JP3743432B2 - データ処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能などの多機能を備えたMFP(Multi Function Products)等に用いられるデータ処理装置に関する。
【0002】
なお、以下の記載において、ファクシミリを「FAX」と、インターネットファクシミリを「IFAX」と記す。
【0003】
【従来の技術】
上記のようなMFPは、多機能を実現するために、複数の入力手段、例えばパーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)等の外部装置からネットワークを介して送られてくるプリントジョブを受信する受信部や、FAX装置等の外部装置から通信回線網を介して送られてくるFAXジョブを受信する受信部や、原稿を読み取るための原稿読取部等を備えている。
【0004】
また、前記原稿読取部で読み取った画像データや前記外部装置からのプリントデータ等をプリントするプリンタ部等を備えている。また、各入力手段から入力された出力対象データを展開するワークメモリを備えるとともに、2部目以降の出力に備えるために、一旦入力されたデータを記憶するファイルメモリを備えている。
【0005】
このファイルメモリへ蓄積されるデータの記憶容量を小さくするために、一般には、データを圧縮及び伸張する圧縮/伸張器が設けられている。そして、前記ワークメモリに展開されたデータは、圧縮/伸張器に転送されて圧縮され、この圧縮されたデータがファイルメモリに蓄積されるものとなされている。
【0006】
このようなMFPにおいて、例えば外部装置からプリントジョブが入力された場合、入力されたジョブに含まれるプリントデータはワークメモリに展開されるとともに、展開されたデータがプリンタ部に送られてプリントされる。同時に、圧縮・伸張器にも転送されて圧縮され、ファイルメモリに蓄積される。また、2部目をプリントする場合には、ファイルメモリに蓄積されている圧縮データが圧縮/伸張器で伸張されて、再度ワークメモリに転送され、さらにプリンタ部に転送されてプリントされるものとなされている。
【0007】
ところで、このようなプリントジョブの処理中に、原稿読取部で原稿を読み取り、読み取った原稿のデータを外部装置に送信する、例えばコピージョブが投入されることがある。この場合、前記プリントジョブは実行中であって圧縮・伸張器は既に使用されているから、圧縮/伸張器が開放されるまで、前記コピージョブの開始を待たなければならなかった。
【0008】
しかも、このプリントジョブが、すぐにプリントする必要のない例えば親展プリント等のジョブであったとしても、このプリントジョブが完了するまで、次のコピージョブを実行することができず、コピージョブのユーザはいらついた感情を持たざるをえなかった。
【0009】
なお、下記特許文献1には、並列に接続された圧縮/伸張器について、出力対象データの量に応じて圧縮動作と伸張動作の割り当てを変える技術が記載されている。例えば、符号データを間引きながらファイルメモリから読み出す場合や、偶数頁の符号データのみの出力の場合には、ファイルメモリに蓄積されるデータの量が読み出される画像データの量よりも多いので、複数の圧縮/伸張器のうち圧縮動作を行うものを多くし、伸張用を少なくすることが記載されている。また、ソートコピーの場合、最初の一枚目は全ての圧縮/伸張器で圧縮し、2枚目以降は圧縮用、伸張用にそれぞれ半分ずつ使用し、蓄積完了後は全てを伸張用に用いる、ことが記載されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−41429号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、圧縮/伸張器を効率的に動作させることは記載されているものの、前ジョブが早期出力の不要なジョブであるか否かに応じて、次ジョブの開始を早めようという技術的思想は存在しておらず、前記問題の解決には十分ではなかった。
【0012】
また、圧縮/伸張器を圧縮用と伸張用とに最初から分けておき、前ジョブのデータの圧縮を、圧縮用として固定された圧縮/伸張器を用いて行った後は、次ジョブのデータの圧縮もこの圧縮用として固定された圧縮/伸張器を用いて行うことにより、次ジョブの開始を早めることも考えられる。
