JP3739977B2 - 磁性材料とそれを用いたバルク型コイル部品と積層型コイル部品 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波領域で使用される磁性材料とその磁性材料を含有するコアを有するバルク型コイル部品または磁性体層に前記磁性材料を有する積層型コイル部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種電子機器の小型化、軽量化に伴い、これらを構成する電子部品についても小型化、軽量化が進んでいる。コイル、トランス等も例外ではなく、小型化、軽量化が進み、一方で電子機器から発生するノイズについても、他の電子機器に誤作動を招く要因となることから、ノイズ除去部品においても小型化、軽量化が進んでいる。電子機器によっては、100MHz程度から3GHz以上の幅広い周波数帯域に有効なノイズ除去部品が使用されており、小型で高周波領域まで動作し、高いインピーダンスZ値を持つコイル部品等のノイズ除去部品が望まれている。
【0003】
高周波用コイル部品としては、磁性体でなるコアにワイヤを巻付けたバルク型と、磁性体層と内部導体層とを積層し焼結してなる積層型とがある。バルク型コイル部品は、磁性粉末にバインダーを加えて造粒した後に所定の形状に成形、加工し、空気中で900℃から1300℃程度で焼成したコイル用コア(コアは焼成後に加工する場合もある)にAu、Ag、Cu、Fe、Pt、Sn、Ni、Pb、Al、Coまたはそれらの合金等からなるワイヤを巻いて作製する。
【0004】
積層型コイル部品は、導体が磁性体で覆われていることから、漏れ磁束がなく、クロストークが抑制され、高密度実装に適していること、大きなインダクタンスLを保ちつつ小型化が可能なこと、堅牢性や信頼性が高いこと等の特徴を有しており、近年は多岐にわたる分野に使用されている。積層型コイル部品は、通常磁性体層用ペーストと内部導体層用ペーストとを厚膜技術(印刷法やドクターブレード法等)により積層し、一体化した後、焼成し、得られた焼結体表面に外部電極用ペーストを印刷し、焼きつけることにより製造される。そして、内部導体材料は、インダクタの直流抵抗に影響を及ぼすことから、抵抗率の低いAgが用いられる。ここで重要なことは、磁性体層に用いられる磁性材料は、前記のように内部導体と同時焼成されることから、少なくともAgの融点(約960℃)以下で焼結できることが必要である。
【0005】
バルク型、積層型のいずれのコイルにおいても、フェライトによる磁性体層(コア)の比抵抗が高いことが要求される。バルク型においては、コアにワイヤにより巻線を施す際に、比抵抗が低ければボビン等の絶縁物が必要となり、コアの小型化の障害となり、また、積層型でも同様であるが、メッキにより電極を形成する場合は、比抵抗が低いとメッキの信頼性が劣化する。また、コアの比抵抗が低いとコアの素地までメッキされる虞があり、コイルとしての信頼性も著しく低下する。
【0006】
そこでバルク型、積層型コイル部品うち、高周波領域で使用される磁性材料としては、Ni−Cu−Zn系のフェライトが一般に用いられる。その理由は、このフェライトが立方晶の結晶構造であり、比抵抗が高く、一般に透磁率を有しているため、空芯コイルや非磁性体をコイルのコアとして用いたコイルと同等のインダクタンスを得るのであれば、これらに比べて巻線数を減らすことができ、素子の小型化に有利であるという特徴を有している。
【0007】
このNi−Cu−Zn系フェライトとして、特開平6−333721号公報には、Cuの出発原料として水酸化銅を用い、フェライト組成がFe2O3:45〜50mol%、NiO:4〜50mol%、CuO:3〜30mol%、ZnO:0.5〜35mol%として短時間の混合で分散性が良く、フェライト中にCuOの析出がなく、しかも良好な電磁気特性を持つ磁性フェライトが開示されている。
【0008】
