と比較し、チェックポイントPAへの搬送可能な場合、該チェックポイントPAより上流側の搬送コンベア22へ乗り移り、搬送不可能な場合、搬送コンベア22へ乗り移らず手前で待機する。
【0036】
ストックコンベア26上のパレットがピッキングゲート23へ搬送起動する際も、上記と同様の考えで、チェックポイントPBの通過出庫順番及び予備チェックポイント(予備チェックエリア)PB’上のパレットの出庫順番をチェックする。そして自身の出庫順番と比較し、チェックポイントPBへの搬送可能な場合、ピッキングゲート23へ向けて搬送起動する。搬送不可能な場合は、ストックコンベア26上で待機する。また、ピッキングゲート23への左右パレットの引込みはチェックポイントPBを通過した出庫順番の次の番号のパレットをピッキングゲート23へ引き込むだけである。
【0037】
今、チェックポイントPAの通過出庫順番及び予備チェックポイントPA’上のパレットの出庫順番と、チェックポイントPBの通過出庫順番及び予備チェックポイントPB’上のパレットの出庫順番が図12のようになっているものとして具体的制御例を説明する。入出庫用コンベア21から搬送コンベア22への搬送許可は、予備チェックポイントPA’に到着したパレットの出庫順番を出庫順番の連続した順番に読み込み、読み込まれた出庫順番の次の出庫順番のパレットが搬送コンベア22への搬送移動を許可される。図12では出庫順番N7の搬送コンベア22への搬送起動が許可される。予備チェックポイントPA’では出庫順番N7のパレットが無いので、出庫順番N8,N9のパレットの出庫順番が読み込まれず出庫順番N10のパレットの搬送起動が許可されない。チェックポイントPAへの搬送起動も出庫順番順に許可される。
【0038】
ストックコンベア26からの搬送起動は、上記搬送コンベア22への合流と同様に、予備チェックポイントPB’のパレットの出庫順番(図12ではN5,N6)を連続した順番で読み込み、読み込まれた次の順番のパレットのストックコンベア26から搬送起動が許可される。図12ではストックコンベア26の出庫順番N7のパレットが搬送起動が許可され、該パレットが予備チェックポイントPB’に到着したら、出庫順番N8,N9のパレットの該出庫順番が読み込まれ、ストックコンベア26の出庫順番N10のパレットの搬送起動が許可される。ピッキングゲート23への搬送起動は出庫順番に許可される。
【0039】
ここで、チェックポイントPAを通過した次の出庫順番のみを入出庫用コンベア21から搬送コンベア22への乗り移りを許可する様にすると、搬送コンベア22を入出庫用コンベア21からチェックポイントPAに向かって出庫パレットを搬送する間は入出庫用コンベア21から搬送コンベア22への搬送ができないので、時間ロスとなる。よって、この時間ロスを避けるために、チェックポイントPAに直結し、且つ入庫・再入庫パレットが搬送されない予備チェックポイントPA’にある出庫パレットの出庫順番を考慮して入出庫用コンベア21から搬送コンベア22への乗り移りを許可することとし、ロス時間を最小にした。予備チェックポイントPB’を設けたのも同じ理由による。
【0040】
上記合流制御を含む出庫及びピッキングのための搬送制御フローを図13乃至15に示す。予定出庫データに従い該当パレットを引き当てる(ステップST21)。在庫管理における先入先出管理の手法(FIFO)に基づき、出庫順番を付番する(ステップST22)。先入先出管理に従って制御盤33に出庫指示を送信する(ステップST23)。続いて制御盤33による棚11からピッキングゲート23までの合流処理を行なう(ステップST24)。
【0041】
続いて、ピッキングゲート23にてピッキング作業を行ない(ステップST25)、ピッキング作業が完了したら(ステップST26)、続いて本パレットが再入庫するパレットか否かを判断し(ステップST27)、再入庫するパレットであったら自動倉庫10への再入庫指示を行なう(ステップST28)。前記ステップST27で本パレットが再入庫するパレットでない場合は、ストックコンベア26への搬送指示を行ない(ステップST29)、ストップコンベア26からピッキングゲート23への合流処理を行なう(ステップST30)。
【0042】
