JP3744952B2 - 外部記憶媒体の模様情報に基づく刺繍縫いが可能なミシン - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は外部記憶媒体の模様情報に基づく刺繍縫いが可能なミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
刺繍縫い機構を備えたミシンにおいて、ROMカード等の外部記憶媒体から模様データを入力して刺繍縫いを実行できるように構成されたミシンが知られている。このようなミシンにおいては、ユーザが任意のROMカードを購入して模様データを得ることができ、また新規の模様データを順次販売できる等の利点を有している。
またミシン本体に更にメモリを備えて、ここに使用頻度の高い模様データを内蔵させ、ROMカードの模様データと併用できるように構成したものも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ROMカード等の外部記憶媒体を用いる場合には、刺繍模様を選択する際に、どの外部記憶媒体にどのような模様が入力されているか分かりずらく、その都度外部記憶媒体を差し替えて確認しなければならない欠点がある。
また、異なる外部記憶媒体に格納された模様を組み合わせて刺繍縫いを行う際に、予め希望する模様が格納されている外部記憶媒体を夫々ミシンに接続して模様を確認し、模様の組み合わせ決定した上で、実際に刺繍縫いを行う時に再度外部記憶媒体を一個づつ接続して縫いを行う必要がある等、非常に手間が掛かる欠点があった。
本発明は上記した従来技術の問題点を解決することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記目的を達成するために本発明の外部記憶媒体の模様情報に基づく刺繍縫いが可能なミシンは、ミシン本体に接続及び非接続可能な外部記憶媒体であって、模様を形成するための情報と、該模様を表示するための情報と、その記憶媒体を識別するための情報とを有する外部記憶媒体と、前記外部記憶媒体から、前記表示するための情報と識別するための情報とを読み出して記憶する手段と、所定の模様を形成するための情報と、該模様を表示するための情報を有する内部記憶媒体と、前記記憶する手段と前記内部記憶媒体の中の少なくとも一方に記憶された模様を選択するための手段と、前記選択するための手段による選択に対応し、前記記憶する手段と内部記憶媒体の少なくとも一方に記憶された表示するための情報に基づいて前記模様を表示可能であり、前記記憶する手段に記憶された識別するための情報に基づいて前記外部記憶媒体を識別するための情報を表示可能であり且つ前記選択するための手段による選択に対応して内部記憶媒体である旨の情報を表示可能な表示手段と、を備え;該表示手段が、前記外部記憶媒体の模様が選択され、表示された時は該記憶媒体を識別するための情報を表示し、前記内部記憶媒体の模様が選択され、表示された時は内部記憶媒体である旨の情報を表示する、ことを特徴とする。
上記構成により、どの外部記憶媒体或いは内部記憶媒体にどのような模様を形成するための情報が記憶されているのか知ることができる。また模様を選択した場合、該選択した模様がどの外部記憶媒体に記憶されているか或いは内部記憶媒体に記憶されているか認識できる。また、模様の組み合わせ等を決定すること等も、外部記憶媒体の接続をその都度行うことなく可能になる。内部記憶媒体には使用頻度の高い模様情報を記憶しておく等の使用方法が可能である。
更に前記記憶媒体に記憶された模様を表示するための情報を組み合わせて前記表示手段に組み合わせ模様を表示させる手段と、該組み合わせ模様を表示させる手段により表示上組み合わされた組み合わせ模様の刺繍縫いをミシン本体の刺繍縫い機構に実行させる手段を設けて模様の組み合わせを簡単に行えるように構成することも可能である。これにより外部記憶媒体の接続をその都度行うことなく、組み合わせ模様を決定することが可能になる。
前記表示手段に、前記組み合わせ模様の刺繍縫いを実行するに必要な外部記憶媒体の識別情報を、前記記憶する手段に記憶された識別するための情報に基づいて表示させるように構成することも可能であり、この構成により模様の刺繍縫い実行の際に、必要とする外部記憶媒体を簡単に知ることが可能になる。
【0005】
【実施例】
