JP4672973B2 - 酸化チタンを含む金属酸化物構造体及びその製造方法ならびにその用途 - Google Patents

酸化チタンを含む金属酸化物構造体及びその製造方法ならびにその用途 Download PDF

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Description

本発明は、太陽電池用途等に好適な酸化チタンを含む金属酸化物構造体の製造方法に関する。
現在の太陽電池はシリコン型太陽電池が主流となっているが、有害な原料の使用、高コストな製法等の観点から、新たな形式の太陽電池の研究、開発が行われて来た。
色素増感型太陽電池はその一つであり、1991年にローザンヌ工科大学のグレッツエル等によって報告(例えば非特許文献1参照)されて以来、シリコン型に代わる太陽電池として研究開発が進められている。
一般的な色素増感型太陽電池は、図1で示されるような構造であり、色素電極、電解層、および対極の3つの部分から構成される。ここで色素電極6とは、導電性ガラス等の、電極基板の上に増感色素の結合した、酸化チタン等の金属酸化物層が形成されている電極を示し、また対極7とは、導電性ガラス等の電極基板の上に白金やグラファイトのような触媒層が形成された電極を指す。電解層4は、電解質が溶解した溶液で、色素電極と対極で挟み込まれた部分である。ここでいう電極基板とは、ガラスや有機重合体等の電極基材にFTO,ITO等を塗布、乾燥させたものを示す。
光電変換の機構は次のように説明されている。
まず、増感色素が光を吸収し、電子と正孔を発生する。発生した電子は金属酸化物層を通じて電極基板に到達し、外部へと取り出される。一方、発生した正孔は、電解層を通じて対極へと運ばれ、電極基板を通じて供給された電子と結合する。
色素増感型太陽電池の特性を示す指標として、下式で表される光電変換効率がある
η(%)=Jsc×Voc×FF/入射光エネルギー×100
(式中、ηは光電変換効率、Jscは短絡電流密度[mA/cm]、Vocは開放電圧[V]、FFはフィルファクター[−]を示す。入射光エネルギーは単位面積当たりの入射光エネルギー[mW/cm]を示す。)。
光電変換効率ηは、色素電極の性能に依存する。色素電極の性能を高める要因として、金属酸化物の単位当たりの表面積を大きくして増感色素の担持量を増やし電子発生量を増加させること、金属酸化物粒子のネッキングを増やして電子伝達を円滑にすること等が挙げられる。ここでいう粒子のネッキングとは図2に示すような構造を表し、粒子同士の点接触構造とは区別される。
以下、金属酸化物の例として酸化チタンを挙げて説明する。
金属酸化物の単位当たりの表面積を大きくする方法としては、3〜10nmの細孔内径を有する酸化チタンを用いる方法(例えば特許文献1参照)が記載されている。これは、四塩化チタンから調製したゾルを加熱、乾燥させ、酸化チタン粒子を得るという方法である。しかし、四塩化チタン等を加水分解して得られる液相法酸化チタンは、その合成時の熱履歴が低いため、ネッキング構造が少ないという問題がある。
金属酸化物粒子のネッキングを増やすには、導電性ガラス等の基板に酸化チタン層を形成させた後、四塩化チタンで処理する方法が提案されている(例えば非特許文献2参照)。ここで、四塩化チタンは、酸化チタン粒子と反応して新たな結合を生じさせ、粒子同士をネッキングさせる働きを有する。しかし、このような四塩化チタン処理は、ネッキングを増やすものの、酸化チタン粒子表面の結晶性を低下させる、もしくは、格子欠陥を生じさせるという問題がある。結晶性が低かったり、格子欠陥が存在すると、酸化チタンの伝導帯エネルギー準位を低下させるため、太陽電池にした際の開放電圧が低下し、光電変換効率を下げてしまう。
別の電子移動促進方法として、粒径の異なる粒子群を混合させて粒子の充填密度を高める方法がある。例えば粒度分布において複数のピークを有する半導体粒子群を用いる方法の提案(例えば特許文献2参照)がなされている。しかし、単に複数の粒子群を混合するだけであり、粒子間の点接触を増やすのみであるため、ネッキング構造よりも電子移動の効率は悪い。

特開2001−283942号公報 特開2001−357899号公報 国際公開第01/16027号パンフレット 特開平6−304423号公報 特公昭36−3359号公報 M.Graezel,Nature,353,737,(1991) 例えば、C.J.Barbe et al.,J.Am.Ceram.Soc.,80,3157(1997)) 清野学著,「酸化チタン」技報堂(株),p.129,(1991) L.D.Hart and L.K.Hadson,The American Ceramic Society Bulletin,43,No.1,(1964)) 橋本和仁、藤嶋昭 編集、「酸化チタン光触媒のすべて」(株)シーエムシー,(1998) 「先端高機能材料(第6編 電磁気的機能材料 2.電池特性材料)」、NGTコーポレーション、p.439〜447、2001年
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の課題は、増感色素吸着量が多く、かつ、電子移動が円滑に行われる、光電変換効率の高い、太陽電池に好適な酸化チタン構造体及び金属酸化物構造体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究した結果、単位質量当たりの表面積が大きく、かつ、粒子同士がネッキングしている金属酸化物構造体を製造し得る方法を見出し、上記課題を解決するに至った。
すなわち、本発明は、
[1] 積分球式分光光度計による吸光度から算出したオプティカルバンドギャップ(以降、BGと称する。)が、2.7eV以上3.1eV以下であり、且つタップ密度が0.15g/cm以上、0.45g/cm以下であることを特徴とする酸化チタン構造体、
[2] 複数の粒度の異なる金属酸化物粉末を乾式混合した金属酸化物構造体であって、原料金属酸化物のBGをBG0とし、乾式混合後の金属酸化物のBGをBG1とした時に、BG0−BG1が0.01eV以上0.45eV以下である金属酸化物構造体。
[3] 金属酸化物を乾式混合する金属酸化物構造体の製造方法であって、原料金属酸化物のBGをBG0とし、乾式混合後の金属酸化物のBGをBG1とした時に、BG0−BG1が0.01eV以上0.45eV以下となるように混合する金属酸化物構造体の製造方法、
[4] 乾式混合が、ボールミル、高速回転粉砕機、撹拌ミル、ジェット粉砕機のうち少なくとも一つから選ばれる方法であることを特徴とする上記[3]に記載の金属酸化物構造体の製造方法、
[5] 乾式混合がボールミルによって行われ、その乾式混合におけるエネルギー定数k1が、混合する粉の総質量をwp(g)、メディア質量をwm(g)、ボールミル容器内径をd(m)、回転数をn(rpm)、混合時間をt(分)とした時に、
k1=wm/wp×d×n×t
なる関係で表されるk1が、3,000以上250,000以下である上記[3]に記載の金属酸化物構造体の製造方法、
[6] エネルギー定数k1が10,000以上150,000以下である上記[3]に記載の金属酸化物構造体の製造方法、
[7] エネルギー定数k1が10,000以上50,000以下である上記[3]に記載の金属酸化物構造体の製造方法、
