JP3741170B2 - 水崩壊性複合繊維及び不織布、吸収性物品 - Google Patents

水崩壊性複合繊維及び不織布、吸収性物品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水崩壊繊性複合繊維、詳しくは水崩壊性及び熱接着性の澱粉系高分子を1成分に含む水崩壊性複合繊維及び、該繊維を用いて作製した不織布及び吸収性物品に関するもので、特に水中に投棄して廃棄処理ができる紙おむつ等の吸収性物品や掃除布等に使用するのに好適である水崩壊性複合繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水の存在で溶解,崩壊が起こる繊維としては、ポリビニルアルコール繊維があり、繊維,不織布等に加工されて種々の用途に使用されている。
しかしながら、ポリビニルアルコール繊維は水に対する溶解度が低く、80℃以上の温水で溶解しなければならない為、例えば水洗トイレなど室温の水への廃棄処理が困難である。
【0003】
特開平04−100913号公報に、ポリビニルアルコ−ル系重合体と澱粉とからなる生分解性繊維が提案されている。しかし分解性が弱く、完全分解するのに期間が長いという問題と、繊維強度が低いという問題があって、使用上の障害となっている。
【0004】
また特開平01−260017号公報には、ケン化度96モル%のPVA系ポリマーを鞘成分、ケン化度80〜95モル%のPVA系ポリマーを芯成分とした水崩壊性PVA系複合繊維が提案されている。しかしこの複合繊維は、低融点成分を鞘側に配置していないため熱接着性がない。
【0005】
また特開平07−126918号公報には、融点が210℃以上のポリビニルアルコール系ポリマーを鞘成分とし、融点が210℃未満の水溶性ポリマーを芯成分となるように溶液紡糸法によって作製された鞘芯型複合繊維が提案されている。この複合繊維は熱接着可能であるが、鞘側のポリビニルアルコール系ポリマーが80℃以上の熱水でないと溶解しない事から、常温の水に廃棄ができないという欠点を持っている。
【発明が解決しようとする課題】
接着性があり、常温の水で簡単に溶解する性能を持ち、かつ高い強度を有する水崩壊性繊維が望まれているが、従来の技術ではこれを満足するものが得られていない。本発明の課題は、熱接着性を有する水崩壊性複合繊維、不織布、吸収性物品を提供することにある。
【0006】
【発明を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、下記水崩壊性複合繊維を使用することにより、所期の目的を達成することを知り本発明を完成するに至った。
本発明は、次の構成を有する。
(1)水崩壊性樹脂組成物からなる第1成分と、熱可塑性樹脂からなる第2成分との複合繊維であって、水崩壊性樹脂組成物が、水分を5〜30重量%含んだ澱粉を密閉空間において水分を保持しながら、60〜300MPaの高圧下に、80〜290℃で熱処理した澱粉系高分子と、酢酸ビニルと官能基を含まない不飽和モノマーとの共重合体を部分加水分解した共重合体とからなる組成物であり、前記第1成分が繊維表面の少なくとも一部を長さ方向に連続して存在するように配された水崩壊性複合繊維。
(2)官能基を含まない不飽和モノマーが、エチレン、プロピレン、イソブチレンまたはスチレンのなかから選ばれた少なくとも1 種の官能基を含まない不飽和モノマーであり、部分加水分解した共重合体のケン化度が78〜98 %であり、かつ、該部分加水分解した共重合体が水崩壊性複合樹脂組成物に対して30〜70重量%含まれている前記(1)項に記載の水崩壊性複合繊維。
(3)捲縮を有する前記(1)または(2)項に記載の水崩壊性複合繊維。
(4)前記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の水崩壊性複合繊維を用いた不織布。
(5)前記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の水崩壊性複合繊維を含む不織繊維集合体について、少なくとも該水崩壊性複合繊維の第1成分を水で湿潤することによって前記繊維同士を接着させることを特徴とする不織布の製法。
