JP3739903B2 - 気液分散装置及び気液接触装置並びに廃水処理装置 - Google Patents

気液分散装置及び気液接触装置並びに廃水処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体と液体または気体とスラリーの気液接触において、気体と液体の分散効率を高めるための気液分散装置及びそれを用いた気液接触装置並びに廃水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、化学プラント,めっき設備,食品製造設備,医薬品製造設備,紙パルプ製造設備,染色染料工業設備,ガラス製造設備,発電設備,写真処理設備等の各種分野において、気液接触装置が用いられている。この種の気液接触装置は、液体が連続相を形成している系において気体と液体を接触させ、反応操作、熱交換操作、放散、吸収操作等を行うようになっている。
【0003】
また、上記気液接触装置の入口部分では、気体と液体の接触を改善することを目的として、気体と液体を十分に分散させる気液分散装置(ディストリビュータとも呼ばれている)が設けられている。具体的には、上記気液分散装置とは、反応器、気泡塔、多管式熱交換器、充填塔等の容器の入口部分において、気体及び/または液体を分散させるため(場合によっては接触させるため)の装置を示す。
【0004】
上記気液分散装置において、気体が連続相の場合は、液体を下方に分散させるタイプのもの、すなわち、スプレーノズル、ノッチトラフタイプ、有堰多孔板、無堰多孔板等が知られており、一方、液体が連続相の場合は、反応器の下部に設置されるスパージャリング,焼結管、或いは気泡塔下部に設けられる多孔板(単孔板)としての多孔オリフィス板(単孔オリフィス板)等が知られている。
【0005】
また、上記多孔板(単孔板)の孔に対し、その気体流路下流側出口に衝突板を取り付けた衝突板付き多孔板(単孔板)も知られている。
【0006】
また、上記気液分散装置及び気液接触装置は、各種設備から排出される廃水の浄化処理設備にも使用されており、例えば、分子状酸素またはオゾンその他の酸素供給源の存在下に湿式酸化することにより、廃水中の有機物、無機COD成分を無触媒または触媒の存在下にて分解し無害な二酸化炭素、水、窒素等に変換し、廃水を浄化することができるようになっている。この場合、廃水中に如何にして酸素を均一に分散させるかが重要となる。
【0007】
このように、液体またはスラリーが連続相を形成し流れていて、気体が上向きに流れるような系においては、気液の分散状態や接触状態を改善する手段として、例えば反応塔では一般的に単純な構造の多孔オリフィス板(以下多孔板と略称する)及び単孔のオリフィス板(以下単孔板と略称する)等が分散装置として使用されている。上記多孔板は、反応塔内に1段で使用されているものもあれば、一定の間隔を空けて複数段配列し、それにより反応塔内を一定容量からなる複数の反応室に区切って連続多段的な反応をさせるものもある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した単純な構造からなる従来の分散装置では、特に気液の入口部分の多孔板については気液の脈流が激しくなり、気体の脈に起因して多孔板を通過する流体中に気体が含まれないときがある。加えて、多孔板の円周方向についても気液の偏流が発生するため、十分な分散状態が得られないという問題もある。その結果、反応装置では反応効率の低下、吸収装置では吸収効率の低下を招き、さらにまた熱交換器においては伝熱効率の低下を招いていた。
【0009】
また、触媒等の充填物を収容した気液接触装置または反応装置の構成としては、( a) 充填物固定用グリッドの下に何も配置せず空塔としている構成、( b) 気液を混相状態で注入せず、反応装置内の底部に設けたガス分散器から気体を注入する構成等が知られている。
【0010】
上記( a) の構成では、反応装置の下部または側部より気体と液体を混相にて注入するものであるため、塔内部に導入された後、浮力により気体のみが流れやすい方向に流れてしまい、偏流を起こす可能性が高い。そして偏流が生じると、充填物固定用グリッドの下方で気液の分布状態が不規則になってしまう。従来、気体流路下流側の充填物自体には、ある程度の気液分散効果があるものの十分でないため、充填物中の気液分散状態及び接触状態が悪化して処理性能が低下することになる。
【0011】
また、充填物固定用グリッド真下での気液分布状態が不規則であると、触媒等の充填物それ自体にある程度の気液の分散能力があるとしても、充填物の圧力損失が小さい場合には、供給される気体が偏流もしくは脈流のまま、直接その充填物に供給されてしまうことになり、充填物に対して均一に気体を作用させることができなくなる。また、これとは逆に、充填物の圧力損失が大きくなった場合では、充填物下部において気体の分散がある程度良好になることが期待できる。しかしながら充填物自体に充填むらが存在するため、空隙率の高い部位では依然として偏流が生じ、実際には均一になり得ない。
【0012】
従って( a) の構成では、充填物中の気体分散及び液体分散が不十分となり、反応性能の低下、副反応等が発生する等の予想外の悪影響が現れる。特に長期的に運転することが常であること、及び充填物の性能を考慮すると、問題がより顕著に現れる。なお、多孔板と充填物固定用グリッドとの距離が離れているため、その間にて偏流を生じ、充填物の性能に影響を及ぼすこともある。
【0013】
また、気体の存在が塔の腐食に影響を与えているような場合、例えば、ステレンレス鋼に対して不動態皮膜の生成に酸素が必要である場合を例に挙げると、偏流によって酸素(または空気)が正常に分散されなくなると、塔内壁及び内蔵部品の保護に必要とされる不動態皮膜の生成が追いつかなくなり、皮膜が破壊されて腐食が進行する恐れがある。
【0014】
また、上記( b) の構成による気液接触装置では、ガス分散器から均等に充填物中に気体を注入することができるが、ガス分散器の構造が複雑で、充填物固定用グリッド真下においては、ガス分散器とグリッドとの距離が離れて気液分散が良好に行われないことがある。さらに、ガス分散器よりも下方では気体が存在しないことになり、また塔までの液配管においても気体が存在しないことになるため、前述したように装置内で腐食が進む恐れがある。加えて、固型分が底部に溜まりやすくなる。また、気体と液体を別々に供給し気体のみがガス分散器に供給された場合は効果的であるが気体と液体を混相で同時にガス分散器に供給することは困難である。
【0015】
また、管内側と管外側で熱交換を行うような多管式気液接触反応装置においては、一般的に、それぞれの管内側部で気液接触を行い反応させているが、全ての管に対し均等に気体を分散させるために、上記( b) のように、ガス分散器のガス吹出し口をそれぞれの管の真下に配置している。ところが、ガス分散器よりも下方では、上記( a) と同様に、腐食及び底部に固形分が残留する問題がある。さらに( b) の構成では、気体と液体を別々に供給しているため、気液混相にて気液接触装置に供給し脈流なく均一な分散を得ることは困難である。
【0016】
さらにまた、廃水浄化処理設備に適用される気液接触装置に関し、分子状酸素またはオゾン等の他の酸素供給源の存在下、廃水を濃縮せず液状態で酸化処理を行なう湿式酸化廃水処理の場合、流体の温度を高め(通常150℃〜320℃)、その液相を保持するために見合った圧力まで高め(通常約5〜210気圧)、廃水中の有機物を酸化させるようになっているが、空塔式反応塔において上記した多孔板を複数段配置した場合でも、十分な分散状態が得られず、処理効率が十分とはいえない。触媒式湿式酸化廃水処理において触媒下部に多孔板を設置した場合であっても高い処理効率を望むことはできない。
【0017】
本発明は以上のような従来の気液接触装置の課題を考慮してなされたものであり、簡単な構造で、気体のみを供給する場合に限らず、気液混相で供給する場合でも、気体の脈流や偏流をなくして空塔入口、触媒等の充填物入口(充填物固定用グリッド下方)に、良好な気液分布状態を発生させることのできる気液分散装置、及び空塔内及び充填層内で良好な気液分布状態と接触状態を発生させることのできる気液接触装置、並びに廃水を酸素含有ガスの供給下にて高効率で処理することのできる廃水処理装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の気液分散装置の第一の形態は、液体が連続相を形成して流れ、気体が上向きに流れる系に配置される気液分散装置において、気液混相状態が形成される気液流路を遮断するようにして配置される多孔板の特定の孔部に、その孔部と連通する状態で気体流路入口側に向けて液導通管を接合し、多孔板を通過しようとする液体をその液導通管に案内することによって通過させ、気体については特定の孔部以外の孔部を通過させることにより分散させるように構成してなることを要旨とする。
