JP3742850B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、空気調和装置に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
図7には、例えばビル用空気調和装置の如き大型の空気調和装置の室外機Z0を示している。このような大型の室外機Z0においては、必要な熱交換能力を維持しつつ設置スペースの狭小化を図ることが要請されており、かかる要請に応える一つの方法として、この室外機Z0の如く、ケーシング31を縦長にして該ケーシング31の平面スペース(即ち、室外機Z0の設置スペース)を可及的に小さくするとともに、この縦長のケーシング31の側面に縦長の熱交換器32を立設配置することで熱交換能力を維持するような構造が提案されている。
【0004】
この室外機Z0においては、上記ケーシング31の上面に位置する天板31aに、該天板31aと一体となったファンガイド35を設けるとともに、このファンガイド35の内側に羽根車34を備えたプロペラファン33を、その吹出方向を上方に向けた状態で配置し、上記プロペラファン33の運転に伴い、同図に空気流A0で示すように、外気を上記熱交換器32を通してケーシング31内に吸入し、これを上記ファンガイド35部分を通して上方へ吹き出すようになっている。尚、同図において符号36は圧縮機、37は電気品箱である。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、このような縦長の室外機Z0においては、縦長の熱交換器32に対してその上端寄りに上記プロペラファン33が位置していること、及びケーシング31の平面スペースが小さいことに関連して上記プロペラファン33の羽根車34の径寸法が比較的小さく制約され、その吸込性能は羽根車に比較して遠方である熱交換器32の下部までは十分に作用しないことから、上記熱交換器32における上記プロペラファン33による空気の吸込作用は、該プロペラファン33に近い上部32a側が大きく、これから遠い下部32bは小さくなり、同図の左部分に示す風速分布図のように、風速分布が上記熱交換器32の上部32a側に偏ることになる。この結果、上記熱交換器32における熱交換性能が低下するとともに、室外機Z0の機内通風圧力損失が増大することからプロペラファン33の送風騒音が増加し、また駆動用の軸動力が増大するという問題が生じる。
【0006】
一方、このような従来の縦長の室外機Z0における風速分布の偏りという問題に対処する一つの方法として、実開昭60−12163号公報に開示されるように、ケーシングの上面側に設けられる上側プロペラファンの他に、熱交換器の下部寄りに対応させて下側プロペラファンを配置し、これら両者によって送風することで熱交換器における風速分布の偏りを改善するようにした技術を適用することも考えられる。
【0007】
ところが、この公知例に示された室外機においては、主として風速分布の改善作用をなす上記下側プロペラファンがファンガイドを備えない無圧開放型とされているので、該下側プロペラファンそのものの送風性能が低く、従ってこの技術をそのまま図7に示す如き縦長の室外機Z0に適用しても風速分布の改善効果は低いものとならざるを得ない。また、上記下側プロペラファンがファンガイドを備えないことで該下側プロペラファンから上側プロペラファンに向けて吹き出される空気流の乱れが大きく、この乱れの大きい空気流が上側プロペラファンに吸い込まれることで該空気流の上側プロペラファンとの干渉が生じ、その運転騒音が大きくなるという問題もある。
【0008】
そこで本願発明は、設置スペースの狭小化と性能維持とを両立し得るようにした空気調和装置を提供せんとしてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0010】
本願の第1の発明では、側面が開口した箱体状のケーシング1の該開口部1aにこれを閉塞する如く熱交換器2を立設配置する一方、上記ケーシング1の上下方向中間位置には該ケーシング1の内部空間を上下方向に区画する中間板13を配置し、上記ケーシング1の上面1bにファンガイド7を備えた軸流又は斜流式の第1ファン3をその吹出方向を上方に向けた状態で配置するとともに、上記中間板13にはファンガイド8を備えた軸流又は斜流式の第2ファン4をその吹出方向を上方に向けた状態で配置したことを特徴としている。