【0013】
しかし、この場合には、前ジョブが早期出力の必要なジョブであっても、常に少ない数の圧縮/伸張器で圧縮しまた伸張することから、ジョブの読み込み速度や出力の生産性が低下するという欠点があった。しかも、前ジョブのデータの圧縮/伸張処理中は、次ジョブの開始ををやはりできないという欠点もあった。
【0014】
また、次ジョブの投入後に、前ジョブに対する圧縮/伸張器の割り当てを変えることも考えられるが、この場合には、割り当て変更処理のために次ジョブの投入から実際の受付までに時間がかかるという欠点があった。
【0015】
この発明は、このような欠点を解消するためになされたものであって、前ジョブが早期出力の不要なジョブであるかに応じて、次ジョブが投入された場合に、待ち時間を要することなく次ジョブの開始を直ちに行うことができ、あるいは前ジョブを早期に出力することができるデータ処理装置の提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、入力手段と、出力手段と、前記入力手段から入力されたジョブに含まれる出力対象データを圧縮し、かつ圧縮された出力対象データを伸張する複数個の圧縮/伸張手段と、前記入力手段から入力されたジョブが、早期出力の不要なジョブであるか否かを判別するジョブ判別手段と、前記ジョブ判別手段の判別結果に応じて、前記圧縮/伸張手段の動作割り当てを変更制御するとともに、変更後の動作割り当てにて、前記ジョブに対して前記圧縮/伸張手段を動作させる制御手段と、を備え、前記ジョブ判別手段によって、早期出力の不要なジョブであると判別された場合には、制御手段は、複数個の圧縮/伸張手段のうちの一部をそのジョブの処理には使用しないように割り当てることを特徴とするデータ処理装置によって解決される。
【0017】
このデータ処理装置では、入力手段から入力されたジョブが、早期出力の不要なジョブであるか否かを、ジョブ判別手段で判別し、前記ジョブ判別手段の判別結果に応じて、制御手段が、前記圧縮/伸張手段の動作割り当てを変更制御する。このため、早期出力の不要なジョブである場合には、次ジョブの開始を早めるように圧縮/伸張手段の動作割り当てを変更でき、ジョブが早期出力の不要なジョブに該当しない場合には、そのジョブの早期出力が可能となるように、圧縮/伸張手段の動作割り当てを変更制御できる。
【0018】
具体的には、早期出力の不要なジョブについては、複数個の圧縮/伸張手段のうちの一部をそのジョブの処理には使用しないように割り当てられるから、次ジョブの投入時には、少なくとも1つの圧縮/伸張手段が空き状態となっており、この圧縮/伸張手段を用いて、次ジョブの実行が直ちに可能となり、次ジョブの入力要求から受付までの待ち時間がなくなる。
【0019】
前記データ処理装置において、出力手段がプリンタ部であり、早期出力の不要なジョブが、外部から入力される親展プリント、一部先出しプリントを含む保存プリントジョブであっても良い。
【0020】
この場合には、外部から入力される保存ジョブが早期出力の不要なジョブであると判別され、次ジョブの開始が直ちに可能となるような圧縮/伸張手段の動作割り当てに変更される。
【0021】
また、早期出力の不要なジョブが、外部から入力されるFAX受信ジョブ、外部から入力されるIFAX受信ジョブであっても良い。
【0022】
この場合には、外部から入力されるFAX受信ジョブやIFAX受信ジョブが早期出力の不要なジョブであると判別され、次ジョブの開始が直ちに可能となるような圧縮/伸張手段の動作割り当てに変更される。
【0023】
また、ジョブ判別手段によって、早期出力の不要なジョブでないと判別された場合には、全ての圧縮/伸張手段をそのジョブの処理に使用するように割り当てる構成としても良い。
【0024】
このように割り当てることにより、圧縮/伸張手段の有する最大処理能力にてそのジョブを処理でき、早期出力が可能となる。
【0025】
また、ジョブ判別手段によって早期出力の不要なジョブであると判別された場合には、制御手段は、さらにジョブの種類に応じて圧縮/伸張手段の動作割り当てを変更する構成としても良い。
【0026】