(6)前記(1)〜()項のいずれか1項に記載の水崩壊性複合繊維または前記(4)項に記載の不織布を材料として用いた吸収性物品。
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の水崩壊性繊維材料の第1成分として用いられる水崩壊性樹脂組成物中の1種である澱粉系高分子としては、玉蜀黍澱粉,ワラビ澱粉,葛澱粉,馬鈴薯澱粉,小麦澱粉,キッサバ澱粉,サゴ澱粉,タピオカ澱粉,蜀黍,豆澱粉,ハス澱粉,ヒシ澱粉,甘藷澱粉等の少なくとも1種以上を熱変性した熱可塑性を有する均一溶融体を例示できる。
熱変性は、好ましくは、水分を5〜30重量%含んだ澱粉を密閉空間において水分を保持しながら、60〜300MPaの高圧下に、80〜290℃で熱処理して行うがこれに限定されない。これ以外の澱粉系高分子としては化学変性澱粉誘導体(アリルエ−テル化澱粉,カルボキシメチルエ−テル化澱粉,ヒドロキシエチルエ−テル化澱粉,ヒドロキシプロピルエ−テル化澱粉,メチルエ−テル化澱粉,リン酸架橋澱粉,ホルムアルデヒド架橋澱粉,エピクロルヒドリン架橋澱粉,アクロレイン架橋澱粉,アセト酢酸エステル化澱粉,酢酸エステル化澱粉,コハク酸エステル化澱粉,キサトゲン酸エステル化澱粉,硝酸エステル化澱粉,尿素リン酸エステル化澱粉,リン酸エステル化澱粉)、化学分解変性澱粉(ジアルデヒド澱粉、酸処理澱粉,次亜塩素酸酸化澱粉等),酵素変性澱粉(加水分解デキストリン,酵素分解デキストリン,アミロ−ス等)、物理的変性澱粉(α−澱粉,分別アミロ−ス,湿熱処理澱粉等)が例示できるが、溶融押出の加工性の点からは、熱変性澱粉の使用が最も好ましい。
【0008】
また、本発明で使用する水崩壊性樹脂組成物に含まれる部分加水分解した共重合体としては、酢酸ビニルと、エチレン、プロピレン、イソブチレンまたはスチレンなどの官能基を含まない不飽和モノマーとを共重合させたのち、該共重合体の有する酢酸ビニルエスエル基を加水分解して得られる共重合体が使用できる。本発明では、加水分解して得られる共重合体のケン化度が78〜98%であるときに効果が大きく、より好ましくは85%〜98%であり、さらに好ましくは90%〜98%である。
本発明では、部分加水分解した共重合体の配合量が、水崩壊性、加工性の点から、水崩壊性樹脂組成物に対し30〜70重量%であるときに効果は大きく、より好ましくは40〜60重量%である。本発明では、使用する官能基を含まない不飽和モノマーは特に限定されないが、エチレン、プロプレン、イソブチレンまたはスチレンのなかから選ばれる少なくとも1種の官能基を含まない不飽和モノマーを使用するのが好ましい。
【0009】
第2成分に使用する熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリエステルなどのポリエステル系樹脂などの汎用樹脂が例示でき、これらを1種または2種以上を併用することができる。
【0010】
本発明の水崩壊性複合繊維における第1成分/第2成分の比は、重量比で70/30〜30/70の範囲が好ましい。第2成分に対する第1成分の重量比が30/70より小さいと該水崩壊性複合繊維から不織布を製造するときに実用に耐える接着性能が得られにくく、第2成分に対する第1成分の重量比が70/30より大きいと、該水崩壊性複合繊維を使用して得られた不織布は十分な強度を得られにくい。接着と強度のバランスがより好ましいのは、第1成分/第2成分の重量比が60/40〜40/60の範囲である。
【0011】
前述した澱粉系高分子と、部分加水分解した共重合体を配合し、これら以外に必要に応じて可塑剤,艶消し剤,顔料,光安定剤,熱安定剤,酸化防止剤等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で添加する事ができる。例えば、可塑剤を添加する事で、曳糸性を向上する事ができる。可塑剤としては、下記のグリコール類またはエタノールアミンの化合物を例示する事ができる。
