JP3740502B2 - チャット装置、チャット装置の制御方法、及びプログラム - Google Patents

チャット装置、チャット装置の制御方法、及びプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユーザ間でチャットを行なうためのチャット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットの利用が急速に普及し、それに応じて様々なサービスがインターネット上で提供されるようになってきている。その一つに、ネットワークゲームサービスと呼ばれるものがある。このサービスでは、インターネット上のゲームサーバに各プレイヤのゲーム装置を接続し、ゲームサーバが、そこに接続された各ゲーム装置内で仮想的に構築されるゲーム空間に、各プレイヤの状態を相互に反映させている。
【0003】
また、このようなネットワークゲームでは、それに付随してチャットサービスが提供されることも多い。これは各プレイヤがインターネットを介して相互に文字情報などを送受信して、あたかも会話(チャット)をしているような状態を作り出すサービスである。この場合は、例えばゲームサーバがチャットの内容を中継するチャットサーバとしての動作を兼ねることがある。なお、チャットサービス自体は、ネットワークゲームとは独立して提供されることもある。
【0004】
このようなチャットサービスでは、従来、プレイヤ(チャットを行なうユーザ)側のゲーム装置において、ゲーム画面の一部にテキスト入力欄と、送信ボタンとを備え、プレイヤが、このテキスト入力欄に文字列を入力して、送信ボタンをクリックすると、ゲーム装置がテキスト入力欄に入力された文字列をメッセージとして、チャットサーバ等に対して送信するようになっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のメッセージの送信方法では、交わそうとする会話の内容を一々キーボード等から入力しなければならず、ゲームの最中にこの操作を行なおうとすると、ゲーム自体の操作が疎かになり、ゲームの進行に支障を来すなどの問題があった。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、簡便な操作で十分なバリエーションのメッセージを選択的に送信できるチャット装置、チャット装置の制御方法、及びプログラムを提供することを、その目的の一つとする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、チャット装置であって、ユーザからの出力指示操作を受け付ける手段と、計時開始タイミングを取得する手段と、計時終了タイミングを取得する手段と、前記計時開始タイミングから前記計時終了タイミングまでの間に受け付けられた出力指示操作に基づいてメッセージを選択する選択手段と、前記選択されたメッセージを出力する手段と、を含むことを特徴としている。本発明ではこのように計時開始タイミングから計時終了タイミングまでに行われた出力指示操作に基づきメッセージが選択されるので、簡便な操作で十分なバリエーションのメッセージを選択的に送信できる。
【0008】
またここで、前記選択手段は、少なくとも前記計時開始タイミングから前記計時終了タイミングまでの間、出力指示操作があるごとに、予め設定された複数のメッセージのいずれかのメッセージを逐次仮選択し、前記計時終了タイミングで仮選択されていたメッセージを選択されたメッセージとすることとしてもよい。
【0009】
このように出力指示操作があるごとにメッセージを変化させることで、バリエーションを豊富にできる。さらに、前記選択手段は、逐次仮選択されるメッセージをユーザに提示することとしてもよい。
【0010】
また、前記計時開始タイミング取得手段は、ユーザの出力指示操作が開始されたタイミングを計時開始タイミングとして検出して取得することとしてもよい。このようにすることで、操作がより簡便になる。また、前記計時終了タイミング取得手段は、前記計時開始タイミングから所定の時間だけ後のタイミングを計時終了タイミングとして取得することとしてもよい。このように、時間によって計時終了タイミングを取得することで、操作がより簡便になる。
【0011】
また、ユーザからの計時終了指示を受け付ける計時終了指示受付手段をさらに含み、前記計時終了タイミング取得手段は、当該計時終了指示が受け付けられたタイミングを計時終了タイミングとして取得することとしてもよい。これにより操作性が向上する。
【0012】