このように構成することにより、早期出力の不要なジョブの種類に応じて圧縮/伸張手段の最適な動作割り当てを実現できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の一実施形態について説明する。
【0028】
図1は、この発明の一実施形態に係るデータ処理装置としてのMFP1のブロック図である。
【0029】
このデータ処理装置は、複数個の入力手段と複数個の出力手段を備えている。即ち、入力手段としての原稿読取部2と、出力手段としてのプリンタ部3と、入力手段及び出力手段の両方として機能するイーサネット(EtherNet)コントローラ4と、同じく入力手段及び出力手段の両方として機能するモデム11を備えている。
【0030】
前記原稿読取部2は、原稿を読み取るためのスキャナを備え、読み取った原稿の画像データは、読取画像インターフェース部(図面ではIR画像I/F部と記す)21を介して、バス調停器8に送られるものとなされている。前記プリンタ部3は、バス調停器8から転送されてきた画像データを用紙等にプリントする。
【0031】
また、前記イーサネットコントローラ4は、イーサネット30を介してジョブの送受を行う送受信手段として機能するものであり、図示しないパソコンやIFAX装置等の外部装置からイーサネット30を介して送信されてきたプリントジョブやIFAXジョブを受信し、あるいは原稿読取部2で読み取った原稿の画像データを、イーサネット30を介して外部装置へ送信するものである。
【0032】
また、前記モデム11は、公衆通信回線40を介して図示しないFAX装置等との間でFAXジョブの送受を行う送受信手段として機能するものであり、FAX装置等の外部装置から公衆通信回線40を介して送信されてきたジョブを受信し、あるいは原稿読取部2で読み取った原稿の画像データを、公衆通信回線40を介して外部装置へFAX送信するものである。
【0033】
さらに、MFP1は、ワークメモリ5、ファイルメモリ6、圧縮・伸張制御部7、前述したバス調停器8、CPU9、メモリコントローラPCIブリッジ10を備えている。
【0034】
前記ワークメモリ5は、イーサネットコントローラ4が受信した外部装置からのプリントジョブに含まれるプリントデータ、IFAX受信ジョブやFAX受信ジョブに含まれるデータ、あるいは原稿読取部2で読み取られた画像データ、等の出力対象データを展開したり、他のデータを記憶したりするものである。
【0035】
前記圧縮・伸張制御部7は、この実施形態では並列接続された4個の圧縮/伸張器71〜74を備え、前記出力対象データの圧縮及び伸張を、前記圧縮/伸張器71〜74に行わせる。この実施形態では、後述するように、入力されたジョブがCPU9によって早期出力の不要なジョブであると判別された場合には、圧縮・伸張制御部7はCPU9の指令により、4個の圧縮/伸張器71〜74のうち1つを次ジョブの処理のために空き状態としておき、早期出力の不要なジョブでないと判別された場合には、全ての圧縮/伸張器71〜74をそのジョブの処理に使用するように動作を割り当てる。
【0036】
前記ファイルメモリ6は、圧縮/伸張器71〜74で圧縮された出力対象データを蓄積する。
【0037】
前記バス調停器8は、転送制御部81によって、前記出力対象データのMFP内の各部への転送を行うものである。
【0038】
前記メモリコントローラPCIブリッジ10は、ワークメモリ5を制御するとともに、CPU9のバスとPCIバスとを接続するものである。
【0039】
前記CPU9は、メモリコントローラPCIブリッジ10、転送制御部81、圧縮・伸張制御部7等、MFP1の全体を統括的に制御する他、各種の判断を行う。例えば、ジョブ入力があったか否かや、入力されたジョブが早期出力の不要なジョブか否かを判断したり、出力されるジョブが1部目の出力か2部目以降の出力か等を判断する。
【0040】
この実施形態では、早期出力の不要なジョブとして、外部装置から入力される保存プリントジョブ、FAX受信ジョブ及びIFAXジョブが設定されている。前記保存プリントジョブとは、保存を前提とするプリントジョブであり、例えば親展プリント、一部先出しプリントがある。
【0041】
