JP3739902B2 - 気液分散装置及び気液接触装置並びに廃水処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体と液体または気体とスラリーの気液接触において、気体と液体の分散効率を高めるための気液分散装置及びそれを用いた気液接触装置並びに廃水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、化学プラント,めっき設備,食品製造設備,医薬品製造設備,紙パルプ製造設備,染色染料工業設備,ガラス製造設備,発電設備,写真処理設備等の各種分野において、気液接触装置が用いられている。この種の気液接触装置は、液体が連続相を形成している系において気体と液体を接触させ、反応操作、熱交換操作、放散、吸収操作等を行うようになっている。
【0003】
また、上記気液接触装置の入口部分では、気体と液体の接触を改善することを目的として、気体と液体を十分に分散させる気液分散装置(ディストリビュータとも呼ばれている)が設けられている。具体的には、上記気液分散装置とは、反応器、気泡塔、多管式熱交換器、充填塔等の容器の入口部分において、気体及び/または液体を分散させるため(場合によっては接触させるため)の装置を示す。
【0004】
上記気液分散装置において、気体が連続相の場合は、液体を下方に分散させるタイプのもの、すなわち、スプレーノズル、ノッチトラフタイプ、有堰多孔板、無堰多孔板等が知られており、一方、液体が連続相の場合は、反応器の下部に設置されるスパージャリング,焼結管、或いは気泡塔下部に設けられる多孔板(単孔板)としての多孔オリフィス板(単孔オリフィス板)等が知られている。
また、上記多孔板(単孔板)の孔に対し、その気体流路下流側出口に衝突板を取り付けた衝突板付き多孔板(単孔板)も知られている。
【0005】
また、上記気液分散装置及び気液接触装置は、各種設備から排出される廃水の浄化処理設備にも使用されており、例えば、分子状酸素またはオゾンその他の酸素供給源の存在下に湿式酸化することにより、廃水中の有機物、無機COD成分を無触媒または触媒の存在下にて分解し無害な二酸化炭素、水、窒素等に変換し、廃水を浄化することができるようになっている。この場合、廃水中に如何にして酸素を均一に分散させるかが重要となる。
【0006】
このように、液体またはスラリーが連続相を形成し流れていて、気体が上向きに流れるような系においては、気液の分散状態や接触状態を改善する手段として、例えば反応塔では一般的に単純な構造の多孔オリフィス板(以下多孔板と略称する)及び単孔のオリフィス板(以下単孔板と略称する)等が分散装置として使用されている。上記多孔板は、反応塔内に1段で使用されているものもあれば、一定の間隔を空けて複数段配列し、それにより反応塔内を一定容量からなる複数の反応室に区切って連続多段的な反応をさせるものもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した単純な構造からなる従来の分散装置では、特に気液の入口部分の多孔板については気液の脈流が激しくなり、気体の脈に起因して多孔板を通過する流体中に気体が含まれないときがある。加えて、多孔板の円周方向についても気液の偏流が発生するため、十分な分散状態が得られないという問題もある。その結果、反応装置では反応効率の低下、吸収装置では吸収効率の低下を招き、さらにまた熱交換器においては伝熱効率の低下を招いていた。
【0008】
また、触媒等の充填物を収容した気液接触装置または反応装置の構成としては、( a) 充填物固定用グリッドの下に何も配置せず空塔としている構成、( b) 気液を混相状態で注入せず、反応装置内の底部に設けたガス分散器から気体を注入する構成等が知られている。
【0009】
上記( a) の構成では、反応装置の下部または側部より気体と液体を混相にて注入するものであるため、塔内部に導入された後、浮力により気体のみが流れやすい方向に流れてしまい、偏流を起こす可能性が高い。そして偏流が生じると、充填物固定用グリッドの下方で気液の分布状態が不規則になってしまう。従来、気体流路下流側の充填物自体には、ある程度の気液分散効果があるものの十分でないため、充填物中の気液分散状態及び接触状態が悪化して処理性能が低下することになる。
【0010】
また、充填物固定用グリッド真下での気液分布状態が不規則であると、触媒等の充填物それ自体にある程度の気液の分散能力があるとしても、充填物の圧力損失が小さい場合には、供給される気体が偏流もしくは脈流のまま、直接その充填物に供給されてしまうことになり、充填物に対して均一に気体を作用させることができなくなる。また、これとは逆に、充填物の圧力損失が大きくなった場合では、充填物下部において気体の分散がある程度良好になることが期待できる。しかしながら充填物自体に充填むらが存在するため、空隙率の高い部位では依然として偏流が生じ、実際には均一になり得ない。
【0011】
従って( a) の構成では、充填物中の気体分散及び液体分散が不十分となり、反応性能の低下、副反応等が発生する等の予想外の悪影響が現れる。特に長期的に運転することが常であること、及び充填物の性能を考慮すると、問題がより顕著に現れる。なお、多孔板と充填物固定用グリッドとの距離が離れているため、その間にて偏流を生じ、充填物の性能に影響を及ぼすこともある。
【0012】
また、気体の存在が塔の腐食に影響を与えているような場合、例えば、ステレンレス鋼に対して不動態皮膜の生成に酸素が必要である場合を例に挙げると、偏流によって酸素(または空気)が正常に分散されなくなると、塔内壁及び内蔵部品の保護に必要とされる不動態皮膜の生成が追いつかなくなり、皮膜が破壊されて腐食が進行する恐れがある。
【0013】
また、上記( b) の構成による気液接触装置では、ガス分散器から均等に充填物中に気体を注入することができるが、ガス分散器の構造が複雑で、充填物固定用グリッド真下においては、ガス分散器とグリッドとの距離が離れて気液分散が良好に行われないことがある。さらに、ガス分散器よりも下方では気体が存在しないことになり、また塔までの液配管においても気体が存在しないことになるため、前述したように装置内で腐食が進む恐れがある。加えて、固型分が底部に溜まりやすくなる。また、気体と液体を別々に供給し気体のみがガス分散器に供給された場合は効果的であるが気体と液体を混相で同時にガス分散器に供給することは困難である。
【0014】
また、管内側と管外側で熱交換を行うような多管式気液接触反応装置においては、一般的に、それぞれの管内側部で気液接触を行い反応させているが、全ての管に対し均等に気体を分散させるために、上記( b) のように、ガス分散器のガス吹出し口をそれぞれの管の真下に配置している。ところが、ガス分散器よりも下方では、上記( a) と同様に、腐食及び底部に固形分が残留する問題がある。さらに( b) の構成では、気体と液体を別々に供給しているため、気液混相にて気液接触装置に供給し脈流なく均一な分散を得ることは困難である。
