JP3741539B2 - 電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアルミニウムやタンタルなどの弁金属を用いた電解コンデンサおよびその製造方法に関し、特に、陰極として導電性高分子を用いた電解コンデンサおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、アルミニウムやタンタルなどの弁金属を用いた電解コンデンサは、弁金属多孔体を陽極とし、弁金属の酸化物を誘電体層とし、陰極には電解質溶液や無機固体電解質を用い、たとえばアルミニウム電解コンデンサでは有機酸を含む有機溶媒等が陰極として用いられ、タンタル電解コンデンサでは二酸化マンガン等が陰極に用いられてきた。そして、それぞれ陽極、陰極に接続するリード部を設け、外装を形成するのが一般的であった。
【0003】
回路のデジタル化に対応して電子部品の高周波応答性が要求され、電解コンデンサにおいても低抵抗化による高周波応答性の向上が要求されている。このような状況の中で、電導度の良い導電性高分子を電解コンデンサの陰極として用いることが検討され、開発されてきた。
【0004】
従来の電解コンデンサにおいては、導電性高分子は、そのモノマーを電解酸化重合法あるいは化学酸化重合法により重合して形成され、また、導電性高分子の電子伝導性をさらに向上させるためにドーパントアニオンを配位させており、このドーピングは、ドーパントが共存する溶液中でモノマーの重合の際に行うのが一般的であった。
【0005】
このドーパントには塩素イオン、硫酸イオンなどの無機アニオンが利用されていたが、無機アニオンは、コンデンサ形成後の長期使用過程で、導電性ポリマー層からの脱ドープをしやすいので、脱ドープを抑制する目的で、高分子中で立体的障害が大きくて移動しにくい分子構造を有する有機酸アニオンが多く用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
電解コンデンサは、弁金属多孔体の表面および多孔体空孔表面に酸化皮膜を形成し、その酸化物皮膜を誘電体層とし、誘電体層の内側に残った弁金属を陽極としている。従って、このコンデンサに陰極を形成する場合、多孔体の表面から非常に入り組んだ内部空孔の表面に至るまで効率よく導電性高分子で覆う必要がある。
【0007】
従来の電解酸化重合法は、平面上には緻密な膜状に導電性高分子が形成され、その膜自体は低抵抗で良質なものが得られるが、コンデンサ陽極の多孔体の内部の空孔までは十分に導電性高分子が充足されず、被覆不完全により本来の容量を取り出せなかった。
【0008】
一方、化学酸化重合法は、多孔体内部の空孔まで導電性高分子が形成されやすいという特長を有するが、米国特許USP4697001に開示されているように、化学酸化重合法は、重合物がモノマー溶液から沈澱物として形成されるものであるため、陰極層としては緻密さに欠け,誘電体層との密着性ないし接着性に劣っていた。そこで、化学重合法では、陰極のために均質安定で、十分に低い抵抗の導電性ポリマー層を得ることができなかった。
【0009】
本発明の目的は、前述の問題に鑑み、化学酸化重合法において、陽極を構成する多孔体の内部の空孔にまで効率よく導電性ポリマー層を形成して誘電体層を完全に被覆し、完全に空孔面積から予測される容量を引き出すことの可能な電解コンデンサとその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、導電性ポリマー層が、多孔体内の誘電体層との密着性にも優れた緻密な層として形成し、低抵抗で安定な陰極とされ得る電解コンデンサとその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明にかかる電解コンデンサは、陽極が弁金属の多孔体からなり、誘電体層が該弁金属の酸化物皮膜層で、陰極が導電性ポリマー層である電解コンデンサにおいて、前記導電性ポリマー層が、モノマーを溶液中で化学酸化重合させて成る導電性ポリマー層であって、前記導電性ポリマー層のポリマー材料がポリピロールから成り、前記導電性ポリマー層が、前記多孔体の表面及び内部空孔表面に形成されており、前記誘電体層上に形成された有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層の上に、有機酸系のドーパントを含む導電性ポリマー層が緻密な膜状に形成されて成ることを特徴とするものである。
【0012】
化学酸化重合法で形成される有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層は、このポリマー層には界面活性剤としても作用する有機酸系のドーパントを含まないので、化学酸化重合法の特長として、多孔体の細孔内部の誘電体層との密着性が高く、且つ膜状に形成され、誘電体層との密着性の高い緻密な導電性ポリマー層として、多孔体表面から内部空孔表面に至るまで表面全体に形成することができる。
【0013】
他方、有機酸系のドーパントを含む導電性ポリマー層は、通常は粒子状の沈澱物として生成するはずであるが、上記の有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層が形成されていると、このポリマー層上に、膜状に成長生成することができる。これは実験的に確認されている。
【0014】
従って、上述の有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層を予め形成しておくことにより、導電性の高い有機酸系のドーパントを含む導電性ポリマー層は、緻密な膜状のポリマー層となり、電気抵抗が低くなる。このようにして、導電性ポリマー層は、誘電体層の被覆率が高く、低い抵抗の層となるので、容量達成率が高く高周波応答性の良いコンデンサを得ることができる。