また、特許第2893302号公報には、Ni、Cu、Co、Feの酸化物を主成分として含有するスピネル型フェライト焼結体に対し、NiOを0〜60wt%分散含有した磁性材料が開示され、これにより高周波領域におけるQ値を向上させたものが開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
バルク型、積層型のコイル部品をインピーダンス素子、いわゆるノイズ除去部品として用いる場合は、インダクタンス特性と交流抵抗特性が重要となる。一般にインピーダンスZはインダクタンスLと交流抵抗Rとによって
Z=R+jωLで表される。
【0010】
さらに、スピネル型フェライトの透磁率と周波数にはスネーク(Snoek)の限界式が成り立ち、コイルの形状および巻線数とそのパターンを同等とした場合、透磁率の異なる材料をコイルに使用することにより、適用する周波数を変えることが可能となる。これは前記したスネークの限界式およびスネークの周波数限界線からも分かる通り、GHzの高い周波数になると透磁率が減少する。この透磁率の減少が生じる周波数は透磁率の大小により異なるが、一般的にはスネークの周波数限界線に沿って透磁率が減少する。また透磁率は複素成分を含めて表すと、その実数成分μ’と虚数成分μ”に分けられる。
【0011】
このような複素透磁率の実数成分μ’と虚数成分μ”とを用いると、インダクタンスLと交流抵抗Rは、
L=A×μ’、R=ω×A×μ”
(ただしAは巻線および形状要因から導き出される係数)
として表される。よってインピーダンスZは、
Z=ωAμ”+jωAμ’
で表される。
【0012】
このように、バルク型、積層型のコイル部品をインピーダンス素子として用いる場合、使用する材料の実数成分μ’はもとより、虚数成分μ”の大小がその特性を決める要因となる。
【0013】
インピーダンスは電磁波ノイズと同位相である前記した複素透磁率の実数成分μ’と位相が90度遅れた虚数成分μ”を含む成分に分けられる。このように90度位相が遅れた虚数成分μ”を含む成分は、吸収した電磁波を熱エネルギに変換する。すなわち、特定の周波数の電磁波ノイズを遮断したい場合はその特定の周波数のみ虚数成分μ”が高い程、その効果は大きくなる。
【0014】
スネークの限界式からも分かるとおり、比較的広範囲の周波数の電磁波ノイズを遮断したい場合は、透磁率の高い材料を用い、比較的高周波のみの電磁波ノイズを遮断したい場合は、透磁率の低い材料を用いることが効果的である。遮断したい電磁波ノイズの周波数により、適宜、効果の高い透磁率の磁性材料を用いることが肝要である。
【0015】
しかしながら、複素透磁率の虚数成分μ”は周波数の上昇とともに徐々に増加する。比較的高周波の電磁波ノイズを遮断したい場合は、透磁率の低い磁性材料を用いることが肝要であり、さらにその周波数の幅が極めて小さい場合は、虚数成分μ”の上昇が急峻であることが望ましい。
【0016】
前記した特開平6−333721号公報には、磁性材料を前述の組成とすることにより、CuOの析出をなくし、これにより、原料の混合時間を短縮しても透磁率の劣化や焼結密度の低下が生じることがない旨の記載があるが、しかしこの組成では虚数成分μ”の上昇が急峻ではなく、必ずしも適当なものとはいえない。
【0017】
また、前記特許第2893302号公報には、高周波領域における虚数成分μ”の上昇に関する記載はない。
【0018】
本発明は、従来の磁性材料に比較し、高周波領域での前記虚数成分μ”の上昇が急峻であり、インピーダンスにおいてもその成分である抵抗Rの高周波領域での上昇が急峻であり、極めて良好なノイズ遮断効果が得られる磁性材料と、これを用いたバルク型コイル部品および積層型コイル部品を提供することを目的とする。
【0019】
請求項1の磁性材料は、少なくともFe、Zn、Cuの酸化物を主成分として含有し、CuOの含有率が31〜50mol%であるスピネル型フェライト焼結体に対し、0.9〜3.1wt%のCuOが析出している
ことを特徴とする。
【0020】
