JP3743460B2 - 受像シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、受像シートに関し、更に詳しくは、電子写真用OHPシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピューターで作成した画像情報をプリンターにより透明な受像シートに記録し、オーバヘッドプロジェクタ(OHP)に供して得られる投影画像は、会議のプレゼンテーション等において広く使用されている。電子写真方式により、この透明受像シート上にカラー画像を形成する場合は、定着後のトナー層の透明性および平滑性を高くしなければならない。また、特に電子写真プリンターでは、インクジェットプリンターとの差別化を謀るため、よりいっそうの高速化が要求されている。
【0003】
この様な要求を満たすために、特開平4−125567号公報ではカラートナーより低軟化点の熱可塑性樹脂を含有するトナー像保持層を形成し、トナーが保持層中に取り込まれ凹凸の少ない印字物を得ることにより上記問題の解決を図っている。しかし、このような低軟化点の樹脂層を受像シート上に塗布すると、ブロッキング等による融着、給紙搬送時の受像シートの重送や磨耗、またローラ等による熱加圧定着時にトナー層、およびトナー像保持層のオフセットが発生しやすい。
【0004】
この点を改善した従来例として、特開平4−212168号公報ではトナーを埋没させる被覆層上に、いわゆる保護層となるトップ層を設け、給紙搬送時の受像シートの磨耗を防いでいる。
【0005】
特開平5−6020号公報では、トナー受像層である透明樹脂層を粗面にする等、表面の摩擦抵抗を低下させ、給紙搬送時の受像シートの重送を防いでいる。
【0006】
また、特開平5−330263号公報では、透明受像層に有機樹脂微粒子を含有し、その一部を表面に突出させ、摩擦抵抗を低くしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平4−212168号公報記載の被覆層より高軟化点で、かつトナーと同一かあるいは低い軟化点の樹脂を保護層として用いると、特にカラートナーではトナー自身の軟化点がかなり低いため、事実上保護層として働かない。
【0008】
また、単に被覆層より高分子量の樹脂を用いるのみでは、保護層としては有効であるが、トナーを受像層に埋め込むためには妨げとなり、透明性を落とす結果となる。
【0009】
特開平5−6020号公報、および特開平5−330263号公報記載の方法では、トナーが埋没するような低軟化点の樹脂で構成される受像層においては、高温多湿の保存ではブロッキングに対して十分に機能しない。また、特に特開平5−6020号公報記載の方法では、表面の粗面は熱加圧後に平滑になることから画像の印字後は、非常にブロッキングが起こりやすくなる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述した従来技術に鑑みてなされたものであり、透明基材上に樹脂からなる受像層を持ち、有色のトナーを受像層に埋没させることにより透明画像を形成する透明受像シートにおいて、前記受像層の樹脂は、トナーより低い軟化点で、且つ、少なくとも前記受像層の表面に、トナーより高い軟化点の材料で構成される、間隔が5mm以下の範囲で前記透明基材の表面突起により形成されている突出部を持つことを特徴とする。このことにより、トナーを受像層に埋め込む際に妨げとならず、且つ低軟化点の樹脂を受像層に用いても、ブロッキング等による保存時の融着、給紙搬送時の受像シートの重送や磨耗、定着時のオフセットの発生を防止できる。更には、従来では使用できなかった低軟化点の樹脂が受像層として使用でき、結果として高速低温定着が可能となる。
【0011】
(削除)
【0012】
(削除)
【0013】
さらに、透明基材の表面粗さに対し、受像層の表面粗さが小さいことを特徴とする。
【0014】
また、受像層が粗面化されており、且つ受像層の平均山間隔が30μm以上の範囲であることを特徴とする。
【0015】
また、突出部が熱加圧定着後も平滑化されることなく、突き出した部分を維持することを特徴とする。
【0016】
(削除)
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の受像シートを図面に基づいて説明する。図1は、本発明および参考例の受像シートの基本的構成であり、本発明である(c)は表面に突出部を持つ透明基材1上に受像層2を形成したものである。この受像シートでは、突出部としての部材を必要としないので、突出部の部材と透明基材との間で、屈折率の相違による光の散乱が無く、高い透明性が得られる。また、凹部を有する型等を用いて製作することにより、突出部の間隔が任意に設定でき、また均一なものを得ることができる。
