JP3740494B2 - 回転刈刃用研磨機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は刈払機に使用される円板形の回転刈刃の刃先の研磨を行なう回転刈刃用研磨機に関し、詳しくは回転刈刃の刃先のすくい角の研磨と逃げ角の研磨に対応するグラインダーの取付位置の変更が簡単にしかも確(しっか)りと行なえ、回転刈刃以外の刃物の研磨にも対応させた回転刈刃用研磨機に関する。
【0002】
【従来の技術】
刈払機は、エンジン又はモーターの駆動力により回転刈刃を回転させて小雑木及び雑草の刈払い作業を行なう作業機である。この回転刈刃は略円板形状を有しその周縁に鋸状の刃或いは大きく切り込んだ刃を多数形成した金属製の刈刃で、その刃先は使用を重ねるに従って鈍くなったり欠けたりする。このような状態で刈り払い作業を続けても切れ味が悪く、刈払機の故障の原因にもなる。このため定期的に刃先を研磨する必要がある。
【0003】
この研磨をする機械が回転刈刃用研磨機(以下、研磨機と略称する)であり、この種の研磨機は従来より各種のものが公知となっており、このうち回転刈刃の1種であるチップソーを研磨するものとして図15に示す研磨機がある。
この研磨機は、基台50上に回転刈刃3を所定の高さで水平に支持する載置台51を装着し、この載置台51の上端において、回転刈刃3の中央面の開孔3aに挿通させて該刃3を前記載置台51上に固定するつまみ付きボルト52を螺装し、この載置台51の下部に回転刈刃3をピッチ送りするハンドル53の先端部を枢着して該ハンドル53の他端部を側方に長く突出させてあり、前記載置台51から離れた基台50上の右側に、先端部に回転研磨ホイール57を横向きにして装着したグラインダーM1をホルダー54で抱くようにして装着し、さらに基台50上の左側に、回転刈刃3の刃間に先端部を突入させて回転刈刃3を1刃ずつピッチ送りする際の正確な位置決めと停止を行なう位置決めストッパー55を保持させたボルト56を装着させて構成したものである。
【0004】
ところで、チップソーの研磨には、すくい角の研磨と逃げ角の研磨という2通りの研磨があり、これらの研磨に対応させるためにはグラインダーM1の装着位置と向きを変える必要がある。前記研磨機は、これをグラインダーM1を保持しているホルダー54の装着位置や向きを変えることによって行なっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図15に示す研磨機は次に述べる不具合を有していた。
【0006】
その1つは、回転刈刃のすくい角の研磨から逃げ角の研磨に変更する際、ホルダー54を基台50に装着しているネジを緩めたり外すなどして、ホルダー54を大きく移動させて、再びこのネジの締結してホルダー54を固定させるという、手間の要する操作が必要で、しかも研磨面と刃先の位置合わせの微調節が難しかった。
【0007】
また、このようにホルダー54をネジ止めして基台50上に装着する構造であると、ネジを強固に締結しなければ研磨作業中にホルダー54の取付位置に僅かではあるがズレが生じ易くなり、このようになると各刃先を均等に研磨出来なくなる恐れもあった。また、グラインダーM1がホルダー54で抱かれた状態で装着されているために、長期間の使用によりその装着に緩みが生じて、研磨作業中にグラインダーM1がブレたり、研磨面が傾くなどの不具合も生じ易かった。
【0008】
そこで本発明者は従来技術の研磨機が有していたこのような不具合を無くす新規な研磨機の開発を着手するに至った。そして、鋭意・検討を重ねてきた結果、遂に本発明に係る回転刈刃用研磨機の発明を完成し、試作品を完成するまでに至った。
【0009】
