JP3743123B2 - 金属酸化物微粒子凝集体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光起電力材料、光導電材料、光触媒材料に好適な金属酸化物微粒子凝集体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
化石燃料の燃焼による地球温暖化や、人口の増加に伴うエネルギー需要の増大は、人類の存亡に関わる大きな課題となっている。太陽光は言うまでもなく、太古以来現在まで、地球の環境を育み、人類を含む総ての生物のエネルギー源となってきた。最近、無限でかつ有害物質を発生しないクリーンなエネルギー源として太陽光を利用することが検討されている。中でも、光エネルギーを電気エネルギに変換するいわゆる太陽電池が有力な技術的手段として注目されている。太陽電池用の光起電力材料としては、単結晶、多結晶、アモルファスのシリコンやCuInSe、GaAs、CdSなどの化合物半導体が使用されている。これらの無機半導体を用いた太陽電池は10%から20%と比較的高いエネルギー変換効率を示すため、遠隔地用の電源や携帯用小型電子機器の補助的な電源として広く用いられている。
【0003】
しかしながら、冒頭に述べたような化石燃料の消費を抑えて地球環境の悪化を防止するという目的に照らすと、現時点では無機半導体を用いた太陽電池は十分な効果をあげているとは言い難い。というのも、これらの無機半導体を用いた太陽電池はプラズマCVD法や高温結晶成長プロセスにより製造されており、素子の作製に多くのエネルギーを必要とするためである。また、Cd,As,Seなど環境に有害な影響を及ぼしかねない成分を含んでおり、素子の廃棄による環境破壊の可能性も懸念される。
【0004】
このような課題を解決する方法として、光半導体(光照射によりキャリアが生成される半導体)と電解質溶液との界面で生ずる光電気化学反応を利用した光電気化学的なエネルギー変換装置が期待されている。藤嶋らは、水溶液中の酸化チタン電極に光を照射すると、水が分解され酸素と水素が得られるのと同時に対極である白金電極と間に光電流が流れることを見い出した(A.Fujishima,K.Honda,Nature,238,37(1972))。上述の光電気化学的なエネルギー変換装置は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換すると同時に、無尽蔵の天然資源である水を分解してクリーンな燃料としての利用が期待される水素を発生するものであり、注目すべきものである。
【0005】
ここで電極材料として用いられている酸化チタンは、光電気化学的に安定であり、光電気化学的なエネルギー変換装置等の光半導体電極材料として優れた面を有しているが、そのバンドギャップは3.0eVと大きく、太陽光とのスペクトルマッチングが悪い。このため、電極材料等に酸化チタンを用いた場合には、光電変換効率に優れたエネルギー変換装置が得られないという問題がある。
【0006】
このような現状の下、酸化チタンの表面に有機色素を吸着させて増感させることが検討されている(H.Tsubomura,Sol.Energy,21,93(1978)。
一方、増感に寄与するのは酸化チタンの表面に吸着された色素のみであることから、光の利用効率を高める目的で、光半導体電極の材料等として、比表面積の大きな酸化チタンを用いることが提案されている(特開平1−220380号公報)。
【0007】
上述の比表面積の大きな金属酸化物薄膜を作製する手段としては、金属アルコキシドの加水分解コロイド法が提案されている(特開平3−114150号公報)。この金属アルコキシドの加水分解コロイド法は、金属アルコキシドのアルコール溶液に、分散の安定のために硝酸などの解謬剤の共存下で、過剰量の水を加えて加熱し、金属アルコキシドを加水分解させて、金属酸化物の微粒子が分散したコロイド溶液を得た後、このコロイド溶液を塗布し、焼結させて金属酸化物微粒子薄膜を作製する方法である。
この方法によると、平均粒径が数10nm程度の酸化チタン超微粒子が堆積した膜が得られるが、空隙の大きさが該酸化チタン超微粒子の大きさよりも小さいため、比表面積はある程度大きいものの、金属酸化物微粒子薄膜の厚みを厚くすると、色素が該金属酸化物微粒子薄膜の内部にまで浸透しにくくなり、単位膜厚当たりの色素吸着量が減少してしまうという問題がある。
【0008】
比表面積の大きな金属酸化物薄膜を作製する他の手段として、チタンアルコキシドを原料とし、等モルから2倍モル程度の水を加えて加熱し、部分的にチタンアルコキシドが加水分解した透明ゾルを作製して、これにポリエチレングリコールなどを混合して焼成することにより、表面に細孔を有する酸化チタン薄膜を形成する方法が提案されている(特開平8−099041号公報)。