【0015】
本発明の電解コンデンサの製造方法は、導電性ポリマー層のポリマー材料がポリピロールから成り、導電性ポリマー層の形成法が、前処理として、誘電体を形成した多孔体を有機酸系のドーパントを含まない溶液中に浸漬してモノマーを化学酸化重合させて有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層を多孔体の表面及び内部空孔表面の誘電体層上に形成する過程と、その後、本処理として、多孔体を有機酸系のドーパントを含む溶液中に浸漬してモノマーを化学酸化重合させて、多孔体の表面及び内部空孔表面であって有機酸系のドーパントを含まない当該導電性ポリマー層上に有機酸系のドーパントを含む導電性ポリマー層を形成する過程と、から成るものである。
【0016】
この製造方法につき、前処理の過程では、モノマーと酸化剤とを含み有機酸系のドーパントを含まない溶液中に誘電体層を既に形成した弁金属多孔体を浸漬し、誘電体層表面上に重合反応により前記有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層を形成する。あるいは、いずれも有機酸系のドーパントを含まないモノマー溶液中と酸化剤溶液中とに誘電体層を既に形成した弁金属多孔体を交互に浸漬することにより、誘電体層表面上に重合反応により前記有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層を形成してもよい。
【0017】
次いで、本処理では、前処理により導電性ポリマー層を形成した弁金属多孔体を、モノマーと酸化剤と有機酸系のドーパントとを含む溶液中に浸漬し、導電性ポリマー層の表面上に化学酸化重合反応により該ドーパントを含む導電性ポリマー層を形成する。本処理の他の方法は、少なくともいずれか一方に有機酸系のドーパントを含むモノマー溶液中と酸化剤溶液中とに、前処理により導電性ポリマーを形成した弁金属多孔体を交互に浸漬することにより、導電性ポリマー層の表面上に重合反応により該ドーパントを含む導電性ポリマー層を形成するものである。
【0018】
この製造方法では、まず前処理として有機酸系のドーパントを含まない溶液中でモノマーの化学酸化重合反応を起こすことにより、有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層を誘電体層の表面全体に密着度よく緻密に膜状に形成することができ、その後本処理として有機酸系のドーパントを含む溶液中でモノマーの重合反応をすることにより、前記有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層の表面全体に、有機酸系のドーパントを含む導電性ポリマー層を膜状に成長させることができる。結果として誘電体層との密着性が高い膜状に形成された導電性ポリマー層を陰極とすることができ、前述のように低抵抗で高周波応答性がよく、容量達成率の高いコンデンサを製造することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の電解コンデンサにおいては、陽極は弁金属多孔体とされており、弁金属は、好ましくは、アルミニウム又はタンタルが使用される。弁金属多孔体には、外面に連通する多数の微細な空孔ないし細孔を有している。
【0020】
陽極の例として、例えば、アルミニウムの場合は、アルミニウム箔をエッチング処理して多数の小孔を形成した多孔体、あるいは該エッチング処理を施したアルミニウム箔を捲回又は積層した多孔体であり、タンタルの場合は、タンタル粉末から圧縮成形後焼結して、所要形状の多孔体とされる。
誘電体層は、その弁金属の表面に陽極酸化により形成されたその金属の薄い酸化皮膜が利用され、多孔体内部の多数の微細な空孔の表面にも形成されている。陰極には、導電性高分子材料が利用され、多孔体の表面や空孔内に含浸されたポリマー層が利用される。
【0021】
図1(A)、(B)には、陽極がタンタル粉末から直方体に圧縮したタンタル燒結体を多孔体として利用して形成された電解コンデンサを示すが、この例では、多孔体に一体に埋設され陽極リード3が、一方に突設されている。
【0022】
本発明では、導電性ポリマー層2が、内の微細な多数の空孔の誘電体層12上に膜状に形成される。図2(B)は、上記電解コンデンサのタンタル多孔体1の微細構造を概念的に示しているが、タンタル燒結体の多孔体1の金属部10の空孔には、導電性ポリマー層2がほぼ完全に充填されて、ポリマー層2が、空孔表面に形成された誘電体層12と緻密に接合している。
【0023】
図2(A)は、ポリマー層2の概念的構成を示すが、誘電体層12に接合した下層のポリマー層21と、その下層上に成長形成した上層のポリマー層22とから成っている。下層のポリマー層21は、上記の前処理で形成された有機酸系ドーパントを含まないポリマー層21であり、上層のポリマー層22は、有機酸系ドーパントを含むポリマー層22である。実際の構造は、図示の2層のポリマー層21,22の境界はさほど明瞭ではない。
【0024】
この導電性高分子としては、好ましくは、複素環式五員環化合物またはその誘導体の導電性ポリマーが利用される。導電性ポリマーに利用可能な複素環式五員環ポリマーを例示すると、ピロール、チオフェン、3−アルキルチオフェン、イソチアナフテンなどのポリマーがある。導電性高分子としては、さらに六員環化合物又はその誘導体の導電性を有するポリマーが使用され、例示すると、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリパラフェニレンビニレンなどが利用できる。
