JP3745216B2 - 電線防護具 - Google Patents

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栄治 小谷
拓夫 近平
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ヨツギ株式会社
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、送電線などの電線を電柱などに固定するために設けられた碍子周辺の電線を覆い、電線を保護するために用いられる電線防護具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、送電線などの電線を電柱などに固定するために設けられた碍子周辺の電線には、電線絶縁シート体が巻き付けられ、銅線などの金属製の索条などの固定部材を電線絶縁シート体の周囲に捲回し固定部材である銅線を緊縛して電線絶縁シート体を固定していた。この電線絶縁シート体は平坦なシート状であって、電線に捲回する際に、力を加えて筒状に変形させ電線に捲回し、その後銅線を巻き付けて銅線を緊縛し電線絶縁シート体を電線に固定する。電線絶縁シート体は絶縁性ゴムなど可撓性を有する材料であるので、電線絶縁シート体を筒状に変形する際に加えられた力に抗して、電線絶縁シート体が拡開して平坦状に復元する性質を有し、一人の作業者だけで銅線を電線絶縁シート体に巻き付ける作業を行うことは容易ではない。電線を電線絶縁シート体によって覆う作業は、高所において行われることが多く、その作業性は作業者の安全確保に密接な関係を持つ。また電線を覆う電線絶縁シート体の固定が不充分な場合には、電線の保護を充分に行うことができず、電線が損傷し、電流が漏れて感電事故が発生する危険性がある。
【0003】
したがって、本発明の目的は、充分な耐電圧性能を保持することができ、作業性の優れた電線防護具を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電柱の碍子周辺の高圧送電線である電源11に固定され、外周に金属製索条である固定部材を巻き付けて碍子に固定される電線保護具であって、
可撓性および弾発性を有するポリエチレンから成り、
周方向に分断され拡開可能に大略的に筒状に形成され、
電線防護具10の長手方向に沿って延びて形成される電線挿通部20と、
電線挿通部20に連なって形成される嵌合部30と、
電線防護具10の長手方向に沿って延びて形成される突出部40とを有し、
電線挿通部20は、電線11が挿通される電線挿通孔21を備え、
電線挿通孔21の軸線は、電線防護具10に力が加えられない自然状態において、直線状態であり、
電線防護具10が電線11に装着された状態である装着状態において、電線11が電線防護具10の電線挿通孔21に収納され、
嵌合部30は、電線防護具10の長手方向に沿って延びて形成される嵌合凸条33を備えた第1嵌合部31および前記嵌合凸条33に嵌合する嵌合凹溝34を備えた第2嵌合部32を有し、
前記装着状態において、嵌合凸条33と嵌合凹溝34とが互いに密着して嵌合して電線防護具10の電線11への装着が達成され、
嵌合凸条33の電線防護具10の軸線に垂直な横断面形状は、嵌合凸条33と嵌合凹溝34とが嵌合した状態である嵌合状態において、
嵌合凹溝34に対向する第1嵌合部31の内表面35を有する第1嵌合基部36から嵌合凹溝34に近接する方向に延出する延出部37と、
延出部37よりも幅広の嵌合突部38とを有する形状であって、前記嵌合突部38は延出部37から離反する方向になるにつれて先細状に形成されている矢尻状の横断面形状を有するように形成され、
嵌合凸条33が嵌合凹溝34に押し込まれると、嵌合凸条33の嵌合突部38が変形し嵌合突部38が嵌合凹溝34の内表面に案内されて、嵌合突部38が嵌合凹溝34に挿入され、嵌合凸条33が嵌合凹溝34に完全に挿入された状態では、変形していた嵌合突部38がその弾発性によって変形前の形状に復元し、
第1嵌合部31と第2嵌合部32とが互いに離反する方向に第1嵌合部31および第2嵌合部32に力を加えることによって、嵌合突部38が変形し、嵌合凹溝34から嵌合凸条33が離脱され、
嵌合状態においては嵌合凸条33の嵌合凹溝34に対する抜け止めが達成され、嵌合凸条33の表面と嵌合凹溝34の内表面とが密着し、嵌合凸条33と嵌合凹溝34との嵌合が達成され、
