JP5018526B2 - 流量計の信号処理システム - Google Patents
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Description
従来より、発熱抵抗式空気流量計の信号処理システムの一例として、空気流量計で検出された空気流量を空気流量計から電圧値として取り出すように構成した電圧値出力型の発熱抵抗式空気流量計の信号処理システムが提案されている。
この信号処理システムは、センサ回路が12Vのバッテリ電圧や、バッテリ電圧から電源回路を通して作成される5V基準電圧を基に形成されるため、ECUのA/D変換回路よりマイクロコンピュータに出力される出力信号によって空気流量が計測される。
このため、信号処理システムによって計測される空気流量は、A/D変換回路に供給される電源電圧の電圧ばらつきや、ハーネス線の電圧降下、コネクタ類の接触抵抗の変動などによって影響を受けることで、信号処理システムでの空気流量の検出精度に問題があった。
そこで、空気流量に対応したパルス周波数信号を出力するように構成されたパルス周波数出力型の発熱抵抗式空気流量計の信号処理システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
ところが、特許文献2に記載の発熱抵抗式空気流量計より出力されるパルス周波数信号は、マイクロコンピュータに入力される。そして、マイクロコンピュータでは、パルス周波数信号の立上がりエッジの間隔時間を周期として計測し、周期−電圧変換処理部で周期を電圧値に変換し、変換された電圧値を電圧−流量変換部で空気流量に変換している。
したがって、マイクロコンピュータ内で、発熱抵抗式空気流量計より出力されるパルス周波数信号を空気流量に変換する際に、一旦、パルス周波数信号を周期に変換し、更にその周期を電圧値に変換している。これにより、パルス周波数信号から空気流量に変換するまでの変換時間が長くなったり、また、変換誤差が大きくなったりするので、応答性および計測精度が落ちるという問題が生じている。
これによって、流量計より出力されたパルス周波数信号から換算(変換・演算)される空気流量の応答性および計測精度を向上させることができる。
この場合には、例えば高速で定速走行時のように流量計で検出される空気流量が乱れても、サンプリング周期中における全ての立上がりまたは立下がりエッジの発生時刻間の間隔時間を平均化することで、空気流量の乱れを抑えることができる。これにより、空気流量演算手段で換算(演算)した空気流量に基づいて内燃機関を制御した場合であっても、内燃機関の機関回転速度の変動量を少なくすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、周期検出手段は、流量計より出力されるパルス周波数信号の立上がりまたは立下がりエッジの発生時刻を検出して、その立上がりまたは立下がりエッジの発生時刻をレジスタに順次記憶し、次に、立上がりまたは立下がりエッジの発生時刻間の間隔時間をクロックで計測して、周期を検出する。
そして、内燃機関の負荷を検出する負荷検出手段を備えており、この負荷検出手段で検出される内燃機関の負荷変動量が所定値以上の場合には、所定のサンプリングタイミングの直前に検出した立上がりまたは立下がりエッジの発生時刻間の間隔時間を含む、少なくとも1個または複数個の立上がりまたは立下がりエッジの発生時刻間の間隔時間を平均化して、所定(一定または同一)のサンプリング周期中における平均周期(平均値)を検出する。
この場合には、サンプリング周期中における瞬時空気流量の変化が大きい、サンプリングタイミングの直前の立上がりまたは立下がりエッジの発生時刻間の間隔時間を使用して、空気流量を求めることができるので、例えば内燃機関の過渡特性、車両の加速性能を向上することができる。
