JP3743683B2 - 内燃機関の保護方法 - Google Patents

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、内燃機関の燃料噴射装置の制御方法に係わり、特には、排気マニホールド等が高温により破損することを防止する内燃機関の燃料噴射装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関の燃料噴射装置を制御する方法は各種提案されている。この内、排気温度を温度センサにより検出して燃料噴射装置を制御する方法は、特開平3−505115号公報が知られている。同公報によれば、排気マニホールド内に温度計の一方の終端を突出させている。また、温度計は、電子ユニット形式の制御ユニットに埋め込んで結合している。この制御ユニットは温度計からの微弱な電気信号をパルス幅変調出力信号に変換し電子燃料噴射装置に出力する。出力信号はデューティサイクルを有し、あるレベル以上の排気ガス温度の増加にしたがって増加する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特開平3−505115号公報によれば、冷却媒体を実際に冷却の必要があるときにだけ与える制御に係わっている。ところが、建設機械等に用いられている内燃機関は全出力で使用されることが多く、排気温度が上昇することが多々ある。特に、大気温度が高い所では、この傾向は顕著に現れる。このような所で用いられる内燃機関の排気マニホールドはしばしば破損する。これにより、建設機械は作動を停止され作業が中断し、納期の遅れなどで多大な損失が発生するという問題が生じる。
【0004】
本発明は、上記従来の問題点に着目されてなされたもので、内燃機関の燃料噴射装置の制御方法に係わり、特には、排気マニホールド等の高温にさらされる部品の破損を防止し、警報を出力し作業を中断することがない内燃機関の燃料噴射装置の制御方法の改良を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の発明では、内燃機関に燃料を供給する燃料噴射装置を有する内燃機関の保護方法において、排気温度を検出し、排気温度が熱疲労を引き起こす温度に設定された第1の設定温度を越えた後に第1の設定温度以下に下がった後に、第1の設定温度以下である時間が所定時間以上経過したときに一回として累積回数を集計するとともに、第1の設定温度よりも高い第2の設定温度を越えた時間を集計し、前記第1の設定温度に基づき集計された累積回数が所定の回数値を越えたとき、あるいは、排気温度が第2の設定温度を越えた時間が所定の設定時間を越えたときに、警報を出力するか、あるいは/および燃料噴射量を低減するか噴射時期を変更するか、のいずれかを行うことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記第1の設定温度よりも高い第2の設定温度は、酸化による破壊を引き起こす温度に設定され、前記第2の設定温度を越えた時間の集計は、第2の設定温度を越えて所定時間以上経過した後に第2の設定温度以下に下がったときの該経過時間の累積時間の集計であることを特徴としている。
【0006】
【作用】
上記構成によれば、第1の設定温度は熱疲労を引き起こす温度に設定され、第1の設定温度よりも高い第2の設定温度は、酸化による破壊を引き起こす温度に設定され、排気温度が第1の設定温度を越えた後に第1の設定温度以下に下がったときを一回として累積回数を集計し、その回数が所定の回数値を越えたときに、あるいは排気温度が第2の設定温度を越えた累積時間が所定時間以上越えたとき、警告を発するかあるいは/および燃料の噴射量を制限するか、噴射時期を変更するか、のいずれかを行うため排気温度の影響による予期しない排気マニホールド等の破損を防止することができる。また、警告後には、燃料の噴射量を制限していても作業が行えるため工期の遅れなどが少なくなる。
【0007】
【実施例】
以下に、本発明に係わる内燃機関の燃料噴射装置の制御方法の実施例につき、図面を参照して詳細に説明する。図1はエンジンの制御装置のブロック図を示す。また、図2はエンジンの排気温度の一例を示す図と本発明の排気温度の設定値を説明する図であり、図3はフローチャート図を示す。図1において、内燃機関1には、各気筒に燃料を供給する電子ガバナー等の燃料噴射装置2が取着されている。燃料噴射装置2はコントローラ等の制御装置3に接続され、内燃機関1の各気筒に供給する噴射量の指令を受けている。制御装置3には、内燃機関の排気マニホールド4に付設されている温度センサ5が接続されている。温度センサ5は排気マニホールド4の温度を測定し、制御装置3にその測定値を出力している。燃料噴射装置2は燃料噴射量を制御する電磁流量制御弁2a、あるいは、燃料の噴射時期を調整する電磁弁2bから構成され、制御装置3からの指令によりそれぞれが作動する。
【0008】
上記構成において、次に作動について説明する。建設機械等において、オペレータは作業を実施するときには、通常アクセルペタルをフルに操作して全出力を出力する。これにより、排気温度は、例えば、図2のように上昇し変化する。図2において、縦軸に排気温度(T)を、横軸に時間(S)を示している。図中では、排気温度は第1の設定温度(Ta)および第2の設定温度(Th)が設定されている。第1の設定温度(Ta)は熱疲労を引き起こす温度を、また、第2の設定温度(Th)は酸化による破壊を起こす温度に設定している。熱疲労に対しては、第1の設定温度(Ta)を越えた回数を記憶し、記録に残す。このとき、排気温度が第1の設定温度(Ta)を越えた後に、第1の設定温度(Ta)以下に下がり、再度第1の設定温度(Ta)を越えた場合には、第1の設定温度(Ta)以下に下がっている時間を計測し、その時間所定の時間(Sa)を経過しないときには回数として記録しない。酸化による破壊に対しては、時間を記録する。時間は第2の設定温度(Th)を越えた時間を制御装置に記憶し、記録に残す。
