JP3745520B2 - サーモスタット弁装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジエータからの冷却水の流入、あるいは、エンジンからの冷却水の流出を制御するサーモスタット弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車のエンジン冷却系では、冷却水の温度を所定の温度に保つため、ラジエータ側への冷却水の流れを制御するサーモスタット弁装置が配置されている。
しかしながら、従来のサーモスタット弁装置では、開弁温度を80℃程度の一定値にしか設定することができず、以下のような問題があった。
【0003】
すなわち、通常80℃程度の開弁温度は、外気温が高い夏場を想定して設定され、夏場の外気温と水温の差で決まるラジエータ放熱能力で弁を開閉して水温制御している状態の設定温度であるため、冬場の外気温が低い時には、外気と水温の温度差が大きくラジエータ能力が増大するため、サーモスタットのハンチング現象が生じ、目標水温である80℃以下となりオーバークール傾向となる。
【0004】
このような傾向を対策したサーモスタット弁装置として、通常の開弁温度より高い、例えば、90℃〜100℃程度の開弁温度とした寒冷地用のサーモスタットが開発されているが、このサーモスタットを外気温の高い夏場に使用すると、逆に高水温でサーモスタットが制御されるため、外気と水温の温度差が小さくラジエータ能力が低下しているため、急激なエンジン負荷増大時には、オーバーヒートが発生する虞がある。
【0005】
従来、このような問題を解決したサーモスタット弁装置として、例えば、特開平6−207685号公報に開示されるものが知られている。
図4は、この公報に開示されるサーモスタット弁装置を示すもので、この装置では、ハウジング1内に、サーモスタット本体2が収容されている。
サーモスタット本体2は、ワックス3の収容される感温ケース4と、この感温ケース4内に収容されるワックス3の温度による体積変化により移動されるピストンロッド5とを有している。
【0006】
感温ケース4は、ホルダ6を介して横ウエブ7に固定されており、ピストンロッド5には、主弁8およびバイパス弁9が固定されている。
そして、このサーモスタット弁装置では、感温ケース4内に電気ヒータ10が配置されている。
このようなサーモスタット弁装置では、冬場の外気温が低い時の目標水温で開弁温度が決められるため、例えば、90℃〜100℃程度で開弁するワックスが選択されている。
【0007】
そして、外気温が高い夏場は、電気ヒータ10をオンすることにより、感温ケース4内に収容されるワックス3を強制加熱して、冷却水の温度が80℃程度の温度でも開弁することが可能になり、エンジンの目標水温を維持することができる。
これにより、外気温によらず水温を維持することができるため、冬場の冷却水オーバークール傾向による燃費悪化を低減し、また、排気ガス中の炭化水素等の発生を低減することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のサーモスタット弁装置では、感温ケース4内のワックス3を電気ヒータ10により加熱するためには、エンジンの状態および外気温の信号を制御装置に入力し、所定の条件を満足している時にのみ電気ヒータ10を作動する必要があるため、制御装置が非常に複雑になるという問題があった。
【0009】
本発明者は、かかる従来の問題を解決するために鋭意研究した結果、外気により感温ケース内のワックスを冷却し、冷却水によるワックスの加熱を外気温が低温になる程抑制することにより、開弁温度を高める効果を得ることができることを見出した。
すなわち、外気温が低い程、サーモスタットの開弁温度を上昇させないと、エンジンの所定の目標水温に冷却水の温度を維持できないため、外気温と水温の温度差に比例して開弁温度を上昇する必要がある。
【0010】