しかしながら、この方法の場合、細孔以外の部分は緻密な膜となるため吸着量が少なく、また、一回で塗布できる薄膜の厚みが0.05μm以下と極めて薄く、吸着量が大きな膜を得るためには数多くの塗布/焼成の繰り返しが必要になるという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、効率良くエネルギーを変換し得る素子等に容易に加工できる金属酸化物微粒子凝集体、及び該金属酸化物微粒子凝集体を簡便にかつ効率良く製造することができる金属酸化物微粒子凝集体の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の発明者等は、金属酸化物微粒子及びその薄膜の作製について鋭意研究を重ねた結果、以下の知見を得た。即ち、特定の官能基を有する高分子化合物を含む雰囲気中で該金属酸化物前駆体を反応させると、生成する金属酸化物微粒子凝集体の構造を制御できるという知見である。
本発明は、本発明の発明者等の前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段は以下の通りである。即ち、
<1> ポリアクリル酸と、金属アルコキシドを溶解し且つ該金属アルコキシドと反応しない溶媒と、を含む溶液中において金属アルコキシドを反応させて金属酸化物微粒子を生成する金属酸化物微粒子凝集体の製造方法であって、前記反応が、前記溶媒に、前記金属アルコキシド、前記金属アルコキシドのアルコキシル基を十分に加水分解することができない程度少量の水、及び触媒を加えた混合溶液を環流することにより、前記金属アルコキシドを部分的に加水分解させる環流工程と、環流された前記混合溶液に前記ポリアクリル酸を添加し、部分的に加水分解された前記金属アルコキシドと前記ポリアクリル酸中のカルボキシル基とを塩形成反応より結合させて透明ゾルを調製する透明ゾル調製工程と、前記透明ゾルをゲル化して複合ゲルを生成する複合ゲル形成工程と、前記複合ゲルを所定温度範囲内に保持することにより、金属酸化物微粒子コロイド分散ゾルを生成する金属酸化物微粒子コロイド分散ゾル形成工程と、を含む金属酸化物微粒子凝集体の製造方法である。
<2> 前記金属アルコキシドは、チタンのアルコキシドであり、前記金属酸化物微粒子凝集体は、チタン酸化物微粒子である前記<1>に記載の金属酸化物微粒子凝集体の製造方法である。
<3> 前記複合ゲル形成工程は、前記透明ゾルに過剰量の水を加え、所定温度範囲内に保持する前記<1>または前記<2>に記載の金属酸化物微粒子凝集体の製造方法である。
<4> 前記反応は、前記複合ゲルを所定温度範囲内に保持することにより、前記金属酸化物微粒子コロイド分散ゾルを乾燥または焼結する乾燥焼結工程と、を含む前記<1>から前記<3>の何れか1つに記載の金属酸化物微粒子凝集体の製造方法である。
<5> 前記乾燥焼結工程は、前記金属酸化物微粒子コロイド分散ゾルを薄膜状に塗布した後に、前記金属酸化物微粒子コロイド分散ゾルを乾燥または焼結する前記<4>に記載の金属酸化物微粒子凝集体の製造方法である。
<6> 前記金属酸化物微粒子凝集体が薄膜である前記<1>から<5>の何れか1つに記載の金属酸化物微粒子凝集体の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の金属酸化物微粒子凝集体の製造方法を説明すると共に、該説明を通じて本発明の金属酸化物微粒子凝集体の内容を明らかにする。
本発明の金属酸化物微粒子凝集体の製造方法においては、ポリアクリル酸と、金属アルコキシドを溶解し且つ該金属アルコキシドと反応しない溶媒と、を含む溶液中において金属アルコキシドを反応させて金属酸化物微粒子を生成する。以下に本発明の金属酸化物微粒子の製造方法に用いる主な成分や操作手順乃至工程等について説明する。
【0012】
前記金属アルコキシドは、一般式、M(OR)nで表される。ここで、Mは、金属元素を表す。Rは、アルキル基を表す。nは、金属元素の酸化数を表す。
前記金属アルコキシドとしては、例えば、亜鉛ジエトキシド等の亜鉛ジアルコキシド、タングステンヘキサエトキシド等のタングステンヘキサアルコキシド、バナジルジエトキシド等のバナジルジアルコキド、すずテトライソプロポキシド等のすずテトラアルコキシド、ストロンチウムジイソプロポキシド等のストロンチウムジアルコキシド、チタニウムテトライソプロポキシド等のチタニウムテトラアルコキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐久性、半導体特性の点でチタニウムテトラアルコキドが好ましい。