請求項4に記載の発明によれば、周期検出手段は、流量計より出力されるパルス周波数信号の立上がりまたは立下がりエッジの発生時刻を検出して、その立上がりまたは立下がりエッジの発生時刻をレジスタに順次記憶し、次に、立上がりまたは立下がりエッジの発生時刻間の間隔時間をクロックで計測して、周期を検出する。
請求項6に記載の発明によれば、流量計は、内燃機関の燃焼室に連通する空気通路に配設されている。そして、流量計のセンサ回路より出力される電気信号は、周波数変換回路でパルス周波数信号に変換される。これにより、流量計から、空気流量に対応したパルス周波数信号が出力される。
図1ないし図9は本発明の実施例1を示したもので、図1はエンジンの吸気管(インテークパイプ)に対する空気流量計の取付状態を示した図で、図2は空気流量計の信号処理システムを示した図で、図3は空気流量計の周波数変換回路を示した図で、図4はECUのマイクロコンピュータを示した図である。
なお、AFM1およびECU2の詳細は後述する。
ここで、エンジンEは、エアクリーナのフィルタエレメント21で濾過された清浄な吸入空気とインジェクタ(電磁式燃料噴射弁)22より噴射された燃料との混合気を燃焼室内で燃焼させて得られる熱エネルギーによりエンジン出力を得るガソリンエンジンである。また、エンジンEは、各気筒毎の燃焼室内に吸入空気を導入するための吸気ダクト(吸気管)3と、エンジンEの各気筒毎の燃焼室より流出する排気ガスを外部に排出するための排気ダクト(排気管)4とを備えている。
インテークマニホールドの下流部(またはシリンダヘッド)には、エンジンEの各気筒毎の吸気ポート内に最適なタイミングで燃料を噴射するインジェクタ22が取り付けられている。
また、シリンダヘッドには、先端部が各気筒の燃焼室内に露出するようにスパークプラグ23が取り付けられている。
そして、シリンダヘッドまたはシリンダブロックの内部に形成されるシリンダボア内には、連接棒を介してクランクシャフトに連結されたピストン26が、シリンダボアの中心軸線方向に摺動自在に支持されている。また、シリンダブロックには、エンジンEのウォータジャケット27に循環供給されるエンジン冷却水の温度(冷却水温)を検出する冷却水温センサ28が搭載されている。また、シリンダブロックの下部に一体化されたクランクケースには、エンジンEのクランクシャフトの回転角度を検出するクランク角度センサ29が搭載されている。
エンジンEの排気ダクト4は、エンジンEの各気筒毎の燃焼室より流出する排気ガスを排気浄化装置を経由して外部に排出するための排気通路が形成されたケーシング(エキゾーストダクト、排気導出ダクト)である。そして、排気通路は、エンジンEの各気筒毎の燃焼室より流出した排気ガスを、エキゾーストマニホールド、エキゾーストパイプ、排気浄化装置を経由して外部に排出するための排気排出通路である。
エアクリーナケースには、フィルタエレメント21よりも吸気流方向の下流側に吸気ダクト3が設けられている。
なお、インジェクタ22およびスパークプラグ23は、エンジンEの各気筒毎に対応してインテークマニホールドまたはシリンダヘッドに搭載されている。
電子スロットル装置は、エンジンEの吸気ダクト3の途中に設置されたスロットルボディ、このスロットルボディの内部(吸気通路)を流れる空気流量を可変するバタフライ型のスロットルバルブ31、およびこのスロットルバルブ31を閉弁作動方向(または開弁作動方向)に付勢するリターンスプリング(またはデフォルトスプリング)等によって構成されている。
ここで、スロットルバルブ31を駆動する電動モータは、ECU2によって電子制御されるモータ駆動回路を介して、自動車等の車両に搭載されたバッテリに電気的に接続されている。
本実施例のAFM1は、特に熱線として発熱抵抗体(流量測定素子)の放熱量に基づいて空気流量を計測する発熱抵抗式空気流量計として使用される。このAFM1は、エンジンEの吸気ダクト3の内部、例えばエアクリーナのアウトレットパイプまたはインテークパイプまたはスロットルボディに設置されている。吸気ダクト3の内部には、断面円形状の吸気通路が形成されている。
