JP3744420B2 - 熱伝導性樹脂組成物およびそれを使用した電子部品装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は発熱する電子部品と放熱体との間に介在する熱伝導性樹脂組成物に係り、特に熱伝導率を向上した熱伝導性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来から慣用的に使用される電子部品装置の概略図である。具体的には熱伝導性樹脂組成物を介して電子部品の発熱を放熱体に熱伝導する電子部品装置の概略図である。
【0003】
1は電子部品装置、2は熱伝導性樹脂組成物、3は放熱体、4は電子部品、41はバンプ、5は電子部品搭載基板、51は電極、6はベース樹脂(マトリックス材)、7はフィラーである。
【0004】
電子部品装置1は大略放熱体3と電子部品4と熱伝導性樹脂組成物2とから構成されている。この電子部品4は熱伝導性樹脂組成物2を介して放熱体3例えばヒートシンク3と接合されている。そして熱伝導性樹脂組成物2は大略ベース樹脂(マトリックス材)6にフィラー7を混合したものである。
【0005】
そして電子部品4の稼働による発熱を熱伝導性樹脂組成物2内のフィラー7を熱伝導してヒートシンク3に熱伝搬し、続いてヒートシンク3から大気に放熱している。この電子部品装置1は具体的には電子部品4のバンプ41と電子部品搭載基板5の電極51とを導電接続している。
【0006】
これら電子部品装置1は高性能、高機能を要求されている。このために電子部品4の発熱量が増えている。この発熱に起因する高温が電子部品4の誤動作の原因になっている。従って電子部品4の稼働による発熱をヒートシンク3に効率良く熱伝搬し放熱する必要がある。
【0007】
この課題を解決する技術として熱伝導性樹脂組成物2にフィラー7を含有して放熱効率を向上させている。このフィラー7としてアルミナ粉末等を使用した特公昭59−52195号公報、さらにフィラー7として窒化アルミ・窒化ケイ素等の窒化物を使用した特公平6−19027号公報がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記公報の技術は希望する放熱効率が得られない。これは図6に図示するように熱伝導性樹脂組成物2内のフィラー7は大別して大形と小形の2種類が多数存在している。この内の大形フィラー7の粒径が球形を成し、更に電子部品と放熱体との隙間が大球形フィラーまたは小形フィラーの粒径以上であることが熱伝導の効率向上を抑止している。
【0009】
具体的には電子部品4と放熱体3との間の充填厚み方向のフィラー7の数が増えるとフィラー相互間の接触点が多くなって、その間の熱伝導抵抗が大きくなり、電子部品装置の放熱効率が悪くなる。結果として電子部品4を所望する温度に冷却できない。従って本発明の目的は電子部品と放熱体との接続間隙を充填するために用いられる熱伝導性樹脂の熱伝導効率を改善することであり、更に具体的には高性能半導体電子部品と放熱フィンとの間に介在する熱伝導性樹脂のフィラーを改良して放熱効果を向上させようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は最良な熱伝導率を呈するフィラーの在り方として、個々のフィラーの一端が電子部品4に接する一方、他端がヒートシンク3に接した状態が望ましいとの知見から電子部品4とヒートシンク3との縦方向の熱伝導を個々のフィラー単体で直接に繋いで熱伝導を行うようなフィラー7を含む熱伝導性樹脂組成物2を提供するものである。
【0011】
そして請求項1に記載の発明は長径と短径とのアスペクト比が2以上の第1の繊維状熱伝導性粉末と、第1の繊維状粉末の短径より小さい粒径の第2の熱伝導性粉末とをマトリックス材に70〜75体積%の割合で充填された熱伝導性樹脂が粘度1000〜2500Pa・s であることを特徴とする熱伝導性樹脂を提供する。従って電子部品と放熱体とに介在する熱伝導性樹脂組成物のフィラー相互間の接触点の数を減少でき、電子部品の熱を放熱体に効率良く熱伝導する。従って電子部品の熱を放熱体に効率良く熱伝導して冷却する。結果として電子部品の誤動作を防止でき、且つ電子部品装置の信頼性を向上できる。 更に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の第1の繊維状熱伝導性粉末の長径が60〜300μm 、短径が50〜100μm であることを特徴とする熱伝導性樹脂を提供する。結果として熱伝導性樹脂組成物の熱伝導率を向上させて、従って電子部品の熱を放熱体に効率良く熱伝導して冷却する。
