JP3742251B2 - 交換システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は網の回線を収容する交換システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発信者番号情報通知の目的は、着信先に発信者の電話番号の情報を通知することで発信者の情報を得ることや、得た情報を基に着信先から発信者へ電話をかける場合(call back)に利用される。
【0003】
このときの発信者番号情報は、図8のようなフローで収容する内線端末のダイヤルイン番号から発信者番号情報を作成する。即ち、端末がISDN回線に対して接続要求を出した場合、ステップS10のように交換システムの主制御部は該端末にダイレクトダイヤルインの内線番号が設定されているか確認する。設定されている場合、ステップS11のように該内線番号を基に発信者番号情報が作成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図9は複数のISDN網に接続された交換システムの接続構成例を示す。従来の技術では、このように異なる複数のISDN網と接続されていた場合、交換システムは各網に接続されたISDN回線毎に割り振られた加入者番号(以降、LDN(Local Directry Number)と記述する)を発信者番号情報として送出する。この発信者番号情報はダイレクトダイヤルインの内線番号を基にして作成される。
【0005】
図9の例では、ISDN網AのLDNとして714−1234、714−1235、714−1236が登録され、ISDN網BのLDNとして714−5678が登録されている。更に、内線端末4a〜4cには各々内線番号として、1234、1235、1236が設定されている。つまり、端末4a〜4cにはISDN網Aのダイレクトダイヤルイン番号が設定されている。
【0006】
端末からISDN網に対して接続要求が送出されると、スクリーニング(screening)を含む所定のプロトコルに従って回線を接続する。図10はISDN網への接続プロトコルを示す図である。先ず図10(a)のように、交換システムからISDN網Aへ呼設定メッセージ(SETUP)が送信される。ISDN網Aは発信者番号情報(図では7141234)等をもとにスクリーニングを行う。つまり、呼設定メッセージを送出した発信者がISDN網Aに加入しているか否か確認する。発信者がISDN網Aに加入していることを確認すると、ISDN網Aは着信端末に対して、受信した発信者番号情報と共に呼設定メッセージを送信する。次にISDN網Aは交換システムに対して呼設定受け付けメッセージ(CALLPROC)を送信する。そしてISDN網Aは呼出しメッセージ(ALERT)を交換システムに対して送信し、着信端末が呼出されていることを交換システムに知らせる。
【0007】
呼出しに対して応答した着信端末が応答メッセージ(CONNT)を送信すると、ISDN網Aは該応答メッセージを交換システムに送信する。交換システムがこの応答メッセージ(CONNT)に対して応答確認メッセージ(CONNACK)を送信すると、このメッセージはISDN網Aを介して着信端末に送信される。この結果、回線が接続され通話中となる。
【0008】
しかし、予め内線端末に設定されているダイレクトダイヤルイン番号による発信者番号情報は、発信者番号情報をスクリーニングする場合に、他の異なる網の設定によっては、LDNと発信者番号情報が異なるために切断される場合がある。
【0009】
図10(b)は交換システムから発信時の網のスクリーニングによる呼の切断を示す図である。例えば図9のようにISDN網Aのダイレクトダイヤルイン番号が設定された端末4aがISDN網Bに対して発呼すると、発信者番号情報として「7141234」がISDN網Bに対して送出される。この発信者番号情報「7141234」はISDN網Bの加入者番号「7145678」と一致しないので、スクリーニング時にISDN網Bは、開放完了メッセージ(RELCOMP)を交換システムに送信し回線を切断する。
【0010】
そこで本発明は、発信先の網にて加入者番号をダイレクトダイヤルイン番号として設定されていない端末が該網へ発信する場合でも、回線が正常に接続される交換システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する為に本発明の交換システムは、少なくとも内線端末を有し、複数の網の各回線に接続できる交換システムにおいて、前記内線端末から網への発信が生じた場合、前記内線端末にダイレクトダイヤルイン番号が設定されているか判断する手段と、前記内線端末にダイレクトダイヤルイン番号が設定されている場合、該内線端末の内線番号から発信者番号を作成する作成手段と、前記内線端末から前記網への発信に応答して捕捉された局線番号を検索する第1の検索手段と、各局線番号に対応して加入者番号が各々記述された加入者番号テーブルと、前記加入者番号テーブルを参照して、前記捕捉された局線番号に対応する加入者番号を検索する第2の検索手段と、前記作成手段により作成された前記発信者番号と前記第2の検索手段により検索された加入者番号とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較の結果、前記発信者番号と加入者番号が一致した場合、該発信者番号を前記網に送出し、一致しなければ予め該回線に設定した代表番号を該発信者番号として送出する手段とを具備する。