ここで、本実施例の吸気通路は、図1に示したように、メイン流路5およびバイパス流路6等を有している。
そして、AFM1は、吸気ダクト3にプラグイン方式によって着脱自在に取り付けられている。このAFM1は、吸気ダクト3に組み付けられたセンサボディ(ハウジング)7と、このセンサボディ7の内部に設置されたセンシング部と、センサボディ7の図示上端部に設置された回路モジュール(制御モジュール)8とを備えている。
バイパス流路6は、センサボディ7の上流端で開口する入口とセンサボディ7の下流端で開口する出口との間にUターン部(バイパス流路6のUターン部)を有している。このUターン部は、バイパス流の流れ方向が180°反転(Uターン)するように形成されている。
発熱抵抗体11は、例えば外径0.02mmの白金線よりなる抵抗線を円筒ボビンの外周に巻き付けて形成され、その白金線の両端部が、円筒ボビンの両端に取り付けられる一対のリード線(リード部)に電気的に接続されて、発熱抵抗体11およびリード部の表面が保護膜によって被覆されている。
感温抵抗体12は、発熱抵抗体11と同様に、円筒ボビンの外周に巻き付けて形成され、白金線の両端部が、円筒ボビンの両端に取り付けられる一対のリード部に電気的に接続されて、感温抵抗体12およびリード部の表面が保護膜によって被覆されている。
発熱抵抗体11のリード部および感温抵抗体12のリード部は、例えば白金によって棒状に設けられ、一端側が円筒ボビンの内周に挿入されて接着剤(例えば高融点ガラス)により固定され、他端側が発熱抵抗体11および感温抵抗体12を支持する支持ピン(サポートピン)13に溶接等により固定されている。
支持ピン13は、制御モジュール8に内蔵される回路基板と発熱抵抗体11のリード部および感温抵抗体12のリード部とを電気的に接続するターミナルを兼ねている。
保護膜は、例えば酸化鉛を含有したガラスの塗布膜を800℃前後の温度で焼結して形成される。
制御回路14は、制御モジュール8に内蔵された回路基板上に配設されて、センサ回路としてのブリッジ回路(発熱抵抗体11および感温抵抗体12を含んで構成される回路)に電気的に接続されている。そして、制御回路14は、発熱抵抗体11の加熱温度と感温抵抗体12で検出される空気温度との温度偏差が一定値になるように、発熱抵抗体11に供給する供給電流量(電流値、電力量)を制御している。つまり、制御回路14は、発熱抵抗体11を通電(電流)制御する通電制御回路である。
ここで、発熱抵抗体11の加熱温度は、感温抵抗体12の電気抵抗値に基づいて決定され、制御回路14により周囲温度(感温抵抗体12によって検出される空気温度)に対してほぼ一定の温度差(ΔT)となるように通電制御される。具体的には、例えば発熱抵抗体11のΔTが200℃に制御されている場合、周囲温度(空気温度)が20℃のとき、発熱抵抗体11の温度が約220℃となるように通電制御され、また、周囲温度(空気温度)が40℃のとき、発熱抵抗体11の温度が約240℃となるように通電制御されている。
周波数変換回路15は、制御回路14より出力される電気信号(電圧値)をV−F変換器により、エンジンEの各気筒の燃焼室内に吸い込まれる空気流量に対応した周波数を有するパルス信号(パルス周波数信号)に変換する。そして、周波数変換回路15は、パルス周波数信号を、AFM出力信号(内燃機関の空気流量信号)としてECU2に出力する。
ECU2は、モータ駆動回路、A/D変換回路、入出力回路(I/Oポート)およびマイクロコンピュータを備えている。また、ECU2は、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると、マイクロコンピュータのメモリやレジスタ内に格納された制御プログラムまたは制御ロジックに基づいて、例えばAFM1の信号処理、スロットル開度制御、燃料噴射制御および点火制御等のエンジン制御が実施される。また、ECU2は、イグニッションスイッチがオフ(IG・OFF)されると、マイクロコンピュータのメモリやレジスタ内に格納された制御プログラムまたは制御ロジックに基づく上記のエンジン制御が強制的に終了されるように構成されている。