また、上記従来例の問題点を解決するための本発明は、チャット装置の制御方法であって、操作手段によりユーザからの出力指示操作を受け付ける出力指示操作受付ステップと、計時開始タイミングを取得する計時開始タイミング取得手段により、計時開始タイミングを取得する計時開始タイミング取得ステップと、計時終了タイミングを取得する計時終了タイミング取得手段により、計時終了タイミングを取得する計時終了タイミング取得ステップと、選択手段により、前記計時開始タイミングから前記計時終了タイミングまでの間に受け付けられた出力指示操作に基づいてメッセージを選択する選択ステップと、メッセージ出力手段により、前記選択されたメッセージを出力する選択メッセージ出力ステップと、を含むことを特徴としている。
【0013】
さらに、本発明に係るプログラムは、ユーザからの出力指示操作を受け付ける出力指示操作受付手順と、計時開始タイミングを取得する計時開始タイミング取得手順と、計時終了タイミングを取得する計時終了タイミング取得手順と、前記計時開始タイミングから前記計時終了タイミングまでの間に受け付けられた出力指示操作に基づいてメッセージを選択する選択手順と、前記選択されたメッセージを出力する選択メッセージ出力手順と、を上記コンピュータに実行させる。
【0014】
このように計時開始タイミングから計時終了タイミングまでに行われた出力指示操作に基づきメッセージが選択されるので、簡便な操作で十分なバリエーションのメッセージを選択的に送信できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。ここではネットワークゲームのシステム内でチャットを実現させる例について説明する。本発明の実施の形態に係るチャットシステムは、図1に示すように、インターネットを介して相互に通信可能に接続されたサーバ装置1と、複数のクライアント側装置2とを含んで構成されている。
【0016】
サーバ装置1は、チャットサーバ部11とゲームサーバ部12とを含んで構成されている。このサーバ装置1は、コンピュータシステムによって実現される。
【0017】
チャットサーバ部11は、チャット参加者となったユーザのリストを管理しており、このリスト上のユーザが使用するクライアント側装置2からメッセージを受信すると、リスト上の他のユーザのクライアント側装置2に対して、そのメッセージを中継して送信する。ゲームサーバ部12は、ゲーム参加者となったプレイヤのリストを管理しており、このリスト上のプレイヤ間で、ゲーム情報を中継する。これらチャットサーバ部11が管理するチャット参加者のユーザのリストと、ゲームサーバ部12が管理するプレイヤのリストとは、共通のリストであっても構わない。
【0018】
クライアント側装置2は、図2に示すように制御部21と、記憶部22と、操作部23と、表示部24と、ネットワークインタフェース(I/F)25とを含んで構成されている。このクライアント側装置2は、一般的なパーソナルコンピュータや家庭用乃至業務用のゲーム機、携帯電話機、PDA(Personal Digital
Assistant)、その他のコンピュータ内蔵機器であってもよい。
【0019】
制御部21は、記憶部22に格納されているプログラムに従って動作し、ゲームの処理と、チャットの処理とを行っている。これらの処理の具体的内容については後に詳しく述べる。記憶部22は、制御部21によって実行されるプログラムを格納するとともに、制御部21のワークメモリとしても動作する。この記憶部22は、具体的にはRAM(Random Access Memory)や、ROM(Read Only Memory)等の半導体記憶装置、並びにハードディスク、CD−ROM、DVD(商標)−ROMといった電磁気的・光学的に情報を保持するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、それらに保持された情報を読み出し、又はそれらに情報を書き込むためのデバイス等を含む。
【0020】
操作部23は、キーボードやマウス、ゲームコントローラ等であり、ユーザの操作を受け付けて、その内容を制御部21に出力する。表示部24は、例えばディスプレイや、家庭用のテレビ受像器などである。ネットワークI/F25は、モデムやWAN(Wide Area Network)デバイス等であり、インターネットを介して制御部21から入力される情報を送信し、また、インターネットを介して到来する情報を受信して制御部21に出力している。
【0021】