嵌合凹溝34は、嵌合凸条33の形状に対応して形成され、前記嵌合状態において、嵌合凸条33の表面と嵌合凹溝34の内表面とが密着するように形成され、嵌合凹溝34の電線防護具10の軸線に垂直な横断面形状は、前記嵌合状態において、第1嵌合基部36に対向する第2嵌合部32の内表面を有する第2嵌合基部39に形成され、
突出部40は、電線挿通孔21に対向して形成され、かつ電線挿通孔21と嵌合凹溝34との間に配置され、
突出部40は第1嵌合基部36に連なって形成され、前記装着状態において電線挿通部20とともに電線11を囲繞するように配置され、電線11が収納される電線挿通孔21の外周付近において、電線挿通部20および突出部40が中空円周部を構成し、
嵌合凸条33が設けられる第1嵌合基部36付近、嵌合凹溝34が設けられる第2嵌合基部39付近および突出部40が設けられる基部付近は、電線挿通部20よりも肉厚に形成され、
電線防護具10の横断面の外形形状を略楕円形状とし、
電線防護具10の周方向に分断された箇所である分断部25において電線防護具10を拡開して電線11を電線防護具10内に配置して収納することを特徴とする電線防護具である。
また本発明は、電線防護具10の高さ方向の長さT1は25mm、幅方向の長さT2は16.8mm、長さ方向の長さT3は1000mmであり、電線挿通孔21の直径T4は11.8mmであり、
電線11の直径5〜40mmであって、
電線11に送電される使用電圧は、6600V以下であり、
前記固定部材は、銅線であって、嵌合部30の外表面に密着することを特徴とする。
【0005】
本発明に従えば、電線防護具は、可撓性および弾発性を有する電気絶縁性材料から成り、周方向に分断され拡開可能に大略的に筒状に形成され、電線を保護するために電線に装着された状態において電線が挿通される電線挿通孔を備えた電線挿通部と、電線挿通部に連なって形成される第1嵌合部および第2嵌合部を備えた嵌合部と、電線防護具の長手方向に沿って延びて形成される突出部とを有し、電線防護具の横断面の外形形状が略楕円形状である。前記電線挿通孔は電線防護具の長手方向に沿って形成され、第1嵌合部は電線防護具の長手方向に沿って延びて形成される嵌合凸条を備え、第2嵌合部は前記嵌合凸条に嵌合する嵌合凹溝を備え、突出部は少なくとも一部が電線挿通孔に対向して形成され、かつ少なくとも一部が電線挿通孔と嵌合凹溝との間に配置される。
【0006】
電線防護具は可撓性および弾発性を有するので、電線に電線防護具を装着する際に電線防護具を容易に変形させることができ、かつ電線に装着された電線防護具は筒状に復元して電線に適合する。電線防護具は筒状の電線防護具の周方向に分断され拡開可能に筒状に形成されるので、電線に電線防護具を装着する際に、電線防護具の周方向に分断された箇所において電線防護具を拡開して電線を電線防護具内に配置することができる。電線防護具の長手方向に沿って延びて形成され電線挿通部は電線を保護するために電線に装着された状態において電線が挿通される電線挿通孔を備えるので、電線を電線挿通孔に収納することができる。電線挿通部に連なって形成される嵌合部は、電線防護具の長手方向に沿って延びて形成される嵌合凸条を備えた第1嵌合部と前記嵌合凸条に嵌合する嵌合凹溝を備えた第2嵌合部とを有するので、第1嵌合部に備えられた嵌合凸条と第2嵌合部に備えられた嵌合凹溝とを嵌合することによって、電線を収納した電線防護具の周方向に分断された箇所において密閉することができ、雨水等が電線防護具内に滲入することが防がれる。電線防護具の長手方向に沿って延びて形成される突出部は、少なくとも一部が電線挿通孔に対向して形成され、かつ少なくとも一部が電線挿通孔と嵌合凹溝との間に配置されるので、電線防護具の周方向に分断された箇所付近における沿面距離を長く設定することができる。したがって電線防護具の耐電圧性能を向上させることができる。電線防護具の横断面の外形形状が略楕円形状であるので、電線防護具を固定するために電線防護具の外周に巻き付けられる固定部材である銅線が嵌合部の外表面に密着し、固定部材の緊縛に起因して第1嵌合部および第2嵌合部が離脱する方向に電線防護具に加わる力を低減することができる。
【0007】