【0013】
また、本発明においては、前記金属酸化物微粒子としてチタン酸ストロンチウム等の複合酸化物微粒子を得る場合には、前記金属アルコキシドとして、該複合酸化物微粒子の成分である少なくとも2種の金属を分子中に含むダブルアルコキシド等を使用することができる。この場合において、前記複合酸化物微粒子の成分である少なくとも2種の金属は、目的に応じて適宜選択することができる。
【0014】
なお、前記金属酸化物微粒子として酸化チタン微粒子を得る場合、前記金属アルコキシドとしては、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラノルマルプロポキシド、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトラノルマルブトキシド、チタニウムテトライソブトキシド、チタニウムテトラターシャリーブトキシドなどが好適に使用できる。これらの中でもチタニウムテトライソプロポキシドが好ましく、また、後述の実施例において使用したものが好ましい。
【0015】
前記溶液には溶媒が含まれており、該溶媒としては、有機溶媒が好適に挙げられる。本発明においては、前記該有機溶媒には極少量の水が含まれていてもよい。前記有機溶媒としては、前記金属アルコキシドを溶解し、かつ前記金属アルコキシドと反応しない性質を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、ベンゼンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの有機溶媒の中でも、溶解性の点でアルコール類が好ましく、その中でも反応制御性の点でメタノール、エタノール、イソプロパノールが特に好ましい。
なお、本発明においては、前記溶液は、本発明の効果を害しない範囲において、目的に応じて適宜選択したその他の成分を含むことができる。
【0017】
前記ポリアクリル酸は、水溶性の高分子化合物であり、上述のアルコール類等の有機溶媒には不溶であるが、該アルコール類等の有機溶媒中で前記金属アルコキシドを部分的に加水分解させた溶液には容易に溶解し、均一な溶液となる性質を有する。これは、ポリアクリル酸のカルボキシル基と金属アルコキシドが塩形成反応により結合し、高分子錯体状の化合物が形成されるためである。
【0018】
本発明の金属酸化物微粒子凝集体の操作手順乃至工程は、具体的には以下の通りである。即ち、
まず、前記金属アルコキシドを前記溶媒(例えば、アルコール類等の有機溶媒)に添加する。ここに、前記金属アルコキシドが部分的に加水分解するのに必要な水と触媒としての塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等の酸等とを添加する。ここで添加する水及び酸等の量は、用いる前記金属アルコキシド(以下「金属酸化物前駆体」と称することがある)の加水分解のし易さの程度により異なるので、一概に規定することはできないが、本発明の効果を害しない範囲で適宜選択することができる。
以上により、前記金属アルコキシドと前記溶媒(例えば、アルコール類等の有機溶媒)と前記水と前記触媒(例えば酸)とによる混合溶液が得られる。
本発明においては、以上の混合溶液を得る工程を「混合溶液調製工程」と称することがある。
【0019】
次に、前記混合溶液を室温〜80℃で撹拌しながら乾燥窒素気流下で還流する。前記還流温度及び時間も、用いる前記金属酸化物前駆体の加水分解のし易さの程度により異なるので、一概に規定することはできないが、本発明の効果を害しない範囲で適宜選択することができる。
前記還流の結果、前記金属アルコキシドは部分的に加水分解された状態になる。即ち、前記混合溶液に含まれる前記水の量は、前記金属アルコキシドのアルコキシル基を十分に加水分解することができない程度少量であるため、一般式、M(OR)nで表される前記金属アルコキシドにおいては、その全−OR基の一部しか加水分解されず、結果として部分的に加水分解された状態になる。この部分的に加水分解された状態の前記金属アルコキシドにおいては、重縮合反応は進行していない。このため、該金属アルコキシド間において−M−O−M−の鎖は形成されていても、該金属アルコキシドはオリゴマー状態にある。このオリゴマー状態にある前記金属アルコキシドを含む前記還流後の混合溶液は、無色透明で粘度の上昇もほとんどない。
本発明においては、以上の還流を行う工程を「還流工程」と称することがある。
【0020】
