JP3742461B2 - 制震装置及び制震機能付き建築物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘性を有する材料の粘性抵抗力を利用して建築物の振動を減衰させる制震装置および粘性抵抗力による制震機能が付与された建築物に関する。
【0002】
【従来の技術】
中・高層の建築物は、一般に多層ラーメン構造となっており、地震時の挙動は層間変形による横方向の揺れが支配的となることが多い。このような横揺れが大きくなると、層間を支持する柱が破壊されて大きな被害が生じることがある。特に、建築物の固有周期と地震動の周期とが近い時に共振が起こり、振動が大きく増幅されて甚大な被害を招く。
【0003】
このような地震による建築物の損壊を防止するために、従来より様々な工夫がなされており、その一つに建築物の振動を減衰させる方法がある。
特開平1−97764号公報に開示される制震装置は上記のような多層ラーメン構造の減衰性能を向上させるために用いられるものである。この制震装置101は、図7に示すように、上層階側に固定支持された垂下板102と、下層階側に固定された2枚の板が容器状に形成された立上げ板103とを有し、該容器状の立上げ板103内に垂下板102が立上げ板と間隔をおいて収容されて遊動可能となっており、この垂下板と立上げ板との間には粘性流体104が充填されている。このような制震装置においては、地震動による横揺れが発生した時に、上層階に伴って移動する垂下板102と下層階に伴って移動する立上げ板103との間に相対変位が生じ、これらの間に充填されている粘性流体104の粘性抵抗力が働く。この粘性抵抗力は上層階と下層階の相対移動速度に比例し、層間変形による振動を減衰させる。
このような制震装置は、図7に示すように、上層階の梁と下層階の梁との間に設けられるのが一般的であり、この部分に仕切り壁を設けて制震装置が壁体内に収容される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような制震装置によって減衰力が付与される建築物には次のような問題点がある。
上記制震装置による粘性抵抗力は、建築物にバランスよく作用することが望ましく、制震装置を配置する平面的な位置を適切に選択しなければならない。しかし、オフィスビル等では仕切り壁(中壁)が少なく制震装置を配置する位置が制限されて、適切に配置するのが難しくなる。また、制震装置を設置するためだけの仕切り壁を設けては建物の機能を損なうことになる。
【0005】
一方、制震装置を構造躯体の外側部の梁に取り付けることも考えられるが、従来の制震装置を設置した部分には窓や出入り口等の開口を設けることができず、外観が悪くなったり、建物の機能が低下する。また、外壁部分の厚さが大きくなって室内空間が削減されることになる。
【0006】
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされてものであり、その目的は、建築物の機能・外観等を損なうことなく、その外壁部分に配置することができ、粘性抵抗による減衰力をバランスよく有効に付与することができる制震装置、および機能・外観を損なうことなく減衰力が外壁部分で有効に付与される制震機能付き建築物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明に係る制震装置は、 建築物の構造躯体の外側部に上縁が固定され、ほぼ鉛直下方に支持された垂下板と、 前記構造躯体の外側部に下縁が固定され、前記垂下板と対向するようにほぼ平行に立設された立上げ板と、 前記垂下板と前記立上げ板との間に充填された粘性材料とを有し、 前記立上げ板が開口部を有し、 前記垂下板は前記立上げ板の開口部と対向する位置に、立上げ板の開口より大きい開口部を有し、 前記立上げ板と前記垂下板との開口部が建築物の窓又は出入り口を構成するものとする
【0008】
請求項2に記載の発明に係る制震装置は、 建築物の構造躯体の外側部に上縁が固定され、ほぼ鉛直下方に支持された垂下板と、 前記構造躯体の外側部に下縁が固定され、前記垂下板と対向するようにほぼ平行に立設された立上げ板と、 前記垂下板と前記立上げ板との間に充填された粘性材料とを有し、 前記立上げ板が側縁部に切り欠き部を有し、 前記垂下板は前記立上げ板の切り欠き部と対向する位置に、立上げ板の切り欠き部より大きい切り欠き部を有し、 前記立上げ板と前記垂下板との切り欠き部が建築物の窓又は出入り口を構成するものとする
【0009】
請求項3に記載の発明は、 請求項1又は請求項2に記載の制震装置において、 前記立上げ板の前記垂下板との対向面と反対側の面には、建築物の外壁面を構成する外装材が設けられているものとする