このような経緯を経て完成した本発明は、回転刈刃の刃先の逃げ角の研磨とすくい角の研磨という2種の研磨に対応したグラインダーの取付位置の変更がねじ等の締結無しでも簡単にしかも確(しっか)りと行なえ、とくにグラインダーの装着安定性が極めて優れ、さらに研磨面を刃先に添える位置合わせの調整が正確且つ簡単に行なえるために各刃先を均等に研磨することができ、しかも回転刈刃の研磨だけでなくグラインダーの向きを変えて包丁、鎌、枝切り鋏などの刃物の研磨にも対応できる、極めて優れた回転刈刃用研磨機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上の目的を達成するために提案される本発明に係る回転刈刃用研磨機は、回転刈刃を所定の高さの水平位置で載置させる載置台と、該回転刈刃を上からの付勢力を与えながら水平回転自在に保持すべく前記載置台に備えた押圧部材と、研磨ホイールを装着したグラインダーとをそれぞれ基台上に備え、回転刈刃を1刃送りするピッチ送りハンドルを備えて構成した回転刈刃用研磨機であって、
前記回転刈刃の刃先のすくい角の研磨と逃げ角の研磨に対応する前記基台上におけるグラインダーの2箇所の装着箇所に各1個ずつグラインダーの支持ピンを備えるとともに、該グラインダー側にこの支持ピンに対応する被支持部材を設けて、研磨の内容に応じて選択した2本の支持ピンのうちの一方の上方からグラインダー側の被支持部材を軸装させて、グラインダーを基台上にねじ等の締結無しで自在に装着できるように構成したことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る回転刈刃用研磨機は、載置台に水平回転自在に載置した回転刈刃を、ピッチ送りハンドルを操作して、各刃先を1刃ずつピッチ送りしながら、磨耗して鈍くなった各刃先をグラインダーで研磨する機械である。
【0012】
この研磨は、回転刈刃の1種であるチップソーの場合、刃先のすくい角の研磨と逃げ角の研磨という2方向からの研磨があり、これら2種の研磨はグラインダー先端の研磨面の向きを大きく変えて行なう必要があるため、例えば各刃先のすくい角の研磨を順次行なった後、グラインダーの取付位置とその向きを変え、その後で逃げ角の研磨を順次行なうというように同種の研磨を連続して行なう方法が採られる。
【0013】
このような基本構成において、本発明に係る回転刈刃用研磨機(以下、研磨機と略称する)の最大の特徴は、回転刈刃の刃先のすくい角の研磨と逃げ角の研磨という2種の研磨に対応させるためのグラインダーの取付位置の変更が、グラインダーを基台上の一方の対応箇所から他方の対応箇所に挿し換えるだけの極めて簡単な操作で行なえる点にある。
【0014】
この具体的な方策として、本発明においては、基台上の2箇所にグラインダーを支持する同形状の支持ピンを各1本立設し、グラインダーの側壁にこの支持ピンに対応した被支持部を備えて構成した。これら支持ピンと被支持部とは、縦軸方向に軸支する関係にある、いわば一対のものである。
【0015】
この支持ピンと被支持部材との関係は、基台側に備えた2本の支持ピンのうちの何れか1本にグラインダー側の被支持部を軸支することによって基台上にグラインダーを支持するものであれば足りる。このため、被支持部材は支持ピンの外周形状に合わせた大きさの開孔(上端を閉じた開口であっても構わない)を有する短尺形状の筒体又は金属製の小ブロックで形成されており、この被支持部材が横向けたグラインダーのケース部分の側壁の下部近傍箇所に固着されている。
【0016】
本発明においてはこのような構造の中でも、2本の支持ピンをそれぞれ上方に向かうに従って僅かながら小径になる円周面を有するテーパーピンにて形成し、グラインダーのケース部分の側壁にこのテーパーピンの大きさに合わせたテーパー状の開孔(上端を閉鎖した開口であっても構わない)を有する金属ブロック又は短筒形状の被支持部材を装着したものを最適とする。
【0017】
このようにすると、支持ピンの上方からグラインダー側の被支持部材を嵌め入れるだけで簡単に装着でき、しかも双方のテーパー面が面着するためにグラインダーを確(しっか)りと装着させることができるのである。しかもこのように装着すると、基台上に装着したグラインダーの装着位置の変更が、グラインダーをテーパーピン(支持ピン)から抜き外すようにして持ち上げて、他方のテーパーピン(支持ピン)に挿し替えるという極めて簡単な操作で行なえるのである。