【0025】
ピロールからの重合においては、本発明では、専ら化学酸化重合法が使用される。この重合法では、ピロール等のモノマーに酸化剤を反応させて導電性ポリマーにするが、個々で使用される酸化剤には、過酸化水素、その他の過酸化物の他、3価の鉄イオンなどの金属イオンが好適に使用される。
【0026】
さらに、導電性ポリマー層には、その導電率を高めるために、ドーパントによるドーピングが採用される。ドーパントとしては、塩素イオンや硫酸イオン等各種アニオンが利用でき、これらも場合によっては併用するが、形成後の導電性ポリマー層中からの脱ドープを抑制する目的で、立体障害が大きくポリマー中を動きにくい分子構造を有する有機酸系のアニオンが利用される。上述の導電性ポリマーに対しては、好ましくは、アルキルナフタレンスルホン酸イオンなどのアーリルスルホン酸イオン又はアーリルリン酸イオン等が利用される。
【0027】
導電性ポリマー層の形成には、既に誘電体層を形成した弁金属多孔体を、導電性高分子となるべきモノマーと重合用の酸化剤との混合液中に、浸漬して保持することにより、モノマーは酸化剤により重合化して、導電性ポリマーが弁金属多孔体誘電体層に形成される。
【0028】
本発明は、導電性ポリマー層の形成処理においては、前処理では誘電体層に直接形成される下層21の導電性ポリマー層については、モノマー液中に有機酸系のドーパントを含まないようにして重合化させることが重要である。これにより、有機酸系のドーパントを含まないモノマーから重合したのポリマー層は、誘電体層に密着した緻密で均質な膜として得られる。同時に、化学酸化重合法を採用しているので、導電性ポリマー層は多孔体の表面から芯部11に至るまで空孔の誘電体層上に全体に形成できる。
この前処理では、有機酸系以外のドーパント、例えば、無機酸系のドーパント、を利用することができる。無機酸系ドーパントは水溶液中で安定で、酸化物誘電体層上に吸着しにくく、導電性ポリマー層と誘電体層との密着性を低下させないため、前処理の際の液中に含まれていてもよい。
【0029】
また、前処理では、いずれも有機酸系のドーパントを含まないモノマー溶液中と酸化剤溶液中とに、既に誘電体層を形成した弁金属多孔体を交互に浸漬することもなされ、浸漬保持によりモノマーが重合化して、弁金属多孔体の誘電体層上に有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層を緻密な膜として密着度よく形成することができる。
【0030】
次の本処理で形成される導電性ポリマー層は、モノマーと重合用の酸化剤との混合液に有機酸系のドーパントを含有させて、該ドーパントをドープしたポリマー層を前記ポリマー層の上に形成する。この下層のポリマーが既に緻密で均質な膜に形成されているので、該有機酸系ドーパントを含むポリマー層は、反応速度があまり速くない限り、下層ポリマーの上に緻密な層として成長させることができる。これにより、該ドーパントを含むポリマー層も緻密な膜として形成できる。これにより該ドーパントを含むポリマー層の電導度を緻密化によりさらに向上させることができ、導電性ポリマー層全体の低抵抗化が図れる。
【0031】
さらに、本処理では、少なくともいずれか一方に有機酸系のドーパントを含有させたモノマー溶液中と酸化剤溶液中とに、前記前処理を施した弁金属多孔体を交互に浸漬することもなされ、前記有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層上に、重合反応により有機酸系のドーパントを含む導電性ポリマー層をさらに形成して、導電性ポリマー層とすることができる。
【0032】
有機酸系のドーパントは界面活性剤としての作用を有するので、有機酸系のドーパントを含む溶液に浸漬した場合は弁金属多孔体の空孔内部にまで容易に反応溶液が浸透でき、多孔体1の芯部11の細孔にまで導電性ポリマー層2を形成することが可能である。しかしながら、前処理の際には有機酸系のドーパントを含まないので、多孔体1中の芯部11心付近の空孔や細孔深部への反応溶液の浸透性が低下し、有機酸系のドーパントを含まない導電性高分子を細孔深部に至るまで誘電体皮膜上全体に形成することが困難である。この欠点を回避するために、以下の方法が採用される。
【0033】
第1の方法では、前処理に用いるモノマーと酸化剤の混合溶液に、又は、交互に浸漬する溶液のうち先に浸漬する溶液に、弁金属多孔体を浸漬した後、溶液ごと減圧して、弁金属多孔体空孔細部に至るまで均一に溶液を含浸させることができる。
他の方法として、該溶液の溶媒蒸気あるいは該溶液と親和性を有する溶媒の蒸気で、弁金属多孔体の誘電体皮膜上を湿潤させる方法も採用できる。これにより、誘電体皮膜と該溶液の親和性が高まり該溶液が細孔深部にまで容易に浸透し、誘電体皮膜上全体に緻密で誘電体層との密着度の高い導電性高分子膜を形成することができる。この溶媒としては、たとえば反応溶液系が水溶液系であれば水が利用でき、モノマーを含む溶液を含浸させる場合には、モノマーとの親和性が高いことから有機溶媒各種を用いることができる。場合によっては、モノマー蒸気で湿潤する方法も利用できる。
【0034】
前処理後で本処理に先立って、前処理後の多孔体を有機酸系のドーパント溶液中に浸して、前記有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層中に前記有機酸系のドーパントをドープする処理もなされる。後でドーピング処理を行った導電性ポリマー層上に、前記本処理により有機酸系のドーパントを含む導電性ポリマー層を形成するのである。既に緻密膜として形成した導電性ポリマー層に後でドープすることにより、誘電体層に接する最下層の導電性ポリマー層の電導率を高めることができ、導電性ポリマー層全体をさらに低抵抗にすることができる。
