JP3742573B2 - 掘削機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地中にカッターポストを建て込み、そのカッターポストに沿って掘削ビット付きチェーンを周回させることにより連続溝を掘削する掘削機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
河岸を侵食から保護する目的で、河岸に沿って地中壁を造成することがあり、その施工方法及び施工装置が公知である(特開平9−221749号公報参照)。
【0003】
図8はその護岸工事に使用される掘削機を示している。
【0004】
この掘削機は、通常、クローラクレーン等のベースマシン50にカッターポスト51を装備したものから構成されており、河岸RSにそのカッターポスト51を傾斜させた状態で建て込むようになっている。そしてカッターポスト51を支持体として掘削ビット付きチェーン52を周回させながらベースマシン50を河岸RSに沿って移動させ、連続溝TRを掘削する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カッターポスト51を傾斜させた状態で掘削ビット付きチェーン52を周回させると、この掘削ビット付きチェーン52が駆動スプロケット53とアイドラ54に架け渡されているだけであることから、チェーン各部の公差が積み重なることによって掘削ビットがふらついたり矢印S方向にたわむ場合がある(図中、二点鎖線で示した掘削ビット付きチェーン52′参照)。
【0006】
このように掘削ビット付きチェーン52が正規の軌道を周回しなくなると、連続溝TRの溝幅Wが膨らみ、意図した形状の連続溝TRを掘削することができなくなる。
【0007】
また、掘削ビット付きチェーン52がたわんだ状態、すなわち、上記チェーン52がカッターポスト51から離れる方向に変位するとチェーンにねじれが生じ、その結果、掘削面に対しては掘削ビットにおける左右両端の掘削抵抗の差が増加する。このように、掘削ビットの面圧が不均一な状態でチェーンを周回させると掘削効率が低下するだけでなくカッターポスト51に過剰な負荷が加わってカッターポスト51が変形する虞れもある。
【0008】
本発明は以上のような従来の掘削機における課題を考慮してなされたものであり、掘削ビット付きチェーンの軌道を安定させることにより掘削効率を安定させ、また、カッターポストを傾斜させて掘削を行うような場合には掘削ビット付きチェーンのたるみを防止して精度の高い連続溝を掘削することができる掘削機を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、自走式ベースマシンと、このベースマシンに備えられるカッターポストと、このカッターポストの上下両端に配設された駆動スプロケットとアイドラに架け渡されて周回する掘削ビット付きチェーンとを備えた掘削機において、上記掘削ビット付きチェーンに設けられこのチェーンとともに走行する移動体と、その移動体を所定の軌道に案内して走行させる移動体ガイド部材とから構成され、上記掘削ビット付きチェーンのたるみを規制するチェーン軌道規制手段が設けられ、上記カッターポストは、複数のカッターポストフレームが上下方向に連結されて組み立てられたものであり、上記各カッターポストフレーム毎に上記移動体ガイド部材が設けられている掘削機である。
【0010】
本発明に従えば、掘削ビット付きチェーンがカッターポストを周回するときに、チェーン軌道規制手段によってたるみが発生しないように規制され、それにより、掘削ビットのふらつきが抑制されるとともにチェーンの周回軌道が安定する。
【0011】
そして、本発明において、複数のカッターポストフレームが上下方向に連結されて上記カッターポストが組み立てられ、各カッターポストフレーム毎に上記移動体ガイド部材が設けられるので、カッターポスト全体にわたってチェーンが一定の軌道上を走行するように規制することができる。
【0012】
本発明において、上記チェーンが上記カッターポストの掘削方向両端面に沿って架設されている構成では、チェーン軌道規制手段はカッターポスト側方へのチェーンの変位を規制するように構成することが好ましい。
【0013】
それにより、カッターポストを傾斜させて連続溝を掘削するような場合でもチェーンがたわむことを防止することができる。特に、地上に露出しているカッターポスト部分を移動するチェーンはたるみ易くなるが、そのたるみを確実に防止することができる。