【0019】
本発明の気液分散装置の第二の形態は、液体が連続相を形成して流れ、気体が上向きに流れる系に配置される気液分散装置において、気液混相状態が形成される気液流路を遮断するようにして配置される多孔板の外周部に開口を有し、その開口の縁部から垂下される仕切板と流路内壁面とによって液導通路が形成され、多孔板を通過しようとする液体をその液導通路を通じて通過させ、気体については多孔板に形成されている孔部を通過させることにより分散させるように構成してなることを要旨とする。
上記気液分散装置において、液導通管または液導通路の延設長さは10mm以上であり、且つ多孔板の直径の3倍以下であることが好ましい。また、液導通管または液導通路の流路断面積は、液通過線速において0.02m/s以上10m/s以下となるように決めることが好ましい。
【0020】
本発明の気液分散装置は、気液分散装置の気体流路上流側に、衝突板付き単孔/多孔板、または第二の単孔/多孔板が少なくとも1つ備えられていることを要旨とし、衝突板は、単孔/多孔の出口近傍に配置されたものである。
【0021】
本発明の気液接触装置は、気泡塔式気液接触装置の塔内に上記構成を有する気液分散装置を配置したことを要旨とする。上記気泡塔内における気液分散装置の気体流路下流側には、充填物を配置することができる。
【0022】
本発明の別の気液接触装置は、上記構成を有する気液分散装置を、液体が連続相を形成して流れ、気体が上向きに流れる竪型多管式熱交換器のチューブ側入口部分(入口チャンネル)に設けたことを要旨とする。
【0023】
本発明の廃水処理装置は、廃水を酸素含有ガスの供給下にて処理する廃水処理装置内に、上記構成を有する気液分散装置または気液接触装置を設けたことを要旨とする。
本発明において、気液流路の断面形状については特に限定されるものではないが、円形、楕円形または多角形である場合が好ましい。
【0024】
本発明に係る液体とは、特に限定されるものではなく液状の性質を示すものであればよい。すなわち、液、油水の懸濁液、高分子,微粒子,コロイド等の懸濁液、スラリー等が含まれる。詳しくは、水、有機溶媒、水,無機及び有機物質の水溶液、各種廃水、有機溶媒、有機溶液、油水混合の懸濁液、スラリー等である。スラリーとは、特に限定されるものではなく、固形物が液体中に分散している状態のものを示す。
【0025】
本発明に係る気体とは、特に限定されるものではなく、酸素含有ガス、水素、水蒸気、有機蒸気、及び/または二酸化炭素等の純物質、或いはそれらの混合物が示される。
【0026】
また、液体が連続相を形成した流れとは、一般的には液体が下方から上方へ流れるものであるが、これに限らず、例えば上方から下方へ流れるものも含まれる。要するに、液体が連続相を形成し得る限り任意の流れ方向が含まれる。本発明は、液体が下方から上方に流れる系に適用することが好ましい。その理由は、液体が上方から下方に流れる場合に比べて圧力損失を小さく設定できるからである。なお、液体を下方に流す場合では分散板における液体のフラッディングが生じない範囲の液体流量かつ気体流量ならば本分散板を適用できる。液体を下方に流す場合は、気体と液体が向流で流れるので、並流になる場合(液体と気体がそれぞれ上方に流れる場合)と比べて、反応操作、吸収操作、等の処理効率面で有利な場合がある。本発明の気液分散装置及び気液接触装置では、液導通管では液流路が独立しているのでフラッディングが生じにくく操作範囲を広くとれるので気液向流にも適している。
【0027】
本発明の気液分散装置を設置する気液流路の相当内径は特に限定されるものではないが、好ましくは相当内径が5mm以上、さらに好ましくは相当内径が10mm以上、最も好ましくは50mm以上である。相当内径が5mm以下の場合は単孔板の孔径が小さすぎて加工が困難であり好ましくない。また、相当内径が10mm以下の場合は多孔板の孔径が小さすぎて均一な加工が困難で分散上好ましくない。上限については物理的に制作可能ならば特に限定しない。
【0028】
本発明に係る気液接触装置とは、特に限定されるものではなく、液体が連続相を形成し、気体が上向きに流れる系であることを条件とする。具体的には、化学プラント,めっき設備,食品設備,医薬品製造設備,紙パルプ製造設備,染色染料工業設備,ガラス製造設備,写真処理設備,発電設備等の各種分野において、気体と液体を接触させ、反応操作,放散操作,吸収操作,吸着操作等を行う装置を示す。さらに具体的には、気泡塔,充填塔,多管式熱交換器,多管式反応器等の装置が示される。上記気泡塔では反応操作,吸収操作,放散等の各操作が行われる。また上記充填塔では、本発明に係る固形材を充填し、反応,吸収,放散等の操作が行われる。また上記多管式熱交換器では、熱交換操作、場合によっては反応操作、また、多管式反応器では熱交換と反応操作が同時に行われる。
【0029】
上記反応操作における反応とは、特に限定されるものではないが、有機物の酸化,無機物の酸化,有機及び無機物の酸化,還元反応,水素付加反応等の種々の反応が挙げられる。さらに、本発明は、触媒反応、触媒を用いない反応、酵素や菌類等の微生物による反応等、様々な反応に適用することができる。特に、気液接触の向上が反応率向上に有効に働くような場合や、スラリー状の触媒や菌体等、固定床の触媒や菌体等の固体と気液との接触の向上が反応率向上に有効に働くような場合に有効である。
【0030】
本発明において充填物とは、特に限定されるものではないが、例えば、固体触媒,吸着材,分散材,充填材等が示され、それぞれ本発明を適用する用途に応じて選択される。上記固体触媒は特に限定されるものではないが、湿式酸化法を例に取り説明すると、例えば、チタン,鉄,アルミニウム,ケイ素,ジルコニウム,活性炭,マンガン,コバルト,ニッケル,タングステン,銅,セリウム,銀,白金,パラジウム,ロジウム,金,イリジウム,ルテニウム等の少なくとも1種の金属、またはこれらの金属化合物からなる成分を含有する触媒が示される。また、固体触媒としては、第1成分として上記チタン,鉄,アルミニウム,ケイ素,ジルコニウム,活性炭を選択することが好ましく、この第1成分の他に第2成分としてマンガン,コバルト,ニッケル,タングステン,銅,セリウム,銀,白金,パラジウム,ロジウム,金,イリジウム,ルテニウム等を含有することができる。また、吸着材としては、活性炭,イオン交換樹脂等の各種樹脂,チタニアやジルコニア等のセラミックス等を用いることができ、その形状もペレット状,球状,粒状,リング状,ハニカム状等がある。
【0031】
また、分散材、充填材としては、金属,樹脂,セラミックス等を用いることができ、その形状もペレット状,球状,粒状,リング状(ラヒシリング,ボールリング等),ハニカム状,網状,網や板を織物構造に成形したもの等がある。
【0032】
このような充填物は支持枠を用いて支持することが好ましく、その構成については特に限定されるものではないが、触媒等の充填物を支持枠上で固定できるものであって、気体と液体の双方を流すことのできるものであればよい。また、支持枠は、充填物を支えるに十分な強度を有するものであれば、その開口率は大きいほど好ましく、気液を抵抗少なく充填物へ供給することができる。支持枠を構成する場合、格子状のグリッド,多孔板,波形の多孔板等を用いることができる。充填物の大きさ、形状によって異なるが、具体的には、充填物の重量を支持するに十分な強度を有する格子状のグリッドを本体のサポートリングに取り付け、そのグリッド上に充填物落下防止のための金網または多孔板を配置することが好ましい。より好ましくは、グリッドを井桁状に構成することである。なぜなら、金網の場合にはその下を滑りながら気体が移動することがあるが、井桁に構成するとその気体の移動を抑止して気液を均等に支持枠上の充填物に供給することができるからである。なお、支持枠と多孔板とを一体にすれば、構造が単純になるため好ましい。
