JPH10246473A - 空気調和装置 - Google Patents

空気調和装置

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JPH10246473A
JPH10246473A JP5003297A JP5003297A JPH10246473A JP H10246473 A JPH10246473 A JP H10246473A JP 5003297 A JP5003297 A JP 5003297A JP 5003297 A JP5003297 A JP 5003297A JP H10246473 A JPH10246473 A JP H10246473A
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heat exchanger
propeller
air
air conditioner
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Kanjiro Kinoshita
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気調和装置において、設置スペースの狭小
化と性能維持との両立を図る。 【解決手段】 ケーシング1の側面の該開口部1aに熱
交換器2を立設配置する一方、上記ケーシング1の上面
1bにはファンガイド7を備えた軸流又は斜流式の第1
ファン3をその吹出方向を上方に向けた状態で配置する
とともに、上記第1ファン3の下方位置にはファンガイ
ド8を備えた軸流又は斜流式の第2ファン4をその吹出
方向を上方に向けた状態で配置する。かかる構成によ
り、上記熱交換器2の上記第2ファン4に対応する位置
より上側部分においては上記第1ファン3の吸込作用に
より送風が行われ、また該第2ファン4に対応する位置
より下側部分においては該第2ファン4の吸込作用によ
り送風が行われれ、譬え上記熱交換器2が縦長形態のも
のであっても、該熱交換器2における風速分布の改善が
図られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、空気調和装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7には、例えばビル用空気調和装置の
如き大型の空気調和装置の室外機Z0を示している。こ
のような大型の室外機Z0においては、必要な熱交換能
力を維持しつつ設置スペースの狭小化を図ることが要請
されており、かかる要請に応える一つの方法として、こ
の室外機Z0の如く、ケーシング31を縦長にして該ケ
ーシング31の平面スペース(即ち、室外機Z0の設置
スペース)を可及的に小さくするとともに、この縦長の
ケーシング31の側面に縦長の熱交換器32を立設配置
することで熱交換能力を維持するような構造が提案され
ている。
【0003】この室外機Z0においては、上記ケーシン
グ31の上面に位置する天板31aに、該天板31aと
一体となったファンガイド35を設けるとともに、この
ファンガイド35の内側に羽根車34を備えたプロペラ
ファン33を、その吹出方向を上方に向けた状態で配置
し、上記プロペラファン33の運転に伴い、同図に空気
流A0で示すように、外気を上記熱交換器32を通して
ケーシング31内に吸入し、これを上記ファンガイド3
5部分を通して上方へ吹き出すようになっている。尚、
同図において符号36は圧縮機、37は電気品箱であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
縦長の室外機Z0においては、縦長の熱交換器32に対
してその上端寄りに上記プロペラファン33が位置して
いること、及びケーシング31の平面スペースが小さい
ことに関連して上記プロペラファン33の羽根車34の
径寸法が比較的小さく制約され、その吸込性能は羽根車
に比較して遠方である熱交換器32の下部までは十分に
作用しないことから、上記熱交換器32における上記プ
ロペラファン33による空気の吸込作用は、該プロペラ
ファン33に近い上部32a側が大きく、これから遠い
下部32bは小さくなり、同図の左部分に示す風速分布
図のように、風速分布が上記熱交換器32の上部32a
側に偏ることになる。この結果、上記熱交換器32にお
ける熱交換性能が低下するとともに、室外機Z0の機内
通風圧力損失が増大することからプロペラファン33の
送風騒音が増加し、また駆動用の軸動力が増大するとい
う問題が生じる。
【0005】一方、このような従来の縦長の室外機Z0
