JP3743215B2 - Tab用テープキャリアの製造方法および製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICやLSI等の半導体素子の実装方式の一つであるTAB(Tape Automated Bonding)方式に使用されるTAB用テープキャリアの製造方法および製造装置に関し、特に無電解錫めっき工程においてめっき反応中に発生する錫の針状析出結晶を有効に除去するTAB用テープキャリアの製造方法および製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体素子の実装技術は、自動化や高速化を図るため、長尺状のTAB用テープキャリアにICやLSI等の半導体素子をワイヤレスボンディングによって実装するTAB方式が主流となっている。
【0003】
このようなTAB用テープキャリアの製造方法の概略について説明する。
先ず、接着剤が塗布された絶縁性フィルムテープにデバイスホール等を形成する。そして、この絶縁性フィルムテープの接着剤塗布面に銅箔をラミネートする。次に、銅箔の表面にフォトレジストを塗布し、フォトマスクを介してフォトレジストを感光させる。そして、フォトレジストを現像し、所定パターンのフォトレジスト層を形成する。その後、このフォトレジスト層をマスクとして銅箔をエッチングし、リードを形成してリードに無電解錫めっきを施す。
【0004】
一方、錫めっき後の自然放置時に発生するウィスカーの発生防止方法として、例えば、特開平10−50774号公報に示されるものがある。このウィスカーの発生防止方法は、錫めっき後に加熱処理を施すことにより自然放置時にウィスカーが発生するのを抑えるものであり、加熱処理時に生じる錫めっき膜上の酸化膜をリン酸三ナトリウム溶液を使用して除去している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のTAB用テープキャリアの製造方法によると、めっき反応中に針状析出結晶が発生してリード間を短絡させる恐れがある。また、特開平10−50774号公報に示されるように、加熱処理を施しても、針状析出結晶の発生を完全に抑えることができず、また、加熱処理工程が増えるため、コストアップを招く。
【0006】
従って、本発明の目的は、工程数の増加を抑えながら無電解錫めっき反応中に発生した錫の針状析出結晶を除去することができるTAB用テープキャリアの製造方法および製造装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を実現するため、可撓性を有するテープ状の絶縁性材料に銅箔を接着し、前記銅箔をエッチングしてリードを形成し、前記リードに無電解錫めっきを施してなるTAB用テープキャリアの製造方法において、前記無電解錫めっきを施した後、前記無電解錫めっきの反応中に前記リード間に発生する錫の針状析出結晶を、濃度が5%〜10%、温度が40°C〜60°Cのリン酸三ナトリウム溶液で60秒〜120秒処理することにより除去することを特徴とするTAB用テープキャリアの製造方法を提供する。
【0008】
上記構成によれば、銅箔のリード間に発生している錫の針状析出結晶にリン酸三ナトリウム溶液を直接作用させるようにしているので、錫の針状析出結晶を容易に除去することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のTAB用テープキャリアの製造方法の実施形態により製造されるTAB用テープキャリアの構成例を示す平面図である。
このTAB用テープキャリア1は、長尺状の絶縁性フィルムテープ2およびその上面に接着された所定のパターンのリード3を備えている。
【0010】
絶縁性フィルムテープ2は、ポリイミドやポリエステル等で成る可撓性の薄いフィルムで形成されている。リード3は、矩形状に配置された複数のインナーリード4とインナーリード4に接続されたアウターリード5とで構成されており、無電解錫めっきされた銅箔で形成されている。また、リード3の中央部の絶縁性フィルムテープ2には、半導体素子を収容するためのデバイスホール6が開口されている。