また、マイクロコンピュータは、AFM1の周波数変換回路15より出力されるパルス周波数信号に基づいて、エンジンEの各気筒の燃焼室内に吸入される空気流量を計測する信号処理システム(空気流量計の信号処理システム)を構成している。そして、AFM1より出力されるパルス周波数信号は、I/Oポートを経てマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
そして、冷却水温センサ28、クランク角度センサ29、アクセル開度センサ、スロットル開度センサ、吸気温センサ、バッテリ電圧センサおよび車速センサ等の各種センサからのセンサ信号は、マイクロコンピュータのメモリに格納された制御プログラムまたは制御ロジックの制御周期(サンプリング周期)毎に繰り返しA/D変換回路を介して読み込まれる。
なお、クランク角度センサ29は、エンジンEのクランクシャフトの回転角度を電気信号に変換するピックアップコイルよりなり、例えば30°CA(クランク角度)毎にNEパルス信号が出力される。
また、アクセル開度センサ、スロットル開度センサは、エンジンEの負荷を検出する負荷検出手段として機能する。
また、マイクロコンピュータは、クランク角度センサ29より出力されたNEパルス信号の間隔時間を計測することによってエンジン回転速度(エンジン回転数:NE)を検出するための回転速度検出手段として機能する。
ここで、インプットキャプチャ機能とは、所定(例えば一定周期)のサンプリング周期中に、AFM1の周波数変換回路15より出力されるAFM出力信号(パルス周波数信号)の立下がりエッジの発生を検出すると共に、パルス周波数信号の立下がりエッジが発生した際の時刻(立下がりエッジの発生時刻、時刻データ)をエッジ発生時刻レジスタにラッチ(記録)できる機能のことである。
次に、本実施例の空気流量計の信号処理方法を図1ないし図9に基づいて簡単に説明する。ここで、図5はパルス周波数信号、サンプリングタイミングを示したタイミングチャートで、図6はECUにおけるサンプリングタイミングの検出方法を示したフローチャートで、図7および図8はECUにおける空気流量計の信号処理方法を示したフローチャートで、図9はECUにおける空気流量の演算方法を示したフローチャートである。なお、図6ないし図9の制御ルーチン(制御プログラム)は、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると起動する。
また、ステップS1の判定結果がYESの場合には、図5に示したように、ECU2のサンプリングタイミングを検出していることを表すサンプリングフラグ(FLAG)をONする(ステップS2)。
ここで、ステップS2の制御処理において、ECU2の第1サンプリングタイミング(例えば奇数回のサンプリングタイミング)を検出していることを表す第1フラグ(FLAG1)をONし、ECU2の第2サンプリングタイミング(例えば偶数回のサンプリングタイミング)を検出していることを表す第2フラグ(FLAG2)をOFFしても良い。
また、ステップS3の判定結果がYESの場合には、図5に示したように、FLAGをOFFする(ステップS4)。その後に、図6の制御ルーチンを抜ける。
ここで、ステップS4の制御処理において、FLAG1をOFFし、FLAG2をONしても良い。
具体的には、FLAGがOFFからONに変更されたか否かを判定する。あるいはFLAG1がOFFからONに変更され、且つFLAG2がONからOFFに変更されたか否かを判定する(ステップS11)。この判定結果がNOの場合には、図7の制御ルーチンを抜ける。
次に、ECU2のマイクロコンピュータ(CPU)のインプットキャプチャ機能を利用して、AFM1の周波数変換回路15より出力されたパルス周波数信号の立下がりエッジの発生時刻を検出すると共に、パルス周波数信号の立下がりエッジの発生時刻を示す時刻データ(tn)をエッジ発生時刻レジスタに保存(記憶、記録)する(ステップS13)。このとき、エッジ発生時刻レジスタでは、パルス周波数信号の立下がりエッジの発生時刻を示す時刻データ(tn)を、同一のサンプリング周期における第1時刻データ群のうちのn番目の時刻データとして格納する。