【0014】
上記移動体ガイド部材は、上記カッターポストの角部から掘削方向と直交する方向に突設される長尺板状部材からなり、上記移動体は、上記カッターポストに向けて延設される脚片からなり、その脚片の先端部が上記板状部材にガイドされながら移動するように構成することができる。
【0015】
また、上記脚片は、上下方向から見て外向きに湾曲して形成することができる。
【0016】
本発明において、上記移動体ガイド部材の端部に、上記チェーンの導入を容易にするためのチェーン導入部を設けることが好ましい。そうすれば、カッターポストフレームを多段に連結する場合に、カッターポストフレームに移動体ガイド部材が取り付けられていてもチェーンの導入が容易になる。
【0017】
また、上記カッターポストが傾斜した状態で設けられて、傾斜溝を掘削するようにしてもよい。そうすれば、掘削ビット付きチェーンのたるみを防止して精度の高い連続溝を掘削することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る掘削機を用いて傾斜連続溝を掘削している状態を示したものである。
【0020】
同図において、掘削機1は、クローラクレーン等で構成された自走式ベースマシン2にカッターポスト3を装備したものからなり、河岸に傾斜壁を造成するための連続溝を掘削すべくカッターポスト3を傾斜させた状態で河岸RSに建て込んでいる。
【0021】
上記カッターポスト3は複数のカッターポストフレームを上下方向に連結して構成されており、その上下両端部に駆動スプロケット3a及びアイドラ3bが配設され、両スプロケット3a,3b間にエンドレスの掘削ビット付きチェーン4が架け渡されている。
【0022】
そしてこの掘削ビット付きチェーン4を周回させながらベースマシン2を河岸RSに沿って移動させることにより、連続溝TRを掘削するようになっている。
【0023】
このベースマシン2にはメインフレーム5が備えられ、このメインフレーム5の下端部5aは、下部走行体6に取り付けられた支持部6aに対し連結ピン6bを介して連結されている。一方、上端部5bは油圧シリンダから構成される伸縮自在なバックステー7によってベースマシン2に支持されている。
【0024】
従って、バックステー7を伸縮させれば、連結ピン6bを回転軸としてカッターポスト3を起伏させることができ、水平面に対する傾斜角θを調整することができるようになっている。
【0025】
図2は上記カッターポスト3を構成しているカッターポストフレームのうちの一つを拡大して示したものである。
【0026】
同図(a)は、図1においてA方向から見た平面図、同図(b)はその左側面図である。
【0027】
カッターポストフレーム8aは、前板部8b、横板部8c,8d、後板部8eを有する角筒フレームからなり、長手方向一方端部には、上段側カッターポストフレーム8f(図1参照)に挿入するための一対の連結ピン9が突設され、他方端部には下段側カッターポストフレーム8g(図1参照)に設けられている連結ピン(図示しない)が挿入される一対のピン穴10が形成されている。
【0028】
図2において、カッターポストフレーム8aの四辺には、カッターポストフレーム8aの横板部8c,8dに沿って走行する掘削ビット付きチェーン4を規制するチェーン軌道規制手段を構成しているガイド板11〜14(背面側のガイド板12については図示しない)がそれぞれボルトで取り付けられている。
【0029】
各ガイド板11〜14は基本的に同じ構成からなり、ガイド板13を代表して説明する。
【0030】
移動体ガイド部材としてのガイド板13は、前板部8bの縁部に配置された第1ガイド板13aと、この第1ガイド板13aから延設され横板部8cから所定の間隔Sを設けて配置される第2ガイド板13bとを有し、全体としてL形断面を有する長尺部材で構成されている。
【0031】
なお、第1ガイド板13aはボルト15を用いて前板部8bに固定されるようになっており、そのため、第1ガイド板13aにはそのボルト15を挿通させるための複数の取付穴が配列されている。
【0032】
図2(b)において、掘削ビット付きチェーン4は対向するガイド板13及び14の間を通過できるようになっている。
【0033】
