JP3740667B2 - コンパスの芯保持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンパスの芯を、該コンパスの脚杆に着脱式に取付けて使用する芯保持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンパスに着脱可能に取付けて使用するシャ−プペンシル形式の芯保持装置が種々知られている。これらの芯保持装置は、基本的にはシャ−プペンシルとほぼ同様の機構が用いられており、回転操作やノック操作により芯を繰り出すよう構成されているが、ノック式の芯保持装置を用いたコンパスでは、使用中に脚杆からの押圧力が芯チャックに直接伝わり、該芯チャックが緩んで芯が没入してしまうという欠点があった。
【0003】
そのような欠点を解消するよう各種の提案がなされている。例えば、コンパスの脚杆に外筒を取付け、該外筒内にチャックや芯タンク等を収納し、脚杆からの押圧力が芯チャックに直接伝達されないようにし、また芯を繰り出す際は上記外筒に形成した溝を通して上記芯タンクに取付けた操作片をノックして芯送りを行うようにしたものが知られている。しかし、そのような構成では操作片を芯タンク等の中心軸に側方から正確に一致して取付けなければ円滑なノック操作を行うことができず、また正しく取付けられていても上記芯タンクを片側から押し下げる構造になっているので、ノックした際に芯タンク及びチャックが直進動しにくく、芯に斜め方向の力が作用して該芯が折れ易くなり、その上、1本の指先で操作片を操作しなければならないから、強い力を必要とし、製作も面倒であり、コンパスの大、小に応じてそれぞれの装置を用意しなければならない等の種々の問題点があった。
【0004】
【発明の解決手段】
本発明は上記のようなコンパスの芯保持装置において、軽いノック操作で芯繰出しができ、その際にチャックが正確に直進動して芯折れを生じないようにし、かつ簡単に製造でき、コンパスの大、小にも容易に対応ができるようにしたコンパスの芯保持装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題解決の手段】
本発明のコンパスの芯保持装置は、コンパスの脚杆に取付けられる後軸と、該後軸に取付けられる外筒と、該外筒内に収納される芯繰出機構部と、該外筒の外周に嵌着されるノックリングで構成され、上記ノックリングを上記外筒の軸方向に移動可能に設けると共に該ノックリングの移動により上記芯繰出機構部のチャックを移動させるよう上記外筒等に形成したスリットを通してノックリングの連結片を上記チャック後部に設けた押圧筒に連結した装置であり、さらに好ましくは、該チャックの移動を軸方向に一層正しく案内するよう上記押圧筒の後部に形成したガイド軸を上記後軸の案内孔に嵌挿したことを特徴とする装置が提供され、これにより上記目的が達成される。
【0006】
【発明の実施の態様】
コンパスに取付けられた後軸に外筒を取付けたことにより、コンパスの脚杆に作用する押圧力は、上記外筒の内部に収納した芯繰出機構部に直接伝わらないので、コンパス使用中に芯が没入することはなく、またノックリングを外筒に沿って軸方向に移動させると、チャックは該ノックリングやガイド軸に案内されて直進動し、芯に無理な力がかからず、安定状態で芯繰出を行うことができる。
【0007】
本発明の一実施例を示す図において、芯保持装置は、公知のようにコンパス(1)の脚杆(2)に設けた締付ねじ(3)により着脱可能に取付けられる後軸(4)を有し、該後軸(4)にはその後端に二叉状の取付片(5)が形成され、中央には芯(6)の挿入孔(7)が形成され、かつ後記するガイド軸(8)を摺動可能に嵌挿するための案内孔(9)が該挿入孔(7)に続いて設けられている。該後軸は、コンパスの大、小に対応して、全長が長いものと、短いものが用意される。
【0008】
上記後軸(4)の先部には、外筒(10)が取付けられている。図においては、後軸(4)に雄ねじを有する差込部(11)を形成し、該差込部(11)を外筒(10)の後端に形成した雌ねじを有する取付部(12)に挿入してねじ着するようにしているが、該差込部と取付部、雄ねじと雌ねじ等をそれぞれ反対側の部材に設けるようにしたり、ねじ着に替えて圧入その他の公知の各種の結合構造を採用したり、適宜の構成にすることができる。上記外筒(10)は、内部に芯繰出機構部(13)を収納し、先端に芯(6)を突出させるパイプ(14)を設けた口金部(15)を一体的に形成してあるが、口金部と筒状体を別体に作ってから連結するようにしてもよい。該口金部(15)内には、公知のように、芯(6)を保持する弾性片(16)と、チャックの締環(17)が当る段部(18)が形成されている。
【0009】
上記芯繰出機構部(13)は、上記案内孔(9)に挿入され芯の挿入孔(7)を有するガイド軸(8)を後部に形成した押圧筒(19)と、内筒(20)の先端に形成した通孔(21)を通して上記押圧筒(19)に基端を固着した締環(17)付のチャック(22)と、上記押圧筒(19)と内筒(20)の先端間に設けたばね(23)を具備している。上記内筒(20)は、上記外筒(10)に内接し、かつその先端が該外筒(10)内に形成した段部(24)に当接した状態で、後端に上記後軸(4)の差込部(11)の先端が当接して外筒(10)内に固定される。