本発明に従えば、嵌合凸条の横断面形状は略矢尻状であるので、嵌合凸条と嵌合凹溝との嵌め合わせが確実に達成され、嵌合凸条と嵌合凹溝との嵌合が容易に解かれることがなく、電線防護具の電線への装着が確実に行われる。電線への装着後において、長期間、風雨に晒されても、電線防護具が電線から離脱することはなく、また嵌合凸条と嵌合凹溝の嵌合が解かれることもない。したがって、長期間経過後においても、電線防護具内に雨水等が滲入することがなく、耐電圧性能が劣化することがない。矢尻とは矢の先のとがった部分を意味し、矢尻状とは矢の先のとがった部分の形状を意味する。すなわち、嵌合凸条の横断面形状が略矢尻状であるとは、嵌合凸条の電線防護具の長手方向に沿う軸に直角な断面である軸直角断面である横断面の形状が、矢尻を矢尻および矢羽根をつける棒のような部分である矢柄の軸線に平行な平面に投影した場合に該平面に現れる形状であることを意味する。すなわち、嵌合凸条は、嵌合凸条の横断面形状において、嵌合凸条と嵌合凹溝とが嵌合した嵌合状態における嵌合凹溝に対向する嵌合部の内表面である嵌合基部から嵌合凹溝に近接する方向に延出する延出部と、延出部よりも幅広の嵌合突部とを有する形状であって、前記嵌合突部は延出部から離反する方向になるにつれて先細状に形成されている断面形状を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態の電線防護具10の斜視図であり、図2は電線防護具10の左側面図であり、図3は嵌合部30を拡開した状態の電線防護具10の左側面図であり、図4は電線防護具10の嵌合部30の作用を説明するための図である。
【0009】
電線防護具10は、送電線である電線11を電柱に固定するために設けられた碍子周辺の電線11を覆い、電線11を保護するために用いられる。すなわち電線保護を目的として、高圧送電線である電線11を碍子に固定する際、固定部分の電線11の損傷を防止するために電線11を覆うように電線11に装着し、電線保護具10の外周に銅線などの金属製の索条である固定部材を巻き付け、電線11に固定するものである。
【0010】
電線防護具10は、可撓性および弾発性を有する電気絶縁性材料であるポリエチレンから成り、周方向に分断され拡開可能に大略的に筒状に形成され、電線防護具10の長手方向に沿って延びて形成される電線挿通部20と、電線挿通部20に連なって形成される嵌合部30と、電線防護具10の長手方向に沿って延びて形成される突出部40とを有し、横断面の外形形状が略楕円形状である。
【0011】
電線挿通部20は、仮想線で示す電線11を保護するために電線11に装着された状態において電線11が挿通される電線挿通孔21を備える。すなわち電線防護具10が電線11に装着された状態である装着状態において、電線11が電線防護具10の電線挿通孔21に収納される。電線挿通孔21の軸線は、電線防護具10に電線防護具10を変形する力が加えられず、電線防護具10が略直線状態となる状態である自然状態において、電線挿通孔21に収納された電線11の軸線と略同一となる。
【0012】
嵌合部30は、電線防護具10の長手方向に沿って延びて形成される嵌合凸条33を備えた第1嵌合部31および前記嵌合凸条33に嵌合する嵌合凹溝34を備えた第2嵌合部32を有する。前記装着状態において、嵌合凸条33と嵌合凹溝34とが互いに密着して嵌合して、電線防護具10の電線11への装着が達成される。電線防護具10の長手方向とは、前記自然状態における電線防護具10の軸線方向を意味する。
【0013】
嵌合凸条33の電線防護具10の軸線に垂直な横断面形状は、嵌合凸条33と嵌合凹溝34とが嵌合した状態である嵌合状態において、嵌合凹溝34に対向する第1嵌合部31の内表面35を有する第1嵌合基部36から嵌合凹溝34に近接する方向に延出する延出部37と、延出部37よりも幅広の嵌合突部38とを有する形状であって、前記嵌合突部38は延出部37から離反する方向になるにつれて先細状に形成されている断面形状を有するように形成される。たとえば、嵌合凸条33の横断面形状は、略矢尻状に形成される。
【0014】
嵌合凹溝34は、嵌合凸条33の形状に対応して形成され、前記嵌合状態において、嵌合凸条33の表面と嵌合凹溝34の内表面とが密着するように形成される。嵌合凹溝34の電線防護具10の軸線に垂直な横断面形状は、前記嵌合状態において、第1嵌合基部36に対向する第2嵌合部32の内表面を有する第2嵌合基部39に形成される。
【0015】