前記親展プリントとは、プリント要求者がMFP1にプリント指示をした時点で直ちにプリント処理が開始される通常のプリントモードとは異なり、プリント要求者がプリント指示後にMFP1に赴いて、そこで図示しない操作部からIDコードを入力した時点で初めてプリント処理が開始されるものをいう。また、一部先出しジョブとは、複数部のプリントのうち、まず一部のみをプリントし、その後所定の指示に基づいて残りの部数をプリントすること、またはそのジョブを削除することが可能なものをいう。なお、以下に早期出力が不要なジョブとして、一部先出しプリントジョブを挙げているが、これは2部目以降のプリントジョブを指すものである。
【0042】
前記CPU9は、ジョブのデータ構成から、早期出力の不要なジョブか否かを判断する。データ構成の一例として、プリントジョブのデータ構成を図2に示す。プリントジョブデータ200は、ヘッダ201と、IDコード情報202と、プリント制御コマンド203と、印字データ(出力対象データ)204とにより構成されている。ヘッダ201には、プリント要求者が指定した出力先を示す指示データや、IDコード情報202を含むプリントジョブデータであることを認識させるためのデータが含まれている。
【0043】
IDコード情報202は、プリントジョブデータが親展プリントモードである場合に、通常のデータ構成に加えて付加されるものである。また、プリント制御コマンド203及び印字データ204は、プリントの様式(用紙サイズやプリント順序、排紙方法等)に関するデータや、文書や画像等のプリントの内容のデータである。
【0044】
そこで、CPU9は、前記IDコード情報202から、このプリントジョブが親展プリントであることを判別することができる。
【0045】
早期出力の不要な他の一部先出しプリントジョブや、IFAX受信ジョブについても同様に、ジョブデータ構成から判別できる。また、FAX受信ジョブについては、モデム11により受信した場合に、FAX受信ジョブと判別している。
【0046】
次に、図1に示したMFP1の動作を図3のフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、ステップを「S」と略記する。
【0047】
図3において、S301で、CPU9はジョブ入力があったか否かを判断する。ジョブの入力がなければ(S301でNO)、そのまま待機する。ジョブ入力があれば(S301でYES)、S302でCPU9は、ジョブ入力はモデム11からの入力か否か、即ちFAX受信ジョブか否かを判断する。
【0048】
モデム11からの入力であれば(S302でYES)、早期プリントの不要なジョブに該当するから、その旨を圧縮/伸張制御部7に通知し、S306に進む。モデム11からの入力でなければ(S302でNO)、S303で、IFAX受信ジョブか否かを判断する。
【0049】
IFAX受信ジョブであれば(S303でYES)、早期プリントの不要なジョブに該当するから、その旨を圧縮/伸張制御部7に通知し、S306に進む。IFAX受信ジョブでなければ(S303でNO)、S304で、親展プリントジョブか否かを判断する。
【0050】
親展プリントジョブであれば(S304でYES)、早期プリントの不要なジョブに該当するから、その旨を圧縮/伸張制御部7に通知し、S306に進む。親展プリントジョブでなければ(S304でNO)、S305で、1部先出しプリントジョブの2部目以降のプリント指示を含むジョブか否かを判断する。
【0051】
一部先出しプリントジョブであれば(S305でYES)、早期プリントの不要なジョブに該当するから、その旨を圧縮/伸張制御部7に通知し、S306に進む。一部先出しプリントジョブでなければ(S305でNO)、そのジョブは早期プリントの不要なジョブに該当しないから、その旨を圧縮/伸張制御部7に通知し、S307に進む。
【0052】
S306では、前記入力されたジョブが早期プリントの不要なジョブに該当するから、圧縮/伸張制御部7は、4個の圧縮/伸張器71〜74のうち、このジョブに対して使用可能な圧縮/伸張器を3つ(例えば圧縮/伸張器71〜73)割り当てると共に、1つ(例えば圧縮/伸張器74)を次ジョブのために不使用とし空き状態に保持しておく。次いで、S308に進む。
【0053】
一方、S307では、前記入力されたジョブが早期プリントの不要なジョブに該当しないから、圧縮/伸張制御部7は、このジョブに対して4個全ての圧縮/伸張器71〜74を使用可能なものとして割り当てた後、S308に進む。
