JP3738785B2 - 写真プリンタにおけるグレーバランス調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーフィルムに記録されている画像を読み取って得られた3色画像データを、グレーの被写体を示すデータについては互いに同一濃度を示すものとなるように調整する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特開平6−233052号公報に示されているように、カラーフィルムに記録されている画像を読み取って画素毎のR(赤)、G(緑)、B(青)3色濃度を示す画像データを得、これらの画像データに基づいて3色の光ビームの各々を変調し、これらの光ビームによりカラー感光材料を走査して該感光材料にカラー画像を記録する写真プリンタが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の写真プリンタにおいては、グレーバランスが崩れるという問題、つまり実際はグレー(無彩色)の被写体が、色味がかって感光材料に記録されるという問題が起こり得る。この問題は、グレーの被写体に関するR、G、B画像データは、本来互いに同一濃度を示すものとなっている筈であるのに、以下の理由でそのようになっていないために生じるものである。
【0004】
すなわち、通常のカラーネガフィルムは、面露光系を用いてプリントのために供されるのが一般的であり、そこで、そのような面露光系でのプリント時に露光量で濃度調整するために、グレー露光に対してC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)色素濃度が一定の差を持つように設計されている。したがって、このようなカラーネガフィルムを透過させた読取光を検出して得たR、G、B画像データは、当然、同一濃度を示すものとはならない。
【0005】
上記のC、M、Y色素濃度差が分かれば、それに基づいてR、G、Bの各画像データを補正して、グレーバランスを取ることも可能である。しかし、グレー露光したときのC、M、Y色素濃度差は、例えば図13の(a)と(b)に示すようにフィルム種によってまちまちであり、また現像処理条件によっても変化する。さらに、例えば昼光用フィルムに対して蛍光灯を用いる等、撮影光源が適切でない場合もあり、それによってC、M、Y色素濃度差が変化することもある。
【0006】
また、図13の(a)と(b)に示すように、グレー露光したときのC、M、Y色素濃度差が撮影露光量の全域に亘って一定になっていることを考慮すれば、例えばハイライト(全白)点やシャドー(全黒)点でのC、M、Y色素濃度差を実際に求め、それに基づいてR、G、Bの各画像データに適当なバイアス分を加えるように補正することも考えられるが、通常はそのようにしてもグレーバランスは取れない。以下、この点について図14を参照して説明する。
【0007】
カラーフィルムにおけるC、M、Yのいずれか1つの発色濃度と波長との関係は、図14の(a)に示すようなものとなる。ここで、4本の曲線は上のものほど露光量が大の場合を示している。そこで、同図(b)のように読取り感度のピークがそれぞれ波長S1 、S2 にある光検出器でフィルムの濃度を検出すると、露光量と検出濃度との関係は、同図(c)のように各光検出器によって異なることになる。したがって、C、M、Y色素濃度差が図13の(a)あるいは(b)に示すように撮影露光量の全域に亘って一定になっていても、R、G、Bの各画像データの差つまり検出濃度の差は、図14の(d)に示すように露光量に応じて変わってしまう。そこで、上述のようにシャドー点等でのC、M、Y色素濃度差を実際に求め、それに基づいてR、G、Bの各画像データに適当なバイアス分を加えるように補正しても、露光量の全域に亘ってグレーバランスを取ることはできないのである。
【0008】
さらに、撮影光源によって、グレー被写体に関する露光量がR、G、B間で同じになるとは限らないので、R、G、B画像データのうちの1つまたは2つだけが、カラーフィルムの発色特性の足または肩によってダイナミックレンジの圧縮を受けることがある。図15はこのことを示すものであり、図示のようにGとRの各露光量の範囲ΔG、ΔRが互いに等しくても、露光量が相違しているのでCだけが発色特性の足の部分にかかり、そのため、CとMの各発色濃度範囲ΔC、ΔMが異なってしまう。そうであると、R、Gの各画像データのダイナミックレンジが相違するので、上述のようにR、G、Bの各画像データに適当なバイアス分を加えるような補正を行なっても、露光量の全域に亘ってグレーバランスを取ることは不可能になる。
【0009】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、前述したような写真プリンタにおいて、R、G、Bの各画像データをその全域に亘って、グレーの被写体を示すデータについては互いに同一濃度を示すものとなるように調整することができる、写真プリンタにおけるグレーバランス調整方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による写真プリンタにおけるグレーバランス調整方法は、請求項1に記載の通り、前述したような写真プリンタにおいて、
カラーフィルムに記録されている画像を読み取って得られた、画素毎の各色濃度を示す画像データD1、D2、D3(「1」、「2」、「3」がそれぞれ「赤」、「緑」、「青」のいずれか1つずつに対応)からまず画素毎の色情報を求め、彩度が所定値よりも高い高彩度画素および、その高彩度画素に隣接して該高彩度画素との色相差が所定値以内にある画素に関する画像データを画像データD1、D2、D3から除外して低彩度画素に関する画像データD1’、D2’、D3’を得、