【0033】
また、支持枠上に充填物を配置する方法については特に限定されず、直接載置してもよく、また、触媒以外の充填物を気体流路上流側に設置し、下流側に触媒を設置してもよい。さらに、触媒の気体流路下流側には、触媒の飛散を防止するため、触媒以外の重量充填物を設置したり、金網を敷設することが好ましい。
【0034】
本発明に係る廃水処理装置は、廃水を酸素含有ガスの供給下で処理するような種々の廃水処理装置、例えば湿式酸化法またはオゾン酸化法等を利用する廃水処理装置に適用することができる。
【0035】
また、本発明における酸素含有ガスとは、酸素分子およびオゾンを含有するガスであり、オゾンおよび酸素等のガスを用いる場合には、適宜不活性ガス等により希釈して用いることができる。また、酸素富化ガスを使用することもでき、これらのガス以外にも他のプラントより発生する酸素含有の排ガスも使用することができる。しかしながら、最も好ましくは価格が安価である空気である。
【0036】
また、本発明に係る廃水は、特に限定されるものではなく、種々の廃水を含むものである。例えば化学プラント、食品加工設備、金属加工設備、金属めっき設備、医薬品製造設備、紙パルプ製造設備、染色染料工業設備、ガラス製造設備、発電設備、印刷製版設備、写真処理設備等の各種産業プラントから排出される廃水、または一般家庭から排出される汚水や尿廃水等である。
【0037】
本発明の気液分散装置または気液接触装置の効果的な用途としては、廃水の処理が挙げられる。例えば、湿式酸化処理による廃水処理、オゾン酸化処理による廃水処理、吸着材を用いた廃水処理に好適である。上記湿式酸化処理に関しては、固体触媒及び/または吸着材を用いるもの、均一触媒を用いるもの、及び触媒を用いないものが示される。また、上記オゾン酸化処理に関しても同様に、固体触媒及び/または吸着材を用いるもの、均一触媒を用いるもの、及び触媒を用いないものが示される。
【0038】
その処理の中でも特に効果的なものとしては湿式酸化処理による廃水処理およびオゾン酸化処理による廃水処理である。これらの廃水処理は、酸素含有ガスを用いて廃水中の有害物質を酸化分解処理するものであるため、廃水と酸素含有ガスとの気液分散および気液接触が向上すれば、処理性能が高まるという効果が得られる。特に、固体接触および/または吸着材を用いた湿式酸化処理もしくはオゾン酸化処理では、固体触媒層もしくは吸着材層での酸素含有ガスの気液分散および気液接触を高めることが重要となる。そこで、固体触媒および/または吸着材を用いた湿式酸化処理では、処理温度が高く、加圧下で処理が行われることから、本発明の気液分散装置または気液接触装置を適用することが好ましい。
【0039】
湿式酸化とは、廃水を140℃〜370℃に加熱し、その廃水が液相を保持している圧力下で酸素含有ガスを導入し、廃水を浄化する方法である。廃水の処理方法における反応塔での最高温度は、140℃以上370℃未満であり、好ましくは160℃以上300℃未満である。370℃以上では液が液相を保持できないようになり、一方、140℃未満では処理効果が著しく低下し、廃水をほとんど処理することができない。また、300℃以上であると液相を保持するための圧力が極めて高く、そのための設備費及びランニングコストが高くなる。また、160℃未満であると、一般に処理効率が低く廃水の浄化能力が低い。本発明に係る廃水の処理方法における湿式酸化処理の処理圧力は、処理温度との相関性により適宜選択され、液が液相を保持するこのできる圧力で行うものである。
【0040】
次に、本発明の気液分散装置の各構成要素である( a) 液導通路、( b) 多孔板、( c) 衝突板付き単孔/多孔板、( d) 第二の単孔/多孔板についてそれぞれ説明する。
【0041】
( a) 液導通路
( a−1) 第一の形態
まず、液導通路を液導通管で構成する場合、その断面形状は、円、楕円、多角形等で形成することができ、さらに、液導通管は、内径が一定であってもよく、拡径するものであってもよく、また、縮径するものであってもよい。なお、液導通管は、施工上は円管で構成することが好ましいが、これに限らず平板を加工したもの、波板等の曲げ加工を施したものを使用することもできる。
【0042】
このような構成の液導通管は、気液流路を形成する容器内壁から離れた位置に配置されるとともに、多孔板に形成されている貫通孔と連通した状態でその多孔板に接合される。それにより、気液の流れは液導通部(液導通管)と気体分散部(液導通管を除く多孔板)とに分割される。その気体分散部では、多孔板の下方に気相が形成され、多孔板の各貫通孔から気体が液中に分散される。
【0043】
なお、液導通管と連通する貫通孔は気体分散用の孔を利用してもよいが、分散効率を考慮するならば、気体分散用の貫通孔とは別に設け、且つ液導通用の貫通孔についてはその開口率を、気体分散用の貫通孔の開口率よりも大きくすることが好ましい。なぜなら、多孔板上における液導通部の占有面積を少なくして気体分散部の領域を広く取れるからである。
【0044】
液導通部を除く気体分散部では、多孔板の貫通孔から気体が吹き出す時に圧力損失が生じ、この圧損水柱分だけ多孔板下方にガス溜まりができる。従って、良好な気液分散を得るためには、液導通管の延設長さをその圧損水柱分以上にする必要がある。なお、液導通管の延設長さが長すぎることについては機能上は特に問題はないものの、装置コストが高くなる、液導通管の補強方法が複雑になる、加えて仕切板下端から上位にある範囲の液が滞留してしまうという不都合がある。一方、液導通管の延設長さが短すぎると、気体分散部の気液界面が液導通管下端より下位に形成されてしまい液導通路内に気体が侵入する。従って、液導通管の延設長さは所定の範囲に設定する必要がある。
【0045】
液導通管の延設長さは、具体的には10mm以上且つ多孔板の直径の3倍以下であることが好ましく、より好ましくは、20mm以上且つ1倍以下であり、最も好ましくは30mm以上且つ0.5倍以下である。
【0046】
ここで述べる相当径とは、断面の形状の全辺長を4で除した数値を示す。例えば、1辺1000mmの正方形においては1000×4 /4 =1000mmとなり、相当径は1000mmである。以下特に断りのない場合、径、内径、直径の意味には相当径も含まれる。
【0047】
次に、液導通管の相当径と数の関係について説明する。液体の通過線速が大きすぎると液導通路におけるガスの通り抜けが起こりやすくなり圧力損失も大きくなる。一方、これに対し、液体の通過線速が小さすぎると全体に占める液導通管の割合が多くなりすぎることになり、気体の分散効率が低下する。よって相当径と数を決めるにあたっては、液体の通過線速が0.02以上10m/s 以下、より好ましくは0.05以上5m/s 以下、最も好ましくは0.1以上2m/s 以下である。
【0048】
また、液導通管の数については多孔板につき少なくとも1本以上、且つ200 本/ 1m2以下とすればよく、液導通管相当径は、多孔板の孔径以上且つ容器本体直径または相当径の0.6倍以下であることが好ましく、より好ましくは多孔板の孔径または相当径の3倍以上且つ容器本体直径または相当径の0.3倍以下である。なお、液導通管の先端部は、ガスがその液導通管内に多くバイパスしないようにエルボ状やL字状に折り曲げるか、または傘状のカバーを取り付けることが好ましい。
【0049】
( a−2) 第二の形態
次に液導通路を仕切板と流路内壁面とで構成する場合について説明する。
多孔板の外周部分に取り付けられる仕切板は、多孔板の外周部分に形成される開口の縁部から気体流路入口側に向けて延設されるようになっており、容器内壁面との間で仕切られた液導通部を形成するものである。例えば、容器横断面が円であって仕切板が平板である場合には、その液導通部の流路断面は弓形となり、また、仕切板が容器と同心円上に配置される筒である場合には、容器内壁との間に円環状の液導通部が形成される。なお、仕切板は延設方向において、容器内壁面と平行であってもよく、また、裾広がりであってもよく、さらにまた、裾が細まるものであってもよい。また、仕切板は施工が容易である点で平板が好ましいが、平板に限らず、例えばプレス成形によって湾曲板または波板に加工したものを使用することもできる。
【0050】