以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1は機能ブロック図、図2はハード構成の一例を示すブロック図である。
図1において、外部記憶媒体1(外部記憶媒体)はミシン本体Aとは別体に構成され、ミシン本体Aに装着して読み出し手段7によりその記憶内容を読み出すことが可能に構成されている。外部記憶媒体1には、文字や記号或いは図形等の模様データが格納されており、この模様データは縫い目形成データと表示データ及び識別コードとから構成されている。縫い目形成データはミシン本体Aに備えられた刺繍縫い可能な縫い目形成機構8を駆動するためのデータであり、表示データは表示制御手段5を介して液晶表示或いはCRT等の表示手段3に模様形状を表示するためのデータである。識別コードは当該外部記憶媒体1を識別するためのコードであり、各外部記憶媒体1毎に固有のコードが割り当てられている。
【0006】
読み出し手段7は外部記憶媒体1の記憶内容を読み出して、その模様データを表示制御手段5(組み合わせ模様を表示させる手段)と縫い実行制御手段6に送るようになっている。表示制御手段5は表示手段3を制御して表示データに基づく表示を行わせると共に該表示上で模様の組み合わせを行うためのものであり、操作者が表示手段3(表示手段)に表示された模様を見ながら、模様の組み合わせを実行できるようになっている。縫い実行制御手段6は読み出し手段7からの模様データの中の縫い目形成データに基づいて縫い目形成機構8を制御して、当該模様を形成する刺繍縫い目を形成させるようになっている。
上記した読み出し手段7、表示制御手段5、表示手段3、縫い実行制御手段6(実行させる手段)、縫い目形成機構8は従来より知られた構成のものを採用すれば良い。例えば表示制御手段5は単純に模様を組み合わせる構成のものでも良いし、或いは模様の間隔、位置関係、大きさ、等を調整できるように構成したものであってもよい。また縫い実行制御手段6は各縫い目を座標データで表した縫い目形成データに基づいて縫いを実行させるものであっても良いし、或いは模様の頂点のみを定義した所謂頂点データに基づいて縫いを実行させる構成のものであっても良い。
【0007】
読み出し手段7は所定の操作或いは指令に応じて表示データ及び識別コード登録モードを実行するように構成されており、外部記憶媒体1から読み出した模様データの中の識別コードと表示データのみを表示/識別情報記憶手段2(前記外部記憶媒体から、前記表示するための情報と識別するための情報とを読み出して記憶する手段)に送り、識別コードと表示データを関連付けて記憶させるようにに構成されている。
操作者が予め複数の外部記憶媒体1を順次読み出し手段7により読み出させて、表示データと識別コードの登録を行わせると、表示/識別情報記憶手段2には図示するように各外部記憶媒体A〜N毎にその識別コードA〜Nと表示データa1〜an、ーーーーーー、n1〜nnが関連付けて登録されるようになっている。
そして、表示/識別情報記憶手段2に登録された識別コードと表示データは所定の操作或いは指令に応じて表示制御手段5を介して表示手段3に表示されるように構成されている。
なお、表示/識別情報記憶手段2はミシン本体Aのスイッチを切っても記憶内容が消えない構成になっており、一度データを登録すると、特に該データの削除操作をしない限り、保存されるようになっている。
【0008】
この実施例では更に、ミシン本体A内部に内部記憶媒体4(内部記憶媒体)を備えており、ここに使用頻度の高い模様データを予め格納するように構成されている。このデータも同様に表示制御手段5に供給されて表示手段3に表示され、或いは模様組み合わせに使用され、組み合わせ模様として表示される。また、縫い実行制御手段6を介して縫い目形成機構8により模様縫いが実行されるようになっている。
【0009】
操作者は予め外部記憶媒体1を読み出し手段7に読み取らせて表示/識別情報記憶手段2に識別コードと表示データとを登録しておけば、表示手段3を見ながら、表示データ登録済みの全ての外部記憶媒体1の模様と内部記憶媒体4に格納された模様の選択を行うことができる。また、模様の組み合わせを行う場合にも、表示制御手段5により表示手段3を見ながら、登録済みの外部記憶媒体1の模様どうし、或いは外部記憶媒体1の模様と内部記憶媒体4の模様、更に内部記憶媒体4の模様どうしの組み合わせを行うことができる。