これらの画像データD1’、D2’、D3’の各々におけるシャドー点D1s、D2s 、D3s およびハイライト点D1h 、D2h 、D3h を求め、
各色毎のシャドー点からハイライト点までのダイナミックレンジの差が、所定の許容値内に収まっていない場合は、このダイナミックレンジが各色間で同じとなるようにハイライト点D1h 、D2h あるいはD3h を修正し、
画素毎に対応している画像データ(D1’,D2’)のうち、D1’,D2’の一方が等しい画像データについて他方を平均してなる画像データ(D1”,D2”)の集合と、画素毎に対応している画像データ(D3’,D2’)の一方の同一値毎に他方を平均してなる画像データ(D3”,D2”)の集合とを求め、
2色に関する画像データ(D1”,D2”)の集合とシャドー点(D1s ,D2s )およびハイライト点(D1h ,D2h )から、画像データ(D1,D2)が示すこれら2色の濃度間の関係を求め、この関係に基づいて画像データD1とD2の少なくとも一方をその全域に亘って他方と等しくなるように線形変換し、
2色に関する画像データ(D3”,D2”)の集合とシャドー点(D3s ,D2s )およびハイライト点(D3h ,D2h )から、画像データ(D3,D2)が示すこれら2色の濃度間の関係を求め、この関係に基づいて画像データD3とD2の少なくとも一方をその全域に亘って他方と等しくなるように線形変換することを特徴とするものである。
【0011】
なおこのグレーバランス調整方法においては、請求項2に記載の通り、前記画像データD1、D2、D3から画素毎の色情報を求める前に、予め該画像データD1、D2、D3の少なくとも1つに、グレーの被写体を示すデータについては各データが示す濃度間の差が露光量によらずほぼ一定となるように、変換特性が各色毎に固定されたγ(ガンマ)変換処理を施すのが望ましい。
【0012】
また、このグレーバランス調整方法においては、請求項3に記載の通り、低彩度画素の中で特定の第1の色相にある画素を選択して、それらの画素についての画像データD1’、D2’、D3’から画像データ(D1’,D2’)を求め、低彩度画素の中で第1の色相とは異なる特定の第2の色相にある画素を選択して、それらの画素についての画像データD1’、D2’、D3’から画像データ(D3’,D2’)を求めるのが望ましい。
【0013】
そしてこのように色相選択する場合、請求項4に記載の通り、画像データD1がR(赤)濃度を示し、画像データD2がG(緑)濃度を示し、画像データD3がB(青)濃度を示すものであるときは、第1の色相にある画素つまりG濃度とR濃度間の関係を求めるための画素として青色相とイエロー色相にある画素が選択され、第2の色相にある画素つまりG濃度とB濃度間の関係を求めるための画素として赤色相とシアン色相にある画素が選択される。
【0014】
また本発明のグレーバランス調整方法において、画像データの線形変換は、例えば請求項5に記載のようになされる。つまり、前述した2色に関する画像データ(D1”,D2”)の集合とシャドー点(D1s ,D2s )およびハイライト点(D1h ,D2h )から求められた2色の濃度間の関係がX−Y座標系においてY=α1 ・X+β1 で与えられるとき、画像データD2は無変換とし、画像データD1をD1c =α1 ・D1+β1 なる画像データD1c に線形変換する。同様に、2色に関する画像データ(D3”,D2”)の集合とシャドー点(D3s ,D2s )およびハイライト点(D3h ,D2h )から求められた2色の濃度間の関係がX−Y座標系においてY=α3 ・X+β3 で与えられるとき、画像データD2は無変換とし、画像データD3をD3c =α3 ・D3+β3 なる画像データD3c に線形変換する。
【0015】
【発明の効果】
上記構成を有する本発明のグレーバランス調整方法は、基本的にはシャドーおよびハイライト合わせで、つまり画像データD1、D2、D3の各シャドー点D1s 、D2s 、D3s が互いに等しくなり、また各ハイライト点D1h 、D2h 、D3h が互いに等しくなるように画像データD1とD2の一方を、また画像データD3とD2の一方を線形変換するものであるが、それだけではなく、画像データD1、D2、D3のうちの低彩度画素に関する画像データD1’、D2’、D3’も用いて上記線形変換を行なうようにしているので、例えば静物の接写画像等、ハイライトシーンがないような画像についてもグレーバランスを調整できるものとなる。
【0016】
そして本発明のグレーバランス調整方法は、画像データを線形変換してグレーバランスを調整するものであるから、先に図14や図15を参照して説明したようにR、G、Bの各画像データに適当なバイアス分を加えるだけでは露光量の全域に亘ってグレーバランスを取ることができない場合においても、グレーバランスを取ることができる。
【0017】
また本発明のグレーバランス調整方法は、上記低彩度画素に関する画像データD1’、D2’、D3’をそのまま用いるのではなく、画像データ(D1’,D2’)の一方の同一値毎に他方を平均してなる画像データ(D1”,D2”)の集合と、画像データ(D3’,D2’)の一方の同一値毎に他方を平均してなる画像データ(D3”,D2”)を用いているので、画像データD1’、D2’、D3’の分布に偏りがあるような場合でも、その影響を排除して、グレーバランスを正しく調整可能となる。