次に、前記還流後の混合溶液の温度を室温にまで下げてから、該混合溶液に前記カルボキシル基を有する高分子化合物(好ましくはポリアクリル酸)を添加する。
すると、本来、アルコール類等の有機溶媒には溶解し難い前記カルボキシル基を有する高分子化合物が、この混合溶液には容易に溶解し、前記カルボキシル基を有する高分子化合物と前記金属アルコキシドとを少なくとも含む透明ゾルが得られる。これは、前記カルボキシル基を有する高分子化合物のカルボキシル基と前記金属アルコキシドとが塩形成反応により結合し、高分子錯体状の化合物が形成されるためである。この透明ゾルは、通常、無色透明な均一溶液である。
本発明においては、以上の透明ゾルを得る行う工程を「透明ゾル調製工程」と称することがある。
【0021】
この透明ゾルに更に過剰量の水を加えて、室温〜90℃程度に保持して更に反応を継続させると数分間〜1時間程度で該透明ゾルがゲル化し、前記カルボキシル基を有する高分子化合物と前記金属アルコキシドとを少なくとも含む架橋状構造の複合ゲルが形成される。
本発明においては、以上の複合ゲルを得る工程を「複合ゲル形成工程」と称することがある。
【0022】
そして、前記複合ゲルを室温〜90℃程度(通常、80℃程度)の温度で5〜50時間保持し、更に反応を継続させる。
すると、該複合ゲルは再び溶解し、半透明な金属酸化物微粒子コロイド分散ゾルが得られる。これは、前記金属アルコキシドの加水分解反応及び重縮合反応が進行すると共に、前記カルボキシル基を有する高分子化合物と前記金属アルコキシドとによる塩構造が分解して金属酸化物微粒子とカルボン酸エステルとに変化することによるものである。
本発明においては、以上の半透明な金属酸化物微粒子コロイド分散ゾルを得る工程を「金属酸化物微粒子コロイド分散ゾル形成工程」と称することがある。
【0023】
以上により得られた半透明な金属酸化物微粒子コロイド分散ゾルを乾燥乃至焼結することにより、金属酸化物微粒子凝集体が得られる。
前記乾燥は、例えば、風乾でもよいし、オーブン等の乾燥器を用いて行う乾燥でもよく、乾燥の温度等も目的に応じて適宜選択することができる。前記乾燥により金属酸化物微粒子が凝集してなる金属酸化物微粒子凝集体が得られる。
前記焼結は、例えば炉等を用いて行うことができ、焼結の温度としては、金属酸化物微粒子の種類により異なり、一概に規定することはできないが、約400℃以上の温度が一般に採用される。前記焼結により、金属酸化物微粒子の結晶化と金属酸化物微粒子同士の焼結とが進行すると同時に高分子相が熱分解して、金属酸化物微粒子が相分離状に凝集した金属酸化物微粒子が形成される。また、このとき、前記金属酸化物微粒子コロイド分散ゾルを基材上に塗布した場合には、前記焼結により該基材を、金属酸化物微粒子が被覆された基材とすることができる。前記焼結により、金属酸化物微粒子が互いに焼結ししてなる金属酸化物微粒子凝集体が得られる。
本発明においては、以上の乾燥乃至焼結する工程を「乾燥・焼結工程」と称することがある。
【0024】
なお、本発明においては、前記金属酸化物微粒子コロイド分散ゾル形成工程を省略して前記複合ゲルにそのまま前記乾燥乃至焼結を行って金属酸化物微粒子凝集体を得てもよい。
【0025】
該金属酸化物微粒子凝集体の形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記金属酸化物微粒子コロイド分散ゾルを、粒子状にしてから乾燥、焼結等すれば、二次粒子の形態の金属酸化物微粒子凝集体が得られ、薄膜状にしてから乾燥乃至焼結等すれば、金属酸化物微粒子薄膜が得られる。本発明においては、これらの中でも金属酸化物微粒子薄膜が特に好ましい。
【0026】
最終的に得る金属酸化物微粒子凝集体として金属酸化物微粒子薄膜を得るためには、前記乾燥乃至焼結の前に前記金属酸化物微粒子コロイド分散ゾルを薄膜状にしておくか、あるいは、前記焼結により得た金属酸化物微粒子凝集体を粉砕し、適当な樹脂と有機溶媒との混合溶液等中に分散し、これを薄膜状に塗布し乾燥乃至焼結等することが必要である。なお、前記金属酸化物微粒子コロイド分散ゾルを薄膜状にするには、例えば、該金属酸化物微粒子コロイド分散ゾルを適宜選択した基板上に塗布すること等により行うことができる。
前記塗布の方法としては、例えば、ディップコーティング法、スピンコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法等の公知のコーティング法の中から適宜選択することができる。
【0027】