具体的には、FLAGがONからOFFに変更されたか否かを判定する。あるいはFLAG1がONからOFFに変更され、且つFLAG2がOFFからONに変更されたか否かを判定する(ステップS14)。この判定結果がYESの場合には、同一のサンプリング周期における第1時刻データ群のエッジ発生時刻レジスタへの格納が完了していることを表す第1格納完了フラグをONする(ステップS15)。その後に、図7の制御ルーチンを抜ける。
ここで、上記のステップS14の判定処理は、所謂割り込みルーチンで、ステップS13、S16の制御処理の実行中(または検出処理中)であっても、そのステップS13、S16の制御処理を中断(または中止)して、直ちにステップS14の判定処理が実行される。
具体的には、FLAGがONからOFFに変更されたか否かを判定する。あるいはFLAG1がONからOFFに変更され、且つFLAG2がOFFからONに変更されたか否かを判定する(ステップS21)。この判定結果がNOの場合には、図8の制御ルーチンを抜ける。
次に、インプットキャプチャ機能を利用して、AFM1の周波数変換回路15より出力されたパルス周波数信号の立下がりエッジの発生時刻を検出すると共に、パルス周波数信号の立下がりエッジの発生時刻を示す時刻データ(tn)をエッジ発生時刻レジスタに保存(記憶、記録)する(ステップS23)。このとき、エッジ発生時刻レジスタでは、パルス周波数信号の立下がりエッジの発生時刻を示す時刻データ(tn)を、同一のサンプリング周期における第2時刻データ群のうちのn番目の時刻データとして格納する。
具体的には、FLAGがOFFからONに変更されたか否かを判定する。あるいはFLAG1がOFFからONに変更され、且つFLAG2がONからOFFに変更されたか否かを判定する(ステップS24)。この判定結果がYESの場合には、同一のサンプリング周期における第2時刻データ群のエッジ発生時刻レジスタへの格納が完了していることを表す第2格納完了フラグをONする(ステップS25)。その後に、図8の制御ルーチンを抜ける。
ここで、上記のステップS24の判定処理は、所謂割り込みルーチンで、ステップS23、S26の制御処理の実行中(または検出処理中)であっても、そのステップS23、S26の制御処理を中断(または中止)して、直ちにステップS24の判定処理が実行される。
具体的には、第1格納完了フラグまたは第2格納完了フラグがOFFからONに変更されたか否かを判定する。あるいはECU2のサンプリングタイミング(T)を示すパルス周波数信号の立上がりエッジの発生を検出しているか否かを判定する(ステップS31)。この判定結果がNOの場合には、ステップS31の判定処理を繰り返す。
次に、同一のサンプリング周期における、平均周期(τ)を空気流量に換算する空気流量の演算が完了していることを表す演算完了フラグがONしているか否かを判定する(ステップS33)。この判定結果がYESの場合には、演算完了フラグをOFFする(ステップS34)。その後に、図9の制御ルーチンを抜ける。
次に、同一のサンプリング周期中におけるパルス周波数信号のエッジ間隔時間(Δt1、Δt2……Δtn)を、同一のサンプリング周期中におけるパルス周波数信号の平均周期(τ)として検出する(ステップS37)。その後に、ステップS43の演算処理に進む。
次に、同一のサンプリング周期中におけるパルス周波数信号のエッジ間隔時間(例えば次のサンプリングタイミングの直前のエッジ間隔時間を含む複数個(3個)のエッジ間隔時間)を、同一のサンプリング周期中におけるパルス周波数信号の平均周期(τ)として検出する(ステップS40)。その後に、ステップS43の演算処理に進む。