【0011】
本願の第2の発明では、上記第1の発明にかかる空気調和装置において、上記第1ファン3の羽根車5を、上記第2ファン4の羽根車6よりも大径としたことを特徴としている。
【0012】
本願の第3の発明では、上記第1の発明にかかる空気調和装置において、上記第1ファン3の羽根車5の平均半径におけるスタッガー角を、上記第2ファン4の羽根車6におけるスタッガー角よりも小さな値に設定したことを特徴としている。
【0013】
本願の第4の発明では、上記第1、第2又は第3の発明にかかる空気調和装置において、上記第1ファン3と第2ファン4の回転方向を相互に逆方向に設定したことを特徴としている。
【0014】
本願の第5の発明では、上記第1、第2又は第3の発明にかかる空気調和装置において、上記第1ファン3と第2ファン4とを共通のファンモータ11により回転駆動することを特徴としている。
【0015】
本願の第6の発明では、上記第1、第2、第3、第4又は第5の発明にかかる空気調和装置において、上記第2ファン4のファンガイド8の近傍に、該第2ファン4を介することなく上記熱交換器2の該第2ファン4に対応する位置よりも下側部分と上記第1ファン3とを連通する連通口18を形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0017】
(イ)本願の第1の発明にかかる空気調和装置によれば、ケーシング1の側面の該開口部1aに熱交換器2を立設配置する一方、上記ケーシング1の上下方向中間位置には該ケーシング1の内部空間を上下方向に区画する中間板13を配置し、上記ケーシング1の上面1bにファンガイド7を備えた軸流又は斜流式の第1ファン3をその吹出方向を上方に向けた状態で配置するとともに、上記中間板13にはファンガイド8を備えた軸流又は斜流式の第2ファン4をその吹出方向を上方に向けた状態で配置しているので、上記熱交換器2の上記中間板13に対応する位置より上側部分においては上記第1ファン3の吸込作用により送風が行われ、また上記中間板13に対応する位置より下側部分においては上記第2ファン4の吸込作用により送風が行われる。このように、上記熱交換器2への送風を上記中間板13により上下方向において離間配置された第1ファン3と第2ファン4とによってそれぞれ行うことで、譬え空気調和装置の設置スペースの狭小化のために上記熱交換器2が縦長形態とされるとともに上記各ファン3,4の羽根車5,6が比較的小径とされたものであっても、例えば従来のようにファンがケーシングの上面側に一つしか設けられていないような場合に比して、上記熱交換器2における風速分布がその上下方向の全域において可及的に均等化され、上記熱交換器2における熱交換性能の向上が図れるとともに、機内通風圧力損失の低下による所要ファン軸動力の低下(即ち、省エネ運転の実現)、あるいはファン運転騒音の低下が図れるものである。
【0018】
また、上記第2ファン4がファンガイド8を備えていることから、該第2ファン4による送風の乱れが少ない。このため、該第2ファン4から吹き出された空気流の上記第1ファン3との干渉が可及的に防止されることから、該第1ファン3の送風能力が最大限発揮され、延いては熱交換性能の向上が図れるものである。
【0019】
さらに、上記第2ファン4からの吹出空気が上記第1ファン3側に吸い込まれることから、例えば該第2ファン4を設けないものに比して、上記第1ファン3の吸込抵抗が低減され、それだけ該第1ファン3の送風能力の向上が図れるものである。
【0020】
(ロ)本願の第2の発明にかかる空気調和装置によれば、上記(イ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記第1ファン3の羽根車5を、上記第2ファン4の羽根車6よりも大径としているので、上記第1ファン3は第2ファン4よりも大きな送風能力をもつことになる。
【0021】