【0018】
尚、グラインダー側に1本の支持ピン(テーパーピンを含む)を形成し、基台上の2箇所にこの支持ピンに対応した大きさの開孔(底を閉じた開口であっても構わない)を有する短尺筒体又は金属小ブロックを2箇所に形成して、支持ピンを上から挿し入れてグラインダーを支持する方法を採用してもよい。
【0019】
上述において、被支持部材をグラインダーのケース部分の側壁に装着したものを挙げたが、本発明においては被支持部は少なくともグラインダーのケース部分と一体化されているものであれば足り、グラインダーのケース部分と一体形成したものも本発明に含まれるものとする。
【0020】
このようにグラインダーを1本のピンで支持すると、グラインダーを支持ピンを支点にして水平方向に回動させることができる。このため、研磨作業中において回転刈刃の刃先を順送りするときに、グラインダーの向きを少し変えて研磨ホイールの先端縁が刃先に当たらないようにすることができるのである。
【0021】
尚、この向きの変える操作が円滑に行なえるように、グラインダーを基台上面よりも多少浮かせてピン支持させるようにした。
【0022】
ところで、各刃先の研磨に移る度に、回転刈刃の刃先に研磨面が当たるのを防ぐためにグラインダーの向きを変えると、その都度、グラインダーを元の研磨位置に戻す必要がある。しかも元の正確な位置に戻さないと、各刃先が均等に研磨されない。このようになると、回転刈刃の刈取り効率は極端に低下する。
【0023】
これに対処するため本発明においては、基台上にグラインダーのケース部分に当接する刃研ストッパーを備えて、グラインダーの研磨面の先端を常に同じ所に位置させるようにした。
【0024】
尚、グラインダーの装着箇所が前述したようにすくい角と逃げ角に対応した2箇所あることから、この刃研ストッパーも基台の対応箇所に各1個ずつ備えた。
【0025】
本発明においてはこの刃研ストッパーはグラインダーに当接してグラインダーを最適な研磨の位置を確保するもので足り、その形状等はとくに限定はしない。しかしながら本発明者は最も望ましいものとして、基台上にL形状の金属板を装着し、この金属板の立設部分につまみ付ねじを螺装して、つまみ付ねじの先端部分がグラインダーに当接させるようにしたものを挙げた。このように刃研ストッパーをつまみ付ねじで構成すると、その進退調節も自在であり、しかも微調節が行なえる利点がある。
【0026】
上述したように本発明に係る研磨機は回転刈刃のすくい角と逃げ角という2種の研磨が行なえる。勿論これでも充分であるが、本発明者においては、更に研磨機の機能を生かすために、回転刈刃以外の刃物、例えば包丁、鎌、枝切り鋏などの刃物の研磨も行なえるように構成した。
【0027】
具体的には、グラインダーを回転刈刃のすくい角又は逃げ角を行なう位置から抜き外して、研磨面を上方に向けた姿勢で基台上に載置した状態で装着できるようにした。
【0028】
そして、このように上向きにした研磨面の僅かながら上方位置に、包丁、鎌、枝切り鋏などの刃物の研磨作業が楽にしかも安全に行なえるように、これら刃物の手前部分を添え当てて支持する刃物研ぎ台を備えることができるように構成した。この刃物研ぎ台はグラインダーの両側に装着する折曲部を有し研磨ホイールの上面の僅かながら上方に沿って任意角に傾斜して位置する長板形状のものが使い易いが、研磨ホイールの周縁近傍に位置するものであっても構わない。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の目的及び構成は以上の通りであり、続いて本発明に係る回転刈刃用研磨機の具体的な構成を添付図面に示した実施例に沿って詳述する。尚、本発明においては、回転刈刃の1種であるチップソーを研磨するものを例に挙げた。
【0030】
図1乃至図3において本発明の第1実施例による回転刈刃用研磨機(以下、研磨機と略称する)1Aを示しており、この研磨機1Aの下部は、平面視28cm×21cm程度の広さを有し、その周縁部を下方に1〜数cm程度の高さに折曲させた金属板からなる基台2が構成されており、この基台2の両端の前後箇所には両端縁を外方に突出させた取付座2c・・・が形成されている。