次に、同一のサンプリング周期中におけるパルス周波数信号のエッジ間隔時間(例えばサンプリングタイミングの直前のエッジ間隔時間)を、同一のサンプリング周期中におけるパルス周波数信号の平均周期(τ)として検出する(ステップS42)。
また、エンジンEの負荷変動量が第2所定値以上の場合には、同一のサンプリング周期中の一部(例えば次のサンプリングタイミングの直前)の時刻データ間の間隔時間を、同一のサンプリング周期中におけるパルス周波数信号の平均周期(τ)として検出する。
また、エンジンEの負荷変動量が第1所定値よりも大きく、第2所定値よりも小さい場合には、同一のサンプリング周期中の一部(例えば次のサンプリングタイミングの直前の時刻データを含む複数個(3個))の時刻データ間の間隔時間の平均値を、同一のサンプリング周期中におけるパルス周波数信号の平均周期(τ)として検出する。
次に、演算完了フラグをONする(ステップS44)。その後に、図9の制御ルーチンを抜ける。
また、単位時間当たりのエンジンEの負荷変動量(例えばアクセル開度またはスロットル開度の変化率)が所定値(第2所定値)以上の場合、つまりエンジンEの過度運転時(自動車等の車両の加速走行時)に、ステップS39、S40の検出処理、あるいはステップS41、S42の検出処理を実行しても良い。
また、ステップS35、S38の判定処理を廃止して、ステップS36、S37の検出処理またはステップS39、S40の検出処理またはステップS41、S42の検出処理のいずれかを実行するようにしても良い。
次に、本実施例の空気流量計(熱式エアフロメータ)の信号処理システムを備えたエンジン制御システムの作用を図1ないし図9に基づいて簡単に説明する。
そして、エンジンEの特定気筒が排気行程から、吸気バルブが開弁し、ピストン26が下降する吸気行程に移行すると、ピストン26の下降に従って当該気筒の燃焼室内の負圧(大気圧よりも低い圧力)が大きくなり、開弁している吸気ポートから混合気が吸い込まれる。
そして、センサボディ7の内部(バイパス流路6)に設置されたセンシング部では、バイパス流路6を流れるバイパス流の流速が大きくなると、発熱抵抗体11の放熱量が増大するので、感温抵抗体12で測定される吸気温度との温度偏差(ΔT)を一定値に保つため、制御モジュール8の制御回路14から発熱抵抗体11に供給する供給電流量が大きくなる。
逆に、バイパス流路6を流れるバイパス流の流速が小さくなると、発熱抵抗体11の放熱量が低減するので、制御モジュール8の制御回路14から発熱抵抗体11に供給する供給電流量が小さくなる。
以上のように、本実施例の空気流量計の信号処理システムにおいては、同一のサンプリング周期中に、AFM1の周波数変換回路15より出力されるパルス周波数信号の立下がりエッジの発生時刻を検出して、そのパルス周波数信号の立下がりエッジの発生時刻を示す時刻データをエッジ発生時刻レジスタに順次記憶している。
次のサンプリングタイミングに到達した時点で、パルス周波数信号の立下がりエッジの発生時刻間の間隔時間(時刻データ間の間隔時間)を内部クロックで計測して、同一のサンプリング周期中におけるパルス周波数信号の平均周期として検出し、そのパルス周波数信号の平均周期を、エンジンEの各気筒毎の燃焼室に供給される空気流量に換算している。
すなわち、本実施例の空気流量計の信号処理システムにおいては、AFM1の周波数変換回路15より出力されるパルス周波数信号を、内部クロックで、同一のサンプリング周期中における平均周期として検出し、その平均周期から空気流量に直接換算(変換・演算)している。
この場合には、例えば高速で定速走行時のようにAFM1のセンシング部(発熱抵抗体11等)で検出される空気流量(バイパス流量)が乱れても、同一のサンプリング周期中における全ての時刻データ間の間隔時間を平均化することで、空気流量の乱れを抑えることができる。これにより、ECU2のマイクロコンピュータ(空気流量検出手段)で計測(換算・演算)した空気流量に基づいてエンジンEへの燃料噴射量を制御した場合であっても、エンジン回転数(NE)の変動量を少なくすることができる。