従って、本来、上記第1ファン3は、上記熱交換器2のうち、該第1ファン3と上記第2ファン4との間の範囲に対応する領域から吸い込まれる空気量と、該熱交換器2のうち上記第2ファン4に対応する位置から下側の領域から上記第2ファン4によって吸い込まれ且つ上記第1ファン3側に吹き出される空気量との総和量に相当する送風能力をもつことが要求されるのに対して、上記第2ファン4は該第2ファン4に対応する位置から下側の領域から吸い込まれる空気量に相当する送風能力をもてばよく、該第1ファン3と第2ファン4の間には送風能力において大きな差がある。この場合、上述のように、上記第1ファン3の送風能力を上記第2ファン4の送風能力よりも大きくすると、該各ファン3,4は、これら各ファン3,4の上記熱交換器2との相対的な配置位置に基づくそれぞれの必要送風能力に対応した送風能力をもつこととなり、ファン能力の適正化により運転経費の低減が図れるものである。
【0022】
(ハ)本願の第3の発明にかかる空気調和装置によれば、上記(イ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記第1ファン3の羽根車5の平均半径におけるスタッガー角を、上記第2ファン4の羽根車6におけるスタッガー角よりも小さな値に設定している。
【0023】
この場合、スタッガー角、即ち、翼弦が翼列軸となす角度は、送風能力に影響し、このスタッガー角が大きいほど送風能力が低くなるものである。従って、このスタッガー角の大きさに対応して、上記第1ファン3は第2ファン4よりも大きな送風能力をもつことになる。このことは、上述のように上記第1ファン3と第2ファン4の間においては上記熱交換器2との相対位置に対応して、該第1ファン3の必要送風能力が第2ファン4のそれよりも大きいことに照らし合わせると、該各ファン3,4は、それぞれ該各ファン3,4の必要送風能力に対応した送風能力をもつということであり、この結果、ファン能力の適正化により運転経費の低減が図れるものである。
【0024】
(ニ)本願の第4の発明にかかる空気調和装置によれば、上記(イ)、(ロ)又は(ハ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記第1ファン3と第2ファン4の回転方向を相互に逆方向に設定しているので、例えばこれら両ファン3,4を同方向に回転させる場合に比して、該第1ファン3の圧力上昇が大きくなる。
【0025】
即ち、上記第1ファン3と第2ファン4とを逆方向に回転させることで、該第2ファン4からの吹出流れ、即ち、上記第1ファン3の吸込流れは、該第1ファン3の回転方向とは逆方向の分速度をもって流入するため、上記第1ファン3側における圧力上昇理論式
「H=(γ/g)・u2・(Cu2−Cu1)」
で、絶対速度の周方向成分「Cu1」が負の値となることから、例えば上記第1ファン3と第2ファン4とが同方向に回転する場合(即ち、上記第1ファン3の吸込流れが該第1ファン3の回転方向とは同方向の分速度をもって流入する場合)における絶対速度の周方向成分が正の値であることから考えて、上記第1ファン3と第2ファン4とを逆方向に回転させることで該第1ファン3の圧力上昇が大きくなるものである。
【0026】
従って、例えば上記第1ファン3の回転数を、上記第2ファン4を設けないものと同じとした場合には、該第1ファン3の送風量が増加するため、上記各ファン3,4は、それぞれ該各ファン3,4の必要送風能力に対応した送風能力をもつことになり、結果的に、ファン能力の適正化により運転経費の低減が図れるものである。また、上記第1ファン3の必要送風量が少ないような場合には、該第1ファン3の回転数を下げることができることから、運転騒音の低減が図れるものである。
【0027】
(ホ)本願の第5の発明にかかる空気調和装置によれば、上記(イ)、(ロ)又は(ハ )に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記第1ファン3と第2ファン4とを共通のファンモータ11により回転駆動するようにしているので、例えばこれら各ファン3,4をそれぞれ個別のファンモータにより駆動する構造とする場合に比して、部材点数の低減あるいは構造の簡略化が図れるものである。