[8] 原料金属酸化物が、BET法による比表面積から換算した平均一次粒子径が100〜500nmの範囲にある金属酸化物粉末(以降、粒子群Aと称する。)と、平均一次粒子径が10〜40nmの範囲にある金属酸化物粉末(以降、粒子群Bと称する。)より構成されることを特徴とする上記[3]乃至[7]のいずれかに記載の金属酸化物構造体の製造方法、
[9] 粒子群Bが、BET法による比表面積から換算した平均一次粒子径が20〜40nmの金属酸化物粉末(以降、粒子群Cと称する。)と10〜20nmの金属酸化物粉末(以降、粒子群Dと称する。)の混合物である上記[8]に記載の金属酸化物構造体の製造方法、
[10] 粒子群Bの平均比表面積が60m/g以上110m/g以下である上記[8]または[9]に記載の金属酸化物構造体の製造方法、
[11] 粒子群A乃至Dのうち少なくとも一つが、気相法で合成された金属酸化物である上記[8]乃至[10]のいずれかに記載の金属酸化物構造体の製造方法、
[12] タップ密度が0.15g/cm以上1.0g/cm以下である上記[3]乃至[11]のいずれかに記載の金属酸化物構造体の製造方法、
[13] 金属酸化物が酸化チタンであることを特徴とする上記[3]乃至[12]のいずれかに記載の酸化チタン構造体の製造方法、
[14] 金属酸化物が、酸化チタンと、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化タングステンから選ばれる少なくとも1種類以上の金属酸化物との混合物であることを特徴とする上記[3]乃至[12]のいずれかに記載の金属酸化物構造体の製造方法、
[15] 前項金属酸化物の混合物に含まれる酸化チタンの含量が、10質量%以上であることを特徴とする上記[14]に記載の金属酸化物構造体の製造方法、
[16] 上記[1]の酸化チタン構造体もしくは[2]の金属酸化物構造体または上記[3]乃至[15]のいずれかに記載の製造方法で得られた金属酸化物構造体に分散媒を加え、ボールミルにて湿式混合して金属酸化物構造体分散体を製造する方法であって、その湿式混合におけるエネルギー定数k2が、混合する粉の総質量をwp(g)、メディア質量をwm(g)、ボールミル容器内径をd(m)、回転数をn(rpm)、混合時間をt(分)とした時に、
k2=wm/wp×d×n×t
なる関係で表されるk2と、乾式混合におけるエネルギー定数k1の関係が
k2≧k1
で表されることを特徴とする金属酸化物分散体の製造方法、
[17] 湿式混合におけるエネルギー定数k2と、乾式混合におけるエネルギー定数k1の関係が
8.0×k1≧k2≧1.5×k1
で表されることを特徴とする上記[16]に記載の金属酸化物分散体の製造方法、
[18] 湿式混合におけるエネルギー定数k2と、乾式混合におけるエネルギー定数k1の関係が
5.0×k1≧k2≧2.5×k1
で表されることを特徴とする上記[16]に記載の金属酸化物分散体の製造方法、
[19] 上記[16]乃至[18]のいずれかに記載の製造方法で得られた酸化チタンを含む金属酸化物分散体、
[20] 上記[1]の酸化チタン構造体もしくは[2]に記載の金属酸化物構造体、上記[3]乃至[15]のいずれかに記載の製造方法で得られた金属酸化物構造体又は上記[19]に記載の酸化チタンを含む金属酸化物分散体を含む組成物、
[21] 上記[1]の酸化チタン構造体もしくは[2]に記載の金属酸化物構造体、上記[3]乃至[15]のいずれかに記載の製造方法で得られた金属酸化物構造体又は上記[19]に記載の酸化チタンを含む金属酸化物分散体を含む薄膜、
[22] 膜厚が、1μm以上40μm以下であることを特徴とする上記[21]に記載の金属酸化物構造体を含む薄膜、
[23] 上記[3]乃至[15]のいずれかに記載の金属酸化物構造体を色素増感型電極として含む色素増感型太陽電池の製造方法、
[24] 上記[3]乃至[15]のいずれかに記載の金属酸化物構造体および上記[17]乃至[19]のいずれかに記載の金属酸化物分散体を色素増感型電極として含む色素増感型太陽電池の製造方法、
[25] 上記[23]または[24]の製造方法で製造された色素増感型太陽電池、
[26] 上記[22]に記載の金属酸化物構造体を含む薄膜を構成要素とする色素電極を備えた色素増感型太陽電池、
[27] 色素電極から色素を除去した後の酸化チタンのBGが、2.7〜3.1eVであることを特徴とする色素増感型太陽電池、
[28] 上記[25]乃至[27]のいずれかに記載の色素増感型太陽電池を備えた発電機能を有する物品、
[29] 上記[25]乃至[27]のいずれかに記載の色素増感型太陽電池を備えた発光機能を有する物品、
[30] 上記[25]乃至[27]のいずれかに記載の色素増感型太陽電池を備えた発熱機能を有する物品、
[31] 上記[25]乃至[27]のいずれかに記載の色素増感型太陽電池を備えた音響発生機能を有する物品、
[32] 上記[25]乃至[27]のいずれかに記載の色素増感型太陽電池を備えた運動機能を有する物品、
を開発することにより上記の課題を解決した。
本発明により、増感色素吸着量が多く、かつ、電子移動を円滑にすることができる金属酸化物構造体、及びこれらの製造方法が提供される。
本発明の金属酸化物構造体によれば、光電変換効率の高い色素増感型太陽電池が得られるようになり、本発明は工業的に実用的な価値を有するものである。
本発明の金属酸化物構造体は、金属酸化物粒子の微小構造体を含む構造体である。すなわち、本発明の金属酸化物構造体は、粒子同士のネッキング構造(部分的な面接触構造)を含むことを特徴とする構造体である。
本発明の金属酸化物構造体は、BET法による比表面積から換算した平均一次粒子径が100〜500nmの範囲にある金属酸化物粉末(粒子群Aと称する。)と、平均一次粒子径が10〜40nmの範囲にある金属酸化物粉末(粒子群Bと称する。)を乾式混合することによって得られる。ここでいう乾式混合とは、水、有機溶媒等の分散媒を用いずに混合する方法を意味する。分散媒を用いる湿式混合では、衝突、摩擦等により発生するエネルギーが粒子だけでなく、分散媒にも拡散するため、メカノケミカル反応が生じにくい。重要なポイントは、乾式混合によってメカノケミカル反応を進め、粒子同士をネッキングさせることにある。
粒子群Aと粒子群Bが単に混合した状態では粒子同士の点接触部分があるだけであるため、図2に示すようなネッキング構造(部分的な面接触構造)を有する粒子構造に比べて電子移動の効率は悪い。電子移動を円滑にするためには粒子同士がネッキング構造を有していることが重要である。
ハロゲン化金属等を湿式で加水分解することで得られる、いわゆる液相法金属酸化物は合成時の熱履歴が低く、そのままではネッキング構造が少ないため、電子移動の効率は悪い。一方、ハロゲン化金属等を高温で酸素等の酸化性ガスと反応させる、いわゆる気相法によって得られる金属酸化物粒子群は合成時の熱履歴が高いため結晶性が高く、かつ、ネッキング結合を持ち、電子移動が容易で、電解液の拡散に有利な構造となる。この気相法の製造方法に特に制限はないが、例えば酸化チタンの場合、特許文献3,特許文献4,特許文献5等の方法によって合成することが出来る。
本発明の製造方法において、金属酸化物構造体を構成する金属酸化物は、少なくとも一つの粒子群は気相法で得られたものであることが好ましい。前述のように、気相法金属酸化物はそれ自身粒子同士がある程度ネッキング構造を取っており、かかる構造においては電子移動はある程度容易である。電子移動をより促進させるためには、ネッキング構造をとる粒子数を更に増加させれば良く、乾式混合によるメカノケミカル反応の採用はさらに効果的であるといえる。