そこで、その温度差を利用して、ワックスを加熱して個体から液化膨張するのに必要な熱量を外気に放出できれば液化膨張を抑制することで、サーモスタットの開弁温度を上昇させることができる。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたもので、感温ケース内のワックスに伝わる熱を、外気温と水温の温度差に比例して外気に放出することができるサーモスタット弁装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1のサーモスタット弁装置は、ラジエータからの冷却水の入口流路、または、エンジンからの冷却水の出口流路に配置され、感温ケース内に収容されるワックスの温度が所定温度以上の時に、前記入口流路または出口流路を開くサーモスタット弁装置において、前記感温ケースにヒートパイプの冷却端を熱的に接続するとともに、前記ヒートパイプの放熱端を、エンジンの吸気ダクト内通路に配置してなることを特徴とする。
【0012】
請求項2のサーモスタット弁装置は、ラジエータからの冷却水の入口流路、または、エンジンからの冷却水の出口流路に配置され、感温ケース内に収容されるワックスの温度が所定温度以上の時に、前記入口流路または出口流路を開くサーモスタット弁装置において、前記感温ケースにヒートパイプの冷却端を熱的に接続するとともに、前記ヒートパイプの放熱端を、外気雰囲気中に配置し、前記ヒートパイプの放熱端に、放熱フィンを配置してなることを特徴とする。
【0013】
請求項のサーモスタット弁装置は、ラジエータからの冷却水の入口流路、または、エンジンからの冷却水の出口流路に配置され、感温ケース内に収容されるワックスの温度が所定温度以上の時に、前記入口流路または出口流路を開くサーモスタット弁装置において、前記感温ケースにヒートパイプの冷却端を熱的に接続するとともに、前記ヒートパイプの放熱端を、外気雰囲気中に配置し、前記感温ケースをハウジング内に収容するとともに、前記ハウジングに前記感温ケースの底面側に向けて突出する筒状部を形成し、この筒状部内に前記ヒートパイプを挿通してなることを特徴とする。
請求項のサーモスタット弁装置は、請求項記載のサーモスタット弁装置において、前記筒状部の先端を、前記感温ケースの底面に形成される環状突部内に嵌挿してなることを特徴とする。
【0014】
請求項のサーモスタット弁装置は、請求項または記載のサーモスタット弁装置において、前記筒状部の外側開口を、弾性部材からなるキャップによりシールし、このキャップに前記ヒートパイプを挿通してなることを特徴とする。
【0015】
(作用)
請求項1のサーモスタット弁装置では、感温ケース内のワックスの熱量が、ヒートパイプの冷却端からヒートパイプの放熱端に伝達され、放熱端から外気雰囲気中に放熱され、冷却水による感温ケース内のワックスの加熱が抑制される。
【0016】
また、外気雰囲気が、エンジンの吸気ダクト内通路とされ、この通路内にヒートパイプの放熱端が位置される。
請求項のサーモスタット弁装置では、ヒートパイプの放熱端に、放熱フィンが配置される。
請求項のサーモスタット弁装置では、感温ケースの底面側に向けて突出するハウジングの筒状部内にヒートパイプが挿通され、筒状部とヒートパイプとの間に、空気断熱層が形成される。
【0017】
請求項のサーモスタット弁装置では、筒状部の先端が、感温ケースの底面に形成される環状突部内に嵌挿される。
請求項のサーモスタット弁装置では、筒状部の外側開口が、弾性部材からなるキャップによりシールされ、このキャップにヒートパイプが挿通される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図面に示す実施形態について説明する。
図1は、本発明のサーモスタット弁装置の第1の実施形態を示しており、符号21は、内燃機関用の冷却水をラジエータからエンジン側に導くための入口流路Rを構成するパイプ状のハウジングを示している。
【0019】
このハウジング21の開口部21aの中心軸上には、ダイヤフラム式のサーモスタット本体23が配置されている。
このサーモスタット本体23は、ワックス25が収容される感温ケース27と、ワックス25の温度による体積変化により移動されるピストンロッド29とを備えている。
【0020】
感温ケース27は、ピストンロッド29より内方に配置されている。
感温ケース27には、ピストンロッド29を案内する案内部材31がカシメ固定されている。
案内部材31と感温ケース27との間には、ダイヤフラム33が配置されている。
【0021】