【0028】
(ヘ)本願の第6の発明にかかる空気調和装置によれば、上記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)又は(ホ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記第2ファン4のファンガイド8の近傍に、該第2ファン4を介することなく上記熱交換器2の該第2ファン4に対応する位置よりも下側部分と上記第1ファン3とを連通する連通口18を形成している。従って、上記熱交換器2の該第2ファン4に対応する位置よりも下側部分から吸い込まれる空気の内の一部が上記連通口18を通してそのまま上記第1ファン3側に吸い込まれることで、それだけ上記第2ファン4の負担風量が減少することになる。このことは、例えば、ケーシング31の下部に圧縮機等の機器が配置されこれらとの干渉を避けるために上記第2ファン4を上記第1ファン3側に近づけて配置したことで上記熱交換器2のうち、該第2ファン4よりも下側に位置する領域が大きくなり該第2ファン4の送風負担が過大となったような場合に好適である。
【発明の実施の形態】
【0029】
第1の実施形態
図1〜図3には、本願発明にかかる空気調和装置として、例えばビル用の大型空気調和装置における室外機Z1を示している。この室外機Z1は、横吸込・上吹出型の室外機であって、その一側が開口した縦長のケーシング1の該開口部1aに、該開口部1aを閉塞する如く、縦長平板状のクロスフィンタイプの熱交換器2を立設配置するとともに、上記ケーシング1の上面1bを構成する天板16部分には、該天板16と一体に形成されたファンガイド7を備えた左右一対の第1ファン3,3が配置されている。尚、この各第1プロペラファン3,3は、共に特許請求の範囲中の「第1ファン3」に該当するものであって、ファンモータ9により回転駆動される羽根車5を備えている。
【0030】
また、上記ケーシング1の上下方向中間位置(即ち、上記熱交換器2の上下方向中間位置)には、該ケーシング1の内部空間を上下方向に区画する如く中間板13が略水平に配置されている。そして、この中間板13には、これと一体に左右一対のファンガイド8,8が形成されるとともに、該各ファンガイド8,8の径方向内側には、ファンモータ10により回転駆動される羽根車6を備えた左右一対の第2プロペラファン4(特許請求の範囲中の「第2ファン4」に該当する)が、それぞれ上記各第1プロペラファン3,3と略同軸上に配置されている。
【0031】
また、上記ケーシング1の底板12上には、電気品箱25と圧縮機26がそれぞれ配置されている。
【0032】
続いて、この室外機Z1の作用効果等について説明する。
上記室外機Z1においては、上記各ファン3,4がそれぞれ運転されることで、上記熱交換器2を通して機外から上記ケーシング1の内部側に空気が吸い込まれ、該空気が上記熱交換器2を通過する際に該熱交換器2内を循環する冷媒との間において熱交換が行われる。
【0033】
この場合、上記熱交換器2のうち、上記ケーシング1の天板16と上記中間板13との間に位置し第1通風空間21に臨む上側熱交換部2aと、該ケーシング1の上記底板12と上記中間板13との間に位置し上記第2通風空間22に臨む下側熱交換部2bのうち、上記上側熱交換部2aにおいては、図1に空気流A1で示すように、上記第1プロペラファン3の吸込作用により上記熱交換器2の前方側から吸い込まれ上記第1通風空間21内において上方へ偏向された後、該第1プロペラファン3から機外上方へ吹き出される。
【0034】
一方、上記熱交換器2の上記下側熱交換部2bにおいては、図1に空気流A2で示すように、上記第2プロペラファン4の吸込作用により上記熱交換器2の前方側から吸い込まれ上記第2通風空間22内において上方へ偏向された後、該第2プロペラファン4から上方へ吹き出され、さらに上記第1プロペラファン3に吸い込まれて、上記上側熱交換部2aから流入した吸込空気と共に該第1プロペラファン3から機外上方へ向けて吹き出される。
【0035】