【0010】
請求項4に記載の発明は、 請求項1,請求項2又は請求項3に記載の制震装置において、 前記立上げ板又はこれに固定された外装材の上縁付近が、前記構造躯体に、少なくとも水平方向の滑動が可能となるように接合されているものとする。
【0011】
請求項5に記載の発明に係る制震機能付き建築物は、 多層ラーメン構造の構造躯体と、この構造躯体の外側部に取り付けられた外壁部材とを有し、 前記外壁部材は、 前記構造躯体の外側部に上縁が固定され、ほぼ鉛直下方に支持された垂下板と、 前記構造躯体の外側部に下縁が固定され、前記垂下板と対向するようにほぼ平行に立設された立上げ板と、 前記垂下板と前記立上げ板との間に充填された粘性材料と、 前記立上げ板の前記垂下板との対向面と反対側の面に設けられ、建築物の外壁面を構成する外装材とを有し、 前記立上げ板に開口部が設けられ、 前記垂下板は前記立上げ板の開口部と対向する位置に、立上げ板の開口より大きい開口部が設けられ、 前記立上げ板と前記垂下板との開口部が建築物の窓又は出入り口を構成するものとする
【0012】
請求項6に記載の発明に係る制震機能付き建築物は、 多層ラーメン構造の構造躯体と、この構造躯体の外側部に取り付けられた外壁部材とを有し、 前記外壁部材は、 前記構造躯体の外側部に上縁が固定され、ほぼ鉛直下方に支持された垂下板と、 前記構造躯体の外側部に下縁が固定され、前記垂下板と対向するようにほぼ平行に立設された立上げ板と、 前記垂下板と前記立上げ板との間に充填された粘性材料と、 前記立上げ板の前記垂下板との対向面と反対側の面に設けられ、建築物の外壁面を構成する外装材とを有し、 前記立上げ板は側縁部に切り欠き部が設けられ、 前記垂下板は前記立上げ板の切り欠き部と対向する位置に、立上げ板の切り欠き部より大きい切り欠き部が設けられ、 前記立上げ板と前記垂下板との切り欠き部が建築物の窓又は出入り口を構成するものとする。
【0013】
上記構造躯体は、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造等のいずれであってもよい。
上記粘性材料は、粘性流体を用いるのが望ましいが、この他高粘性の合成ゴム等粘弾性体を用いてもよい。また、上記粘性材料として粘性流体を用いるときには、上記立上げ板を垂下板の両側に設け、粘性流体を収容する容器状にするのが望ましい。
上記外装材は立上げ板の一方の面に施される塗装等であってもよいし、立上げ板に固定される金属板、コンクリート板等であってもよい。
【0014】
[作用]
本願に係る発明は、上記のような構成を備えているので次のように作用する。
請求項1に記載の制震装置では、上縁が構造躯体に固定された垂下板と、下縁が固定された立上げ板とが対向するように配置され、これらの間隙に粘性材料が充填されているので、地震動等により構造躯体が水平方向に振動したときに、上記垂下板と立上げ板とが相対的に変位し、粘性材料による粘性抵抗力が作用する。これにより、振動のエネルギー(運動エネルギー)は粘性材料に吸収され、構造躯体の振動が減衰されて共振を防止するとともに、揺れが過大になるのが回避される。
【0015】
また、この制震装置では、垂下板と立上げ板とが対向する位置に開口部を有し、これらが窓または出入り口となるので制震装置を外壁部に設けても窓や出入り口の位置が制限されず、建物の機能の低下や外観が悪くなるのを回避することができる。
【0016】
請求項2に記載の制震装置では、垂下板と立上げ板とが、側縁部の対向する位置に切り欠き部を有し、この部分が窓又は出入り口となるので、請求項1に記載の制震装置と同様に、建物の機能低下を生じたり、外観を損なったりすることなく、地震時には適切に減衰力を付与することができる。
【0017】
請求項3に記載の制震装置では、立上げ板の垂下板との対向面と反対側の面に外装材が設けられ、建築物の外壁を構成する部材が一体となっているので、大きなスペースを占有することなく外周部の様々な位置にこの制震装置を取り付けることが可能となる。このため、制震装置の平面的な配置を適切なものとすることができ粘性抵抗による減衰力をバランスよく作用させることが可能となる。つまり、粘性抵抗力の作用によって構造躯体にねじり等が作用せず、過大な応力が生じることなく振動が減衰する。
【0018】
請求項4に記載の制震装置では、立上げ板またはこれに固定された外装材の上縁付近が滑動可能に接合されているので、下縁が固定された部分と上縁付近が接合された部分との間の相対的な変位を拘束することなく、立上げ板および外装材を構造躯体に強固に取り付けることができる。