掘削ビット付きチェーン4は、アイドラ3bを折り返して上向き方向に走行するエンドレスのチェーン16,16と、このチェーン16,16の外周側に架設されたプレート17と、そのプレート17の幅方向両側から外向きに延設された一対の翼片18a,18bとを備えている。上記プレート17及び翼片18a,18bは移動体として機能する。
【0034】
なお、本実施形態のプレート17は、翼片18a,18bの取り付けができるように側板部を有するC形鋼が用いられている。
【0035】
上記一方の翼片18aは、カッターポストフレーム8aに設けられたガイド板11によってガイドされ、また、他方の翼片18bは同じくカッターポストフレーム8aに設けられたガイド板12によってガイドされるようになっており、結果として掘削ビット付きチェーン4が一対のガイド板11,12によってガイドされることになる。
【0036】
上記翼片18a及び18b及びそれらの翼片18a,18bに対応して設けられた上記ガイド板11,12は、チェーン軌道規制手段として機能し、掘削ビット付きチェーン4が周回中にカッターポスト8から離間することを防止し、それにより、チェーン4のたるみ、ねじれが防止される。
【0037】
上記プレート17には所定のピッチで掘削ビット20が固定されている。
【0038】
図2(b)では、3枚のプレート17に一カ所の割合で、具体的には、プレート17aとプレート17bにそれぞれ掘削ビット20が配設されている。また、本実施形態ではプレート17aに掘削ビット20の底板を重ね合わせ、ボルトを用いてプレート17aと掘削ビット20とチェーン16とを一体に固定している。
【0039】
このように各部材を組み合わせてチェーン16に固定することで、既存の掘削ビットを利用できるほか、掘削ビット20の摩耗、翼片の破損等が生じた場合にも、消耗した部品を個別に交換することができるという利点がある。
【0040】
なお、19はカッターポストフレーム8aの横板部8cの中心に従来から取り付けられている凸条のガイドレールであり、掘削ビット付きチェーン4がカッターポスト3に接触していることを前提として、掘削ビット付きチェーン4の軌道が矢印D方向に変位することを規制するようになっている。
【0041】
図3は上記ガイド板11〜14と掘削ビット付きチェーン4の配置を示したものである。
【0042】
同図において、ガイド板11及び12は、掻き下げ掘削を行うときに矢印B方向に下降する掘削ビット付きチェーン4が、カッターポストフレーム8aの横板部8dから離れないように掘削ビット付きチェーン4の軌道を規制するようになっている。
【0043】
一方、ガイド板13及び14(手前側のガイド板13のみ図示)は、カッターポスト3のアイドラ3bを折り返して矢印C方向に上昇する掘削ビット付きチェーン4が横板部8cから離れないよう規制するようになっている。
【0044】
また、ガイド板11の長手方向上端部にはチェーン導入部11cが設けられている。
【0045】
このチェーン導入部11cは、第1ガイド板11aの端部を外向きに開いた第1折曲部11dと、第2ガイド板11bの端部を同じく外向きに開いた第2折曲部11eとから構成され、掘削ビット付きチェーン4の導入を容易にしている。
【0046】
なお、ガイド板11の下端部にも上記第1折曲部11d及び第2折曲部11eと上下対称にして第3折曲部11d′及び第4折曲部11e′が形成されており、掘削ビット付きチェーン4の導入を容易にするチェーン導入部11c′が形成されている。
【0047】
このチェーン導入部11c,11c′は、他のガイド板12〜14についても同様に形成されており、ガイド板11,12(或いはガイド板13,14)に対し掘削ビット付きチェーン4をどちらの方向からでも容易に導入することができるようになっている。
【0048】
図4は図2のE−E矢視断面図であり、ガイド板11,12の構成を拡大して示したものである。
【0049】
同図において、カッターポストフレーム8aの横板部8dには上述したガイドレール19がボルト21aを用いて固定されている。
【0050】
詳しくは、ガイドレール19は、凸条のレール部19aをプレート部19bに固定したものからなり、所定の間隔を空けてボルト21aを挿通するための取付穴19aが形成されている。一方、横板部8dには上記取付穴19aのピッチに対応してナット21bが植設されている。
【0051】
従って、ボルト21aを取付穴19aに貫通させナット21bに螺合することにより、ガイドレール19が横板部8dに固定される。