案内部材31のダイヤフラム33とピストンロッド29の間には、半流動体35,ラバーピストン37およびテフロンピストン39が順次配置されている。
サーモスタット本体23の外側には、ピストンロッド29の移動に連動して開口部21aを開閉する主弁41が配置されている。
この主弁41は、円環状の本体部材43の外周側にシールパッキン45を有し、内周側にセンターパッキン47を有している。
【0022】
本体部材43の内周側には、リテーナ49の上端に形成されるフランジ部49aが連結されている。
リテーナ49は、感温ケース27および案内部材31を囲繞して配置されており、下端をピストンロッド29に固定されている。
このリテーナ49には、貫通穴49bが形成されている。
【0023】
ハウジング21の開口部21a端には、円環状のフランジ51が固定され、このフランジ51に、主弁41のシールパッキン45が当接されている。
また、フランジ51には、フレーム53が固定されており、このフレーム53と主弁41の本体部材43との間に、本体部材43をフランジ51側に押圧するコイルスプリング55が配置されている。
【0024】
ハウジング21の開口端面には、円環状溝21bが形成され、この円環状溝21b内にOリング57が収容されている。
また、この実施形態では、リテーナ49の下方に、冷却水のバイパス通路59を開閉するバイパス弁61が配置されている。
このバイパス弁61は、ピストンロッド29に固定されるストッパー63と、このストッパー63の上面に内周を当接される弁体65とを有している。
【0025】
この弁体65とリテーナ49との間には、弁体65をストッパー63側に押圧するコイルスプリング67が配置されている。
そして、この実施形態では、感温ケース27にヒートパイプ69の冷却端69aが熱的に接続され、ヒートパイプ69の放熱端69bがハウジング21を貫通して吸気ダクト70内に位置されている。
【0026】
すなわち、感温ケース27には、円筒状の凹部27aが形成され、この凹部27aには、ヒートパイプ69の冷却端69aが、熱伝達を良好にするための伝熱グリスを介して嵌挿されている。
また、感温ケース27の外周には、主弁41の閉時に、主弁41の内周部のセンターパッキン47が当接される環状突部27bが一体形成されている。
【0027】
ヒートパイプ69を囲繞して、例えば、66ナイロン等の樹脂からなる断熱部材71が配置されている。
この断熱部材71の下端には支持部71aが一体形成され、この支持部71aに感温ケース27の上部が嵌挿固定されている。
断熱部材71の上端は、ハウジング21の内面に形成される穴部21cに嵌挿され固定されている。
【0028】
ハウジング21の感温ケース27に対向する位置には、ボス部21dが外側に突出して一体形成されている。
ボス部21dには、貫通穴21eが形成されており、パッキン73およびブッシュ75が収容されている。
ブッシュ75は、銅,アルミニウム等の熱伝導の良好な金属からなり、貫通穴21eに螺合されている。
【0029】
このブッシュ75には、貫通穴75aが形成され、貫通穴75aには、ヒートパイプ69が挿通されている。
ブッシュ75には、所定角度を置いて軸長方向に図示しない複数のスリット溝が形成されており、ブッシュ75を貫通穴21eに螺合することにより、ブッシュ75が縮径しヒートパイプ69が挟持固定される。
【0030】
ヒートパイプ69の放熱端69bの下部には、吸気ダクト70への取付座金77が固定されている。
ヒートパイプ69の取付座金77とブッシュ75との間は、例えば、ウレタン,ゴム等からなる断熱部材79により囲繞されている。
断熱部材79のブッシュ75側は、ブッシュ75に形成される貫通穴75bに挿入され、シール材81により封止されている。
【0031】
そして、ヒートパイプ69の放熱端69bには、放熱フィン83が固定されている。
上述したサーモスタット弁装置では、例えば、夏場の外気温35℃の時に、感温ケース27周囲水温が、例えば、80℃以下である場合には、図1に示したように、主弁41が閉じられ、バイパス通路59が開とされ、冷却水は矢符Aに示すようにバイパス通路59を介してエンジン側に循環される。
【0032】