【0018】
また本発明のグレーバランス調整方法は、上記の低彩度画素に関する画像データD1’、D2’、D3’を求めるに当たり、高彩度画素に隣接して該高彩度画素との色相差が所定値以内にある画素に関する画像データを画像データD1、D2、D3から除外するようにしているので(つまり色情報だけではなく、位置情報も加味した上で高彩度画素と考えられる画素に関する画像データを画像データD1、D2、D3から除外しているので)、グレーバランス調整に有用である低彩度画素の画像データD1’、D2’、D3’のみを正確に抽出可能であり、この点からもグレーバランスを正しく調整できるようになる。
【0019】
さらに本発明のグレーバランス調整方法は、各色毎のシャドー点からハイライト点までのダイナミックレンジの差が、所定の許容値内に収まっていない場合は、このダイナミックレンジが各色間で同じとなるようにハイライト点D1h 、D2h あるいはD3h を修正しているので、実際にはハイライト点が無いような画像、例えば静物を接写したような画像においてハイライト点を誤検出した際に、そのままグレーバランス調整を行なって調整に失敗することも防止できる。
【0020】
一方、本発明のグレーバランス調整方法において、請求項2に記載のγ(ガンマ)変換処理を行なって、グレーの被写体を示す画像データD1、D2、D3については濃度差が露光量によらずほぼ一定となるようにしておけば、後の処理における演算の負荷を軽減することができる。
【0021】
また本発明のグレーバランス調整方法において、請求項3に記載のような特定色相の画素の選択を行なうと、いわゆるカラーフェリア(被写体の色によるsubject failure )が回避されて、グレーバランスを正しく調整できるようになる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳しく説明する。図1は、本発明の方法によりグレーバランス調整を行なうデジタル写真プリンタの一例を示しており、また図2は、このグレーバランス調整の処理の流れを示すものである。
【0023】
図1に示すデジタル写真プリンタは、カラー写真フィルム10の端部に貼付されたチェックテープに記載されたフィルム番号を読み取るスキャナ20と、写真フィルム10の撮影コマ11毎に形成されたバーコードを読み取るバーコードリーダ21と、フィルム10のパーフォレーションと噛合しつつ回転してフィルム10を搬送するスプロケット22と、スプロケット22を駆動するモータ23と、スキャナ20により読み取られたフィルム番号およびバーコードリーダ21により読み取られたコマ番号をデータバスに送るとともに、モータ23の駆動制御信号をモータ23に送るフィルムスキャナ制御インターフェース(I/F)40とを有している。
【0024】
またこのデジタル写真プリンタは、白色光を発する光源31、調光ユニット32、色分解ユニット33および拡散ボックス34からなり、フィルム10の撮影コマ11に読取光を照射する光源ユニット30と、この光源ユニット30からの読取光が照射された撮影コマ11に記録されている画像(透過画像)をレンズ51を介して光電的に読み取るCCD52と、このCCD52が出力する画像信号をデジタル画像データに変換するA/D変換器53と、このA/D変換器53から出力されたデジタル画像データに対して画像処理を施してフレームメモリ55に出力する第1の画像処理装置54と、フレームメモリ55に一旦記憶された画像処理済みのデジタル画像データに対して必要に応じて画像処理パラメータの変更された画像処理を施す第2の画像処理装置56と、画像処理済みのデジタル画像データに基づいた変調信号を出力する変調器ドライバ57とを備えている。
【0025】
さらにこのデジタル写真プリンタは、上記変調器ドライバ57が出力する変調信号に基づいた可視画像を再生するプリンタ60と、プリンタ制御I/F58と、フレームメモリ55に記憶されたデジタル画像データをデータバスを介して記憶するハードディスク75と、上記デジタル画像データに基づく可視画像を必要に応じて再生し、また画像処理条件等を表示するCRTモニタ71と、表示I/F70と、画像処理条件、画像処理条件の補正値、画像検索用情報等を入力するキーボード73と、キーボードI/F72と、CPU(中央処理装置)74と、他のデジタル写真プリンタシステムと通信回線を介して接続する通信ポート76と、プリンタ60により再生された写真プリントを検査する検品場所に配置されて必要に応じて焼直し指示を入力するキーボード78と、キーボードI/F77とを備えている。上記CPU74は、スキャナ20およびバーコードリーダ21により読み取られたフィルム番号およびコマ番号からなる画像検索用情報と、画像処理装置54から入力された画像処理条件と、フレームメモリ55から入力されたデジタル画像データとを対応付けしてハードディスク75に記憶させ、またキーボード73から入力された画像検索用情報に対応する画像に関するデジタル画像データをハードディスク75から検索制御し、さらに、データバスに接続された各機器を制御する。
【0026】
上記プリンタ60は、詳しくは、プリント部と現像処理部と乾燥部とから構成されている。プリント部は、長尺の印画紙90をロール状にして貯蔵するマガジン62と、変調器ドライバ57が出力する変調信号に基づいて露光光を変調し、この露光光により印画紙90を長手方向と直角な方向に走査(主走査)する露光スキャナ61と、印画紙90に位置決め用の基準孔を穿孔するホールパンチユニット63と、この基準孔を基準として印画紙90を副走査方向(長手方向)に搬送する副走査ドライブ系64と、プリンタ制御I/F58を介して入力された画像検索用情報を印画紙90の裏面に印字する裏印字ユニット65とから構成されている。