また、気相法は他の製造方法に比べ、比較的一次粒子の粒度分布の狭い粉末が得られるため、粒子群Aまたは粒子群Bとして用いたとき、本発明の金属酸化物構造体として好ましい一次粒子の粒度分布を得やすい。
本発明の製造方法において、金属酸化物構造体を構成する粒子群Aは、主に太陽電池内部に進入した光線を電池内部で散乱させ、光吸収効率を高める働きを有する。色素増感型太陽電池では、紫外から近赤外領域にわたる光線を吸収し電子を発生するため、太陽電池内部で紫外から近赤外領域の光線を散乱させると増感色素等による光吸収の確率が高まることになる。一般に、光散乱は粒径が光波長の1/2程度であるとき最大になり、粒径がそれより外れると光散乱も弱まるといわれている(非特許文献3)。紫外から近赤外光線を散乱させるためには平均一次粒子径が100nmから500nmの範囲であることが望ましく、散乱させたい光線の波長に合わせて粒子径を選択することもできる。
粒子群Bは、増感色素を担持し、かつ、増感色素が発生させた電子を伝達する役割を持つ。増感色素は金属酸化物の表面水酸基、もしくは金属原子(以下、色素結合部と称する。)との化学結合により金属酸化物に担持されており、その結合を通じて電子を金属酸化物へと移動させる。よって金属酸化物と結合した増感色素量の増加に伴ない、電子移動数も増加することになる。金属酸化物、例えば酸化チタンの粒子表面には、表面水酸基が9から14個/nmあることが判っており(前述の非特許文献3、清野「酸化チタン」,p.54,55)、高比表面積を有する酸化チタンほど色素結合部が多くなる。太陽電池に好適な粒子群Bの比表面積は約40m/gから約150m/gであり、好ましくは約60m/g以上約110m/g以下である。
酸化チタンの場合、平均一次粒子径に換算すると約10nmから約40nm、好ましくは約13nmから約25nmとなる。平均一次粒子径が約10nmより小さい粒子群は、一般に結晶性が低く、電子移動が円滑に行われないため太陽電池用途には適していない。この結晶性の低さは、その合成の際、粒子成長を抑制するために熱履歴を低く抑えることに起因する。平均一次粒径が約40nmより大きな粒子群は比表面積が小さく、色素吸着量が不充分となる。粒子群Aと粒子群Bとの配合比は質量比でA/B=5/95〜30/70,好ましくはA/B=10/90〜20/80である。
円滑な電子移動のためには粒子同士がネッキング構造を持つと同時に、密に充填されている方が良く、充填密度を高めるためには平均粒径の異なる粒子群を組み合わせる方法が簡便である。特に、超微粒子に分類される粒子群Bはそのまま(単一粒子群)であっても良いが、充填密度が低いことが多いので、異径粒子群の組み合わせにより充填密度を高めた方が良い結果が得られる。組み合わせのベースとなる各々の粒子群の平均一次粒子径は、前述の粒子群Bに好適な粒径範囲から選択されるのが良く、平均一次粒子径が20〜40nmの粒子群Cと平均一次粒子径が10〜20nmの粒子群Dの組み合わせが好適である。粒子群Cと粒子群Dとの配合比は質量比で、C/D=10/90〜80/20、好ましくはC/D=15/85〜75/25である。
また、粒子群A、B、Cの化学組成は同一であってもいいし、お互い異なっていてもかまわない。
粒子の充填状態を示す指標の一つとしてタップ密度が挙げられる。充填密度が高まるに従い、値は増加する。タップ密度は以下の方法により測定される。
装置は、ホソカワミクロン(株)製粉体特性総合測定装置タイプPT−D等を用いる。試料を、補助カップを備えた100cmカップに充填し、測定装置にて100回タッピングさせる。補助カップを取り外した後、試料を正確に100cmとし、試料の質量(g)を測定する。タップ密度は粉体の質量(g)を100で除して得る。本発明における請求項に記載のタップ密度はここで規定された測定法によるものとする。
本発明の製造方法においては、得られる金属酸化物構造体のタップ密度を、0.15g/cm以上1.0g/cm以下にすることが好ましい。タップ密度が0.15g/cm未満である場合、充填密度が不足していることを示し、タップ密度が1.0g/cmより大きいと、金属酸化物構造体を分散体として利用する際に分散しにくくなる。分散状態の悪い金属酸化物構造体分散体は、金属酸化物構造体の空隙部分が少なく、色素増感型太陽電池にした際、電解質が金属酸化物層に拡散しにくくなり、金属酸化物層内部で電解質が不足する。電解質が不足すると電荷移動がスムースに進まなくなる。
乾式混合には、例えば、ボールミル、高速回転粉砕機、撹拌ミル、ジェット粉砕機等が用いられる。粒子群にメカノケミカル反応を生じさせるエネルギーを与えるものであればどのようなものを利用しても良いが、使用する機材はコンタミしにくい材質が好ましい。以下、ボールミルのうち、転動ボールミルを例に説明する。
転動ボールミルは最も汎用的な混合・粉砕方法であり、円筒状の容器を転動させることで起こる容器内の粉体とメディアの衝突、摩擦作用等を利用している。この場合のエネルギー定数kは、転動ボールミルによる混合、粉砕効果を統一して評価する指標として提案されており(非特許文献4)、下式で表される。
k=wm/wp×d×n×t
(式中、wpは混合する粉の総質量(g)、wmはメディア質量(g)、dはボールミル容器内径(m)、nは回転数(rpm)、tは混合時間(分)を示す。)
エネルギー定数が高くなるほど粉体が受ける衝突、摩擦エネルギーは増加し、メカノケミカル反応が進行するのであるが、それに伴なって凝集が激しくなる。
本発明の金属酸化物構造体の製造方法においては、乾式混合におけるエネルギー定数をkとしたとき、k1が、3,000以上250,000以下であることが望ましい。エネルギー定数k1が下限値を下回ると、メカノケミカル反応が不充分となり、粒子同士の結合が生じにくい。エネルギー定数k1が上限値よりも高いとメカノケミカル反応は進行するものの、金属酸化物構造体を分散体として利用する際に分散しにくく、得られる金属酸化物構造体の空隙部分が少なくなる。空隙部分の減少は色素増感型太陽電池にした際の電解質拡散に悪影響を与え、太陽電池の性能を低下させる。また、過剰なメカノケミカル反応は、金属酸化物構造体の伝導帯エネルギー準位を極端に低下させるため、太陽電池にした際の開放電圧が低下し、光電変換効率を下げてしまう。
他の混合方法においても、混合粒子群にメカノケミカル反応を生じさせるのに充分なエネルギーを与える条件に調整することが望ましい。例えば、高速回転粉砕機にあっては、回転数、滞留時間等の調整;撹拌ミルにあっては、撹拌速度、メディア質量、撹拌時間等の調整;ジェット粉砕機にあってはキャリアガスの圧力、滞留時間等の調整を行い、メカノケミカル反応を進行させれば良い。
メカノケミカル反応を検知する方法として、乾式混合前後のオプティカルバンドギャップ(以降、BGと略記する。)の変化を測定する方法が挙げられる。
金属酸化物のBGの変化は、メカノケミカル反応によって金属酸化物粒子の表面近傍の分子軌道が変化するために生じているものと考えられる。一次粒子径の異なる粒子は粒子表面の格子状態も異なるため、BGに差が存在する。メカノケミカル反応によってBGの異なる粒子同士が結合すると、新たな分子軌道が生じ、メカノケミカル反応前のBGとは異なる値となる。また、粒子表面の結晶性が低下し、BGが変化する現象も起こりうる。よって、乾式混合前後のBG差(以降、ΔBGと略記する。)を測定することにより、粒子群Aの粒子と粒子群Bの粒子の結合や表面状態を規定することが出来る。ここで、BG、及び、ΔBGの測定方法について以下に説明する。