における風速分布の偏りという問題に対処する一つの方
法として、実開昭60−12163号公報に開示される
ように、ケーシングの上面側に設けられる上側プロペラ
ファンの他に、熱交換器の下部寄りに対応させて下側プ
ロペラファンを配置し、これら両者によって送風するこ
とで熱交換器における風速分布の偏りを改善するように
した技術を適用することも考えられる。
【0006】ところが、この公知例に示された室外機に
おいては、主として風速分布の改善作用をなす上記下側
プロペラファンがファンガイドを備えない無圧開放型と
されているので、該下側プロペラファンそのものの送風
性能が低く、従ってこの技術をそのまま図7に示す如き
縦長の室外機Z0に適用しても風速分布の改善効果は低
いものとならざるを得ない。また、上記下側プロペラフ
ァンがファンガイドを備えないことで該下側プロペラフ
ァンから上側プロペラファンに向けて吹き出される空気
流の乱れが大きく、この乱れの大きい空気流が上側プロ
ペラファンに吸い込まれることで該空気流の上側プロペ
ラファンとの干渉が生じ、その運転騒音が大きくなると
いう問題もある。
【0007】そこで本願発明は、設置スペースの狭小化
と性能維持とを両立し得るようにした空気調和装置を提
供せんとしてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0009】本願の第1の発明では、側面が開口した箱
体状のケーシング1の該開口部1aにこれを閉塞する如
く熱交換器2を立設配置する一方、上記ケーシング1の
上面1bにはファンガイド7を備えた軸流又は斜流式の
第1ファン3をその吹出方向を上方に向けた状態で配置
するとともに、上記第1ファン3の下方位置にはファン
ガイド8を備えた軸流又は斜流式の第2ファン4をその
吹出方向を上方に向けた状態で配置したことを特徴とし
ている。
【0010】本願の第2の発明では、上記第1の発明に
かかる空気調和装置において、上記第1ファン3の羽根
車5を、上記第2ファン4の羽根車6よりも大径とした
ことを特徴としている。
【0011】本願の第3の発明では、上記第1の発明に
かかる空気調和装置において、上記第1ファン3の羽根
車5の平均半径におけるスタッガー角を、上記第2ファ
ン4の羽根車6におけるスタッガー角よりも小さな値に
設定したことを特徴としている。
【0012】本願の第4の発明では、上記第1、第2又
は第3の発明にかかる空気調和装置において、上記第1
ファン3と第2ファン4の回転方向を相互に逆方向に設
定したことを特徴としている。
【0013】本願の第5の発明では、上記第1、第2又
は第3の発明にかかる空気調和装置において、上記第1
ファン3と第2ファン4とを共通のファンモータ11に
より回転駆動することを特徴としている。
【0014】本願の第6の発明では、上記第1、第2、
第3、第4又は第5の発明にかかる空気調和装置におい
て、上記第2ファン4のファンガイド8の近傍に、該第
2ファン4を介することなく上記熱交換器2の該第2フ
ァン4に対応する位置よりも下側部分と上記第1ファン
3とを連通する連通口18を形成したことを特徴として
いる。
【0015】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような効果が得られる。
【0016】本願の第1の発明にかかる空気調和装置
によれば、ケーシング1の側面の該開口部1aに熱交換
器2を立設配置する一方、上記ケーシング1の上面1b
にはファンガイド7を備えた軸流又は斜流式の第1ファ
ン3をその吹出方向を上方に向けた状態で配置するとと
もに、上記第1ファン3の下方位置にはファンガイド8
を備えた軸流又は斜流式の第2ファン4をその吹出方向
を上方に向けた状態で配置しているので、上記熱交換器
2の上記第2ファン4に対応する位置より上側部分にお
いては上記第1ファン3の吸込作用により送風が行わ
れ、また該第2ファン4に対応する位置より下側部分に
おいては該第2ファン4の吸込作用により送風が行われ
る。このように、上記熱交換器2への送風を上下方向に
おいて離間配置された第1ファン3と第2ファン4とに
よってそれぞれ行うことで、譬え空気調和装置の設置ス
ペースの狭小化のために上記熱交換器2が縦長形態とさ
れるとともに上記各ファン3,4の羽根車5,6が比較
的小径とされたものであっても、例えば従来のようにフ
ァンがケーシングの上面側に一つしか設けられていない
ような場合に比して、上記熱交換器2における風速分布
がその上下方向の全域において可及的に均等化され、上
記熱交換器2における熱交換性能の向上が図れるととも