【0018】
参考例である(a)では受像層2に突出部となる部材3を含有せしめている。この受像シートは、受像層の溶融樹脂に粒子を混入したものを透明基材上に塗布することにより、容易に作成できる。また、突出部となる部材3は単一粒子でも、トナー粒子と同等、またはそれよりも小粒径の微粒子の集合体でもよい。
【0019】
参考例である(b)では受像層2の表面上に突出部となる部材3を保持せしめている。この受像シートでは、必ず粒子が突出部として表面に出ていることから、ブロッキング、搬送性に有利である。
【0020】
(d)は受像シート(c)の応用例であり、突出部を透明基材1の表面を研磨やラビング等により、粗すことにより形成したものである。この方法であれば、(c)に比べ、新たな型等を必要とせず、従来の透明基材からの転用ができ、また突出部の間隔が非常に狭いものについても製作が可能である。さらに、透明基材の表面粗さに対し、受像層の表面粗さが小さくなるように塗膜形成を行えば、透明基材表面の光の散乱を抑えることができ、より透明性が上がる。
【0021】
(e)は参考例である(a)の応用例であり、受像層2に突出部となる部材3を含有せしめると共に、受像層の表面を研磨やラビング等により、粗すことにより形成したものである。このことにより、受像層へのトナーの埋め込みが促進され、より高速での定着が可能となる。また、(a)では、特に突出部の間隔が広くなると、受像層部で他シートや画像形成装置内のローラと接触する機会が増え、ブロッキングやオフセットが起こりやすいが、接触面積の小さい(e)はこの点でも有利である。
【0022】
(f)は参考例である(b)の応用例であり、突出部となる部材3を受像層の表面に保持させた後、表面を研磨やラビング等で粗すことにより、少なくとも突出部の頂上に部材3を形成したものである。これは、(e)と同様に受像層へのトナーの埋め込みにも有利であり、また、(c)では熱加圧定着時に粒子が受像層に埋め込まれ易いという欠点があるが、(f)では、突出部を維持することが容易となり、受像層の樹脂や層厚の選択範囲も広がる。
【0023】
本発明の受像シートで用いられる透明基材1としては、周知の透明性のある樹脂等が用いられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネイトフィルム、トリアセテートフィルム、ポリエーテルサルフォン(PES)フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム、塩化ビニルフィルム、メチルメタアクリレートをはじめとする各種のアクリルフィルムまたはセロファンフィルムなどがある。なかでもポリエステルフィルム、が機械的、熱的強度、コスト等で好ましい。この用途に供する透明基材シートの厚さは、記録手段、要求される強度等により適宜に決定するものではあるが、通常は50〜300μm、好ましくは80〜120μmのものが用いられる。
【0024】
上記透明基材1上に設ける受像層2を形成する樹脂としては、トナー、および突出部の部材3より低い軟化点のベースとなる透明樹脂を主成分とし、透明性を阻害しない範囲で添加剤として、帯電防止剤、界面活性剤、分散剤、滑剤等を含んでいても良い。ベースとなる透明樹脂としては、塗膜形成ができればよく、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体、アイオノマー、エチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリカーボネイト樹脂などがある。中でもトナーとの相溶性、ぬれ性等を考えるとトナーの樹脂と同系統の樹脂が最も好ましい。
【0025】
参考例における突出部を形成する部材3としては、基本的にトナー、および受像層2より高い軟化点の部材であれば良いが、透明性、分散性等を考慮すると受像層の樹脂と同系統で、受像層の樹脂より高分子量の樹脂が好ましい。その他、粒子状のものとして、ポリエチレン等のポリオレフィン微粒子、ポリスチレン微粒子、ポリアクリル微粒子、エチレンアクリル酸共重合体微粒子などの有機ポリマー微粒子や、シリカ、コロイダルシリカ、クレー、カオリン、タルク、硅石、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、硫酸アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛などの無機微粒子やガラスビーズの微粒子等で、また、平均体積直径で0.1〜20μmの粒子が好ましい。これら粒子は、いずれも受像層の透明性を損なわない程度に添加することが可能である。
