JPH10224650A - 画像処理方法及び装置 - Google Patents

画像処理方法及び装置

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JPH10224650A
JPH10224650A JP9026876A JP2687697A JPH10224650A JP H10224650 A JPH10224650 A JP H10224650A JP 9026876 A JP9026876 A JP 9026876A JP 2687697 A JP2687697 A JP 2687697A JP H10224650 A JPH10224650 A JP H10224650A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原画像中の主要画像部の階調値が極端に高い
又は低い場合にも、主要画像部が適正に再現されるよう
に画像データを修正する。 【解決手段】 多数の画像のデータより平均階調バラン
ス曲線を求め、プレスキャン画像データから色バランス
を修正するための個別基準濃度を求め、該個別基準濃度
と平均階調バランス曲線から多数の画像の平均的な階調
バランスを表す平均基準濃度を求めた後に、個別基準濃
度に対応する画素が画像中の主要画像部に対応する画素
か否か判定する(252〜266)。主要画像部に対応しない画
素であれば各基準濃度に対する重み係数を決定して重み
付き平均濃度を求めて色バランス変換条件を決定する(2
70〜274)。主要画像部に対応する画素であれば平均基準
濃度に基づき色バランス変換条件を決定する(276) 。フ
ァインスキャン画像データが入力されると色バランス変
換条件に基づき色バランスを修正する(292〜296)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像処理方法及び装
置に係り、特に、画像データが表す原画像が少なくとも
グレイバランスのとれた色バランスの画像となるよう
に、修正条件に従って画像データを修正する画像処理方
法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、写真フィルム等に記録されて
いる原画像を記録材料に複写記録するにあたり、撮像等
によって得られた原画像を表す画像データに対し、記録
材料に画像を記録するために階調変換等の変換処理を行
い、該変換によって得られた記録用データを用いて画素
単位で記録材料に画像を記録することが行われている
(所謂デジタル複写方式)。このデジタル複写方式にお
いて、記録画像の画質は、画像データをどのように変換
したかによって大きく左右されるので、以下で説明する
ように、従来より種々の画像データ変換方法が提案され
ている。
【0003】特開平2-157758号公報には、階調変換を行
うための変換曲線を設定する際の基準値であるハイライ
ト濃度及びシャドー濃度を自動的に設定する技術とし
て、原画像の各画素毎に色成分別の濃度値の平均値を求
め、各画素毎の平均濃度値と画素数との関係を示す平均
濃度値度数ヒストグラムを求め、平均濃度値度数ヒスト
グラムから累積平均濃度値度数ヒストグラムを求め、累
積平均濃度値度数ヒストグラムにおいて所定の累積濃度
出現率に対応する平均濃度値を見い出し、見い出した平
均濃度値と平均濃度値度数ヒストグラムにおける発生限
界濃度値とによって決定される濃度区間内において、色
成分別の区間内平均濃度値を求め、該色成分別の区間内
平均濃度に基づいて基準濃度点(ハイライト濃度、シャ
ドー濃度)を設定することが開示されている。
【0004】また、特開平 5-91323号公報には、上記技
術において、原画像中の局部的に明るい(例えば鏡面反
射)部分や局部的に暗い部分の影響を軽減して基準濃度
点を求めるようにした基準濃度点の設定方法が記載され
ている。
【0005】また、特開平6-242521号公報には、ネガ画
像を多数個の領域に分割し各成分色毎に分解して測光
し、各成分色毎に最大基準値及び最小基準値(濃度値)
を定め、各成分色毎の最大基準値が記録画像上で白に再
現され、最小基準値が記録画像上で黒に再現されるよう
に階調変換を行う技術が開示されている。
【0006】更に、特開平4-285933号公報には、原画中
の主要画像部、ハイライト部、シャドー部を検出し、主
要画像部とハイライト部及びシャドー部との濃度差を算
出し、該濃度差を所定値と比較して階調補正量を演算
し、該階調補正量を用いて階調変換を行うハードコピー
装置が記載されている。
【0007】また、特開昭60-37878号公報には、複数の
標準トーンカーブを記憶しておき、該複数の標準トーン
カーブを、原稿のハイライト点及びシャドー点を通るよ
うに各々修正し、所望の出力信号に対する偏差が最も小
さいトーンカーブを階調変換テーブルとして用いる方式
が開示されている。
【0008】また、特開昭 62-111569号公報には、ハイ
ライト点、シャドー点等の特色点の座標をディジタイザ
で指定させ、座標が指定された特色点の画素及びその近
傍の画素のデータに基づいてノイズの影響を排除した特
色点の代表濃度を求め、特色点の代表濃度から階調変換
等の画像処理条件を自動設定する技術が開示されてい
る。
【0009】このように、画像毎に最大基準濃度、最小
基準濃度、ハイライト濃度、シャドー濃度等の基準濃度
を各種の手法により設定し、設定した基準濃度から変換
条件を設定したり、設定した基準濃度に基づいて標準的
な変換条件を修正して用いることは従来より知られてい
る。また、機差やカラー原稿の発色特性を補正する技術
も従来より提案されている(特開平6-237373号公報、特
開平5-344326号公報等参照) 。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た画像データ変換方法では、原画像中の最大濃度又は最
小濃度の画素又は画素群が、原画像中の非中性色の被写
体に相当する画像部(例えば人物の顔等に相当する主要
画像部)に対応していた場合に、記録画像の色バランス
が特定の色に偏倚する所謂カラーフェリアが生じたり、
記録画像上での主要画像部の濃度が極端に高く又は低く
なる所謂濃度フェリアが生ずることがある、という問題
があった。
【0011】例えば原画像が、近接、又は比較的近距離