具体的には、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、2,3−ブタジエンオール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,7−ヘプタンジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、ピナコール、ヒドロベンゾイン、ベンズピナコールを例示できる。
【0012】
本発明の水崩壊性複合繊維は複合紡糸法で紡糸し、延伸,捲縮等を付与する事もできる。捲縮を付与する手段としては、多くの場合、延伸工程中にクリンパーで付与する方法が取られるが、本発明はこれに限定されない。捲縮を付与することでカーディング性を向上でき、なおかつ捲縮を有した繊維から作られた布帛に嵩高性を与えることができる。なお、捲縮の程度は、一般に、繊維の繊度や繊維長を考慮して選択され、通常20d/f以下の繊維には、1インチあたり10〜15山の捲縮が付与されるが、本発明はこれに限定されるものではない。。
また、ラウリルホスフェ−トカリウムの如き表面処理剤を後加工で付着させることにより、耐ガス変色性を向上させることも可能である。
【0013】
本発明の水崩壊性複合繊維は、従来から作製されている熱可塑性複合繊維とは異なり、例えば、並列型にあっては一方の成分に、また、鞘芯型にあっては鞘側成分に澱粉系高分子を主体とした水崩壊性樹脂組成物を使用している為、明確な融点を持っていない。そのため通常熱可塑性繊維に行われるスルーエアー加工だけでは熱接着が難しい。しかし澱粉系高分子は水分の存在下で湿潤し軟化する特徴を持つので、本発明の水崩壊性複合繊維を例えば水蒸気などで加湿し、第1成分中の澱粉系高分子を軟化させることで、水崩壊性複合繊維同士を接着させる。この後に、繊維に付着し残存している水分を蒸発させ、接着を強化する目的を兼ねてスルーエアー加工等を施すのも良い。スルーエアー加工等を行う際の処理温度は、水崩壊性複合繊維中の第2成分を構成する熱可塑性樹脂の融点を越えない範囲に設定するのが好ましい。また、澱粉系高分子を湿潤する方法としては、水蒸気,水中浸漬等の方法が採用できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0014】
本発明の水崩壊性複合繊維は、その複合の形態が並列型または鞘芯型であるときに、接着強度等の点で本発明の効果がより大きい。
本発明の不織布は、前記水崩壊性複合繊維から構成され、かつ構成繊維同士が部分的に接着されているものであるが、該構成繊維同士は3次元的に交絡されることにより不織布の強度が更に向上する。交絡はニードルパンチ加工などで付与することができる。本発明の不織布の製造においては、具体的には、得られた本発明の水崩壊性複合繊維を原綿とし、エアレイド法によってウェブを作製し、このウェブをスチームに曝す事で構成繊維同士を部分的に軟化接着させ、更にスルーエアー加工機にかけるなどの工程を例示できる。
【0015】
本発明の吸収性物品は、前記複合繊維から構成されており、好ましくは、液体透過性の表面材層,液体不透過性のバックシート層及び表面材層とバックシート層の間の吸収材からなる。しかし本発明はこれらの構成に限定されるものではなく、さらにこれらの層の間に単層もしくは複数の層を付加挿入することも出来る。こうした付加挿入層は、吸収材への体液の迅速な移行を司る機能,体液の逆戻りを防止する機能等を持っている。
表面材は液体透過性を充分に有するもので、多岐に及ぶ要求性能に合わせて編織物,不織布,または多孔性フィルムや、これらの複合材料等が選択、使用出来る。
バックシートは、液体不透過性のシートであり、蒸気を透過させる蒸気透過性のシートでなおかつ、多量の水によって溶解する素材を使用する事が好ましい。或いは不織布とシートの複合化物も用いる事が出来る。付加挿入層は液体の拡散を促進する機能を付与させる場合、ティッシュ等が使用出来る。
【0016】