(株)島津製作所製積分球式分光光度計UV−2400及びISR−240A型等を用いて、波長と吸光度の関係を測定する。得られた吸光度のパターン(図3参照)の変曲点に対して接線を引き、接線が波長軸と交わる点(吸収端波長)を読み取る。吸光度のパターンと吸収端波長の関係の一例を図3に示す。
BGは
E=1240/λ
(式中、EはBG[eV]、λは吸収端波長[nm]を示す)で表されることから、乾式混合前のBG及び吸収端波長をそれぞれBG0[eV]、λ0[nm]、また、乾式混合後のBG及び吸収端波長をそれぞれBG1[eV]、λ1[nm]とすると、乾式混合前後のBG[eV]は、それぞれ
BG0=1240/λ0
BG1=1240/λ1
となる。よって、乾式混合前後でのΔBG[eV]は、次式
ΔBG=BG0−BG1=(1240/λ0)−(1240/λ1)
で表される。
一般に、アナターゼ型酸化チタンのBGは、3.2eVと言われている(非特許文献5参照)が、メカノケミカル反応によりBGは低下する傾向が見られる。
他の金属酸化物、あるいはそれら混合物でも同様のBG低下傾向は認められる。
本発明の製造方法においては、得られる金属酸化物構造体の乾式混合前後のΔBGを0.01eV以上0.45eV以下にすることが望ましい。ΔBGが0.01eVよりも小さい場合は粒子同士の結合が少ないことを表し、粒子間の電子移動が行われにくい。ΔBGが0.45eVよりも大きい場合は、粒子表面の結晶性の低下が大きく、電子移動速度が低下するとともに、金属酸化物構造体の伝導帯エネルギー準位が極端に低下するため、太陽電池にした際の開放電圧が低下し、光電変換効率を下げてしまう。
本発明の酸化チタン構造体においては、BG1が2.7eV以上3.1eV以下であることを特徴とする。
本発明の製造方法で得られた金属酸化物構造体は、金属酸化物が分散可能な溶媒、例えば、水、エタノール、アセトン、アセトニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等、又はそれらの混合溶媒などに分散させ、酸化チタン構造体の分散体として使用することも出来る。また、その分散体にポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリN−ビニルアセトアミド、ポリアクリル酸塩、N−ビニルアセトアミド−アクリル酸ナトリウム共重合体、N−ビニルアセトアミド−アクリルアミド共重合体、ポリアクリルアミド、アクリルアミド−アクリル酸ナトリウム共重合体、ポリN−ビニルホルムアミド、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ポリフッ化プロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ポリフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルピリジン、ビニルピリジン−メタクリル酸メチル共重合体、ポリビニルピロリドンから選ばれる高分子化合物の一つもしくはそれらの混合物等のバインダーを添加することもできる。ここでいうバインダーとは、分散体を基板等に塗布し、製膜させる際に生じるひび割れや、基材からの剥離を防止する働きを有する物質を示す。これらの中でも、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリN−ビニルアセトアミド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸塩、N−ビニルアセトアミド−アクリル酸ナトリウム共重合体、アクリルアミド−アクリル酸ナトリウム共重合体およびポリテトラフルオロエチレンが好ましい。ポリアクリル酸塩を使用する場合、塩としてアルカリ金属類あるいはアルカリ土類金属類が好ましく、中でもナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウムがより好ましい。
また、バインダーは高分子量であるほど性能が高くなる。具体的には、平均分子量は500以上が好ましく、1万以上がさらに好ましい。
本発明の金属酸化物分散体を製造する方法では、得られる金属酸化物構造体に分散媒を加え、ボールミルにて湿式混合する際のエネルギー定数をk2としたとき、乾式混合におけるエネルギー定数k1との関係をk2≧k1とすることが好ましい。さらに好ましくは8.0×k1≧k2≧1.5×k1であり、最も好ましくは5.0×k1≧k2≧2.5×k1である。
乾式混合によって生成する金属酸化物構造体は、金属酸化物構造体同士も凝集しており、空隙部分は少なくなっている。乾式混合で得られた金属酸化物構造体のタップ密度が0.45g/cm以下であれば太陽電池にした際の電解液拡散性に顕著な影響を与えないが、0.45g/cmを超えていると電解液拡散性は低下し、太陽電池の性能低下を引き起こす場合がある。太陽電池の性能低下を避けるためには金属酸化物構造体同士の凝集を湿式混合によって分散させるのが好ましい。湿式混合の方法は、ボールミル、高速回転粉砕機、攪拌ミルなど、金属酸化物と分散媒を混合させ、且つ金属酸化物構造体の凝集を解するものであれば特に制限はない。ボールミルによる湿式混合の場合、エネルギー定数k2の増加に伴なって分散性は高まるのであるが、経験的に、乾式混合におけるエネルギー定数k1の1.0倍以上に調整するのが効果的である。k2は大きいほど分散効果が得られるが、経済的な観点から上限が決定される。
乾式混合後の金属酸化物構造体のタップ密度が1.0g/cmを超えている場合、湿式混合におけるk2を大きく設定しなければ金属酸化物を分散させることが出来ず、経済的に不利である。
本発明の製造方法が適用できる金属酸化物には、酸化チタン、あるいは酸化チタンと、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化タングステンから選ばれる少なくとも1種類以上の金属酸化物との混合物が挙げられる。
また、本発明の金属酸化物構造体、または前述の金属酸化物構造体分散体は、導電性ガラス基板等の電極基板に塗布し薄膜化することで色素太陽電池用の電極として用いることも出来る。
本発明の金属酸化物を含む色素増感型太陽電池の電極基板を構成する電極基材は、ガラスであっても、有機重合体であってもかまわない。
有機重合体の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどのポリオレフイン、ナイロン6、ナイロン66、アラミドなどのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、不飽和ポリエステルなどのポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、シリコン樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルアセタール樹脂、ポリアセテート、ABS樹脂、エボキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロースおよびレーヨンその他のセルロース誘導体、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、尿素樹脂、フッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フェノール樹脂、セルロイド、キチン、澱粉シート、アクリル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましい。