【0019】
請求項5又は請求項6に記載の制震機能付き建築物では、外壁部材が、粘性抵抗力によって構造躯体の振動を減衰させる機能を有しているので、適切な位置に粘性抵抗力を作用させてバランスよく構造躯体の振動を減衰させることができる。また、仕切り壁が少ない構造であっても適切に制震機能を付与することができ、建物の自由な設計が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本願に係る発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、請求項1、請求項3又は請求項4に記載の発明の一実施形態である制震装置を示す正面図及び断面図であり、図2はこの制震装置の拡大断面図である。
この制震装置1は、構造躯体の外周部にある梁31に上縁が支持された垂下板11と、上記梁31の下方にある床32に支持され、上記垂下板11の両面と対向する2枚の立上げ板12と、上記立上げ板12と垂下板11との間に充填された粘性流体13とで主要部が構成されており、外側にある立上げ板12aの外面にはプレキャストコンクリートからなる外装板14が固着されている。
【0021】
上記垂下板11は、梁31から建築物の外側へ張り出すように設けられた取り付け部材15によって梁に固定されており、中央部には矩形の開口が設けられて額縁状になっている。
【0022】
一方、立上げ板12は、幅が上記垂下板11よりやや大きく設定されるとともに垂下板11の開口部と対向してやや小さい矩形の開口が内側および外側の双方の立上げ板12a,12bに設けられており、下縁12c、両側縁12dおよび開口の周縁12eは、内側の立上げ板12bと外側との立上げ板12aとが液密性を有するように連結されている。これにより、立上げ板12は中央部に貫通口aを有する薄い容器状に形成され、その内側に貫通口aを取り囲むように額縁状の垂下板11が立上げ板12と間隙をおいて収容され、水平方向に相対的な変位を許容する状態となっている。そして、粘性流体13は2枚の立上げ板12a,12bによって容器状となった内部に貯留され、垂下板11とその両側の立上げ板12との間に充填されている。
【0023】
上記立上げ板12は、下縁付近が取り付け部材16を介して床32にボルト20で固定されており、内側にある立上げ板12bの上縁付近は取り付け部材17とスライド板18を介して梁31に接合されている。このスライド板18は表面の摩擦を低減する処理がなされた板状部材であり、上記立上げ板12はこのスライド板18を介してボルト19で締め付けられているので、取り付け部材17に対して板面と平行な方向に滑動が可能となっている。
なお、符号21は、立上げ板12の上下方向の位置を調節するためのボルトである。
【0024】
上記外装板14は、外側にある立上げ板12aの外面に固着されたボルトまたは接着剤等により、立上げ板12に固定されており、その外面はタイル張りまたは塗装等が施されて、建築物の外壁面を構成するようになっている。この外装板14は、建築物の外側面を覆うように取り付けられる複数の外壁部材、いわゆるカーテンウォールと同じサイズで、同じ外装仕上げが施されており、他の外壁部材とともにわずかの隙間をあけて建築物の外側面に配列される。
また、この外装板14には、立上げ板12および垂下板11の開口と一致するように開口が設けられ、この開口にはサッシ22が嵌め込まれて、建築物の窓を構成するようになっている。
【0025】
このような制震装置は、建築物の外壁を構成する外装板14を一体となるように備えるとともに、窓が設けられる部分にも設置することができるので、建築物にバランスよく減衰力を付与するように適切な位置を選択して設置することが容易となる。また、大きなスペースを占有したり、建築物の外観を損なうこともなく、設計の自由度も確保される。
そして、地震時の水平方向の揺れによって上層階と下層階とに相対的な変位が生じるときには、上層階に固定された垂下板11と下層階に固定された立上げ板12との間にも相対変位が生じ、これらの間に充填された粘性流体13の粘性抵抗力によって振動に減衰力が付与される。したがって共振の防止および振動の早期減衰が図られる。
【0026】
図3は、上記制震装置が用いられた建築物であって、請求項5に記載の発明の一実施態様である制震機能付き建築物の概略図である。
この建築物では、多層ラーメンの構造躯体30の外周部にプレキャストコンクリート製のカーテンウォール33を取り付けて外壁が形成されており、図3に示すように千鳥状の位置でカーテンウォールに換えて、図1に示す制震装置1が取り付けられ、各階の層間変形による振動に減衰力を付与するようになっている。