【0054】
S308では、CPU9が、1部目のプリントか否かを判断する。1部目のプリントであれば(S308にてYES)、S309で、圧縮/伸張制御部7は、使用可能な全ての圧縮/伸張器を圧縮動作に割り振る。そして、S311で、入力されたジョブのプリントデータをワークメモリ5にRIP展開等した後、プリンタ部3に転送してプリントすると共に、圧縮/伸張器71〜74のうちの使用可能な全てを用いて圧縮し、圧縮データをファイルメモリ6に蓄積した後、S301に戻る。但し、親展プリントの場合は、プリントすることなく圧縮し、圧縮データをファイルメモリ6に蓄積する。
【0055】
一方、S308において、1部目のプリントでなければ(S308にてNO)、S310で、圧縮/伸張制御部7は、使用可能な全ての圧縮/伸張器を伸張動作に割り振る。そして、S312で、ファイルメモリ6から読み出した圧縮データを、圧縮/伸張器71〜74のうちの使用可能な全てを用いて伸張し、伸張されたデータをワークメモリ5を経由してプリンタ部3に転送してプリントした後、S301に戻る。
【0056】
但し、親展プリントの場合は、IDコードが入力されたときに、使用可能な全ての圧縮/伸張器を用いて伸張され、プリントされる。
【0057】
このように、早期プリントの不要なジョブに該当する場合には、次ジョブのために圧縮/伸張器71〜74のうちの一部(この実施形態では圧縮/伸張器74)を、使用しない空き状態に設定するから、このジョブの処理途中に、例えば原稿読取部2で読み取った画像データを外部装置に出力する、いわゆるスキャンアウトジョブや、原稿読取部2で読み取った画像データをプリントするコピージョブ等の次のジョブの投入があった場合には、この空き状態の圧縮/伸張器74を用いて圧縮処理を行うことができる。このため、前記スキャンアウトジョブやコピージョブにおける原稿読取部2での読み取りを開始することができる。しかも、次ジョブの投入時に、現在処理中のジョブにおける圧縮/伸張器71〜74の動作割り当てを変更するものではないから、次ジョブの投入から実際の受け付けまでの待ち時間は不要となる。
【0058】
この点を図4により詳しく説明する。図4の構成Aは従来の内容を示しており、前ジョブに対して全ての圧縮/伸張器71〜74が割り当てられ、割り当ての変更ができない場合である。なお、白色部分が現在処理中のジョブ(前ジョブ)の処理を示し、網掛け部分が次ジョブの処理を示す。
【0059】
構成Bは、前ジョブに全ての全ての圧縮/伸張器71〜74が割り当てられるが、次ジョブが投入されると、圧縮/伸張器の割り当てを変更し、次ジョブに2個の圧縮/伸張器73、74を割り当てる構成である。
【0060】
構成Cは、本実施形態の構成であり、前ジョブが早期プリントの不要なジョブであった場合に、1つの圧縮/伸張器74を空き状態にしておく構成である。
【0061】
なお、上記において、前ジョブは早期プリントの不要なジョブであり、次ジョブはスキャンアウトジョブまたはコピージョブとする。
【0062】
前記構成Aにおいて、次ジョブが受け付けられるには、前ジョブが終了する必要があり、次ジョブの投入から受け付けまでにdyの待ち時間が発生する。
【0063】
また、構成Bでは、次ジョブが投入された際に、圧縮/伸張器の動作割り当てを変更するから、直ちには受け付けられず、受け付けまでにdxの待ち時間が発生してしまう。
【0064】
これに対して、構成Cでは、すぐにプリントする必要のない前ジョブの終了は遅くなるものの、次ジョブをすぐに受け付けることが可能となる。
【0065】
図5は、この発明の他の実施形態を示すものである。この実施形態は、早期プリントの不要なジョブであっても、その種類に応じてさらに圧縮/伸張器の動作割り当てを変更するものである。
【0066】
図5において、S501で、CPU9はジョブ入力があったか否かを判断する。ジョブの入力がなければ(S501でNO)、そのまま待機する。ジョブ入力があれば(S501でYES)、S502でCPU9は、入力されたジョブは親展プリントジョブジョブか否かを判断する。
【0067】