透明電極基板は、前述の電極基材上に、酸化スズ、フッ素ドープ酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン等、またはそれら混合物の導電性酸化物薄膜を形成させることで得られる。これらの中でも、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウムスズ(ITO)、あるいはこれら混合物が導電性酸化物薄膜として好ましい。薄膜の形成方法は、例えば、塩化インジウムと塩化スズのエタノール溶液を加熱した電極基材に吹き付ける方法、対象とする導電性酸化物ターゲットをArガス雰囲気下でスパッタリングする方法、酸素雰囲気下で対象導電性酸化物を真空蒸着する方法やイオンプレーティング法が挙げられる。後処理として、酸化雰囲気下、電極基材の種類に合わせた温度で加熱し、結晶性を高めることも効果的である。薄膜形成方法によって電極基板の表面抵抗は異なるが、いずれの薄膜形成法でも表面抵抗値が20Ω/□以下になるように調製することが好ましい。
金属酸化物構造体を電極基板上で薄膜化させる方法は、金属酸化物構造体分散体を電極基板に塗布する工程と、それに続く乾燥工程に分けられる。塗布工程における分散体塗布方法には、スキージ法、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、噴霧法、スピンコート法などが挙げられるが、これら以外でも膜厚を調整できる方法であれば特に制限はない。
分散体の乾燥工程における乾燥方法には、塗膜にドライヤーなどで温風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、電極基板を昇温する方法、塗膜に乾燥空気を吹き付ける方法などが挙げられる。他にも電極基板上に塗布された金属酸化物構造体分散液から溶剤を蒸発させる方法で、且つ乾燥温度が電極基板を変形、変質させない温度であれば制限なく使用できる。
このようにして得られた金属酸化物構造体の薄膜には、微小なクラック等が存在することがあるため、太陽電池にした際に電極基板と電解液が直接接触し、逆電子移動(漏れ電流)の原因となってしまうことがある。クラック防止のためには、金属酸化物構造体分散体を塗布する前に、あらかじめ電極基板上に緻密な金属酸化物層を形成させておくのが好ましい。(以降、あらかじめ形成される緻密な金属酸化物層をアンダーコート層と称し、アンダーコート層を形成する材料をアンダーコート剤と称する。)アンダーコート剤としては、一次粒子径が20nm以下の粒子を使用するのが好ましく、分散性の良好な金属酸化物がより好ましい。中でも、超微粒子酸化チタンを使用するのが最も好ましい。
また、アンダーコート剤を電極基板に結着させるにはアンダーコート剤を塗布した後、300℃以上で焼成する方法等が例示されるが、この温度で焼成すると電極基材の材質によっては変形、変質することがある。この場合には、アンダーコート剤に結着成分を添加するのが効果的である。結着成分とは、金属酸化物構造体と電極基板を結着させる働きを有する物質で、水や有機溶媒に可溶なシリカ化合物、ジルコニア化合物、アルミナ化合物、チタニア化合物が用いられ、例えば、各金属のオキシ塩化物、ヒドロキシ塩化物、硝酸塩、炭酸アンモニウム塩、プロピオン酸塩等が挙げられる。これら結着成分は常温、あるいは比較的低温の乾燥でもアンダーコート剤と電極基板を結着させることができる。
結着成分の添加量は電子移動を阻害しないように調整する必要があり、金属酸化物構造体100重量部に対し、結着成分に含まれる金属を金属酸化物に換算した重量比で3〜200重量部の範囲が好ましい。
薄膜を得る方法の一例として、ポリエチレンテレフタレートを電極基材とした導電性基板に、結着剤を添加した超微粒子酸化チタンゾルを塗布し、120℃で乾燥させ、その後、本発明の製造方法で得られた金属酸化物分散体を噴霧法にて塗布し、熱風乾燥炉にて120℃、20分加熱する方法が挙げられる。
電極基材の外界側の面(2面)に、透明性の高い光触媒膜やUV吸収膜を設けることもできる。
光触媒膜を設けることによって、電極面を清浄に保つことができ、それによって電池内への入射光の経時的低減を抑制することができる。光触媒膜を構成する光触媒粒子は特に限定されないが、遷移金属の超微粒子酸化物が好ましく、中でも酸化チタンや酸化亜鉛の超微粒子が好ましい。
光触媒膜について以下説明する。(構成1) 電極基材の外界面上に、少なくとも、光触媒活性を有すると同時に波長550nmの光に対する光直線透過率が50%以上、好ましくは80%以上有する光触媒薄膜を形成してなる構成とし、 この構成1の態様として、(構成2) 前記光触媒薄膜の膜厚が0.1μm〜5μmであることを特徴とする構成とする。構成1ないし2のいずれかの態様として、前記電極基材の外界面と光触媒薄膜との間に光透過性を有するプレコート薄膜を設けてもかまわない。このプレコート薄膜の膜厚は0.02〜0.2μmであることが好ましい。また、前記プレコート薄膜がSiO2もしくはその前駆体を主成分とする材料からなることが好ましい。
また、光触媒膜の製造方法は、電極基材の外界面上に光触媒薄膜をパイロゾル法、ディップ法、印刷法又はCVD法によって成膜することができる。また、電池を組みたて後に光触媒膜を形成してもいいし、予め光触媒膜を形成しておいた電極基材を作製しておいてもいい。
少なくとも光触媒活性を有すると同時に波長550nmの光に対する光直線透過率が50%以上、好ましくは80%以上有する光触媒薄膜を形成して構成したことにより、長期にわたり電極の外界側の面を清浄に保つことができる。それによって、電池内に入射する光量を高く保つことでき、光電変換効率を維持することができる。また、光触媒粒子が超微粒子酸化チタンや超微粒子酸化亜鉛であれば、光触媒膜によって紫外線が良く遮蔽されるので、電池内に存在する有機物(色素や電解質成分など)の紫外線による経時劣化を抑制することができる。
酸化チタン薄膜を形成する材料として、次のような超微粒子酸化チタンゾルを用いることができる。超微粒子酸化チタンゾルの製造方法としては、特開平11−43327を例示することができる。例えば、四塩化チタンを加水分解して超微粒子酸化チタンゾルを得ることができる。
この場合には、加水分解する四塩化チタン水溶液中の四塩化チタンの濃度は低過ぎると生産性が悪く、生成する水分散酸化チタンゾルから薄膜を形成する際に効率が低くなるために好ましくない。また、濃度が高過ぎると反応が激しくなり、得られる酸化チタンの粒子が微細になりにくく、かつ分散性も悪くなるために透明薄膜形成材としては好ましくない。従って、加水分解により酸化チタン濃度の高いゾルを生成させ、これを多量の水で希釈することで酸化チタンの濃度を0.05〜10モル/リットルに調整する方法は好ましくない。ゾルの生成時において酸化チタンの濃度を0.05〜10モル/リットルの範囲にするのがよく、そのためには、加水分解される四塩化チタン水溶液中の四塩化チタンの濃度は生成する酸化チタンの濃度と大差ない値、即ちほぼ0.05〜10モル/リットルとすればよく、必要ならば以後の工程で少量の水の添加もしくは濃縮することで濃度を0.05〜10モル/リットルに調整してもよい。