本発明の金属酸化物微粒子凝集体の製造方法においては、拡散が規制された複合ゲル中で金属酸化物微粒子の形成反応が進行するため、粗大粒子の形成や、粒子の沈降による凝集等が起こらず、粒径の小さな超微粒子が均一に分散した金属酸化物微粒子コロイド分散ゾルを得ることができる。また、前記金属アルコキシドの加水分解反応及び脱水縮合反応の過程を通して、高分子錯体状の均一相であったものが、高分子相と金属酸化物ネットワーク相とに分離し、ミクロ相分離構造の金属酸化物微粒子凝集体が効率よく形成される。
【0028】
本発明においては、得られる金属酸化物微粒子凝集体における個々の金属酸化物微粒子の大きさ、該金属酸化物微粒子の凝集構造の周期や凝集相と空隙相との体積比等については、例えば、前記金属アルコキシドに対する前記カルボキシル基を有する高分子化合物の添加量と、前記金属アルコキシドと前記カルボキシル基を有する高分子化合物とを合わせた固形成分の前記混合溶液全体に対する割合で所望の程度に制御することができる。即ち、前記カルボキシル基を有する高分子化合物の添加量を増やすと、得られる金属酸化物微粒子凝集体における空隙相の体積比が増し、前記金属アルコキシドと前記カルボキシル基を有する高分子化合物とを合わせた固形成分の前記混合溶液全体に対する割合を減らすと、得られる金属酸化物微粒子凝集体の凝集構造の周期が小さくなり、空隙相の密度は増すが、金属酸化物微粒子凝集体そのものの大きさは大きくなる。
【0029】
前記金属アルコキシドに対する前記カルボキシル基を有する高分子化合物の添加量としては、前記固形成分の前記混合溶液全体に対する割合に応じて異なるため、一概には規定することはできないが、一般には重量比で0.1〜1が好ましく、0.2〜0.8がより好ましい。
前記重量比が、0.1未満であると、−M−O−M−の大きな3次元ネットワークが成長してしまうため、複合ゲルが再溶解せず、1を越えると、比較的大きな空隙が生じ不透明な金属酸化物の粒子乃至膜となってしまう。
【0030】
前記固形成分の前記混合溶液全体に対する割合としては、前記金属アルコキシドに対する前記カルボキシル基を有する高分子化合物の添加量に応じて異なるため、一概には規定することはできないが、一般には1〜10wt%が好ましく、2〜5wt%がより好ましい。
前記割合が、1wt%未満であると、複合ゲル化反応の進行が遅く、流動性の高い透明ゾル状態で金属酸化物微粒子が形成され、粗大な微粒子が形成され、10wt%を越えると透明ゾルから複合ゲルへの進行が速く、均一な複合ゲルが得られないことがある。
【0031】
次に、本発明の好ましい態様の一例である、チタニウムテトライソプロポキシドを用いた酸化チタン微粒子凝集体を製造する場合について説明する。
まず、チタニウムテトライソプロポキシドをアルコールに添加して混合溶液を調製する。このとき、該アルコールには、水と触媒としての酸とが添加されるが、該水はチタニウムテトライソプロポキシドに対して0.1倍モル〜等モル程度、該酸はチタニウムイソプロポキシドに対して0.05倍モル〜0.5倍モル程度それぞれ添加するのが好ましい。
次いで、チタニウムテトライソプロポキシドとアルコールと水と酸とによる混合溶液を、室温〜80℃で撹拌しながら乾燥窒素気流下で還流する。ここでの還流温度及び時間は、80℃で30分〜3時間程度が好ましい。この還流の結果、透明な混合溶液が得られる。この混合溶液中では、チタニウムテトライソプロポキシドは部分的に加水分解された状態になっており、オリゴマー状態にある。
【0032】
そして、この混合溶液の温度を室温にまで下げて、この混合溶液にポリアクリル酸を添加する。すると、本来アルコールには解けにくいポリアクリル酸がこの混合溶液には容易に溶解し無色の透明ゾルが得られる。これは、ポリアクリル酸のカルボン酸とチタニウムテトライソプロポキシドとが塩形成反応により結合し、高分子錯体状の化合物が形成されるためである。
この透明ゾルに更に過剰量の水を加えて、室温〜80℃に保持すると数分間〜1時間程度で該透明ゾルがゲル化し、ポリアクリル酸とチタニウムテトライソプロポキシドとを少なくとも含む架橋状構造の複合ゲルが形成される。
【0033】
この複合ゲルを80℃程度で5〜50時間保持すると、該複合ゲルは再び溶解し半透明なゾルが得られる。これは、チタニウムテトライソプロポキシドの加水分解反応及び重縮合反応が進行すると共に、ポリアクリル酸とチタニウムテトライソプロポキシドとの塩構造が分解して、酸化チタンとカルボン酸エステルとに変化するためである。
こうして得られたゾル溶液を、ディップコーティング法等によって適当な基板に塗布し、約400℃以上の高温に加熱する。すると、酸化チタン微粒子の結晶化と酸化チタン微粒子同士の焼結が進行すると同時に高分子相が熱分解して、酸化チタンが相分離状に凝集した酸化チタン微粒子凝集体(薄膜)が形成される。