一方、感温ケース27の周囲水温が、例えば、80℃を越えると、感温ケース27内のワックス25の体積膨張によりピストンロッド29が下方に移動され、バイパス弁61によりバイパス通路59が閉じられ、同時に主弁41が開とされ、矢符Bに示すように、ラジエータで冷却された冷却水がハウジング21内に流入した後、エンジン側に循環される。
【0033】
そして、冬場の外気温が低い時には、感温ケース27周囲水温が80℃を越えても、ワックス25に伝達された熱量が、ヒートパイプ69の冷却端69aからヒートパイプ69の放熱端69bに伝達され、放熱端69bから外気雰囲気である吸気ダクト70中に、水温と外気温との温度差が大きい程放熱されるため、ワックス25の温度が上昇せず開弁温度が高くなる。
【0034】
以上のように構成されたサーモスタット弁装置では、感温ケース27にヒートパイプ69の冷却端69aを熱的に接続し、ヒートパイプ69の放熱端69bを、吸気ダクト70内に配置したので、外気により感温ケース27内のワックス25を容易,確実に冷却することができる。
そして、外気により感温ケース27内のワックス25を冷却し、冷却水によるワックス25の加熱を抑制することが可能になり、これにより、エンジンの排気ガス中の炭化水素等の発生を低減し、また、エンジンの燃焼効率を向上することができる。
【0035】
さらに、外気により感温ケース27内のワックス25を冷却するようにしたので、外気温度が低い時程、ワックス25に対する冷却効率を自動的に増大することが可能になり、外気温の低い冬場に、冷却水の温度をより高めに設定することができる。
【0036】
また、上述したサーモスタット弁装置では、外気雰囲気を、エンジンの吸気ダクト70内通路とし、途中を断熱部材79でカバーしたので、ヒートパイプ69の放熱端69bに対するエンジンルーム内の熱的影響を可能な限り排除することができる。
さらに、上述したサーモスタット弁装置では、ヒートパイプ69の放熱端69bに、放熱フィン83を配置したので、所定の放熱性能を容易,確実に得ることができ、また、外気温に対する開弁温度の設定も放熱フィン83の放熱面積の調整により容易に可能となる。
【0037】
図2は、本発明のサーモスタット弁装置の第2の実施形態を示している。
この実施形態では、ハウジング121の開口部121aの中心軸上には、アキュムレータ式のサーモスタット本体123が配置されている。
このサーモスタット本体123は、ワックス125が収容される感温ケース127と、ワックス125の温度による体積変化により移動されるピストンロッド129とを備えている。
【0038】
ピストンロッド129は、感温ケース127よりハウジング121の内方に配置されている。
感温ケース127には、ピストンロッド129を案内する案内部材131が、スリーブ133を介してカシメ固定されている。
感温ケース127の中央には、ラバーシリンダ135が配置され、このラバーシリンダ135の中央には、ピストンロッド129の先端が嵌挿されている。
【0039】
感温ケース127の外側には、感温ケース127の移動に連動して開口部121aを開閉する主弁137が固定されている。
この主弁137は、円環状の本体部材139の外周側にシール部139aを有している。
【0040】
ハウジング121の開口部121a端には、円環状のフランジ141が固定され、このフランジ141に、主弁137のシール部139aが当接されている。
また、フランジ141には、フレーム143が固定されており、このフレーム143と主弁137の本体部材139との間に、本体部材139をフランジ141側に押圧するコイルスプリング145が配置されている。
【0041】
ハウジング121の開口端面には、円環状溝121bが形成され、この円環状溝121b内にOリング147が収容されている。
また、この実施形態では、感温ケース127の下部に、冷却水のバイパス通路149を開閉するバイパス弁151が固定されている。
このバイパス弁151は、有底円筒状をしており、側面に窓部151aが形成されている。
【0042】
この実施形態では、ピストンロッド129の軸長方向に沿って先端近傍に達する穴部129cが形成され、この穴部129cにヒートパイプ153が伝熱グリスを介して挿入されている。
そして、感温ケース127内のワックス125にヒートパイプ153の冷却端153aが熱的に接続され、ヒートパイプ153の放熱端153bがハウジング121を貫通して吸気ダクト154内に位置されている。