【0027】
一方乾燥部は、通常の乾燥手段に加えて、乾燥の完了した露光済みの印画紙(写真プリント)90を1枚ずつ切断するカッター66と、この1枚ずつ切断された写真プリント90を整列して並べるソーター67とを備えている。
【0028】
次に、このデジタル写真プリンタの作用について説明する。まず、CPU74はフィルムスキャナ制御I/F40を介してモータ23を駆動し、モータ23に連結されたスプロケット22が回転してフィルム10を搬送する。このフィルム10の搬送中に、チェックテープに記載のフィルム番号がスキャナ20により読み取られて、CPU74に入力される。また同様に、バーコードリーダ21が撮影コマ11毎に設けられたコマ番号を示すバーコードを読み取り、その読み取った内容がフィルムスキャナ制御I/F40を介してCPU74に入力される。
【0029】
バーコードが読み取られた撮影コマ11には、光源ユニット30から光が照射され、そのコマに記録されている画像がレンズ51によってCCD52上に結像される。CCD52はこの画像を読み取り、その出力信号はA/D変換器53によってデジタル化されて、画素毎のデジタル画像データが得られる。
【0030】
この際、光源31からの光の光路に色分解ユニット33のR(赤)、G(緑)およびB(青)の各色フィルタが順次挿入され、その都度CCD52による画像読取りがなされる。そこでA/D変換器53からは、画素毎の各色濃度を示すデジタル画像データD1、D2、D3が得られる。なお本例では、デジタル画像データD1、D2、D3がそれぞれ赤、緑、青色濃度を示すものとし、以下ではそれらを各々画像データDR、DG、DBと称することする。
【0031】
第1の画像処理装置54は、入力されたデジタル画像データDR、DG、DBがネガ画像に関するものである場合はそれらに反転処理を施すとともに、後に該画像データDR、DG、DBにより写真プリントに可視画像を再生したときに最適な濃度、階調、色、シャープネスとなるように、画像データに対して予め設定された画像処理アルゴリズムに従った画像処理を施し、フレームメモリ55にその処理済みの画像データを出力する。
【0032】
なお厳密には、画像データDR、DG、DBそのものではなく、グレーバランス調整処理を受けた後の画像データに上記反転処理や画像処理が施されるものであるが、その点については後述する。
【0033】
フレームメモリ55に入力された画像データは、そこに一旦記憶されるとともに、データバスを通じてCPU74にも入力される。そこで、読み取った画像が最適な濃度、階調となるように、データバスを介して入力された画像データに基づいてCPU74がCCD52のダイナミックレンジ等を最適に調整したり、あるいは光源ユニット30による照射光量を最適に調整することが可能となる。
【0034】
一方、フレームメモリ55に記憶された画像データはデータバスを介してCRTモニタ71に入力され、CRTモニタ71はこの画像データに基づいて可視画像を表示する。そこで、この表示画像を操作者(または受注者)が観察し、必要に応じてより最適な濃度、階調、色、シャープネスの可視画像が再生されるように、画像処理の補正量をキーボード73から入力することができる。
【0035】
キーボード73から入力された補正量は第2の画像処理装置56に入力される。第2の画像処理装置56はフレームメモリ55に記憶された画像データに対して、上記補正量に応じた画像処理を施し、変調器ドライバー57に画像処理を施した画像データを出力する。補正の必要がない場合には第2の画像処理装置56はフレームメモリ55に記憶された画像データをそのまま変調器ドライバー57に出力する。
【0036】
プリンタ60は、プリンタ制御I/F58を介してCPU74により駆動制御される。すなわちプリント部では、まず副走査ドライブ系64が、マガジン62から所定の搬送通路に沿って延びる印画紙90を副走査方向に搬送する。搬送通路上に設けられたホールパンチユニット63は、例えば写真プリント1枚分の送り量に相当する長さ間隔毎に、印画紙90の側縁部付近に同期基準となる基準孔を穿孔する。プリンタ60においては、この基準孔を同期基準として印画紙90が搬送される。
【0037】
印画紙90は、露光スキャナ61が発する画像データに基づいて変調された光により主走査され、また上記のように搬送されることによって副走査され、そこでこの印画紙90には画像データに基づく可視画像が走査露光される。なお印画紙搬送速度はCPU74によって制御され、主走査と副走査の同期が取られる。
【0038】
その後印画紙90は、プリント部から搬送通路に沿って現像処理部に搬送され、ここで所定の現像処理および水洗処理を受けた後、乾燥部に送られる。乾燥部では、現像処理部で水洗処理された印画紙90を乾燥処理し、乾燥の完了した印画紙90はカッター66により、基準孔を同期の基準とした写真プリントの1枚の大きさに対応したピースに切り分けられる。
【0039】
ここで第1の画像処理装置54は、デジタル画像データDR、DG、DBに前述のような画像処理を施すとともに、それに先立ってこれらのデジタル画像データDR、DG、DBに、グレーの被写体を示すデータについては互いに同一濃度を示すものとなるように調整する処理を施す。以下、このグレーバランス調整方法について、その処理の流れを示す図2を参照して説明する。