このように、縦長のケーシング1の側面に立設配置された熱交換器2を通して吸い込んだ空気を上下一対の第1プロペラファン3と第2プロペラファン4とによってそれぞれ上方に偏向させて機外へ吹き出させる構成とすることで、譬え上記室外機Z1の設置スペースの狭小化のために上記熱交換器2が縦長形態とされるとともに上記各プロペラファン3,4の羽根車5,6が比較的小径とされたものであったとしても、図1の左側部分に示す風速分布図のように、上記熱交換器2の上側熱交換部2aと下側熱交換部2bの双方において共に風速分布が均等化される。従って、例えば図7に示す従来の室外機Z0の如く縦長の熱交換器32とケーシング31の上面31a側に配置したプロペラファン33との組み合わせからなり熱交換器32における風速分布が上方側に大きく偏る場合に比して、上記熱交換器2における熱交換性能の向上が図れるとともに、上記室外機Z1の機内通風圧力損失の低下により所要ファン軸動力が低下することで該室外機Z1の省エネ運転が実現されることになる。
【0036】
また、この場合、上記第2プロペラファン4がファンガイド8を備えていることから、該第2プロペラファン4による送風の乱れが少なく、該第2プロペラファン4から吹き出された空気流の上記第1プロペラファン3との干渉が可及的に防止されることから、該第1プロペラファン3の送風能力が最大限発揮され、延いては熱交換性能の向上が図れるものである。
【0037】
さらに、上記第2プロペラファン4からの吹出空気がそのまま上記第1プロペラファン3側に吸い込まれることから、例えば該第2プロペラファン4を設けないものに比して、上記第1プロペラファン3の吸込抵抗が低減され、それだけ該第1プロペラファン3の送風能力の向上が図れるものである。
【0038】
即ち、この室外機Z1によれば、上記ケーシング1及び上記熱交換器2を共に縦長形態としても、上記第1プロペラファン3に加えて上記第2プロペラファン4を設けることで上記熱交換器2における風速分布の改善を図ることができることから、該室外機Z1の性能の維持と該室外機Z1の設置スペースの狭小化との両立が容易となるものである。
【0039】
ところで、この室外機Z1の如く上記第1プロペラファン3と第2プロペラファン4とを上下方向に離隔配置する構成とした場合には、該第1プロペラファン3は、上記熱交換器2の上側熱交換部2aと下側熱交換部2bの双方から吸い込まれる空気量に相当する送風能力をもつことが要求されるのに対して、上記第2プロペラファン4は該下側熱交換部2bから吸い込まれる空気量に相当する送風能力をもてば良いことから、該第1プロペラファン3と第2プロペラファン4の必要送風能力には大きな差がある。
【0040】
従って、ファン能力の適正化により運転経費の低減を図るという観点からすれば、上記第1プロペラファン3と第2プロペラファン4の送風能力を、これらにそれぞれ求められる必要送風能力に対応させることが得策である。かかる観点から、以下に述べる如き三つの構成を提案する。
【0041】
第1の構成
第1の構成は、必要送風能力の大きい上記第1プロペラファン3の羽根車5を、必要送風能力の小さい上記第2プロペラファン4の羽根車6よりも大径とすることである。かかる構成とすることで、上記第1プロペラファン3は第2プロペラファン4よりも大きな送風能力をもつこと、換言すれば、これら各プロペラファン3,4の上記熱交換器2との相対的な配置位置に基づくそれぞれの必要送風能力に対応した送風能力をもつこととなり、結果的に、ファン能力の適正化により運転経費の低減が図れることになる。
【0042】
第2の構成
第2の構成は、上記第1プロペラファン3の羽根車5の平均半径におけるスタッガー角を、上記第2ファン4の羽根車6におけるスタッガー角よりも小さな値に設定する構成である。尚、この平均半径とは、羽根車の外径を「D」、内径を「d」としたとき、
平均半径R=(1/2)・√[(D2+d2)/2]
として表されるものである。また、上記「スタッガー角」は、翼弦が翼列軸となす角度であり、送風能力に影響し、このスタッガー角が大きいほど送風能力が低くなるものである。
【0043】