なお、液導通路と連通する多孔板の開口は、気体分散用の貫通孔を利用することも可能であるが、分散効率を考慮するならば、気体分散用の貫通孔とは別に開口を設け、且つ液導通用の貫通孔についてはその開口率を、気体分散用の貫通孔の開口率よりも大きくすることが好ましい。なぜなら、多孔板上における液導通部の占有面積を少なくして気体分散部の領域を広く取れるからである。液導通路の相当径と数は、液導通管の場合と同様にして決められるが、少なくとも1以上設けることとする。
【0051】
液導通路を除く気体分散部では、液導通管の場合と同様に、多孔板の貫通孔から気体が吹き出す時に圧力損失が生じ、この圧損水柱分だけ多孔板下方にガス溜まりができる。従って、良好な気液分散を得るためには、仕切板の延設長さをその圧損水柱分以上にする必要がある。なお、仕切板の延設長さが長すぎることについては機能上は特に問題はないものの、装置コストが高くなる、仕切板の補強方法が複雑になる、加えて仕切板下端から上位にある範囲の液が滞留してしまうという不都合がある。一方、仕切板の延設長さが短すぎると、気体分散部の気液界面が仕切板下端より下位に形成されてしまい液導通路内に気体が侵入する。従って、仕切板の延設長さは所定の範囲に設定する必要がある。
仕切板の延設長さについては上記液導通管と同様であり、10mm以上且つ多孔板の直径の3倍以下である。
【0052】
また、上述した仕切板下端近傍には気体よけのための邪魔板を配置することが好ましい。すなわち、液導通部下方では気液が混相状態で存在しており、気体がその液導通路をバイパスしていく場合があり、状況、程度により気液接触に悪影響を与える。これを防ぐために液導通路の入口近傍に気体よけのための邪魔板を設置するのが好ましい。邪魔板の形状は特に限定するものではないが、気体がその液導通路内に侵入しないように、液導通路入口を覆うことができる形状が好ましい。その形状とは、例えば板状や曲げ板状のものが使用できる。
【0053】
液導通路の入口から邪魔板まで間隔は、2mm以下にすると施工上難しいだけでなく液導通路入口から邪魔板までの流路断面積が減少することにより液線速が増して圧力損失が増える。結果として気体分散部の気体溜りの高さが減少し分散性能が低下するので好ましくない。加えて目詰まりが起こる恐れがある。一方、上記間隔が液導通路相当径の3倍を超えると、邪魔板に衝突して一旦、液導通部から遠ざかった気体が、再び液導通路に戻る恐れがあり好ましくない。従って、液導通路の入口から邪魔板まで間隔は、2mm以上且つ液導通部相当径の3倍以下が適切であり、より好ましくは5mm以上液導通部相当径の1.5倍以下、最も好ましくは8mm以上液導通部相当径の1倍以下である。
【0054】
( b) 多孔板
多孔板における最適な開口率は気体流量によって異なるものであり、多孔板における通過ガス線速が速いほど分散効率が高まる。通過ガス線速が遅くなると多孔板下方のガス溜りが減少し多孔板を通過するガスに偏流が発生する。さらに遅くなると気液界面が上昇してガス溜りがなくなり、多孔板に大きな偏流が発生する。一方、通過ガス線速が速くなると、多孔板下方の気液界面が液導通路の下端を超えて下がるため、気体が液導通路内をバイパスするという不都合が生じる。
【0055】
従って、多孔板の開口率の設定は、ガスが多孔板の孔を通過するときの圧損液柱が液導通部の長さ以下になるように、多孔板下方のガス溜りの高さが適度に保たれるように開口率を設定する必要がある。
【0056】
多孔板における貫通孔のガス通過線速は、好ましくは0.5〜150m/s 、より好ましくは1〜100m/s 、最も好ましくは2〜60m/s である。具体的には、通過液量、ガス量、温度、圧力等の影響を受けて範囲から外れることもあるが、多孔板の開口率は、容器の内径断面積に対し0.005〜30%の範囲が好ましく、より好ましくは0.05〜10%であり、最も好ましくは0.1〜3%である。
【0057】
また、貫通孔の孔径は小さいほど分散の効率が高まるが、小さすぎるとスラリー等を含む場合に目詰まりを起こす原因となり、加えて貫通孔を穿設するための精密加工も困難になる。従って、多孔板の貫通孔の孔径については、好ましくは0.1mm〜多孔板径(相当板径)の1/4mm、より好ましくは1mm〜多孔板径(相当板径)の1/10mm、最も好ましくは3mm〜多孔板径(相当板径)の1/20mmである。なお、多孔板上の貫通孔数については多い方が好ましいが、開口率と孔径との関係で決定することができる。なお、本発明における多孔板の孔通路構造は、特に限定されるものではないが、製作が容易である点で円柱状もしくは円錐台状が好ましい。また、各貫通孔の径は同一であることが好ましいが、これに限らず、異なる径で構成した場合においても基本的に同じ分散効果を得ることができる。
【0058】
なお、以下の説明において、多孔板に液導通部と気体分散部とが形成されている気液分散装置を特に液導通路付き気液分散装置と呼ぶ。単に気液分散装置と記載する場合は、上記液導通路付き気液分散装置、及び下記の衝突板付き単孔/多孔板または第二の単孔/多孔板が付加されている液導通路付き気液分散装置を総称するものとする。
【0059】
( c) 衝突板付き単孔/多孔板
衝突板の径については、小さすぎると気体が衝突せずに上部に抜けてしまい円周方向に分散せず、また、大きすぎると気体が液導通路付き気液接触装置の中央部にうまく分散しない。よって衝突板径D2 (相当板径)/孔径D1 (相当孔径)は0.5〜10.0が好ましく、より好ましくは1.0〜5.0であり、最も好ましくは1.5〜3.0である。また、単孔板/多孔板から衝突板までの距離については、長すぎると気体が上部に抜けてしまい、短すぎると圧損が高まり、気液接触装置の中央部にうまく分散しない。従って、衝突板と単孔板/多孔板との間隔H0 は孔径D1 (相当孔径)の0.05〜5倍が好ましく、より好ましくは0.1〜3倍であり、最も好ましくは0.2〜1である。衝突板と単孔/多孔板の間隔H0 /孔径D1 (相当孔径)=0.25とすると気体が通過する孔を直径とした仮想円筒の側面積が、孔の面積と等しくなるので設計の目安とすることができる。
【0060】
また、上記衝突板付き単孔/多孔板には、液体と気体の双方が通過することになるため、その開孔断面積は多孔板のそれよりも大きくする必要がある。そして、液導通路下端から衝突板付き単孔/多孔板までの距離は、多孔板の孔径の0.5倍以上且つ装置内径の1.5倍以下が好ましく、より好ましくは1倍以上且つ1倍以下であり、最も好ましくは2倍以上且つ0.5倍以下である。なお、上記距離が孔径の0.5倍を下回ると、液導通路に振動が発生し、気液界面が不安定となり、また、距離が装置内径の1倍を超えると、衝突板付き単孔/多孔板より上方に気体分散の不確実な状態が生まれ、湿式酸化において酸化被膜が剥がれ、それにより腐食の原因となる。さらには気液分散も悪くスペースの無駄となる。
【0061】
( d) 第二の単孔/多孔板
第二の単孔/多孔板の構成は、上記した多孔板と基本的に同一である。ただし、液導通路は備えていない。
【0062】
上記の如く構成された本発明の液導通路付き気液分散装置に従えば、液体の存在下で気体が下方から上方へ流れる系において気液が供給されると、その装置の入口側に気相が蓄積形成されて気液の脈流を抑止する緩衝部として作用し、液体は液導通路を介して通過し、気体は液導通路を除く多孔板の各貫通孔から通過してそれらの孔出口にて撹拌効果を生じ、それにより、気液が均一に分散される。
【0063】
液導通路付き気液分散装置に衝突板付き単孔/多孔板を付加した本発明に従えば、分散効果がさらに高められるとともに、気液の脈流抑止効果も高まる。なお、この構成では、液導通路付き気液分散装置下方に第二の多孔板を備えたものよりもガスの流れが安定しているため好ましい。衝突板付き単孔/多孔板によれば、下方から上昇してその貫通孔を通過したガスが円周方向に拡散されるため、その上方(気体流路下流側)に配置された液導通路付き気液分散装置における入口部分での気相状態が安定する。
【0064】
気泡塔式気液接触装置の塔内に上記構成を有する気液分散装置を1以上設けた本発明に従えば、脈流がなく均一な気液分散が安定的に得られ、且つ液導通路付き気液分散装置の上流側及び下流側との間で液の往来がなく、それにより液は一方向のみに安定して流れることができ、良好な気液接触が得られる。また、気液分散装置を塔内に複数配置した構成では、連続多段構成による気液接触を実現することができる。
【0065】