該表示手段3には模様表示だけでなく、該表示された模様が格納されている外部記憶媒体1を特定する識別コードも表示されるように構成されているから、実際に縫いを実行する際には表示手段3の表示に従って所定の外部記憶媒体1を選択し、これをミシン本体Aに装着して読み出し手段7により模様データを読み取らせれば良い。
【0010】
縫い実行制御手段6は表示手段3に表示された模様或いは模様の組み合わせに関する情報を表示制御手段5から入力し、該模様又は組み合わせ模様に応じた縫い目形成データを外部記憶媒体1又は内部記憶媒体4から入力して、縫い目形成機構8を制御して選択された模様或いは組み合わされた模様の刺繍縫いを実行するようになっている。
【0011】
図2により具体的な構成を更に詳細に説明する。
中央演算処理装置10はマイクロコンピュータを主体に構成されており、ミシン本体Aの基本的な制御と共に、前記表示制御手段5と縫い実行制御手段6の機能及び読み出し手段7の一部の機能を果たすようになっている。
中央演算処理装置10にはROMカードリーダ17が接続されており、外部記憶媒体であるROMカード11(外部記憶媒体)に格納された模様データをこのROMカードリーダ17で読み出して、入力するようになっている。ROMカードリーダ17と中央演算処理装置10の間にはスイッチ装置18が介在しており、ROMカード11の抜き差しの際にROMカードリーダ17と中央演算処理装置10の間の接続を断って、ROMカード11の装脱着時のノイズによる悪影響を排除するようになっている。
なお、外部記憶媒体としては、ROMカードの他にフレキシブルディスク等の磁気記憶媒体、コンパクトディスク等の光記憶媒体、或いはPROM、EPROM、EEPROM、RAM等の他の半導体メモリ等を使用可能である。
【0012】
中央演算処理装置10には表示データ登録指令キー23が接続されており、操作者が表示データ登録指令キー23を操作することにより、中央演算処理装置10は表示データ及び識別コードの登録モードを実行するようになっている。即ち、ROMカード11から表示データと識別コードを読み出して、識別コード毎に表示データを表示データ/識別コード記憶装置12(前記外部記憶媒体から、前記表示するための情報と識別するための情報とを読み出して記憶する手段)に格納するようになっている。
表示データ/識別コード記憶装置12としては、ミシン本体の電源を切っても登録されたデータが消えないタイプの記憶装置を用いる。またデータの書き換え可能な構成が望ましく、具体的には不揮発性RAMやEPROM或いはEEPROM等を用いることができる。
【0013】
中央演算処理装置10にはまた内蔵模様データ記憶装置14が設けられており、予め決められた模様データがここに格納されている。そして模様選択キー20(前記記憶する手段と前記内部記憶媒体の中の少なくとも一方に記憶された模様を選択するための手段)が設けられ、操作者が模様選択キー20を操作することにより内蔵模様データ記憶装置14に格納された模様データの中の表示データ或いは表示データ/識別コード記憶装置12に登録された表示データを用いて、表示装置13(表示手段)に当該模様が表示されるようになっている。
【0014】
この実施例では、表示装置13には模様と共にその模様データが格納された記憶装置、即ちROMカード11であればその識別コード表示がなされ、また内蔵模様データ記憶装置14であればその旨の表示がなされるようになっている。
なお、模様選択のための構成には、模様を識別する番号の入力や或いは表示装置13に縮小模様を多数表示させてタッチパネルで模様を選択する等種々の構成を採用することが可能である。
【0015】
中央演算処理装置10には組み合わせ指定キー21が設けられており、ROMカード11に格納された模様と内蔵模様データ記憶装置14に格納された模様の中の模様を任意に組み合わせることが可能なっている。中央演算処理装置10は組み合わせ指定キー21による組み合わせの指令があると、表示データ/識別コード記憶装置12からの表示データ或いは内蔵模様データ記憶装置14からの表示データに基づいて、表示データの合成を行い、これを表示装置13に表示させるように構成されている。
【0016】
なお、表示切り替えキー22は表示装置13の表示モードを切り換えるもので、例えば前記したような模様選択や模様組み合わせのモードと通常の縫いを実行する場合のモード等とを切り換えるためのキーである。
【0017】