従って、上記第1プロペラファン3のスタッガー角を上記第2プロペラファン4のスタッガー角よりも小さな値とすることで、該第1プロペラファン3は第2プロペラファン4よりも大きな送風能力をもつことになる。この場合、上述のように上記第1プロペラファン3と第2プロペラファン4の間においては上記熱交換器2との相対位置に対応して該第1プロペラファン3の必要送風能力が第2プロペラファン4のそれよりも大きいことに照らし合わせると、該各プロペラファン3,4は、それぞれ該各プロペラファン3,4の必要送風能力に対応した送風能力をもつことになり、結果的に、ファン能力の適正化により運転経費の低減が図れるものである。
【0044】
第3の構成
第3の構成は、上記第1プロペラファン3と第2プロペラファン4の回転方向を相互に逆方向に設定する構成である。かかる構成とすると、例えばこれら両プロペラファン3,4を同方向に回転させる場合に比して、該第1プロペラファン3の圧力上昇が大きくなる(この圧力上昇の理由は、「発明の効果」の(ニ)において述べた通りであるので、ここでの説明は省略する)。
【0045】
このように上記第1プロペラファン3の圧力上昇が大きくなることで、例えば上記第1プロペラファン3の回転数を同じとすると該第1プロペラファン3と第2プロペラファン4の回転方向を同方向とした場合に比して、該第1プロペラファン3の送風量が増加する。従って、上記各プロペラファン3,4は、それぞれ該各プロペラファン3,4の必要送風能力に対応した送風能力をもつことになり、結果的に、ファン能力の適正化により運転経費の低減が図れることになる。また、上記第1プロペラファン3の必要送風量が少ないような場合には、該第1プロペラファン3の回転数を下げることで運転騒音の低減を図ることもできる。
【0046】
第2の実施形態
図4及び図5には、本願発明の第2の実施形態にかかる室外機Z2を示している。この室外機Z2は、上記第1の実施形態にかかる室外機Z1と同一の基本構成をもつものであって、この第1の実施形態にかかる室外機Z1と異なる点は、上記第2プロペラファン4用のファンガイド8が設けられる上記中間板13の上記熱交換器2寄り位置に上記第1通風空間21と第2通風空間22とを連通する連通口18を形成した点である。
【0047】
このように、上記中間板13に連通口18を形成することで、上記熱交換器2の下側熱交換部2b部分から吸い込まれる空気のうちの一部が上記連通口18を通してそのまま上記上側熱交換部2a側に吸い込まれ、上記上側熱交換部2a側から吸い込まれた空気と共に上記第1プロペラファン3に流入することになる。このことは、上記連通口18を介して上記第2通風空間22側から第1通風空間21側に移動した空気量だけ上記第2プロペラファン4の負担風量が減少するということである。従って、かかる構成は、例えば、ケーシング31の下部に配置される電気品箱25あるいは圧縮機26が大型化し、これらと上記第2プロペラファン4との干渉を避ける必要から該第2プロペラファン4を上記第1プロペラファン3側に近づけて配置したことにより、上記熱交換器2の下側熱交換部2bが上側熱交換部2aよりも大きくなり該第2プロペラファン4の送風負担が過大となるような構造の場合に好適である。
【0048】
尚、上記以外の構成部材の説明及び作用効果の説明は、上記第1の実施形態における該当部分を援用することとし、ここでの説明は省略する。
【0049】
第3の実施形態
図6には、本願発明の第3の実施形態にかかる室外機Z3を示している。この室外機Z3は、上記第1の実施形態にかかる室外機Z1と同一の基本構成をもつものであって、この第1の実施形態にかかる室外機Z1と異なる点は、該室外機Z1が上記第1プロペラファン3と第2プロペラファン4とにそれぞれ専用のファンモータ9,10を備えていたのに対して、この実施形態の室外機Z3は上記第1プロペラファン3と第2プロペラファン4とを共通のファンモータ11によって駆動するようにした点であるる
このような構成とすることで、上記第1及び第2の実施形態の如くそれぞれ専用のファンモータ9,10を備える場合に比して、部材点数の低減あるいは構造の簡略化が図れるものである。
【0050】
尚、上記以外の構成部材の説明及び作用効果の説明は、上記第1の実施形態における該当部分を援用することとし、ここでの説明は省略する。
【0051】
その他