【0052】
ところが、この従来のガイドレール19だけでは、カッターポストフレーム8aに沿って走行する掘削ビット付きチェーン4が横板部8dから離れる(X方向に変位する)ことを規制することができない。
【0053】
従って、図1に示したように、カッターポスト3を傾斜させて掘削を行うと、地上部分を走行する掘削ビット付きチェーン4が、カッターポスト3から離れ易くなり、ガイドレール19を設けていても、垂れた状態で周回してしまうことになる。
【0054】
そこで、本発明では、プレート17に設けた翼片18a及び18bに対応してガイド板11及びガイド板12を設け、掘削ビット付きチェーン4がカッターポスト3から離れずに走行できるようにしている。
【0055】
すなわち、図4において、ガイド板11における第2ガイド板11bによって翼片18aがX方向に変位することを規制すれば、結果として掘削ビット付きチェーン4はX方向、Y−Y′方向のいずれの方向についても変位することが規制されることになり、掘削ビット付きチェーン4が垂れることを防止することができる。ただし、Y−Y′方向についてはガイドレール19が変位を規制する。
【0056】
また、図中22はボルト15が螺合されるナットであり、前板部8bに付設されている付帯部品等と干渉しない部位に溶接される。従って、ガイド板11のX−X′方向長さL、及びボルト15挿通用の取付穴の位置は、上記ナット22の配置に応じて決定される。
【0057】
なお、上記翼片18a,18bは、すべてのプレート17に取り付けてもよく、また、所定の間隔を空けて間欠的に取り付けてもよい。要するに、掘削ビット付きチェーン4がカッターポストフレーム8aの横板部8d(または8c)から離れることを防止することができれば、取付けピッチは特に限定されない。
【0058】
また、上述した実施形態では掘削ビット20と翼片を備えたプレート17を組み合わせてチェーン16に固定したが、掘削ビット20に予め翼片を備えた構成であってもよく、また、プレート17の表面に掘削歯を備えたものを使用することもできる。
【0059】
また、これに限らず、チェーン16上に間欠的に掘削ビットが配列されている場合には、掘削ビット20のみをチェーンに固定し、その他の部分には翼片18a,18bを備えたC形鋼のみを固定するようにしてもよい。
【0060】
次に、本発明のチェーン軌道規制装置の第二実施形態を図5及び図6を参照して説明する。なお、両図において、図2または図4と同じ構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0061】
図5において、エンドレスのチェーン16,16の外周側には長方形のプレート30が所定の取付けピッチで取り付けられており、このプレート30の幅方向(Y−Y′方向)両端部に一対の脚片(移動体)31,32が設けられている。
【0062】
これらの脚部31及び32は、それぞれカッターポストフレーム8aに向けて延設されており、後述するガイドプレート(移動体ガイド部材)33及び34をその両側から囲むことができるように半円状に湾曲されている。なお、脚部31,32とプレート30とはボルト35を用いて接続されている。
【0063】
一方、ガイドプレート33と34は基本的に同じ構成の板状部材からなり、カッターポストフレーム8aの角部から互いに外向きに突出して設けられている。
【0064】
ガイドプレート33を代表して説明する。ガイドプレート33は、チェーン16,16とともに走行する脚部31を所定の軌道にガイドするためのガイド部33aと、このガイド部33aをカッターポストフレーム8aの横板部8dに固定するためのガイド基部33bとを備えている。
【0065】
一方、カッターポストフレーム8aの角部には予め、上記ガイド基部33bを接続するための取付板36が溶接されており、この取付板36にはガイドプレート固定用のボルト37を挿通して螺合するための雌ねじ部付き取付穴が、カッターポストフレーム8aの長手方向に配列されている。
【0066】
図6は、カッターポストフレーム8aに取り付けられたガイドプレート33,34を示している。
【0067】
ガイドプレート33においてボルト37を挿入する部位は、半円状の切欠き40が形成されており、ボルト37の頭部がガイドプレート33表面から突出しないようになっている。
【0068】