【0012】
続いて請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の第1の繊維状熱伝導性粉末がインジウム、アルミニウム、錫、ダイヤモンドの少なくとも1つを充填されることを特徴とする熱伝導性樹脂を提供する。従って熱伝導性樹脂組成物の熱伝導率を向上させる。結果として電子部品の熱を放熱体に効率良く熱伝導して冷却する。
【0013】
更に請求項4に記載の発明は、請求項1記載の第1の繊維状熱伝導性粉末と第2の熱伝導性粉末との配合比率が、第1の繊維状熱伝導性粉末:第2の熱伝導性粉末=2:1〜1:3の体積比率であることを特徴とする熱伝導性樹脂組成物を提供する。従って熱伝導性樹脂組成物の熱伝導率を向上させる。結果として電子部品の熱を放熱体に効率良く熱伝導して冷却する。
【0014】
次に請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4に記載の熱伝導性樹脂組成物がフィルム状であり、該熱伝導性樹脂組成物の厚みが第1の繊維状熱伝導性粉末の長径以下で、且つ短径以上であることを特徴とする熱伝導性樹脂組成物を提供する。従って熱伝導性樹脂組成物の取り扱いを容易にできる。
【0015】
続いて請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5に記載の熱伝導性樹脂組成物を介して電子部品と放熱体とを設けた電子部品装置であることを特徴とする電子部品装置を提供する。従って電子部品の熱を放熱体に効率良く熱伝導して冷却する。結果として電子部品の誤動作を防止できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の好適な電子部品装置の概略図である。
6はベース樹脂(マトリックス材)、71は第1のフィラー(第1の繊維状熱伝導性粉末)、72は第2のフィラー(第2の熱伝導性粉末)である。各図面において、同一の構成要素には共通の参照符号を付して説明を省略する。
【0017】
以下、特徴となる本発明の好適な熱伝導性樹脂組成物2の形態を説明する。
熱伝導性樹脂組成物2は大略ベース樹脂(マトリックス材)6に第1のフィラー(第1の繊維状熱伝導性粉末)71と第2のフィラー(第2の熱伝導性粉末)72を混合したものである。更に分散剤を添加している。
<実施例1>
1]ベース樹脂(マトリックス材)6
液状シリコーンオイルは例えば東芝シリコーン株式会社の製品名TSF451−50である。
【0018】
2]第1のフィラー(第1の繊維状熱伝導性粉末)71
インジウムは長径約100μm と短径50μm とのアスペクト比が約2であり具体的には高純度化学株式会社の製品名INE07PBである。
【0019】
3]第2のフィラー(第2の熱伝導性粉末)72
平均粒径3μmのアルミニウムと平均粒径0.8μmの酸化亜鉛とを1:1の割合で混合する。このアルミニウムは例えば高純度化学株式会社の製品名ALE11PBである。そして酸化亜鉛は具体的には高純度化学株式会社の製品名ZNO04PAである。
【0020】
4]分散剤
チタネート系カップリング剤は味の素ファインテクノ株式会社の製品名KR−TTSである。
【0021】
上記材料を用いて、第1のフィラー71と第2のフィラー72との配合比率を3:1から1:4の6種類に分類し、更にこの6種類をフィラー71、72の充填量が60から75体積%の4種類を作り、結果として表1に示すように24種類のサンプルを作製した。
【0022】
【表1】
【0023】
表1−aに上記24種類のサンプルの熱伝導率の測定結果を示す。
配合比率が第1のフィラー:第2のフィラー=3:1の樹脂は粘度が低く過ぎてシリコーンオイルとフィラーが分離して所定厚みのペースト状にならなかった。また配合比率が第1のフィラー:第2のフィラー=1:4のサンプルの内で、フィラーの充填量が65体積%以上は粘度が高過ぎてペースト状にならなかった。従って熱伝導性樹脂組成物2としては使用不可能である。
【0024】
次にペースト状の17種類の熱伝導率を測定した。
図2は熱伝導率を測定する測定装置概略図である。
【0025】
熱伝導率測定装置は大略、ヒータブロックHB、2個の熱電対NE1、NE2を設けた上下2枚の銅板Cu1、銅板Cu2、冷却水を充満させたベローズとから構成されている。そして下側の銅板Cu1はヒータブロックHBに密着して設置されている。そして上側の銅板Cu2を冷却水を充満させたベローズに密着して設置されている。このヒータブロックHBは電源に接続され図示しない電流計、電圧計を設けている。