気泡塔内に充填物を配置した本発明に従えば、充填物内の気液分散が改善され、その充填物が触媒である場合には、気液固接触が改善され、触媒全体について均一な反応が得られ、有効に使われる気液と接触する触媒量が増えるため、反応率が向上する。
【0066】
竪型多管式熱交換器に気液分散装置を設けた本発明に従えば、多数の管内それぞれに気体が均等に分散されるため、それぞれの管内で均等に気液が接触し、熱交換の効率が高まる。それぞれの管に均等に気体を分散できるので管の一部に過剰に気体が供給されたり、不足することがなく一部の管の過熱や濃縮による腐食や析出、汚れ、詰まり等による伝熱効率の低下や運転面の不都合も防止できる。例えば空気と塩の水溶液を加熱する系では過剰に供給された空気により蒸発が促進され液が過剰に濃縮されるので析出、汚れ、詰まりが起こりやすいので本発明の気液分散装置が有効である。また、液導通路付き気液分散装置を多管式熱交換器型の反応装置に備えた気液接触装置では、多数の管内で気体が均等に分散されるため、熱交換の効率が高まり反応温度の制御幅が広がる。さらに脈流がなく気液が均等に分散して反応に有効な範囲(体積)が増加し、且つ接触状態も改善されるため、反応効率が高まる。
廃水処理装置内に気液分散装置を設けた本発明に従えば、廃水中の有機物・無機COD成分に対し均等に酸素含有ガスが供給されるため、高効率で廃水処理が行われる。
【0067】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した好ましい実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。図1(a)は本発明の液導通路付き気液分散装置の基本構成を例示した平面図であり、図1(b)はその正面断面図を示したものである。同図に示す液導通路付き気液分散装置Aは、液体が連続相を形成して流れ、気体が上向きに流れる系に配置されるものであって、気体及び液体(またはスラリー)を気液分散装置の円周方向及び流れ方向に均一に脈流なく分散させるように構成したものである。
【0068】
その基本構成は、気液流路を遮断するように多孔板10を配置し、その多孔板10には複数の孔h1 〜h11を有し、且つ特定の孔h2 ,h5 ,h7 ,h10周縁から気体流路入口側に向けて、液導通路としての液導通管10aを突設したものである。
【0069】
図2は上記液導通管10aまわりの拡大断面図であり、気液分散装置Aは気液接触装置の塔内に備え付けることができるように、塔内径に対応する外径を有するとともに分割可能な組部品11,12及び13(図1参照)から構成され、各組部品はシール材20を介してフランジ部11aと12aまたは12aと13aを対向させた後、ボルト31、ナット32を用いて組み立てられるようになっている。
【0070】
上記シール材20は、接合部からの気液の漏洩を防止するために設けられるものであり、その材質は、気液の圧力、温度、流速、PH、耐腐食性を考慮して選定される。なお、接合面の表面粗さが気密を保持できる程度の精度を有するものであれば上記シール材20を省くこともできるが、表面粗さを抑えるための仕上げを行い、且つシール材を使用することが好ましい。
【0071】
この構成の液導通路付き気液分散装置Aを、例えば、液体の存在下で気体が下方から上方へ流れる気泡塔式の気液接触装置に適用すれば、気体及び液体が均一に分散されて流れるようになる。すなわち、液導通路付き気液分散装置Aは、液導通管10の貫通孔h2 ,h5 ,h7 ,h10からは液体を通過させ、その他の多数の孔h1 ,h3 ,h4 ,h6 ,h8 ,h9 ,h11からは気体を通過させることができるようになっている。また、液導通路付き気液分散装置Aの直下(気体流路入口部分)は気相が形成されて気体貯留部となっており、液導通路付き気液分散装置Aを通過する気体と液体に対して脈流を抑止し得る緩衝部として働くようになっている。
【0072】
図3〜図5は上記液導通管10aの変形例を示したものである。図3に示す液導通管10bは入口部をエルボ状に構成したものである。なお、液導通管はエルボ状に限らずエルボの先端を上に向けたJ字状に構成することもできる。ただし、この場合には、装置停止時にそのJ字状部分に液溜りができないよう内径1〜15ミリ程度のウイープホールを設けることが好ましい。
【0073】
図4に示す液導通管10cは、液導通管10c入口部から所定間隔を空けて平板状のキャップ10dを設けたものであり、液導通管10cとそのキャップ10dとは3本の脚10eで接続されている。
【0074】
図5( a) に示す液導通管10fは、図4に示した平板状のキャップ10dの代わりに逆傘状のキャップ10gを設けたものである。なお、キャップ10gは液導通管10fの先端を覆うように配置してもよく、また、キャップ10gには、液溜り防止用として上述した構成のウイープホールを設けることが好ましい。
【0075】
図5( b) に示す液導通管10hは、キャップ状の邪魔板10iの上端が液導通管10fの入口よりも上に位置するものであり、気体のバイパス防止効果がさらに優れている。この場合も邪魔板10iの底部にウイープホールを設けることが好ましい。
【0076】
上記図3〜図5の構成によれば、上昇する気泡が液導通管内へ流れることを抑止することができるため、図2に示す液導通管のみの構成に比べ、液の流れをより均一にすることができるようになる。また、気泡が液導通管に侵入することを防止することができるものであれば、図3〜5の構成に限らず、任意の構成の邪魔板構造を使用することができる。
【0077】
図6は、液導通路付き気液分散装置Aの上方(気体流路下流側)に、充填物としての触媒を配置した構成を示したものである。詳しくは、液導通路付き気液分散装置Aの上方には触媒固定用グリッド(以下グリッドと略称する)40が配設され、このグリッド40上に触媒41が収容支持されている。図中の矢印は気液上昇流を示したものであるが、液については下降流であってもよい。
【0078】
図7は液導通路付き気液分散装置Aと衝突板付き単孔板50とを組み合わせて気液分散装置A1 とし、塔内に複数段配置したものである。この気液接触装置DA1 は、装置底部から気体(ガス)と液体を混相状態で導入し、気体を装置上部から回収するように構成されている。図7以降の図では、気液のノズルを別々に分離して図示してあるが、気液を共通のノズルから供給する、いわゆる気液混相で供給してもよい。出口も同様に混相として共通のノズルから抜出してもよい。
【0079】
衝突板付き単孔板50には、この気液接触装置DA1 内を流れる気体および液体の流量、流速、密度、前段衝突板付き単孔板50に穿設された貫通孔によって発生する運動エネルギーおよび圧力損失、気液接触装置DA1 の内径断面積等の諸条件より決定した貫通孔(基本的には1個形成されていればよいが場合により2個以上の複数個形成することもある)50aが設けられており、その貫通孔50aの直上に、例えば円板状をなし、気液の衝突による分散効果を得ることを目的とした衝突板50bが取り付けられている。
【0080】
貫通孔50aの開口断面積は、衝突板付き単孔板50を設置した気液接触装置DA1 の内径断面積に対して、0.005〜30%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.05〜10%であり、最も好ましい範囲は、0.1〜3%である。但し、これは本実施形態による結果であり、諸条件により範囲を外れる場合もある。
【0081】
また、衝突板50bの形状、外径、厚み、衝突板付き単孔板50上面からその衝突板50b下面までの距離H1 は、上述した気液接触装置DA1 内を流れる気体および液体の流量、流速、密度、その貫通孔50aにより発生する運動エネルギーおよび圧力損失、気液接触装置DA1 の内径断面積等の諸条件により設定される。衝突板50bは、気液流体を衝突させることによってその周囲へ分散させることを目的としているため、貫通孔50aを通過して上昇し、衝突板50bと衝突する位置に貫通孔が形成されていない限り任意の形状のものを使用することができる。すなわち、気液流体が衝突することにより運動方向を変化させることのできる構造、形状になっていれば衝突板としての機能を発揮することになる。
【0082】