【0026】
また、参考例における突出部を形成する部材3として熱伝導性粒子を用いると、熱加圧定着時に熱効率が高まり、受像層、及びトナーの溶融を助長することができ、透明性がより向上する。この熱伝導性粒子として具体的には、マグネシア(MgO)、窒化ケイ素(Si3N4)、ジルコニア(ZnO2)、窒化ホウ素(BN)等が上げられる。またこれらの熱伝導性粒子は、受像層の透明性を損なわない程度に添加することが可能である。
【0027】
さらに、これらの突出部を形成する部材の中でも、耐熱性を有し、定着温度で変形量が小さいものはより好ましく、熱加圧定着時に突出部の加圧方向の変化量が少なく、画像形成後でも突出部が維持され、印字後の受像シートの保存性、搬送性が有利となる。
【0028】
本発明の受像シートは上記記載の材料を用い、更に必要に応じて各種助剤を添加して適当な溶剤に溶解あるいは分散して調製した組成物を、透明基材上にバーコート法等の公知の方法により塗布、乾燥して形成される。また、受像シートの突出部は必ずしも、突出部の部材、あるいは透明基材自体が表面に露出している必要はなく、特に突出部の間隔が小さいものは、受像層が平滑にならなければ、完全に埋没していても効果は発現できる。
【0029】
また、図1の参考例である(f)は、突出部の頂上に部材3を形成したものであるが、突出部はなる部材が塗膜形成可能であれば、受像層の表面に塗布し、2層とした後に表面を研磨やラビング等で粗すことにより、容易に得ることができる。
【0030】
受像層の厚さはトナー粒子径の50%を上回る厚さとすることが好ましい。これを下回るとトナーが十分に埋め込まれず、画像表面の凹凸を十分に埋めることができなくなるからである。現在、一般に使用されているトナーの平均最小粒子径は約7〜8μmであることから、トナー受容層の厚さは4μm以上である。また、逆にトナー受容層が厚すぎると光透明性が阻害されて投影画像の鮮明性に悪影響を与えるので、受像層の厚さは約100μm以下、特に50μm以下とすることが好ましい。
【0031】
本明細書において「軟化点」という用語は固体状の樹脂がゴム状に軟化する温度もしくは分子内の結晶部分が溶融する温度をいう。これは、環球法および針侵入法等により測定される。
【0032】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、文中、部とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
【0033】
(参考例1)
透明基材シートとしてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ100μm)を用い、その上に下記組成の受像層の塗布液をバーコーターにて、乾燥時の膜厚が10〜15μmとなるように受像層を形成して、受像シートを得た。また本参考例1は、その要部拡大断面図は図1の(a)に相当するものである。
受像層用塗布液1
ポリエステル樹脂(XPE1764、三井東圧製) 30部
Tg:54℃、軟化点:91℃
メチルエチルケトン:トルエン=1:1 70部
シリコーン変性ポリエステル微粒子 1部
平均粒径15μm、軟化点:190℃。
【0034】
(参考例2)
受像層用塗布液1において、シリコーン変性ポリエステル微粒子の代わりに下記のシリカ微粒子を用いた以外は参考例1と同様に、参考例2の受像シートを得た。また本参考例2は、その要部拡大断面図は図1の(a)に相当するものである。
シリカ微粒子(平均粒径15μm)1部。
【0035】
(参考例3)
下記の受像層用塗布液2において、参考例1同様に塗膜形成し、シリカ微粒子(平均粒径5μm)を1平方cm当り約100個となるよう受像層上に静電散布を行った後に乾燥し、参考例3の受像シートを得た。また本参考例3は、その要部拡大断面図は図1の(b)に相当するものである。
受像層用塗布液2
ポリエステル樹脂(XPE1764、三井東圧製) 30部
Tg:54℃、軟化点:91℃
メチルエチルケトン:トルエン=1:1 70部。
【0036】
(実施例1)
表面上に高さ15μm、直径10μm、で1平方cm当り100個の、基材と一体化している突出部を持つ透明基材に、受像層用塗布液2において参考例1同様に塗膜形成し実施例1の受像シートを得た。また本実施例1は、その要部拡大断面図は図1の(c)に相当するものである。
【0037】
(参考例4)