嵌合凸条33を備えた第1嵌合部31および嵌合凹溝34を備えた第2嵌合部32は可撓性および弾発性を有する電気絶縁性材料から成るので、嵌合凸条33および嵌合凹溝34も可撓性および弾発性を有する。前記嵌合状態を達成するために、図3の矢符Aで示す方向に力を加え、嵌合凸条33を嵌合凹溝34に押し込むと、嵌合凸条33の嵌合突部38が変形し嵌合突部38が嵌合凹溝34の内表面に案内されて、嵌合突部33が嵌合凹溝34に挿入される。嵌合凸条33が嵌合凹溝34に完全に挿入された状態では、変形していた嵌合突部38がその弾発性によって変形前の形状に復元するので、嵌合状態においては嵌合凸条33の嵌合凹溝34に対する抜け止めが達成され、嵌合凸条33の表面と嵌合凹溝34の内表面とが密着し、嵌合凸条33と嵌合凹溝34との嵌合が達成される。このように嵌合凸条33と嵌合凹溝34とが嵌合することによって、電線挿通孔21への雨水などの滲入が防がれ、電線防護具10の耐電圧性能を向上させることができる。
【0016】
前記嵌合状態を解くには、第1嵌合部31と第2嵌合部とが互いに離反する方向(図3の矢符Bで示す方向)に第1嵌合部31および第2嵌合部32に力を加えることによって、嵌合突部38を変形させ、嵌合凹溝34から嵌合凸条33を離脱させるようにする。
【0017】
以上のように電線防護具10の電線11への装着を容易に行うことができ、電線11への装着後においては電線防護具10は筒状に復元して電線11に装着されているので、電線防護具10を作業者が支持しなくても電線防護具10が電線11から離脱して落下することがない。作業者は両手を用いて固定部材を操作して電線防護具10を介して電線11を碍子に固定することができる。したがって作業者一人でも電線防護具10の電線11への取り付けが可能であり、作業効率が向上し、かつ安全性を確保することができる。
【0018】
電線防護具10の具体的な大きさは、たとえば、高さ方向の長さT1は25mm、幅方向の長さT2は16.8mm、長さ方向の長さT3は1000mmであり、電線挿通孔21の直径T4は11.8mmである。電線防護具10の形状および大きさは、装着する電線11の直径および使用電圧等によって適宜変更される。電線11の直径の例としては、たとえば5〜40mmであって、電線11に送電される使用電圧の例は6600V以下である。
【0019】
突出部40は、電線挿通孔21に対向して形成され、かつ電線挿通孔21と嵌合凹溝34との間に配置されるように形成される。突出部40は第1嵌合基部36に連なって形成され、前記装着状態において電線挿通部20とともに電線11を囲繞するように配置される。すなわち、電線11が収納される電線挿通孔21の外周付近において、電線挿通部20および突出部40が中空円周部を構成する。
【0020】
また嵌合凸条33が設けられる第1嵌合基部36付近、嵌合凹溝34が設けられる第2嵌合基部39付近および突出部40が設けられる基部付近は、電線挿通部20よりも肉厚に形成される。したがって電線防護具10の横断面の外形形状を略楕円形状とすることができ、電線防護具10の横断面の外形形状を略楕円形状とすることによって、固定部材を電線防護具10の外周に巻き付けて電線防護具10を電線11に固定する場合においても、嵌合部30a,30bが互いに離反する方向に変位して嵌合状態が解かれるということがない。すなわち電線防護具10の横断面の外形形状が略楕円形状であるので、固定部材が電線防護具10の外周表面15に密着するので、固定部材から電線防護具10に加えられる力が分散され、固定部材から電線防護具10に加えられる力によって嵌合状態が解かれるということがない。
【0021】
前述のように電線防護具10は可撓性および弾発性を有するので、電線11に電線防護具10を装着する際に電線防護具10を容易に変形させることができ、かつ電線11に装着された電線防護具10は筒状に復元して電線11に適合する。電線防護具10は筒状の電線防護具10の周方向に分断され拡開可能に筒状に形成されるので、電線11に電線防護具10を装着する際に、電線防護具10の周方向に分断された箇所である分断部25において電線防護具10を拡開して電線11を電線防護具10内に配置して収納することができる。
【0022】