【0034】
チタニウムテトライソプロポキシドに対するポリアクリル酸の量としては、重量比で0.3〜0.7が好ましい。前記重量比が、0.3未満であると−M−O−M−の大きな3次元ネットワークが成長してしまい、ゲルが再溶解せず、0.7以上であると、比較的大きな空隙が生じ不透明な膜となってしまう。
また、チタニウムテトライソプロポキシドとポリアクリル酸との固形成分の前記混合溶液全体に対する割合としては、1wt%〜10wt%が好ましい。前記割合が、1wt%以下であると、複合ゲル化反応の進行が遅く、流動性の高いゾル状態で酸化チタン微粒子が形成され、粗大な酸化チタン微粒子が形成され、10wt%を越えると、透明ゾルから複合ゲルへの進行が速く、均一な複合ゲルが得られない。
【0035】
本発明の金属酸化物微粒子凝集体は、金属酸化物微粒子からなり、該金属酸化物微粒子が複数個凝集した相と金属酸化物微粒子が無い空隙相とに分離した相分離状構造を有する。前記金属酸化物微粒子凝集体においては、それ自身が二次粒子としての、あるいは薄膜としての形態を維持するために、金属酸化物微粒子が凝集した相は、3次元的に連続したネットワーク状の連続相を呈している。このような構造をとることにより、前記金属酸化物微粒子凝集体においては、金属酸化物微粒子同士の間に体積の小さな空隙や、金属酸化物微粒子凝集相同士の間にそれよりも大きい空隙が生ずる。
【0036】
従来におけるように(既述)、比表面積の大きな金属酸化物薄膜を形成する方法として、金属酸化物微粒子を堆積する方法は有効ではあるものの、該薄膜における空隙の大きさは該金属酸化物微粒子の径以下であるため、例えば、該薄膜を色素増感光電極として利用しても、色素が該薄膜の内部にまで浸透しにくく、結果的には単位膜厚当たりの色素吸着量は小さくなってしまう。
これに対して、本発明の金属酸化物微粒子凝集体(好ましくは薄膜)の場合、金属酸化物微粒子が凝集した相と金属酸化物微粒子が無い空隙相とに分離した相分離状構造が形成され、体積の大きな空隙が該金属酸化物微粒子凝集体に生ずるため、色素を該薄膜の奥深くまで浸透させることができる。
【0037】
なお、本発明における金属酸化物微粒子凝集体(好ましくは薄膜)の構造は、一つ一つの金属酸化物微粒子の粒径と相分離の平均的な空間周期、相分離構造のトポロジー、凝集相と空隙相との体積比等により規定することができる。
本発明の金属酸化物微粒子凝集体(好ましくは薄膜)の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、これらに色素吸着を行い、光電変換素子等として用いる場合には、色素の浸透のための空間を確保するため、相分離の平均的な空間周期が少なくとも金属酸化物微粒子の粒径よりも大きいことが要請される。また、該空間周期が、薄膜の厚み、素子の大きさと比較して十分に小さいことが、素子の特性の空間的なばらつきを抑えることができる点で好ましい。また、該薄膜全体に色素などを浸透させるためには、金属酸化物微粒子凝集体における凝集相中の色素等の拡散長と同程度の周期にすることが好ましい。
【0038】
金属酸化物微粒子凝集体の粒径としては、特に制限はなく、目的に応じてその最適値は異なるが、比表面積を大きくするという観点からは小さい方が好ましい。特に金属酸化物微粒子凝集体を色素増感光電極等として利用する場合には、前記粒径は100nm以下であるのが好ましい。
【0039】
本発明において、前記粒径以外に前記金属酸化物微粒子凝集体の構造を規定するパラメーターは特に制限を受けないが、相分離構造のトポロジーにおいては、凝集相が3次元的に連続していることが素子の機械的強度、電子的な特性の観点から重要になる。凝集相と空隙相との体積比としては、特に制限はないが、必要以上の空隙相が存在すると単位膜厚当たりの表面積が低下する点で不利になる。
【0040】
前記金属酸化物としては、特に制限はないが、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化すず、酸化銅、チタン酸ストロンチウム等が好適に挙げられる。これらの中でも、本発明の金属酸化物微粒子凝集体を光電極等として利用する場合には、光照射時に溶解する等の問題がない安定な酸化チタン、チタン酸ストロンチウム等が特に好適に挙げられる。
【0041】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0042】
(実施例1)