また、建築物の側面および背面にも適切な位置を選択して上記制震装置が取り付けられている。
【0027】
このような建築物では、制震装置を設置するための仕切り壁等を設けなくても、地震時には建築物に適切な減衰力を付与して、共振の防止および振動の早期減衰を図ることができる。
【0028】
図4は、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の発明の一実施態様である制震装置を示す正面図である。
この制震装置は、図1に示す制震装置と同様に、垂下板41と立上げ板42とこれらの間に充填された粘性流体と立上げ板に固定された外装板44とを有するものであるが、図1に示す制震装置と異なり、垂下板41、立上げ板42、外装板44の形状は開口を有しないものとなっており、これに代えて両側縁部に矩形の切り欠きbを有している。そして外装板44の上記切り欠き部にはサッシが嵌め込まれ、建築物の窓を構成するようになっている。また、垂下板41の切り欠きの寸法は立上げ板42の切り欠きよりやや大きく設定されるとともに垂下板41の幅は立上げ板42より小さく設定され、容器状になった立上げ板42の間で水平方向に移動することができるようになっている。なお、この制震装置における垂下板41、立上げ板42の固定構造は図1および図2に示す制震装置と同じである。
【0029】
このような制震装置でも、図1および図2に示す制震装置と同様に、窓等の位置を制限することなく建築物の外壁部に取り付けることができ、地震時には適切な減衰力を付与することができる。
【0030】
図5及び図6は、本願発明に係る制振装置を構造躯体に取り付ける部分の構造の他の例を示す断面図である。
図5に示す構造は、立上げ板の上縁付近を滑動可能に接合するのに換えて、外装板であるプレキャストコンクリート板54の上部を梁61に接合するようにしたものである。
【0031】
この構造では、プレキャストコンクリート板54の上部にアンカーボルト55が埋設されており、水平方向に突出した先端に螺合されたナット56を締め付けることにより、このプレキャストコンクリート板54を梁から張り出した取り付け部材62に接合する。このとき、プレキャストコンクリート板54と取り付け部材62との間にはスライド板63が介挿されており、上記双方の部材間で相対的な変位を許容するようになっている。このようにプレキャストコンクリート板54を梁61と接合する構造とすることにより、プレキャストコンクリート板54の重量が大きい場合にも制振装置の変形を抑止し、強固に取り付けることができる。
【0032】
また、図6に示す構造は、立上げ板72を下層階の床82上に支持するとともに、垂下板71は上層階の梁81の上部もしくは床83に固着された取り付け部材84によって支持するものである。
この構造では、垂下板71が梁81上の高い位置で支持されているので、立上げ板72の上縁も垂下板71の支持位置近くまで伸長して、垂下板71と立上げ板72とが対向する範囲の高さを大きくすることができる。これにより、対向面積が拡大し、窓を設けるための開口や切り欠きがあっても、大きな減衰力を付与する制震装置とすることができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明に係る制震装置では、上縁が構造躯体に固定される垂下板と、下縁が構造躯体に固定され上記垂下板と対向する立上げ板と、これらの間に充填される粘性材料とで主要部が構成される制震機構を外装材と一体とし、建築物の外壁部の任意の位置に取り付けることができ、制震装置を配置するための仕切り壁等を設けることなく、建築物に適切な減衰力を付与することができる。
また、この制震装置を設ける部分に窓や出入り口等の開口を設けることもでき、建築物の機能や外観を損なうこともない。
【0034】
一方、本願発明に係る制震機能付き建築物では、外壁部材が粘性抵抗力によって構造躯体の振動を減衰させる機能を有しているので、適切な位置に粘性抵抗力を作用させてバランスよく構造躯体の振動を減衰させることができる。また、仕切り壁が少ない構造であっても適切に制震機能を付与することができ、建物の自由な設計が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1、請求項3又は請求項4に記載の発明の一実施形態である制震装置を示す正面図及び立断面図である。
【図2】 図1に示す制震装置の拡大断面図である。
【図3】 図1及び図2に示す制震装置を用いた建築物であって、請求項5に記載の発明に係る制震機能付き建築物の一例を示す概略図である。