また、本実施の形態のクライアント側装置2は、機能的には、図3に示すように、ゲーム処理部31と、チャット処理部32と、通信制御部33とを含んで構成され、チャット処理部32はさらに、計時開始タイミング取得部35と、計時終了タイミング取得部36と、計時終了指示部37と、選択部38と、出力部39と、受信部40と、表示制御部41と、操作受付部42と、タイマ部43とを含む。これらの各部は、いずれも記憶部22に格納され、制御部21によって実行されるプログラムとして実装でき、このプログラムを実行する制御部21によって具現化される。
【0022】
ゲーム処理部31は、ゲームに関連するゲーム情報を管理しており、プレイヤとしてのユーザの操作内容に応じてゲーム情報を更新し、また、少なくとも一部を通信制御部33に出力し、インターネットを介してサーバ装置1のゲームサーバ12に送信する。さらにこのゲーム処理部31は、サーバ装置1のゲームサーバ12から受信した、他のプレイヤのゲーム情報の少なくとも一部の入力を通信制御部33から受けて、管理しているゲーム情報を更新する。ゲーム処理部31は、さらにゲーム情報に基づくゲーム画面を生成し、表示部24に出力する処理を行っている。これにより、ゲーム処理部31は、ネットワークゲームを実現している。
【0023】
チャット処理部32は、ユーザの操作に基づいて文字列などの出力データを生成して、通信制御部33に出力し、通信制御部33がインターネットを介してチャットサーバ11に送信する。また、このチャット処理部32は、チャットサーバ11からインターネットを介して受信された、他の利用者からの出力データの入力を通信制御部33から受け、これをゲーム画面に合成して表示部24に出力する。
【0024】
通信制御部33は、ゲーム処理部31から入力される情報を、インターネットを介してサーバ装置1のゲームサーバ12に対して送信するとともに、ゲームサーバ12からインターネットを介して到来するゲーム情報を受信して、ゲーム処理部31に出力する。また、この通信制御部33は、チャット処理部32が出力した出力データを、インターネットを介してサーバ装置1のチャットサーバ11に対して送信するとともに、チャットサーバ11からインターネットを介して到来するデータを受信して、チャット処理部32に出力する。
【0025】
本実施の形態のクライアント側装置2は、所定の時間の間に受け付けられた出力指示操作に基づいてメッセージを選択して出力するものである。計時開始タイミング取得部35は、この所定の時間の開始時点を計時開始タイミングとして取得する。計時開始タイミング取得部35は、例えば操作受付部42を介してユーザからメッセージを選択するための指示操作(出力指示操作)の入力を、(前回、上記所定の時間が経過した後に)初めて受けたタイミングを計時開始タイミングとして検出して、選択部38に計時開始タイミングを報知するとともに、タイマ部43にタイマをスタートするよう指示する。
【0026】
計時終了タイミング取得部36は、出力指示操作を受け付ける所定の時間の計時終了のタイミングを取得する。具体的に、この計時終了タイミング取得部36は、計時開始のタイミングから予め定められた時間が経過したか否かを監視するもので、例えばタイマ部43がタイムアップしたか否かを監視し、タイムアップした時点を計時終了タイミングとして検出して、選択部38に計時終了タイミングを報知する。また、この計時終了タイミング取得部36は、計時終了指示部37から計時を終了するべき旨の指示の入力を受けると、その時点を計時終了タイミングとして検出して、選択部38に計時終了タイミングを報知する。この際、タイマ部43にタイマを停止するよう指示を出力してもよい。
【0027】
計時終了指示部37は、操作受付部42を介して操作部23から入力される指示操作の内容を監視し、計時を終了してメッセージを直ちに出力するべき旨の指示を受け付けると、計時終了タイミング取得部36に計時を終了するべき旨の指示を出力する。
【0028】
選択部38は、計時開始タイミング取得部35及び計時終了タイミング取得部36からの報知に基づいて、その報知に係る計時開始タイミングを始期とし、計時終了タイミングを終期とする受付時間を判断し、その間に受け付けられた出力指示操作に基づいてメッセージを選択する。この選択部38の具体的内容については、後に詳しく述べる。出力部39は、選択部38にて選択されたメッセージを通信制御部33に出力する。
【0029】
受信部40は、サーバ装置1のチャットサーバ11からメッセージを受信すると、表示制御部41に出力する。表示制御部41は、受信部40にて受信されたメッセージを表示部24に表示する。この表示制御部41は、表示部24にゲーム画面が表示されているときには、そのゲーム画面にメッセージの表示内容を合成して表示する。操作受付部42は、操作部23を含み、操作部23から入力されるユーザの指示操作の内容を各部に伝達する。タイマ部43は、計時開始タイミング取得部35から入力される指示に従って図示しないタイマを起動し、このタイマが予め定められた時間を計時し終わると、タイマがタイムアップした旨の信号を計時終了タイミング取得部36に出力する。