に、機内通風圧力損失の低下による所要ファン軸動力の
低下(即ち、省エネ運転の実現)、あるいはファン運転
騒音の低下が図れるものである。
【0017】また、上記第2ファン4がファンガイド8
を備えていることから、該第2ファン4による送風の乱
れが少ない。このため、該第2ファン4から吹き出され
た空気流の上記第1ファン3との干渉が可及的に防止さ
れることから、該第1ファン3の送風能力が最大限発揮
され、延いては熱交換性能の向上が図れるものである。
【0018】さらに、上記第2ファン4からの吹出空気
が上記第1ファン3側に吸い込まれることから、例えば
該第2ファン4を設けないものに比して、上記第1ファ
ン3の吸込抵抗が低減され、それだけ該第1ファン3の
送風能力の向上が図れるものである。
【0019】本願の第2の発明にかかる空気調和装置
によれば、上記に記載の効果に加えて次のような特有
の効果が得られる。即ち、この発明では、上記第1ファ
ン3の羽根車5を、上記第2ファン4の羽根車6よりも
大径としているので、上記第1ファン3は第2ファン4
よりも大きな送風能力をもつことになる。
【0020】従って、本来、上記第1ファン3は、上記
熱交換器2のうち、該第1ファン3と上記第2ファン4
との間の範囲に対応する領域から吸い込まれる空気量
と、該熱交換器2のうち上記第2ファン4に対応する位
置から下側の領域から上記第2ファン4によって吸い込
まれ且つ上記第1ファン3側に吹き出される空気量との
総和量に相当する送風能力をもつことが要求されるのに
対して、上記第2ファン4は該第2ファン4に対応する
位置から下側の領域から吸い込まれる空気量に相当する
送風能力をもてばよく、該第1ファン3と第2ファン4
の間には送風能力において大きな差がある。この場合、
上述のように、上記第1ファン3の送風能力を上記第2
ファン4の送風能力よりも大きくすると、該各ファン
3,4は、これら各ファン3,4の上記熱交換器2との
相対的な配置位置に基づくそれぞれの必要送風能力に対
応した送風能力をもつこととなり、ファン能力の適正化
により運転経費の低減が図れるものである。
【0021】本願の第3の発明にかかる空気調和装置
によれば、上記に記載の効果に加えて次のような特有
の効果が得られる。即ち、この発明では、上記第1ファ
ン3の羽根車5の平均半径におけるスタッガー角を、上
記第2ファン4の羽根車6におけるスタッガー角よりも
小さな値に設定している。
【0022】この場合、スタッガー角、即ち、翼弦が翼
列軸となす角度は、送風能力に影響し、このスタッガー
角が大きいほど送風能力が低くなるものである。従っ
て、このスタッガー角の大きさに対応して、上記第1フ
ァン3は第2ファン4よりも大きな送風能力をもつこと
になる。このことは、上述のように上記第1ファン3と
第2ファン4の間においては上記熱交換器2との相対位
置に対応して、該第1ファン3の必要送風能力が第2フ
ァン4のそれよりも大きいことに照らし合わせると、該
各ファン3,4は、それぞれ該各ファン3,4の必要送
風能力に対応した送風能力をもつということであり、こ
の結果、ファン能力の適正化により運転経費の低減が図
れるものである。
【0023】本願の第4の発明にかかる空気調和装置
によれば、上記、又はに記載の効果に加えて次の
ような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上
記第1ファン3と第2ファン4の回転方向を相互に逆方
向に設定しているので、例えばこれら両ファン3,4を
同方向に回転させる場合に比して、該第1ファン3の圧
力上昇が大きくなる。
【0024】即ち、上記第1ファン3と第2ファン4と
を逆方向に回転させることで、該第2ファン4からの吹
出流れ、即ち、上記第1ファン3の吸込流れは、該第1
ファン3の回転方向とは逆方向の分速度をもって流入す
るため、上記第1ファン3側における圧力上昇理論式 「H=(γ/g)・u2・(Cu2−Cu1)」 での絶対速度の周方向成分「Cu1」が負の値となるこ
とから、例えば上記第1ファン3と第2ファン4とが同
方向に回転する場合(即ち、上記第1ファン3の吸込流
れが該第1ファン3の回転方向とは同方向の分速度をも
って流入する場合)における絶対速度の周方向成分が正
の値であることから考えて、上記第1ファン3と第2フ
ァン4とを逆方向に回転させることで該第1ファン3の
圧力上昇が大きくなるものである。
【0025】従って、例えば上記第1ファン3の回転数
を、上記第2ファン4を設けないものと同じとした場合
には、該第1ファン3の送風量が増加するため、上記各