【図4】 請求項2に記載の発明の一実施形態である制震装置の正面図である。
【図5】 本願発明に係る制震装置を構造躯体に取り付ける構造の他の例を示す断面図である。
【図6】 本願発明に係る制震装置を構造躯体に取り付ける構造の他の例を示す断面図である。
【図7】 従来の制震装置を示す正面図及び断面図である。
【符号の説明】
1 制震装置
11 垂下板
12 立上げ板
13 粘性流体
14 外装板(プレキャストコンクリート板)
15、16、17 取り付け部材
18 スライド板
19、20 ボルト
21 位置調整用ボルト
22 サッシ
31 梁
32 床
41 垂下板
42 立上げ板
44 プレキャストコンクリート板
51、71 垂下板
52、72 立上げ板
53、73 粘性流体
54、74 プレキャストコンクリート板
55 アンカーボルト
56 ナット
61、81 梁
62 取り付け部材
63 スライド板
82、83 床
84 取り付け部材

Claims (6)

  1. 建築物の構造躯体の外側部に上縁が固定され、ほぼ鉛直下方に支持された垂下板と、
    前記構造躯体の外側部に下縁が固定され、前記垂下板と対向するようにほぼ平行に立設された立上げ板と、
    前記垂下板と前記立上げ板との間に充填された粘性材料とを有し、
    前記立上げ板が開口部を有し、
    前記垂下板は前記立上げ板の開口部と対向する位置に、立上げ板の開口より大きい開口部を有し、
    前記立上げ板と前記垂下板との開口部が建築物の窓又は出入り口を構成することを特徴とする制震装置。
  2. 建築物の構造躯体の外側部に上縁が固定され、ほぼ鉛直下方に支持された垂下板と、
    前記構造躯体の外側部に下縁が固定され、前記垂下板と対向するようにほぼ平行に立設された立上げ板と、
    前記垂下板と前記立上げ板との間に充填された粘性材料とを有し、
    前記立上げ板が側縁部に切り欠き部を有し、
    前記垂下板は前記立上げ板の切り欠き部と対向する位置に、立上げ板の切り欠き部より大きい切り欠き部を有し、
    前記立上げ板と前記垂下板との切り欠き部が建築物の窓又は出入り口を構成することを特徴とする制震装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の制震装置において、
    前記立上げ板の前記垂下板との対向面と反対側の面には、建築物の外壁面を構成する外装材が設けられていることを特徴とする制震装置。
  4. 請求項1,請求項2又は請求項3に記載の制震装置において、
    前記立上げ板又はこれに固定された外装材の上縁付近が、前記構造躯体に、少なくとも水平方向の滑動が可能となるように接合されていることを特徴とする制震装置。
  5. 多層ラーメン構造の構造躯体と、この構造躯体の外側部に取り付けられた外壁部材とを有し、
    前記外壁部材は、
    前記構造躯体の外側部に上縁が固定され、ほぼ鉛直下方に支持された垂下板と、
    前記構造躯体の外側部に下縁が固定され、前記垂下板と対向するようにほぼ平行に立設された立上げ板と、
    前記垂下板と前記立上げ板との間に充填された粘性材料と、
    前記立上げ板の前記垂下板との対向面と反対側の面に設けられ、建築物の外壁面を構成する外装材とを有し、
    前記立上げ板に開口部が設けられ、
    前記垂下板は前記立上げ板の開口部と対向する位置に、立上げ板の開口より大きい開口部が設けられ、
    前記立上げ板と前記垂下板との開口部が建築物の窓又は出入り口を構成することを特徴とする制震機能付き建築物。
  6. 多層ラーメン構造の構造躯体と、この構造躯体の外側部に取り付けられた外壁部材とを有し、
    前記外壁部材は、
    前記構造躯体の外側部に上縁が固定され、ほぼ鉛直下方に支持された垂下板と、
    前記構造躯体の外側部に下縁が固定され、前記垂下板と対向するようにほぼ平行に立設された立上げ板と、
    前記垂下板と前記立上げ板との間に充填された粘性材料と、
    前記立上げ板の前記垂下板との対向面と反対側の面に設けられ、建築物の外壁面を構成する外装材とを有し、
    前記立上げ板は側縁部に切り欠き部が設けられ、
    前記垂下板は前記立上げ板の切り欠き部と対向する位置に、立上げ板の切り欠き部より大きい切り欠き部が設けられ、
    前記立上げ板と前記垂下板との切り欠き部が建築物の窓又は出入り口を構成することを特徴とする制震機能付き建築物。
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