【0015】
さらにまた、廃水浄化処理設備に適用される気液接触装置に関し、分子状酸素またはオゾン等の他の酸素供給源の存在下、廃水を濃縮せず液状態で酸化処理を行なう湿式酸化廃水処理の場合、流体の温度を高め(通常150℃〜320℃)、その液相を保持するために見合った圧力まで高め(通常約5〜210気圧)、廃水中の有機物を酸化させるようになっているが、空塔式反応塔において上記した多孔板を複数段配置した場合でも、十分な分散状態が得られず、処理効率が十分とはいえない。触媒式湿式酸化廃水処理において触媒下部に多孔板を設置した場合であっても高い処理効率を望むことはできない。
【0016】
本発明は以上のような従来の気液接触装置の課題を考慮してなされたものであり、簡単な構造で、気体のみを供給する場合に限らず、気液混相で供給する場合でも、気体の脈流や偏流をなくして空塔入口、触媒等の充填物入口(充填物固定用グリッド下方)に、良好な気液分布状態を発生させることのできる気液分散装置、及び空塔内及び充填層内で良好な気液分布状態と接触状態を発生させることのできる気液接触装置、並びに廃水を酸素含有ガスの供給下にて高効率で処理することのできる廃水処理装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の気液分散装置は、液体が連続相を形成して流れ、気体が上向きに流れる系に配置される気液分散装置において、気液混相状態が形成される気液流路を遮断するようにして所定の間隔を空けて2枚以上配置される単孔または多孔を有する仕切部材からなり、該仕切部材の少なくとも一枚が、単一の貫通孔を有しその貫通孔の出口側近傍に衝突板を備えた衝突板付き単孔板、または複数の貫通孔を有しその貫通孔の出口側近傍にそれぞれ衝突板を備えた衝突板付き多孔板で構成されていることを要旨とする。
【0018】
上記気液分散装置において気液流路断面の形状は特に限定されるものではない。しかしながら、円形または多角形である場合が効果的である。また、本発明に係る仕切部材の所定の間隔は、貫通孔の孔径の0.5倍以上であり、且つ気液流路における内径または内壁相当径の1.5倍以下であることが好ましい。
【0019】
なお、仕切部材が衝突板付き単孔板及び衝突板付き多孔板である場合は、所定の間隔の範囲内に配置できるような構成に限定される。具体的には、衝突板とその気体流路上流側の単孔板または多孔板との距離は、本発明に係る仕切部材の所定の間隔未満であることが必要である。
【0020】
ここで述べる相当径とは、断面の形状の全辺長を4で除した数値を示す。例えば、1辺1000mmの正方形においては1000×4 /4 =1000mmとなり、相当径は1000mmである。上記所定の間隔が大きすぎると、上流側仕切部材の孔から下流側仕切部材に向けて吹き出すガスの力が下流側仕切部材へ十分到達しないため、脈流や偏流を引き起こす。また、これとは逆に、所定の間隔が小さいと、上流側仕切部材の孔を通過したガスは広がることなく、そのまま下流側仕切部材の孔を通過してしまい易くなるため、偏流や脈流の改善効果が小さい。なお、仕切部材の間隔が小さくなり過ぎると、圧力損失が増加することになる。
【0021】
また、本発明の気液分散装置は、気体の流れにおける上流側の仕切部材は、単孔板または多孔板の貫通孔の出口近傍に衝突板を備えた衝突板付単孔板または衝突板付多孔板からなり、気体の流れにおける下流側の仕切部材は多孔板からなることを要旨とする。上記気液分散装置においては、気体の流れにおける下流側に配置された多孔板出口側の面と一体または離間して、触媒等の充填物の支持枠を設けることができる。
また、本発明の気液接触装置は、上記構成を有する支持枠上に充填物を設けてなることを要旨とする。
また、本発明の気液接触装置は、上記構成を有する気液分散装置を、触媒等の充填物の入口部に配置したことを要旨とするものである。
【0022】
また、本発明の気液接触装置は、上記構成を有する気液分散装置を容器(以下塔内と言うこともある)内に複数段配置することを要旨とするものである。また、気液分散装置を塔内に複数段設ける場合の間隔は、気液接触装置内を流れる気体および液体の流量、流速、密度、下部より上昇した際の運動エネルギーやその上流側の気液接触装置により発生した圧力損失による撹拌効果、装置の断面積より設定される。気液接触装置の内径によって左右されるものの、基本的には短い間隔の方が撹拌効果が促進されることになり300〜8000mm(または装置直径の0.3〜10倍)に設定される。より好ましくは300〜5000mm(または装置直径の0.3〜5倍)であり、最も好ましくは500〜3000mm(または装置直径の0.5〜3倍)の範囲である。間隔を300mm未満(または0.3倍以下)にすると、気液分散効果は高くなるが、気液分散装置を多数配置しなければならないためにコスト的に不利になり、逆に8000mm(または10倍)を超えると、その下流側の気液分散装置による分散効果が低減してしまうため好ましくない。
また、本発明の気液分散装置は、充填物の気体流れ上流側に限らず、気体流れ下流側に配置することもできる。
【0023】
また、本発明の気液接触装置は、液体が連続相を形成して流れ、気体が上向きに流れる系の竪型多管式熱交換器のチューブ側入口部分(入口チャンネル)または反応器内に、上記構成を有する気液分散装置を設けたことを要旨とする。
【0024】
また、本発明の廃水処理装置は、廃水を酸素含有ガスの供給下で処理する廃水処理装置内に、上記構成を有する気液分散装置または気液接触装置を設けたことを要旨とする。上記廃水処理装置の例としては、湿式酸化処置によるもの、オゾン酸化処理によるもの、吸着材を用いたものが示される。
【0025】
上記気液接触装置における湿式酸化処理に関しては、充填物としての固体触媒および/または吸着材を用いるもの、均一触媒を用いるものおよび触媒を用いないものが示される。また、上記オゾン酸化処理に関しても同様に、固体触媒および/または吸着材を用いるもの、均一触媒を用いるものおよび触媒を用いないものが示される。
本発明において、気液流路の断面形状については特に限定されるものではないが、円形、楕円形または多角形である場合が好ましい。
【0026】
本発明に係る液体とは、特に限定されるものではなく液状の性質を示すものであればよい。すなわち、液、油水の懸濁液、高分子,微粒子,コロイド等の懸濁液、スラリー等が含まれる。詳しくは、水、有機溶媒、水,無機及び有機物質の水溶液、各種廃水、有機溶媒、有機溶液、油水混合の懸濁液、スラリー等である。スラリーとは、特に限定されるものではなく、固形物が液体中に分散している状態のものを示す。
【0027】
本発明に係る気体とは、特に限定されるものではなく、酸素含有ガス、水素、水蒸気、有機蒸気、及び/または二酸化炭素等の純物質、或いはそれらの混合物が示される。
【0028】