【0043】
ピストンロッド129を囲繞して、ピストンロッド129の軸長方向に伸縮可能な断熱部材157が配置されている。
この断熱部材157は、耐熱性のゴムを蛇腹状に成形して構成されており、感温ケース127の移動に追従して変形する。
ハウジング121の感温ケース127に対向する位置には、ボス部121dが外側に突出して一体形成されている。
【0044】
ボス部121dには、貫通穴121eが形成されており、パッキン159およびブッシュ161が収容されている。
このブッシュ161には、貫通穴161aが形成され、貫通穴161aには、ヒートパイプ153およびピストンロッド129が挿通されている。
ブッシュ161には、所定角度を置いて軸長方向に図示しない複数のスリット溝が形成されており、ブッシュ161を貫通穴121eに螺合することにより、ブッシュ161が縮径しヒートパイプ153が挟持固定される。
【0045】
ヒートパイプ153の放熱端153bの下部には、吸気ダクト154への取付座金163が固定されている。
ヒートパイプ153の取付座金163とブッシュ161との間は、例えば、ウレタン,ゴム等からなる断熱部材165により囲繞されている。
断熱部材165のブッシュ161側は、ブッシュ161に形成される穴部161bに挿入され、シール材167により封止されている。
【0046】
そして、ヒートパイプ153の放熱端153bには、放熱フィン169が固定されている。
上述したサーモスタット弁装置では、例えば、外気温が35℃で、感温ケース127周囲水温が、例えば、80℃以下である場合には、図2に示したように、主弁137が閉じられ、バイパス弁151が開とされ、冷却水は矢符Aに示すようにバイパス通路149を介してエンジン側に循環される。
【0047】
一方、感温ケース127周囲水温が、例えば、80℃を越えると、感温ケース127内のワックス125の体積膨張により感温ケース127が下方に移動され、バイパス弁151によりバイパス通路149が閉じられ、同時に主弁137が開とされ、矢符Bに示すように、ラジエータからの冷却水がエンジン側に循環される。
【0048】
そして、上述したサーモスタット弁装置では、感温ケース127内のワックス125の熱量が、ヒートパイプ153の冷却端153aからヒートパイプ153の放熱端153bに伝達され、放熱端153bから外気雰囲気である吸気ダクト154中に放熱され、冷却水による感温ケース127内のワックス125の加熱が常時抑制される。
【0049】
以上のように構成されたサーモスタット弁装置では、感温ケース127の移動により主弁137の開閉が行われる点が第1の実施形態と異なるが、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
図3は、本発明のサーモスタット弁装置の第3の実施形態を示しており、符号221は、内燃機関用の冷却水をラジエータからエンジン側に導くための入口流路Rを構成するパイプ状のハウジングを示している。
【0050】
このハウジング221の開口部221aの中心軸上には、ダイヤフラム式のサーモスタット本体223が配置されている。
このサーモスタット本体223は、ワックス225が収容される感温ケース227と、ワックス225の温度による体積変化により移動されるピストンロッド229とを備えている。
【0051】
感温ケース227は、ピストンロッド229より内方に配置されている。
感温ケース227には、ピストンロッド229を案内する案内部材231がカシメ固定されている。
案内部材231と感温ケース227との間には、ダイヤフラム233が配置されている。
【0052】
案内部材231のダイヤフラム233とピストンロッド229の間には、半流動体235,ラバーピストン237およびテフロンピストン239が順次配置されている。
サーモスタット本体223の外側には、ピストンロッド229の移動に連動して開口部221aを開閉する主弁241が配置されている。
【0053】
この主弁241は、円環状の本体部材243の外周側にシールパッキン245を有し、内周側にセンターパッキン247を有している。
本体部材243の内周側には、リテーナ249が連結されている。