加水分解における温度は50℃以上、四塩化チタン水溶液の沸点迄の範囲が好ましい。50℃未満では加水分解反応に長時間を要するので好ましくない。加水分解は所定の温度に昇温し、10分から12時間程度保持して行われる。この保持時間は加水分解の温度が高温側にある程短くてよい。四塩化チタン水溶液の加水分解は、四塩化チタンと水との混合溶液を反応槽中で所定の温度に加熱する方法で実施してもよく、また水を反応槽中で予め加熱しておき、これに四塩化チタンを添加し、所定の温度にしてもよい。この加水分解により一般的にはブルーカイト型にアナターゼ型及び/又はブルーカイト型が混合した酸化チタンが得られる。
ブルーカイト型の酸化チタンの含有率を高める場合には、水を反応槽で予め75〜100℃に加熱しておき、これに四塩化チタンを添加し、75℃〜溶液の沸点の温度範囲で加水分解する方法が適する。該方法によれば、生成する全酸化チタンのうち、ブルーカイト型の酸化チタンを70重量%以上とすることが可能である。
加水分解における四塩化チタン水溶液の昇温速度は、早い方が得られる粒子が細かくなるので好ましい。よって、好ましい昇温速度は0.2℃/min以上であり、さらに好ましい昇温速度は0.5℃/min以上である。該方法によれば、ゾル中の酸化チタン粒子の平均粒径が0.5μm以下、好ましくは0.01〜0.1μmの範囲となり、さらに結晶性の高い粒子となる。
本発明の水分散酸化チタンゾルの製造方法はバッチ式に限らず、反応槽を連続槽にして四塩化チタンと水を連続投入しながら、投入口の反対側で反応液を取り出し、引き続き脱塩素処理するような連続方式も可能である。生成したゾルは脱塩素処理や、あるいは支障ない範囲で水の添加、脱水等により塩素イオンが50〜10,000ppmになるように調整する。脱塩素処理は一般の公知手段でよく電気透析、イオン交換樹脂、電気分解などが可能である。脱塩素の程度はゾルのpHを目安にすればよく、塩素イオンが50〜10,000ppmの場合、pHは約5〜0.5、好ましい範囲である100〜4,000ppmの場合、pHは約4〜1である。本発明の水分散ゾルに有機溶媒を加え、水と有機溶媒の混合物に酸化チタン粒子を分散させることもできる。この水分散酸化チタンゾルから酸化チタンの薄膜を形成する場合、加水分解反応で生成したゾルをそのまま用いるのが好ましく、このゾルから酸化チタンの粉末を製造し、これを水に分散し、ゾルにして用いることは好ましい方法ではない。
さらに、電池外部への電解液の液漏れあるいは電極物質の溶出などの抑制、電池内での電解液の偏りや液枯れによる内部インピーダンスの上昇あるいは内部短絡の問題を回避する手段として、電解質の固体化もしくは擬固体化が有効である。具体的には、オキシアルキレン、フルオロカーボン、オキシフルオロカーボン及び/またはカーボネート基からなる部分を分子中に有する(メタ)アクリレートを含む熱重合性化合物をベンゼン環を有しない有機過酸化物である重合開始剤とを組み合わせてなる熱重合性組成物を熱硬化させて得られる固体電解質を電解質とすることができる。
さらに具体的には、重合することにより架橋及び/または側鎖形構造を有する高分子となる熱重合性化合物が、以下の一般式(1)及び/または一般式(2)
Figure 0004672973

[式中、R1及びR3は水素またはアルキル基を表わし、R2及びR5はオキシアルキレン、フルオロカーボン、オキシフルオロカーボン及び/またはカーボネート基を含む2価の基、R4は炭素数10以下の2価の基を表わす。R2、R4及びR5はヘテロ原子を含んでいてもよく、直鎖状、分岐状または環状のいずれの構造を有するものでもよい。xは0または1〜10の整数を示す。但し、同一分子中に複数個の上記一般式(1)または(2)で表される重合性官能基が含まれる場合、それぞれの重合性官能基中のR1、R2、R3、R4、R5及びxは、同一でもよいし異なってもよい。]で表される重合性官能基を有する化合物を含んでいることが好ましい。
また、ベンゼン環を有しない有機過酸化物である重合開始剤としては、以下の一般式(3)
Figure 0004672973

[式中、Xは置換基を有してもよいアルキル基またはアルコキシ基を表わし、Yは置換基を有してもよいアルキル基を表わす。X及びYは、直鎖状、分岐状または環状のいずれの構造を有するものでもよい。m、nはそれぞれ0または1であるが、(m,n)=(0,1)の組み合わせは除く。]で表される有機過酸化物であることが好ましい。
電極基材の材質がガラスである場合は、電気炉等を利用して比較的高温条件で乾燥させることもできる。
金属酸化物構造体の薄膜は、その膜厚が1μm以上40μm以下であることが好ましい。膜厚が1μm未満の場合、薄膜内の光線の散乱や吸収が不十分となり、光電変換効率が低下する。膜厚が40μmを超えると、電解質の拡散抵抗が大きくなったり、あるいは電子の移動距離が長くなったりするため、必ずしも性能が向上しないばかりか、成膜作業が繁雑になってしまう。
本発明の色素増感型太陽電池の製造方法は、前記粒子群A,B,Cを用意する工程と、前記BGを規定する乾式混合によってそれらの粒子を混合する工程と、前記湿式混合によって、該乾式混合粒子を湿式混合する工程を含むことを特徴とする。
また、そのような色素増感型太陽電池においては、金属酸化物電極のBGを次のようにして確認することができる。
色素増感型太陽電池の金属酸化物電極を、0.1モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液等に浸漬させ、金属酸化物から色素を充分溶離させる。色素が溶離した金属酸化物電極を水洗し、120℃で2時間乾燥させ、試料電極とする。この試料電極に担持された金属酸化物のBGを、前述のBG測定法及びBG算出式にて求めることができる。
金属酸化物が酸化チタンである場合には、そのBGが2.7〜3.1eVであることが確認できる。
本発明の金属酸化物構造体を含む色素増感型太陽電池は、光、熱、音響等の発生、運動などの機能を有する物品に備えることで、太陽光、室内光、蛍光灯、白熱電球などの照明用電灯のみならずその他各種の光源からの光が照射される環境下において、その機能のための電力源として利用することができる。
この場合には、色素増感型太陽電池の製造手順として、非特許文献6に記載の方法を採用することができる。
また、リチウムイオン電池やケミカルキャパシタや電気2重層キャパシタなどと組み合わせた複合充電素子、ペルチェ素子と組み合わせた複合冷却素子、有機ELや液晶などの表示素子と組み合わせた複合表示素子などとして利用することができる。
また、ポリマー電池との複合素子とすることもできる。そのポリマー電池とは、少なくとも、化合物の酸化還元反応に伴う電子授受を電気エネルギーとして取り出す電極と、電解液または固体電解質もしくはゲル電解質を有するポリマー電池において、前記電極を構成する正極および負極の活物質が、前記酸化還元反応に伴う電子授受にプロトンの結合・脱離が関与し得る、窒素原子を含むπ共役高分子または/及びキノン系化合物であり、前記電解液または固体電解質もしくはゲル電解質がプロトンを含み、正極および負極の活物質の酸化還元反応に伴う電子授受が、前記窒素原子に結合または配位しているプロトンあるいは生成したヒドロキシル基のプロトンの結合・脱離にのみ関与して行われるように、前記電解液または固体電解質もしくはゲル電解質のプロトン濃度が設定され動作電圧が制御されていることを特徴とするポリマー電池である。