この有機酸系のドーパントを後ドープさせる際に用いるドーパント溶液は、導電性ポリマー層を膨潤させうる溶媒を含むものが好ましく、例えば、アルコール等を含むものが使用できる。
【0035】
このようにして形成された電解コンデンサは、さらに、例として図3に示すように、多孔体1外周に、導電性のカーボン層41とそのカーボン層上に銀ペースト層40とが被着される。陽極リード3と陰極銀ペースト層40には、それぞれ配線電極32、42が接続され、全体に絶縁樹脂6によりモールデイングされ、この例では配線基板実装用の電解コンデンサとされる。
【0036】
〔実施例1〕
本発明の方法による導電性ポリマー層が酸化物層に対して密着性の高い膜として形成する試験を行った。本例では、導電性高分子として、ポリピロールを使用し、有機酸系のドーパントとしては、アルキルナフタレンスルホン酸イオンを使用した。
【0037】
また、誘電体酸化皮膜層を擬似的に、同じく金属酸化物であるガラス基板で置き換えて実験を行った。
モノマー溶液は、イソプロピルアルコールを10vol%含有する水溶液中に、ポリピロール形成用のモノマーとして、ピロールを0.1mol/lとなるように溶解させて、作製した。
【0038】
また酸化剤溶液は、イソプロピルアルコールを10vol%含有する水溶液に、酸化剤として硫酸鉄(III) を0.1mol/l、有機酸系のドーパントとしてアルキルナフタレンスルホン酸イオンをNa塩の形で0.05mol/lとなるように溶解させ作製し、酸化剤溶液1とした。
【0039】
さらに、イソプロピルアルコールを10vol%含有する水溶液に、硫酸鉄(III )を0.1mol/lとなるように溶解させ、有機酸系のドーパントを含まない(硫酸イオンは含む)酸化剤溶液2とした。
【0040】
試験は、図7に示すようにして、容器7中に配置したスライドガラス板72を、モノマーを含む溶液73に浸漬して、ガラス板72の表面に以下に示す各化学酸化重合条件で導電性ポリマー層を形成し、その外観観察を行った。
【0041】
試験(1)は、モノマー溶液と酸化剤溶液1を混合し、容器中のこの混合液にスライドガラス板を1時間浸漬した。
試験(2)は、モノマー溶液と酸化剤溶液2を混合し、この混合液中にスライドガラス板を1時間浸漬した。この試験は、本発明の前処理に相当する。
試験(3)は、モノマー溶液と酸化剤溶液2を混合し、この混合液中にスライドガラス板を10分間浸漬した。この試験は、本発明の前処理に相当する。
試験(4)は、前処理として、モノマー溶液と酸化剤溶液2を混合し、この混合液中にスライドガラス板を10分間浸漬し、その後、本処理として、モノマー溶液と酸化剤溶液1を混合した溶液中に、前記処理をしたスライドガラス板を1時間浸漬した。
【0042】
ガラス板の観察から、試験(1)のように有機酸系のドーパントを含む溶液を用いた場合は、導電性ポリマーが液中で重合生成されるが、沈殿物として容器底に堆積し、ガラス板には導電性ポリマー層としては付着するだけで密着せず、板上に膜が形成されないことが確認できた。しかし、試験(2)のように有機酸系のドーパントを含まない溶液を用いた場合は、導電性ポリマー層がガラス板上に膜状に形成された。従って、有機酸系のドーパントを含まない溶液中で化学酸化重合することにより、導電性高分子はガラス板に対して密着性良く膜状に形成されることが確認できた。
【0043】
試験(3)のように有機酸系のドーパントを含まない溶液中で10分間処理をした場合にもガラス板表面に薄い膜状の導電性ポリマー層の形成が確認された。試験(4)では有機酸系のドーパントを含む溶液中で本処理を行ったが、前処理として、予め試験(3)のように有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層をガラス板表面に膜形成しておくと、有機酸系のドーパントを含む溶液中で本処理を行った場合に、さらに導電性ポリマー層が成長し厚い膜に形成されることが確認できた。
各処理により形成された導電性ポリマー層の膜厚および電導度を表1に示す。
【0044】
【表1】
Figure 0003741539
【0045】
表1に示す如く、試験(4)のように有機酸系のドーパントを含まない溶液中で前処理として導電性ポリマー層を形成した後、本処理として有機酸系のドーパントを含む溶液中でさらに導電性高分子を形成した場合は、電導度が高く、有機酸系のドーパントを含まない溶液中でのみ導電性ポリマー層を形成した試験(2)に比較して一桁も電気伝導度が向上していた。一方最初から有機酸系のドーパントを含む溶液中で重合反応を行ったものについては導電性高分子が膜状に形成されなかったため、電気伝導度が測定できなかった。
【0046】
次に、前処理で形成した導電性高分子膜へのドープ効果を実験的に確認した。ドーパント溶液は、イソプロピルアルコールを10vol%含有する水溶液に、硫酸を0.05mol/l、有機酸系のドーパントとしてアルキルナフタレンスルホン酸イオンをNa塩の形で0.05mol/lとなるように溶解させ作製した。
【0047】
まず、導電性高分子膜を形成した試験(2)のガラス板を上記のドーパント溶液に1時間浸漬した。また、前処理としての導電性高分子膜を形成した(有機酸系のドーパントを含まない溶液中で10分間処理した)試験(4)のガラス板を、上記のドーパント溶液に30分浸漬した後、本処理として、モノマー溶液と酸化剤溶液1を混合した溶液中に、さらに1時間浸漬したものを作製した。