【0031】
この基台2の上面における右後方の隅部近傍箇所から基台2の中央近傍箇所に至る箇所に、幅広い水平天板と左右側板を有する65cm程度の高さを有する金属板で形成した載置台4がボルト7a・・とナット7b・・を用いて装着されている。
【0032】
図1乃至図4に示すように、載置台4上面に於いて基台2中央に向けた対角線方向には長孔4bが形成されており、該長孔4bに沿う載置台4上面には、平面視において四方に切欠部が形成された逆鍋状のばね体5と回転刈刃3の中央に形成されている開口3aが嵌まる大きさの径を有する短軸形状を有する支持軸6とが、つまみ付ねじ7と雌ねじ部材61とによって装着されている。
【0033】
この載置台4下面における前記長孔4bの手前側の箇所には、前記回転刈刃3を各刃先を1つずつピッチ送りするピッチ送りハンドル8の一端がボルト14aとナット14bを用いて枢着されており、該ハンドル8の他端は手前方向に大きく突出させてある。また該ハンドル8の途中部分の上部には、先端部9aを前記回転刈刃3の谷3c・・に突入させた係止部材9がねじ11を介して枢着されており、この先端部9aは前記ハンドル8に装着してあるばね10により前記谷3cに当接する方向に付勢されている。このため、基台2上に載置した回転刈刃3は安定した水平姿勢が維持される。この状態において前記ハンドル8を片手で持って矢(イ)から矢(ロ)方向に操作して、回転刈刃3を右回転方向(時計回り方向)にピッチ送りさせることが可能である。
【0034】
研磨対象物である回転刈刃3の周囲には、刃先3b・・と谷3cが交互に並んで多数形成されており、各刃先3b・・の先端にはすくい角と逃げ角という2方向の研磨角を有しており、本実施例に係る研磨機1Aは磨耗したこの2方向の研磨角をグラインダーMで研磨する機械である。
【0035】
このグラインダーMは、外観視、長方体形状を有するケース部分25の長手方向の先端に、両面に研磨面26a,26bが形成された研磨ホイール26を装着し、該研磨ホイール26の背面側からその周縁の一部に沿った箇所に金属板製の保護カバー28を装着したものが用いられている。尚、前記研磨ホイール26は、その両面に研磨面を有するものが用いられている。
【0036】
図1,図2及び図5に示すように、このグラインダーMを基台2上に装着する部材が2本のテーパーピン17,18である。各2本のテーパーピン17,18は、逃げ角とすくい角の研磨に対応した基台2上面の前端近傍の左寄り箇所と左端近傍の中央箇所の2箇所に上方に向けて突出させた状態で固定されている。各2本のテーパーピン17,18はいずれも、下方から上方に向けて次第に僅かながら小径に形成された円滑な円周面を有する金属製のものが用いられている。
【0037】
前記グラインダーMを横向きにした状態において、その一方の側壁における長手方向の略中央箇所の下端近傍箇所に、前記テーパーピン17(18)の外周形状に合わせた大きさを有するテーパー状の開孔27aを上下方向に向けて形成した金属製の被支持部材27が装着されている。このため、この被支持部材27を前記テーパーピン17,18のうちのいずれか一方を選択してその上方から嵌入させて、グラインダーMを該テーパーピン17(18)に簡単に支持させることが可能になる。
【0038】
このように構成すると、グラインダーMを逃げ角とすくい角の研磨に対応したテーパーピン17,18を選択して基台2上に支持させることができる。
【0039】
図6の(a)図及び(b)図は、何れも他の実施例によるグラインダーMの支持方法を示している。
このうち図6の(a)図には、グラインダーMのケース部分25の側壁にテーパーピン27Abを下方に向けて形成した被支持部材27Aを固着し、基台2の上面にこのテーパーピン27Abの外周形状に合った大きさの開孔17Abを有する筒形状の支持部材17Aを上方に向けて突出させたものを示しており、このようにしても図5に示した場合と同様、双方のテーパー面を密着させてグラインダーMを多少、基台2上に浮かした状態で確(しっか)りと支持させることができる。