この場合には、当該サンプリング周期中における瞬時空気流量の変化が大きい、サンプリングタイミング直前の時刻データ間の間隔時間を使用して、空気流量を求めることができるので、例えばエンジンEの過渡特性、自動車等の車両の加速性能を向上することができる。
この場合には、空気流量計のAFM出力信号(パルス周波数信号)が最低空気流量時に1kHz、最大空気流量時に10kHzとすると、3時刻データを検出してからサンプリングタイミングまでの遅れ時間(経過時間)が最低空気流量時に2.0msec、最大空気流量時に3.8msecとなる。特に高い周波数(高流量)で、3時刻データを検出した後、次のサンプリングタイミングまでの時間遅れが大きいので、エンジンEの過渡運転時におけるエンジン制御性が悪化する可能性がある。
この場合には、AFM1のAFM出力信号(パルス周波数信号)が最低空気流量時に1kHz、最大空気流量時に10kHzとすると、3時刻データを検出してからサンプリングタイミングまでの遅れ時間(経過時間)が最低空気流量時に1.0msec、最大空気流量時に0.1msecとなる。特に高い周波数(高流量)で、3時刻データを検出した後、次のサンプリングタイミングまでの時間遅れが小さくなるので、エンジンEの過渡運転時におけるエンジン制御性を向上することができる。
この場合には、AFM1のAFM出力信号(パルス周波数信号)が最低空気流量時に1kHz、最大空気流量時に10kHzとすると、2時刻データを検出してからサンプリングタイミングまでの遅れ時間(経過時間)が最低空気流量時に1.0msec、最大空気流量時に0.1msecとなる。これにより、実施例1と同様に、高い周波数(高流量)で、2時刻データを検出した後、次のサンプリングタイミングまでの時間遅れが小さくなるので、エンジンEの過渡運転時におけるエンジン制御性を向上することができる。
そこで、エンジンEの高速回転領域の場合には、図10(c)に示したように、サンプリング周期が2msecで2時刻データを記録することにより、エンジンEの高速回転領域でのエイリアシングを抑制することができる。
本実施例では、空気流量検出素子としての発熱抵抗体を有する空気流量センサまたは空気温度検出素子としての感温抵抗体を有する空気温度センサとして、円筒ボビン、この円筒ボビンの両端に挿入される一対のリード線(リード部)、円筒ボビンの外周に巻き付けられてリード部に接続される抵抗線(発熱抵抗体または感温抵抗体)、この抵抗線およびリード部を保護する保護膜等によって構成される空気流量センサまたは空気温度センサを用いたが、空気流量センサまたは空気温度センサとして、シリコン基板(回路基板)の表面に所定のパターンで形成される発熱抵抗体よりなる空気流量センサまたは感温抵抗体よりなる空気温度センサを用いても良い。
また、ボビンの形状を円柱状に形成しても良い。
1 AFM(空気流量計、内燃機関の空気流量測定装置)
2 ECU(空気流量計の信号処理システム、内燃機関の空気流量測定装置)
3 吸気ダクト(吸気管)
4 排気ダクト(排気管)
5 メイン流路(空気通路)
6 バイパス流路(空気通路)
11 発熱抵抗体(熱式流量測定素子)
12 感温抵抗体(感温素子、温度補償抵抗体)
14 制御回路
15 周波数変換回路
Claims (6)
- 内燃機関に供給される空気流量に対応したパルス周波数信号を出力する流量計の信号処理システムにおいて、
(a)前記流量計より出力されるパルス周波数信号を、周期として検出するにあたり、前記パルス周波数信号の立上がりまたは立下がりエッジの発生時刻を順次検出し、前記エッジの発生時刻間の間隔時間をクロックで計測して、前記周期を検出する周期検出手段と、
(b)この周期検出手段で検出された周期を、空気流量に換算する空気流量演算手段と、
(c)前記内燃機関の負荷を検出する負荷検出手段と
を備え、