【0048】
各々の電導度を表1に併記する。(2)(4)ともにドーパント溶液に浸漬することによる膜質の外観上の変化はなく、ガラス板との密着度も良好であった。また、表1より導電性ポリマー層の電導度は、(2)(4)ともにドープ処理により向上していることが明らかとなった。
【0049】
本実施例から、有機酸系のドーパントを含む溶液中で化学酸化重合により得られた導電性ポリマー層は、平滑なガラス板表面との密着性が低く、ガラス上に膜形成されないが、有機酸系のドーパントを含まない溶液中で化学酸化重合により得られた導電性高分子は平滑なガラス表面との密着性に富み、ガラス表面に膜状に形成されることが明らかとなった。さらに、あらかじめ有機酸系のドーパントを含まない溶液中で導電性ポリマー層を薄く形成した後、有機酸系のドーパントを含む溶液中で導電性ポリマー層を形成すると、先に生成した膜上に新たな膜が更に成長することが明らかになり、本発明により、有機酸系のドーパントを含む低抵抗の導電性ポリマー層を厚みのある膜状に形成することが可能となった。
【0050】
また、あらかじめ有機酸系のドーパントを含まない溶液中で導電性ポリマー層を薄く形成した後、ドーパント溶液中でドープ処理を施し、その後、さらに有機酸系のドーパントを含む溶液中で導電性ポリマー層を形成すると、先に生成した膜の電導度を向上させることができ、電導度の高い膜上に新たに低抵抗な膜を更に成長させることができることが明らかになり、さらに電気抵抗の低い導電性ポリマー層を形成することが可能となった。
【0051】
ここで、本実施例ではモノマーとしてピロールを用いた実施例を示したが、チオフェンでも同じ現象が観察された。複素環式五員環化合物もしくはその誘導体の導電性を示すポリマーは、同様の効果が得られた。導電性六員環化合物であるポリパラフエニレンやポリアニリンも、同様の効果が得られた。また、本実施例ではアルキルナフタレンスルホン酸Na塩の形で有機酸系のドーパントを添加したが、他のアーリルスルホン酸イオンあるいはアーリルリン酸イオンでも同様の効果が得られた。
【0052】
〔実施例2〕
図4に本実施例の電解コンデンサの製造方法の概略を示す。本例では、弁金属としてタンタルを使用した。タンタル粉末をリードとともに成形焼成して1.4mm×3.0mm×3.8mmの多孔体を形成した後、タンタル多孔体をリン酸水溶液中にて化成電圧30Vで化成して酸化皮膜誘電体層を形成し、コンデンサ素子とした。
準備したコンデンサ素子の誘電体層上に、以下の化学酸化重合法により導電性ポリマー層を形成して陰極とし、さらに外部に陰極の集電体としてのリード板を設けて電解コンデンサとし、静電容量およびインピーダンスの周波数特性を測定した。
【0053】
導電性ポリマー層の形成に際して、実施例1と同様に、イソプロピルアルコールを10vol%含有する水溶液に0.1mol/lとなるようにピロールを溶解させモノマー溶液とした。また、イソプロピルアルコールを10vol%含有する水溶液に、酸化剤として硫酸鉄(III)を0.1mol/l、有機酸系のドーパントとしてアルキルナフタレンスルホン酸イオンをNa塩の形で0.05mol/lとなるように溶解させ酸化剤溶液1とした。さらに、イソプロピルアルコールを10vol%含有する水溶液に、硫酸鉄(III)を0.1mol/lとなるように溶解させ有機酸系のドーパントを含まない(硫酸イオンは含む)酸化剤溶液2とした。
【0054】
(1)モノマー溶液と酸化剤溶液2を混合し、この混合液中に前記コンデンサ素子を浸漬し、有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層をコンデンサ素子の空孔内部および素子表面の誘電体層上に形成した。ここで、浸漬時間を変化させ、有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層の厚みを、素子表面で測定して500nmで素子内部の空孔表面も含めて平均100nmにしたもの(a)と、素子表面で測定して750nmで平均150nmにしたもの(b)を作製した。その後各々(a)(b)について、モノマー溶液および酸化剤溶液1へのコンデンサ素子の交互浸漬を20回繰り返すことにより、有機酸系のドーパントを含む導電性ポリマー層を、該ドーパントを含まない導電性ポリマー層上に成長させた。この交互浸漬の繰り返しに際しては、先ずモノマー溶液にコンデンサ素子を浸漬した後、素子を引きあげ、酸化剤溶液1に浸漬保持して重合反応をさせた後、洗浄、乾燥を行う操作を繰り返した。
【0055】
(2)モノマー溶液と酸化剤溶液1とへのコンデンサ素子の交互浸漬を20回繰り返すことにより導電性ポリマー層をコンデンサ素子の空孔内部および素子表面の誘電体層上に堆積形成した。この交互浸漬の繰り返しに際しては、先ずモノマー溶液にコンデンサ素子を浸漬した後、素子を引き上げ、酸化剤溶液1に浸漬保持して重合反応をさせた後、洗浄、乾燥を行う操作を繰り返した。
以上のようにして作製した電解コンデンサの諸特性を表2並びに図5及び図6に示す。
【0056】
【表2】
Figure 0003741539
【0057】
表2および図5と図6から明かなように、従来例(c)に比較して本発明の形成法である(1)の方法で導電性ポリマー層を形成した場合(a)のコンデンサの特性は、特に高周波でのインピーダンスが低く、応答性にすぐれていることがわかった。ただし、(b)のように前処理として施した有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層の厚みが厚すぎると、膜抵抗が増加し、高周波応答性が従来例よりも低下してしまった。
【0058】