【0040】
図6の(b)図には、基台2上に円柱形状のピン17Bを突出させ、このピン17Bの大きさに合った開孔27Caを有するナイロンスリーブを挿着させた被支持部材27BをグラインダーMのケース部分25の側壁に形成したものを示しており、このようしてもグラインダーMを多少、基台2上に浮かした状態で確(しっか)りと支持させることができる。
【0041】
図2及び図7は、グラインダーMを前記テーパーピン17に装着して、回転刈刃3の刃先3bのすくい角を研磨する箇所に研磨ホイール26の裏面側の研磨面26bに位置させた状態を示している。
【0042】
ところで、前記ピッチ送りハンドル8の操作において、回転刈刃3の各刃先3b・・を1つずつピッチ送りするために、図2の矢(イ)方向から矢(ロ)方向に小さく動かす必要があり、しかも順次、各刃先3b・・を正確な研磨位置で停止させる必要がある。このため、本実施例においては、図1乃至図3に示すように、基台2上面の手前側箇所に、ピッチ送りハンドル8に当接させてその送り位置を決めるL形金属板からなるハンドルストッパー12を頭付ねじ13aと蝶ナット13bを用いて装着させてある。しかもこのハンドルストッパー12の下面に形成されているねじ挿通孔12aを長孔で形成して、該ハンドルストッパー12の装着位置の調整が行なえるようにしてある。
【0043】
すくい角の研磨作業において、1つの刃先3bの研磨を終えると、ピッチ送りハンドル8を操作して次の刃先3bを研磨位置に移動させる必要があるが、このとき、研磨ホイール26がそのままの位置にあると、その先端が次の刃先3bの手前部分に当たって回転刈刃3をピッチ送りすることが出来なくなる。これを防ぐために作業者はグラインダーMを押さえるようにして手で持ったまま、図2に示す矢(ハ)方向に少し動かして、研磨ホイール26の先端を刃先3bから少し離し、次の刃先3bのピッチ送りを終えると、再びグラインダーMを元の位置に戻す必要がある。
【0044】
ところがこの戻した位置が正確でないと、回転刈刃3の各刃先3bの研磨が均等に行なえない。このため本実施例においては、すくい角の研磨の位置にあるグラインダーMのケース部分25の僅かながら後方の基台2上にL形金具19の立設面につまみ付ねじからなる刃研ストッパー20を螺装し、この刃研ストッパー20の先端部をグラインダーMのケース部分25の後面に接当させることによって、グラインダーMを最適な研磨の向きに正確に戻すことができるようにしてある。そしてこの刃研ストッパー20としてつまみ付ねじを用いたことによって、その進退調節によりグラインダーMの係止位置を調節することが可能となる。
【0045】
回転刈刃3の研磨においては、前述したように、すくい角の研磨と逃げ角の研磨の2通りの研磨が必要で、例えば各刃先3b・・・のすくい角の研磨を一通り終えてから、にげ角の研磨に移る。このときには図8に示すように、グラインダーMを基台2上に突出しているもう一方のテーパーピン18に挿し変えて行なう。逃げ角の研磨は図8を参照しつつ図9に示すように、研磨ホイール26の表側の研磨面で行なう。尚、これらの研磨の際に金属粉が基台2上に堆積して飛散しないように、すくい角と逃げ角を研磨する2箇所の下方の基台2面部分に、金属粉を落下させる開口2a,2bが形成されている。
【0046】
尚、この研磨のときにも、1つの刃先3bの研磨を終えると、グラインダーMを矢(ニ)方向に操作して次の刃先3bのピッチ送りができるようにする必要があり、このときにもグラインダーMを元の正確な位置に戻す必要がある。これを可能にするため、逃げ角の研磨位置にあるグラインダーMのケース部分25の手前側をつまみ付ねじからなる刃研ストッパー21の先端部で接当させるようにしてある。
【0047】
本実施例に係る研磨機1Aは、このようにすくい角の研磨と逃げ角の研磨という2通りの研磨が行なえるのであるが、この他にも、例えば包丁、鎌、枝切り鋏などの回転刈刃以外の刃物の研磨も行なえるように構成した。