に存在している人物をストロボを発光させて写真フィル
ムに撮影記録したフィルム画像であった場合、ストロボ
光によって照明された人物の顔等がフィルム画像中のハ
イライト部になり、該フィルム画像がネガ画像であると
すると、フィルム画像中の人物の顔に相当する部分がフ
ィルム画像中の最大濃度となることが多い。このような
画像に対し、従来の画像データ変換方法では、人物の顔
に相当する部分の画素が基準点として採用され、記録画
像上での基準点の色味が中性色となるように変換条件が
設定されるので、設定された変換条件に従って原画像情
報を変換して画像を記録したとすると、記録画像の色バ
ランスが特定の色(この場合は人物の顔の色(肌色)の
補色の色)に偏倚する。
【0012】また、上記のような画像では、フィルム画
像中の人物の顔に相当する部分の濃度域が、フィルム画
像全体の濃度域に対して高濃度側又は低濃度側に大きく
偏倚しているので、従来の画像データ変換方法では、記
録画像上での主要画像部の濃度が極端に高く又は低くな
り、記録画像上で主要画像部を適正な濃度で再現するこ
とができなかった。
【0013】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、原画像中に存在する非中性色の被写体に相当する画
像部が及ぼす影響を解消又は低減し、画像データが表す
画像が適正な色バランスの画像となるように画像データ
を修正できる画像処理方法を得ることが目的である。
【0014】また、本発明は、原画像中の主要画像部の
階調値が極端に高い又は低い場合にも、主要画像部が適
正に再現されるように画像データを修正できる画像処理
方法及び装置を得ることが目的である。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明に係る画像処理方法は、原画像を
表す画像データに対し、前記画像データが表す画像が少
なくともグレイバランスのとれた色バランスの画像とな
るように、前記画像データを修正条件に従って修正する
画像処理方法であって、原画像中の非中性色の被写体に
相当する画像部を判断し、前記判断した非中性色の被写
体に相当する画像部から抽出される画像特徴量が、前記
修正条件の決定に関与しないように前記修正条件を決定
し、前記決定した修正条件に従って前記画像データを修
正することを特徴としている。
【0016】請求項1記載の発明では、画像データが表
す画像が少なくともグレイバランスのとれた色バランス
の画像となるように画像データを修正する修正条件を決
定するにあたり、原画像中の非中性色の被写体に相当す
る画像部を判断し、判断した非中性色の被写体に相当す
る画像部から抽出される画像特徴量が、修正条件の決定
に関与しないように修正条件を決定している。なお、修
正条件の決定に用いる画像特徴量としては、例えば画像
部の色味に関連する画像特徴量、より詳しくは各成分色
毎の濃度、各成分色の色差、色比等を用いることができ
る。また、本発明において、グレイバランスのとれた画
像は、グレイの被写体が画像中でグレイとして再現され
ている画像を意味する。
【0017】非中性色の被写体に相当する画像部の判断
は、例えば非中性色であることが経験的に知られている
被写体に相当する画像部(例えば人物の顔に相当する画
像部等の主要画像部)を抽出することで行うことができ
る。また、例えば複数の原画像のデータに基づいて中性
色の被写体に相当する画像部の原画像上での色味を求
め、前記求めた色味と大きく異なる色味の画像部を非中
性色の被写体に相当する画像部と判断するようにしても
よい。更に、原画像中の中性色の被写体に相当する画像
部を判定することで、非中性色の被写体に相当する画像
部を判断することも可能である。
【0018】また、上記のように、非中性色の被写体に
相当する画像部の画像特徴量が修正条件の決定に関与し
ないように修正条件を決定することは、判断した非中性
色の被写体に相当する画像部から画像特徴量を抽出する
ことなく、修正条件による修正対象の原画像中の中性色
の被写体に相当する画像部のみから、修正条件を決定す
るための画像特徴量を抽出し、抽出した画像特徴量を用
いて修正条件を決定するか、或いは前記原画像と異なる
複数の原画像から抽出した画像特徴量(好ましくは前記
複数の原画像の各々における中性色の被写体に相当する
画像部から抽出した画像特徴量)を用いて修正条件を決
定することで実現できる。
【0019】これにより、原画像中の非中性色の被写体
に相当する部分の画像特徴量が修正条件に悪影響を及ぼ
すことを防止できるので、画像データが表す画像が適正
な(グレイバランスのとれた)色バランスの画像となる
ように画像データを修正できる修正条件の得率が向上す
る。そして請求項1の発明では、決定した修正条件に従
って画像データを修正するので、原画像中に存在する非
中性色の被写体に相当する画像部が及ぼす影響を解消
し、画像データが表す画像が適正な色バランスの画像と
なるように画像データを修正することができ、カラーフ
ェリアの発生を防止することができる。
【0020】請求項2記載の発明に係る画像処理方法
は、原画像を表す画像データに対し、前記画像データが
表す画像が少なくともグレイバランスのとれた色バラン
スの画像となるように、前記画像データを修正条件に従
って修正する画像処理方法であって、原画像中の非中性
色の被写体に相当する画像部を判断し、前記判断した非
中性色の被写体に相当する画像部から抽出される画像特
徴量が、前記修正条件の決定に関与する度合いが小さく
なるように前記修正条件を決定し、前記決定した修正条
件に従って前記画像データを修正することを特徴として
いる。
【0021】請求項2記載の発明では、画像データが表
す画像が少なくともグレイバランスのとれた色バランス
の画像となるように画像データを修正する修正条件を決
定するにあたり、原画像中の非中性色の被写体に相当す
る画像部を判断し、判断した非中性色の被写体に相当す
る画像部から抽出される画像特徴量が、修正条件の決定
に関与する度合いが小さくなるように修正条件を決定し
ている。
【0022】なお請求項2の発明において、修正条件の
決定に用いる画像特徴量としては、請求項1の発明と同
様に、例えば画像部の色味に関連する画像特徴量、より
詳しくは各成分色毎の濃度、各成分色の色差、色比等を