【0012】
交換システムが収容する複数の例えばISDN網の中の1つのISDN網に対して端末が発呼すると、該ISDN網に設定されているISDN回線に割り振られた加入者番号と発信端末のダイヤルイン番号とが比較される。加入者番号と発信端末のダイヤルイン番号が一致すれば該ダイヤルイン番号を、一致しなければ予め設定した該ISDNの代表番号つまり代表加入者番号を発信者番号情報として該ISDN網に送出する。加入者番号と発信端末のダイヤルイン番号が一致しなかった場合に送出される加入者番号は、この交換システムに接続された各局線、つまり各ISDN回線の局線番号に対応して加入者番号が記述されたテーブルを参照することにより求められる。
【0013】
本発明では、複数のISDN網と契約している場合でも、局線毎に契約された加入者番号が発信者番号として網へ通知されるため、スクリーニングによる呼の切断を防ぐことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。以下に示す実施形態ではISDN網に接続されたシステムを例にとり本発明を説明するが、発信者番号情報を送ることができる網であればISDN以外の網であっても本発明を適用することが可能である。
【0015】
図1はISDN回線インタフェースを収容する交換システムの構成例である。
【0016】
図1の交換システム1は内線のインターフェースとして、アナログ電話機インタフェース回路5、デジタル電話機インタフェース回路6、ISDN電話機インタフェース回路7を備えている。アナログ電話機インタフェース回路5には内線端末である複数のアナログ電話機2が接続され、デジタル電話機インタフェース回路6には複数のデジタル電話機3が接続され、ISDN電話機インタフェース回路7には複数のISDN端末4が接続されている。
【0017】
また交換システム1は外線のインタフェース回路としてアナログ回線インタフェース回路8、ISDN回線インタフェース回路9、専用線インタフェース回路10を備えている。アナログ回線インタフェース回路8には複数のアナログ網が接続され、ISDN回線インタフェース回路9には複数のISDN網が接続され、専用線インタフェース回路10には専用線網が接続されている。この専用線網は例えば一企業内で専用に使用される回線網である。
【0018】
更に交換システム1は内線のインターフェース5〜7と外線のインターフェース8〜10の通話路を接続する為の通話路スイッチ11及びその制御を司る制御回路12、各インタフェース回路からの各種信号を処理する信号処理回路13、記憶装置14、各回路を結ぶ制御信号バス15、保守運用装置17を備えている。
【0019】
図2は交換システム1内で発信者番号情報を作成する本発明の動作を示すフローチャートである。これにより発信者番号情報を網へ送出する。なお、内線端末や回線ポートで同じ番号を使用できるように各テーブルの代表番号やダイヤルイン番号には、インデックスが利用される。
【0020】
以下、この動作を詳細に説明する。内線端末がアナログ網又はISDN網又は専用線網に対して発呼すると、制御回路12はステップS1にて、内線端末ポート単位に設定されるダイレクトダイヤルインの内線番号有無を確認する。図3はアナログ電話機2、デジタル電話機3、ISDN端末4等の内線端末の端末ポート番号に対応する内線番号を示すテーブルである。この内線番号はダイヤルイン番号及びダイレクトダイヤルイン番号を含む。
【0021】
ダイレクトダイヤルインとは図8を用いて説明したように、ISDNの加入者番号(末尾4桁)が端末の内線番号に設定されていることをいう。例えば図9に示すようにISDN網Aの加入者番号として、「714−1234」、「714−1235」、「714−1236」、ISDN網Bの加入者番号として、「714−5678」が登録されているシステムの場合、端末4a〜4cの内線番号は「1234」、「1235」、「1236」であるので、端末4a〜4cはダイレクトダイヤルインが設定されている。図3は端末ポート毎のダイヤル内線テーブルであり、端末ポート番号004の端末の内線番号が「1234」であるので、この端末にはダイレクトダイヤルインが設定されいることが判る。
【0022】
ステップS1で「有」のときはステップS2のように、発信内線端末ポートにダイレクトダイヤルイン番号のインデックスが設定されているか確認する。図4は端末ポート番号に設定されたインデックス番号を示すテーブルである。この図4の例では、ダイレクトダイヤルイン番号が設定された端末ポート004にはインデックス番号04が設定されている。このステップS2で「無」のときは、ステップS4へ移行する。
【0023】
ステップS2で「有」のときはステップS3のように、インデックス番号の種別に応じて発信者番号情報を作成する。図5は各インデックス番号に対応する種別及びダイヤルイン番号のプレヒックスを示すプレヒックステーブルである。種別1の場合はダイレクトダイヤルインタイプで、ダイヤルイン番号に付加されるプレヒックスとする。種別2の場合は非ダイレクトダイヤルインタイプで、ここで設定された番号のみを発信者情報とする。