【0026】
各サンプルの熱伝導率の測定は下記の方法で行われる。
最初に被測定用の熱伝導性樹脂組成物2を上下に設置された銅板Cu2と銅板Cu1とで挟恃する。続いてヒータブロックHBで加熱する。次に加熱開始から数分経過して上下2枚の銅板Cu1、銅板Cu1に設けられた熱電対で計測した温度の変化が一定した際の各熱電対の温度差と印可した電流値と電圧値を読み取る。そして下記の式によりコンパウンドの熱抵抗及び熱伝導率を算出した。
【0027】
ΔR=ΔT/(I・V)
ΔR:サンプルの熱抵抗(℃/W)
ΔT:加熱側と冷却側の温度差(℃)
I:印可電流(A)
V:印可電圧(V)
λ=Δt/(ΔR・ΔS)
λ:サンプルの熱伝導率(W/m・K)
Δt:サンプル厚さ(m)
ΔS:サンプル面積(m2)
<考察>
表1−aの結果のとおり、第1のフィラー71の割合と第2のフィラー72の割合とは第1のフィラー71の割合が第2のフィラー72割合より多くなる程に熱伝導率が良い。
【0028】
次に図1に図示する電子部品装置の作り方を説明する。
熱伝導性樹脂組成物2はペースト状の薄板体である。この熱伝導性樹脂組成物2の厚みが第1の繊維状熱伝導性粉末71の長径以下で、且つ短径以上である。
【0029】
最初にこの熱伝導性樹脂組成物2をヒートシンク3と電子部品4とで挟持する。この熱伝導性樹脂組成物2内に設けられた第1のフィラー71と第2のフィラー72とはランダムに配置されている。従って、第1のフィラー71が1固のみで電子部品4とヒートシンク3とを直接に橋絡状に架設されている物と、橋絡状に架設されていないものとが混在する。詳細には繊維状熱伝導性粉末71の長径方向の一端がヒートシンク3と繋がり、他端が電子部品が繋がっているものと、繋がっていないないものとが混在する。
【0030】
続いて熱伝導性樹脂組成物2を加圧した。加圧され熱伝導性樹脂組成物2の厚みが薄くなる。従って既に電子部品4とヒートシンク3とに橋絡状に架設されている第1のフィラー71が橋絡状態で傾斜、又は変形し、橋絡状態でない第1のフィラー71が橋絡状態になる。従って電子部品4とヒートシンク3とを直接に1個のフィラーで橋絡状に架設され熱伝導するフィラーの数量が増える。結果として複数個のフィラー71、72を介して熱伝導するより1個のフィラーで熱伝導する方が接触抵抗が低く熱伝導率が良い。
【0031】
この第1のフィラーの傾斜は熱伝導性樹脂組成物2の粘度の値により調節可能である。表1−bに記載のとおり、マトリックス材に70体積%の割合で充填された熱伝導性樹脂の粘度1000〜1500Pa・s の熱伝導率が好ましい。更にマトリックス材に75体積%の割合で充填された熱伝導性樹脂の粘度1500〜2500Pa・s の熱伝導率が最適である。
【0032】
上記熱伝導率の向上は長径と短径とを有する第1のフィラー71と第1のフィラー71の短径より小さい粒径の第2のフィラー72とをマトリックス材6に70〜75体積%の割合で充填した熱伝導性樹脂組成物2を電子部品4と放熱体3との隙間に第1のフィラー71の長径以下で、且つ短径以上である電子部品装置1に適用したことで創出できるものである。
【0033】
図3、図4は熱伝導性樹脂組成物2を介して電子部品4とヒートシンク3とを設けた側断面である。
図3に図示する電子部品4とヒートシンク3との隙間G1は図4に図示する隙間G2よりひろい。上述したように、これらの隙間G1、G2を所望する隙間にするために押圧して調節したものである。本発明に係る熱伝導性樹脂を使用し、加圧することで繊維状熱伝導性粉末を傾斜又は変形させることで熱伝導性樹脂組成物2の厚みを容易に調整できる。結果として電子部品4とヒートシンク3との隙間Gを所望する厚みに容易に製造できる。
【0034】
図5は隙間Gと抵抗率との関係を示す図である。
電子部品4とヒートシンク3との隙間Gは第1のフィラー71の長径以下で短径以上に設けると、本発明に係る熱伝導性樹脂の熱抵抗は従来の熱伝導性樹脂の熱抵抗よりも変化量が小さい。従って製造過程で隙間Gの誤差が生じても製品の品質を均一に保つことができる。
<実施例2>
実施例1の第1のフィラー71のみを変更した。詳細にはインジウムをアルミニウムに変えた以外は実施例1と同じ材料である。
【0035】
1]第1のフィラー(第1の繊維状熱伝導性粉末)71