(1) 上記各実施形態においては、上記ケーシング1の天板16側に一対の第1プロペラファン3,3を設け、また上記中間板13側に一対の第2プロペラファン4,4を設けているが、本願発明はかかる構成に限定されるものではなく、室外機の要求容量等の条件に応じてこれら第1プロペラファン3及び第2プロペラファン4の数を増減設定することができるものである。
【0052】
(2) 上記各実施形態においては、上記熱交換器2を縦長平板状に形成し、これを上記ケーシング1の一側に立設配置するようにしているが、本願発明はかかる構成に限定されるものではなく、例えば室外機の要求容量等の条件によって、該熱交換器2を横断面「L字状」形態に形成してこれを上記ケーシング1の隣接する二つの側面に跨がって立設配置したり、該熱交換器2を横断面「コ字状」形態に形成してこれを上記ケーシング1の隣接する三つの側面に跨がって立設配置したりすることができるものである。
(3) 上記各実施形態においては、上記第2プロペラファン4を一つ備え、これを上記熱交換器2の上下方向中間位置に対応させて配置しているが、本願発明はかかる構成に限定されるものではなく、例えば室外機の要求容量、即ち上記熱交換器2の高さ寸法に応じて、上下方向に適宜離間させて複数個配置することもできるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の第1の実施形態にかかる空気調和装置の縦断面図である。
【図2】 図1のII-II矢視図である。
【図3】 図1のIII-III矢視図である。
【図4】 本願発明の第2の実施形態にかかる空気調和装置の縦断面図である。
【図5】 図4のV-V矢視図である。
【図6】 本願発明の第3の実施形態にかかる空気調和装置の縦断面図である。
【図7】 従来の空気調和装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1はケーシング、2は熱交換器、3は第1プロペラファン、4は第2プロペラファン、5及び6は羽根車、7及び8はファンガイド、9〜11はファンモータ、12は底板、13は中間板、14は背面板、15は側板、16は天板、17は点検蓋、18は連通口、21は第1通風空間、22は第2通風空間、25は電気品箱、26は圧縮機、A1〜A3は空気流、Z1〜Z3は室外機である。
Claims (6)
- 側面が開口した箱体状のケーシング(1)の該開口部(1a)にこれを閉塞する如く熱交換器(2)を立設配置する一方、
上記ケーシング(1)の上下方向中間位置には該ケーシング(1)の内部空間を上下方向に区画する中間板(13)を配置し、
上記ケーシング(1)の上面(1b)にファンガイド(7)を備えた軸流又は斜流式の第1ファン(3)がその吹出方向を上方に向けた状態で配置されるとともに、
上記中間板(13)にはファンガイド(8)を備えた軸流又は斜流式の第2ファン(4)がその吹出方向を上方に向けた状態で配置されていることを特徴とする空気調和装置。 - 請求項1において、
上記第1ファン(3)の羽根車(5)が、上記第2ファン(4)の羽根車(6)よりも大径とされていることを特徴とする空気調和装置。 - 請求項1において、
上記第1ファン(3)の羽根車(5)の平均半径におけるスタッガー角が、上記第2ファン(4)の羽根車(6)におけるスタッガー角よりも小さな値に設定されていることを特徴とする空気調和装置。 - 請求項1,2又は3において、
上記第1ファン(3)と第2ファン(4)の回転方向を相互に逆方向に設定したことを特徴とする空気調和装置。 - 請求項1,2又は3において、
上記第1ファン(3)と第2ファン(4)とが共通のファンモータ(11)により回転駆動されることを特徴とする空気調和装置。 - 請求項1,2,3,4又は5において、
上記第2ファン(4)のファンガイド(8)の近傍に、該第2ファン(4)を介することなく上記熱交換器(2)の該第2ファン(4)に対応する位置よりも下側部分と上記第1ファン(3)とを連通する連通口(18)が形成されていることを特徴とする空気調和装置。
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