特に、色素増感型太陽電池の電極基板に樹脂を採用し、前記の組み合わせる素子や部品もフレキシブルな基材をベースにすれば、得られる複合素子もフレキシブルにすることができる。
そのような色素増感型太陽電池やその複合素子を利用した物品の例としては、例えば、建材、機械、車両、ガラス製品、家電製品、農業資材、電子機器、携帯電話、工具、食器、風呂用品、トイレ用品、家具、文房具、衣類、ワッペン、帽子、鞄、靴、傘、ブラインド、意匠性窓ガラス、布製品、繊維、革製品、紙製品、樹脂製品、スポーツ用品、蒲団、容器、眼鏡、看板、掲示板、配管、看板、アドバルーン、配管、配線、金具、照明、LED、信号機、街灯、衛生資材、自動車用品、玩具、交通信号機、道路標識、装飾品、テント、クーラーボックスなどのアウトドア用品、造花、オブジェ、心臓ペースメーカー用電源など、発電、発光、発熱、音響の発生、運動の機能を有する物品が例示できる。
例えば、風呂用品に本願発明の色素増感型太陽電池を設置し、湯沸し用ヒーター、浴室用テレビ、浴槽のお湯の循環装置などの電源として使用することが可能である。
さらに、本願発明の色素増感型太陽電池はSi型太陽電池が採用されている全ての用途・物品に対する代替品として使用することが可能である。
また、前記色素増感型太陽電池やその複合素子の製造工程を構成する部材を揃えて、学習教材セットやDIYセットとすることもできる。
以下、酸化チタンについて実施例及び比較例にて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
〈色素溶液調製〉
アセトニトリル(関東化学(株)製、試薬特級)50容量%、エタノール(関東化学(株)製、試薬特級)50容量%の混合溶媒に、3mmol/Lのルテニウム錯体色素(Ru(dcbpy)(NCS) 小島化学薬品(株)製)を溶解させた。
〈電解液の調製〉
アセトニトリルに、0.1mol/リットル ヨウ化リチウム(キシダ化学(株)製、純度97%)、0.05mol/リットル ヨウ素(関東化学(株)製、試薬特級)、0.5mol/リットル テトラブチルアンモニウムヨウ素塩(Acros Organics製、純度98%)を溶解させた。
〈光電変換効率測定法〉
作製した色素増感型太陽電池に、光源としてキセノンランプ(ウシオ電機(株)製、UXL−150D−S)を使用し、100mW/cmの光線を照射した。この時の最大光電変換効率をポテンショスタット(北斗電工(株)製、HAB151)を使用して測定した。
(実施例1):
気相法で得られた平均一次粒子径150nmの酸化チタン(昭和電工(株)製、スーパータイタニア(登録商標)F−10)1.5g及び平均一次粒子径25nmの酸化チタン(同、スーパータイタニア(登録商標)F−5)13.5g、3φジルコニアボール500gを800cmのポリエチレン容器(φ96×133mm)に入れ、ボールミル((株)アサヒ理化製作所製、AV)にて回転数80rpmで1時間、混合メカノケミカル反応させた。エネルギー定数k1は15,360であり、得られた酸化チタン構造体のタップ密度は0.19g/cm、ΔBGは0.18eVであった。この酸化チタン構造体には、ジルコニアボールの摩耗等によるコンタミは認められなかった。
酸化チタン構造体15.0g、純水70g、エタノール10g、ポリエチレングリコール(和光純薬工業(株)製、試薬一級、分子量500,000)5g、3φジルコニアボール500gを800cmのポリエチレン容器(φ96×133mm)に入れ、ボールミルにて回転数80rpmで1時間、エネルギー定数k2が15,360となるように湿式混合した。得られた酸化チタン構造体分散体を導電性ガラス基板(旭硝子(株)製)に塗布した後、500℃で20分間焼成し、導電性ガラス基板上に10〜12μmの酸化チタン薄膜を形成させた。
この酸化チタン薄膜を色素溶液に20〜25℃で一晩浸漬して色素を吸着させ、色素電極を得た。導電性ガラス基板に白金を担持させた白金対極と5mm角に成形した色素電極を各々の活性面を30μm間隔で向かい合わせて固定し、その間に電解液を注入して、オープンタイプの色素増感型太陽電池を作製した。この太陽電池の光電変換効率は3.1%であった。粒子群Bの加重平均比表面積、タップ密度、乾式混合後のBG、ΔBG、光電変換効率の結果を表1に示す。
(実施例2):
実施例1の酸化チタンを、平均一次粒子径250nmの気相法酸化チタン(昭和電工(株)製、スーパータイタニア(登録商標)G1)1.5g、平均一次粒子径30nmの気相法酸化チタン(同、スーパータイタニア(登録商標)F−4)6.8g、平均一次粒子径15nmの気相法酸化チタン(同、スーパータイタニア(登録商標)F−6)6.7gに変え、湿式混合時間を5時間に変えた以外は実施例1と同様に色素増感型太陽電池を作製した。この太陽電池の光電変換効率は4.0%であった。粒子群Bの加重平均比表面積、タップ密度、乾式混合後のBG、ΔBG、光電変換効率の結果を表1に示す。
(実施例3):
実施例1の酸化チタンを、平均一次粒子径150nmの気相法酸化チタン(昭和電工(株)製、スーパータイタニア(登録商標)F−10)3.0g、平均一次粒子径25nmの気相法酸化チタン(同、スーパータイタニア(登録商標)F−5)2.0g、平均一次粒子径15nmの気相法酸化チタン(同、スーパータイタニア(登録商標)F−6)10.0gに変えた以外は実施例1と同様に色素増感型太陽電池を作製した。この太陽電池の光電変換効率は4.2%であった。粒子群Bの加重平均比表面積、タップ密度、乾式混合後のBG、ΔBG、光電変換効率の結果を表1に示す。
(実施例4)
この例は参考例として示す。
乾式混合時間及び湿式混合時間を各10時間に変えた以外は実施例1と同様に色素増感型太陽電池を作製した。この太陽電池の光電変換効率は4.4%であった。粒子群Bの加重平均比表面積、タップ密度、乾式混合後のBG、ΔBG、光電変換効率の結果を表1に示す。
(実施例5):
実施例1の酸化チタンを、平均一次粒子径250nmの気相法酸化チタン(昭和電工(株)製、スーパータイタニア(登録商標)G1)1.5g、平均一次粒子径30nmの気相法酸化チタン(同、スーパータイタニア(登録商標)F−4)10.1g、平均一次粒子径15nmの気相法酸化チタン(同、スーパータイタニア(登録商標)F−6)3.4gに変えた。また、ボールミル混合をジェットミル((株)セイシン企業製、CP−04)で20℃、65MPaでの5回混合に代えた。それ以外は実施例1と同様に色素増感型太陽電池を作製した。この太陽電池の光電変換効率は3.7%であった。粒子群Bの加重平均比表面積、タップ密度、乾式混合後のBG、ΔBG、光電変換効率の結果を表1に示す。
(実施例6):
実施例1の酸化チタンを、平均一次粒子径150nmの酸化チタン(昭和電工(株)製、スーパータイタニア(登録商標)F−10)1.0g、及び平均一次粒子径25nmの酸化チタン(同、スーパータイタニア(登録商標)F−5)13.0g、平均一次粒子径30nmの気相法酸化亜鉛1.0gに変えた以外は実施例1と同様に色素増感型太陽電池を作製した。この太陽電池の光電変換効率は2.7%であった。粒子群Bの加重平均比表面積、タップ密度、乾式混合後のBG、ΔBG、光電変換効率の結果を表1に示す。
Figure 0004672973
(実施例4は参考例として示す)。
(比較例1):
平均一次粒子径150nmの気相法酸化チタン(昭和電工(株)製、スーパータイタニア(登録商標)F−10)1.5g及び平均一次粒子径25nmの気相法酸化チタン(同、スーパータイタニア(登録商標)F−5)13.5gを500mlのポリエチレン袋に入れ、50回振って混合した。得られた酸化チタン混合物のタップ密度は0.11g/cm、ΔBGは0eVであった。