このように、CuOを焼結体とは別に分散含有することにより、従来の磁性材料に比較し、高周波領域での前記虚数成分μ”の上昇が急峻であり、かつインピーダンスにおいてもその成分である交流抵抗Rの高周波領域における上昇が急峻であり、極めて良好なノイズ遮断効果が得られる。なお、分散含有するCuOは3.1wt%を越えるとスピネル型フェライト焼結体の比抵抗の劣化を招くことになる。また、CuOの分散含有量はより好ましくは0.9〜3.1wt%である。
【0021】
本発明の磁性材料は、透磁率、焼結体密度等の特性に影響しない程度であれば、不純物および添加物として、Si、P、Al、B、Mn、Mg、Co、Ba、Sr、Bi、Pb、W、V、Mo等を含有してもよい。また、主成分の組成は、高周波領域でのインピーダンス特性を良好とする上で好ましくは、
Fe2O3 40〜50mol%、ZnO 1〜10mol%、CuO 31〜51mol%、NiO(残部)であり、さらに好ましくは、
Fe2O3 47〜49mol%、ZnO 3〜7mol%、CuO 31〜50mol%、NiO(残部)である。
【0022】
請求項2のバルク型コイル部品は、請求項1の磁性材料からなるコアを有する
ことを特徴とする。
【0023】
請求項3の積層型コイル部品は、磁性体層と内部導体層を有する積層型コイル部品であって、前記磁性体層が請求項1の磁性材料からなる
ことを特徴とする。
【0024】
請求項4の積層型コイル部品は、請求項3に記載の積層型コイル部品であって、前記内部導体層がAgもしくはAgとPdの合金を主成分とする
ことを特徴とする。
【0025】
請求項2〜4のバルク型コイル部品のコア、または積層型コイル部品は、Fe2O3、NiO、CuO、ZnO等の主成分および場合によってはBi、Co、Pb、P、V、Mo、W、Mg、Si等の酸化物を副成分として所定の比率となるように秤量を行い、ボールミル、サンドミル、振動ミル、湿式メディア攪拌型ミル等を用い、粉砕し、乾燥を行う。そしてバルク型コイル部品のコアまたは積層型コイル部品を得る。
【0026】
バルク型コイル部品のコアは、粉体にバインダーを加え、造粒した後に所定の形状に成形加工し、空気中で900℃から1300℃で焼成したコアに、Au、Ag、Cu、Fe、Pt、Sn、Ni、Pb、Al、Coまたはこれらの合金等からなるワイヤを巻いて作製する。なお、前記コアの加工は焼成後に行ってもよい。
【0027】
一方積層型コイル部品は、通常、磁性体層用ペーストと内部導体用ペーストとを厚膜技術(印刷法やドクターブレード法等)により積層し一体化した後、焼成し、得られた焼結体表面に外部電極用ペーストを印刷し、焼き付けることにより製造される。内部導体用ペーストは、通常、導電体粉とバインダーと溶剤とを含有する。
【0028】
導電体粉の材質は、製品の直流抵抗を低減する理由で、AgまたはAgを主成分とする前記AgとPd等からなる合金が好適である。このAgまたその合金を導電材に用いる場合、焼成条件や焼成雰囲気は磁性体や導電材の材質に応じて適宜決定すればよいが、焼成温度は好ましくは800℃〜950℃、より好ましくは880℃〜910℃程度である。焼成温度が低すぎると焼結不足になり、高過ぎると、フェライト中に電極材料が拡散してチップの電磁気特性を著しく悪化させるからである。また、焼成時間は5分から2時間である。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下本発明による磁性材料およびバルク型コイル部品、積層型コイル部品について具体的例をあげて説明する。
【0030】
(試料)
表1に示す組成比に示すように、酸化鉄(α−Fe2O3)と、酸化ニッケル(NiO)と、酸化第二銅(CuO)と、酸化亜鉛(ZnO)とを原料として、これらの原料をボールミルにて5時間湿式混合した。次に、これらの原料混合粉末を大気中800℃で2時間仮焼した後、ボールミルにて比表面積が4m2/gとなるように湿式粉砕し、成形用粉末とした。さらに、これらの粉砕粉末にバインダーとして、鹸化度が98.5、重合度が2400のポリビニルアルコール(PVA124)の3wt%水溶液を10重量部加えて造粒し、後述の測定条件等にあわせて所定の形状に成形し、空気中で890℃で焼成しコアを作製した。
【0031】