チタニウムテトライソプロポキシド6.41gをエタノール20mlで希釈し、撹拌しながら比重1.38の硝酸0.514g及び水0.2mlを添加して混合溶液を調製した。以上の操作は乾燥窒素気流下で行った。この混合溶液を80℃に昇温し、乾燥窒素気流下で2時間還流して、無色透明の混合溶液を得た。
この混合溶液を室温まで冷却した後、該混合溶液2gに対して撹拌しながらポリアクリル酸0.1gを添加したところ、ポリアクリル酸は完全に溶解し無色の透明ゾルが得られた。この透明ゾルに更に水2mlを添加して無色で均一な透明ゾルを得た。
【0043】
この透明ゾルをガラス容器に密閉して80℃に昇温した。透明ゾルは5分ほどで複合ゲル化し、ほぼ透明で均一な複合ゲルが得られた。
80℃で更に15時間反応を継続させると該複合ゲルは再び溶解してやや白っぽい半透明の酸化チタン微粒子コロイド分散ゾルとなった。この酸化チタン微粒子コロイド分散ゾルをスピンコート法にてガラス基板上に塗布し、薄膜を形成した。
この薄膜を450℃に昇温し20分保持して乾燥乃至焼成し、無色透明な酸化チタン微粒子薄膜を得た。
【0044】
この塗布乃至焼成の工程を繰り返し、膜厚の異なる酸化チタン微粒子薄膜を作製した。得られた酸化チタン微粒子薄膜の結晶構造をX線回折により調べた結果、アナターゼ型の酸化チタンが形成されていることが確認された。また、酸化チタン微粒子薄膜の微細構造をSEM観察により調べたところ、相分離状の凝集組織が形成されていた。凝集相の更に微細な構造をTEM観察により調べたところ、この凝集相は直径約10nmの酸化チタン微粒子が凝集していること、また、電子線回折からこの酸化チタン微粒子がアナターゼ型の酸化チタンであることが確認された。
【0045】
得られた酸化チタン微粒子薄膜の特性を調べるため、該酸化チタン微粒子薄膜を、下記構造式(1)で表されるキサンテン系色素のエタノール溶液(濃度10-2mol/l)に浸漬して色素の吸着処理を行った。図1に酸化チタン微粒子薄膜の吸収スペクトルを示した。図2に酸化チタン微粒子薄膜と吸収スペクトルのピークの吸光度との関係を示した。
【0046】
【化1】
【0047】
(比較例1)
チタニウムテトライソプロポキシド6.41gをエタノール20mlで希釈し、撹拌しながら比重1.38の硝酸0.514g及び水0.2mlを添加して混合溶液を調製した。以上の操作は乾燥窒素気流下で行った。この混合溶液を80℃に昇温し、乾燥窒素気流下で2時間還流して、無色透明の混合溶液を得た。この混合溶液を室温まで冷却した後、該混合溶液2gに対して水2mlを添加して無色で均一な透明ゾルを得た。この透明ゾルをガラス容器に密閉して80℃に昇温した。透明ゾルは1時間ほどでゲル化し、やや白く濁った均一なゲルが得られる。80℃で更に50時間保持したがゲルは溶解しなかった。なお、この間、ゲルは徐々に収縮し最終的には体積が初めの1/4程度になった。
比較例1では、酸化チタン微粒子薄膜は得られなかった。なお、得られた酸化チタン微粒子凝集体に対し、実施例1と同様の色素吸着処理を行ったが、色素の吸着はほとんど認められなかった。
【0048】
(比較例2)
チタニウムテトライソプロポキシド6.41gをエタノール20mlで希釈し、撹拌しながら比重1.38の硝酸0.514g及び水0.2mlを添加して混合溶液を調製した。以上の操作は乾燥窒素気流下で行った。この混合溶液を80℃に昇温し、乾燥窒素気流下で2時間還流して、無色透明の混合溶液を得た。この混合溶液をスピンコート法にてガラス基板上に薄膜状に塗布した。この薄膜の形成されたガラス基板を450℃に昇温し、20分保持して乾燥乃至焼成し、無色透明な薄膜を得た。
該薄膜の微細構造をSEM観察により調べたところ、明瞭な組織は観察できず均一で緻密な構造であった。更に微細な構造をTEM観察により調べたがやはり明瞭な組織は観察できなかった。
該薄膜を、実施例1と同様にして構造式(1)に示すキサンテン系色素のエタノール溶液(濃度10-2mol/l)に浸漬して色素の吸着処理を行ったが、色素の吸着はほとんど認められなかった。図1に、該薄膜の吸収スペクトルを示した。
【0049】
(比較例3)
比重1.38の硝酸1.544g及び水150mlの混合溶液に、激しく撹拌しながらチタニウムテトライソプロポキシド25gを添加して混合溶液を調製した。以上の操作は乾燥窒素気流下で行った。この混合溶液を80℃に昇温し、乾燥窒素気流下で8時間還流して、半透明の混合溶液を得た。この混合溶液にポリエチレングリコールモノオクチルフェニルエーテル2.0gを添加した。この混合溶液をスピンコート法にてガラス基板上に薄膜状に塗布した。この薄膜を450℃に昇温し、20分保持して乾燥乃至焼成し、無色透明な薄膜を得た。この塗布/乾燥乃至焼成の工程を繰り返して厚みの異なる膜を作製した。