リテーナ249は、感温ケース227および案内部材231を囲繞して配置されており、下端をピストンロッド229に固定されている。
【0054】
このリテーナ249には、貫通穴249bが形成されている。
ハウジング221の開口部221a端には、テーパ状の座部251が形成され、この座部251に、主弁241のシールパッキン245が当接されている。
また、ハウジング221の開口部221aには、フレーム253がビス254により固定されており、このフレーム253と主弁241の本体部材243との間に、本体部材243を座部251側に押圧するコイルスプリング255が配置されている。
【0055】
この実施形態では、リテーナ249の下方に、冷却水のバイパス通路259を開閉するバイパス弁261が配置されている。
このバイパス弁261は、ピストンロッド229に固定されるストッパー263と、このストッパー263の上面に内周を当接される弁体265とを有している。
【0056】
この弁体265とリテーナ249との間には、弁体265をストッパー263側に押圧するコイルスプリング267が配置されている。
そして、この実施形態では、感温ケース227にヒートパイプ269の冷却端269aが熱的に接続されている。
なお、この実施形態においても、第1の実施形態と同様に、ヒートパイプ269の放熱端が吸気ダクト内に位置されている。
【0057】
すなわち、感温ケース227には、円筒状の凹部227aが形成され、この凹部227aには、ヒートパイプ269の冷却端269aが、熱伝達を良好にするための伝熱グリスを介して嵌挿されている。
また、感温ケース227の外周には、環状突部227bが形成され、この環状突部227bのテーパ部227cに、主弁241の内周部のセンターパッキン247が当接されている。
【0058】
そして、この実施形態では、アルミダイカストにより製造されるハウジング221には、感温ケース227の底面側に向けて突出する筒状部221bが一体形成されている。
この筒状部221bの底面221eには、貫通穴221cが形成され、筒状部221b内に形成される断熱空間271にヒートパイプ269が挿通されている。
【0059】
貫通穴221cの感温ケース227側には、テーパ部221dが形成され、テーパ部221dの内側にパッキン273が収容されている。
また、筒状部221bの底面が、感温ケース227の底面に形成される環状突部227d内に嵌挿固定されている。
そして、筒状部221bの底面および感温ケース227の底部を囲繞して、例えば、66ナイロン等の樹脂からなる断熱部材275が配置されている。
【0060】
一方、筒状部221bの外側開口は、弾性部材からなるキャップ277によりシールされている。
このキャップ277には、ヒートパイプ269が嵌合状態で挿通される貫通穴277aが形成されている。
キャップ277より外側のヒートパイプ269は、例えば、ウレタン,ゴム等からなる断熱部材279により囲繞されている。
【0061】
上述したサーモスタット弁装置では、例えば、夏場の外気温35℃の時に、感温ケース227周囲水温が、例えば、80℃以下である場合には、図3に示したように、主弁241が閉じられ、バイパス通路259が開とされ、冷却水は矢符Aに示すようにバイパス通路259を介してエンジン側に循環される。
【0062】
一方、感温ケース227の周囲水温が、例えば、80℃を越えると、感温ケース227内のワックス225の体積膨張によりピストンロッド229が下方に移動され、バイパス弁261によりバイパス通路259が閉じられ、同時に主弁241が開とされ、矢符Bに示すように、ラジエータで冷却された冷却水がハウジング221内に流入した後、エンジン側に循環される。
【0063】
そして、冬場の外気温が低い時は、感温ケース227周囲水温が80℃を越えても、ワックス225に伝達された熱量が、ヒートパイプ269の冷却端269aからヒートパイプ269の放熱端に伝達され、放熱端から外気雰囲気である吸気ダクト中に、水温と外気温との温度差が大きい程放熱されるため、ワックス225の温度が上昇せず開弁温度が高くなる。
【0064】
以上のように構成されたサーモスタット弁装置においても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