また、比較例として、前記特開平6−333721号公報に記載の組成範囲である以下の2種類の組成を比較例1、2とし、本発明の実施例と同様の製造条件により作製した磁性材料を用意しコアを作製した。
比較例1−Fe2O3:47mol%、ZnO:3mol%、CuO:10mol%、NiO:40mol%
比較例2−Fe2O3:47mol%、ZnO:3mol%、CuO:15mol%、NiO:35mol%
なお、比表面積は、(株)島津製作所製流動式比表面積自動測定装置、フローソープ2300型でBET一点法により測定した。
【0032】
【表1】
【0033】
(評価)
コアの材料の評価は、焼結体のスピネル相とCuOのX線回折線の強度比より推定して求めたCuOの析出量と比抵抗とμ’、μ”およびインピーダンス特性について行った。
【0034】
ここで使用したX線回折線は、スピネル相が(311)からのものであり、CuOは(111)からのものである。なお、入射X線はCu−Kα線を使用した。スピネル相では(311)が、また、CuOでは(1-11)がそれぞれ最強の回折強度を示す。ただしCuOについては、(1-11)では分離状態が悪く、(1-11)の96%の回折強度である(111)から求めた。そこでこれらの各層の回折線強度をCuOの場合はICuOとし、スピネル相の場合はIspinelとし、スピネル相に対するCuOの析出状況を表すX線回折線の強度比を
ICuO/(ICuO+Ispinel):wt%として表すものである。
【0035】
比抵抗の測定は、直径1インチ、厚さ5mm程度となるように成形し、空気中で所定温度にて焼成し、端面にIn−Ga(インジウム−ガリウム)電極を施して印加電圧における抵抗値をIRメータ(TOA社製 モデルSM−5E)で測定することにより求めた。
【0036】
また、複素透磁率の実数成分μ’、虚数成分μ”については外径18mm、内径10mm、高さ3.1mmのトロイダル型となるようにコアを成形し、空気中で所定温度にて焼成し、ワイヤを3回巻いてコイルを作製し、インピーダンスアナライザ(ヒューレットパッカード社製4291A)により磁界を0.4A/m印加し、前記μ’、μ”を求めた。
【0037】
また、インピーダンスについては、前記したトロイダルコアを用い、表1に示した実施例2と比較例2についてワイヤを3回巻きにして実際にコイルを作製して前記インピーダンスアナライザにより磁界を0.4A/m印加し、インピーダンスZ、リアクタンスXL、交流抵抗Rについてそれぞれ求めた。
【0038】
ここで、前記実数成分μ’、虚数成分μ”は、初透磁率と呼ばれる微少な磁界を印加した際に得られるμiの実数成分と虚数部分を表すものである。初透磁率μi、実数成分μ’、虚数成分μ”はそれぞれ下記の式により求められる。
μi=le×L/(μo×Ae×N2)
μ’=le×L/(μo×Ae×N2)
μ”=le×(Reff−Rw)/(μo×Ae×ω×N2)
ここで、le:実測による実効磁路長(m)
L:試料の自己インダクタンス(H)
μo:真空透磁率4×π×10−7(H/m)
Ae:実測による試料の実効断面積(m2)
N:試料のコイル巻数
Reff:試料を含めたコイルの損失抵抗(Ω)
Rw:コイルだけの損失抵抗(Ω)
ω:角周波数(ラジアン/s) ω=2×π×f
ここに、π:円周率、f:測定周波数(Hz)
【0039】
(評価結果)
表1に実施例および比較例とした磁性材料と化学組成比および所定の温度で焼成した各焼結体のX線回折線の前記強度比
ICuO/(ICuO+Ispinel)を示す。
【0040】
ここで、X線回折線の前記強度比が0%の場合はスピネル単相であり、100%の場合、CuO単相である。ちなみに、この強度比の数値はCuOの析出量に必ずしも一致しないが、数量の増減は析出量の増減に対応している。
【0041】
表1のCuOの欄に示すように、比較例1、2の場合にはCuOの析出は認められないが、実施例1〜4においてはCuOの析出が認められる。
【0042】
表1の結果から、CuOの析出量が増加することにより、比抵抗が低下することが分かる。Ni−Cu−Zn系フェライトは、一般にMn−Zn系フェライトに比較し、比抵抗が高いことが知られており、一般的には105Ω・cm以上あれば問題ないとされる。