電線防護具10は、嵌合部30において、嵌合凸条33と嵌合凹溝34とが嵌合して装着状態が達成されるとともに、突出部40が装着状態において突出部40の少なくとも一部が電線挿通孔21に対向して形成され、かつ突出部40の少なくとも一部が電線挿通孔21と嵌合凹溝34との間に配置されるので、電線防護具10の耐電圧性能に大きな影響を与える、分断部25の長さを長く設定することができる。すなわち、図4において実線で示した沿面長さLを、電線防護具10に要求される耐電圧性能を実現するために必要な沿面距離とすることができる。すなわち沿面距離を長く設定することができ、高電圧に充分に耐えることができる電気絶縁性を達成することができる。また嵌合凸条33、嵌合凹溝34および突出部40によって、電線防護具10の周方向に分断される箇所である分断部25の形状を交互に入り込んだ形状とすることによって、電線挿通孔21内への雨水などの滲入を確実に防止することができる。さらに電線防護具10の横断面の外形形状が略楕円形状であるので固定部材によって加えられる力の作用によって分断部25が拡開することはなくしたがって、雨水などの電線挿通孔21内への滲入を確実に防止することができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、電線防護具は可撓性および弾発性を有するので、電線に電線防護具を装着する際に電線防護具を容易に変形させることができ、かつ電線に装着された電線防護具は筒状に復元して電線に適合する。電線防護具は筒状の電線防護具の周方向に分断され拡開可能に筒状に形成されるので、電線に電線防護具を装着する際に、電線防護具の周方向に分断された箇所において電線防護具を拡開して電線を電線防護具内に配置することができる。電線防護具の長手方向に沿って延びて形成され電線挿通部は電線を保護するために電線に装着された状態において電線が挿通される電線挿通孔を備えるので、電線を電線挿通孔に収納することができる。電線挿通部に連なって形成される嵌合部は、電線防護具の長手方向に沿って延びて形成される嵌合凸条を備えた第1嵌合部と前記嵌合凸条に嵌合する嵌合凹溝を備えた第2嵌合部とを有するので、第1嵌合部に備えられた嵌合凸条と第2嵌合部に備えられた嵌合凹溝とを嵌合することによって、電線を収納した電線防護具の周方向に分断された箇所において密閉することができ、雨水等が電線防護具内に滲入することが防がれる。電線防護具の長手方向に沿って延びて形成される突出部は、少なくとも一部が電線挿通孔に対向して形成され、かつ少なくとも一部が電線挿通孔と嵌合凹溝との間に配置されるので、電線防護具の周方向に分断された箇所付近における沿面距離を長く設定することができる。したがって電線防護具の耐電圧性能を向上させることができる。電線防護具の横断面の外形形状が略楕円形状であるので、電線防護具を固定するために電線防護具の外周に巻き付けられる固定部材である銅線が嵌合部の外表面に密着し、固定部材の緊縛に起因して第1嵌合部および第2嵌合部が離脱する方向に電線防護具に加わる力を低減することができる。
【0024】
したがって電線防護具の電線への装着を容易に行うことができ、電線への装着後においては電線防護具は筒状に復元して電線に装着されているので、電線防護具を作業者が支持しなくても電線防護具が電線から離脱して落下することがなく、作業者は両手を用いて固定部材を操作して電線に電線防護具を固定することができる。したがって作業者一人でも電線防護具の電線への取り付けが可能であり、作業効率が向上し、かつ安全性を確保することができる。
【0025】
また本発明によれば、嵌合凸条の横断面形状は略矢尻状であるので、嵌合凸条と嵌合凹溝との嵌め合わせが確実に達成され、嵌合凸条と嵌合凹溝との嵌合が容易に解かれることがなく、電線防護具の電線への装着が確実に行われる。電線への装着後において、長期間、風雨に晒されても、電線防護具が電線から離脱することはなく、また嵌合凸条と嵌合凹溝の嵌合が解かれることもない。したがって、長期間経過後においても、電線防護具内に雨水等が滲入することがなく、耐電圧性能が劣化することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の電線防護具10の斜視図である。
【図2】電線防護具10の左側面図である。
【図3】嵌合部を拡開した状態の電線防護具10の左側面図である。
【図4】電線防護具10の嵌合部30の作用を説明するための図である。
【符号の説明】
10 電線防護具
20 電線挿通部
21 電線挿通孔
30 嵌合部
31 第1嵌合部
32 第2嵌合部
33 嵌合凸条
34 嵌合凹溝