ファン3,4は、それぞれ該各ファン3,4の必要送風
能力に対応した送風能力をもつことになり、結果的に、
ファン能力の適正化により運転経費の低減が図れるもの
である。また、上記第1ファン3の必要送風量が少ない
ような場合には、該第1ファン3の回転数を下げること
ができることから、運転騒音の低減が図れるものであ
る。
【0026】本願の第5の発明にかかる空気調和装置
によれば、上記、又はに記載の効果に加えて次の
ような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上
記第1ファン3と第2ファン4とを共通のファンモータ
11により回転駆動するようにしているので、例えばこ
れら各ファン3,4をそれぞれ個別のファンモータによ
り駆動する構造とする場合に比して、部材点数の低減あ
るいは構造の簡略化が図れるものである。
【0027】本願の第6の発明にかかる空気調和装置
によれば、上記、、、又はに記載の効果に加
えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明
では、上記第2ファン4のファンガイド8の近傍に、該
第2ファン4を介することなく上記熱交換器2の該第2
ファン4に対応する位置よりも下側部分と上記第1ファ
ン3とを連通する連通口18を形成している。従って、
上記熱交換器2の該第2ファン4に対応する位置よりも
下側部分から吸い込まれる空気の内の一部が上記連通口
18を通してそのまま上記第1ファン3側に吸い込まれ
ることで、それだけ上記第2ファン4の負担風量が減少
することになる。このことは、例えば、ケーシング31
の下部に圧縮機等の機器が配置されこれらとの干渉を避
けるために上記第2ファン4を上記第1ファン3側に近
づけて配置したことで上記熱交換器2のうち、該第2フ
ァン4よりも下側に位置する領域が大きくなり該第2フ
ァン4の送風負担が過大となったような場合に好適であ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】第1の実施形態 図1〜図3には、本願発明にかかる空気調和装置とし
て、例えばビル用の大型空気調和装置における室外機Z
1を示している。この室外機Z1は、横吸込・上吹出型の
室外機であって、その一側が開口した縦長のケーシング
1の該開口部1aに、該開口部1aを閉塞する如く、縦
長平板状のクロスフィンタイプの熱交換器2を立設配置
するとともに、上記ケーシング1の上面1bを構成する
天板16部分には、該天板16と一体に形成されたファ
ンガイド7を備えた左右一対の第1ファン3,3が配置
されている。尚、この各第1プロペラファン3,3は、
共に特許請求の範囲中の「第1ファン3」に該当するも
のであって、ファンモータ9により回転駆動される羽根
車5を備えている。
【0029】また、上記ケーシング1の上下方向中間位
置(即ち、上記熱交換器2の上下方向中間位置)には、
該ケーシング1の内部空間を上下方向に区画する如く中
間板13が略水平に配置されている。そして、この中間
板13には、これと一体に左右一対のファンガイド8,
8が形成されるとともに、該各ファンガイド8,8の径
方向内側には、ファンモータ10により回転駆動される
羽根車6を備えた左右一対の第2プロペラファン4(特
許請求の範囲中の「第2ファン4」に該当する)が、そ
れぞれ上記各第1プロペラファン3,3と略同軸上に配
置されている。
【0030】また、上記ケーシング1の底板12上に
は、電気品箱25と圧縮機26がそれぞれ配置されてい
る。
【0031】続いて、この室外機Z1の作用効果等につ
いて説明する。上記室外機Z1においては、上記各ファ
ン3,4がそれぞれ運転されることで、上記熱交換器2
を通して機外から上記ケーシング1の内部側に空気が吸
い込まれ、該空気が上記熱交換器2を通過する際に該熱
交換器2内を循環する冷媒との間において熱交換が行わ
れる。
【0032】この場合、上記熱交換器2のうち、上記ケ
ーシング1の天板16と上記中間板13との間に位置し
上記第1通風空間21に臨む上側熱交換部2aと、該ケ
ーシング1の上記底板12と上記中間板13との間に位
置し上記第2通風空間22に臨む下側熱交換部2bのう
ち、上記上側熱交換部2aにおいては、図1に空気流A
1で示すように、上記第1プロペラファン3の吸込作用
により上記熱交換器2の前方側から吸い込まれ上記第1
通風空間21内において上方へ偏向された後、該第1プ
ロペラファン3から機外上方へ吹き出される。
【0033】一方、上記熱交換器2の上記下側熱交換部
2bにおいては、図1に空気流A2で示すように、上記