また、液体が連続相を形成した流れとは、一般的には液体が下方から上方へ流れるものであるが、これに限らず、例えば上方から下方へ流れるものも含まれる。要するに、液体が連続相を形成し得る限り任意の流れ方向が含まれる。本発明は、液体が下方から上方に流れる系に適用することが好ましい。その理由は、液体が上方から下方に流れる場合に比べて圧力損失を小さく設定できるからである。なお、液体を下方に流す場合では分散板における液体のフラッディングが生じない範囲の液体流量かつ気体流量ならば本分散板を適用できる。液体を下方に流す場合は、気体と液体が向流で流れるので、並流になる場合(液体と気体がそれぞれ上方に流れる場合)と比べて、反応操作、吸収操作、等の処理効率面で有利な場合がある。本発明の気液分散装置及び気液接触装置では、液導通管では液流路が独立しているのでフラッディングが生じにくく操作範囲を広くとれるので気液向流にも適している。
【0029】
本発明の気液分散装置を設置する気液流路の相当内径は特に限定されるものではないが、好ましくは相当内径が5mm以上、さらに好ましくは相当内径が10mm以上、最も好ましくは50mm以上である。相当内径が5mm以下の場合は単孔板の孔径が小さすぎて加工が困難であり好ましくない。また、相当内径が10mm以下の場合は多孔板の孔径が小さすぎて均一な加工が困難で分散上好ましくない。上限については物理的に制作可能ならば特に限定しない。
【0030】
本発明に係る気液接触装置とは、特に限定されるものではなく、液体が連続相を形成し、気体が上向きに流れる系であることを条件とする。具体的には、化学プラント,めっき設備,食品設備,医薬品製造設備,紙パルプ製造設備,染色染料工業設備,ガラス製造設備,写真処理設備,発電設備等の各種分野において、気体と液体を接触させ、反応操作,放散操作,吸収操作,吸着操作等を行う装置を示す。さらに具体的には、気泡塔,充填塔,多管式熱交換器,多管式反応器等の装置が示される。上記気泡塔では反応操作,吸収操作,放散等の各操作が行われる。また上記充填塔では、本発明に係る充填物を充填し、反応,吸収,放散等の操作が行われる。また上記多管式熱交換器では、熱交換操作、場合によっては反応操作、また、多管式反応器では熱交換と反応操作が同時に行われる。
【0031】
上記反応操作における反応とは、特に限定されるものではないが、有機物の酸化,無機物の酸化,有機及び無機物の酸化,還元反応,水素付加反応等の種々の反応が挙げられる。さらに、本発明は、触媒反応、触媒を用いない反応、酵素や菌類等の微生物による反応等、様々な反応に適用することができる。特に、気液接触の向上が反応率向上に有効に働くような場合や、スラリー状の触媒や菌体等、固定床の触媒や菌体等の固体と気液との接触の向上が反応率向上に有効に働くような場合に有効である。
【0032】
本発明において充填物とは、特に限定されるものではないが、例えば、固体触媒,吸着材,分散材,充填材等が示され、それぞれ本発明を適用する用途に応じて選択される。上記固体触媒は特に限定されるものではないが、湿式酸化法を例に取り説明すると、例えば、チタン,鉄,アルミニウム,ケイ素,ジルコニウム,活性炭,マンガン,コバルト,ニッケル,タングステン,銅,セリウム,銀,白金,パラジウム,ロジウム,金,イリジウム,ルテニウム等の少なくとも1種の金属、またはこれらの金属化合物からなる成分を含有する触媒が示される。また、固体触媒としては、第1成分として上記チタン,鉄,アルミニウム,ケイ素,ジルコニウム,活性炭を選択することが好ましく、この第1成分の他に第2成分としてマンガン,コバルト,ニッケル,タングステン,銅,セリウム,銀,白金,パラジウム,ロジウム,金,イリジウム,ルテニウム等を含有することができる。また、吸着材としては、活性炭,イオン交換樹脂等の各種樹脂,チタニアやジルコニア等のセラミックス等を用いることができ、その形状もペレット状,球状,粒状,リング状,ハニカム状等がある。
【0033】
また、分散材、充填材としては、金属,樹脂,セラミックス等を用いることができ、その形状もペレット状,球状,粒状,リング状(ラヒシリング,ボールリング等),ハニカム状,網状,網や板を織物構造に成形したもの等がある。
【0034】
このような充填物は支持枠を用いて支持することが好ましく、その構成については特に限定されるものではないが、触媒等の充填物を支持枠上で固定できるものであって、気体と液体の双方を流すことのできるものであればよい。また、支持枠は、充填物を支えるに十分な強度を有するものであれば、その開口率は大きいほど好ましく、気液を抵抗少なく充填物へ供給することができる。支持枠を構成する場合、格子状のグリッド,多孔板,波形の多孔板等を用いることができる。充填物の大きさ、形状によって異なるが、具体的には、充填物の重量を支持するに十分な強度を有する格子状のグリッドを本体のサポートリングに取り付け、そのグリッド上に充填物落下防止のための金網または多孔板を配置することが好ましい。より好ましくは、グリッドを井桁状に構成することである。なぜなら、金網の場合にはその下を滑りながら気体が移動することがあるが、井桁に構成するとその気体の移動を抑止して気液を均等に支持枠上の充填物に供給することができるからである。なお、支持枠と多孔板とを一体にすれば、構造が単純になるため好ましい。
【0035】
また、支持枠上に充填物を配置する方法については特に限定されず、直接載置してもよく、また、触媒以外の充填物を気体流路上流側に設置し、下流側に触媒を設置してもよい。さらに、触媒の気体流路下流側には、触媒の飛散を防止するため、触媒以外の重量充填物を設置したり、金網を敷設することが好ましい。
【0036】
本発明に係る廃水処理装置は、廃水を酸素含有ガスの供給下で処理するような種々の廃水処理装置、例えば湿式酸化法またはオゾン酸化法等を利用する廃水処理装置に適用することができる。
【0037】
また、本発明における酸素含有ガスとは、酸素分子およびオゾンを含有するガスであり、オゾンおよび酸素等のガスを用いる場合には、適宜不活性ガス等により希釈して用いることができる。また、酸素富化ガスを使用することもでき、これらのガス以外にも他のプラントより発生する酸素含有の排ガスも使用することができる。しかしながら、最も好ましくは価格が安価である空気である。
【0038】
また、本発明に係る廃水は、特に限定されるものではなく、種々の廃水を含むものである。例えば化学プラント、食品加工設備、金属加工設備、金属めっき設備、医薬品製造設備、紙パルプ製造設備、染色染料工業設備、ガラス製造設備、発電設備、印刷製版設備、写真処理設備等の各種産業プラントから排出される廃水、または一般家庭から排出される汚水や尿廃水等である。
【0039】
本発明の気液分散装置または気液接触装置の効果的な用途としては、廃水の処理が挙げられる。例えば、湿式酸化処理による廃水処理、オゾン酸化処理による廃水処理、吸着材を用いた廃水処理に好適である。上記湿式酸化処理に関しては、固体触媒及び/または吸着材を用いるもの、均一触媒を用いるもの、及び触媒を用いないものが示される。また、上記オゾン酸化処理に関しても同様に、固体触媒及び/または吸着材を用いるもの、均一触媒を用いるもの、及び触媒を用いないものが示される。