【0043】
ここで、このコアの比抵抗が105Ω・cm以上あることが好ましい理由について説明する。コアに外部電極を形成する場合、その電極部の信頼性を向上させるためにNi、Cu、Sn等の金属を電極部にメッキする。その際に、コイルのコアの比抵抗が低いと電極部だけではなく、コアの素地部までメッキされることになり、電極部間の距離が極めて短いと短絡を引き起こし不良の原因となることや、余分なメッキを取り除く工程を新たに設ける必要があるという不具合が生じる。また、メッキをかける時間を短くすることによりコアの素地部までメッキされるのを防ぐことができるが、電極部のメッキの厚さを十分にすることができず、信頼性が低下する。このようなメッキに伴う問題は、コアの比抵抗が105Ω・cm程度であれば生じることはない。CuOの析出が3.1wt%を超えない範囲であれば、105Ω・cm以上の比抵抗を持たせることができる。
【0044】
また、前述のように、トロイダルコアにワイヤを3回巻きにして作製したコイルについて、前記インピーダンスアナライザにより、磁界0.4A/mを印加して求めた実数成分μ’と虚数成分μ”と周波数との関係を、それぞれ図1、図2に示す。図1に示すように、CuOの析出が見られる実施例1〜4において、CuOの析出のない比較例1、2に比較して、実数成分μ’の上昇が高周波領域に移行することが分かる。
【0045】
また、図2から明らかなように、実施例1〜4の場合、比較例に比較して、周波数増加に伴う虚数成分μ”の上昇が急峻となることが分かる。
【0046】
また、前記実施例2と比較例2について、図3にインピーダンスZ、リアクタンスXL、交流抵抗Rと周波数との関係を示す。図3に示すように、実施例2においては、比較例2に比較して、R値の周波数増加に伴う上昇が急峻であり、また、Z値も実施例2が比較例2に比べて急峻であることが分かる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の磁性材料に比較し、高周波領域での複素透磁率の虚数成分μ”の上昇が急峻であり、インピーダンスにおいては、その成分である交流抵抗Rの高周波領域での上昇が急峻であり、高周波領域において、極めて良好ななノイズ遮断効果が得られるコイルコア用磁性材料と、その焼結体でなるコアを有するバルク型コイル部品と、磁性体層と内部導体層とからなる積層型コイル部品とが得られる。特に内部導体としてAgまたはAgとPdの合金を用いることにより、内部導体抵抗の低い積層型コイル部品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表1に示す実施例1〜4の磁性材料と比較例1、2の磁性材料を用いて作製した各バルク型コイル部品の複素透磁率の実数成分μ’と周波数との関係を示す特性図である。
【図2】表1に示す実施例1〜4の磁性材料と比較例1、2の磁性材料を用いて作製した各バルク型コイル部品の複素透磁率の虚数成分μ”と周波数との関係を示す特性図である。
【図3】実施例2と比較例2の磁性材料を用いて作製した各バルク型コイル部品のインピーダンスZ、リアクタンスXL、交流抵抗Rと周波数との関係を示す特性図である。
Claims (4)
- 少なくともFe、Zn、Cuの酸化物を主成分として含有し、CuOの含有率が31〜50mol%であるスピネル型フェライト焼結体に対し、0.9〜3.1wt%のCuOが析出している
ことを特徴とする磁性材料。 - 請求項1の磁性材料からなるコアを有する
ことを特徴とするバルク型コイル部品。 - 磁性体層と内部導体層を有する積層型コイル部品であって、前記磁性体層が請求項1の磁性材料からなる
ことを特徴とする積層型コイル部品。 - 請求項3に記載の積層型コイル部品であって、前記内部導体層がAgもしくはAgとPdの合金を主成分とする
ことを特徴とする積層型コイル部品。
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