【0040】
まず画像データDR、DG、DBは、それぞれ固有のルックアップテーブルに基づいてγ(ガンマ)変換処理にかけられる(図2のステップP1:以下同様)。このγ変換処理は、グレーの被写体を示す各画像データDR、DG、DBデータにあっては、図3の(a)に示すように、各データが示す濃度の差が露光量に応じて変化しているところ、同図(b)のように濃度差が露光量によらずほぼ一定となるように、各画像データDR、DG、DBを固有の変換特性に従って変換するものである。ここで上記ルックアップテーブルとしては、フィルム種によらず一定のものが用いられる。
【0041】
なお、このγ変換処理は必ずしも必要なものではないが、このγ変換処理を行なっておけば、後の処理における演算の負荷を軽減することができる。
【0042】
以上のγ変換処理後の画像データDRa、DGa、DBaには、高彩度画素についてのデータも勿論含まれており、グレーバランス調整のためにはそれら高彩度画素を除外した残りの画素についての画像データを用いる必要がある。そこで、高彩度画素を特定するために各画素の特性値(明るさ、色相、彩度)を求めるが、そのためにまず、画像データDRa、DGaおよびDBaを規格化する。
【0043】
この規格化に際しては、最初に画像データDRa、DGa、DBaの各々のヒストグラムを作成し、各ヒストグラムにおける画像データの最大値および最小値を求める(ステップP2)。このヒストグラムおよび、それにおける最大値、最小値の例を図4に示す。
【0044】
次いで画像データDRa、DGa、DBaを、それぞれに関する上記最大値および最小値に基づいて規格化する(ステップP3)。この規格化は一例として、
規格化画像データ=100 ×(画像データ−最小値)÷(最大値−最小値)
として行なう。
【0045】
このように画像データDRa、DGa、DBaをそれぞれ規格化して、規格化画像データDRb、DGb、DBbが得られたならば、これらの規格化画像データDRb、DGb、DBbが示す特性値(明るさ、色相、彩度)を全画素について求める(ステップP4)。
【0046】
この場合各画素の明るさは、例えば、
明るさ=(DRb+DGb+DBb)÷3
として求める。
【0047】
一方、色相および彩度の色情報は、以下のようにして規定する。図5に示すRGB濃度空間を考え、このRGB濃度空間において(DRb,DGb,DBb)が示す濃度点を全て平面ψに写像する。この平面ψは、R+G+B=0で示される平面、すなわち直線Qに垂直で原点(0,0,0)を含む面である。そして、このように規定した色差平面ψ上に図6のようなx−y座標系を設定し、ある画素に関する規格化画像データによる濃度点の写像がPであるとき、この画素に関する色相は原点および点Pを通る直線がx軸となす角度θで、また彩度は点Pの原点からの距離Lによって規定する。
【0048】
なお実際には、規格化画像データDRb、DGb、DBbの組合わせと対応させて角度θおよび距離Lを定めたテーブルを予め作成しておき、このテーブルを参照して規格化画像データDRb、DGb、DBbの値から角度θおよび距離Lを求めるようにしておくと便利である。
【0049】
以上のようにして、規格化画像データDRb、DGb、DBbが示す特性値(明るさ、色相、彩度)を全画素について求めたならば、次にこれらの特性値に基づいて、彩度が所定値よりも高い高彩度画素を特定する。そのためにまず、画面を構成している複数の画素から、この画面をラスター走査する場合と同様の軌跡を辿るようにして画素を1つずつ逐次選択し、その画素に関する彩度と所定のしきい値とを比較する。このとき、彩度がしきい値以上となった画素を高彩度の基準画素とし、その画素に関する明るさ、色相および画素位置を記憶手段に記憶させる(ステップP5)。
【0050】
なお、上記基準画素を検出する処理を、図6に示したものと同様の色差平面を用いて説明すれば、図7に示すように、x−y座標系に原点を中心、彩度しきい値Lthを半径とする円を描き、この円の上あるいは外側に位置する画素を検出するものである。
【0051】
次に、各画素の画面上の位置を考慮して、高彩度画素をグループ化する(ステップP6)。すなわち、まず上記基準画素の隣接8画素(上下左右および斜め四方)の色情報、すなわち色相および彩度を調べ、基準画素との差が両者とも許容値以内である隣接画素は、基準画素と同じ高彩度画素グループに属するものとし、その隣接画素の画素位置を記憶手段に記憶させる。なおこのとき、基準画素と隣接画素間で、色相および彩度に加えて明るさも比較し、両画素間でこれら3者とも差が許容値以内にあるとき、その隣接画素を高彩度画素グループに属すると定めるようにしてもよい。
【0052】
そして、上述のようにして新たに高彩度画素グループに属するものとされた画素の隣接8画素の色相および彩度(場合によっては明るさも)を調べ、高彩度画素グループの画素との差が両者とも許容値以内である隣接画素は、高彩度画素グループに属するものとし、その隣接画素の画素位置を記憶手段に記憶させる。
【0053】
以上の処理を繰り返し、高彩度画素グループの画素との色相および彩度の差が許容値以内である隣接画素が1つも存在しなくなったところで、隣接画素と比較する処理はそれ以上行なわないようにする。
【0054】
ここまでの処理により、図8に示すように、写真画面H内でいわば1固まりになった高彩度画素のグループが検出される。次いで、この画素グループから離れた画像部分において、上述した基準画素検出以降の処理を再び行ない、別の高彩度画素グループを求める。