【0040】
その処理の中でも特に効果的なものとしては湿式酸化処理による廃水処理およびオゾン酸化処理による廃水処理である。これらの廃水処理は、酸素含有ガスを用いて廃水中の有害物質を酸化分解処理するものであるため、廃水と酸素含有ガスとの気液分散および気液接触が向上すれば、処理性能が高まるという効果が得られる。特に、固体接触および/または吸着材を用いた湿式酸化処理もしくはオゾン酸化処理では、固体触媒層もしくは吸着材層での酸素含有ガスの気液分散および気液接触を高めることが重要となる。そこで、固体触媒および/または吸着材を用いた湿式酸化処理では、処理温度が高く、加圧下で処理が行われることから、本発明の気液分散装置または気液接触装置を適用することが好ましい。
【0041】
湿式酸化とは、廃水を140℃〜370℃に加熱し、その廃水が液相を保持している圧力下で酸素含有ガスを導入し、廃水を浄化する方法である。廃水の処理方法における反応塔での最高温度は、140℃以上370℃未満であり、好ましくは160℃以上300℃未満である。370℃以上では液が液相を保持できないようになり、一方、140℃未満では処理効果が著しく低下し、廃水をほとんど処理することができない。また、300℃以上であると液相を保持するための圧力が極めて高く、そのための設備費及びランニングコストが高くなる。また、160℃未満であると、一般に処理効率が低く廃水の浄化能力が低い。本発明に係る廃水の処理方法における湿式酸化処理の処理圧力は、処理温度との相関性により適宜選択され、液が液相を保持するこのできる圧力で行うものである。
【0042】
次に、本発明の気液分散装置が適用される空塔形式及び充填塔形式における流体の流れについて説明する。
空塔形式では、図1に示すように空塔下部から上部に向けて気体と液体が流れる場合、図2に示すように空塔下部から上部に向けて気体とスラリーが流れる場合、図3に示すように空塔下部から気体を導入し、空塔上部から液体またはスラリーを導入し、導入された気体(液体の一部が含まれることもある)を空塔上部から回収し、導入された液体またはスラリーを空塔下部から回収する場合、及び図4に示すように空塔中間部から液体またはスラリーを導入し、空塔下部から気体を導入し、導入した気体(液体の一部が含まれることもある)を空塔上部から回収し、導入した液体またはスラリーを空塔下部から回収する場合等がある。
【0043】
図1及び図2に示す系は気液並流を示し、図3及び図4に示す系は気液向流を示している。即ち、気体が常に下から上に向けて流れていれば、液体またはスラリーについては連続相を形成するものであればその流れは上向きであっても下向きであってもよい。
【0044】
また、充填塔形式では、図5に示すように塔下部から上部に向けて気体と液体(スラリーを含む)が流れる場合、図6に示すように塔下部から気体を導入し、塔上部から液を導入し、導入した気体(液体の一部が含まれることもある)を塔上部から回収し、導入した液体を塔下部から回収する場合がある。この場合、気体は塔下部から上部に向けて流れるが、液体またはスラリーは連続相である限り、その流れは上向きであっても下向きであってもよい。
【0045】
なお、図6において境界線LEVより上方は気相となり、下方は液の連続相となる。また、上記した図1〜図6において符号A1 及びA2 は一対の多孔板を示し、B1 は衝突板付き単孔板を示し、それぞれ仕切部材を構成するものである。また、Cは触媒等の充填物を支持するためにグリッドを示している。
次に上記仕切部材を構成する各要素について説明する。なお、以下で述べる径については先の説明で定義した相当径を含むものとする。
【0046】
( a) 単孔板
図7( a) に示す単孔板1の開孔率は、通過液量、ガス量、温度、圧力等の影響を受けて範囲から外れることもあるが、孔通過の気体速度が好ましくは0.5〜150m/s、より好ましくは1〜100m/s、最も好ましくは2〜50m/sとなるように設計する。
【0047】
具体的には、図7( a) に示す単孔板1の開孔率は、通過液量、ガス量、温度、圧力等の影響を受けて範囲から外れることもあるが、好ましくは気液接触装置の内径断面積に対し0.005〜30%、より好ましくは0.05〜10%、最も好ましくは0.1〜3%である。孔径D1 は上記開口率に応じて適宜決定される。なお、本発明における単孔板の孔構造は、特に限定されるものではないが、円柱状若しくは円錐台状であることが、製作上容易であることから好ましい。なお、単孔板の孔の位置は、特に限定されるものではないが、単孔板の中心に穿設することが好ましい。
【0048】
( b) 多孔板
図7( b) に示す多孔板2の開孔率は、上記単孔板1における設計と同じ考え方に基づいている。単孔板1と多孔板2の開孔率は異なってもよいし、また、同一としてもよい。孔径D1 は、均一な分散を得るには公差が少なく且つ加工しやすい程度の小さな孔径であることが好ましく、孔数は多いほど好ましい。なお、孔構造については上記単孔板と同様である。
【0049】
詳しくは、多孔板2における最適な開孔率は、気体流量によって異なるが、通過ガス線速が速いほど分散効率が高まる点を考慮すると、孔通過の気体線速が好ましくは0.5〜150m/s、より好ましくは1〜100m/s、最も好ましくは2〜50m/sとなるように設計する。具体的には、多孔板2の開孔率は、通過液量、ガス量、温度、圧力等の影響を受けることにより範囲から外れることもあるが、気液接触装置の内径断面積に対し0.005〜30%の範囲が好ましく、より好ましくは0.05〜10%であり、最も好ましくは0.1〜3%である。
【0050】
上記範囲を超えて開孔率が大きくなるすぎると、気液界面がなくなることになり、上流側の流れの影響を受けたまま気体が多孔板の孔を抜けてしまい、多孔板に偏流が発生する。一方、開孔率が小さくなりすぎると、偏流は解消されるが多孔板での圧力損失が増大してしまう。詳しくは、多孔板2の孔径は小さいほど分散の効率が高まり、また気泡径を小さくできるので、気液接触界面の面積が増大し気液接触効果が高まる。しかしながら、多孔板の孔径が小さすぎるとスラリー等を含む場合に目詰まりを起こす原因となり、加えて孔を穿設するための精密加工も困難になる。従って、多孔板2の孔径または相当孔径については、好ましくは0.1mm〜多孔板径(相当板径)の1/4mm、より好ましくは1mm〜多孔板径(相当板径)の1/10mm、最も好ましくは3mm〜多孔板径(相当板径)の1/20mmである。なお、多孔板2の孔数については多い方が好ましいが、開口率と孔径との関係で決定することができる。なお、各孔径は同一であることが好ましいが、これに限らず、異なる径で構成した場合においても基本的には分散効果を得ることができる。
【0051】