吸収材は、セルロース繊維、高吸水性ポリマーを均一に混ぜた組成をとるのが一般的であるが、さらに水ぬれ時の型保持の為に、水溶性バインダーとして水崩壊性複合繊維を混ぜる事も出来る。セルロース繊維としては吸収材に従来から用いられているものであれば特に制限はない。
【0017】
高吸水性ポリマーは、吸水体に従来から用いられているものであれば特に制限はないが、例えば澱粉−アクリル酸グラフト重合体,ポリアクリル酸ソーダ架橋体,イソブチレン−無水マレイン酸共重合体またはそのケン化物,PVA架橋体,ポリアクリル酸塩等が使用出来る。
以下本発明を実施例の性能を比較例と比較しながら詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0018】
【実施例】
[水崩壊性複合繊維の作製]
コ−ンスタ−チを原料として熱変性をした水分10重量%を含む澱粉を60重量%、エチレン30モル%とポリ酢酸ビニ−ル70モル%の共重合体のケン化度が98%の部分加水分解共重合体を40重量%の組成比で混ぜた後、造粒し、ペレットとしたものを鞘成分に、メルトフロ−レ−ト16g/10分(230℃、2.16kgf)のポリプロピレンを芯成分として、鞘芯型複合紡糸用の孔径0.8mmφ,孔数350の口金と圧縮比2.0のフルフライトスクリュ−を使用し、溶融紡糸を行った。この方法で3d/fの複合繊維を得た。なお、表面仕上剤としてラウリルホスフェ−トカリウム塩を0.3重量%付着させた。
チョップは、この繊維を繊維長5mmにカットして作製し、ステープルファイバーは、この繊維をクリンパ−で12山/25mmの捲縮を付与して繊維長38mmにカットして作製した。
【0019】
[ニードルパンチ不織布の作製]
水崩壊性複合繊維(ステープルファイバー)をカード機に通し、目付け20g/m2のウェブを形成した後、公知のニードルパンチ加工法を用いて繊維同士を交絡させ、つき固める。この後、熱処理を行う事で、より接着性を上げる事ができる。得られた不織布は使用される大きさにカットし、サンプルもしくはサンプルのパーツとする事ができる。
【0020】
[カードウェブ−熱処理による不織布の作製]
水崩壊性複合繊維(ステープルファイバー)をカード機に通し、目付け20g/m2のウェブを形成した後、必要であればウェブに2kgf/cm2のスチームを5秒間当て、つぎに100℃設定のスルーエアー加工機で熱処理を10秒間行い繊維間同士を固着させる。得られた不織布は使用される大きさにカットし、サンプルもしくはサンプルのパーツとする事ができる。
【0021】
[エアレイド不織布の作製]
水崩壊性複合繊維(チョップ)を繊維長8mmに切断し、乾燥状態で機械的にほぐして単繊維化し、目付け20g/m2のウェブを連続的に形成した後、ウェブに2kgf/cm2のスチームを5秒間当て、つぎに100℃設定のスルーエアー加工機で熱処理を10秒間行い繊維間同士を固着させる。得られた不織布は使用される大きさにカットし、サンプルもしくはサンプルのパーツとする事ができる。
【0022】
[吸収性物品の作製]
表面材の作製 :表面材の面積,目付けは32cm×12cm,20g/m2
吸収材の作製 :吸収材の面積,目付けは、32cm×12cm,400g/m2とし、吸収材はパルプ繊維と澱粉−アクリル酸グラフト重合体 (高分子吸収剤)及び水崩壊性複合繊維を均一に混ぜたものをテ ィッシュで包み作製した。
バックシートの作製:澱粉系高分子を使用して、Tダイから押出し、目付け
50g/m2のフィルムとした。
上記で作製した表面材、吸収材、バックシートを用いて吸収性物品を作製した。
【0023】
[繊維強度]
本発明における繊維強度の定義とその測定法は、JISL−1015に準じ、単繊維強度を試長20mm,引張速度50%/minで引張試験を行った。
【0024】
[水崩壊性の測定]
以下の疑似水洗トイレを使用する。
評価に用いた疑似トイレは、縦0.3m×横0.3m×高さ0.5mの水槽の底中央に、直径3cmの孔を持ち、その孔に水止め用コックがついたホースを接続した構造である。この水槽は、水槽の底からホースの開放口までの高さを0.45mとなるように設置する。
さらに以下のデータを収集し、水崩壊性を判定した。