【0011】
さらに、絶縁性フィルムテープ2の両サイドには、テープ搬送や位置決めを行うためのスプロケットホール7が設けられ、アウターリード5の配置に沿った絶縁性フィルムテープ2には、電気信号を出すためのアウターホール8が設けられている。そして、アウターリード5の所定のものには、半導体素子の動作テスト等を行うためのテストパッド9が接続されている。
【0012】
このような構成のTAB用テープキャリア1の特徴部分は、リード3を無電解錫めっきしている最中にリード3間に発生した錫の針状析出結晶を、リン酸三ナトリウムで処理することにより除去した点にあり、以下にその処理条件について検討する。
図2は、TAB用テープキャリア1に対し、50°Cに昇温した濃度50g/lのリン酸三ナトリウム溶液で処理したときのリン酸三ナトリウム処理時間と錫の針状析出結晶発生数との関係を示す図である。また、図3は、図2の条件でのリン酸三ナトリウム処理時間と無電解錫めっき厚との関係を示す図である。
【0013】
リード3を200本観察して錫の針状析出結晶発生数をカウントしたところ、図2から明らかなように、リン酸三ナトリウム処理時間が長くなるとともに錫の針状析出結晶発生数は低減し、60秒以上のリン酸三ナトリウム処理時間で錫の針状析出結晶の発生が無くなっている。従って、リン酸三ナトリウム処理時間は、錫の針状析出結晶を完全に除去可能な60秒以上であることが望ましく、また生産効率の観点から120秒以下とすることが望ましい。なお、図4から明らかなように、リン酸三ナトリウム処理時間が長くなるとともに無電解錫めっき厚は若干薄くなる傾向にあるが、実質上問題無い範囲である。
【0014】
以上のリン酸三ナトリウム処理条件を踏まえて、本発明のTAB用テープキャリアの製造方法の実施形態を説明する。
先ず、接着剤が塗布されたポリイミドから成る絶縁性フィルムテープ2にデバイスホール6、スプロケットホール7およびアウターホール8をパンチング加工によりそれぞれ形成する。
【0015】
その後、絶縁性フィルムテープ2の接着剤塗布面に粗化面を向けた銅箔をラミネートする。そして、デバイスホール6に露出する銅箔の粗化面を化学研摩法により研摩する。この理由は、その面が半導体素子の金バンプに接続する面になるためである。その後、銅箔の表面にフォトレジストを所定の厚さで塗布して乾燥させる。
【0016】
そして、フォトレジスト上に所定のパターンのフォトマスクを配置し、フォトマスク上から光を照射してフォトレジストに露光し、フォトレジストを感光させる。続いて、フォトレジストを現像してフォトレジストに銅箔露出部を形成することにより、銅箔の表面に所定パターンのフォトレジスト層を形成する。そして、フォトレジスト層をマスクとして銅箔をエッチングし、絶縁性フィルムテープ2の表面にリード3を形成する。
【0017】
次に、リード3を形成したTAB用テープキャリア1を常温の濃度10%の硫酸で60秒間処理することにより、リード3上のフォトレジスト層を除去する。そして、そのTAB用テープキャリア1を水洗して乾燥させた後、65°Cに昇温した有機酸系の錫めっき液中に5分間浸漬することにより、リード3に膜厚0.5μm〜0.6μmの無電解錫めっきを施す。
【0018】
そして、そのTAB用テープキャリア1を水洗し、40°C〜60°Cに昇温した濃度5%〜10%のリン酸三ナトリウム溶液で60秒〜120秒間シャワー洗浄により処理することにより、無電解錫めっきの反応中にリード3間に発生した錫の針状析出結晶を除去する。最後に、TAB用テープキャリア1を湯洗して最終的なTAB用テープキャリア1とする。
【0019】
図4は、本発明のTAB用テープキャリアの製造装置の実施形態を示す概略構成図である。 このTAB用テープキャリアの製造装置10は、上述したTAB用テープキャリアの製造工程のうち、無電解錫めっき工程および錫の針状析出結晶除去工程を行う装置である。TAB用テープキャリアの製造装置10は、TAB用テープキャリア1の搬送ライン11に沿って、酸洗槽12、水洗槽13、無電解錫めっき槽14、水洗槽15、リン酸三ナトリウム処理槽16、水洗槽17、湯洗槽18が、この順で配設されている。