孔の穿設位置については特に限定されるものではないが、全体にできる限り均等に配置することが好ましい。その配置については四角配列であっても三角配列であってもよく、特に限定されない。
【0052】
( c) 衝突板付単孔板
図7( c) に示す衝突板付単孔板3の開孔率は、上記多孔板における設定と同じである。衝突板の径は、小さすぎると気体が衝突せずに上部に抜けてしまい円周方向に分散せず、また、大きすぎると気体が気液接触装置の中央部にうまく分散しない。また、単孔板から上記衝突板までの距離については、長すぎると気体が上部に抜けてしまい、短かすぎると圧損が高まり、気液接触装置の中央部にうまく分散しない。従って、衝突板径(相当板径)D2 /孔径(相当板径)D1 は好ましくは0.5〜10.0、より好ましくは1.0〜5.0、最も好ましくは1.5〜3.0である。
【0053】
衝突板と単孔板の間隔H0 /D1 は好ましくは0.05〜5.0、より好ましくは0.1〜3.0、最も好ましくは0.2〜1.0である。衝突板と単孔板の間隔H0 /D1 を0.25とした場合は、気体が通過する孔を直径とし衝突板までの高さを軸方向長さとする仮想円筒の胴部面積が、孔の面積と等しくなるということを目安とすることができる。なお、孔径、孔形状及び孔の配置については単孔板と同様である。
【0054】
また、衝突板の形状については、特に限定されるものではないが、円周方向への分散効果を期待すると、平円形、平多角形、円錐形、逆円錐形、多角錐形、逆多角錐形等が好ましく、容易に製作できる点を考慮した場合には平円形が好ましい。
【0055】
( d) 衝突板付多孔板
図7( d) に示す衝突板付多孔板4の開孔率は多孔板2に準ずる。D2 /D1 及びH0 /D1 については衝突板付単孔板3における設定と同じである。孔径は多孔板2と同じ設定であり、孔数は0.2個/m2以上が好ましい。なお、孔形状及び孔の配列、位置については多孔板2と同様である。
【0056】
上記構成要素( c) ,( d) において、衝突板の外径D2 と単孔板(多孔板)の貫通孔径D1 との比D2 /D1 が0.5未満になると単孔板(多孔板)の貫通孔を通過した気液流体が衝突板に衝突する割合が100%を下回り、その結果、気液の分散効果が減少するため好ましくない。一方、D2 /D1 が10よりも大きくなると、気液流体が衝突板に衝突し周囲に拡散して衝突板を抜け出し、さらに上方に移動する際、衝突板の外径が大きすぎるためにその上部にデッドゾーンができ、気液接触装置における中心部の気液分散効果を低下させてしまう恐れがある。
【0057】
また、H0 /D1 が0.05未満になると、気液流体が衝突板に衝突して周囲に移動する過程において大きな圧力損失が発生しやすくなり、それにより単孔板(多孔板)および/または衝突板が脈動(波打ち状の振れ)すると、単孔板(多孔板)の疲労破壊につながる可能性があり好ましくない。一方、H0 /D1 を5よりも大きくすると単孔板の貫通孔を通過した気液流体はその貫通孔を通過した直後から扇状に拡散されていく現象を呈するものであるため、衝突板までの距離が大きくなると衝突板の配置における衝突効果が望めない。
【0058】
本発明の気液分散装置を設置する気液流路の相当内径は特に限定されるものではないが、好ましくは相当内径が5mm以上、さらに好ましくは相当内径が10mm以上、最も好ましくは50mm以上である。相当内径が5mm以下の場合は、単孔板の孔径が小さくなりすぎて加工が困難であり好ましくない。また、相当内径が10mm以下の場合は多孔板の孔径が小さくなりすぎて均一な加工が困難となり分散上好ましくない。また、上限については物理的に製作可能ならば特に限定されない。
【0059】
次に、仕切部材における各構成要素の組み合わせについて説明する。説明に際しては、液体と気体の双方が上向きに流れている場合を例に取り説明する。なお、ここでいう液体とはスラリーも含む。
【0060】
(1) 上流側に多孔板、下流側に単孔板を配置した場合
多孔板の孔を通過した気体は、分散装置内を撹拌しつつ上昇し、単孔板の孔を通過する際には、液と気体が同時に連続的に排出される。従って、それぞれの板間は撹拌された状態となり、脈流が低減される。
【0061】
(2) 上流側に単孔板または多孔板、下流側に多孔板を配置した場合
上流側の単孔板または多孔板の孔を通過した気体は、分散装置内を撹拌しつつ上昇し、下流側の多孔板の孔を通過する際には液と気体が同時に連続的に排出される。それぞれの板間は撹拌された状態となり、脈流が低減される。なお、下流側に多孔板を配置しているため、円周方向にも均一に気液が分散される。
【0062】
(3) 上流側に衝突板付単孔板、下流側に多孔板を配置した場合
衝突板付単孔板の孔を通過した気体は、衝突板に衝突して円周方向に分散し、分散装置内を撹拌しつつ上昇し、下流側の多孔板の孔を通過する際には液と気体が同時に連続的に排出される。それぞれの板間は撹拌された状態となり、脈流が低減される。なお、下流側が多孔板であるため、上流側の衝突板の効果により、いっそう円周方向に均一に気液が分散される。
【0063】
(4) 上流側に衝突板付多孔板、下流側に多孔板を配置した場合
衝突板付多孔板の孔を通過した気体は、衝突板に衝突して円周方向に分散し、分散装置内を撹拌しつつ上昇し、下流側の多孔板の孔を通過する際には液と気体が同時に連続的に排出される。それぞれの板間は撹拌された状態となり、脈流が低減される。なお、下流側が多孔板であるため、上流側の多数の衝突板の効果により、いっそう円周方向に均一に気液が分散される。
【0064】
また、上記構成からなる仕切部材のさらに上流側に仕切部材を追加配置すると、気液分散はさらに改善され脈流も減少する。この場合に追加する仕切部材として、衝突板付多孔板または衝突板付単孔板を選択することが好ましい。
【0065】
支持枠上に触媒を充填した本発明の気液接触装置に従えば、触媒内の気液分散が改善され、触媒全体について均一な反応が得られ、反応率が向上する。
気液分散装置を塔内に複数段配置した本発明に従えば、連続多段構成による気液接触を実現することができる。
【0066】
気液分散装置を多管式熱交換器内のチューブ側入口チャンネルに備えた本発明の気液接触装置に従えば、多数の管内それぞれに気体が均等に分散され、それぞれの管内で均等に気液が接触し、それにより熱交換の効率が高まる。
【0067】
また、反応装置内に備えた本発明に従えば、脈流がなく気液が均等に分散して反応に有効な範囲(体積)が増加し、且つ接触状態も改善されるため、反応効率が高まる。さらに、触媒式反応器においても同様に、有効に使われる気液と接触する触媒量が増えるため、反応効率が高まる。
【0068】
気液分散装置を多管式熱交換器型の反応装置内に備えた本発明の気液接触装置に従えば、多数の管内で気体が均等に分散されるため、熱交換の効率が高まり、反応温度の制御幅が広がる。さらに、脈流がなく気液が均等に分散することにより反応に有効な範囲(体積)が増加し、且つ接触状態も改善されるため反応効率が高まる。