【0030】
ここで選択部38の内容について例を挙げて具体的に説明する。選択部38は、図4(a)に示すように、選択されるメッセージの候補を複数格納したテーブルを保持している。選択部38は、計時開始タイミング取得部35から計時開始タイミングの報知を受けると、記憶部22にポインタを記憶させて初期化する。そして選択部38は、図4(a)に示したテーブルからメッセージの候補のうちの一つをポインタに基づいて読み出して仮選択し、表示部24に当該仮選択したメッセージの候補を出力する。
【0031】
この候補の出力は、例えば図5(a)に示すように画面上に表示されるボタンを用い、そのボタン上に表された文字列として仮選択したメッセージを表示することができる。このようにすると、ボタン上の文字列としてメッセージがユーザに提示されることとなる。
【0032】
選択部38は、計時終了タイミング取得部36から計時終了タイミングの報知を受けるまでの間、操作受付部42を介してユーザから出力指示操作があったか否かを調べ、出力指示操作があるごとに、ポインタをインクリメントして、図4(a)に示したメッセージ候補の一つをポインタに基づいて読み出して仮選択し、表示部24に当該仮選択したメッセージの候補を出力する。
【0033】
また選択部38は、当初、複数のメッセージ候補を一斉に表示部24に提示していてもよい。具体的には選択部38は、図4(b)に示すように、それぞれが複数のメッセージの候補を含んでなる複数のメッセージ系列MA1,MA2,…MAnを記憶部12に保持する。
【0034】
図5(a)に示したようにボタンによって仮選択したメッセージを表示する場合、マウス操作やゲームコントローラのボタン操作によってクリックするか、若しくはキーボード上の所定キー(例えばファンクションキー)の押下することが出力指示操作に相当する。つまり、このボタンは例えばクリックされるごとに、図5(b)に示すように、仮選択したメッセージを逐次表示する。また、単なるクリックではなく、連続的なクリック操作(ダブルクリック、トリプルクリックといった所定短時間内に複数回連続的にクリックする操作)や、キーボードのキーを連続的にタイプするといったように、いわゆる「連打」の操作を出力指示操作とし、このような操作があるごとにメッセージが逐次仮選択されるようになってもよい。
【0035】
この「連打」の場合は、全体として図6に示すような処理が行われる。計時開始タイミング取得部35が最初の操作(クリックやキーの押下等、ここではクリックの場合を例として説明する)が行われるのを待機し(S1)、クリック操作が行われると、タイマに計時を開始させ(S2)、選択部38に計時開始タイミングを報知する。
【0036】
選択部38は、計時開始タイミングの報知を受けて、ポインタをリセットし(S3)、クリック時間内でのいままでのクリック回数を取得する(S4)。そして当該取得したクリック回数が予め定められた第1の回数(N1)を超えたか否かを調べ(S5)、超えていれば(Yesならば)、ポインタをインクリメントする(S6)。また、処理S5において超えていなければ(Noならば)、処理S6をとばして処理を続ける。ここで処理S4は、クリックカウンタを設定してクリックがあるごとにインクリメントを行なうことで実現できる。
【0037】
さらに選択部38は、予め定められた第2〜第nの回数(N2〜Nn)についても、処理S5〜S6と同じ処理を繰り返す(S7)。選択部38は、その後、ポインタが示しているメッセージ候補の一つを仮選択する(S8)。
【0038】
そして選択部38は、計時終了タイミング取得部36から計時終了タイミングの報知を受けたか否かを調べ(S9)、報知を受けていなければ(Noならば)、処理S3に戻って処理を続ける。また処理S9において報知を受けていれば(Yesならば)、その時点で仮選択されているメッセージを選択(実選択)し、その選択したメッセージを出力して(S10)、処理を終了する。
【0039】
計時終了タイミング取得部36は、タイマがクリック時間を計時し終えたか、あるいは、計時を終了してメッセージを直ちに出力するべき旨の指示を計時終了指示部37が受け付けた場合に、計時終了タイミングを報知するので、最初のクリックの操作からクリック時間経過後、又は計時終了の操作時に仮選択されていたメッセージが出力される。
【0040】