第2プロペラファン4の吸込作用により上記熱交換器2
の前方側から吸い込まれ上記第2通風空間22内におい
て上方へ偏向された後、該第2プロペラファン4から上
方へ吹き出され、さらに上記第1プロペラファン3に吸
い込まれて、上記上側熱交換部2aから流入した吸込空
気と共に該第1プロペラファン3から機外上方へ向けて
吹き出される。
【0034】このように、縦長のケーシング1の側面に
立設配置された熱交換器2を通して吸い込んだ空気を上
下一対の第1プロペラファン3と第2プロペラファン4
とによってそれぞれ上方に偏向させて機外へ吹き出させ
る構成とすることで、譬え上記室外機Z1の設置スペー
スの狭小化のために上記熱交換器2が縦長形態とされる
とともに上記各プロペラファン3,4の羽根車5,6が
比較的小径とされたものであってとしても、図1の左側
部分に示す風速分布図のように、上記熱交換器2の上側
熱交換部2aと下側熱交換部2bの双方において共に風
速分布が均等化される。従って、例えば図7に示す従来
の室外機Z0の如く縦長の熱交換器32とケーシング3
1の上面31a側に配置したプロペラファン33との組
み合わせからなり熱交換器32における風速分布が上方
側に大きく偏る場合に比して、上記熱交換器2における
熱交換性能の向上が図れるとともに、上記室外機Z1
機内通風圧力損失の低下により所要ファン軸動力が低下
することで該室外機Z1の省エネ運転が実現されること
になる。
【0035】また、この場合、上記第2プロペラファン
4がファンガイド8を備えていることから、該第2プロ
ペラファン4による送風の乱れが少なく、該第2プロペ
ラファン4から吹き出された空気流の上記第1プロペラ
ファン3との干渉が可及的に防止されることから、該第
1プロペラファン3の送風能力が最大限発揮され、延い
ては熱交換性能の向上が図れるものである。
【0036】さらに、上記第2プロペラファン4からの
吹出空気がそのまま上記第1プロペラファン3側に吸い
込まれることから、例えば該第2プロペラファン4を設
けないものに比して、上記第1プロペラファン3の吸込
抵抗が低減され、それだけ該第1プロペラファン3の送
風能力の向上が図れるものである。
【0037】即ち、この室外機Z1によれば、上記ケー
シング1及び上記熱交換器2を共に縦長形態としても、
上記第1プロペラファン3に加えて上記第2プロペラフ
ァン4を設けることで上記熱交換器2における風速分布
の改善を図ることができることから、該室外機Z1の性
能を維持と該室外機Z1の設置スペースの狭小化との両
立が容易となるものである。
【0038】ところで、この室外機Z1の如く上記第1
プロペラファン3と第2プロペラファン4とを上下方向
に離隔配置する構成とした場合には、該第1プロペラフ
ァン3は、上記熱交換器2の上側熱交換部2aと下側熱
交換部2bの双方から吸い込まれる空気量に相当する送
風能力をもつことが要求されるのに対して、上記第2プ
ロペラファン4は該下側熱交換部2bから吸い込まれる
空気量に相当する送風能力をもてば良いことから、該第
1プロペラファン3と第2プロペラファン4の必要送風
能力には大きな差がある。
【0039】従って、ファン能力の適正化により運転経
費の低減を図るという観点からすれば、上記第1プロペ
ラファン3と第2プロペラファン4の送風能力を、これ
らにそれぞれ求められる必要送風能力に対応させること
が得策である。かかる観点から、以下に述べる如き三つ
の構成を提案する。
【0040】第1の構成 第1の構成は、必要送風能力の大きい上記第1プロペラ
ファン3の羽根車5を、必要送風能力の小さい上記第2
プロペラファン4の羽根車6よりも大径とすることであ
る。かかる構成とすることで、上記第1プロペラファン
3は第2プロペラファン4よりも大きな送風能力をもつ
こと、換言すれば、これら各プロペラファン3,4の上
記熱交換器2との相対的な配置位置に基づくそれぞれの
必要送風能力に対応した送風能力をもつこととなり、結
果的に、ファン能力の適正化により運転経費の低減が図
れることになる。
【0041】第2の構成 第2の構成は、上記第1プロペラファン3の羽根車5の
平均半径におけるスタッガー角を、上記第2ファン4の
羽根車6におけるスタッガー角よりも小さな値に設定す
る構成である。尚、この平均半径とは、羽根車の外径を
「D」、内径を「d」としたとき、 平均半径R=(1/2)・√[(D2+d2)/2] として表されるものである。また、上記「スタッガー
角」は、翼弦が翼列軸となす角度であり、送風能力に影
響し、このスタッガー角が大きいほど送風能力が低くな
るものである。