【0069】
上記構成を有する気液分散装置または気液接触装置を廃水処理装置に適用した本発明に従えば、廃水中の有機物・無機COD成分に対し均等に酸素含有ガスが供給されるため、高効率で廃水処理が行われる。
【0070】
次に仕切部材における上記各要素の好ましい配置例を図8及び図9に示す。図8は空塔を模式的に示したものであり、同図において多孔板A1 と衝突板付単孔板B1 との間隔H1 は、好ましくは単孔板B1 の孔径の0.5倍以上、塔内径(相当径)の1.5倍以下、より好ましくは単孔板B1 の1倍以上且つ塔内径(相当径)の1倍以下、さらに好ましくは単孔板B1 の2倍以上且つ塔内径(相当径)の0.5倍以下である。また、気液分散装置VA同士の間隔H2 は、特に限定しないが、好ましくは0.3D0 〜10D0 であり、より好ましくは0.5D0 〜5D0 である。ただしD0 は塔内径を示すものとする。
【0071】
上記間隔H2 が大きすぎると、上にいくほど気液の分散が偏流してしまい、有効な気液接触が望めない。また、これとは逆に、小さすぎると、分散装置を同一体積当たり多数個配置することになり、構造が複雑になるため好ましくない。
【0072】
図9は充填塔を模式的に示したものであり、同図において多孔板A1 と衝突板付単孔板B1 との間隔H1 及び気液分散装置VA同士の間隔H2 は、上記空塔の場合に準じる。H2 が大きすぎると、充填層の上部では気液分散効果が少なくなって偏流が生じ、有効に気液(固)接触が行われない。また、小さすぎると、分散装置を多数個配置することになり、構造が複雑になる。
【0073】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した好ましい実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。図10は本発明の気液分散装置を空塔内に配置した例を示したものである。同図において、▲1▼に示す気液接触装置は、分散装置に単独の衝突板付単孔板B1 を上下に2段配置して気液接触させるものであり、▲2▼は分散装置に単独の多孔板A1 を2段配置した気液接触装置であり、▲3▼は多孔板A1 と衝突板付単孔板B1 からなる分散装置VA1 を2組配置した気液接触装置であり、▲4▼は衝突板付単孔板同士B1 ,B2 からなる分散装置VA2 を2組配置したもの、▲5▼は多孔板同士A1 ,A2 からなる分散装置VA3 を2組配置したもの、▲6▼は衝突板付単孔板B1 と多孔板A1 からなる分散装置VA4 を2組配置したものを示している。
【0074】
これら各気液分散装置について常圧にて空気及び水を導入し、脈流評価と分布分散評価を行なった。その結果を表1及び表2にそれぞれ示す。なお、表1は投入空気量を10〜100 [m3/m2h]、投入水量を0 〜10[m3/m2h]とした場合を示し、表2は投入空気量を20〜800 [m3/m2h]、投入水量を0 〜20[m3/m2h]とし、その他の条件については表1と同じにした場合を示している。なお、表1及び2において塔内径は350mmである。また、多孔板については表1と表2で多孔板A1 及び衝突板付単孔板B1 の開孔率を変えている。なお、分散の評価については、評価の高いものからA,B,C,Dの4段階で示している。また、評価するに当たっては、透明な装置を用いて上下左右から目視観察を行なうとともに、装置出口において上昇する空気量について円周方向の分布を調査した。
【0075】
【表1】
【0076】
【0077】
【表2】
【0078】
表1及び表2から分かるように、衝突板付単孔板または多孔板同士の間隔をあけすぎた▲1▼▲2▼では分散効果が悪い。これに対し、衝突板付単孔板同士、多孔板同士、または衝突板付単孔板と多孔板とを所定の間隔で配置した組み合わせた▲3▼,▲4▼,▲5▼,▲6▼では所定の脈流抑制効果と分散効果が得られ、特に▲3▼では分散効果が高い。
【0079】
図11は本発明の気液分散装置を充填塔内に配置した例を示したものである。同図において、▲1▼に示す気液接触装置は衝突板付単孔板B1 の上方にグリッドCを有し、そのグリッドC上に充填物としてのペレット状触媒Dを充填したもの、▲2▼は多孔板A1 の上方にグリッドCを介して触媒Dを充填したもの、▲3▼は多孔板A1 と衝突板付単孔板B1 からなる分散装置VA1 上にグリッドCを介して触媒Dを充填したもの、▲4▼は衝突板付単孔板同士B1 ,B2 からなる分散装置VA2 の上方にグリッドCを介して触媒Cを充填したもの、▲5▼は多孔板同士A1 ,A2 からなる分散装置VA3 の上方にグリッドCを介して触媒Dを充填したものを示している。
【0080】
これら各気液分散装置について常圧にて空気及び水を導入し、脈流評価と分布分散評価を行なった。その結果を表3及び表4にそれぞれ示す。なお、表3は塔内径350mmに対し投入空気量を10〜100 [m3/m2h]、投入水量を0 〜10[m3/m2h]とした場合を示し、表4は塔内径600mmに対し投入空気量を20〜800 [m3/m2h]、投入水量を0 〜20[m3/m2h]とし、その他の条件については表1と同じにした場合を示している。また、多孔板については表1と表2で多孔板A1 及び衝突板付単孔板B1 の開孔率を変えている。
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】
上記表3及び表4において、脈流評価はペレット状触媒における脈流を評価したものであり、分布分散評価は装置円周方向における分散を評価したものである。なお、表中H6 は塔のボトムからの距離を示している。
【0084】
表3及び表4から分かるように、衝突板付単孔板または多孔板のみを配置した▲1▼▲2▼では分散効果が悪い。これに対し、衝突板付単孔板同士、多孔板同士、または衝突板付単孔板と多孔板とを所定の間隔で配置した組み合わせた▲3▼,▲4▼,▲5▼,▲6▼では所定の脈流抑制効果及び分散効果が得られ、特に▲3▼では分散効果が高い。
【0085】
また、▲3▼の構成において、H5 を大きく取ると、触媒支持用のグリッドにて気泡が滑り移動し、分散効果が低下することが確認された。さらに、投入空気量が少ない場合においても、グリッド下部でのすべりが検出され、分散効果が低下することが確認された。
【0086】
図12は本発明の気液分散装置を廃水処理装置に適用した例を示したものである。同図において、▲1▼は反応器内に多孔板A1 及び衝突板付単孔板B1 からなる分散装置と衝突板付単孔板B2 とを配置した構成、▲2▼は比較例として衝突板付単孔板B1 を離間配置した構成、▲3▼は多孔板A1 と衝突板付単孔板B1 からなる分散装置を配置した構成、▲4▼は衝突板付単孔板同士B1 ,B2 を配置した構成を示している。なお、この廃水処理装置ではいずれも触媒Dが充填されている。表5は上記した▲1▼〜▲4▼による処理効率を比較したものである。