中央演算処理装置10はモータ駆動回路30を介してX方向モータ31とY方向モータ32を制御し、図3に示す刺繍枠33をXY方向に移動させて、刺繍縫いを実行させるようになっている。また同様に針34及び送り機構(図示せず)を制御して縫いを実行させるようになっている。この縫いの制御は始動/停止指令キー24に基づいて行うようになっている。
中央演算処理装置10は前記したように模様選択キー20により選択された模様或いは組み合わせ指定キー21の操作により組み合わされた模様の縫い目形成データをROMカード11或いは内蔵模様データ記憶装置14から読み出して、該縫い目形成データに基づいてモータ駆動回路30を制御し、該模様の刺繍縫いを実行させるようになっている。ROMカード11或いは内蔵模様データ記憶装置14からの縫い目形成データは一時記憶装置15に一時記憶させて用いても良いし、一時記憶させずに直接用いても良い。
前記選択された模様或いは組み合わされた模様の刺繍縫いに必要なROMカード11の識別記号は表示装置13に表示され、刺繍縫いの進行に対応して、ROMカード11の交換を促すカード交換表示や交換が行われたことを示すカード装着表示がなされるように構成されている。
【0018】
図3はミシン本体Aの外観図であり、表示装置13及び模様選択キー20、組み合わせ指定キー21、表示切り替えキー22、表示データ登録指令キー23、始動/停止指令キー24等は機枠のアーム上に配設されている。また、ROMカードリーダ17のスロットル部が本体の右脇に設けられており、ここからROMカード11を抜き差しするように構成されている。ROMカード11を装着する際にはROMカード11を単にスロットルに押し込み、ROMカード11を取り出す際にはROMカード取出し釦25を操作することによりROMカード11を排出するように構成されている。なお、ROMカード11の装着時にはROMカード11の装着検出信号が中央演算処理装置10に送られ、またROMカード取出し釦25操作時にはその旨の信号が中央演算処理装置10に送られ、該信号に対応してスイッチ装置18のオンオフ制御が行われるようになっている。
【0019】
図4により識別コード及び表示データ登録の動作を説明する。
中央演算処理装置10は表示データ登録指令キー23の操作があると、登録モードに入る(ステップS1)。操作者がROMカード11をROMカードリーダ17に装着すると(ステップS2)、中央演算処理装置10から記憶指令が出力され(ステップS3)、ROMカード11に格納された識別コードと表示データが表示データ/識別コード記憶装置12に記憶される(ステップS4)。そして、次のROMカード11の登録を行う場合にはステップS2に戻り(ステップS5)、次の登録を行わない場合には表示データ登録指令キー23を再度操作して登録モードを終了する。
【0020】
ROMカード11の交換の際には、前記したようにスイッチ装置18のオンオフが行われる。この動作を図5に示す。
ROMカード取出し釦25の操作によりROMカード11の取り出し動作が検出されると(ステップS10)、スイッチ装置18がオフとなりROMカードリーダ17と中央演算処理装置10とが遮断される(ステップS11)。これにより、ROMカード11交換の際のノイズ等による誤動作を防止できる。ROMカード11が交換され(ステップS12)、ROMカード11のスロットルへの装着が検出されると(ステップS13)、スイッチ装置18が再度オンになる(ステップS14)。
そして再びROMカード11の取り出し動作により上記ステップが繰り返される。
【0021】
以上のように一度識別コードと表示データを表示データ/識別コード記憶装置12に登録しておけば、以後の模様選択或いは模様組み合わせは表示データ/識別コード記憶装置12の表示データを使用して実行することが可能になる。
この模様選択及び組み合わせの動作を図6により説明する。
模様選択キー20が操作されると(ステップS20)、表示装置13を模様選択画面に切り換え(ステップS21)、操作者は該画面を見ながら模様選択を実行する(ステップS22)。選択された模様の格納されているROMカード11の識別コードと模様の識別コード(模様毎に予め付された識別コードや格納されている先頭番地等)が記憶される。内蔵模様データ記憶装置14に記憶されている模様の場合にはROMカード11の識別コードのかわりに内蔵模様データ記憶装置14であることを示すコードが記憶される(ステップS23)。
