JP3742708B2 - 弁装置の開度計 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、ソフトシール仕切弁のほか、バタフライ弁等の弁装置の開度計に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊星差動歯車を使用した開度計の場合、従来の技術では、弁棒の回転方向と開度指示用指標の回転が逆回転となり、弁を操作した場合、開度計を頼りに弁を操作すると操作ミスになる可能性があった。
【0003】
また、従来の技術では、回転伝達の方法として、弁キャップ自体に加工を施したものや、弁棒に直接ボルトで圧着したものがあるが、弁キャップの改造では専用の弁キャップが必要であり、弁棒への直接のボルト固定は、弁棒を傷つけ、あるいはボルトの緩みなどにより、回転伝達不能となるおそれがあった。
【0004】
また弁キャップ上部の角部に角に切り欠いた回転伝達板をはめ込んだ構造のものがあるが、弁キャップを回転させる際に、重量のあるキーハンドル等を上部の角部に装着し回転させるため、衝撃により壊れるおそれがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上述の従来技術の不都合、不具合な点を改善し、弁棒と開度指示用指標とを同一方向に回転させることにより、操作ミスを防止することができるようにすると共に、弁キャップや弁棒に改造又は傷をつけることなく、弁棒の回転を開度計へ伝えることができるようにするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明では、各々円形の輪郭形状を有し、下から上へ本体、回転板、開度表示板、偏心板の順に組み付けられるように構成され、中心穴を有する前記本体は、外縁部に開度目盛表示部を、上面に形成した環状突縁の外周には外歯歯車を、下面には弁への取付部を形成し、前記外歯歯車と噛み合って遊星差動歯車を構成すべくこの外歯歯車より大径でかつ歯数を増やした内歯歯車を設けた前記回転板の上面に環状突起を形成し、この環状突起の外周に全周的に分布して複数の突起部を突設し、これら突起部とそれぞれ緩く嵌合する切欠きを下面に欠設した前記開度表示板の上面に前記開度目盛表示部と共働して弁の開度を示す指標を設け、中心に弁軸貫通穴を有し、上面にこの弁棒に嵌合する弁キャップの固定部を、また下面に前記本体の中心穴に密嵌する突起を形成した前記偏心板には、前記回転板の環状突起を嵌合させるカム状の回転板はめ込み部を形成した。
【0007】
請求項2に記載の発明においては、請求項1記載の開度計において、前記本体に形成した弁への取付部は、開度計を装着すべき弁の大小に応じて前記本体の下面外周部又は内周部に突設した弁のパッキン押えリブ等の隆起部に嵌合する切り欠き又は挟持用突起部とした。
【0008】
請求項3に記載の発明においては、請求項1記載の開度計において、前記偏心板の一回転当り開度表示板の回転角度を、前記内歯歯車の歯数をA、前記外歯歯車の歯数をBとした場合において、外歯歯車を固定し、内歯歯車を公転せることにより、弁キャップと開度表示板が同一方向へ回転し、360・{(AーB)/A}で表わせるようにした。
【0009】
請求項4に記載の発明においては、請求項1記載の開度計において、前記弁キャップ固定部を、前記偏心板の上面に形成し前記弁キャップ外周面に係合する放射状のキャップ固定用リブと、前記偏心板の上面に立ち上げた立壁の一部に設けられ前記弁キャップを弁棒に固定する固定ボルトが一部突出する欠設部によって構成した。
【0010】
【発明の実施の形態】
次にこの発明の開度計を添付図面にしたがって説明する。
先ず図1はこの発明の構成部品を分離して示す展開斜視図であって、各々円形の輪郭形状を有する各構成部分は、図面の下から上へ、本体1、回転板2、開度表示板3、偏心板4の順に組み付けられるように構成されている。
【0011】
上記図1において、中心穴5を有する前記本体1の外縁部には開度目盛表示部6が構成されており、前記本体1の中心穴5の周りに環状突縁7が突設されており、この環状突縁7の外周には外歯歯車8が形成されている。
