JP3739110B2 - 高濃度放線菌によるスカム発生防止方法 - Google Patents
高濃度放線菌によるスカム発生防止方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は活性汚泥法を用いた下水処理場において、高濃度に固定化された放線菌を投入し、炭化水素系の物質をフリーの放線菌に優先して資化してスカムの発生を防止する高濃度放線菌によるスカム発生防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
下水処理において、処理槽の水面に多量のスカムが発生すると、それが水面に浮遊し、この浮遊スカムにて景観が損なわれたり、処理水に混入して、処理水質を悪化させたり腐敗し悪臭を放つ等の問題が生じている。
このため、水面に浮遊するスカムを除去する方法として消泡水をこの浮遊スカム上方より噴射して物理的に破砕し、消泡除去するか、もしくは、最終沈澱池においてスカムスキマーで除去し、スカム返流水として原水槽や最終沈澱池に戻す等の方法が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、発泡スカムは原因微生物の放線菌であり、その微生物が、気泡を安定化する。通常は曝気槽において発泡し、曝気槽や沈殿槽においてスカムとして浮遊する。このため、消泡水による物理的な消泡では再度の曝気によりスカムが再び発生するものとなり、完全にスカムを除去することができない。また、スカムスキマー等での除去法は放線菌が下水処理系内を循環するだけで、根本的な解決策とは成り得なかった。この他に殺菌剤利用方法もあるが、この殺菌剤を用いる方法では水を処理する有用菌をも同時に減少させ、殺菌剤の系内残留の恐れもある。また、従来の包括固定化は脱窒菌、シアン分解菌、PCP分解菌、フェノール分解菌などの硝化脱窒処理の促進、特定汚染物質の除去などを主な目的に用いられており、発泡スカムの発生を未然に防止する手段はない。
【0004】
本発明は放線菌が高濃度に存在するスカムを固定化することにより、スカム発生の原因微生物であるフリーの放線菌の増殖因子の炭化系水系の下水流入物を優先使用し、フリーの放線菌の増殖を防止し、これによりスカムを発生を未然に防止することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の高濃度放線菌によるスカム発生防止方法は、下水が流入する曝気槽に高濃度に固定化された放線菌を投入して、炭化水素系の物質をフリーの放線菌に優先して資化する高濃度放線菌によるスカム発生防止方法において、前記高濃度に固定化された放線菌として、曝気槽に発生したスカムを使用することにより特異的に一部の炭化水素物質を資化する性質を有する放線菌を使用することを特徴とする。
また、同じ目的を達成するため、本発明の高濃度放線菌によるスカム発生防止方法は、 下水が流入する曝気槽に高濃度に固定化された放線菌を投入して、炭化水素系の物質をフリーの放線菌に優先して資化する高濃度放線菌によるスカム発生防止方法において、前記高濃度に固定化された放線菌を、懸濁性物質に対して不透過の性質を有する限外濾過膜の内部に充填して曝気槽内に封じ込め、汚水を限外濾過膜内を介して曝気槽に流入させることを特徴とする。
【0006】
【作 用】
活性汚泥法を用いた下水処理場において、曝気槽混合液中にはフリーの放線菌の異常増殖により発生するスカムを用いて事前にこれを固定化し、水処理分野でスカムの発生原因となるフリーの微生物由来の処理障害に対し、この固定化された放線菌を所定の槽内に投入し保持する。スカム中には高濃度に放線菌が存在するため、放線菌を人工増殖しなくても、スカムを固定化すると、放線菌の人工増殖など包括固定化前の作業が不必要となる。スカムの包括固定化法は、その目的に合わせ固定化する微生物を選定する。
【0007】
【実施例】
以下本発明の高濃度放線菌によるスカム発生防止方法を図面に示す実施例にもとづいて説明する。
固定化の方法を図1に示す。図1は放線菌を包括固定化した際のスカム発生槽例えば曝気槽1の縦断面を示す説明図で、この曝気槽1内底部に散気板2を設置し、この散気板2より汚水中に散気すると気泡3が発生する。またこの汚水中には炭化水素系化合物7と包括固定化された放線菌6とを混在させるようにする。この放線菌の包括固定化方法は表1に示すように各種提案されている。
【0008】
【表1】
【0009】
表1のうち包括固定化法で用いられる高分子物質で放線菌を固定化する。固定化に用いる放線菌には高濃度に増殖した放線菌、もしくは発生したスカムの一部を使用する。この固定化した放線菌は特異的に一部の炭化水素物質を資化する性質を有するため、スカムを形成するフリーの放線菌の増殖が抑制され、スカムの発生防止となる。