このような機能を発揮する衝突板50bは、平板もしくは立体形の形状をしたものが好ましく、より好ましくは、平円板または円錐形もしくは傘形の形状をしたものである。但し、効果を発揮するにはバッフル板50の貫通孔50aの真上に衝突板50bの中心を位置させる必要がある。衝突板50bの形状が円形に近いものは、中心に衝突し周囲に分散された気体および液体がその衝突板50bを抜け出るまでに生じる圧力損失の変化が小さく、換言すれば、流れ易さ、流れにくさを生じずに均等に分散されることになる。
【0083】
この衝突板50bは、通常、衝突板付き単孔板50と一定の距離が保たれるように、前段衝突板付き単孔板50周縁部から上向きに突設された複数本からなる支持棒50cに固定されている。また、衝突板付き単孔板50と衝突板50bとの位置関係は、衝突板付き単孔板50の貫通孔径D1 とその上面から衝突板50b下面までの距離H1 との比H1 /D1 が、0.05〜5.0になるように設定することが好ましく、また、衝突板50bの外径D2 と衝突板付き単孔板50の孔径D1 との比D2 /D1 が、0.5〜10になるよう設定するのが効果的である。より好ましくは、H1 /D1 が、0.1〜3.0になるように設定し、D2 /D1 が、1.0〜5.0になるよう設定することであり、最も好ましくは、H1 /D1 が、0.2〜1.0になるように設定し、D2 /D1 が1.5〜3.0になるよう設定することである。
【0084】
衝突板付き単孔板50の貫通孔径D1 と衝突板付き単孔板50上面から衝突板50b下面までの距離H1 との比H1 /D1 が0.05未満になると、気液流体が衝突板50bに衝突して周囲に移動する過程において大きな圧力損失が発生しやすくなり、それにより衝突板付き単孔板50および/または衝突板50bが脈動(波打ち状の振れ)すると、衝突板付き単孔板50の疲労破壊につながる可能性があり好ましくない。一方、H1 /D1 を5よりも大きくすると衝突板付き単孔板50の貫通孔50aを通過した気液流体はその貫通孔50aを通過した直後から圧力損失が急激に減少し扇状に拡散されていく現象を呈するものであるため、衝突板50bまでの距離が大きくなると衝突板50bの配置における衝突効果が望めない。
【0085】
また、衝突板50bの外径D2 と衝突板付き単孔板50の貫通孔径D1 との比D2 /D1 が0.5未満になると気体の衝突板50bに衝突する割合が少なすぎて気液の分散効果が期待できず、さらに、1.0未満になると衝突板付き単孔板50の貫通孔50aを通過した気液流体が衝突板50bに衝突する割合が100%を下回り、その結果、気液の分散効果が減少するため好ましくない。一方、D2 /D1 が10よりも大きくなると、気液流体が衝突板50bに衝突し周囲に拡散して衝突板50bを抜け出し、さらに上方に移動する際、衝突板50bの外径が大きすぎるためにその上部にデッドゾーンができ、気液接触装置DA1 における中心部の気液分散効果を低下させてしまう恐れがある。なお、本実施形態では気液接触装置DA1 内に、気液分散装置A1 を3段配置したが、これに限らず、それ以下またはそれ以上の段数を配置することもできる。
【0086】
図8に示す気液接触装置DA2 は、上記気液分散装置A1 の流路下流側(上方)に充填物41を配置するとともに、その流路上流側(下方)に前述の図6に示した構成、すなわち気液分散装置Aと充填物41を配置したものである。なお、同図では、気液のノズルを別々に独立させているが、気液を共通のノズルから供給する、いわゆる気液混相供給であってもよい。出口についても混相でもよい。
【0087】
また、液入口を出口に、液出口を入口にすると気液向流接触が可能となる。このような向流の場合では、液のフラッディングを発生しにくくすること、操作範囲を広くする上で衝突板付き単孔/多孔板を外す方が好ましい。
図9に示す気液接触装置DA3 は、図8に示した下側の充填物41に代えて気液分散装置A1 のみを配置したものである。
【0088】
図10に示す気液接触装置DA4 は、複数の貫通孔60aを備えた第二の多孔板60と、その第2の多孔板60の下流側(上方)に配置される液導通路付き気液分散装置Aとを組み合わせて気液分散装置A2 を構成し、この気液分散装置A2 の下流側(上方)に充填物41を配置し、さらに気液分散装置A2 の上流側に、液導通路付き気液分散装置Aと充填物41とを配置したものである。
また、図11に示す気液接触装置DA5 は、図10に示した液導通路付き気液分散装置Aおよび充填物41に代えて気液分散装置A1 を配置したものである。
【0089】
なお、図10及び図11に示した第二の多孔板60は、その気液接触装置DA4 ,DA5 内を流れる気体および液体の流量、流速、密度、その貫通孔により発生する運動エネルギーおよび圧力損失、気液接触装置の内径断面積等の諸条件により決定した貫通孔(孔数については上記条件より決定し、複数個になる場合が多い)60aが穿設されており、それらの貫通孔はできるだけ幾何学的に配置することが好ましい。貫通孔60aの開口総面積は、上記の設計条件を考慮した上で決定されるが、第二の多孔板60を設置している気液接触装置の内径断面積に対する貫通孔の開口率は、0.005〜30%であることが好ましく、より好ましくは0.05〜10%であり、最も好ましくは0.1〜3%である。但し、これは本実施形態に係る実施結果によるものであり、設計条件によっては上記範囲から外れる場合もあり得る。
【0090】
また、第二の多孔板60は、基本的には気液接触装置の内径断面上において、同じ径からなる貫通孔60aをその貫通孔の数量に応じて均等に配置している。しかしながら、中心および/またはその近傍の貫通孔の径は、外周側のそれよりも大きくした方が好ましい。それにより気液の分散効果が高まることになる。また、異なる径で貫通孔を構成すれば、撹拌効果により周囲に気体が拡散され外側の貫通孔からは気体が通過し易くなるという偏流を解消することができる。
【0091】
また、上記衝突板付き単孔板には液体と気体の双方が通過することになるため、その開口断面積は、液導通管付き多孔板のそれよりも大きくする必要がある。そして、液導通管の入口から衝突板付き単孔板(または第二の多孔板)までの距離は、多孔板の孔径の0.5倍以上且つ装置内径の1.5倍以下が好ましく、より好ましくは1倍以上且つ1倍以下であり、最も好ましくは2倍以上且つ0.5倍以下である。なお、上記距離が孔径の0.5倍を下回ると、液導通管に振動が発生し、気液界面が不安定となり、また、距離が装置内径の1.5倍を超えると、衝突板付き単孔板より上方に気体分散の不確実な状態が生まれ、湿式酸化において酸化被膜が剥がれ、それにより腐食の原因となる。さらには気液分散も悪くスペースの無駄となる。
【0092】
なお、図7〜9に示した実施形態において衝突板付き単孔板50上面と液導通路付き気液分散装置A下面との距離H2 、及び図10,11において液導通管付き気液分散装置Aと第二の多孔板60との間隔H3 は、液導通管の長さ以上は必要である。すなわち、液導通管長さ+0〜液導通管+1000mm、または液導通管長さ+装置内径の1.5倍以下の範囲が適当である。
【0093】
液導通路長さ+1.5倍を超えると、衝突板付き単孔板50にて分散された効果が薄れた状態で液導通路付き気液分散装置Aに気液が供給されることになり、液導通路付き気液分散装置Aの各孔から吹き出される気液の分散状態がばらついてしまうことになる。一方、50mm未満であると衝突板付き単孔板50を分割する際に不都合が生じる。従って、好ましい距離は、液導通路長さ+50mm〜液導通路長さ+500mm、または液導通管長さ+液導通管付き多孔板の孔径の1倍以上且つ液導通管長さ+装置内径の1倍以下の範囲である。より好ましい距離は液導通管長さ+50mm〜液導通管長さ+300mm、または液導通管長さ+液導通管付き多孔板の孔径の2倍以上且つ液導通管長さ+装置内径の0.5倍以下の範囲である。図7〜図11において、衝突板付き単孔板50を取り外した場合についても気液接触装置の機能は持っており、特に気液向流の場合には外した方が好ましい。
【0094】
また、上記実施形態においてグリッド40は、基本的には平鋼等、鋼材を格子状に組んだものを使用することができ、好ましくは井桁状に組み合わせた格子部材を使用することが、部材強度、気液分散効果の保持、双方に効果がある点で好ましい。装置内断面の直径と多孔板の孔数にもよるが、井桁のサイズは、その一辺が胴径に対して好ましくは1/3〜1/500、より好ましくは1/5〜1/100、最も好ましくは1/10〜1/50である。井桁の数は多いほど好ましいが、多すぎると施工が困難になる問題があり、また少なすぎると分散効果を保持することができなくなる。なお、グリッド40の上部には通常充填物落下防止用の金網が敷設される。この金網のメッシュ数は充填物が落下しないサイズのものが使用される。また、グリッド40の高さはできるだけ低く設計した方がグリッドによる気液分散効果を保持できる。