これによると、例えばメッセージ候補の仮選択の順序を「くやしい」→「うーん、くやしい」→「くやしいー!!」のように、強調を段階的に強めた文言順としておき、連打回数に応じて強調の度合いが強まるという、ユーザの感覚に合致した自然な選択が可能となる。また、ここで第1の回数、第2の回数…は、それぞれ「2」、「4」、「8」…などとしておくことができる。このように回数を設定しておく場合、2回と3回の連打では同じメッセージが仮選択される。つまり、3回目のクリックでは、2回目での内容を維持した仮選択が行われる。
【0041】
選択部38はまた、計時終了タイミング取得部36から計時終了タイミングの報知を受けると、その時点で仮選択されているメッセージを実際に選択(実選択)する。
【0042】
この選択部38において、ポインタに基づく読み出しとは、例えば次のようなものである。図4(a)に示したテーブル上のメッセージの候補M1,M2,…Mnについて、ポインタの値がiである場合、メッセージ候補Miを読み出し、iがnを超えているときにはメッセージ候補Mnを読み出す。また、ポインタの値がiであるときに、これをnで除した余りjを演算して、メッセージ候補Mjを読み出すこととしてもよい。なお、ポインタを初期化するときにはポインタを1とする。これにより、出力指示操作の入力があるごとに、メッセージの候補が逐次仮選択される。
【0043】
また図4(b)に示したように、複数のメッセージ系列MA1,MA2,…MAnが記憶部12に保持されている場合は、選択部38は、各メッセージ系列のそれぞれから、予め定められたメッセージを一つずつ読み出して表示部24に出力する。この場合の出力も、図7に示すようにそれぞれのメッセージ系列に対応するボタンを表示することによって行なうことができる。そして、計時開始タイミング取得部35から計時開始タイミングの報知を受けると、記憶部12にポインタを記憶させて初期化する。
【0044】
選択部38は、いずれかのボタンがクリックされるか、いずれかのボタンに関連づけられたキーが押下されると、当該操作の対象となったボタンを出力指示対象とし、他のボタンを操作不能な状態(出力指示を受け付けない状態)に設定する。そして選択部38は、以後出力指示操作が行われるごとに、ポインタをインクリメントし、出力指示対象となったボタンに対応するメッセージ系列から、ポインタに基づいてメッセージを一つ読み出して仮選択し、当該仮選択したメッセージを表示部24に出力する。すなわち、出力指示対象となったボタンに示される文字列を、当該仮選択したメッセージの文字列に設定する。
【0045】
そして計時終了タイミングが報知されると、その時点で仮選択されているメッセージを選択(実選択)する。なお、ここでは、いずれかのボタンを出力指示対象として設定するために、出力指示対象でないボタンを操作不能な状態にするとの例を述べたが、各メッセージ系列に対応する複数のポインタを用い、最後に出力操作の対象となったボタンで仮選択されているメッセージを選択(実選択)することとしてもよい。この場合は、どのボタンも操作不能な状態にする必要はない。
【0046】
次に、本実施の形態のチャット装置の動作について説明する。本実施の形態のチャット装置は、クライアント側装置2として実現されている。クライアント側装置2の表示部24には、図7に示すように、ネットワークゲームの画面上にチャットサービスのための画面(D)が合成して表示されている。この画面では予め、複数のメッセージ系列のそれぞれに対応するボタンからなるボタン群(BG)と、「発言」と示されたボタン(E)とが表示されており、ボタン群(BG)は、それぞれ対応するメッセージ系列のうちの既定のメッセージが表示されている。具体的に図7では各ボタンに「こんにちは」や、「ありがとう」といったメッセージが表示されている状態を示している。
【0047】
ゲーム中にチャットをしようとするユーザは、このボタン群のうち、所望のメッセージ(例えば「最高にうれしいよ」)が含まれたメッセージ系列に対応するボタン(例えば「ありがとう」と示されているボタン)をクリックする。このボタンのクリックが出力指示操作として、計時開始タイミング取得部35によって検出され、タイマ部43のタイマが計時を開始する。また選択部38の動作によって、クリックされたボタンが出力指示対象となり、それ以外のボタンが操作不能な状態に設定される。
【0048】
ユーザが出力指示対象となったボタンをクリックするごとに、選択部38の動作により、「ありがとう」→「どうもありがとう」→「うれしいよ」→…というように図4(b)に示したようなメッセージ系列に従って逐次仮選択されてボタン上に示される。ユーザは仮選択されたメッセージが所望の「最高にうれしいよ」となったときに、クリックをやめる。