用いることができる。また、請求項2の発明における非
中性色の被写体に相当する画像部の判断についても、請
求項1の発明と同様に行うことができる。
【0023】また、非中性色の被写体に相当する画像部
の画像特徴量が、修正条件の決定に関与関与する度合い
が小さくなるように修正条件を決定することは、例えば
修正条件による修正対象の原画像中の中性色の被写体に
相当する画像部から抽出した画像特徴量、或いは前記複
数の原画像から抽出した画像特徴量の関与の度合いを高
くして修正条件を決定することで実現することができ
る。
【0024】これにより、原画像中の非中性色の被写体
に相当する部分の画像特徴量が修正条件に悪影響を及ぼ
す可能性が低減されるので、画像データが表す画像が適
正な(グレイバランスのとれた)色バランスの画像とな
るように画像データを修正できる修正条件の得率が向上
する。そして請求項2の発明では、決定した修正条件に
従って画像データを修正するので、原画像中に存在する
非中性色の被写体に相当する画像部が及ぼす影響を低減
し、画像データが表す画像が適正な色バランスの画像と
なるように画像データを修正することができ、カラーフ
ェリアの発生を防止することができる。
【0025】請求項3記載の発明に係る画像処理方法
は、原画像を表す画像データに対し、前記画像データが
表す画像が少なくともグレイバランスのとれた色バラン
スの画像となるように、前記画像データを修正条件に従
って修正する画像処理方法であって、前記修正条件の決
定に用いる画像特徴量の抽出対象である、高濃度側階調
値域に対応する前記原画像中の基準部分及び低濃度側階
調値域に対応する前記原画像中の基準部分の少なくとも
一方を検出し、前記検出した基準部分が前記原画像中の
主要画像部に対応しているか否かを判定し、前記検出し
た基準部分が前記主要画像部に対応していると判定した
場合に、前記検出した基準部分が前記主要画像部に対応
していないと判定した場合よりも、前記検出した基準部
分から抽出した画像特徴量が前記修正条件の決定に関与
する度合いを低下させて前記修正条件を決定し、前記決
定した修正条件に従って前記画像データを修正すること
を特徴としている。
【0026】請求項3記載の発明では、画像データが表
す画像が少なくともグレイバランスのとれた色バランス
の画像となるように画像データを修正する修正条件を決
定するにあたり、修正条件の決定に用いる画像特徴量の
抽出対象である、高濃度側階調値域に対応する原画像中
の基準部分及び低濃度側階調値域に対応する原画像中の
基準部分の少なくとも一方を検出する。なお、本発明に
おける階調値は、濃度値、透過度、明度、輝度、網点面
積率等の画像の濃淡を表す値である。また、修正条件の
決定に用いる基準部分の画像特徴量としては、例えば基
準部分の色味に関連する画像特徴量、より詳しくは基準
部分における各成分色毎の濃度、各成分色の色差、色比
等が挙げられる。
【0027】ところで、原画像中の主要画像部の階調値
が極端に高い又は極端に低い等の場合には、前記基準部
分として原画像中の主要画像部が検出されることがあ
る。原画像中の主要画像部の色味は非中性色であること
が殆どである(特に主要画像部が人物の顔に相当する画
像部の場合)ことが経験的に知られているので、基準部
分として原画像中の主要画像部が検出された場合には、
原画像中の主要画像部の画像特徴量に基づいて修正条件
を決定したとすると修正条件が主要画像部の色味の影響
を受け、画像データが表す画像がグレイバランスがとれ
た色バランスの画像となるように画像データを修正でき
る修正条件が得られる確率は低い。
【0028】これに対し請求項3の発明では、検出した
基準部分が原画像中の主要画像部に対応しているか否か
を判定し、検出した基準部分が主要画像部に対応してい
ると判定した場合に、検出した基準部分が主要画像部に
対応していないと判定した場合よりも、検出した基準部
分から抽出した画像特徴量が修正条件の決定に関与する
度合いを低下させて修正条件を決定する。なお、前記修
正条件の決定に関与する度合いを低下させることには、
前記関与する度合いを0にする(すなわち修正条件の決
定に用いない)ことも含む。
【0029】上記のように、修正対象の原画像の基準部
分の画像特徴量が修正条件の決定に関与する度合いを低
下させることは、前記修正対象の原画像の基準部分の画
像特徴量と異なる別の画像特徴量の関与の度合いを高く
して修正条件を決定することで実現することができる。
前記別の画像特徴量としては、多数の原画像の大多数に
対して色バランスを適正な色バランスに修正できる修正
条件が得られる画像特徴量、例えば複数の原画像から各
々検出した基準部分の画像特徴量の平均等を用いること
ができ、複数の原画像から各々検出した基準部分の画像
特徴量の平均が修正条件の決定に関与する度合いを高く
して修正条件を決定する(具体的には、例えば複数の原
画像から各々検出した基準部分の画像特徴量に対する重
みを大きくして、修正対象の原画像から検出した基準部
分の画像特徴量との重み付き平均に基づいて修正条件を
決定する)か、又は複数の原画像から各々検出した基準
部分の画像特徴量のみを用いて修正条件を決定すること
ができる。
【0030】これにより、色味が非中性色である可能性
の高い主要画像部の画像特徴量が修正条件に悪影響を及
ぼす可能性が低減されるので、画像データが表す画像が
グレイバランスのとれた画像となり、主要画像部が適正
な色味で再現されるように画像データを修正できる修正
条件の得率が向上する。そして請求項3の発明では、決
定した修正条件に従って画像データを修正するので、原
画像中の主要画像部の階調値が極端に高い又は低い場合
にも(すなわち検出した基準部分の色味が非中性色の場
合にも)、画像データが表す画像がグレイバランスのと
れた画像となり、主要画像部が適正な色味で再現される
ように画像データを修正することができ、カラーフェリ
アの発生を防止することができる。
【0031】請求項4記載の発明は、請求項3の発明に
おいて、前記原画像中の主要画像部の階調値を算出し、
算出した主要画像部の階調値が所定の階調値に修正され
るように前記修正条件を決定することを特徴としてい
る。
【0032】請求項4記載の発明では、原画像中の主要
画像部の階調値を算出し、算出した主要画像部の階調値
が所定の階調値に修正されるように修正条件を決定する