また、ガイドプレート33,34の長手方向両端には、斜めに切り欠かれた傾斜面41が形成されており、チェーンとともに走行する脚部31,32が若干D方向にずれていても接触することなくそのガイドプレート33,34に案内されるようになっている。
【0069】
このようにして、掘削ビット付きチェーン4がガイドプレート33,34によってガイドされ、所定の軌道を走行することができるようになる。
【0070】
従って第二の実施形態においても、ガイドプレート33,34によって脚部31,32がX方向に変位することを規制することができ、掘削ビット付きチェーン4はX方向、Y−Y′方向のいずれの方向についても変位することが規制されて所定の軌道を走行するようになる。その結果、掘削ビット付きチェーン4がカッターポストフレーム8aから離れて垂れることを防止できる。ただし、Y−Y′方向の変位についてはガイドレール19が規制することになる。
【0071】
また、上述した実施形態では、移動体(図4では翼片18a,18b)とその移動体をガイドする移動体ガイド部材(図4ではガイド板11,12)をカッターポストフレーム8aにおける横板部8dのY−Y′方向両側に配置したが、これに限らず、片側一方のみに配置するものであってもよい。
【0072】
例えば図4に示した構成では、翼片18aとガイド板11のみ、また、図5に示した構成では脚片32とガイドプレート34のみの片掛けタイプで構成することもできる。
【0073】
図7は、その片掛けタイプのチェーン軌道規制装置の具体例を示したものである。
【0074】
同図において、エンドレスのチェーン16,16の外周側には長方形のプレート42が所定の取付けピッチで取り付けられており、このプレート42の幅方向(Y−Y′方向)一方端部に鉤状脚部43が設けられている。
【0075】
この鉤状脚部43は、カッターポストフレーム8aに向けて鉤状に延設されており、その先端部に、後述するガイドプレート44と対向する規制板43aが形成されている。なお、43bはプレート42と鉤状脚部43との接続を補強するための補強板である。
【0076】
一方、ガイドプレート44は、カッターポストフレーム8aの角部にボルト45を用いて固定されており、横板部8dから突出している面44aが規制板43aと対向するようになっている。
【0077】
このようにチェーン軌道規制装置を片掛けタイプで構成しても掘削ビット付きチェーンを所定の軌道上で走行させることができる。
【0078】
また、上述した実施形態ではカッターポスト3を傾斜させて河岸に傾斜溝を掘削する施工を例に取り説明したが、河岸に限らず、廃棄物処理場等の汚水の止水壁、地中構造物の屋根壁、或いは液状化防止地盤、護岸壁等の地中壁造成用としての掘削溝を形成する場合にも適用することができる。
【0079】
もちろん、カッターポスト3を垂直に建て込み、垂直溝を掘削する場合においても本発明のチェーン軌道規制装置を適用することができる。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、請求項1の本発明によれば、掘削機において、カッターポストから離れる方向への掘削ビット付きチェーンの変位を規制するチェーン軌道規制手段を、カッターポストに設けたため、カッターポストを掘削ビット付きチェーンが周回するときに、チェーン軌道規制手段によってたるみの発生が規制され、掘削ビットのふらつきが抑制されるとともにチェーンの周回軌道が安定する。それにより、掘削幅が一定して品質の良い連続壁を造成することができる。
【0081】
また、掘削ビットの面圧が均一となることによって掘削抵抗が安定し、掘削効率を高めることができる。しかも、面圧が均一になることによってカッターポスト、掘削ビット等の破損、消耗を軽減することもできる。
【0082】
そして、上記チェーン軌道規制手段を、掘削ビット付きチェーンに設けられそのチェーンとともに走行する移動体と、その移動体を所定の軌道に案内して走行させる移動体ガイド部材とで構成したため、既存の掘削装置にもチェーン軌道を安定させる機能を付加することができる。
【0083】
また、複数のカッターポストフレームが上下方向に連結されてカッターポストが組み立てられる構成において、各カッターポストフレーム毎に移動体ガイド部材を設けたため、カッターポスト全体にわたってチェーンの軌道を規制することが可能になる。
【0084】