本実施例においては、前処理として施した有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層の厚みを500nm(平均100nm)としてその効果を確認したが、更に薄い場合については特性がさらに向上し低インピーダンス化が図れることが確認できた。その厚み限界については、走査電子顕微鏡の検出下限(10nm)以下で厚みが確認されない場合にも効果が確認された。また、前処理として有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層を形成した後に、素子を実施例1と同様にドーパント溶液中に浸漬保持してドープ処理を施すと、さらに特性が向上し低インピーダンス化が図れることが確認できた。
【0059】
本実施例においては、モノマーとしてピロールを用いた例を示したが、複素環式五員環化合物もしくはその誘導体であれば、その種類については限定されるものではない。また、本実施例では、アルキルナフタレンスルホン酸Na塩の形で有機酸系のドーパントを添加したが、他のアーリルスルホン酸イオンでも同様の効果が得られ、さらには、アーリルリン酸イオンを用いた場合の方が耐熱性のよい導電性ポリマー層が形成された。
【0060】
本実施例においては、前処理として形成する有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層の形成を、酸化剤とモノマーとを混合した溶液にコンデンサ素子を浸漬することにより行ったが、浸漬洗浄乾燥をくり返しても良く、また、酸化剤溶液およびモノマー溶液へのコンデンサ素子の交互浸漬洗浄乾燥を1回またはくり返し行うことにより形成しても同様の効果が得られる。この場合酸化剤溶液およびモノマー溶液のうちどちらに先に浸漬するかは問わない。
【0061】
本実施例においては、本処理として形成する有機酸系のドーパントを含む導電性ポリマー層の形成を、酸化剤溶液とモノマー溶液とにコンデンサ素子を交互に浸漬することにより行ったが、モノマーと酸化剤を混合した溶液へのコンデンサ素子の浸漬洗浄乾燥を1回または繰り返し行うことにより行っても良い。また、酸化剤溶液およびモノマー溶液へのコンデンサ素子の交互浸漬洗浄乾燥を1回またはくり返し行うことにより形成する場合、酸化剤溶液およびモノマー溶液のうちどちらに先に浸漬するかは問わない。
【0062】
また、本実施例においてはタンタル電解コンデンサについて示したが、アルミ電解コンデンサにも同様に適用できる。さらに、弁金属箔を積層あるいは捲回した構造を有するコンデンサの場合、弁金属箔多孔体に本発明の導電性ポリマー層を形成した後に積層あるいは捲回してもよく、予め弁金属箔を積層あるいは捲回した構造体に本発明の導電性ポリマー層を形成してもよいことはいうまでもない。
【0063】
〔実施例3〕
実施例2と同様に、タンタル粉末をリードとともに成形焼成して1.4mm×3.0mm×3.8mmの多孔体を形成した後、タンタル多孔体をリン酸水溶液中にて化成電圧30Vで化成して酸化皮膜誘電体層を形成し、コンデンサ素子とした。
【0064】
準備したコンデンサ素子の誘電体層上に、以下の化学酸化重合法により導電性ポリマー層を形成して陰極とし、さらに外部に陰極の集電体としてのリード板を設けて電解コンデンサとし、静電容量の周波数特性を測定した。
【0065】
導電性ポリマー層の形成に際して、イソプロピルアルコールを10vol%含有する水溶液にピロールを0.1mol/l、有機酸系のドーパントとしてアルキルナフタレンスルホン酸イオンをNa塩の形で0.05mol/lとなるように溶解させモノマー溶液1とした。また、イソプロピルアルコールを10vol%含有する水溶液に0.1mol/lとなるようにピロールを溶解させモノマー溶液2とした。
【0066】
また、イソプロピルアルコールを10vol%含有する水溶液に、酸化剤として硫酸鉄(III)を0.1mol/l、有機酸系のドーパントとしてアルキルナフタレンスルホン酸イオンをNa塩の形で0.05mol/lとなるように溶解させ酸化剤溶液1とした。さらに、イソプロピルアルコールを10vol%含有する水溶液に、硫酸鉄(III)を0.1mol/lとなるように溶解させ有機酸系のドーパントを含まない(硫酸イオンは含む)酸化剤溶液2とした。
【0067】
(3)先ず、前記コンデンサ素子を60℃相対湿度80〜90%の雰囲気中に放置し、水蒸気で湿潤した。その後、モノマー溶液2と酸化剤溶液2を混合し、この混合液中に前記湿潤したコンデンサ素子を浸漬し、有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層をコンデンサ素子の空孔内部および素子表面の誘電体層上に形成し、洗浄乾燥を行った。その後、モノマー溶液1および酸化剤溶液1へのコンデンサ素子の交互浸漬を20回繰り返すことにより、有機酸系のドーパントを含む導電性ポリマー層を、該ドーパントを含まない導電性ポリマー層上に成長させた。この交互浸漬の繰り返しに際しては、先ずモノマー溶液1にコンデンサ素子を浸漬した後、素子を引き上げ、酸化剤溶液1に浸漬保持して重合反応をさせた後、洗浄、乾燥を行う操作を繰り返した。
【0068】
(4)モノマー溶液2と酸化剤溶液2を混合し、この混合液中に前記コンデンサ素子を浸漬し、有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層をコンデンサ素子の空孔内部および素子表面の誘電体層上に形成し、洗浄乾燥を行った。その後、モノマー溶液1および酸化剤溶液1へのコンデンサ素子の交互浸漬を20回繰り返すことにより、有機酸系のドーパントを含む導電性ポリマー層を、該ドーパントを含まない導電性ポリマー層上に成長させた。この交互浸漬の繰り返しに際しては、先ずモノマー溶液1にコンデンサ素子を浸漬した後、素子を引き上げ、酸化剤溶液1に浸漬保持して重合反応をさせた後、洗浄、乾燥を行う操作を繰り返した。