【0087】
【表5】
【0088】
表5から分かるように、VA1 の気液分散装置を設置することにより、気液分散と脈流が改善され、▲1▼,▲3▼のように反応処理効率が向上した。
【0089】
また、図13は金網のすべりを防止することができるように本発明の分散装置を配置した例を示したものである。グリッドは同図( a) に示す格子グリッドC1 と、同図( b) に示す井桁グリッドC2 の2種類のものを使用した。
【0090】
▲1▼は多孔板A1 の上方にグリッドC1 を設け、金網Fを介して触媒Dを充填したものを示し、▲2▼は多孔板A1 と衝突板付単孔板B1 からなる分散装置VA1 の上方にグリッドC1 を設け、金網Fを介して触媒Dを充填したものを示し、▲3▼は分散装置を設けていない従来の構成を示している。表6は上記した▲1▼〜▲3▼による脈流評価、分布分散評価を比較したものである。
【0091】
【表6】
【0092】
なお、グリッドの井桁に対し、多孔板の孔を規則的に配置することが好ましく、さらに好ましくは、井桁の各格子内にそれぞれ多孔板の孔が1つ対向するようにグリッドと分散装置とを配置することが好ましい。
【0093】
【表7】
【0094】
図11の気液分散装置を用いて、気体流路の上流側に単孔板B1 、その下流側に多孔板A1 を配置し、2枚の板の間隔の影響を調べた。表7からわかるように、間隔を空けすぎると分散状態、脈流改善の効果が損なわれるが、適切な間隔であると、分散及び脈流の抑制それぞれに効果が得られる。なお、単孔板B1 に代えて衝突板付き単孔板を設けると、表7に示す▲2▼〜▲6▼の条件において衝突板の効果が得られることにより分布分散評価値が若干改善された。
【0095】
【実施例】
以下、図14〜図18に示す気液接触装置に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。
【0096】
同図に示す気液接触装置は、塔9内を液体が連続相を形成して流れ、気体が上向きに流れるものであって、気体及び液体(またはスラリー)を気液分散装置VAの円周方向及び流れ方向に均一に脈流なく分散させるように塔内に分散装置を設けたものである。
【0097】
分散装置VAは、気液流路を遮断するように所定の間隔を空けて仕切部材としての多孔板10及び衝突板付単孔板11を配置したものから構成されている。上記所定の間隔は、多孔板10の孔径の2倍以上であり、且つ塔9内径の1.5倍以下に設定される。多孔板10の上方にはグリッド12を介して触媒13が充填されている。また、衝突板付単孔板11の下方、すなわち気体の流れにおける上流側には第2の衝突板付単孔板110、第3の衝突板付単孔板111がそれぞれ離間配置されている。以下、各部の構成について詳述する。
【0098】
多孔板10は、図15(a)及び(b)に示すように、複数の孔10aを有し、塔内に備え付けることができるように、塔内径に対応する外径を有するとともに分割可能な組部品10b,10c及び10dから構成され、各組部品は図示しないシール材を介してフランジ部10eと10f及び10gと10hをそれぞれ対向させた後、図示しないボルト,ナットを用いて円板に組み立てられるようになっている。上記シール材は、接合部からの気液の漏洩を防止するために設けられるものである。なお、図15に示す多孔板10を上下逆にしても本発明の効果を得ることができる。また、接合面の表面粗さが気密を維持できる程度の精度を有するものであれば、上記シール材を省くこともできる。
【0099】
一方、衝突板付単孔板11は、図16(a)及び(b)に示すように、塔内を流れる気体および液体の流量、流速、密度、塔内径断面積等の諸条件より決定した1つの貫通孔11aが設けられており、その貫通孔11aの直上(気体流れにおける下流側)且つ近傍に、円板状をなし気液の衝突による分散効果を得ることを目的とした衝突板11bが取り付けられている。
【0100】
貫通孔11aの径は、上述した開孔率0.005〜30%に基づいて決められる。また、衝突板11bの形状、外径、厚み、単孔板11c上面からその衝突板11b下面までの距離H0 (図16参照)は、塔内を流れる気体および液体の流量、流速、密度、貫通孔11aにより発生する運動エネルギーおよび圧力損失、塔内径断面積等の諸条件により設定されるが、図16においてH0 についてはH0 /D1 が0.05〜5を満足する範囲内で決定される。なお、符号10iは多孔板10を塔内壁に固定するための固定用孔である。
【0101】
衝突板11bは、気液流体を衝突させることによってその周囲へ分散させることを目的としているため、貫通孔11aを通過して上昇し、その衝突板11bと衝突することができるものであれば任意の形状のものを使用することができる。すなわち、気液流体が衝突することにより運動方向を変化させることのできる構造、形状になっていれば衝突板としての機能を発揮することになる。
【0102】
この衝突板11bは、単孔板11cに対し一定の距離が保たれるように、単孔板11cの貫通孔縁部から上向きに突設された複数本からなる支持棒11dによって固定されている。なお、単孔板11cの外周寄り円周上には衝突板付単孔板11を塔内壁に固定するための固定用孔11eが設けられている。
【0103】
グリッド12は、環状枠12a内に格子状枠12bを配置したものであり、厚さtは、その上に充填される触媒の重量、液圧等を考慮して決定される。グリッド12は、基本的には平鋼等、鋼材を格子状に組んだものを使用することができ、好ましくは井桁状に組み合わせた格子部材を使用することが、部材強度、気液分散効果の保持、双方に効果がある点で好ましい。塔内壁断面の直径と多孔板の孔数にもよるが、井桁のサイズは、その一辺が塔内径に対して好ましくは1/3〜1/500、より好ましくは1/5〜1/100、最も好ましくは1/10〜1/50である。井桁の数は多いほど好ましいが、多すぎると施工が困難になる問題があり、また少なすぎると分散効果を保持することができなくなる。なお、グリッド12の上部には通常、触媒落下防止用の金網19が敷設される。この金網19のメッシュ数は触媒が落下しないサイズのものが使用される。また、グリッド12の厚さはできるだけ低く設計した方がグリッドによる気液分散効果を保持できる。
【0104】
図18は上記した多孔板10及びグリッド12の取付構造を示したものである。同図(a)において、塔9の内壁には所定間隔毎に取付金具14が固着されており、その取付金具14の下面に設けられた貫通孔及び多孔板の固定用孔11eを対向させた状態でボルト15を挿入し、ナット16を螺合させることにより、多孔板10が固定される。また、取付金具13上面にはグリッド12の周縁を掛け、アングル16を用いてそのグリッド12を挟んだ状態で、グリッド12の格子と取付金具13の貫通孔を通してボルト17を挿通し、ナット18を螺合させることにより、グリッド12を塔内壁に固定している。なお、グリッド12上面とアングル下面との間には金網19を挟み込んで固定し、それによりグリッド12上面に金網19を敷き詰めるものとする。