【0010】
従来は流入下水中の炭化水素系物質をフリーの放線菌が特異的に資化して高濃度に増殖するため、散気板より発生した気泡に、フリーの放線菌が付着し、安定化したスカム塊を生じる。
【0011】
しかし放線菌の固定化により高濃度の放線菌を槽内に事前に保持することにより、炭化水素系物質を優先的に資化し、フリーの放線菌の増殖を抑制する。以上包括固定化法を用いた実施例で説明したが、概してこの類のスカムの防止方法は、放線菌を曝気槽内へ高濃度状態で封じ込め、かつ浮上させないことにより実現できる。
【0012】
従って放線菌の高濃度封じ込めとして、図1に示した坦体結合法、架橋法や膜を利用した方法も、包括固定化法と同じくフリーの放線菌の増殖抑制に効果的である。
次に、膜を用いた放線菌の高濃度封じ込め例を説明する。例えば、図3の如く、汚水を処理する活性汚泥gが存在する通常の曝気槽aの内部に限外濾過膜dを配設し、汚水が流入する流入管bを、逆止弁cを介して連結する。限外濾過膜は、溶解性物質、例えば酸素や、有機物は透過するが、放線菌や活性汚泥のような懸濁性物質にたいしては不透過の性質を有する。このような限外濾過膜の内部に高濃度放線菌を充填し、逆止弁にて逆流を防止して曝気槽内に封じ込める。
【0013】
この限外濾過膜に汚水を圧送すると同時に、溶存酸素水供給ポンプeにて酸素を供給して、先ず最初に高濃度放線菌と接触させる。
この段階で、先述の実施例の如く、一部の炭化水素物質を特異的に資化し、その後、押込み圧力にて汚水を曝気槽に透過せしめる。
【0014】
透過水は、放線菌の生育に必要不可欠な栄養塩を欠いた汚水であり、曝気槽でスカムの原因となるフリーの放線菌の増殖を抑制するものである。
本実施例による高濃度放線菌の封じ込め方法は固定化担体の代わりに、膜を利用したものであり、一種の固定化技術として、発泡スカムの抑制効果が期待できる。
【0015】
本発明によれば、スカム発生槽(曝気槽)1の容量の1〜5%程度の放線菌固定化坦体を投入しておくことにより、この固定化した放線菌が特異的に一部の炭化水素物質を資化する性質を有しているため、スカムの発生が未然にを防止することができ、また放線菌は炭化水素化合物(特にオクタデカン等)を特異的に資化するが、炭化水素系化合物は通常の活性汚泥形成微生物では、分解され難く、処理水質も向上するものとなる。
【0016】
【発明の効果】
本発明の高濃度放線菌によるスカム発生防止方法によれば、スカム発生槽(曝気槽)に少しの放線菌固定化坦体を投入しておくことにより、スカムの発生を未然に防止することができると共に、炭化水素系化合物は通常の活性汚泥形成微生物では、分解され難いので処理水質が向上する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示し、放線菌を包括固定化した際のスカム発生槽を断面した説明図である。
【図2】 従来のスカム発生槽の断面説明図である。
【図3】 放線菌の高濃度封じ込めを示す実施例の説明図である。
【符号の説明】
1 スカム発生槽
2 散気板
3 気泡
4 フリーの放線菌
5 スカム
6 包括固定化された放線菌
7 炭化水素系化合物
Claims (2)
- 下水が流入する曝気槽に高濃度に固定化された放線菌を投入して、炭化水素系の物質をフリーの放線菌に優先して資化する高濃度放線菌によるスカム発生防止方法において、前記高濃度に固定化された放線菌として、曝気槽に発生したスカムを使用することにより特異的に一部の炭化水素物質を資化する性質を有する放線菌を使用することを特徴とする高濃度放線菌によるスカム発生防止方法。
- 下水が流入する曝気槽に高濃度に固定化された放線菌を投入して、炭化水素系の物質をフリーの放線菌に優先して資化する高濃度放線菌によるスカム発生防止方法において、前記高濃度に固定化された放線菌を、懸濁性物質に対して不透過の性質を有する限外濾過膜の内部に充填して曝気槽内に封じ込め、汚水を限外濾過膜内を介して曝気槽に流入させることを特徴とする高濃度放線菌によるスカム発生防止方法。
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1995
- 1995-05-19 JP JP14538495A patent/JP3739110B2/ja not_active Expired - Fee Related
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