【0012】
前記環状突縁7の内側には、後で図2、3によって詳述する小口径の弁の一部を構成するパッキン押さえ9の開度計固定用リブ10に嵌合する取付部としての切欠き11を円周上数個所(図示の例では4個所)に穿設してあり、また図1にはあらわれていないが大口径の弁の一部を構成するパッキン押さえ12(図4、5)に構成される開度計固定用リブ13に嵌合する取付部としての突起部14が本体1の下面に突設されている。
【0013】
図12に戻って、前記本体1上に嵌合する回転板2の下面には、前記外歯歯車8と噛み合って遊星差動歯車を構成すべく、この外歯歯車8より大径でかつ歯数を増やした内歯歯車15が設けられ、この環状突起16の外周に全周的に分布して複数個の突起部17(図示の例では4個。)を突設されている。
【0014】
前記突起部17とそれぞれ緩く嵌合する切欠き18を下面に欠設した前記開度表示板3の上面に、前記開度目盛表示部6と共働して弁の開度を示す指標としての矢印19を設ける。なお前記開度表示板3の切り欠き18の幅は、回転板2の突起部17の幅十偏心量×2とする。
【0015】
前記偏心板4の中心には弁棒貫通穴20が設けられ、上面に図9、10によって詳述する弁棒21に嵌合する弁キャップ22の固定部としてのキャップ固定用リブ23及び上面に立ち上げた立壁24の一部に設けられ前記弁キャップを弁棒軸21に固定する固定ボルト25が一部突出する欠設部26が形成される。
【0016】
一方、前記偏心板4の下面には前記本体1の中心穴5に密嵌すべき突縁27(図7に示すようにこの突縁27は多数の切込み29を有する環状突縁であって、前記中心穴5に弾性的に圧縮された状態で密嵌されるものである)が突設されると共に、前記回転板2の環状突起16を嵌合させる、カム状の回転板はめ込み部28を形成する(図7、8参照)。
【0017】
図9及び図10は偏心板4に対する弁キャップ22の固定状態を示すものであって、偏心板4の弁棒貫通穴20に弁軸21を貫通させた状態で弁キャップ22を前記弁棒21に嵌装し、固定用ボルト25で弁キャップ22を弁棒21に締着し、この際前記固定用ボルト25が欠設部26から一部突出するようにして、弁キャップ22の回動に対して偏心板4が一緒に回動するようにするのである。
【0018】
前記本体1の下面に設けられた切欠き11又は突起部14を、弁のパッキン押さえ9又は12の開度計固定用リブ10又は13に嵌合することにより開度計と弁とを固定する(図2、3又は図4、5参照)。
【0019】
前記本体1上には回転板2、開度表示板3及び偏心板4が組み上げられた状態で、弁棒21の回転はキャップ固定用ボルト25を介して偏心板4へ伝えられ、本体1と回転板2にはそれぞれ歯数の異なる外歯歯車8と内歯歯車15とが刻設されており、本体1側の外歯歯車8は固定されており、回転板2側の内歯歯車15は回転自在とされており、その位置関係は図6に示すようになっている。
【0020】
前記内歯歯車15は外歯歯車8に一部分が噛み合うようにして回転するように、偏心板4によって回転板2を偏心させており、その態様は図7及び図8に示すとおりである。このようにして、偏心板4が回転することによりこの偏心板4によって偏心されている内歯歯車15は外歯歯車8に一部分が噛み合いながら回転する。
【0021】
前記内歯歯車15の歯数を外歯歯車8の歯数より1歯ないし2歯増やすことにより、内歯歯車15が位置固定の外歯歯車8に噛み合いながら偏心板4によって公転すると、回転板2は内歯歯車15と外歯歯車8の歯数比に応じて偏心板4(弁棒21、弁キャップ22)と同一方向へ自転する。
【0022】
偏心板4が1回転するときの開度表示板3の回転角度は、内歯歯車15の歯数をA、外歯歯車8の歯数をBとした場合において、外歯歯車を固定し、内歯歯車を公転させることにより、弁キャップと開度表示板が同一方向へ回転し、360・{(AーB)/A}で表わすことができる。
【0023】