(1)前記吸収性物品サンプルが0.3m×0.3mの面積を占めるまで分散するのにかかる時間(分散時間)。
(2)サンプルが(1)の条件まで分散した後、疑似トイレの水をホースから流出させ 、水槽の水が完全に排出した後、ホース中に詰まり残存したサンプルを採取し、充分乾燥した後、重量を測定する。この値と初期絶乾重量とから残存比率(%)を算出する。残存比率は次式より求められる。
残存比率(ホースに目詰まりしたサンプルの重量比(%))
=[ホースに目詰まりしたサンプルの絶乾重量(g)/サンプルの初期絶乾重量(g)]×100
測定の手順は以下の通りである。
1)水止めコックを閉じ、水がホースから流れ出さないようにする。
2)この水槽に水を9dm3注ぐ。
3)サンプルに純水を0.05dm3しみこませる。
4)評価サンプルを水槽に投入し、それと同時に上記(1)の条件までの時間を測定する。
5)上記(1)の条件まで分散した後、27dm3の水を水槽に加え、水止めコックを一気に全開にする。
6)水が完全に排出した後、ホースに残存したサンプルを採取し重量を測定する。
7)水崩壊性の総合評価は(1)の分散時間と(2)の残存比率から判断する。
本発明の水崩壊性繊維及び、この繊維を使用して作られた不織布,吸収性物品は、主に使い捨て用途に使用される事を念頭においているので、トイレにそのまま投棄しても問題なく処理できるだけの水崩壊性能を有しているかをチェックした。
【0025】
実施例1(不織布)
水崩壊性複合繊維を上記のエアレイド不織布作製法によって不織布とした。
この不織布を水0.05dm3に浸漬してから疑似トイレに投棄し、水崩壊性能を調査した。結果、不織布の接着が緩やかになり、わずかな水の流れで、繊維がバラバラに開繊された。芯成分は非水崩壊性である為、水中に残存していた。ホースのコックを開き水を放出し残存量をみたところ、ホースには何も残っておらず全て排出された。結果、水崩壊性は良好であった(詳細結果を表3に示す)。
【0026】
実施例2(吸収性物品)
上記の吸収性物品作製法に記した方法で作製した表面材、吸収材、バックシートを用いて吸収性物品を作製した。
この吸収性物品に水0.05dm3を吸収させてから、疑似トイレに投棄し、水崩壊性能を調査した。
結果、バックシートは、水に溶解して消失したが、吸収材を構成するパルプ,高分子吸収剤はそのまま水中に残り、次第に分散していった。表面材の芯成分は非水崩壊性である為、水中に残存していた。ホースのコックを開き、サンプルの残存量をみたが、ホースには残らずに排出された。結果、水崩壊性は良好であった(詳細結果は表3に示す)。
【0027】
実施例3(不織布)
水崩壊性複合繊維を上記のカードウェブ−熱処理による不織布作製法によって不織布とした。
この不織布を水0.05dm3に浸漬してから疑似トイレに投棄し、水崩壊性能を調査した。結果、不織布の接着は緩やかになりわずかな水の流れで、繊維がバラバラに開繊された。芯成分は非水崩壊性である為、水中に残存していた。ホースのコックを開き、水を放出し、残存量をみたところ、ホースには何も残っておらず全て排出された。結果、水崩壊性は良好であった(詳細結果を表3に示す)。
【0028】
実施例4(繊維)
上記の水崩壊性複合繊維の紡糸方法を使用して、3d/fの鞘芯型複合繊維を作製して、単糸強度を測定した。結果、3.2g/dとなり、PE/PPの複合繊維程度の強力を示した。
【0029】
比較例1(不織布)
熱可塑性複合繊維(PE/PPの複合、3d/f×5mmのチョップ)をエアレイド不織布作製法によって不織布とした(このとき、スルーエアー加工機の設定温度は137℃とした)。
この不織布を水0.05dm3中に浸漬してから疑似トイレに投棄し、水崩壊性能を調査した。結果、鞘芯ともに非水崩壊性であった為、水面を浮遊していた。ホースのコックを開き水を放出しても流れ出さす残存したままとなった(詳細結果を表3に示す)。
【0030】
比較例2(吸収性物品)
熱可塑性複合繊維(PE/PPの複合、3d/f×5mmのチョップ)を使用して作製した表面材、吸収材、バックシートを用いて吸収性物品を作製した。