【0042】従って、上記第1プロペラファン3のスタ
ッガー角を上記第2プロペラファン4のスタッガー角よ
りも小さな値とすることで、該第1プロペラファン3は
第2プロペラファン4よりも大きな送風能力をもつこと
になる。この場合、上述のように上記第1プロペラファ
ン3と第2プロペラファン4の間においては上記熱交換
器2との相対位置に対応して該第1プロペラファン3の
必要送風能力が第2プロペラファン4のそれよりも大き
いことに照らし合わせると、該各プロペラファン3,4
は、それぞれ該各プロペラファン3,4の必要送風能力
に対応した送風能力をもつことになり、結果的に、ファ
ン能力の適正化により運転経費の低減が図れるものであ
る。
【0043】第3の構成 第3の構成は、上記第1プロペラファン3と第2プロペ
ラファン4の回転方向を相互に逆方向に設定する構成で
ある。かかる構成とすると、例えばこれら両プロペラフ
ァン3,4を同方向に回転させる場合に比して、該第1
プロペラファン3の圧力上昇が大きくなる(この圧力上
昇の理由は、「発明の効果」のにおいて述べた通りで
あるので、ここでの説明は省略する)。
【0044】このように上記第1プロペラファン3の圧
力上昇が大きくなることで、例えば上記第1プロペラフ
ァン3の回転数を同じとすると該第1プロペラファン3
と第2プロペラファン4の回転方向を同方向とした場合
に比して、該第1プロペラファン3の送風量が増加す
る。従って、上記各プロペラファン3,4は、それぞれ
該各プロペラファン3,4の必要送風能力に対応した送
風能力をもつことになり、結果的に、ファン能力の適正
化により運転経費の低減が図れることになる。また、上
記第1プロペラファン3の必要送風量が少ないような場
合には、該第1プロペラファン3の回転数を下げること
で運転騒音の低減を図ることもできる。
【0045】第2の実施形態 図4及び図5には、本願発明の第2の実施形態にかかる
室外機Z2を示している。この室外機Z2は、上記第1の
実施形態にかかる室外機Z1と同一の基本構成をもつも
のであって、この第1の実施形態にかかる室外機Z1
異なる点は、上記第2プロペラファン4用のファンガイ
ド8が設けられる上記中間板13の上記熱交換器2寄り
位置に上記第1通風空間21と第2通風空間22とを連
通する連通口18を形成した点である。
【0046】このように、上記中間板13に連通口18
を形成することで、上記熱交換器2の下側熱交換部2b
部分から吸い込まれる空気のうちの一部が上記連通口1
8を通してそのまま上記上側熱交換部2a側に吸い込ま
れ、上記上側熱交換部2a側から吸い込まれた空気と共
に上記第1プロペラファン3に流入することになる。こ
のことは、上記連通口18を介して上記第2通風空間2
2側から第1通風空間21側に移動した空気量だけ上記
第2プロペラファン4の負担風量が減少するということ
である。従って、かかる構成は、例えば、ケーシング3
1の下部に配置される電気品箱25あるいは圧縮機26
が大型化し、これらと上記第2プロペラファン4との干
渉を避ける必要から該第2プロペラファン4を上記第1
プロペラファン3側に近づけて配置したことにより、上
記熱交換器2の下側熱交換部2bが上側熱交換部2aよ
りも大きくなり該第2プロペラファン4の送風負担が過
大となるような構造の場合に好適である。
【0047】尚、上記以外の構成部材の説明及び作用効
果の説明は、上記第1の実施形態における該当部分を援
用することとし、ここでの説明は省略する。
【0048】第3の実施形態 図6には、本願発明の第3の実施形態にかかる室外機Z
3を示している。この室外機Z3は、上記第1の実施形態
にかかる室外機Z1と同一の基本構成をもつものであっ
て、この第1の実施形態にかかる室外機Z1と異なる点
は、該室外機Z1が上記第1プロペラファン3と第2プ
ロペラファン4とにそれぞれ専用のファンモータ9,1
0を備えていたのに対して、この実施形態の室外機Z3
は上記第1プロペラファン3と第2プロペラファン4と
を共通のファンモータ11によって駆動するようにした
点であるるこのような構成とすることで、上記第1及び
第2の実施形態の如くそれぞれ専用のファンモータ9,
10を備える場合に比して、部材点数の低減あるいは構
造の簡略化が図れるものである。
【0049】尚、上記以外の構成部材の説明及び作用効
果の説明は、上記第1の実施形態における該当部分を援
用することとし、ここでの説明は省略する。
【0050】その他 (1) 上記各実施形態においては、上記ケーシング1
の天板16側に一対の第1プロペラファン3,3を設
け、また上記中間板13側に一対の第2プロペラファン