【0055】
以上の処理を写真画面の全域に亘って行なうと、通常、いくつかの高彩度画素グループが求められる。前述した通り、これらのグループに属する各高彩度画素の画素位置は記憶手段に記憶されている。そこで、規格化画像データDRb、DGb、DBbから、この画素位置が記憶されている画素に関する画像データを除外して、低彩度画素に関する画像データDR’、DG’、DB’を得る(ステップP7)。
【0056】
従来、低彩度画素に関する画像データを求めるに当たっては、前述の彩度しきい値Lthとの比較を各画素毎に行なうだけで、画素位置は何ら考慮されてはいなかった。しかし、例えば鮮やかな赤い服が画面の大半を占めるような画像において、赤色の画像データは低彩度から高彩度まで連続して分布する場合が多く、そのような場合は彩度しきい値Lthとの比較のみによって低彩度画素に関する画像データを求めても、赤い服の部分にある全画素を除去することはできず、結局低彩度画素に関する画像データに片寄りが残る。
【0057】
それに対して本発明のグレーバランス調整方法では、低彩度画素に関する画像データDR’、DG’、DB’を求めるに当たり、高彩度画素に隣接して該高彩度画素との色相差が所定値以内にある画素に関する画像データを画像データDRb、DGb、DBbから除外するようにしているので(つまり色情報だけではなく、位置情報も加味した上で高彩度画素と考えられる画素に関する画像データを画像データDRb、DGb、DBbから除外しているので)、画像データ規格化が多少ずれているような場合でも、グレーバランス調整に有用である低彩度画素の画像データDR’、DG’、DB’のみを正確に抽出可能であり、それにより、グレーバランスを正しく調整できるようになる。
【0058】
次に、上記低彩度画素に関する画像データDR’、DG’、DB’それぞれのヒストグラムを作成し、各ヒストグラムにおけるデータ(濃度)の最小値および最大値を各々シャドー点、ハイライト点として検出する(ステップP8)。なお本例ではネガフィルムを対象としているので、このように濃度最小値がシャドー点となり、濃度最大値がハイライト点となる。ここで画像データDR’についてのシャドー点、ハイライト点を各々DRs 、DRh とし、画像データDG’についてのシャドー点、ハイライト点を各々DGs 、DGh とし、画像データDB’についてのシャドー点、ハイライト点を各々DBs 、DBh とする。
【0059】
次に各色毎のダイナミックレンジIR=(DRh −DRs )、IG=(DGh −DGs )およびIB=(DBh −DBs )を求め、それら相互間の差(IR−IG)、(IG−IB)および(IB−IR)を求める(ステップP9)。そして、これらの差(IR−IG)、(IG−IB)および(IB−IR)の絶対値が所定の許容値を超えた場合は、ダイナミックレンジIR、IG、IBが互いに等しくなるように、ハイライト点D1h 、D2h あるいはD3h を修正する(ステップP10)。
【0060】
このようにハイライト点を修正するのは、シャドー点が無いような写真画像は一般にさほど存在せず、その一方、ハイライト点が無い写真画像は多く存在することを考慮すると、ダイナミックレンジが不当な値を取るのは、通常、ハイライト点の誤検出に原因があると考えられるからである。
【0061】
次に、上記低彩度画素の中で特定のB−Y色相(図9のハッチング領域)にある画素を選択して、それらの画素についての画像データDR’、DG’、DB’から、画素毎のR濃度およびG濃度に関する画像データの組(DR’,DG’)を抽出する。また上記低彩度画素の中で特定のR−C色相(図10のハッチング領域)にある画素を選択し、それらの画素についての画像データDR’、DG’、DB’から、画素毎のB濃度およびG濃度に関する画像データの組(DB’,DG’)を抽出する(ステップP11)。
【0062】
上記画像データの組(DR’,DG’)は、B−Y色相にある画素の数だけ得られるものであるが、次にこれらの画像データ(DR’,DG’)において、DG’の値が等しいものどうしを集め、それらのDR’の値を平均化して、DR’の値をその平均値に置き換える。この置き換えがなされた後の画像データを(DR”,DG”)と示す。また、画像データの組(DB’,DG’)も、R−C色相にある画素の数だけ得られるものであるが、これらの画像データ(DB’,DG’)において、DG’の値が等しいものどうしを集め、それらのDB’の値を平均化して、DB’の値をその平均値に置き換える(ステップP12)。この置き換えがなされた後の画像データを(DB”,DG”)と示す。
【0063】
次に上記RとGの2色に関する画像データ(DR”,DG”)の集合と、先に求めた画像データDR’についてのシャドー点DRs およびハイライト点DRh 、並びに画像データDG’についてのシャドー点DGs およびハイライト点DGh を、図11に示すようなX−Y座標系においてプロットし、これらRとGの2色の濃度間の関係を求める(ステップP13)。なおこの図11中、丸点でプロットされているのが画像データ(DR”,DG”)の集合である。
【0064】
このR、G2色の濃度間の関係は、最小2乗法により回帰直線Jを求める等の公知の手法によって求めることができる。なお、前述した平均値の置き換えを行なわない場合は、図12に示すように画像データの偏りによって不適正な関係が求められてしまうことがある。それに対して本発明の方法では、平均値の置き換えがなされた画像データ(DB”,DG”)の集合を用いてR、G2色の濃度間の関係を求めるようにしているから、上記のような不具合を招くことがない。