親展プリントジョブであれば(S502でYES)、早期プリントが不要なジョブであるから、その旨を圧縮/伸張制御部7に通知し、S503に進む。S503では、圧縮/伸張制御部7は、4個の圧縮/伸張器71〜74のうち、この親展ジョブに対して使用可能な圧縮/伸張器を2つ(例えば圧縮/伸張器71、72)割り当てると共に、2つ(例えば圧縮/伸張器73、74)を次ジョブのために不使用とし空き状態に保持しておく。
【0068】
次いで、S504で、プリントデータをワークメモリ5にRIP展開した後、圧縮/伸張器に転送し、使用可能な全ての圧縮/伸張器71、72を圧縮動作に割り当てて、プリントデータを圧縮し、圧縮データをファイルメモリ6に蓄積する。
【0069】
次いで、S505で、CPU9は、その親展ジョブをプリントするためのIDコードが入力されたか否かを判断する。IDコードが入力されていなければ(S505でNO)、入力されるまで待つ。IDコードが入力されると(S505でYES)、S506で、全ての使用可能な圧縮/伸張器71、72を伸張動作に割り当て、ファイルメモリ6から読み出した圧縮データを伸張する。そして、S507で、伸張されたプリントデータをワークメモリ5を介してプリンタ部3に転送し、プリントした後、S501に戻る。
【0070】
S502において、親展プリントジョブでなければ(S502にてNO)、CPU9は、ジョブ入力はモデム11からの入力か否か、即ちFAX受信ジョブか否かを判断する。
【0071】
モデム11からの入力であれば(S508でYES)、そのジョブは早期プリントが不要なジョブであるから、その旨を圧縮/伸張制御部7に通知し、S509に進む。モデム11からの入力でなければ(S508でNO)、S511で、IFAX受信ジョブか否かを判断する。
【0072】
IFAX受信ジョブであれば(S511でYES)、そのジョブは早期プリントが不要なジョブであるから、その旨を圧縮/伸張制御部7に通知し、S509に進む。IFAX受信ジョブでなければ(S511でNO)、S512で、1部先出しプリントジョブの2部目以降のプリント指示を含むジョブか否かを判断する。
【0073】
一部先出しプリントジョブであれば(S512でYES)、そのジョブは早期プリントが不要なジョブであるから、その旨を圧縮/伸張制御部7に通知し、S509に進む。一部先出しプリントジョブでなければ(S512でNO)、そのジョブは早期プリントの不要なジョブに該当しないから、その旨を圧縮/伸張制御部7に通知し、S513に進む。
【0074】
S509では、圧縮/伸張制御部7は、使用可能な圧縮/伸張器を3つ(例えば圧縮/伸張器71〜73)割り当てると共に、1つ(例えば圧縮/伸張器74)を次ジョブのために不使用とし空き状態に保持しておく。そして、S510に進む。つまり、ジョブがFAX受信ジョブ、IFAX受信ジョブ、1部先出しプリントジョブの場合には、3つの圧縮/伸張器71〜73が使用可能状態に設定される。
【0075】
一方、S513では、圧縮/伸張制御部7は、4つの圧縮/伸張器71〜74を使用可能状態に設定したのち、S510に進む。つまり、早期プリントの不要なジョブに該当しない場合には、そのジョブの処理に全ての圧縮/伸張器71〜74が使用される。
【0076】
S510では、1部目のプリントか否かを判断する。1部目のプリントであれば(S510にてYES)、S514で、圧縮/伸張制御部7は、圧縮/伸張器71〜74のうち使用可能な全てを圧縮動作に割り当てる。そして、S515で、入力されたジョブのプリントデータをワークメモリ5に展開した後、プリンタ部3に転送してプリントすると共に、使用可能な全ての圧縮/伸張器71〜73を用いて圧縮し、圧縮データをファイルメモリ6に蓄積した後、S501に戻る。
【0077】
一方、S510において、1部目のプリントでなければ(S510にてNO)、S516で、圧縮/伸張制御部7は、使用可能な全ての圧縮/伸張器を伸張動作に割り振る。そして、S517で、ファイルメモリ6から読み出した圧縮データを、圧縮/伸張器71〜74のうちの使用可能な全てを用いて伸張し、伸張されたデータをワークメモリ5を経由してプリンタ部3に転送してプリントした後、S501に戻る。
【0078】