4,4を設けているが、本願発明はかかる構成に限定さ
れるものではなく、室外機の要求容量等の条件に応じて
これら第1プロペラファン3及び第2プロペラファン4
の数を増減設定することができるものである。
【0051】(2) 上記各実施形態においては、上記
熱交換器2を縦長平板状に形成し、これを上記ケーシン
グ1の一側に立設配置するようにしているが、本願発明
はかかる構成に限定されるものではなく、例えば室外機
の要求容量等の条件によって、該熱交換器2を横断面
「L字状」形態に形成してこれを上記ケーシング1の隣
接する二つの側面に跨がって立設配置したり、該熱交換
器2を横断面「コ字状」形態に形成してこれを上記ケー
シング1の隣接する三つの側面に跨がって立設配置した
りすることができるものである。
【0052】(3) 上記各実施形態においては、上記
第2プロペラファン4を一つ備え、これを上記熱交換器
2の上下方向中間位置に対応させて配置しているが、本
願発明はかかる構成に限定されるものではなく、例えば
室外機の要求容量、即ち上記熱交換器2の高さ寸法に応
じて、上下方向に適宜離間させて複数個配置することも
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施形態にかかる空気調和装
置の縦断面図である。
【図2】図1のII-II矢視図である。
【図3】図1のIII-III矢視図である。
【図4】本願発明の第2の実施形態にかかる空気調和装
置の縦断面図である。
【図5】図4のV-V矢視図である。
【図6】本願発明の第3の実施形態にかかる空気調和装
置の縦断面図である。
【図7】従来の空気調和装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1はケーシング、2は熱交換器、3は第1プロペラファ
ン、4は第2プロペラファン、5及び6は羽根車、7及
び8はファンガイド、9〜11はファンモータ、12は
底板、13は中間板、14は背面板、15は側板、16
は天板、17は点検蓋、18は連通口、21は第1通風
空間、22は第2通風空間、25は電気品箱、26は圧
縮機、A1〜A3は空気流、Z1〜Z3は室外機である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側面が開口した箱体状のケーシング
    (1)の該開口部(1a)にこれを閉塞する如く熱交換
    器(2)を立設配置する一方、 上記ケーシング(1)の上面(1b)にはファンガイド
    (7)を備えた軸流又は斜流式の第1ファン(3)がそ
    の吹出方向を上方に向けた状態で配置されるとともに、 上記第1ファン(3)の下方位置にはファンガイド
    (8)を備えた軸流又は斜流式の第2ファン(4)がそ
    の吹出方向を上方に向けた状態で配置されていることを
    特徴とする空気調和装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記第1ファン(3)の羽根車(5)が、上記第2ファ
    ン(4)の羽根車(6)よりも大径とされていることを
    特徴とする空気調和装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 上記第1ファン(3)の羽根車(5)の平均半径におけ
    るスタッガー角が、上記第2ファン(4)の羽根車
    (6)におけるスタッガー角よりも小さな値に設定され
    ていることを特徴とする空気調和装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3において、 上記第1ファン(3)と第2ファン(4)の回転方向を
    相互に逆方向に設定したことを特徴とする空気調和装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1,2又は3において、 上記第1ファン(3)と第2ファン(4)とが共通のフ
    ァンモータ(11)により回転駆動されることを特徴と
    する空気調和装置。
  6. 【請求項6】 請求項1,2,3,4又は5において、 上記第2ファン(4)のファンガイド(8)の近傍に、
    該第2ファン(4)を介することなく上記熱交換器
    (2)の該第2ファン(4)に対応する位置よりも下側
    部分と上記第1ファン(3)とを連通する連通口(1
    8)が形成されていることを特徴とする空気調和装置。
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