【0024】
例えば、インデックス番号02の端末ポートの種別は「2」であるから、発信者番号情報は「7572386」となる。又、インデックス番号04の端末ポートの種別は「1」であるから、発信者番号情報はプレヒックス「714」に、図3のダイヤルイン内線番号テーブルにより示される該端末の内線番号「1234」を付加した番号「7141234」となる。
【0025】
ステップS4では捕捉した局線番号が確認される。つまり制御回路12の制御の下に、発信端末がダイヤルした番号に対応して、制御回路12により該端末が接続されるISDN網の局線(外線)16の局線番号が確認される。
【0026】
ステップS5では局線番号単位に設定されるLDNインデックス番号の設定有無を確認する。図6は局線番号に対応するLDNインデックス番号を示すテーブルである。例えば、局線番号「01」及び「02」のLDNインデックス番号は「01」に設定されている。
【0027】
ステップS5で「有」のとき、ステップS6では先ず、LDNインデックス番号からLDNが求められる。図7は各LDNインデックス番号に対応してLDNが記述された加入者番号テーブルを示す。ステップ6では更に、ステップS3にて作成された発信者番号と、加入者番号テーブルを参照して求められたLDNとが比較される。上記発信者番号とLDNとが一致した場合(ステップS7で「Y」の場合)はステップS9に移行し、一致しなかった場合(「N」の場合)はステップS8に移行する。
【0028】
ステップS8では、ステップS6で求めた局線毎のLDNを発信者番号情報として作成する。このときのLDNは局線毎の代表番号である。ステップS9では、ステップS3で作成された発信者番号情報、又はステップS8で作成された発信者番号情報が呼設定メッセージ(SETUP)に設定される。
【0029】
【発明の効果】
本発明により、複数の網(例えばISDN網)と契約している場合でも、回線毎に契約された加入者番号を発信者番号として網へ通知するため、スクリーニングによる呼の切断を防ぐことが出きる。また、必ず正しい加入者番号を発信者情報として送出するため、着信元からのコールバック(call back)も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ISDN回線インタフェースを収容し本発明が適用される交換システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の発信者番号情報の作成動作を示すフローチャート。
【図3】端末ポート単位のダイレクトダイヤルインの内線番号テーブル。
【図4】端末ポート単位のインデックス番号テーブル。
【図5】インデックス番号単位のダイレクトダイヤルプレヒックスデータテーブル。
【図6】局線番号単位のLDNインデックス番号テーブル。
【図7】LDNインデックス番号単位のLDNテーブル。
【図8】従来の発信者情報作成フロー
【図9】複数のISDN網と接続する交換システムの構成例。
【図10】交換システムから発信時の網のスクリーニングによる呼の切断を示す図。
【符号の説明】
1…交換システム 2…アナログ電話機
3…デジタル電話機 4…ISDN端末
5…アナログ電話機インターフェース回路
6…デジタル電話機インターフェース回路
7…ISDN端末インターフェース回路
8…アナログインターフェース回路
9…ISDNインターフェース回路
10…専用線インターフェース回路
11…通話路スイッチ 12…制御回路
13…信号処理回路 14…記憶装置
15…制御信号バス 16…局線
17…保守運用装置

Claims (2)

  1. 少なくとも内線端末を有し、複数の網の各回線に接続できる交換システムにおいて、
    前記内線端末から網への発信が生じた場合、前記内線端末にダイレクトダイヤルイン番号が設定されているか判断する手段と、
    前記内線端末にダイレクトダイヤルイン番号が設定されている場合、該内線端末の内線番号から発信者番号を作成する作成手段と、
    前記内線端末から前記網への発信に応答して捕捉された局線番号を検索する第1の検索手段と、
    各局線番号に対応して加入者番号が各々記述された加入者番号テーブルと、
    前記加入者番号テーブルを参照して、前記捕捉された局線番号に対応する加入者番号を検索する第2の検索手段と、
    前記作成手段により作成された前記発信者番号と前記第2の検索手段により検索された加入者番号とを比較する比較手段と、
    前記比較手段の比較の結果、前記発信者番号と加入者番号が一致した場合、該発信者番号を前記網に送出し、一致しなければ予め該回線に設定した代表番号を該発信者番号として送出する手段と、
    を具備することを特徴とする交換システム。
  2. 前記作成手段は、各内線端末のポート番号に対応して種別及びプレヒックスが記述されたプレヒックステーブルと、
    前記内線端末にダイレクトダイヤルイン番号が設定されている場合、前記プレヒックステーブルに記述された該内線端末の前記種別及びプレヒックスを用いて発信者番号を作成する手段とを具備することを特徴とする請求項1記載の交換システム。
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