このように、この実施形態では、入力されたジョブが早期プリントが不要なジョブであっても、それが親展プリントジョブの場合には、2つの圧縮/伸張器を使用し、FAX受信ジョブ、IFAXジョブ、1部先出しプリントジョブの場合には、3つの圧縮/伸張器を使用して、処理を行う。このように、早期プリントが不要なジョブの中でもその種類に応じて複数個の圧縮/伸張器の動作割り当てを変更することにより、実情に即した一層適切な対応が可能となる。
【0079】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、この発明は、上記実施形態に限定されることはない。例えば、複数個の圧縮/伸張器のうち、1個または2個を次ジョブのために空き状態に設定したが、3個以上を設定しても良く、前ジョブのために少なくとも1個を使用できればよい。
【0080】
また、外部装置から送信されてきたジョブについて、早期出力が不要なジョブであるか否かを判断したが、原稿読取部2で読み取られたジョブについても、同様に判断するものとしても良い。
【0081】
上記具体的実施形態には、以下の構成を有する発明が含まれる。
(1)ジョブの処理中に、他の入力手段から次ジョブが入力されたときは、制御手段は、空き状態に設定された圧縮/伸張手段の一部を用いて圧縮処理を行わせる請求項4に記載のデータ処理装置。
【0082】
これにより、次ジョブの圧縮処理が直ちに可能となる。
(2)早期出力の不要なジョブが親展プリントジョブである場合には、他の早期出力の不要なジョブよりも多くの圧縮/伸張手段を、空き状態に割り当てる請求項5に記載のデータ処理装置。
【0083】
このように構成することで、他の早期出力不要ジョブよりもさらに早期出力の不要な親展プリントジョブについては、次ジョブのためにより多くの圧縮/伸張手段が確保される。
(3)入力されたジョブが、早期出力の不要なジョブであるか否かを判別するステップと、
入力されたジョブに含まれる出力対象データを圧縮し、かつ圧縮された出力対象データを伸張する圧縮/伸張手段の動作割り当てを、前記判別結果に応じて変更制御するステップと、
変更後の動作割り当てにて、前記ジョブに対して前記圧縮/伸張手段を動作させるステップと、
を備えたことを特徴とするデータ処理方法。
【0084】
このデータ処理方法では、早期出力の不要なジョブであるか否かが判別され、判別結果に応じて、圧縮/伸張手段の動作割り当てが変更される。このため、早期出力の不要なジョブである場合には、次ジョブの開始を早めるように圧縮/伸張手段の動作割り当てを変更でき、ジョブが早期出力の不要なジョブに該当しない場合には、そのジョブの早期出力が可能となるように、圧縮/伸張手段の動作割り当てを変更制御できる。
(4)早期出力の不要なジョブが、外部から入力される親展プリント、一部先出しプリントを含む保存プリントジョブである(3)に記載のデータ処理方法。
(5)早期出力の不要なジョブが、外部から入力されるFAX受信ジョブまたはIFAXジョブである(3)に記載のデータ処理方法。
(6)早期出力の不要なジョブであると判別された場合には、複数個の圧縮/伸張手段のうち少なくとも1つをそのジョブの処理には使用しないように割り当て、早期出力の不要なジョブでないと判別された場合には、全ての圧縮/伸張手段をそのジョブの処理に使用するように割り当てる(3)に記載のデータ処理方法。
【0085】
このように割り当てることにより、早期出力の不要なジョブについては、複数個の圧縮/伸張手段のうちの一部をそのジョブの処理には使用しないように割り当てられるから、次ジョブの投入時には、少なくとも1つの圧縮/伸張手段が空き状態となっており、この圧縮/伸張手段を用いて、次ジョブの実行が直ちに可能となる。
(7)早期出力の不要なジョブであると判別された場合には、さらにジョブの種類に応じて圧縮/伸張手段の動作割り当てを変更する(6)に記載のデータ処理方法。
【0086】
このように構成することにより、早期出力の不要なジョブの種類に応じて圧縮/伸張手段の最適な動作割り当てを実現できる。
【0087】
【発明の効果】
この発明は、上述の次第で、入力手段から入力されたジョブが早期出力の不要なジョブであるか否かを判別し、その判別結果に応じて、圧縮/伸張手段の動作割り当てを変更制御するとともに、早期出力の不要なジョブであると判別された場合には、複数個の圧縮/伸張手段のうちの一部をそのジョブの処理には使用しないように割り当てるから、早期出力不要なジョブの実行中に次のジョブが投入されたときには、少なくとも1つの圧縮/伸張手段が空き状態となっており、この圧縮/伸張手段を用いて、次ジョブの実行が直ちに可能となる。