40 突出部
36,39 基部

Claims (2)

  1. 電柱の碍子周辺の高圧送電線である電源11に固定され、外周に金属製索条である固定部材を巻き付けて碍子に固定される電線保護具であって、
    可撓性および弾発性を有するポリエチレンから成り、
    周方向に分断され拡開可能に大略的に筒状に形成され、
    電線防護具10の長手方向に沿って延びて形成される電線挿通部20と、
    電線挿通部20に連なって形成される嵌合部30と、
    電線防護具10の長手方向に沿って延びて形成される突出部40とを有し、
    電線挿通部20は、電線11が挿通される電線挿通孔21を備え、
    電線挿通孔21の軸線は、電線防護具10に力が加えられない自然状態において、直線状態であり、
    電線防護具10が電線11に装着された状態である装着状態において、電線11が電線防護具10の電線挿通孔21に収納され、
    嵌合部30は、電線防護具10の長手方向に沿って延びて形成される嵌合凸条33を備えた第1嵌合部31および前記嵌合凸条33に嵌合する嵌合凹溝34を備えた第2嵌合部32を有し、
    前記装着状態において、嵌合凸条33と嵌合凹溝34とが互いに密着して嵌合して電線防護具10の電線11への装着が達成され、
    嵌合凸条33の電線防護具10の軸線に垂直な横断面形状は、嵌合凸条33と嵌合凹溝34とが嵌合した状態である嵌合状態において、
    嵌合凹溝34に対向する第1嵌合部31の内表面35を有する第1嵌合基部36から嵌合凹溝34に近接する方向に延出する延出部37と、
    延出部37よりも幅広の嵌合突部38とを有する形状であって、前記嵌合突部38は延出部37から離反する方向になるにつれて先細状に形成されている矢尻状の横断面形状を有するように形成され、
    嵌合凸条33が嵌合凹溝34に押し込まれると、嵌合凸条33の嵌合突部38が変形し嵌合突部38が嵌合凹溝34の内表面に案内されて、嵌合突部38が嵌合凹溝34に挿入され、嵌合凸条33が嵌合凹溝34に完全に挿入された状態では、変形していた嵌合突部38がその弾発性によって変形前の形状に復元し、
    第1嵌合部31と第2嵌合部32とが互いに離反する方向に第1嵌合部31および第2嵌合部32に力を加えることによって、嵌合突部38が変形し、嵌合凹溝34から嵌合凸条33が離脱され、
    嵌合状態においては嵌合凸条33の嵌合凹溝34に対する抜け止めが達成され、嵌合凸条33の表面と嵌合凹溝34の内表面とが密着し、嵌合凸条33と嵌合凹溝34との嵌合が達成され、
    嵌合凹溝34は、嵌合凸条33の形状に対応して形成され、前記嵌合状態において、嵌合凸条33の表面と嵌合凹溝34の内表面とが密着するように形成され、嵌合凹溝34の電線防護具10の軸線に垂直な横断面形状は、前記嵌合状態において、第1嵌合基部36に対向する第2嵌合部32の内表面を有する第2嵌合基部39に形成され、
    突出部40は、電線挿通孔21に対向して形成され、かつ電線挿通孔21と嵌合凹溝34との間に配置され、
    突出部40は第1嵌合基部36に連なって形成され、前記装着状態において電線挿通部20とともに電線11を囲繞するように配置され、電線11が収納される電線挿通孔21の外周付近において、電線挿通部20および突出部40が中空円周部を構成し、
    嵌合凸条33が設けられる第1嵌合基部36付近、嵌合凹溝34が設けられる第2嵌合基部39付近および突出部40が設けられる基部付近は、電線挿通部20よりも肉厚に形成され、
    電線防護具10の横断面の外形形状を略楕円形状とし、
    電線防護具10の周方向に分断された箇所である分断部25において電線防護具10を拡開して電線11を電線防護具10内に配置して収納することを特徴とする電線防護具。
  2. 電線防護具10の高さ方向の長さT1は25mm、幅方向の長さT2は16.8mm、長さ方向の長さT3は1000mmであり、電線挿通孔21の直径T4は11.8mmであり、
    電線11の直径5〜40mmであって、
    電線11に送電される使用電圧は、6600V以下であり、
    前記固定部材は、銅線であって、嵌合部30の外表面に密着することを特徴とする請求項1記載の電線防護具。
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