【0049】
やがてタイマ部43のタイマがタイムアップすると、計時終了タイミング取得部36がこれを検出し、選択部38に報知する。すると、選択部38がその時点で仮選択されている「最高にうれしいよ」のメッセージを選択(実選択)し、出力部39がこの選択された「最高にうれしいよ」のメッセージを通信制御部33に出力する。通信制御部33は、このメッセージをインターネットを介してサーバ装置1のチャットサーバ11に送信する。チャットサーバ11は、当該メッセージを受信し、チャット参加者となっているユーザのリストを参照して、他のチャット参加者に対して当該受信したメッセージを送信する。
【0050】
なお、図7の例のように、タイマ部43のタイマがあとどの程度の時間でタイムアップするかを表すゲージ(G)を表示するのも好ましい。このゲージにより、ユーザはあとどの程度の時間内に所望のメッセージを呼び出さなければならないかが把握できる。さらに、ユーザは所望のメッセージが仮選択されたときに、計時終了タイミングを待たずに、「発言」ボタン(E)をクリックして、その場で仮選択されているメッセージを送信させてしまうこともできる。またここには示していないが、発言をキャンセルして初期状態に戻るボタンを配置し、誤って操作してしまったときに対処できるようにするのも好ましい。
【0051】
本実施の形態のチャット装置は、また、チャットサーバ11からメッセージが到来すると、受信部40がこのメッセージを受信して、表示制御部41に出力し、表示制御部41が当該受信されたメッセージを表示部24に表示する。
【0052】
さらにクライアント側装置2のゲーム処理部31は、以上の処理と平行してプレイヤとしてのユーザの操作を受けてゲーム情報を更新し、その更新したゲーム情報をサーバ装置1のゲームサーバ12に対して送信するとともに、ゲームサーバ12を介して受信した、他のプレイヤの操作が反映されたゲーム情報を受信して、管理しているゲーム情報を更新している。
【0053】
このように本実施の形態によると、ボタン数が少なくとも選択できるバリエーション数が多くなり、ボタンを探索したりといった手間もなく、簡便な操作により、バリエーションに富むメッセージを選択的に送信できる。
【0054】
なお、本発明のチャット装置は、上記の例に限られるものではない。例えば、ゲームと平行してではなく、単にチャットのみを楽しむためのチャット装置であってもよく、この場合も本発明は簡便な操作によりながら、バリエーションに富むメッセージの選択的送信を可能とする。このとき、ゲームサーバ12やゲーム処理部31は、必ずしも必要ではない。
【0055】
また、ここではサーバ装置1が各クライアント側装置2間のメッセージを中継しているが、各クライアント側装置2が直接的に、相互に通信を行なうような、いわゆるピア・ツー・ピアの形態であっても構わない。
【0056】
また上述の例ではボタンを用いて仮選択の内容を示したが、メニューや、その他のグラフィカルユーザインタフェース部品や単なる文字列表示であってもよい。さらに、仮選択のための出力指示操作はクリックや、キーボードのキー操作等、種々の方法があることは既に説明した通りである。
【0057】
計時開始タイミングや、計時終了タイミングについても多くの取得方法がある。例えば、上述のようにユーザの所定の操作開始を計時開始タイミングとし、それから一定の時間が経過した時点を計時終了タイミングとしてもよいが、別の例では最後に出力指示操作を行った時点を計時開始タイミングとし、それから一定の時間が経過したときを計時終了タイミングとしてもよい。また、ユーザの操作とは関わりなく、外部から所定の信号(例えば「チャットタイム」となったことを報知する信号)を受信した時点を計時開始タイミングとし、これから一定の時間が経過した時点や、別途外部から受信される所定の信号(「チャットタイム終了」を報知する信号など)を受信した時点を計時終了タイミングとする等が考えられる。
【0058】
さらに、図4(a),(b)に示したテーブルは、ユーザが所望のものに書き換え可能としておくこととしてもよい。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、簡便な操作によりバリエーションの豊富なメッセージを送信できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るチャット装置を含むネットワークシステムを表す構成ブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係るチャット装置を具現化するためのクライアント側装置の一例を表す構成ブロック図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係るチャット装置の一例を表す機能ブロック図である。