【0105】
気液分散装置VAの多孔板10の上面とグリッド12下面との距離H5 は、0〜1000mmの範囲に設定することが効果的である。これは、1000mm以上の距離だと気液分散装置VAにて分散された効果が薄れた状態でグリッド12に気液が供給され、気液の分散状態がばらついてしまうからである。一方、50mm未満だと気液分散装置VAを分割する際に不都合が生じる。従って、より好ましくは50〜300mmの設定である。この間隔H5 は、気液分散装置VAの分散効果をグリッド12まで維持することができる距離である。
【0106】
また、図18(b)に示すように、多孔板10の上下を逆にすると、グリッド12と多孔板10とを十分近接させた状態で取り付けることができ、距離H5 は10mm程度まで近づけることができる。
【0107】
さらにまた、図18(c)に示すように、多孔板10を取り外す必要がない場合には、グリッド12と多孔板10との距離H5 はほぼゼロにすることができる。
【0108】
図14において容器の最下部から導入された気体と液体は、容器の中心部を上昇し第3の衝突板付単孔板111に到達する。到達した気液の一部は、容器の外壁に沿って下降して循環流を形成し、従来の気液接触を行う。第3の衝突板付単孔板111を通過した気液は、その衝突板によって外周方向に分散されつつ第2の衝突板付単孔板110に到達し、第3の衝突板付単孔板111と同様に循環流を形成し、第3の衝突板付単孔板111と第2の衝突板付単孔板110との間で気液接触を行う。
【0109】
次いで第2の衝突板付単孔板110を通過した気液は、第3の衝突板付単孔板111と同様に作用して気液分散装置VAの衝突板付単孔板11と第2の衝突板付単孔板110との間で気液接触を行う。この段階までの気液接触ではなお脈流が存在している。
【0110】
次いで衝突板付単孔板11を通過した気液は、その衝突板に衝突して円周方向に分散し、分散装置VAを撹拌しつつ上昇し、その下流側に配置されている多孔板10の孔から気体と液体が同時に連続的に噴出される。
【0111】
分散装置VA内は、十分に分散された状態となるため脈流は低減されており、且つ多孔板10から噴出される気液は、気液分散装置VA内に設けられた衝突板の効果により円周方向においても均一に分散される。
【0112】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明の気液分散装置によれば、多孔板及び衝突板付単孔板の貫通孔出口部において撹拌効果が生じ、気体が流れやすい方向に流れるなどの偏流を防止することができる。それにより、分布状態が均一な気液流体を供給することができる。さらに、多孔板の上側に脈流を発生させることなく安定して気液を供給することができる。
【0113】
また、本発明の気液接触装置によれば、気液流体の分布状態を均一にすることができ、且つ偏流を防止することができるため、例えば気液接触装置内壁においてステンレス鋼の防食のために酸素が必要であるような場合であっても安定して酸素を供給することができ、防食効果が高まる。
本発明の廃水処理装置によれば、廃水と酸素含有ガスとの気液分散および気液接触が向上し、処理性能が高まるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を気液並流系に適用する場合を示す模式図である。
【図2】本発明を気液並流系に適用する場合を示す模式図である。
【図3】本発明を気液向流に適用する場合を示す模式図である。
【図4】本発明を気液向流に適用する場合を示す模式図である。
【図5】本発明を充填塔における気液並流に適用する場合を示す模式図である。
【図6】本発明を充填塔における気液向流に適用する場合を示す模式図である。
【図7】本発明の仕切部材の構成要素を示す説明図である。
【図8】本発明を空塔に適用する場合の構成例を示す模式図である。
【図9】本発明を充填塔に適用する場合の構成例を示す模式図である。
【図10】本発明の気液接触装置を空塔に適用した場合を示す模式図である。
【図11】本発明の気液接触装置を充填塔に適用した場合を示す模式図である。
【図12】本発明を廃水処理装置に適用した場合を示す模式図である。
【図13】本発明のグリッドの構成を示す模式図である。
【図14】本発明の実施例に係る気液接触装置の構成を示す縦断面図である。
【図15】同実施例の多孔板の構成を示す説明図である。
【図16】同実施例の衝突板付単孔板の構成を示す説明図である。
【図17】同実施例のグリッドの構成を示す説明図である。
【図18】同実施例の取付構造を示す説明図である。
【符号の説明】
A1 ,A2 多孔板
B1 ,B2 衝突板付単孔板
C1 ,C2 グリッド
D 触媒
VA1 〜VA4 分散装置
9 塔
10 多孔板
10a 孔
11 衝突板付単孔板
11a 貫通孔
11b 衝突板
11c 単孔板
110 第2の衝突板付単孔板
111 第3の衝突板付単孔板
12 グリッド
13 触媒
19 金網
Claims (7)
- 液体が連続相を形成して流れ、気体が上向きに流れる系に配置される気液分散装置において、
気液混相状態が形成される気液流路を遮断するようにして所定の間隔を空けて2枚以上配置される単孔または多孔を有する仕切部材からなり、
該仕切部材の少なくとも一枚が、単一の貫通孔を有しその貫通孔の出口側近傍に衝突板を備えた衝突板付き単孔板、または複数の貫通孔を有しその貫通孔の出口側近傍にそれぞれ衝突板を備えた衝突板付き多孔板で構成されていることを特徴とする気液分散装置。 - 前記気体の流れにおける上流側の仕切部材は、上記衝突板付き単孔板または上記衝突板付き多孔板からなり、前記気体の流れにおける下流側の仕切部材は多孔板からなることを特徴とする請求項1記載の気液分散装置。
- 気体の流れにおける下流側に配置された前記多孔板出口側の面と一体または離間して、充填物を支持する支持枠を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の気液分散装置。
- 前記支持枠上に充填物が充填または載置されていることを特徴とする請求項3記載の気液分散装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の気液分散装置を、容器内に複数段配置したことを特徴とする気液接触装置。
- 液体が連続相を形成して流れ、気体が上向きに流れる系の竪型多管式熱交換器のチューブ側入口部分または反応器内に、請求項1〜3のいずれかに記載の気液分散装置を設けたことを特徴とする気液接触装置。
- 廃水を酸素含有ガスの供給下で処理する廃水処理装置内に、請求項1〜6のいずれかに記載の気液分散装置または気液接触装置を設けたことを特徴とする廃水処理装置。
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