【0048】
これを示した図が図10及び図11,図13であり、これらの刃物を研磨する際には、グラインダーMを前記テーパーピン17(18)から抜き外して、研磨ホイール26の表側の研磨面26aが上向きになるように基台2上に載置して装着させる。その装着は、図1を参照しつつ図13に示すように、基台上の左奥端に装着させてある金属製の取付板22とグラインダーMのケース部分25とが面着するようにグラインダーMを基台2上に載置し、この取付板22側からグラインダーMのケース部分25に向けてつまみ付ねじ32を螺装させて行なう。
【0049】
さらに本実施例においては、包丁、鎌、枝切り鋏などの回転刈刃以外の刃物の研磨が、上手く、しかも安全に行なえるようにしてある。
具体的には、図10乃至図13に示すように、グラインダーMのケース部分25の左右両側に金属板の取付金具29,29を装着し、刃物研ぎ台30の両端部分30a,30aを、頭付ボルト32と蝶ナット31を用いて、この取付金具29,29に装着して、この刃物研ぎ台30の長板部分を研磨ホイール26の上面の僅かながら上方位置において、研磨し易い任意の傾斜角(研ぎ角)をもたせて位置させることができるようにしてある。
【0050】
ところで、刃物の種類によって刃先の研ぎ角が異るために、刃物研ぎ台30の傾斜角(研ぎ角)の調節が必要になるが、本実施例においてはこの調節を、刃物研ぎ台30の両端部分30a,30aを頭付ボルト32を支点にして多少の傾きを持たせて取付金具29,29に装着することにより可能とした。尚、刃物研ぎ台30の両端部分30a,30aと取付金具29,29の装着面をそれぞれ菊座で形成し、或いは菊座を有する座を固着させて、刃物研ぎ台30の傾斜角をさらに確(しっか)りとしたものにするようにしても構わない。
【0051】
このように構成した結果、図14に示すように、手で持った包丁Sの背に近い面をこの刃物研ぎ台30上に沿わせて押し当てながらこの包丁Sの刃先Saを研磨ホイール26に押し当てて研磨作業することができるようになり、このようにして研磨を行うとその仕上がりも良く、しかも安全な研磨作業が行なえる。
【0052】
【発明の効果】
以上において説明した本発明に係る回転刈刃用研磨機は次のような効果を奏する。
【0053】
第1の効果として、回転刈刃のすくい角の研磨と逃げ角の研磨に対応させる手段として、グラインダーの装着が、グラインダー側の被支持部材を基台上に突出させた2本のピンのうちのいずれか選択した一方にピンに嵌め入れるという、極めて簡単な操作で行なえるようになり、しかもその操作が瞬時に行なえるようになった点が挙げられる。
【0054】
第2の効果として、これら各ピンをテーパーピンにて形成し、またグラインダー側の被支持部材にこのテーパーピンの大きさに合わせた開孔を形成したことによって、その装着時において開孔の内周壁とテーパーピンの外周面とが密着するために、グラインダーを確りと支持させることが出来るようになり、しかもグラインダーを基台から多少浮かせた姿勢で装着出来るようになったため、刃先をピッチ送りするときに行なうグラインダーの向きの変更操作がスムーズに行なえるようになった点が挙げられる。
【0055】
第3の効果として、回転刈刃の刃先のすくい角と逃げ角の研磨に対応する基台上におけるグラインダーの2箇所の装着箇所の近傍に、ピン支持させたグラインダーの最適な研磨位置を確保するつまみ付ねじからなる刃研ストッパーを装着したことによって、研磨中におけるグラインダーの姿勢を常に一定にさせて、各刃先を均等に研磨させることが出来るようになり、この結果、刃先の揃った切れ味の良い回転刈刃に仕上げることが出来るようになった点が挙げられる。
【0056】
第4の効果として、グラインダーをピンから、いとも簡単に外して、その先端の研磨面を上方に向けた姿勢で基台上に装着出来るように構成したことによって、回転刈刃の刃先の研磨だけでなく、刃物、例えば包丁、鎌、枝切り鋏などの刃物の研磨も出来るようになった点が挙げられる。
【0057】