【0020】
酸洗槽12は、注入された硫酸を常温で貯留するように構成されていると共に、搬送されてくるTAB用テープキャリア1を60秒間で通過させる大きさに形成されている。水洗槽13、水洗槽15、水洗槽17は、注入された純水を常温で貯留するように構成されている。無電解錫めっき槽14は、注入された有機酸系の錫めっき液を65°Cに昇温して貯留するように構成されていると共に、内部に配設された複数のローラ14aにより、搬送されてくるTAB用テープキャリア1を迂回させて5分間で通過させるように構成されている。
【0021】
リン酸三ナトリウム処理槽16は、搬送されてくるTAB用テープキャリア1を60秒〜120秒間で通過させる大きさに形成されており、内部に配設されたシャワー装置16aにより、搬送されてくるTAB用テープキャリア1に対し、40°C〜60°Cに昇温した濃度5%〜10%のリン酸三ナトリウム溶液を降り注ぐように構成されている。湯洗槽18は、注入された純水を昇温して貯留するように構成されている。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、無電解錫めっきを施した後にリン酸三ナトリウム溶液で処理することにより、無電解錫めっきの反応中に発生する錫の針状析出結晶を除去することができ、TAB用テープキャリアの品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のTAB用テープキャリアの製造方法の実施形態により製造されるTAB用テープキャリアの構成例を示す平面図である。
【図2】図1のTAB用テープキャリアに対し、リン酸三ナトリウム溶液で処理したときのリン酸三ナトリウム処理時間と錫の針状析出結晶発生数との関係を示す図である。
【図3】図2の条件でのリン酸三ナトリウム処理時間と無電解錫めっき厚との関係を示す図である。
【図4】本発明のTAB用テープキャリアの製造装置の実施形態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 TAB用テープキャリア
2 絶縁性フィルムテープ
3 リード
4 インナーリード
5 アウターリード
6 デバイスホール
7 スプロケットホール
8 アウターホール
9 テストパッド
10 TAB用テープキャリアの製造装置
11 TAB用テープキャリアの搬送ライン
12 酸洗槽
13 水洗槽
14 無電解めっき槽
14a ローラ
15 水洗槽
16 リン酸三ナトリウム処理槽
16a シャワー装置
17 水洗槽
18 湯洗槽
Claims (3)
- 可撓性を有するテープ状の絶縁性材料に銅箔を接着し、前記銅箔をエッチングしてリードを形成し、前記リードに無電解錫めっきを施してなるTAB用テープキャリアの製造方法において、
前記無電解錫めっきを施した後、前記無電解錫めっきの反応中に前記リード間に発生する錫の針状析出結晶を、濃度が5%〜10%、温度が40°C〜60°Cのリン酸三ナトリウム溶液で60秒〜120秒処理することにより除去することを特徴とするTAB用テープキャリアの製造方法。 - 前記錫の針状析出結晶の除去処理は、前記リン酸三ナトリウム溶液を前記TAB用テープキャリアに降り注ぐことにより行うことを特徴とする請求項1に記載のTAB用テープキャリアの製造方法。
- 可撓性を有するテープ状の絶縁性材料に銅箔を接着し、前記銅箔をエッチングしてリードを形成し、前記リードに無電解錫めっきを施してなるTAB用テープキャリアの製造装置において、
前記無電解錫めっきを施した後の前記TAB用テープキャリアに、濃度が5%〜10%、温度が40°C〜60°Cのリン酸三ナトリウム溶液を前記TAB用テープキャリアに60秒〜120秒降り注ぐシャワー装置を有する処理槽を備え、前記無電解錫めっきの反応中に前記リード間に発生する錫の針状析出結晶を前記処理槽の前記シャワー装置により除去することを特徴とするTAB用テープキャリアの製造装置。
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