請求項2の本発明によれば、上記チェーンがカッターポストの掘削方向両端面に沿って架設されている構成において、チェーン軌道規制手段を、カッターポスト側方へのチェーンの変位を規制するように構成したため、カッターポストを傾斜させて連続溝を掘削するような場合でもチェーンがたわむことを防止することができる。特に、地上に露出しているカッターポスト部分を移動するチェーンはたるみ易くなるなるが、そのたるみを確実に防止することができる。
【0085】
請求項3の本発明によれば、上記移動体ガイド部材を、カッターポストの角部から突設される長尺板状部材とし、上記移動体を、カッターポストに向けて脚片を延設しその脚片の先端部が板状部材にガイドされながら移動するように構成したため、カッターポストに取り付けるガイド部材の構成が簡素化される。
【0086】
請求項4の本発明によれば、上記脚片を、上下方向から見て外向きに湾曲して形成したため、移動体の構成を単純化することができ、且つ掘削抵抗を低減させることができる。
【0087】
請求項5の本発明によれば、上記移動体ガイド部材の端部に、チェーンの導入を容易にするためのチェーン導入部を設けたため、カッターポストフレームを多段に連結する場合に移動体ガイド部材があってもチェーンの導入がスムーズに行えるようになる。
【0088】
請求項6の本発明によれば、傾斜溝を掘削する場合でも、掘削ビット付きチェーンのた るみを防止して精度の高い連続溝を掘削することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る掘削機の外観図である。
【図2】 (a)は図1に示すカッターポストフレームの平面図、(b)は正面図である。
【図3】 ガイド板と掘削ビット付きチェーンの配置を示す斜視図である。
【図4】 図2のE−E矢視断面図である。
【図5】 本発明の第二実施形態を示す図4相当図である。
【図6】 図5に示すガイドプレート取付状態を示す説明図である。
【図7】 片掛けタイプのチェーン軌道規制装置の構成を示す図4相当図である。
【図8】 従来の掘削装置の施工方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 掘削機
2 ベースマシン
3 カッターポスト
3a 駆動スプロケット
3b アイドラ
4 掘削ビット付きチェーン
5 メインフレーム
6 下部走行体
7 バックステー
8a カッターポストフレーム
8b 前板部
8c,8d 横板部
8e 後板部
11,12,13,14 ガイド板
11c チェーン導入部
15 ボルト
16 チェーン
17 プレート
18a,18b 翼片
19 ガイドレール
Claims (6)
- 自走式ベースマシンと、このベースマシンに備えられるカッターポストと、このカッターポストの上下両端に配設された駆動スプロケットとアイドラに架け渡されて周回する掘削ビット付きチェーンとを備えた掘削機において、
上記掘削ビット付きチェーンに設けられこのチェーンとともに走行する移動体と、その移動体を所定の軌道に案内して走行させる移動体ガイド部材とから構成され、上記掘削ビット付きチェーンのたるみを規制するチェーン軌道規制手段が設けられ、
上記カッターポストは、複数のカッターポストフレームが上下方向に連結されて組み立てられたものであり、
上記各カッターポストフレーム毎に上記移動体ガイド部材が設けられていることを特徴とする掘削機。 - 上記掘削ビット付きチェーンが上記カッターポストの掘削方向両端面に沿って架設されており、上記チェーン軌道規制手段が上記カッターポスト側方へのチェーンの変位を規制するように構成されている請求項1記載の掘削機。
- 上記移動体ガイド部材は、上記カッターポストの角部から掘削方向と直交する方向に突設される長尺板状部材からなり、上記移動体は、上記カッターポストに向けて延設される脚片からなり、その脚片の先端部が上記板状部材にガイドされながら移動するように構成されている請求項1または2記載の掘削機。
- 上記脚片が、上下方向から見て外向きに湾曲して形成されている請求項3記載の掘削機。
- 上記移動体ガイド部材の端部に、上記掘削ビット付きチェーンの導入を容易にするためのチェーン導入部が設けられている請求項1から4のいずれか1 項に記載の掘削機。
- 上記カッターポストが傾斜した状態で設けられて、傾斜溝を掘削する請求項1から5のいずれか1項に記載の掘削機。
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