図14は上記制御盤33による棚11からピッキングゲート23までの合流処理(ステップST24)の詳細を示す図である。棚11からのパレットの出庫搬送をスタートさせる(ステップST31)。続いて、チェックポイントPA及び予備チェックポイントPA’にあるか、又は通過したパレットの出庫順番の比較を行ない(ステップST32)、搬送コンベア22への移載(乗り移し)が可能か否かを判断し(ステップST33)、可能だったらピッキングゲート23へ向けて搬送を行なう(ステップST34)。搬送コンベア22への移載が不可能であった場合は搬送コンベア22の手前で待機させ(ステップST35)、前記ステップST33へと移行する。
【0043】
前記ピッキングゲート23へ向けて搬送を行なったら、チェックポイントPB及び予備チェックポイントPB’にある各パレットが次出庫順番か否かを判断し(ステップST36)、次出庫順番のパレットであったら当該パレットをピッキングゲート23へ引き込み(ステップST37)、該ピッキングゲート23でピッキング作業を行なう(ステップST25)。また、前記ステップST36において、次出庫順番でないパレットはピッキングゲート23の手前で待機し(ステップST39)、前記ステップST36へ移行する。
【0044】
図15は上記制御盤33によるストックコンベア26からピッキングゲート23への合流処理(ステップST30)の詳細を示す図である。先ず、ストックコンベア26から搬送をスタートする(ステップST41)。続いてチェックポイントPB及び予備チェックポイントPB’にあるか、又は通過したパレットの出庫順番を比較し(ステップST42)、ピッキングゲート23に搬送することが可能なパレットか否かを判断し(ステップST43)、可能なパレットであればピッキングゲート23に向けて搬送し(ステップST44)、搬送不可能なパレットであればストックコンベア26上で待機し(ステップST45)、前記ステップST43に移行する。
【0045】
前記ステップST44でピッキングゲート23に向けて搬送されたら、続いてチェックポイントPBにあるパレットが次出庫順番にあるか否かを判断し(ステップST46)、次出庫順番であったら、ピッキングゲートへ引き込み(ステップST47)、ピッキングゲート23でピッキング作業を行ない(ステップST48)、次出庫順番でなかったらピッキングゲート手前で待機させ(ステップST49)、前記ステップST46に移行する。
【0046】
以上のようにこの実施の形態ではストックコンベア26を設けているので複数回の出庫指示がかけられたパレットを一々自動倉庫10に戻さなくて済むので、スタッカークレーン12やコンベア搬送ライン20への負荷が軽減され、ピッキングゲート23への出庫搬送時間(パレット供給時間)が大幅に短縮されるが、更に本発明においては例えストックコンベア26にストックしたパレットが一杯でも、再ピッキングが必要で且つ入庫用ゲートに戻されたパレットがスタッカークレーン12によって出庫される順序の順番のときは入庫用ゲート15から出庫用ゲート16へ直送するように構成したので、ストックコンベア26にストックできないパレットにおいても一々自動倉庫10に戻さなくて済み、さらなるスタッカークレーン12やコンベア搬送ライン20への負荷の軽減が図れ、パレットのピッキングゲート23への出庫搬送時間(パレット供給時間)の大幅な短縮が図れる。
【0047】
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【0049】
例えば上記実施の形態では1つのコンベア搬送ライン20によって四組の棚11及びスタッカークレーン12によるパレットの入出庫を行なったが、例えば図16に示すように搬送コンベア22−1〜4を四組に分け、夫々に設置したピッキングゲート23−1〜4に必要に応じて各組の棚11からパレットを搬送するようにしても良い。この実施の形態においてはストックコンベアを設けてはいないが、各搬送コンベア22−1〜4上にパレットを待機させておくことで、搬送効率を向上させることができる。そしてこの実施の形態の場合も、再ピッキングが必要であるが各搬送コンベア22−1〜4上に待機させておくことができずに自動倉庫10に戻すパレットであり且つこのパレットがこのパレットを入庫するスタッカークレーン12の出庫順序の順番のときは入庫用ゲート15から出庫用ゲート16へ直送するように構成した。このようにコンベア搬送ライン20の構造を種々変更しても、本発明を用いることでコンベア搬送ライン20への負荷の軽減が図れ、パレットのピッキングゲート23への出庫搬送時間(パレット供給時間)の大幅な短縮を図ることができる。なおこの自動倉庫設備に別途ストックコンベアを設けても良いことはいうまでもない。