ので、原画像中の主要画像部の階調値が極端に高い又は
低い場合であっても、画像データが表す画像中の主要画
像部が適正な階調値で再現されるように画像データを修
正できる修正条件を得ることができ、濃度フェリアの発
生を防止することができる。
【0033】請求項5記載の発明に係る画像処理装置
は、原画像を表す画像データに対し、前記画像データが
表す原画像が少なくともグレイバランスのとれた色バラ
ンスの画像となるように、前記画像データを修正条件に
従って修正する画像処理装置であって、前記修正条件の
決定に用いる画像特徴量の抽出対象である、高濃度側階
調値域に対応する前記原画像中の基準部分及び低濃度側
階調値域に対応する前記原画像中の基準部分の少なくと
も一方を検出する検出手段と、前記検出手段によって検
出された基準部分が前記原画像中の主要画像部に対応し
ているか否かを判定する判定手段と、前記検出された基
準部分が前記主要画像部に対応していると前記判定手段
によって判定された場合に、前記検出された基準部分が
前記主要画像部に対応していないと前記判定手段によっ
て判定された場合よりも、前記検出された基準部分から
抽出した画像特徴量が前記修正条件の決定に関与する度
合いを低下させて前記修正条件を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された修正条件に従って前記
画像データを修正する修正手段と、を備えたことを特徴
としている。
【0034】請求項5記載の発明では、修正条件の決定
に用いる画像特徴量の抽出対象である、高濃度側階調値
域に対応する原画像中の基準部分及び低濃度側階調値域
に対応する原画像中の基準部分の少なくとも一方が検出
手段によって検出され、検出された基準部分が原画像中
の主要画像部に対応しているか否かが判定手段によって
判定され、決定手段では、検出された基準部分が主要画
像部に対応していると判定された場合に、検出された基
準部分が主要画像部に対応していないと判定された場合
よりも、検出された基準部分から抽出した画像特徴量が
修正条件の決定に関与する度合いを低下させて修正条件
を決定するので、請求項3の発明と同様に、原画像中の
主要画像部の階調値が極端に高い又は低い場合にも、主
要画像部が適正に再現されるように画像データを修正す
ることができ、カラーフェリアの発生を防止することが
できる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態の一例を詳細に説明する。
【0036】〔第1実施形態〕図1には本実施形態に係
る写真処理システム10が示されている。写真処理シス
テム10には、図示しないカメラによって画像が撮影記
録されたネガフィルム12が多数本持ち込まれる。持ち
込まれた多数本のネガフィルム12は、スプライシング
テープ等によって繋ぎ合わされ、図示しないフィルムプ
ロセッサで現像等の処理が行われた後にフィルム画像読
取装置16へセットされる。
【0037】フィルム画像読取装置16の内部には、フ
ィルム搬送路に沿ってプレスキャン部36、ファインス
キャン部38が順次配置されている。各スキャン部3
6、38ではネガフィルム12に記録されているフィル
ム画像の走査読み取りを各々行う。図2に示すように、
プレスキャン部36よりもフィルム搬送路の上流側には
バーコードリーダ40が設けられている。バーコードリ
ーダ40は、発光素子40Aと受光素子40Bとの対が
フィルム搬送路を挟んで対向配置されて構成されてい
る。受光素子40Bは制御回路42に接続されている。
制御回路42は、受光素子40Bから出力される信号の
レベルの変化に基づいて、ネガフィルム12に光学的に
記録されている、フィルム種等を表すバーコードを読み
取り、ネガフィルム12のフィルム種等を判断する。
【0038】バーコードリーダ40とプレスキャン部3
6との間には、ネガフィルム12を挟持搬送する一対の
ローラ44、読取ヘッド46、画面検出センサ50が順
次配置されている。読取ヘッド46及び画面検出センサ
50は各々制御回路42に接続されている。フィルム画
像読取装置16にセットされるネガフィルム12の中に
は、裏面に透明な磁性材料が塗布されて磁気層が形成さ
れ、この磁気層にコマ番号、フィルム種、撮影時の撮影
条件等を表す情報が磁気記録されていることがある。読
取ヘッド46は前記磁気層に磁気記録された情報を読取
可能な位置に配置されており、前記情報を読み取って制
御回路42へ出力する。
【0039】また、画面検出センサ50は前述のバーコ
ードリーダ40と同様に発光素子と受光素子の対で構成
されている。制御回路42は画面検出センサ50の受光
素子から出力される信号のレベルの変化に基づいて、ネ
ガフィルム12上におけるフィルム画像の位置(及びサ
イズ)を判断する。
【0040】一方、プレスキャン部36は、プレスキャ
ン部36を通過するネガフィルム12へ向けて光を射出
するように配置されたランプ52を備えている。ランプ
52はドライバ54を介して制御回路42に接続されて
おり、射出する光の光量が予め定められた所定値となる
ようにドライバ54から供給される電圧の大きさが制御
回路42によって制御される。ランプ52の光射出側に
はC(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)の3
枚の調光フィルタから成る調光フィルタ群56、光拡散
ボックス58が順に配置されており、さらにフィルム搬
送路を挟んで結像レンズ60、CCDラインセンサ62
が順に配置されている。
【0041】調光フィルタ群56の各調光フィルタは、
CCDラインセンサ62におけるR、G、Bの3色の感
度のばらつきを補正するために、光路中への挿入量が予
め調整されている。調光フィルタ群56、光拡散ボック
ス58、ネガフィルム12及び結像レンズ60を順次透
過した光はCCDラインセンサ62の受光面に照射され
る。CCDラインセンサ62は、Rの光の光量を検出す
るセンサ、Gの光の光量を検出するセンサ及びBの光の
光量を検出するセンサが隣接配置されて成る多数のセン
サユニットが、ネガフィルム12の幅方向に沿って所定
間隔隔てて配列されて構成されている。
【0042】従って、CCDラインセンサ62は画像
を、前記センサユニットの間隔を1辺の大きさとする多
数個の画素に分割し、各画素毎に透過光量を検出する。