次に操作者が組み合わせ指定キー21を操作し、模様選択終了でない場合には(ステップS24、25)、ステップS22に戻り次の模様選択が行われ、同様にROMカード11の識別コードと模様の識別コードが記憶され、操作者が模様選択キー20を再度操作して模様選択を終了するまで(ステップS25)、上記動作を繰り返す。
【0022】
次に図7により縫い実行動作を説明する。
選択され組み合わされた模様の刺繍縫いを実行するために操作者が始動/停止指令キー24を操作して刺繍縫い実行指令を出すと(ステップS30)、中央演算処理装置10は前記選択した模様の識別コードを選択した順序にチェックして、選択模様が内蔵模様データ記憶装置14に格納された模様であるか(ステップS31)、現在装着されているROMカード11に格納された模様であるか(ステップS33)、判断する。内蔵模様データ記憶装置14或いは装着されたROMカード11に格納された模様である場合は、記憶した模様の識別コードに従って、内蔵模様データ記憶装置14又はROMカード11から該模様の縫い目形成データを読み出し、一時記憶装置15に一時記憶して(ステップS32、34)、ステップS38に飛ぶ。
模様が内蔵模様データ記憶装置14の模様でもなく、また装着中のROMカード11の模様でもない場合には中央演算処理装置10は表示装置13にROMカード11交換の表示と、装着すべきROMカード11の識別コードを表示して操作者にROMカード11の交換を促す(ステップS35)。ROMカード11が交換されると(ステップS36)、当該模様の縫い目形成データを読み出し、一時記憶装置15に一時記憶する(ステップS37)。なお、ステップS36の動作は図5に示した通りである。
選択され或いは組み合わされた全ての模様に関する縫い目形成データが読み出されたか否か判断し(ステップS38)、読み出されていなければステップS31に戻り同様の動作を繰り返す。読み出しが完了していれば、選択した順序に模様の刺繍縫いを実行する(ステップS39)。そして、全ての模様の刺繍縫いを終了したら(ステップS40)、縫い動作を終わる。
【0023】
なお、図7に刺繍縫い動作では一度全ての模様の縫い目形成データを一時記憶装置15に記憶してから、縫い動作を実行しているが、模様毎に縫いを実行する方法も可能である。
この動作を図8により説明する。
選択され或いは組み合わされた模様の刺繍縫いを実行するために操作者が始動/停止指令キー24を操作して刺繍縫い実行指令を出すと(ステップS50)、中央演算処理装置10は前記選択した模様の識別コードを選択した順序にチェックして、選択模様が内蔵模様データ記憶装置14に格納された模様であるか(ステップS51)、現在装着されているROMカード11に格納された模様であるか(ステップS52)、判断する。内蔵模様データ記憶装置14或いは装着されたROMカード11に格納された模様である場合は、記憶した模様の識別コードに従って、内蔵模様データ記憶装置14又はROMカード11から該模様の縫い目形成データを読み出し(ステップS56)、刺繍縫いを実行する(ステップS57)。
模様が内蔵模様データ記憶装置14の模様でもなく、また装着中のROMカード11の模様でもない場合には、中央演算処理装置10は表示装置13にROMカード11交換の表示と、装着すべきROMカード11の識別コードを表示して操作者にROMカード11の交換を促す(ステップS53)。ROMカード11が交換されると(ステップS54)、交換したROMカード11から模様の縫い目形成データを読み出し(ステップS56)、刺繍縫いを実行する(ステップS57)。
刺繍縫いに際しては、縫い目形成データの読み出し毎に縫い実行を繰り返す(ステップS58)。
そして、選択され或いは組み合わされた全ての模様が終了したか否か確認し(ステップS59)、終了していれば動作を終わる。終了していなければ、次の模様についてステップS51からの動作を繰り返す。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の外部記憶媒体の模様情報に基づく刺繍縫いが可能なミシンは、外部記憶媒体から、模様を表示するための情報と識別するための情報とを読み出して記憶する手段を備え、ここに記憶された表示するための情報と識別するための情報により模様の表示と外部記憶媒体の識別情報の表示が行えるようになっているから、どの外部記憶媒体にどのような模様を形成するための情報が記憶されているのか簡単に知ることができる。また、前記外部記憶媒体の模様が選択され、表示された時は該記憶媒体を識別するための情報を表示し、前記内部記憶媒体の模様が選択され、表示された時は内部記憶媒体である旨の情報を表示するように構成されているため、模様と記憶媒体との関係が明確に把握できる。そのため模様の組み合わせ等を決定すること等も外部記憶媒体の接続をその都度行うことなく可能になる。