受像層用塗布液1において、シリコーン変性ポリエステル微粒子の代わりに下記の熱伝導性粒子を用いた以外は参考例1と同様に、参考例5の受像シートを得た。また本参考例5は、その要部拡大断面図は図1の(a)に相当するものである。
マグネシア微粒子(平均粒径10μm) 3部。
【0038】
そして、上記のようにして得た実施例1、参考例1〜4の受像シート上に、従来公知の電子写真法によりトナー画像を形成させた。その後、トナー画像を支持するそれぞれの受像シートを、加熱ローラ型定着装置に通すことにより熱加圧処理を行った。ここで、トナーは、平均粒子径8μm、ガラス転移温度64℃および軟化点105℃を有するポリエステル樹脂をバインダーとする、顔料で着色された粒子である。
【0039】
得られた透明画像は、画像のオフセット性、色光透過性、また、印字前の受像シートの保存性についても評価した。また、画像のオフセット性については、画像部にオフセットの見られないものを○、一部オフセットしたものは△、オフセットしたものは×とした。色光透過性は、OHPによる投影光を目視して評価した。保存性は、受像シートを恒温室内で40℃、85%Rhにおいて48時間放置後、融着したものを×、一部融着しているが簡単に剥がせるものは△、全く問題のないものを○とした。得られた透明画像について、評価結果を表1に示した。
【0040】
【表1】
【0041】
表1に示すように、比較例1と比べて突出部を有する実施例1の受像シートでは、オフセット性、保存性共に効果が見られ、本発明の方法であれば、低い軟化点の樹脂でも受像層として用いることが可能であると示唆できる。
【0042】
また、実施例1のように突出部としての部材を混入せず、透明基材により形成すると、さらに色光透過性が良くなる。これは、突出部の部材と透明基材との間で、屈折率の相違による光の散乱が無く、高い透明性が得られるためである。
【0043】
また、突出部として熱伝導性微粒子を用いた参考例4では、同じように微粒子を用いた参考例1、2と比べ、色光透過性が良くなっている。これは、熱加圧定着時の熱効率が上がり、トナー、および受像層の溶融が助長されたためである。
【0044】
さらに、実施例1、参考例1〜4の受像シートについて、トナーによる画像形成を行わずに加熱ローラ型定着装置に通し、熱加圧処理を行った。この受像シートについて定着装置通過前の表面粗さ、(Rz)と後の表面粗さ(Rz)、および定着装置通過後の保存性について評価し、その結果を表2に示した。また、表面粗さはJIS−B−0601に定義された十点平均粗さ(Rz)であり、公知の触針式の表面粗さ計で測定した。
【0045】
【表2】
【0046】
表2に示すように、定着装置通過前の表面粗さが通過後も、維持されている実施例1の受像シートは良好な保存性を示した。つまり、突出部が熱加圧定着後も平滑化されることなく、突き出した部分を維持するように突出部の部材を選択すれば、印字後も良好な保存性を示す受像シートとなる。
【0047】
(比較例1)
本比較例1では、実施例1に対して受像層の表面に突出部を持たないものについて実験を行なった。比較例1の受像シートとして、上記の受像層用塗布液2において、参考例1同様に透明基材上に塗膜形成した。得られた受像シートは、実施例1と同様に透明画像とし、画像のオフセット性、色光透過性、また印字前の受像シートの保存性について評価し、その結果を表3に示した。
【0048】
【表3】
【0049】
表3に示すように、受像層の表面に突出部を持たない受像シートでは画像のオフセット性、色光透過性、印字前の受像シートの保存性のどれもが悪く、このことからも、実施例1では受像層の表面の突出部が有効に働いていると言える。またここで、比較例1の受像シートの色光透過性は、画像がオフセットし正当な評価が行えないため×とした。
【0050】
(実施例2)
表面上に高さ15μm、直径10μm、の突出部を持ち、且つ突出部間の距離が1、3、5、6mmの透明基材に、受像層用塗布液2において参考例1同様に塗膜形成し実施例2の受像シートを得た。また、突出部間の距離については、拡大写真により、最短距離を測定した。得られた受像シートは、実施例1と同様に透明画像とし、画像のオフセット性、また印字前の受像シートの保存性について評価し、その結果を表4に示した。また、本実施例2は、その要部拡大断面図は図1の(c)に相当するものである。
【0051】
【表4】
【0052】
表4に示すように、突出部間の距離が5mm以下であれば、画像のオフセット性、印字前の保存性は良好となる。また、オフセット性、保存性を考えると好ましくは、3mm以下である。
【0053】
(実施例3)