前記結像レンズ60は、ネガフィルム12を透過した光
のうち、ランプ52から射出された光の光軸と交差しか
つネガフィルム12の幅方向に沿った1画素列(以下、
この画素列に対応する位置を読取位置という)を透過し
た光を、CCDラインセンサ62の受光面に結像させ
る。
【0043】CCDラインセンサ62の出力側には、増
幅器64、LOG変換器66、A/D変換器68が順に
接続されている。CCDラインセンサ62から出力され
た信号は、増幅器64で増幅され、LOG変換器66で
対数変換され、A/D変換器68によってデジタルの画
像データ(フィルム画像の各画素のR、G、B毎の濃度
値を表すデータ)に変換される。A/D変換器68は制
御回路42に接続されており、A/D変換器68から出
力された画像データはプレスキャン画像データとして制
御回路42に入力される。なお、プレスキャン画像デー
タは本発明の原画像情報に対応しており、プレスキャン
部36は本発明の入力手段に対応している。
【0044】制御回路42は、図示は省略するがCP
U、ROM、RAM、入出力ポートを備え、これらがバ
スを介して互いに接続されて構成されている。また制御
回路42は、入力されたプレスキャン画像データ等を記
憶するための不揮発性の記憶部70と、ファインスキャ
ン画像データ(後述)を記録用画像データに変換するた
めのルックアップテーブル(LUT)71を備えてい
る。更に、制御回路42にはCRTディスプレイ72が
接続されており、入力されたプレスキャン画像データを
用いて処理を行って、ポジ画像をディスプレイ72に表
示することも可能とされている。
【0045】また、プレスキャン部36とファインスキ
ャン部38との間には、搬送ローラ対74と従動ローラ
76とから成るローラ群と、従動ローラ78A、78
B、78Cから成るローラ群と、が所定間隔隔てて配置
されている。この2つのローラ群の間ではネガフィルム
12のループが形成される。このループにより、プレス
キャン部36におけるネガフィルム12の搬送速度と、
ファインスキャン部38におけるネガフィルム12の搬
送速度と、の差が吸収される。搬送ローラ対74にはパ
ルスモータ80が連結されている。パルスモータ80は
ドライバ82を介して制御回路42に接続されている。
制御回路42はドライバ82を介してパルスモータ80
を駆動することにより、ネガフィルム12を搬送させ
る。
【0046】一方、ファインスキャン部38はプレスキ
ャン部36とほぼ同一の構成とされている。すなわち、
ファインスキャン部38はネガフィルム12へ向けて光
を射出するランプ84を備えている。ランプ84はドラ
イバ86を介して制御回路42に接続されており、射出
する光が所定の光量となるようにドライバ86からの供
給電圧の大きさが制御回路42によって制御される。ラ
ンプ84の光射出側には3枚の調光フィルタから成る調
光フィルタ群88、光拡散ボックス90が順次配置され
ており、さらにフィルム搬送路を挟んで結像レンズ9
2、CCDラインセンサ94が順次配置されている。
【0047】調光フィルタ群88の各調光フィルタも、
CCDラインセンサ94におけるR、G、Bの3色の感
度のばらつきを補正するために、光路への挿入量が予め
調整されている。結像レンズ92は、調光フィルタ群8
8、光拡散ボックス90、ネガフィルム12を透過した
光のうち、読取位置に位置している画素列を透過した光
をCCDラインセンサ94の受光面に結像させる。CC
Dラインセンサ94もCCDラインセンサ62と同様の
構成とされているが、センサユニットの間隔がCCDラ
インセンサ62よりも小さくされている。従って、CC
Dラインセンサ94はCCDラインセンサ62と比較し
て、画像をさらに細かくさらに多数個の画素に分割し、
各画素毎に透過光量を検出する。
【0048】CCDラインセンサ94の出力側には、増
幅器96、LOG変換器98、A/D変換器100が順
に接続されている。CCDラインセンサ94から出力さ
れた信号は、増幅器96で増幅され、LOG変換器98
で対数変換された後に、A/D変換器100によってデ
ジタルの画像データに変換される。A/D変換器100
は制御回路42に接続されており、変換された画像デー
タはファインスキャン画像データとして制御回路42に
入力される。なお、ファインスキャン画像データは本発
明の原画像情報に対応しており、ファインスキャン部3
8も本発明の入力手段に対応している。
【0049】制御回路42は、詳細は後述するが、プレ
スキャン部36から入力されたプレスキャン画像データ
に基づいてLUT71に設定する変換データを求め、変
換データを設定したLUT71により、ファインスキャ
ン部38から入力されたファインスキャン画像データを
印画紙等の記録材料に画像を記録するための記録用画像
データに変換する。制御回路42はプリンタプロセッサ
18のプリントヘッド120(詳細は後述)と接続され
ており、前記変換により得られた記録用画像データを記
録信号に変換してプリントヘッド120へ転送する。
【0050】また、ファインスキャン部38の下流側に
は搬送ローラ対102が配置されている。搬送ローラ対
102にもパルスモータ104が連結されている。パル
スモータ104はドライバ106を介して制御回路42
に接続されている。制御回路42はドライバ106を介
してパルスモータ104を駆動することにより、ネガフ
ィルム12を搬送させる。
【0051】一方、図1に示すように、プリンタプロセ
ッサ18には層状に巻き取られた印画紙等の記録材料1
12を収納するマガジン114がセットされている。記
録材料112はマガジン114から引き出され、カッタ
部116を介してプリンタ部110へ送り込まれる。プ
リンタ部110にはプリントヘッド120が設けられて
おり、このプリントヘッド120はフィルム画像読取装
置16の制御回路42に接続されている。プリントヘッ
ド120は、制御回路42から記録信号が転送される
と、該記録信号に基づいて記録材料112への画像の露
光を行う。
【0052】このプリントヘッド120としては、例え
ばR、G、Bの各成分色毎のレーザ光を前記記録信号に
応じて変調すると共に、記録材料112の搬送方向と直
交する方向に沿って走査させて記録材料112に照射す
ることにより、記録材料112上に画像を露光記録する