【0095】
液導通路付き気液分散装置A上面とグリッド40下面との距離H4 (例えば図8参照)は、0〜1000mmの範囲に設定することが効果的である。これは、1000mm以上の距離になると液導通路付き気液分散装置Aにて分散された効果が薄れた状態でグリッド40に気液が供給され、気液の分散状態がばらついてしまうからである。一方、50mm未満だと液導通路付き気液分散装置Aを分割する際に不都合が生じる。従って、より好ましくは50〜300mmの設定である。この間隔H4 は、液導通路付き気液分散装置Aの分散効果をグリッド40まで維持することができる距離である。
【0096】
また、各気液分散装置を複数段設ける場合の間隔は、その気液接触装置内を流れる気体および液体の流量、流速、密度、下部より上昇した際の運動エネルギーやその上流側の気液接触装置により発生した圧力損失による撹拌効果、装置の断面積より設定される。液導通路付き気液分散装置Aに限らず、衝突板付き単孔板50単独の気液分散装置の場合も同じ考え方である。気液接触装置の内径によって左右されるものの、基本的には短い間隔の方が撹拌効果が促進されることになる。各気液分散装置を複数段設ける場合の間隔は300〜8000mmまたは装置内径の0.3〜10倍の範囲が適当である。好ましい距離は300〜5000mmまたは装置内径の0.3〜5倍の範囲である。より好ましい距離は500〜3000mmまたは装置内径の0.5〜3倍の範囲である。間隔を300mm未満(または0.3倍以下)にすると、気液分散効果は高くなるが、気液接触装置を多数配置しなければならないためにコスト的に不利になり、逆に8000mm(または10倍)を超えると、その下部の気液接触装置による分散効果が低減してしまうため好ましくない。
【0097】
【実施例】
次に、上記構成を有する液導通路付き気液分散装置を塔内に配置して気液接触装置を構成した例を示す。
実施例1:本発明の基本構成である液導通路付き気液分散装置Aを適用
構成イ:充填物のみ配置した従来の構成
構成ロ:充填物および従来の多孔板分散装置を配置した構成
構成ハ:従来の多孔板分散装置を配置した構成
構成ニ:充填物及び本発明の液導通路付き気液分散装置を配置した構成
構成ホ:本発明の液導通路付き気液分散装置を配置した構成
【0098】
【表1】
Figure 0003739903
【0099】
分散の評価については、評価の高いものからA,B,C,Dの4段階で示しいる。また、評価するに当たっては、透明な装置を用いて上下左右から目視観察を行なうとともに、充填物出口において上昇する空気量について円周方向の分布を調査した。その結果、表1より明かなように、本発明の液導通路付き気液分散装置によれば、分散効果を高めることができることが確認された。
なお、表1のニにおいて、液導通管長さを200mmと400mmで比較したが、空気量が多い場合を除いては同様の分散効果が得られた。
【0100】
実施例2:液導通路付き気液分散装置Aまたは衝突板付き単孔板を加えた気液分散装置A1 を適用
構成ヘ:多孔板のみ複数配置した従来の構成
構成ト:液導通路付き気液分散装置を複数配置した本発明の構成
構成チ:構成トの構成において各気液分散装置の間隔を調整した本発明の構成
構成リ:気液分散装置A1 を用いた本発明の構成
なお、各構成については図14に示す模式図を参照。
【0101】
【表2】
Figure 0003739903
【0102】
ただし、気液接触装置の内径は350mm 、常圧とした。また、分散の評価については、評価の高いものからA,B,C,Dの4段階で示している。なお、構成リにおける多孔板と衝突板付多孔板との距離は350mm である。
【0103】
表2より、液導通路付き気液分散装置を複数配置した構成によれば多孔板のみから構成されている分散装置を複数配置した従来例のものに比べ、分散効率が高められることが確認された。また、衝突板付き単孔板を加えた気液分散装置によれば、脈流についても防止することができることが確認された。従って、本発明を気液接触装置に適用するに当たっては、気液分散装置を塔内に複数段配置することが好ましい。
【0104】
実施例3:気液分散装置を気液接触装置内に複数配置した場合の処理効率の比較
構成ヌ:液導通管を備えた分散装置を2段配列した本実施例
構成ル:衝突板付き単孔板のみを2段配置した比較例
構成ヲ:液導通管を備えた気液分散装置を1段配列した本実施例
なお、各構成については図15に示す模式図を参照。
【0105】
【表3】
Figure 0003739903
【0106】
上記表3より、液導通路付き気液分散装置を気液接触装置の塔内に複数配置した構成によれば、衝突板付き単孔板のみを複数配置したものに比べても処理効率を高められることが確認された。
【0107】
図16〜図18は、液導通路が仕切板で構成されている場合を示したものである。図16の構成は、容器本体70の直径方向に多孔板71を配置し、その多孔板71の外周縁から気体流路入口側に向けて筒状の仕切板70aを延設することにより、容器内壁面との間で円環状の液導通部を形成し、それにより、気液流路を、液導通部と気体分散部とに分割したものである。
【0108】
詳しくは、気体分散部としての多孔板71には気体を分散させるための複数の孔h1 〜h6 が形成されており、仕切板70aと容器本体70内壁とに囲まれた部分が液導通部として機能し、液を導通させるようになっている。なお、図中符号72は、多孔板71を容器本体70の内壁に固定するためのサポート金具である。また、孔h1 〜h6 の配置は、多孔板71上に規則性を持って配置してもよく、また、ランダムに配置してもよい。
【0109】
液導通路は上記構成に限らず、図17に示すように、流路断面が弓形となるように多孔板73を弓形に切欠き、切欠きによって形成される開口74の縁部から平板状の仕切板75を延設することにより液流路を形成することもできる。この場合は、各仕切板75,75が容器本体70の内壁に対して直接固定される。
また、図18に示すように、鈎状の仕切板76を用いて三角状の液流路77を形成することもできる。
【0110】
図19は上記した各仕切板まわりの拡大断面図である。気液分散装置は気液接触装置の塔内に備え付けることができるように、塔内径に対応する外径を有するとともに分割可能な組部品78及び79等から構成され、各組部品は、シール材80を介してフランジ部81aと82bを対向させ、ボルト82、ナット83を用いて組み立てられるようになっている。
【0111】
図20は図17の構成の液導通部の下方に、気体バイパス防止用の邪魔板を配置したものである。同図(a)は、平板状の邪魔板84,84を水平に配置するとともに液導通部と対応させ、平面から見て平行に配置したものである。
【0112】
同図(b)は邪魔板85をそのほぼ中間から上向きに傾斜させたものであり、同図(a)に示した邪魔板84よりも気体のバイパス防止に効果がある。また、傾斜している邪魔板の上端85aを、仕切板75下端よりも上に位置させた場合には、さらに気体のバイパス防止に効果がある。なお、運転停止時を考慮して邪魔板85には液溜り防止用の直径1〜15ミリ程度のウイープホール85bを形成することが好ましい。
同図(c)は邪魔板86を斜めに配置したものであり、同図(b)と同等の効果が得られる。
【0113】
図21は図16の構成の液導通部の下方に、邪魔板87を設置したものである。円環状の液導通路の入口を覆うようにしてドーナツ状の邪魔板87を配置し、容器本体内壁に固定することにより、液導通部に気体がバイパスすることを防止している。なお、邪魔板87は図20と同様に、折り曲げたものや傾斜をつけたものを使用することができる。
上記図20及び21の構成によれば、上昇する気泡が液導通部へ流れるのを抑止できるので、図16〜18に示した気液分散装置の構成に比べ、液の流れをより均一にすることができるようになる。なお、図20及び21の構成に限らず、上昇する気泡が液導通部へ流れるのを抑止することができる邪魔板構造を使用すれば、気液分散が向上するために好ましい。