第5の効果として、研磨ホイールの上面に沿った箇所又は研磨ホイールの周縁に沿った近傍箇所に、包丁、鎌、枝切り鋏などの刃物を支持する刃物研ぎ台を装着することが出来るように構成したことによって、これら包丁、鎌、枝切り鋏などの刃物の研磨が簡単且つ安全に行なえるようになった点が挙げられる。しかも刃物研ぎ台の傾斜角が調節出来るため、薄刃の刃物から厚刃の刃物に至る各種の刃物の研磨が行なえるようになったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係る回転刈刃用研磨機を示した斜視図である。
【図2】同じく回転刈刃を装着しグラインダーをすくい角の研磨位置に装着して示した研磨機の平面図である。
【図3】同じく正面図である。
【図4】回転刈刃の装着状態とピッチ送りハンドル基部の枢着状態を示した側面断面図である。
【図5】グラインダーの装着構造の1実施例を示した断面図である。
【図6】(a)図は、同じく他の実施例を示した断面図である。
(b)図は、同じくさらに他の実施例を示した断面図である。
【図7】すくい角の研磨を示した平面図である。
【図8】回転刈刃を装着しグラインダーを逃げ角の研磨位置に装着して示した研磨機の平面図である。
【図9】逃げ角の研磨を示した平面図である。
【図10】研磨面を上向きになるようにグラインダーの向きを変えて基台上に装着した状態を示した平面図である。
【図11】同じく正面図である。
【図12】刃物研ぎ台の取り付け構造を示した斜視図である。
【図13】同じく側面図である。
【図14】同じく使用状態を示した斜視図である。
【図15】従来技術による回転刈刃用研磨機を示した斜視図である。
【符号の説明】
1A 回転刈刃用研磨機
2 基台
3 回転刈刃
3b 刃先
3c 谷
4 載置台
6 支持軸
7 つまみ付ねじ
8 ピッチ送りハンドル
17,18 テーパーピン
20,21 刃研ストッパー
22 取付板
25 ケース部分
26 研磨ホイール
26a,26b 研磨面
27 被支持部材
27a 開孔
29 取付金具
30 刃物研ぎ台
M グラインダー
Claims (2)
- 回転刈刃を所定の高さの水平位置で載置させる載置台と、該回転刈刃を上からの付勢力を与えながら水平回転自在に保持すべく前記載置台に備えた押圧部材と、研磨ホイールを装着したグラインダーとをそれぞれ基台上に備え、回転刈刃を1刃送りするピッチ送りハンドルを備えて構成した回転刈刃用研磨機であって、
前記回転刈刃の刃先のすくい角の研磨と逃げ角の研磨に対応する前記基台上におけるグラインダーの2箇所の装着箇所に各1個ずつグラインダーの支持ピンを備えるとともに、該グラインダー側にこの支持ピンに対応する被支持部材を設けて、研磨の内容に応じて選択した2本の支持ピンのうちの一方の上方からグラインダー側の被支持部材を軸装させて、グラインダーを基台上にねじ等の締結無しで自在に装着できるように構成したことを特徴とする回転刈刃用研磨機。 - 包丁、鎌、枝切り鋏などの回転刈刃以外の刃物の研磨にも対応させるべく、グラインダーをその先端の研磨面を上方に向けた姿勢で基台上に載置して装着できるように構成するとともに、研磨ホイールの上面近傍箇所に、これら刃物を研磨する際にその手前部分を添え当てて支持する刃物研ぎ台を備えることができるように構成した請求項1に記載の回転刈刃用研磨機。
Priority Applications (1)
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JP2000213454A JP3740494B2 (ja) | 2000-06-08 | 2000-06-08 | 回転刈刃用研磨機 |
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JP2000213454A JP3740494B2 (ja) | 2000-06-08 | 2000-06-08 | 回転刈刃用研磨機 |
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