【0069】
(5)モノマー溶液1と酸化剤溶液1とへのコンデンサ素子の交互浸漬を20回繰り返すことにより導電性ポリマー層をコンデンサ素子の空孔内部および素子表面の誘電体層上に堆積形成した。この交互浸漬の繰り返しに際しては、先ずモノマー溶液1にコンデンサ素子を浸漬した後、素子を引き上げ、酸化剤溶液1に浸漬保持して重合反応をさせた後、洗浄、乾燥を行う操作を繰り返した。
以上のようにして作製した電解コンデンサの静電容量測定結果を表3に示す。
【0070】
【表3】
Figure 0003741539
【0071】
本実施例では、実施例2に比較して従来例も低周波における容量が大きくなっていた。これは交互浸漬の際に先に浸漬する溶液であるモノマー溶液に界面活性剤としても作用する有機酸系のドーパントが混合されているためであり、細孔深部にまで導電性高分子が形成されたことに由来する。
【0072】
表3から明かなように、従来例(5)に比較して本発明の形成法である(3)、(4)の方法で導電性ポリマー層を形成した場合、高周波まで応答性にすぐれて、容量が引き出せていることがわかった。特に、前処理前にあらかじめ溶媒による湿潤処理を行った場合は、(3)のように、細孔深部まで緻密な導電性高分子膜が形成できたため、低周波での容量低下もほとんどなく、全周波数域において容量特性が向上していることが確認できた。
【0073】
本実施例では、前処理前のコンデンサ素子の湿潤を水蒸気により行ったが、本実施例の場合には、エタノール等のアルコール蒸気やモノマー蒸気を採用しても同様の効果が得られた。その他、前処理に用いる混合溶液の溶媒あるいは該溶液と親和性を有する溶媒であれば同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、本実施例では前処理をモノマー溶液と酸化剤溶液を混合したモノマーと酸化剤とを含む溶液中で行ったが、前処理を交互浸漬法により行う場合には、コンデンサ素子を先に浸漬する溶液の溶媒あるいは該溶液と親和性の有る溶媒を用いて湿潤を行うことにより、同様の効果が確認できた。
【0074】
さらに、本実施例では前処理前にコンデンサ素子に湿潤処理を行うことにより、前処理時に形成される導電性高分子膜を細孔深部にまで形成することができたが、前処理時に、溶液中にコンデンサ素子を浸漬した後、溶液ごと雰囲気を減圧することよっても、同様の効果が確認できた。
【0075】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、化学酸化重合法により形成される導電性ポリマー層を膜状にしたことにより、コンデンサ素子の表面から芯部の空孔まで均質で緻密な導電性ポリマー層とすることができ、容量達成率の高い、低抵抗で高周波応答性に優れた電解コンデンサを提供できる。
【0076】
また、本発明によれば、化学重合法により、まず前処理として有機酸系のドーパントを含まない溶液中でモノマーの重合反応を行い、その後有機酸系のドーパントを含む溶液中でモノマーの重合反応を行うので、化学酸化重合法においても緻密で誘電体層との密着性にも優れた膜状層を弁金属の多孔体の空孔に導電性ポリマー層として形成することができ、結果として容量達成率の高い、抵抗の低い高周波応答性に優れた電解コンデンサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電解コンデンサの多孔体の斜視図(A)と、断面図(B)を示す。
【図2】本発明の実施形態に係る電解コンデンサの陽極多孔体内部の模式的な微細構造(A、B)を示す。
【図3】本発明の実施形態に係る実装用電解コンデンサの断面図を示す。
【図4】本発明の一実施例における電解コンデンサの製造方法の概略を示す。
【図5】本発明の一実施例における電解コンデンサの静電容量の周波数特性を示すグラフ。
【図6】本発明の一実施例における電解コンデンサのインピーダンスの周波数特性を示すグラフ。
【図7】本発明の試験に使用する容器内のモノマー溶液中に配置したガラス板を示す図。
【符号の説明】
1 多孔体
10 金属部
11 芯部
12 誘電体層
2 導電性ポリマー層
21 下層の導電性ポリマー層
22 上層の導電性ポリマー層

Claims (20)

  1. 陽極が弁金属の多孔体からなり、誘電体層が該弁金属の酸化物皮膜層で、陰極が導電性ポリマー層である電解コンデンサにおいて、
    前記導電性ポリマー層が、モノマーを溶液中で化学酸化重合させて成る導電性ポリマー層であって
    前記導電性ポリマー層のポリマー材料がポリピロールから成り
    前記導電性ポリマー層が、前記多孔体の表面及び内部空孔表面に形成されており、前記誘電体層上に形成された有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層の上に、有機酸系のドーパントを含む導電性ポリマー層が緻密な膜状に形成されて成ることを特徴とする電解コンデンサ。
  2. 前記有機酸系のドーパントが、アーリルスルホン酸イオン若しくはアーリルリン酸イオンであることを特徴とする請求項記載の電解コンデンサ。
  3. 前記弁金属が、アルミニウム又はタンタルである請求項記載の電解コンデンサ。
  4. 陽極が弁金属の多孔体であり、誘電体層が該弁金属の酸化物皮膜層で、陰極が導電性ポリマー層である電解コンデンサを製造する方法において、
    前記導電性ポリマー層のポリマー材料がポリピロールから成り