前記回転板2の自転は、この回転板2に設けてある突起部17が、開度表示板3に設けてある切欠き18に噛み合っていることにより、開度表示板3に伝えられ、この開度表示板3には開度指示用指標すなわち矢印19が設けられており、本体1には開度目盛表示部6の目盛りを表示しておくことによって、弁装置の開度計としての機能を果たすのである。
【0024】
実用上、弁への固定方法を変えることにより、この発明を仕切弁、バタフライ弁等の開度計として利用することが可能である。
【0025】
【発明の効果】
この発明の上記構成からなる弁装置の開度計によれば、弁の弁棒と開度指示用指標(矢印)とが同一方向に回転するため操作ミスを生じないという操作上の効果を奏すると共に、弁キャップや弁棒を改造したり傷付けたりすることなく取り付け可能であるという実用上の効果も顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の開度計の各部分に分解して示す展開斜視図である。
【図2】小口径の場合の弁のパッキン押えと開度計の本体とを分離して示す斜視図である。
【図3】図2に示す各部分の組立斜視図である。
【図4】大口径の場合の弁のパッキン押えと開度計の本体とを分離して示す斜視図である。
【図5】図4に示す各部分の組立斜視図である。
【図6】本体の外歯歯車と回転板の内歯歯車との関係を示す平面図である。
【図7】偏心板と回転板とを分離して示す断面図である。
【図8】偏心板の下面図である。
【図9】弁キャップと偏心板とを分離して示す斜視図である。
【図10】図9に示す弁キャップと偏心板との組立斜視図である。
【符号の説明】
1 本体
2 回転板
3 開度表示板
4 偏心板
5 中心穴
6 開度目盛表示部
7 環状突縁
8 外歯歯車
11 切欠き(取付部)
14 突起部(取付部)
15 内歯歯車
16 環状突起
17 突起部
18 切欠き
19 矢印(指標)
27 突縁
28 回転板はめ込み部(カム)
29 切込み

Claims (4)

  1. 各々円形の輪郭形状を有し、下から上へ本体、回転板、開度表示板、偏心板の順に組み付けられるように構成され、中心穴を有する前記本体は、外縁部に開度目盛表示部を、上面に形成した環状突縁の外周には外歯歯車を、下面には弁への取付部を形成し、前記外歯歯車と噛み合って遊星差動歯車を構成すべくこの外歯歯車より大径でかつ歯数を増やした内歯歯車を設けた前記回転板の上面に環状突起を形成し、この環状突起の外周に全周的に分布して複数の突起部を突設し、これら突起部とそれぞれ緩く嵌合する切欠きを下面に欠設した前記開度表示板の上面に前記開度目盛表示部と共働して弁の開度を示す指標を設け、中心に弁棒貫通穴を有し、上面にこの弁棒に嵌合する弁キャップの固定部を、また下面に前記本体の中心穴に密嵌する突縁を形成した前記偏心板には、前記回転板の環状突起を嵌合させるカム状の回転板はめ込み部を形成したことを特徴とする遊星差動歯車を使用した弁装置の開度計。
  2. 前記本体に形成した弁への取付部は、開度計を装着すべき弁の大小に応じて前記本体の下面外周部又は内周部に突設した弁のパッキン押えリブ等の隆起部に嵌合する切り欠き又は挟持用突起部である請求項1記載の弁装置の開度計。
  3. 前記偏心板の一回転当り開度表示板の回転角度を、前記内歯歯車の歯数をA、前記外歯歯車の歯数をBとした場合において、弁キャップと開度表示板が同一方向へ回転し、360・{(AーB)/A}で表わせるようにした請求項1記載の弁装置の開度計。
  4. 前記弁キャップ固定部を、前記偏心板の上面に形成し前記弁キャップ外周面に係合する放射状のキャップ固定用リブと、前記偏心板の上面に立ち上げた立壁の一部に設けられ前記弁キャップを弁棒に固定する固定ボルトが一部突出する欠設部によって構成してなる請求項1記載の弁装置の開度計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017003099A (ja) * 2015-06-16 2017-01-05 株式会社清水合金製作所 バルブ用開度計の環状カバーと開度計付き仕切弁

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