そして、この第3の実施形態のサーモスタット弁装置では、感温ケース227を収容するハウジング221に、感温ケース227の底面側に向けて突出する筒状部221bを形成し、この筒状部221b内にヒートパイプ269を挿通したので、筒状部221bとヒートパイプ269との間に、断熱空間271が形成され、この空気断熱層により、ヒートパイプ269に冷却水からの熱が直接伝達されることが抑制され、ヒートパイプ269の放熱性能を向上することができる。
【0065】
また、このサーモスタット弁装置では、ハウジング221に形成される筒状部221bの先端を、感温ケース227の底面に形成される環状突部227d内に嵌挿したので、筒状部221bと感温ケース227とを同一軸線上に配置することが容易に可能になり、ヒートパイプ269の冷却端269aを感温ケース227に確実に接続することができ、また、ヒートパイプ269に無理な力が作用してヒートパイプ269に亀裂等が生じることを確実に防止することができる。
【0066】
さらに、このサーモスタット弁装置では、筒状部221bの外側開口を、弾性部材からなるキャップ277によりシールし、このキャップ277にヒートパイプ269を挿通したので、ヒートパイプ269の放熱端側からの振動がキャップ277により吸収され、これにより振動が冷却端269a側に伝達されることを防止することができる。
【0067】
また、ヒートパイプ269の熱膨張,熱収縮にともなうヒートパイプ269への応力集中を回避することができる。
そして、さらに、筒状部221bの底面221eに形成される貫通穴221cの感温ケース227側に、テーパ部221dを形成し、このテーパ部221dの内側にパッキン273を収容したので、筒状部221bを確実に密閉することができる。
【0068】
なお、上述した実施形態では、サーモスタット弁装置をラジエータからの冷却水の入口流路Rに配置した例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、例えば、エンジンからの冷却水の出口流路に配置しても良い。
また、上述した実施形態では、ヒートパイプ153の放熱端153bを吸気ダクト154内に位置させた例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、例えば、吸気ダクトの通路構成部材にヒートパイプを接合しても良く、また、エンジンルーム外に導出しても良い。
【0069】
そして、オートバイ,鉄道のように、エンジンに直接走行風が当たる場合には、吸気ダクトにヒートパイプの放熱端を導かずに、ヒートパイプをハウジングから突出し、突出部に放熱フィンを配置しても良い。
【0070】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1のサーモスタット弁装置では、感温ケースにヒートパイプの冷却端を熱的に接続し、ヒートパイプの放熱端を、外気雰囲気中に配置したので、感温ケース内のワックスに伝わる熱を、外気温と水温の温度差に比例して外気に放出することができる。
【0071】
そして、外気雰囲気を、エンジンの吸気ダクト内通路としたので、ヒートパイプの放熱端に対するエンジンルーム内の熱的影響を可能な限り排除することができる。
請求項のサーモスタット弁装置では、ヒートパイプの放熱端に、放熱フィンを配置したので、所定の放熱性能を容易,確実に得ることができる。
【0072】
請求項のサーモスタット弁装置では、感温ケースを収容するハウジングに、感温ケースの底面側に向けて突出する筒状部を形成し、この筒状部内にヒートパイプを挿通したので、筒状部とヒートパイプとの間に、空気断熱層が形成され、この空気断熱層により、ヒートパイプに冷却水からの熱が直接伝達されることが抑制され、ヒートパイプの放熱性能を向上することができる。
【0073】
請求項のサーモスタット弁装置では、ハウジングに形成される筒状部の先端を、感温ケースの底面に形成される環状突部内に嵌挿したので、筒状部と感温ケースとを同一軸線上に配置することが容易に可能になり、ヒートパイプの冷却端を感温ケースに確実に接続することができ、また、ヒートパイプに無理な力が作用してヒートパイプに亀裂等が生じることを確実に防止することができる。
【0074】