【0088】
また、出力手段がプリンタ部であり、早期出力の不要なジョブが、外部から入力される親展プリント、一部先出しプリントを含む保存プリントジョブである場合には、外部から入力される保存ジョブが早期出力の不要なジョブであると判別され、次ジョブの開始が直ちに可能となる。
【0089】
また、早期出力の不要なジョブが、外部から入力されるFAX受信ジョブ、外部から入力されるIFAXジョブである場合には、外部から入力されるFAX受信ジョブやIFAXジョブが早期出力の不要なジョブであると判別され、次ジョブの開始が直ちに可能となる。
【0090】
また、ジョブ判別手段によって、早期出力の不要なジョブでないと判別された場合には、全ての圧縮/伸張手段をそのジョブの処理に使用するように割り当てる構成とした場合には、圧縮/伸張手段の有する最大処理能力にてそのジョブを処理でき、早期出力が可能となる。
【0091】
また、ジョブ判別手段によって早期出力の不要なジョブであると判別された場合には、制御手段は、さらにジョブの種類に応じて圧縮/伸張手段の動作割り当てを変更する構成とした場合には、ジョブの種類に応じて圧縮/伸張手段の最適な動作割り当てが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るデータ処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】親展プリントジョブのデータ構成を示す図である。
【図3】図1のデータ処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】この実施形態に係るデータ処理装置において、前ジョブが早期出力不要なジョブである場合の効果を説明するための説明図である。
【図5】この発明の他の実施形態を示すもので、図1のデータ処理装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 MFP(データ処理装置)
2 原稿読取部(入力手段)
3 プリンタ部(出力手段)
4 イーサネットコントローラ(入力手段、出力手段)
5 ワークメモリ
6 ファイルメモリ
7 圧縮/伸張制御部
71〜74 圧縮/伸張器
81 転送制御部
9 CPU(ジョブ判別手段)
10 メモリコントローラ

Claims (5)

  1. 入力手段と、
    出力手段と、
    前記入力手段から入力されたジョブに含まれる出力対象データを圧縮し、かつ圧縮された出力対象データを伸張する複数個の圧縮/伸張手段と、
    前記入力手段から入力されたジョブが、早期出力の不要なジョブであるか否かを判別するジョブ判別手段と、
    前記ジョブ判別手段の判別結果に応じて、前記圧縮/伸張手段の動作割り当てを変更制御するとともに、変更後の動作割り当てにて、前記ジョブに対して前記圧縮/伸張手段を動作させる制御手段と、
    を備え
    前記ジョブ判別手段によって、早期出力の不要なジョブであると判別された場合には、制御手段は、複数個の圧縮/伸張手段のうちの一部をそのジョブの処理には使用しないように割り当てることを特徴とするデータ処理装置。
  2. 出力手段がプリンタ部であり、
    早期出力の不要なジョブが、外部から入力される親展プリント、一部先出しプリントを含む保存プリントジョブである請求項1に記載のデータ処理装置。
  3. 出力手段がプリンタ部であり、
    早期出力の不要なジョブが、外部から入力されるファクシミリ受信ジョブまたはインターネットファクシミリ受信ジョブである請求項1に記載のデータ処理装置。
  4. ジョブ判別手段によって、早期出力の不要なジョブでないと判別された場合には、制御手段は、全ての圧縮/伸張手段をそのジョブの処理に使用するように割り当てる請求項1に記載のデータ処理装置。
  5. ジョブ判別手段によって、早期出力の不要なジョブであると判別された場合には、制御手段は、さらにジョブの種類に応じて圧縮/伸張手段の動作割り当てを変更する請求項1に記載のデータ処理装置。
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