アルミニウムは長径約100μm と短径約50μm とのアスペクト比が約2であり具体的には高純度化学株式会社の製品名ALE06PBである。
【0036】
2]ベース樹脂(マトリックス材)6、第2のフィラー(第2の熱伝導性粉末)72、分散剤は実施例1と同じ材料である。
【0037】
上記材料を用いて、配合比率を第1のフィラー71:第2のフィラー72=1:3とし、フィラーの充填量を60〜75体積%に変化させたサンプルを作製し、そして実施例1と同様の方法にて熱伝導率を測定した。
【0038】
【表2】
【0039】
表2に熱伝導率の測定結果を示す。フィラー充填量が60〜65体積%のものは熱伝導率が2〜4W/m・K程度であった。これに対して、70〜75体積%のものは5〜6W/m・Kと高い熱伝導率を示した。実施例1と同様にフィラーの充填量が60から75体積%に多くなるほど熱伝導率は良くなる。
<実施例3>
実施例1のインジウムを錫に変えた以外は実施例1と同じ材料を用いた。
【0040】
1]第1のフィラー(第1の繊維状熱伝導性粉末)71
錫は長径約100μm と短径約50とのアスペクト比が約2であり具体的には高純度化学株式会社の製品名SNE06PBである。
【0041】
2]ベース樹脂(マトリックス材)6、第2のフィラー(第2の熱伝導性粉末)72、分散剤は実施例1と同じ材料である。
【0042】
上記材料を用いて、配合比率を第1のフィラー71:第2のフィラー72=1:3とし、フィラーの充填量を60〜75体積%と変えたサンプルを作製し、そして実施例1と同様の方法にて熱伝導率を測定した。
【0043】
【表3】
【0044】
表3に熱伝導率の測定結果を示す。フィラー充填量が60〜65体積%のものは熱伝導率が2〜4W/m・K程度であった。これに対して70〜75体積%のものは5〜6W/m・Kと高い熱伝導率を示した。
<実施例4>
実施例1のベース樹脂である液状シリコーンオイルを液状シリコーンゲルに変えた以外は実施例1と同じ材料を用いた。
【0045】
1]ベース樹脂(マトリックス材)6
液状シリコーンゲルは例えば東レ・ダウコーニング・シリコ−ン株式会社の製品名SE1885である。
【0046】
2]第1のフィラー(第1の繊維状熱伝導性粉末)71、第2のフィラー(第2の熱伝導性粉末)72、分散剤は実施例1と同じ材料である。
【0047】
上記材料を用いて、配合比率を第1のフィラー71:第2のフィラー72=1:3とし、フィラーの充填量を60〜75体積%と変えたサンプルを作製し、そして実施例1と同様の方法にて熱伝導率を測定した。
【0048】
【表4】
【0049】
表4に熱伝導率の測定結果を示す。フィラー充填量が60〜65体積%のものは熱伝導率が2〜5W/m・K程度であった。これに対して70〜75体積%のものは6W/m・Kと高い熱伝導率を示した。
<実施例5>
実施例1のベース樹脂である液状シリコーンオイルをエポキシ樹脂に変えた以外は実施例1と同じ材料を用いた。
【0050】
1]ベース樹脂(マトリックス材)6
エポキシ樹脂は例えば主剤が大日本インキ株式会社の製品名830LVPであり、硬化剤は旭チバ株式会社の製品名HX−3921である。
【0051】
2]第1のフィラー(第1の繊維状熱伝導性粉末)71、第2のフィラー(第2の熱伝導性粉末)72、分散剤は実施例1と同じ材料である。
【0052】
上記材料を用いて、配合比率を第1のフィラー71:第2のフィラー72=1:3とし、フィラーの充填量を60〜75体積%と変えたサンプルを作製し、そして実施例1と同様の方法にて熱伝導率を測定した。
【0053】
【表5】
【0054】
表5に熱伝導率の測定結果を示す。フィラー充填量が60体積%のものは熱伝導率が2〜3W/m・Kであったが、65体積%のものは5W/m・K以上の熱伝導率を示した。
<実施例6>
実施例1のベース樹脂である液状樹脂にシリコーンゴムを用いた以外は実施例1と同じ材料を用いた。
【0055】
熱伝導性樹脂組成物の材料
1]ベース樹脂(マトリックス材)6
液状シリコーンゴムは例えば東芝シリコーン株式会社の製品名TSE3033である。
【0056】
2]第1のフィラー(第1の繊維状熱伝導性粉末)71、第2のフィラー(第2の熱伝導性粉末)72、は実施例1と同じ材料である。
【0057】
上記材料を用いて、配合比率を第1のフィラー71:第2のフィラー72=1:3とし、フィラーの量が65体積%、厚さが100μm,200μmのフィルム状のサンプルを作製し、そして実施例1と同様の方法にて熱伝導率を測定した。
【0058】