請求項のサーモスタット弁装置では、筒状部の外側開口を、弾性部材からなるキャップによりシールし、このキャップにヒートパイプを挿通したので、ヒートパイプの放熱端側からの振動がキャップにより吸収され、これにより振動が冷却端側に伝達されることを防止することができる。
また、ヒートパイプの熱膨張,熱収縮にともなうヒートパイプへの応力集中を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサーモスタット弁装置の第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明のサーモスタット弁装置の第2の実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明のサーモスタット弁装置の第3の実施形態を示す断面図である。
【図4】従来のサーモスタット弁装置を示す断面図である。
【符号の説明】
25,125,251 ワックス
27,127,227 感温ケース
69,153,269 ヒートパイプ
69a,153a,269a 冷却端
69b,153b 放熱端
70,154 吸気ダクト
83,169 放熱フィン
221 ハウジング
221b 筒状部
227d 環状突部
277 キャップ
R 入口流路

Claims (5)

  1. ラジエータからの冷却水の入口流路(R)、または、エンジンからの冷却水の出口流路に配置され、感温ケース(27,127,227)内に収容されるワックス(25,125,225)の温度が所定温度以上の時に、前記入口流路(R)または出口流路を開くサーモスタット弁装置において、
    前記感温ケース(27,127,227)にヒートパイプ(69,153,269)の冷却端(69a,153a,269a)を熱的に接続するとともに、前記ヒートパイプ(69,153.269)の放熱端(69b,153b)を、エンジンの吸気ダクト(70,154)内通路に配置してなることを特徴とするサーモスタット弁装置。
  2. ラジエータからの冷却水の入口流路(R)、または、エンジンからの冷却水の出口流路に配置され、感温ケース(27,127,227)内に収容されるワックス(25,125,225)の温度が所定温度以上の時に、前記入口流路(R)または出口流路を開くサーモスタット弁装置において、
    前記感温ケース(27,127,227)にヒートパイプ(69,153,269)の冷却端(69a,153a,269a)を熱的に接続するとともに、前記ヒートパイプ(69,153.269)の放熱端(69b,153b)を、外気雰囲気中に配置し、前記放熱端(69b,153b)に、放熱フィン(83,169)を配置してなることを特徴とするサーモスタット弁装置。
  3. ラジエータからの冷却水の入口流路(R)、または、エンジンからの冷却水の出口流路に配置され、感温ケース(27,127,227)内に収容されるワックス(25,125,225)の温度が所定温度以上の時に、前記入口流路(R)または出口流路を開くサーモスタット弁装置において、
    前記感温ケース(27,127,227)にヒートパイプ(69,153,269)の冷却端(69a,153a,269a)を熱的に接続するとともに、前記ヒートパイプ(69,153.269)の放熱端(69b,153b)を、外気雰囲気中に配置し、前記感温ケース(227)をハウジング(221)内に収容するとともに、前記ハウジング(221)に前記感温ケース(227)の底面側に向けて突出する筒状部(221b)を形成し、この筒状部(221b)内に前記ヒートパイプ(269)を挿通してなることを特徴とするサーモスタット弁装置。
  4. 請求項3記載のサーモスタット弁装置において、
    前記筒状部(221b)の先端を、前記感温ケース(227)の底面に形成される環状突部(227d)内に嵌挿してなることを特徴とするサーモスタット弁装置。
  5. 請求項3または4記載のサーモスタット弁装置において、
    前記筒状部(221b)の外側開口を、弾性部材からなるキャップ(277)によりシールし、このキャップ(277)に前記ヒートパイプ(269)を挿通してなることを特徴とするサーモスタット弁装置。
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