【0050】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、自動倉庫の入庫用ゲートに戻されたパレットの内で次にすぐ出庫しようとするパレットを自動倉庫に再入庫せず、入庫用ゲートから出庫用ゲートへ直送するように構成したので、自動倉庫への再入出庫の手順を簡素化できてコンベア搬送ラインの円滑な運転を行なうことができ、搬送時間の短縮化が図れてピッキング時間の短縮化が図れるという優れた効果を有する。特にストックコンベアを併せて設置したので、上記効果を増大させることができ、好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の物品ピッキング装置を具備する自動倉庫における自動倉庫設備の構成を示す図である。
【図2】図1の自動倉庫設備の制御装置の構成を示す図である。
【図3】出庫指示によるパレットの出庫順番の例を示す図である。
【図4】引き当てたパレットの出庫順番や出庫回数の例を示す図である。
【図5】搬送コンベアに載せるパレットの順番のチェック例を示す図である。
【図6】搬送コンベアにおけるパレットの搬送順番例を示す図である。
【図7】ピッキングゲートからのパレットの搬送例を示す図である。
【図8】ピッキングゲートへのパレットの搬送例を示す図である。
【図9】ピッキングゲートへのパレットの引込み例を示す図である。
【図10】本発明の自動倉庫における物品ピッキング装置の搬送処理フローを示す図である。
【図11】本発明の自動倉庫における物品ピッキング装置の搬送処理フローを示す図である。
【図12】本発明の自動倉庫における合流制御を説明するための図である。
【図13】本発明の自動倉庫における合流制御を含む物品ピッキング装置の搬送処理フローを示す図である。
【図14】本発明の自動倉庫における自動倉庫の棚からピッキングゲートまでの合流処理フローを示す図である。
【図15】本発明の自動倉庫における搬送コンベアからピッキングゲートへの合流処理フローを示す図である。
【図16】他の実施の形態にかかる物品ピッキング装置を具備する自動倉庫における自動倉庫設備の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 自動倉庫
11 棚
12 スタッカークレーン
15 入庫用ゲート
16 出庫用ゲート
20 コンベア搬送アライン
21 入出庫用コンベア
22 搬送コンベア
23 ピッキングゲート
24 入庫ゲート
25 出庫ゲート
26 ストックコンベア
31 ホストコンピュータ
32 倉庫管理コンピュータ
33 制御盤
34 スタッカークレーン遠隔制御盤
35 コンベア制御盤
36 パレット
Claims (1)
- 棚と棚に物品を出し入れするクレーンとを有する自動倉庫と、自動倉庫から出庫されたパレットを搬送するコンベア搬送ラインと、倉庫管理コンピュータと、前記倉庫管理コンピュータの向先出庫指示により前記自動倉庫の出庫用ゲートから出庫されたパレットをコンベア搬送ラインを介して所定のピッキング位置に搬送し、ピッキング位置で指示された物品がピッキングされたパレットを再びコンベア搬送ラインを介して前記自動倉庫の入庫用ゲートから自動倉庫内に戻すように制御する搬送制御手段とを具備する自動倉庫における物品ピッキング装置において、
前記コンベア搬送ラインの前記ピッキング位置近傍にストックコンベアを設置し、
前記搬送制御手段は、複数向先出庫指示のあるパレットであって且つ次出庫順番の上位から所定数のパレットをピッキング終了後も次向先出庫指示まで前記ストックコンベアに待機させ、全ての向先出庫指示によるピッキングが終了した後、当該パレットを前記コンベア搬送ラインを介して前記自動倉庫の入庫用ゲートに戻すとともに、
再ピッキングされるパレットであって且つストックコンベアに搬送されず自動倉庫の入庫用ゲートに戻されたパレットがクレーンによる次の出庫順番のパレットであって且つ出庫用ゲートに別のパレットがない場合はこのパレットを入庫用ゲートから出庫用ゲートへ直送することを特徴とする自動倉庫における物品ピッキング装置。
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