【0065】
R、G2色の濃度間の関係が、上記X−Y座標系においてY=α1 ・X+β1で与えられるとき、画像処理装置54は原画像データDGは無変換のまま、原画像データDRを、DRc =α1 ・DR+β1 なる画像データDRc に線形変換する(ステップP14)。それにより、画像データDGと、線形変換を受けた後の画像データDRc とは、グレーの被写体を示すデータについては互いに同一濃度を示すものとなる。
【0066】
また、BとGの2色に関する画像データ(DB”,DG”)の集合と、先に求めた画像データDB’についてのシャドー点DBs およびハイライト点DBh 、並びに画像データDG’についてのシャドー点DGs およびハイライト点DGh を用い、上記と同様にしてB、G2色の濃度間の関係を求める。
【0067】
そして、これらB、G2色の濃度間の関係が、前記X−Y座標系においてY=α3 ・X+β3 で与えられるとき、画像処理装置54は原画像データDGは無変換のまま、原画像データDBをDBc =α3 ・DB+β3 なる画像データDBc に線形変換する。それにより、画像データDGと、線形変換を受けた後の画像データDBc とは、グレーの被写体を示すデータについては互いに同一濃度を示すものとなる。
【0068】
なお以上の例では、画像データDGは無変換のままとしているが、画像データDRおよびDBとともに画像データDGも線形変換するようにし、それぞれ線形変換を受けた後の画像データDRc 、DGc 、DBc が、グレーの被写体を示すデータについては互いに同一濃度を示すものとなるようにしても構わない。しかし、画像データDGを基準としてそれを無変換のままとすれば、処理の冗長化が避けられるので好ましい。
【0069】
以上説明したグレーバランス調整方法では、画像データDR、DBを線形変換してグレーバランスを調整するようにしているから、先に図14や図15を参照して説明したようにR、G、Bの各画像データに適当なバイアス分を加えるだけでは露光量の全域に亘ってグレーバランスを取ることができない場合においても、グレーバランスを取ることができる。
【0070】
またこのグレーバランス調整方法においては、前述した通り、R、G2色の濃度間の関係を求める上で、カラーフェリアを招きやすいR−C色相およびG−M色相にある画素は除外し、B−Y色相にある画素についての画像データに基づいてR、G2色の濃度間の関係を求めるようにし、同様に、B、G2色の濃度間の関係を求める上で、カラーフェリアを招きやすいB−Y色相およびG−M色相にある画素は除外し、R−C色相にある画素についての画像データに基づいてB、G2色の濃度間の関係を求めるようにしているので、カラーフェリアを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のグレーバランス調整方法を実施するデジタル写真プリンタの一例を示す概略図
【図2】上記デジタル写真プリンタにおけるグレーバランス調整方法の処理の流れを示すフローチャート
【図3】上記グレーバランス調整方法におけるγ変換処理を説明するグラフ
【図4】上記グレーバランス調整方法において形成される画像データのヒストグラムを説明するグラフ
【図5】上記グレーバランス調整方法において適用される色差空間を説明する説明図
【図6】上記色差空間における色情報を説明する説明図
【図7】上記グレーバランス調整方法における、高彩度画素の特定方法を説明する説明図
【図8】上記グレーバランス調整方法における、高彩度画素のグループ化を説明する説明図
【図9】上記グレーバランス調整方法における、特定色相にある画素の選択を説明する説明図
【図10】上記グレーバランス調整方法における、特定色相にある画素の選択を説明する説明図
【図11】上記グレーバランス調整方法における、2色の濃度間の関係の求め方を説明する説明図
【図12】2色の濃度間の関係が不適正に求められる例を説明する説明図
【図13】写真フィルムにおける撮影露光量と発色濃度との関係を示すグラフ
【図14】グレーバランス調整が必要な理由を説明する説明図
【図15】グレーバランス調整が必要な理由を説明する説明図
【符号の説明】
10 フィルム
11 撮影コマ
30 光源ユニット
51 レンズ
52 CCD
53 A/D変換器
54 画像処理装置
Claims (7)
- カラーフィルムに記録されている画像を読み取って得られた、画素毎の各色濃度を示す画像データD1、D2、D3(「1」、「2」、「3」がそれぞれ「赤」、「緑」、「青」のいずれか1つずつに対応)に基づいて3色光ビームの各々を変調し、これらの光ビームによりカラー感光材料を走査して該感光材料にカラー画像を記録する写真プリンタにおいて、
前記画素毎の画像データD1、D2、D3を、グレーの被写体を示すデータについては互いに同一濃度を示すものとなるように調整する方法であって、
前記画像データD1、D2、D3から画素毎の色情報を求め、彩度が所定値よりも高い高彩度画素および、その高彩度画素に隣接して該高彩度画素との色相差が所定値以内にある画素に関する画像データを画像データD1、D2、D3から除外して低彩度画素に関する画像データD1’、D2’、D3’を得、
これらの画像データD1’、D2’、D3’の各々におけるシャドー点D1s、D2s 、D3s およびハイライト点D1h 、D2h 、D3h を求め、
各色毎のシャドー点からハイライト点までのダイナミックレンジの差が、所定の許容値内に収まっていない場合は、このダイナミックレンジが各色間で同じとなるようにハイライト点D1h 、D2h あるいはD3h を修正し、