この酸化チタン混合物を実施例1と同様に色素増感型太陽電池を作製した。この太陽電池の光電変換効率は2.1%であった。粒子群Bの加重平均比表面積、タップ密度、乾式混合後のBG、ΔBG、光電変換効率の結果を表2に示す。
(比較例2):
実施例1の乾式混合時間を0.1時間に変え、湿式混合時間を5時間に変えた以外は実施例1と同様に色素増感型太陽電池を作製した。この太陽電池の光電変換効率は2.2%であった。粒子群Bの加重平均比表面積、タップ密度、乾式混合後のBG、ΔBG、光電変換効率の結果を表2に示す。
(比較例3):
実施例1の乾式混合時間を5時間に変え、湿式混合時間を2時間に変えた以外は実施例1と同様に色素増感型太陽電池を作製した。この太陽電池の光電変換効率は2.4%であった。粒子群Bの加重平均比表面積、タップ密度、乾式混合後のBG、ΔBG、光電変換効率の結果を表2に示す。
(比較例4):
乾式混合時間を10時間に変えた以外は実施例1と同様に色素増感型太陽電池を作製した。この太陽電池の光電変換効率は2.3%であった。粒子群Bの加重平均比表面積、タップ密度、乾式混合後のBG、ΔBG、光電変換効率の結果を表2に示す。
(比較例5)
気相法で得られた平均一次粒子径150nmの酸化チタン(昭和電工(株)製、スーパータイタニア(登録商標)F−10)1.5g及び平均一次粒子径25nmの酸化チタン(同、スーパータイタニア(登録商標)F−5)13.5g、純水70.0g、エタノール10.0g、ポリエチレングリコール(分子量500,000)5.0g、3φジルコニアボール500gを800cmのポリエチレン容器(φ96×133mm)に入れ、ボールミルにて回転数80rpmで1時間混合し、酸化チタン分散液を得た。この酸化チタン分散液を酸化チタン構造体分散体の替わりに用いた以外は実施例1と同様に色素増感型太陽電池を作製した。この太陽電池の光電変換効率は2.2%であった。粒子群Bの加重平均比表面積、光電変換効率の結果を表2に示す。
Figure 0004672973
色素増感型太陽電池の構成の概略を示す断面図。 酸化チタン粒子のネッキング状態を示す電子顕微鏡写真。 吸収端波長を求めるための吸光度パターン。
符号の説明
1 導電性ガラス
2 酸化チタン粒子
3 増感色素
4 電解層
5 触媒層
6 色素電極
7 対極
ア ネッキング部
イ 点接触部

Claims (14)

  1. BET法による比表面積から換算した平均一次粒子径が100〜500nmの範囲にある酸化チタン粉末を含む粉末(以降、粒子群Aと称する。)と、平均一次粒子径が10〜40nmの範囲にある酸化チタン粉末を含む粉末(以降、粒子群Bと称する。)を乾式混合することを特徴とする、粉末粒子同士がネッキング構造を持つ粒子を含み、積分球式分光光度計による吸光度から算出したオプティカルバンドギャップ(以降、BGと称する。)が、2.7eV以上3.1eV以下であり、且つタップ密度が0.15g/cm 3 以上、0.45g/cm 3 以下である酸化チタン粉末を含む構造体の製造方法。
  2. 酸化チタン粉末を含む構造体が、酸化チタン粉末からなる構造体、または酸化チタン粉末と酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化タングステンから選ばれる少なくとも1種類以上の酸化物粉末との混合物からなる構造体であることを特徴とする請求項1に記載の酸化チタン粉末を含む構造体の製造方法。
  3. 混合物に含まれる酸化チタン粉末の含量が、10質量%以上であることを特徴とする請求項2に記載の酸化チタン粉末を含む構造体の製造方法。
  4. 粒子群Bが、BET法による比表面積から換算した平均一次粒子径が20〜40nmの酸化チタン粉末を含む粉末(以降、粒子群Cと称する。)と10〜20nmの酸化チタン粉末を含む粉末(以降、粒子群Dと称する。)の混合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化チタン粉末を含む構造体の製造方法。
  5. 粒子群Bの平均比表面積が60m2/g以上110m2/g以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸化チタン粉末を含む構造体の製造方法。
  6. 粒子群A乃至Dのうち少なくとも一つが、気相法で合成された酸化チタン粉末を含む粉末である請求項4または5に記載の酸化チタン粉末を含む構造体の製造方法。
  7. 原料酸化チタン粉末を含む粉末のBGをBG0とし、乾式混合後の酸化チタン粉末を含む粉末のBGをBG1としたときに、BG0−BG1が0.01eV以上0.45eV以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の酸化チタン粉末を含む構造体の製造方法。
  8. 乾式混合が、ボールミル、高速回転粉砕機、撹拌ミル、ジェット粉砕機のうち少なくとも一つから選ばれる方法であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の酸化チタンを含む構造体の製造方法。
  9. 乾式混合がボールミルによって行われ、その乾式混合におけるエネルギー定数k1が、混合する粉の総質量をwp(g)、メディア質量をwm(g)、ボールミル容器内径をd(m)、回転数をn(rpm)、混合時間をt(分)としたときに、
    k1=wm/wp×d×n×t
    なる関係で表されるk1が、3,000以上250,000以下である請求項8に記載の酸化チタン粉末を含む構造体の製造方法。
  10. エネルギー定数k1が10,000以上150,000以下である請求項9に記載の酸化チタン粉末を含む構造体の製造方法。
  11. エネルギー定数k1が10,000以上50,000以下である請求項10に記載の酸化チタン粉末を含む構造体の製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれかの製造方法により、酸化チタン粉末を含む構造体を製造し、該構造体に分散媒を加え、ボールミルにて湿式混合して酸化チタン粉末を含む分散体を製造する方法であって、その湿式混合におけるエネルギー定数k2が、混合する粉末の総質量をwp(g)、メディア質量をwm(g)、ボールミル容器内径をd(m)、回転数をn(rpm)、混合時間をt(分)としたときに、
    k2=wm/wp×d×n×t
    なる関係で表されるk2と、乾式混合におけるエネルギー定数k1の関係が
    k2≧k1
    で表されることを特徴とする酸化チタン粉末を含む分散体の製造方法。
    上記でk1は請求項で規定する式及び数値である。
  13. 湿式混合におけるエネルギー定数k2と、乾式混合におけるエネルギー定数k1の関係が
    8.0×k1≧k2≧1.5×k1
    で表されることを特徴とする請求項12に記載の酸化チタン粉末を含む分散体の製造方法。
  14. 湿式混合におけるエネルギー定数k2と、乾式混合におけるエネルギー定数k1の関係が
    5.0×k1≧k2≧2.5×k1
    で表されることを特徴とする請求項12に記載の酸化チタン粉末を含む分散体の製造方法。
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