次に、上記構成を有する液導通路付き気液分散装置を塔内に配置して気液接触装置を構成した例を示す。
【0114】
実施例4:液導通路を仕切板で構成した液導通路付き気液分散装置Aを適用
構成ワ:充填物の上流側に本発明の仕切板による液導通路付き気液分散装置を配置した構成
構成カ:仕切板で構成した液導通路付き気液分散装置のみを配置した構成
【0115】
【表4】
Figure 0003739903
【0116】
分散の評価については、表1と同様である。
なお、液導通部と気体分散部に分割された多孔板を有する分散装置Aの前段に配置される衝突板付き単孔/多孔板または第二の多孔板は、上記実施形態の構成に限らず、図12に示すように複数枚配列することもできる。同図(a)は液導通路付き気液分散装置Aの前段に複数枚の衝突板付き単孔板50を配列した気液分散装置を示し、同図(b)は同じく複数枚の第二の多孔板60を配列した気液接触装置を示している。
【0117】
また、本発明において基本構成となる液導通路付き気液分散装置Aの気体流路上流側には、上記実施形態で説明したように、衝突板付き単孔板を1以上配置することができ、また、第二の多孔板を1以上配置することもできる。さらにまた、衝突板付き単孔板と第二の多孔板とを組み合わせたものを1以上配置することもできる。
【0118】
また、上記実施形態では衝突板付き単孔板を例に取り説明したが、これに限らず衝突板付き多孔板を使用することもできる。
また、本発明の液導通路付き気液分散装置Aは、充填物41の前段側(気体流路上流側)に限らず、図13に示すように、後段側(気体流路下流側)に配置することもできる。
【0119】
また、図10に示す構成において、第二の多孔板60を削除した場合においても本発明の効果を得ることができる。
また、本発明の気液接触装置は、気体が上向きに流れる竪型多管式熱交換器のチューブ側入口チャンネルに設けることもできる。
【0120】
また、本発明の気液分散装置または気液接触装置は、湿式酸化処理による廃水処理、オゾン酸化処理による廃水処理、吸着材を用いた廃水処理を行う装置内に設けることができる。
【0121】
また、本発明の気液分散装置の取付方法、設置方法、補強方法は上記実施形態に限定されるものではない。例えば分散装置を容器本体に溶接してもよいし、分割組み立てを考慮した本発明以外の方法でも分散性能上特に問題ない。要するに、本体に、多孔板、仕切板を配置固定し、気体分散部と液分散部に分割される構造であればよい。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明の液導通路付き気液分散装置の構成によれば、仕切板または液導通管で構成された液導通部と気体分散部とが多孔板上に備えられているため、液導通部からは液体を通過させ、気体分散部の貫通孔からは気体を通過させることができ、その貫通孔出口部において撹拌効果が生じ、気体が流れやすい方向に流れるなどの偏流を防止することができる。それにより、分布状態が均一な気液流体を供給することができる。さらに、多孔板下方に安定した気体層が形成されるため、多孔板の上方に脈流を発生させることなく安定して均一な気体を供給することができる。
【0123】
また、上記構成の液導通路付き気液分散装置における気体流路上流側に衝突板付き単孔/多孔板を備えた本発明によれば、衝突板付き単孔/多孔板において気液流体が衝突板と衝突し外周側に向けて放射状に均一に分散させた後、さらに偏流や脈流をなくして気液流体の分布状態を均一にすることができる。また、偏流を防止することができることにより、例えば気液接触装置内壁においてステンレス鋼の防食のために酸素が必要であるような場合であっても安定して酸素を供給することができ、防食効果が高まる。
上記構成の気液分散装置または気液接触装置を竪型多管式熱交換器のチューブ側入口チャンネルに設けた本発明によれば、熱交換効率を高めることができる。
【0124】
上記構成の気液分散装置または気液接触装置を廃水処理装置内に設けた本発明によれば、廃水と酸素含有ガスとの気液分散および気液接触が向上し、処理性能が高まるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る気液分散装置の基本構成を示す説明図である。
【図2】液導通路を液導通管で構成した場合の拡大断面図である。
【図3】液導通管の変形例を示す断面図である。
【図4】液導通管の他の変形例を示す断面図である。
【図5】液導通管のさらに他の変形例を示す断面図である。
【図6】気液分散装置と充填物との組み合わせを示す断面図である。
【図7】本発明に係る気液分散装置を用いた気液接触装置の第一の形態を示す断面図である。
【図8】同じく第2の形態を示す断面図である。
【図9】同じく第3の形態を示す断面図である。
【図10】同じく第4の形態を示す断面図である。
【図11】同じく第5の形態を示す断面図である。
【図12】同じく第6の形態を示す断面図である。
【図13】同じく第7の形態を示す断面図である。
【図14】本発明の実施形態に係る構成図である。
【図15】本発明の実施形態に係る構成図である。
【図16】液導通路を仕切板で構成した場合の図2相当図である。
【図17】仕切板の他の構成を示す図16相当図である。
【図18】仕切板のさらに他の構成を示す図16相当図である。
【図19】仕切板取付構造を示す部分拡大図である。
【図20】気液分散装置の液導通路下方に邪魔板を設けた構成を示す説明図である。
【図21】気液分散装置の液導通路下方に邪魔板を設けた構成を示す説明図である。
【符号の説明】
A 気液分散装置
1 ,h3 ,h4 ,h6 ,h8 ,h9 ,h11
2 ,h5 ,h7 ,h10 液導通管の貫通孔
10 多孔板
10a,10b,10c,10f 液導通管
11a,12a,13a フランジ部
40 グリッド
41 充填物
50 バッフル板
50a 貫通孔
50b 衝突板
60 第2の多孔板
60a 貫通孔

Claims (9)

  1. 液体が連続相を形成して流れ、気体が上向きに流れる系に配置される気液分散装置において、
    気液混相状態が形成される気液流路を遮断するようにして配置される多孔板の特定の孔部に、その孔部と連通する状態で気体流路入口側に向けて液導通管を接合し、前記多孔板を通過しようとする液体をその液導通管に案内することによって通過させ、前記気体については前記特定の孔部以外の孔部を通過させることにより分散させるように構成してなることを特徴とする気液分散装置。
  2. 液体が連続相を形成して流れ、気体が上向きに流れる系に配置される気液分散装置において、
    気液混相状態が形成される気液流路を遮断するようにして配置される多孔板の外周部に開口を有し、その開口の縁部から垂下される仕切板と流路内壁面とによって液導通路が形成され、前記多孔板を通過しようとする液体をその液導通路に案内することによって通過させ、前記気体については前記多孔板に形成されている孔部を通過させることにより分散させるように構成してなることを特徴とする気液分散装置。
  3. 前記液導通管または前記液導通路の延設長さが10mm以上であり、且つ前記多孔板の直径の3倍以下である請求項1または2記載の気液分散装置。
  4. 前記液導通管または前記液導通路の流路断面積が、液通過線速において0.02m/s以上10m/s以下となるように決められている請求項1〜3のいずれかに記載の気液分散装置。
  5. 前記気液分散装置の気体流路上流側に、衝突板付き単孔/多孔板、または第二の単孔/多孔板が少なくとも1つ備えられ、前記衝突板は、単孔/多孔の出口近傍に配置されたものである請求項1〜のいずれかに記載の気液分散装置。
  6. 気泡塔式気液接触装置の塔内に請求項1〜のいずれかに記載の気液分散装置を配置したことを特徴とする気液接触装置。
  7. 前記気泡塔内における前記気液分散装置の気体流路下流側に、充填物を配置してなる請求項記載の気液接触装置。
  8. 液体が連続相を形成して流れ、気体が上向きに流れる竪型多管式熱交換器のチューブ側入口部分に、請求項1〜のいずれかに記載の気液分散装置を設けたことを特徴とする気液接触装置。
  9. 廃水を酸素含有ガスの供給下にて処理する廃水処理装置内に、請求項1〜のいずれかに記載の気液分散装置または気液接触装置を設けたことを特徴とする廃水処理装置。
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