画素毎に対応している画像データ(D1’,D2’)のうち、D1’,D2’の一方が等しい画像データについて他方を平均してなる画像データ(D1”,D2”)の集合と、画素毎に対応している画像データ(D3’,D2’)の一方の同一値毎に他方を平均してなる画像データ(D3”,D2”)の集合とを求め、
2色に関する画像データ(D1”,D2”)の集合とシャドー点(D1s ,D2s )およびハイライト点(D1h ,D2h )から、画像データ(D1,D2)が示すこれら2色の濃度間の関係を求め、この関係に基づいて画像データD1とD2の少なくとも一方をその全域に亘って他方と等しくなるように線形変換し、
2色に関する画像データ(D3”,D2”)の集合とシャドー点(D3s ,D2s )およびハイライト点(D3h ,D2h )から、画像データ(D3,D2)が示すこれら2色の濃度間の関係を求め、この関係に基づいて画像データD3とD2の少なくとも一方をその全域に亘って他方と等しくなるように線形変換することを特徴とする写真プリンタにおけるグレーバランス調整方法。 - 前記画像データD1、D2、D3から画素毎の色情報を求める前に、予め該画像データD1、D2、D3の少なくとも1つに、グレーの被写体を示すデータについては濃度差が露光量によらずほぼ一定となるように、変換特性が各色毎に固定されたγ(ガンマ)変換処理を施すことを特徴とする請求項1記載の写真プリンタにおけるグレーバランス調整方法。
- 前記低彩度画素の中で特定の第1の色相にある画素を選択して、それらの画素についての画像データD1’、D2’、D3’から前記画像データ(D1’,D2’)を求め、前記低彩度画素の中で前記第1の色相とは異なる特定の第2の色相にある画素を選択して、それらの画素についての画像データD1’、D2’、D3’から前記画像データ(D3’,D2’)を求めることを特徴とする請求項1または2記載の写真プリンタにおけるグレーバランス調整方法。
- 画像データD1が赤色濃度を示し、画像データD2が緑色濃度を示し、画像データD3が青色濃度を示すものであるとき、前記第1の色相にある画素として青色相とイエロー色相にある画素を選択し、前記第2の色相にある画素として赤色相とシアン色相にある画素を選択することを特徴とする請求項3記載の写真プリンタにおけるグレーバランス調整方法。
- 前記2つの線形変換が、
前記2色に関する画像データ(D1”,D2”)の集合とシャドー点(D1s,D2s )およびハイライト点(D1h ,D2h )から求められた2色の濃度間の関係がX−Y座標系においてY=α1 ・X+β1 で与えられるとき、画像データD2は無変換とし、画像データD1をD1c =α1 ・D1+β1 なる画像データD1c に線形変換し、
前記2色に関する画像データ(D3”,D2”)の集合とシャドー点(D3s,D2s )およびハイライト点(D3h ,D2h )から求められた2色の濃度間の関係がX−Y座標系においてY=α3 ・X+β3 で与えられるとき、画像データD2は無変換とし、画像データD3をD3c =α3 ・D3+β3 なる画像データD3c に線形変換するものであることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の写真プリンタにおけるグレーバランス調整方法。 - 前記カラーフィルムがカラーネガフィルムであり、前記画像データD1、D2、D3はこのカラーネガフィルムを透過させた読取光を検出することによって得られたものであることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の写真プリンタにおけるグレーバランス調整方法。
- カラーフィルムに記録されている画像を読み取って得られた、画素毎の各色濃度を示す画像データD1、D2、D3(「1」、「2」、「3」がそれぞれ「赤」、「緑」、「青」のいずれか1つずつに対応)に基づいて3色光ビームの各々を変調し、これらの光ビームによりカラー感光材料を走査して該感光材料にカラー画像を記録する写真プリンタにおいて、
前記画素毎の画像データD1、D2、D3を、グレーの被写体を示すデータについては互いに同一濃度を示すものとなるように調整する方法であって、
前記画像データD1、D2、D3から画素毎の色情報を求め、彩度が所定値よりも低い低彩度画素に関する画像データD1’、D2’、D3’を得、
これらの画像データD1’、D2’、D3’の各々における各色毎のシャドー点D1s 、D2s 、D3s 、および各色毎のハイライト点D1h 、D2h 、D3h を求め、
前記画像データD1’、D2’、D3’のうちの2色に関する画像データ(D1’,D2’)の集合とシャドー点(D1s ,D2s )およびハイライト点(D1h ,D2h )から、画像データ(D1,D2)が示すこれら2色の濃度間の関係を求め、この関係に基づいて画像データD1とD2の少なくとも一方をその全域に亘って他方と等しくなるように線形変換し、
2色に関する画像データ(D3’,D2’)の集合とシャドー点(D3s ,D2s )およびハイライト点(D3h ,D2h )から、画像データ(D3,D2)が示すこれら2色の濃度間の関係を求め、この関係に基づいて画像データD3とD2の少なくとも一方をその全域に亘って他方と等しくなるように線形変換することを特徴とする写真プリンタにおけるグレーバランス調整方法。
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