図中では、第1の設定温度(Ta)以下に下がり所定の限界時間(Sa)を経過したときを示し、所定の限界時間(Sa)を経過しないときの時間をΔsnで示している。また、第2の設定温度(Th)を越えている時間をShnで示している。このとき、制御装置3は次のように作動する。すなわち、図3のフロチャート図のように作動する。
【0009】
次に、図3のフロチャートにしたがつてその作動について説明する。
ステップ1では、排気マニホールド4に取着した温度センサ5により排気温度(T)を測定する。ステップ2では、排気温度が第1の設定温度(Ta)を越えたか、否かを判断する。ステップ2で第1の設定温度(Ta)を越えていないときには、ステップ1に戻り、引き続き排気温度を計測する。ステップ2で第1の設定温度(Ta)を越えているときには、ステップ3にいき、制御装置3は時間(S)の計測を開始する。次に、ステップ4にいき、排気温度が第2の設定温度(Th)を越えたか、否かを判断する。ステップ4で第2の設定温度(Th)を越えていないときには、ステップ5にいき、排気温度が第1の設定温度(Ta)以下に低下したか、否かを判断する。ステップ5で第1の設定温度(Ta)以下に低下していないときには、ステップ1に戻り、引き続き排気温度を計測、および、時間の計測を続行する。
【0010】
ステップ5で第1の設定温度(Ta)以下に低下しているときには、ステップ6にいき、計測していた、第1の設定温度以下になっている時間が所定の時間(Sa)を経過したか、否かを判断する。ステップ6では、所定の時間(Sa)が経過していない場合には、記録せずにステップ1に戻り排気温度を測定する。ステップ6で、所定の時間(Sa)を越えて経過している場合には、ステップ7にいき、回数として記憶し、累積回数(Sn)を求めていく。ステップ8では、排気温度が第1の設定温度(Ta)を越えた回数が所定の累積回数(ΣSn)を越えたか、否かを判断する。ステップ8で所定の累積回数(ΣSn)越えた場合には、ステップ9で警告を発生するか、あるいは/および燃料噴射量を低減するか噴射時期を変更するか、のいずれかを行う。ステップ8で所定の累積回数(ΣSn)を越えていない場合には、ステップに戻り排気温度を測定する。
【0011】
ステップ4で第2の所定の温度(Th)を越えているときには、ステップ10にいき、制御装置3は時間の計測を開始する。次に、ステップ11にいき、排気温度が第2の設定温度(Th)以下に低下したか、否かを判断している。ステップ11で第2の所定の温度(Th)以下に低下していないときには、ステップ11に戻り、引き続き排気温度を計測、および、時間の計測を続行する。ステップ11で第2の所定の温度(Th)以下に低下しているときには、ステップ12で計測していた時間が所定の時間(Sh)を経過したか、否かを判断している。ステップ12では、所定の時間(Sh)が経過していない場合には、記録せずにステップ4に戻り排気温度を測定する。ステップ12で、所定の時間(Sh)が経過している場合には、ステップ13にいき、経過している時間(Shn)を記録し、累積の時間(Sh1+Sh2・・)を求めていく。ステップ14では、排気温度が第2の設定温度を越えていた経過時間(Shn)の累積時間が所定の累積時間(ΣShn)を越えたか、否かを判断する。ステップ14で所定の累積時間(ΣShn)を越えた場合には、ステップ15で警告を発生するか、あるいは/および燃料噴射量を低減するか噴射時期を変更するか、のいずれかを行う。ステップ14で所定の累積時間(ΣShn)を越えていない場合には、ステップに戻り排気温度を測定する。
【0012】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように排気温度が第1の設定温度を所定の累積回数、あるいは、第2の設定温度を所定累積時間以上越えると燃料の噴射量を制限し、警告を発するために排気温度により予期しない排気マニホールド等の破損がなくなり、建設機械が故障により停止することがなくなる。これにより、長期間の建設機械の停止がなくなり、工期の遅れがなくなるなどの優れた効果が得られる
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの制御装置のブロック図である。
【図2】エンジンの排気温度の一例を示す図と本発明の排気温度の設定値を説明する図である。
【図3】本発明のフローチャート図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 燃料噴射装置
2a 燃料の電磁流量制御弁
2b 燃料の電磁弁
3 制御装置
4 排気マニホールド
5 温度センサ

Claims (2)

  1. 内燃機関に燃料を供給する燃料噴射装置を有する内燃機関の保護方法において、
    排気温度を検出し、
    排気温度が熱疲労を引き起こす温度に設定された第1の設定温度を越えた後に第1の設定温度以下に下がった後に、第1の設定温度以下である時間が所定時間以上経過したときに一回として累積回数を集計するとともに、
    第1の設定温度よりも高い第2の設定温度を越えた時間を集計し、
    前記第1の設定温度に基づき集計された累積回数が所定の回数値を越えたとき、あるいは、排気温度が第2の設定温度を越えた時間が所定の設定時間を越えたときに、警報を出力するか、あるいは/および燃料噴射量を低減するか噴射時期を変更するか、のいずれかを行うことを特徴とする内燃機関の保護方法。
  2. 請求項1記載の内燃機関の保護方法において、
    前記第1の設定温度よりも高い第2の設定温度は、酸化による破壊を引き起こす温度に設定され、
    前記第2の設定温度を越えた時間の集計は、第2の設定温度を越えて所定時間以上経過した後に第2の設定温度以下に下がったときの該経過時間の累積時間の集計であることを特徴とする内燃機関の保護方法。
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