構成のプリントヘッドを用いることができる。また、こ
れに代えて、CRTや液晶パネル等の表示手段を備え、
記録信号が表す画像を表示手段に表示させ、表示手段に
表示された画像を記録材料112上に露光記録する構成
(例えば表示手段としてCRTを用いた場合には、CR
Tから射出された光を直接又は空間光変調素子を介して
記録材料112に照射することにより実現でき、表示手
段として液晶パネルを用いた場合には、液晶パネルを透
過した光を記録材料112に照射することにより実現で
きる)のプリントヘッドを用いてもよい。
【0053】プリンタ部110を通過した記録材料11
2は、リザーバ部150へ送り込まれる。リザーバ部1
50は所定間隔隔てて一対のローラ152が設けられて
おり、記録材料112はこの一対のローラ152間でル
ープが形成される。このループによって、プリンタ部1
10と下流側のプロセッサ部154との搬送速度差が吸
収される。プロセッサ部154には、発色現像槽15
6、漂白定着槽158、水洗槽160、162、164
が順に配置されている。これら各処理槽内には各々所定
の処理液が貯留されている。記録材料112は各処理槽
内へ順に送り込まれ、各処理液に浸漬されて処理され
る。
【0054】プロセッサ部154の下流側には乾燥部1
66が設けられている。乾燥部166は図示しないファ
ンとヒータとによって生成した熱風を記録材料112に
供給する。これにより、記録材料112の表面に付着し
た水分が乾燥される。乾燥部166を通過した記録材料
112は、カッタ部168でプリント毎に切断された後
にプリンタプロセッサ18の外部へ排出される。
【0055】次に本第1実施形態の作用を説明する。図
3は、本実施形態に係る制御回路42の作用を、機能毎
にブロックに分けて示したものである。なお、図3では
プレスキャン部36から入力されるプレスキャン画像デ
ータを実線の矢印で、ファインスキャン部38から入力
されるファインスキャン画像データを破線の矢印で各々
示している。
【0056】図3に示すように、制御回路42は、画像
データ入力手段200、主要画像部抽出手段202、第
1の変換条件設定手段204、変換条件記憶手段20
6、第2の変換条件設定手段208、変換条件決定手段
210、画像信号変換手段212を備えている。各手段
で実行される処理の詳細については、後にフローチャー
トを用いて詳述するが、画像データ入力手段200はプ
レスキャン部36及びファインスキャン部38に対応し
ており、プレスキャン画像データ及びファインスキャン
画像データを各々入力する。
【0057】主要画像部抽出手段202では、画像デー
タ入力手段200から入力されたプレスキャン画像デー
タに基づいて、ネガ画像中の主要画像部を抽出し、主要
画像部の濃度を演算する。第1の変換条件設定手段20
4ではプレスキャン画像データに基づいて、該画像デー
タが表すフィルム画像の色バランスを適正な色バランス
に修正するための変換条件(第1の変換条件)を設定す
る。変換条件記憶手段206は記憶部70の記憶領域の
一部を含んで構成されており、フィルム画像に関する情
報を多数のフィルム画像について記憶している。第2の
変換条件設定手段208は、変換条件記憶手段206に
記憶されている多数のフィルム画像の情報に基づいて、
多数のフィルム画像の第1の変換条件の平均に相当する
変換特性を有する第2の変換条件を設定する。
【0058】変換条件決定手段210では、主要画像部
抽出手段202による主要画像部の抽出結果等に基づい
て、色バランスの修正を行うフィルム画像に対して第1
の変換条件設定手段204が設定した第1の変換条件
と、第2の変換条件設定手段208が設定した第2の変
換条件と、の各々に対する重みを定め、双方の変換条件
の重み付き平均に相当する色バランス変換条件(具体的
にはLUT71に設定する変換データ)を決定するか、
或いは第2の変換条件のみから色バランス変換条件を決
定する。
【0059】画像信号変換手段212もLUT71を含
んで構成されており、変換条件決定手段210によって
決定された変換データをLUT71に設定し、該LUT
71により、画像データ入力手段200から入力された
ファインスキャン画像データに対する色バランスの変換
(修正)を行う。
【0060】次に図4のフローチャートを参照し、制御
回路42で実行される色バランス変換条件の設定・変換
処理について説明する。ステップ250では、プレスキ
ャン部36からプレスキャン画像データが入力されたか
否か判定する。判定が否定された場合にはステップ29
0へ移行し、ファインスキャン部38からファインスキ
ャン画像データが入力されたか否か判定する。
【0061】図2に示した構成からも明らかなように、
フィルム画像読取装置16では各フィルム画像に対し、
プレスキャン部36、ファインスキャン部38の順で、
両スキャン部36、38において各々フィルム画像の読
み取りを行うと共に、プレスキャン部36におけるフィ
ルム画像の読み取りと、ファインスキャン部38におけ
るフィルム画像の読み取りとは非同期で行われる。この
ため、ステップ290の判定も否定された場合にはステ
ップ250へ戻り、プレスキャン画像データ又はファイ
ンスキャン画像データが入力される迄、ステップ25
0、290を繰り返す。
【0062】プレスキャン部36でフィルム画像の読み
取りが行われてプレスキャン画像データが入力される
と、ステップ250の判定が肯定されてステップ252
へ移行し、入力されたプレスキャン画像データを取り込
んで記憶部70に記憶する。次のステップ254以降で
は、ネガフィルムの発色濃度特性等に応じて画像データ
の各成分色毎の階調バランス(色バランス)の修正を行
うための色バランス変換条件を求める。すなわち、本実
施形態では多数のフィルム画像のデータ(プレスキャン
画像データ)が、各々フィルム種と対応されて記憶部7
0に記憶されている。なお、このプレスキャン画像デー
タは、後述するように第2の変換条件の設定に用いられ
るので、記憶部70は変換条件記憶手段206に対応し
ている。
【0063】ステップ254では、バーコードリーダ4
0がネガフィルム(フィルム画像が記録されているネガ
フィルム)に記録されているバーコードを読み取ること
によって検出された前記ネガフィルムのフィルム種を取
込み、記憶部70に予め記憶されている多数のフィルム