前記周期検出手段は、前記負荷検出手段で検出される前記内燃機関の負荷変動量が所定値以下の場合、所定のサンプリング周期中に検出した全ての前記エッジの発生時刻間の間隔時間を平均化して、前記サンプリング周期中における平均周期を検出することを特徴とする流量計の信号処理システム。 - 内燃機関に供給される空気流量に対応したパルス周波数信号を出力する流量計の信号処理システムにおいて、
(a)前記流量計より出力されるパルス周波数信号を、周期として検出するにあたり、前記パルス周波数信号の立上がりまたは立下がりエッジの発生時刻を検出して、前記エッジの発生時刻をレジスタに順次記憶し、前記エッジの発生時刻間の間隔時間をクロックで計測して、前記周期を検出する周期検出手段と、
(b)この周期検出手段で検出された周期を、空気流量に換算する空気流量演算手段と、
(c)前記内燃機関の負荷を検出する負荷検出手段と
を備え、
前記周期検出手段は、前記負荷検出手段で検出される前記内燃機関の負荷変動量が所定値以下の場合、所定のサンプリング周期中に検出した全ての前記エッジの発生時刻間の間隔時間を平均化して、前記サンプリング周期中における平均周期を検出することを特徴とする流量計の信号処理システム。 - 内燃機関に供給される空気流量に対応したパルス周波数信号を出力する流量計の信号処理システムにおいて、
(a)前記流量計より出力されるパルス周波数信号を、周期として検出するにあたり、前記パルス周波数信号の立上がりまたは立下がりエッジの発生時刻を順次検出し、前記エッジの発生時刻間の間隔時間をクロックで計測して、前記周期を検出する周期検出手段と、
(b)この周期検出手段で検出された周期を、空気流量に換算する空気流量演算手段と、
(c)前記内燃機関の負荷を検出する負荷検出手段と
を備え、
前記周期検出手段は、前記負荷検出手段で検出される前記内燃機関の負荷変動量が所定値以上の場合、所定のサンプリングタイミングの直前に検出した前記エッジの発生時刻間の間隔時間を含む、少なくとも1個または複数個の前記エッジの発生時刻間の間隔時間を平均化して、所定のサンプリング周期中における平均周期を検出することを特徴とする流量計の信号処理システム。 - 内燃機関に供給される空気流量に対応したパルス周波数信号を出力する流量計の信号処理システムにおいて、
(a)前記流量計より出力されるパルス周波数信号を、周期として検出するにあたり、前記パルス周波数信号の立上がりまたは立下がりエッジの発生時刻を検出して、前記エッジの発生時刻をレジスタに順次記憶し、前記エッジの発生時刻間の間隔時間をクロックで計測して、前記周期を検出する周期検出手段と、
(b)この周期検出手段で検出された周期を、空気流量に換算する空気流量演算手段と、
(c)前記内燃機関の負荷を検出する負荷検出手段と
を備え、
前記周期検出手段は、前記負荷検出手段で検出される前記内燃機関の負荷変動量が所定値以上の場合、所定のサンプリングタイミングの直前に検出した前記エッジの発生時刻間の間隔時間を含む、少なくとも1個または複数個の前記エッジの発生時刻間の間隔時間を平均化して、所定のサンプリング周期中における平均周期を検出することを特徴とする流量計の信号処理システム。 - 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の流量計の信号処理システムにおいて、
前記パルス周波数信号とは、前記内燃機関に供給される空気流量に対応した周波数を有するパルス信号のことであることを特徴とする流量計の信号処理システム。 - 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の流量計の信号処理システムにおいて、
前記流量計は、前記内燃機関の燃焼室に連通する空気通路に配設されて、
前記内燃機関の燃焼室に供給される空気流量に対応した電気信号を出力するセンサ回路、およびこのセンサ回路より出力される電気信号を前記パルス周波数信号に変換する周波数変換回路を有していることを特徴とする流量計の信号処理システム。
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