この吸収性物品に水0.05dm3を含浸させてから、疑似トイレに投棄し、水崩壊性能を調査した。
バックシート,表面材は水中でなんら変化を示さなかったが、吸収材は水分を吸収して膨潤した。ホースのコックを開き、水を流したが全く溶解していない為流れなかった(詳細結果は表3に示す)。
【0031】
比較例3(不織布)
熱可塑性複合繊維(PE/PPの複合、3d/f×5mmのチョップ)を上記のカードウェブ−熱処理による不織布作製法によって不織布とした(このとき、スルーエアー加工機の設定温度は137℃とした)。
この不織布を水0.05dm3中に浸漬してから疑似トイレに投棄し、水崩壊性能を調査した。結果、鞘芯ともに非水崩壊性である為、水面を浮遊していた。ホースのコックを開き水を放出しても流れ出さす残存したままとなった(詳細結果を表3に示す)。
【0032】
比較例4(繊維)
コ−ンスタ−チを原料として熱変性をした水分10重量%を含む澱粉を60重量%、エチレン30モル%とポリ酢酸ビニ−ル70モル%の共重合体のケン化度が98%の部分加水分解共重合体を40重量%の組成比で混ぜた後、造粒し、ペレットとしたものをレギュラー紡糸用の孔径0.8mmφ,孔数350の口金と圧縮比2.0のフルフライトスクリュ−を使用し、溶融紡糸を行った。この方法で3d/fのレギュラー繊維を得た。この単糸強度を測定したところ、0.5g/dとなり、低強力を示した。
【0033】
実施例に示したように水崩壊性複合繊維は、澱粉系高分子のみで作られた繊維とくらべ、強力が6.5倍程度になっており、不織布などで強力が必要な用途に使用できる事がわかった。
【0034】
【表1】
Figure 0003741170
【0035】
【表2】
Figure 0003741170
【0036】
【表3】
Figure 0003741170
【0037】
【発明の効果】
本発明の水崩壊性複合繊維から作られた不織布,吸収性物品を常温の水中に投下すると、短時間に崩壊し、形態をバラバラにできる。そのため、下水(水洗トイレ)に流す事で簡単に廃棄処理ができる用途に幅広く利用できる。更に芯側に熱可塑性樹脂を使用しているので、澱粉系高分子のみで構成した水崩壊性繊維に較べ強度が高くなり強度が必要な用途にも対応できる。

Claims (6)

  1. 水崩壊性樹脂組成物からなる第1成分と、熱可塑性樹脂からなる第2成分との複合繊維であって、水崩壊性樹脂組成物が、水分を5〜30重量%含んだ澱粉を密閉空間において水分を保持しながら、60〜300MPaの高圧下に、80〜290℃で熱処理した澱粉系高分子と、酢酸ビニルと官能基を含まない不飽和モノマーとの共重合体を部分加水分解した共重合体とからなる組成物であり、前記第1成分が繊維表面の少なくとも一部を長さ方向に連続して存在するように配された水崩壊性複合繊維。
  2. 官能基を含まない不飽和モノマーが、エチレン、プロピレン、イソブチレンまたはスチレンのなかから選ばれた少なくとも1種の官能基を含まない不飽和モノマーであり、部分加水分解した共重合体のケン化度が78〜98%であり、かつ、該部分加水分解した共重合体が水崩壊性複合樹脂組成物に対して30〜70重量%含まれている請求項1に記載の水崩壊性複合繊維。
  3. 捲縮を有する請求項1または2に記載の水崩壊性複合繊維。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水崩壊性複合繊維を用いた不織布。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水崩壊性複合繊維を含む不織繊維集合体について、少なくとも該水崩壊性複合繊維の第1成分を水で湿潤することによって前記繊維同士を接着させることを特徴とする不織布の製法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水崩壊性複合繊維または請求項4に記載の不織布を材料として用いた吸収性物品。
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