該膜の微細構造をSEM観察により調べたところ、明瞭な組織は観察できず均一で緻密な構造であった。更に微細な構造をTEM観察により調べたところ、直径20nmの微粒子から構成されていることが確認された。
該膜を、実施例1と同様にして構造式(1)に示すキサンテン系色素のエタノール溶液(濃度10-2mol/l)に浸漬して色素の吸着処理を行った。図1に膜の吸収スペクトルを示した。また、図2に、膜厚と吸収スペクトルのピークの吸光度との関係を示した。
これらの図からも明らかなように、比較例3では、膜厚が増加するにつれて吸光度は飽和する傾向が観られ、また、その絶対値も実施例1に比べ低く、色素の吸着能の劣るものであった。
【0050】
(実施例2)
実施例1と同様にして酸化チタン微粒子薄膜を作製し、その酸化チタン微粒子薄膜を下記構造式(2)で表すRu錯体のエタノール溶液(濃度10-3mol/l)に浸漬し色素吸着処理を行った。図3に、膜厚と吸収スペクトルのピークの吸光度との関係を示した。図3からも明らかなように、実施例2では、実施例1と同様に良好な結果が得られた。
【0051】
【化2】
【0052】
(比較例4)
比較例2と同様にして酸化チタン微粒子薄膜を作製し、その薄膜を構造式(2)に示したRu錯体のエタノール溶液(濃度10-3mol/l)に浸漬し、色素吸着処理を行った。図3に膜厚と吸収スペクトルのピークの吸光度との関係を示した。図3からも明らかなように、比較例4では、膜厚が増加するにつれて吸光度は飽和する傾向がみられ、またその絶対値も実施例2に比べ低く、色素の吸着能の劣るものであった。
【0055】
【発明の効果】
本発明によると、前記従来における諸問題を解決することができる。また、本発明によると、効率良くエネルギーを変換し得る素子等に容易に加工できる金属酸化物微粒子凝集体、及び該金属酸化物微粒子凝集体を簡便にかつ効率良く製造することができる金属酸化物微粒子凝集体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1、比較例2及び比較例3において作製された薄膜の吸収スペクトルを示す図である。
【図2】図2は、実施例1及び比較例3において作製された薄膜の膜厚と吸収スペクトルのピークの吸光度との関係を示す図である。
【図3】図3は、実施例2及び比較例4において作製された薄膜の膜厚と吸収スペクトルのピークの吸光度との関係を示す図である。
Claims (6)
- ポリアクリル酸と、金属アルコキシドを溶解し且つ該金属アルコキシドと反応しない溶媒と、を含む溶液中において金属アルコキシドを反応させて金属酸化物微粒子を生成する金属酸化物微粒子凝集体の製造方法であって、
前記反応が、
前記溶媒に、前記金属アルコキシド、前記金属アルコキシドのアルコキシル基を十分に加水分解することができない程度少量の水、及び触媒を加えた混合溶液を環流することにより、前記金属アルコキシドを部分的に加水分解させる環流工程と、
環流された前記混合溶液に前記ポリアクリル酸を添加し、部分的に加水分解された前記金属アルコキシドと前記ポリアクリル酸中のカルボキシル基とを塩形成反応より結合させて透明ゾルを調製する透明ゾル調製工程と、
前記透明ゾルをゲル化して複合ゲルを生成する複合ゲル形成工程と、
前記複合ゲルを所定温度範囲内に保持することにより、金属酸化物微粒子コロイド分散ゾルを生成する金属酸化物微粒子コロイド分散ゾル形成工程と、
を含む金属酸化物微粒子凝集体の製造方法 - 前記金属アルコキシドは、チタンのアルコキシドであり、前記金属酸化物微粒子凝集体は、チタン酸化物微粒子である請求項1に記載の金属酸化物微粒子凝集体の製造方法。
- 前記複合ゲル形成工程は、前記透明ゾルに過剰量の水を加え、所定温度範囲内に保持する請求項1または請求項2に記載の金属酸化物微粒子凝集体の製造方法。
- 前記反応は、
前記金属酸化物微粒子コロイド分散ゾルを乾燥または焼結する乾燥焼結工程を含む請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の金属酸化物微粒子凝集体の製造方法。 - 前記乾燥焼結工程は、前記金属酸化物微粒子コロイド分散ゾルを薄膜状に塗布した後に、前記金属酸化物微粒子コロイド分散ゾルを乾燥または焼結する請求項4に記載の金属酸化物微粒子凝集体の製造方法。
- 前記金属酸化物微粒子凝集体が薄膜である請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の金属酸化物微粒子凝集体の製造方法。
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