また表示するための情報を組み合わせて前記表示手段に組み合わせ模様を表示させる手段とこの手段により組み合わされた組み合わせ模様の刺繍縫いをミシン本体の刺繍縫い機構に実行させる手段を設けた場合には、外部記憶媒体の差し替えを行うことなく、組み合わせ模様を決定することが可能になる。
更に前記表示手段に、前記組み合わせ模様の刺繍縫いを実行するに必要な外部記憶媒体の識別情報を、前記記憶する手段に記憶された識別するための情報に基づいて表示させるように構成した場合には、模様の刺繍縫い実行の際に、必要とする外部記憶媒体を簡単に知ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す機能ブロック図。
【図2】本発明の一実施例を更に詳細に示すブロック図。
【図3】本発明の一実施例を示す外観図。
【図4】本発明の一実施例の表示データ登録動作を示すフローチャート図。
【図5】本発明の一実施例のROMカード交換動作を示すフローチャート図。
【図6】本発明の一実施例の模様選択、組み合わせ動作を示すフローチャート図。
【図7】本発明の一実施例の刺繍縫い動作の一例を示すフローチャート図。
【図8】本発明の一実施例の刺繍縫い動作の他の例を示すフローチャート図。
【符号の説明】
1:外部記憶媒体、2:表示/識別情報記憶手段、3:表示手段、4:内部記憶媒体、5:表示制御手段、6:縫い実行制御手段、7:読み出し手段、8:縫い目形成機構、10:中央演算処理装置、11:ROMカード、12:表示データ/識別コード記憶装置、13:表示装置、14:内蔵模様データ記憶装置、15:一時記憶装置、17:ROMカードリーダ、18:スイッチ装置、20:模様選択キー、21:組み合わせ指定キー、22:表示切り替えキー、23:表示データ登録指令キー、24:始動/停止指令キー、25:ROMカード取出し釦、30:モータ駆動回路、31:X方向モータ、32:Y方向モータ、33:刺繍枠、34:針。
Claims (3)
- ミシン本体に接続及び非接続可能な外部記憶媒体であって、模様を形成するための情報と、該模様を表示するための情報と、その記憶媒体を識別するための情報とを有する外部記憶媒体と、
前記外部記憶媒体から、前記表示するための情報と識別するための情報とを読み出して記憶する手段と、
所定の模様を形成するための情報と、該模様を表示するための情報を有する内部記憶媒体と、
前記記憶する手段と前記内部記憶媒体の中の少なくとも一方に記憶された模様を選択するための手段と、
前記選択するための手段による選択に対応し、前記記憶する手段と内部記憶媒体の少なくとも一方に記憶された表示するための情報に基づいて前記模様を表示可能であり、前記記憶する手段に記憶された識別するための情報に基づいて前記外部記憶媒体を識別するための情報を表示可能であり且つ前記選択するための手段による選択に対応して内部記憶媒体である旨の情報を表示可能な表示手段と、を備え;
該表示手段が、前記外部記憶媒体の模様が選択され、表示された時は該記憶媒体を識別するための情報を表示し、前記内部記憶媒体の模様が選択され、表示された時は内部記憶媒体である旨の情報を表示する、
ことを特徴とする外部記憶媒体の模様情報に基づく刺繍縫いが可能なミシン。 - 前記外部記憶媒体と内部記憶媒体の少なくとも一方に記憶された模様を表示するための情報を組み合わせて前記表示手段に組み合わせ模様を表示させる手段と、
該手段により組み合わされた組み合わせ模様の刺繍縫いをミシン本体の刺繍縫い機構に実行させる手段と、を更に備えた、
請求項1に記載の外部記憶媒体の模様情報に基づく刺繍縫いが可能なミシン。 - 前記表示手段が、組み合わせ模様の刺繍縫いを実行するに必要な外部記憶媒体を識別するための情報を、前記記憶する手段に記憶された識別するための情報に基づいて表示する、
請求項2に記載の外部記憶媒体の模様情報に基づく刺繍縫いが可能なミシン。
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