【0010】
上記外筒(10)の外周には、該外周に案内されて軸方向に移動可能するようノックリング(25)が嵌着されている。該ノックリング(25)は短筒状に形成され、その後端には、上記後軸(4)の差込部(11)を挿通する孔(26),(26)を画成するよう上記押圧筒(19)の肩部(27)に係合する連結片(28)を形成してあり、該連結片(28)の中央には上記押圧筒(19)のガイド軸(8)を挿通させる通孔(29)が設けられている。該連結片(28)の幅は、上記後軸(4)の差込部(11)に形成したスリット(30)に挿通する幅である。なお、該スリット(30)は、上記連結片(28)が上記押圧筒(19)の肩部(27)に係合する位置に応じて上記外筒(10)に形成したり、上記後軸(4)から外筒(10)にわたって形成してもよい。
【0011】
上記のようにして構成された後軸(4),ノックリング(25),芯繰出機構部(13)及び外筒(10)は、図2(B)に示すように、外筒(10)の後端から順次組み込み、最後に後軸(4)をノックリングの孔(26),(26)を通して上記外筒(10)の取付部(12)にねじ着することで簡単に組み立てることができる。この状態で、上記チャック(22)はガイド軸(8)及びノックリング(25)によりセンタリングされているので、該ノックリング(25)を指先でつまんで先端方向へ移動させればきわめて安定した状態で直進動し、芯(6)を繰り出すことができる。なお、上記後軸(4)は、コンパスの大、小に応じて対応する長さのものを装着すればよい。
【0012】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成され、外筒内に芯繰出機構部を収納したので、コンパス使用中に芯が没入することがなく、またノックリングによってチャックを移動させるようにしたから、コンパス使用中のどのような状態であっても該ノックリングを2本の指先でつまんで操作することにより軽く動かすことができ、その上チャックは上記ガイド軸やノックリングに案内されて正しく直進動し、芯に無理な力が作用しないので、芯折れ等を生じにくくすることができ、また構造が簡単で組み立ても容易であり、コンパスの大、小に応じて後軸の長さを変えるだけでよく、経済的に作ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】使用状態の正面図。
【図2】コンパスから外した状態を拡大して示し、(A)は断面図,(B)は分解斜視図。
【符号の説明】
4 後軸
6 芯
8 ガイド軸
9 案内孔
10 外筒
13 芯繰出機構部
19 押圧筒
20 内筒
22 チャック
25 ノックリング
28 連結片
30 スリット
Claims (1)
- コンパスの脚杆に取付けられる外筒内に芯繰出機構部を収納し、該芯繰出機構部のチャックの基端に押圧筒を固着し、該押圧筒の後部に肩部とガイド軸を形成し、該ガイド軸を外筒の後部に設けた案内孔内に摺動可能に挿入し、上記外筒の外周に、該外周に案内されて軸方向に移動可能に短筒状のノックリングを嵌着し、該ノックリングに上記外筒に形成したスリットを通して上記押圧筒の肩部に係合する連結片を形成し、該ノックリングにより押圧筒を移動させて芯の繰出を行うようにしたコンパスの芯保持装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP26781495A JP3740667B2 (ja) | 1995-09-21 | 1995-09-21 | コンパスの芯保持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26781495A JP3740667B2 (ja) | 1995-09-21 | 1995-09-21 | コンパスの芯保持装置 |
Publications (2)
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JPH0986093A JPH0986093A (ja) | 1997-03-31 |
JP3740667B2 true JP3740667B2 (ja) | 2006-02-01 |
Family
ID=17449985
Family Applications (1)
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JP26781495A Expired - Fee Related JP3740667B2 (ja) | 1995-09-21 | 1995-09-21 | コンパスの芯保持装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3740667B2 (ja) |
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1995
- 1995-09-21 JP JP26781495A patent/JP3740667B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0986093A (ja) | 1997-03-31 |
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