【図4】 メッセージ候補の設定状態の一例を表す説明図である。
【図5】 仮選択されるメッセージを提示するボタンの一例を表す説明図である。
【図6】 全体的な処理の流れを表すフローチャート図である。
【図7】 本発明の実施の形態に係るチャット装置が表示する画面の例を表す説明図である。
【符号の説明】
1 サーバ装置、2 クライアント側装置、11 チャットサーバ、12 ゲームサーバ、21 制御部、22 記憶部、23 操作部、24 表示部、25ネットワークI/F、31 ゲーム処理部、32 チャット処理部、33 通信制御部、35 計時開始タイミング取得部、36 計時終了タイミング取得部、37 計時終了指示部、38 選択部、39 出力部、40 受信部、41 表示制御部、42 操作受付部、43 タイマ部。

Claims (3)

  1. ユーザからの所定操作を受け付ける操作受付手段と、
    ユーザの前記所定操作が開始されたタイミングを計時開始タイミングとして取得する計時開始タイミング取得手段と、
    前記計時開始タイミングから所定の時間だけ後のタイミングを計時終了タイミングとして取得する計時終了タイミング取得手段と、
    予め設定されたメッセージ系列を記憶する手段と、
    少なくとも前記計時開始タイミングから前記計時終了タイミングまでの間、前記所定操作の回数を計数し、該回数が予め複数定められた回数を超えるか否かを調べ、前記予め複数定められた回数を超えるごとにポインタを増加させ、前記メッセージ系列のうち該ポインタに対応する1つを逐次仮選択するとともに、逐次仮選択されるメッセージをユーザに提示し、前記計時終了タイミングで仮選択されていたメッセージを選択されたメッセージとする選択手段と、
    前記選択されたメッセージを出力する選択メッセージ出力手段と、
    を含むことを特徴とするチャット装置。
  2. 操作手段によりユーザからの所定操作を受け付ける操作受付ステップと、
    計時開始タイミングを取得する計時開始タイミング取得手段により、ユーザの前記所定操作が開始されたタイミングを計時開始タイミングとして取得する計時開始タイミング取得ステップと、
    計時終了タイミングを取得する計時終了タイミング取得手段により、前記計時開始タイミングから所定の時間だけ後のタイミングを計時終了タイミングとして取得する計時終了タイミング取得ステップと、
    選択手段により、少なくとも前記計時開始タイミングから前記計時終了タイミングまでの間、前記所定操作の回数を計数し、該回数が予め複数定められた回数を超えるか否かを調べ、前記予め複数定められた回数を超えるごとにポインタを増加させ、記憶手段に記憶されたメッセージ系列のうち該ポインタに対応する1つを逐次仮選択するとともに、逐次仮選択されるメッセージをユーザに提示し、前記計時終了タイミングで仮選択されていたメッセージを選択されたメッセージとする選択ステップと、
    メッセージ出力手段により、前記選択されたメッセージを出力する選択メッセージ出力ステップと、
    を含むことを特徴とするチャット装置の制御方法。
  3. コンピュータに、
    ユーザからの所定操作を受け付ける操作受付手順と、
    ユーザの前記所定操作が開始されたタイミングを計時開始タイミングとして取得する計時開始タイミング取得手順と、
    前記計時開始タイミングから所定の時間だけ後のタイミングを計時終了タイミングとして取得する計時終了タイミング取得手順と、
    少なくとも前記計時開始タイミングから前記計時終了タイミングまでの間、前記所定操作の回数を計数し、該回数が予め複数定められた回数を超えるか否かを調べ、前記予め複数定められた回数を超えるごとにポインタを増加させ、記憶手段に記憶されたメッセージ系列のうち該ポインタに対応する1つを逐次仮選択するとともに、逐次仮選択されるメッセージをユーザに提示し、前記計時終了タイミングで仮選択されていたメッセージを選択されたメッセージとする選択手順と、
    前記選択されたメッセージを出力する選択メッセージ出力手順と、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
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