    前記導電性ポリマー層の形成法が、前処理として、誘電体を形成した多孔体を有機酸系のドーパントを含まない溶液中に浸漬してモノマーを化学酸化重合させて有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層を多孔体の表面及び内部空孔表面の誘電体層上に形成する過程と、その後、本処理として、多孔体を有機酸系のドーパントを含む溶液中に浸漬してモノマーを化学酸化重合させて、多孔体の表面及び内部空孔表面であって有機酸系のドーパントを含まない当該導電性ポリマー層上に有機酸系のドーパントを含む導電性ポリマー層を形成する過程と、から成ることを特徴とする電解コンデンサの製造方法。
  5. 前記前処理の過程が、モノマーと酸化剤とを含み有機酸系のドーパントを含まない溶液中に、誘電体層を形成した多孔体を浸漬して、誘電体層表面上に重合反応により前記有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層を形成することを特徴とする請求項記載の電解コンデンサの製造方法。
  6. 前記モノマーと酸化剤とを含み有機酸系のドーパントを含まない溶液中に誘電体層を形成した該多孔体を浸漬する際に、該溶液を弁金属多孔体に減圧含浸させることを特徴とする請求項記載の電解コンデンサの製造方法。
  7. 前記前処理の過程に先立って、前記モノマーと酸化剤とを含み有機酸系のドーパントを含まない溶液の溶媒の蒸気若しくは該溶液と親和性を有する溶媒の蒸気に、誘電体層を形成した弁金属多孔体をさらす過程を含み、弁金属多孔体誘電体表面を当該溶媒で湿潤することを特徴とする請求項記載の電解コンデンサの製造方法。
  8. 前記前処理の過程が、いずれも有機酸系のドーパントを含まないモノマー溶液中と酸化剤溶液中とに前記誘電体層を形成した弁金属多孔体を交互に浸漬し、誘電体層表面上に重合反応により前記有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層を形成することを特徴とする請求項記載の電解コンデンサの製造方法。
  9. 前記いずれも有機酸系のドーパントを含まないモノマー溶液と酸化剤溶液のうち、前記誘電体層を形成した弁金属多孔体を先に浸漬する溶液に弁金属多孔体を浸漬する際に、前記溶液を弁金属多孔体に減圧含浸させることを特徴とする請求項記載の電解コンデンサの製造方法。
  10. 前記前処理の過程に先立って、前記いずれも有機酸系のドーパントを含まないモノマー溶液と酸化剤溶液のうち、誘電体層を形成した弁金属多孔体を先に浸漬する溶液の溶媒の蒸気若しくは該溶液と親和性を有する溶媒の蒸気に、誘電体層を形成した弁金属多孔体をさらす過程を含み、弁金属多孔体誘電体表面を前記溶媒で湿潤することを特徴とする請求項記載の電解コンデンサの製造方法。
  11. 前記前処理野過程が、前記重合反応により前記有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層を形成する操作を複数回繰り返すことを特徴とする請求項4ないし10いずれかに記載の電解コンデンサの製造方法。
  12. 前記前処理の過程で形成する有機酸系のドーパントを含有しない導電性ポリマー層の膜厚が、一分子層以上500nm以下である請求項4ないし11いずれかに記載の電解コンデンサの製造方法。
  13. 前記本処理の過程が、モノマーと酸化剤と有機酸系のドーパントとを混合溶解させた溶液中に、前記前処理をした弁金属多孔体を浸漬して、前記有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層上に、重合反応により有機酸系のドーパントを含む導電性ポリマー層をさらに形成することを特徴とする請求項4ないし12いずれかに記載の電解コンデンサの製造方法。
  14. 前記本処理が、少なくともいずれか一方に有機酸系のドーパントを含有させたモノマー溶液中と酸化剤溶液中とに前記前処理を施した弁金属多孔体を交互に浸漬し、前記有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層上に、重合反応により有機酸系のドーパントを含む導電性ポリマー層をさらに形成することを特徴とする請求項4ないし12いずれかに記載の電解コンデンサの製造方法。
  15. 前記本処理の過程が、重合反応により有機酸系のドーパントを含む導電性ポリマー層を形成する操作を1回若しくは複数回行うことを特徴とする請求項13又は14記載の電解コンデンサの製造方法。
  16. 前記前処理野過程後に、有機酸系のドーパント溶液中に浸して前記有機酸系のドーパントを含まない導電性ポリマー層中に有機酸系のドーパントをドープした後、さらに前記本処理の過程が該導電性ポリマー層上に有機酸系のドーパントを含む導電性ポリマー層を形成することを特徴とする請求項4から15いずれかに記載の電解コンデンサの製造方法。
  17. 前記前処理後の有機酸系ドーパントをドープさせるドーパント溶液が、導電性ポリマー層を膨潤させうる溶媒に有機酸系ドーパントを溶解させた溶液である請求項16記載の電解コンデンサの製造方法。
  18. 前記有機酸系のドーパントが、アーリルスルホン酸イオン若しくはアーリルリン酸イオンであることを特徴とする請求項4ないし17いずれかに記載の電解コンデンサの製造方法。
  19. 前記弁金属が、アルミニウム又はタンタルである請求項4ないし17いずれかに記載の電解コンデンサの製造方法。
  20. 請求項4ないし19いずれかに記載の製造方法を用いて製造された電解コンデンサ。
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