画像のデータのうち、前記取り込んだフィルム種と同一
のフィルム種のネガフィルムに記録されていたフィルム
画像のデータを取り込む。
【0064】次のステップ256では、取り込んだ多数
のフィルム画像のデータに基づき、多数のフィルム画像
の平均的な3色の階調バランスを表す平均階調バランス
曲線を決定する。この平均階調バランス曲線は、例えば
G濃度又は3色平均濃度を基準濃度として定めることが
できる。例えば基準濃度としてG濃度を用いた場合に
は、多数のフィルム画像の各画素を各画素のG濃度の高
低に基づいてクラス分けし、各クラス毎にR濃度の平均
値及びB濃度の平均値を演算する。そして、G濃度とR
濃度の平均値との関係、及びG濃度とB濃度の平均値と
の関係を最小二乗法等により直線又は曲線で近似するこ
とにより、平均階調バランス曲線(又は直線)を得るこ
とができる。図5には、基準濃度としてG濃度を用いた
場合のG濃度とR濃度との関係を表す平均階調バランス
曲線の一例を示す。
【0065】ステップ256では、同一フィルム種のネ
ガフィルムに記録されていた多数のフィルム画像のデー
タを用いて平均階調バランス曲線を定めているので、こ
の平均階調バランス曲線は、前記フィルム種のフィルム
画像に記録されている大多数の標準的なフィルム画像に
おけるグレイ部分の3色のバランスを表している。な
お、ステップ254、256で平均階調バランス曲線を
決定することに代えて、平均階調バランス曲線をフィル
ム種毎に予め定めて記憶しておき、対応する平均階調バ
ランス曲線を取り込んで用いるようにしてもよい。
【0066】次のステップ258では、先のステップ2
52で取り込んだプレスキャン画像データに基づいて、
該プレスキャン画像データに対応するフィルム画像に対
し、各成分色毎に最大基準濃度dxi 、最小基準濃度d
ni (但しi はR、G、Bの何れかを表す、以下では
「個別最大基準濃度dxi 」、「個別最小基準濃度dn
i 」と称する)を演算する。この個別最大基準濃度dx
i 、個別最小基準濃度dni としては、例えば三色平均
濃度が最大又は最小の画素の各成分色毎の濃度値を用い
ることができる。
【0067】個別基準濃度dxi 、dni は、色バラン
ス修正対象のフィルム画像に対して個別の色バランス変
換条件を設定する際に用いられる基準濃度であり、各成
分色毎の個別最大基準濃度dxi が各々第1の所定濃度
に変換され、各成分色毎の個別最小基準濃度dni が各
々第2の所定濃度に変換されるように色バランス変換条
件を定めたとすると、ネガフィルムのフィルム種毎のフ
ィルム特性のばらつきを補正できると共に、色バランス
修正対象のフィルム画像に照明光の種類の相違等に起因
する全体的な色バランスの偏倚があれば、これを補正で
きる変換特性を有する色バランス変換条件が得られる。
従って、個別最大基準濃度dxi 及び個別最小基準濃度
dni は第1の変換条件に対応しており、個別基準濃度
dxi 、dni を設定するステップ258は、第1の変
換条件設定手段204に対応している。
【0068】また、ステップ258で各成分色毎の濃度
を個別基準濃度dxi 、dni として採用したフィルム
画像中の特定画素は、請求項3に記載の基準部分に対応
しており、個別基準濃度dxi 、dni は基準部分から
抽出した画像特徴量に対応している。
【0069】ステップ260では、上記で設定した個別
最大基準濃度dxi 及び個別最小基準濃度dni に基づ
き、前述の平均階調バランス曲線より平均最大基準濃度
DXi 及び平均最小基準濃度DNi を決定する。具体的
には、例えば平均階調バランス曲線がG濃度を基準濃度
として定められている場合には、個別最大基準G濃度d
G を平均最大基準G濃度DXG とすると共に個別最小
基準G濃度dnG を平均最小基準G濃度DNG とし、こ
の平均基準G濃度DXG 、DNG に基づいて平均階調バ
ランス曲線からR及びBについての平均基準濃度DXi
、DNi を決定する(図6には、平均基準G濃度DX
G 、DNG から平均基準R濃度DXR 、DNR を求めて
いる例を示す)。
【0070】平均基準濃度DXi 、DNi は、同一フィ
ルム種のネガフィルムに記録された多数のフィルム画像
のデータから定めた平均階調バランス曲線を用いて求め
ているので、各成分色毎の平均最大基準濃度DXi が各
々第1の所定濃度に変換され、各成分色毎の平均最小基
準濃度DNi が各々第2の所定濃度に変換されるように
色バランス変換条件を定めたとすると、ネガフィルムの
フィルム種毎のフィルム特性のばらつきを補正できると
共に、濃度値が個別基準濃度dxi 又はdniとして採
用されるフィルム画像中の特定画素の色味が非中性色で
あったとしても、該フィルム画像中の中性色(グレイ)
の被写体に相当する部分を記録画像上でグレイとして再
現できる(グレイバランスのとれた色バランスの記録画
像が得られる)変換特性を有する色バランス変換条件が
得られる。従って、平均最大基準濃度DXi 及び平均最
小基準濃度DNi は第2の変換条件に対応しており、平
均基準濃度DXi 、DNi を決定するステップ260
は、ステップ254、256と共に第2の変換条件設定
手段208に対応している。
【0071】次のステップ262では、先のステップ2
52で取り込んだプレスキャン画像データに基づいて、
フィルム画像中の主要画像部を抽出し、主要画像部濃度
DNFを演算により推定する。このステップ262は主
要画像部抽出手段202に対応している。なお主要画像
部濃度としては、R、G、Bの各成分色のうちの何れか
1色、又は各成分色の重み付き平均値等を用いることが
できる。
【0072】主要画像部の抽出及び主要画像部濃度DN
Fの推定は、例えば入力されたプレスキャン画像データ
に基づいてディスプレイ72等にフィルム画像を表示し
(ポジ画像に変換して表示することが好ましい)、ライ
トペン等によりフィルム画像中の主要画像部をオペレー
タに指定させることによりフィルム画像中の主要画像部
の位置を特定し、位置を特定した領域の平均濃度等を主
要画像部濃度DNFとすることができる。
【0073】また、主要画像部の抽出及び主要画像部濃
度DNFの推定は、上記のようにオペレータの手を煩わ
すことなく自動的に推定することも可能である。すなわ
ち、主要画像部としてのフィルム画像中の人物の顔に相