表面が粗面(Rz10μm)である透明基材に、受像層用塗布液2において参考例1同様に塗膜形成し、更に受像層を研磨することにより、受像層の表面粗さが透明基材の表面粗さに対して大きいもの(Rz15μm)、同等のもの(Rz10μm)、小さいもの(Rz5μm)とした実施例3の受像シートを得た。得られた受像シートは、実施例1と同様に透明画像として、色光透過性について評価し、その結果を表5に示した。また本実施例3は、その要部拡大断面図は図1の(d)に相当するものである。
【0054】
【表5】
【0055】
表5に示すように、受像層の表面粗さが透明基材の表面粗さに対して小さければ、透明基材の粗面による光の散乱を受像層樹脂で抑えることができ、色光透過性は非常に良好となる。特に、この違いは非画像部で差が大きく現れる。
【0056】
(実施例4)
表面上に高さ15μm、直径10μm、の突出部を持ち、且つ突出部間の距離が5mmの透明基材に、受像層用塗布液2において参考例1同様に塗膜形成したもの、および、更に受像層を研磨することにより、受像層の平均山間隔(Sm)を20、30、40、80μmとし実施例4の受像シートを得た。ここで、平均山間隔(Sm)とは、基準長さ内における表面粗さを示す断面曲線の、凹凸の間隔の平均値である。この平均山間隔(Sm)は、公知の触針式の表面粗さ計で測定した。得られた受像シートは、実施例1と同様に透明画像とし、色光透過性、また印字前の受像シートの保存性についても評価し、その結果を表6に示した。
【0057】
【表6】
【0058】
表6に示すように、受像層表面を粗面化することにより、保存性は向上した。さらに、平均山間隔が30μm以上であれば色光透過性は良好となる。また好ましくは、平均山間隔は40μm以上である。これは、受像層の平均山間隔が30μm程度であれば、トナー粒子が受像層表面の凹部に入り込み、定着時に受像層に包み込まれることから、十分に埋め込まれ透明性が上がるが、30μm以下の時は逆にトナーが凹部に入り込めないためと考えられる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、トナーを受像層に埋没させることにより透明画像を形成する透明受像シートにおいて、受像層の樹脂はトナーより低い軟化点で、且つ、少なくとも受像層表面に、トナーより高い軟化点の材料で構成される、突出部を持つことにより、ブロッキングによる受像シートの融着、定着時のオフセットの発生を防止でき、且つ透明性の高い画像が得られる。更には、従来では使用できなかった低軟化点の樹脂でも受像層として使用できる。
【0060】
さらに、突出部の間隔が5mm以下の範囲であることにより、画像のオフセットを防止でき、保存性も向上するという効果を有する。
【0061】
さらに、突出部が透明基材の表面突起によって形成されていることにより、突出部として他の部材を必要とせず、また透明性も向上するという効果を有する。
【0062】
さらに、透明基材の表面粗さに対し受像層の表面粗さが小さいことにより、粗面化した透明基材を用いたときに、透明基材の散乱を防止でき、透明性が向上するという効果を有する。
【0063】
また、受像層が粗面化されており、且つ受像層の平均山間隔が30μm以上の範囲であることにより、保存性、透明性共に向上するという効果を有する。
【0064】
また、突出部が熱加圧定着後も平滑化されることなく、突き出した部分を維持することにより、印字後も良好な保存性を示すという効果を有する。
【0065】
(削除)
【0066】
尚、本発明は透明な受像シートのみならず、光沢紙等の特殊紙にも応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した受像シートの要部拡大断面図。
【符号の説明】
1・・・透明基材
2・・・受像層
3・・・突出部の部材
Claims (4)
- 透明基材上に樹脂からなる受像層を持ち、有色のトナーを受像層に埋没させることにより透明画像を形成する透明受像シートにおいて、前記受像層の樹脂は、トナーより低い軟化点で、且つ、少なくとも前記受像層の表面に、トナーより高い軟化点の材料で構成される、間隔が5mm以下の範囲で前記透明基材の表面突起により形成されている突出部を持つことを特徴とする受像シート。
- 前記透明基材の表面粗さに対し、受像層の表面粗さが小さいことを特徴とする請求項1記載の受像シート。
- 前記受像層が粗面化されており、且つ受像層の平均山間隔が30μm以上の範囲であることを特徴とする請求項1記載の受像シート。
- 前記突出部が熱加圧定着後も平滑化されることなく、突き出した部分を維持することを特徴とする請求項1記載の受像シート。
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