【表6】
【0059】
表6に熱伝導率の測定結果を示す。液状シリコーンゴムのフィルム厚さが100μmのものはフィルムは表面に150〜250μmの凹凸が発生した。この凹凸が熱伝導率を1〜2W/m・Kに低下させた原因と思われる。しかしフィルムの厚さが200μmでは5W/m・K以上の熱伝導率を示した。厚さ100μmのフィルム表面の凹凸が大きかったのは、100〜200μm径のインジウムのフィラーを含んでいたためであり、フィルム厚さよりも小粒径のフィラーを使用することによりフィルム状態は良くなり、高い熱伝導率が得られるようになる。
【0060】
また、第1のフィラー71の長径と短径の比であるアスペクト比は、電子部品4とヒートシンク3との隙間Gの値に関係する。実際の製品組み立て時の隙間Gの誤差を考慮すると、アスペクト比は1.1〜3.0程度が望ましい。
【0061】
ベース樹脂6となる液状樹脂としては、種々の高分子材料を用いることが可能である。対化学的な安定と耐熱性と電気特性とに優れ、さらに流動性が高いなどの観点からシリコーンオイルやシリコーンゲルが良い。特に粘度が低いシリコーンオイルがより好ましい。シリコーンオイルは分子量の違いにより粘度・揮発性等が変わるため、使用条件等を満足できるものであれば、分子量が小さいものほど粘度が低く好ましい。また、耐熱性が要求され、リペア性が必要でない用途ではエポキシ系などの熱硬化性樹脂を使用することが可能である。更に、マトリックス材に熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、シリコーンゴムを使用してフィルム状とすることにより取扱性が向上する。
【0062】
フィラー71、72の表面処理を行うとベース樹脂6とフィラーとの分散性・充填率の向上に効果がある。これに使用する分散剤としては公知のものを使用できるが、チタネート系カップリング剤が特に有効である。
【0063】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の熱伝導性樹脂組成物を採用すれば熱伝導性樹脂組成物の熱伝導率が向上して、電子部品の熱を放熱体に効率良く熱伝導冷却する。結果として電子部品の高温に起因する誤動作を防止でき、且つ電子部品装置1の信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好適な電子部品装置の概略図、
【図2】 熱伝導率を測定する測定装置概略図、
【図3】 熱伝導性樹脂組成物を介して電子部品とヒートシンクとを
設けた側断面、
【図4】 熱伝導性樹脂組成物を介して電子部品とヒートシンクとを設けた側断面、
【図5】 隙間と熱伝導率との関係を示す図、
【図6】 従来の電子部品装置の概略図である。
【符号の説明】
1 電子部品装置、
2 熱伝導性樹脂組成物、
3 放熱体、
4 電子部品、
41 バンプ、
5 電子部品搭載基板、
51 電極、
6 ベース樹脂(マトリックス材)、
7 フィラー、
71 第1のフィラー(第1の繊維状熱伝導性粉末)、
72 第2のフィラー(第2の熱伝導性粉末)、
Claims (6)
- 長径と短径とのアスペクト比が2以上の第1の繊維状熱伝導性粉末と、
第1の繊維状粉末の短径より小さい粒径の第2の熱伝導性粉末とを
マトリックス材に70〜75体積%の割合で充填して成り、粘度が1000〜2500Pa・s であることを特徴とする熱伝導性樹脂組成物。 - 請求項1に記載の第1の繊維状熱伝導性粉末の長径が60〜300μm 、短径が50〜100μm であることを特徴とする熱伝導性樹脂組成物。
- 請求項1に記載の第1の繊維状熱伝導性粉末がインジウム、
アルミニウム、錫、ダイヤモンドの少なくとも1つから成ることを特徴とする熱伝導性樹脂組成物。 - 請求項1に記載の第1の繊維状熱伝導性粉末と第2の熱伝導性粉末との配合比率が、
第1の繊維状熱伝導性粉末:第2の熱伝導性粉末=2:1〜1:3
の体積比率であることを特徴とする熱伝導性樹脂組成物。 - 請求項1乃至4に記載の熱伝導性樹脂組成物がフィルム状であり、該熱伝導性樹脂組成物の厚みが第1の繊維状熱伝導性粉末の長径以下で、且つ短径以上であることを特徴とする熱伝導性樹脂組成物。
- 請求項1乃至5に記載の熱伝導性樹脂組成物を介して電子部品に放熱体を設けたことを特徴とする電子部品装置。
Priority Applications (1)
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