当する領域(顔領域)を抽出し、抽出した顔領域の濃度
(例えば平均濃度等)を主要画像部濃度とする。顔領域
の抽出方法としては、例えば特開昭 52-156624号公報、
特開昭 52-156625号公報、特開昭53-12330号公報、特開
昭 53-145620号公報、特開昭 53-145621号公報、特開昭
53-145622号公報等に記載されているように、フィルム
画像の測光によって得られた測光データに基づき、各画
素が色座標上で肌色の範囲内に含まれているか否か判定
し、肌色の範囲内と判断した画素のクラスタ(群)が存
在している領域を顔領域として抽出することができる。
【0074】また、本願出願人が特開平4-346333号公
報、特開平5-100328号公報、特開平5-165120号公報等で
提案しているように、画像データに基づいて色相値(及
び彩度値)についてのヒストグラムを求め、求めたヒス
トグラムを山毎に分割し、各測定点が分割した山の何れ
に属するかを判断して各測定点を分割した山に対応する
群に分け、各群毎に画像を複数の領域に分割し(所謂ク
ラスタリング)、該複数の領域のうち人物の顔に相当す
る領域を推定し、推定した領域を顔領域として抽出する
抽出方式を適用するようにしてもよい。
【0075】また、本願出願人が既に特開平8-122944
号、特開平8-184925号で提案しているように、画像デー
タに基づいて、画像中に存在する人物の各部に特有の形
状パターン(例えば頭部の輪郭、顔の輪郭、顔の内部構
造、胴体の輪郭等を表す形状パターン)の何れか1つを
探索し、検出した形状パターンの大きさ、向き、検出し
た形状パターンが表す人物の所定部分と人物の顔との位
置関係に応じて、人物の顔に相当すると推定される領域
を設定すると共に、検出した形状パターンと異なる他の
形状パターンを探索し、先に設定した領域の、人物の顔
としての整合性を求め、顔領域を抽出する抽出方式を適
用することも可能である。
【0076】更に、フィルム画像中の背景に相当すると
推定される領域(背景領域)を判断し、背景領域以外の
領域を主要画像部に相当する領域として抽出するように
してもよい。具体的には、画像データに基づいて各画素
の色が、色座標上で明らかに背景に属する特定の色(例
えば空や海の青、芝生や木の緑等)の範囲内に含まれて
いるか否か判定し、前記特定の色範囲内と判断した画素
のクラスタ(群)が存在している領域を背景領域と判断
して除去し、残った領域を非背景領域(主要画像部)と
して抽出することができる。同様に、明らかに背景に属
する特定濃度の範囲内に含まれるか否かを判定して背景
領域を求め、残った領域を主要画像部として抽出するよ
うにしてもよい。
【0077】また、本願出願人が特開平8-122944号、特
願平6-266598号で提案しているように、前記と同様にし
て画像を複数の領域に分割した後に、各領域毎に背景に
相当する領域としての特徴量(輪郭に含まれる直線部分
の比率、線対称度、凹凸数、画像外縁との接触率、領域
内の濃度コントラスト、領域内の濃度の変化パターンの
有無等)を求め、求めた特徴量に基づいて各領域が背景
領域か否か判定し背景部と判断した領域を除去し、残っ
た領域を非背景領域(主要画像部)として抽出するよう
にしてもよい。
【0078】また、上記のようにフィルム画像中に存在
する主要画像部の位置を特定することなく、ネガフィル
ム12の磁気層から読取ヘッド46によって読み取った
撮影条件を表す情報(例えば撮影時のストロボ発光の有
無や撮影時に測定された被写体との距離)等に基づい
て、フィルム画像中の主要画像部濃度を推定することも
可能である。例えばフィルム画像が、ストロボを発光さ
せて撮影された画像であり、かつ被写体との距離が近距
離〜中距離程度の場合、主要画像部は高濃度〜中濃度の
階調値範囲に存在(但しフィルム画像がネガ画像の場
合)していると推定できる。また、撮影時に測定された
被写体輝度等の撮影条件も考慮して主要画像部濃度を推
定することも可能である。
【0079】更に、フィルム画像中に、顔領域等のよう
に明らかに主要画像部と判断できる画像部が存在してい
ない場合には、例えばフィルム画像を、ハイライト画像
部を重視すべき画像、シャドー画像部を重視すべき画
像、中間階調値画像部を重視すべき画像等に分類し、主
要画像部濃度として各分類毎に予め定められた濃度値を
用いたり、フィルム画像中の予め定められた領域の濃度
値を主要画像部濃度とすることができる。
【0080】また、フィルム画像を面露光により記録材
料に記録する場合の露光量は、フィルム画像の各種の画
像特徴量に基づいて決定されることが一般的であるが、
この露光量決定方法によって主要画像部を適正に再現で
きる露光量が得られるのであれば、前記露光量決定方法
によりフィルム画像を面露光する際の露光量を演算し、
得られた露光量に対応する濃度値を逆算して主要画像部
濃度を求めることも可能である。
【0081】上記のようにして主要画像部の抽出、主要
画像部濃度DNFの推定を行うとステップ264へ移行
し、先のステップ258で各成分色毎の濃度値を個別基
準濃度dxi 、dni として採用したフィルム画像中の
特定画素は、ステップ262で抽出した主要画像部に対
応する画素か否か判定する。判定が肯定された場合には
ステップ266へ移行し、先のステップ262における
主要画像部の抽出精度(主要画像部として抽出した領域
の確度)が高いか否か判定する。このステップ264、
266は請求項5に記載の判定手段に対応している。
【0082】このステップ264又はステップ266の
判定が否定された場合は、先のステップ258で濃度値
を個別基準濃度dxi 、dni として採用したフィルム
画像中の特定画素が、主要画像部に対応していない画素
か、又は主要画像部に対応していると断定できない画素
である場合である。このため、ステップ264又はステ
ップ266の判定が否定された場合にはステップ270
へ移行し、個別基準濃度dxi 、dni に対する重み係
数w1 (第1の変換条件に対する重みに相当)及び平均
基準濃度DXi 、DNi に対する重み係数w2 (第2の
変換条件に対する重みに相当)を決定する。重み係数w
1 、w2 は、一例として以下のようにして決定すること
ができる。
【0083】例えば、先のステップ264の判定が否定
されてステップ270に移行した場合には、濃度値を個
別基準濃度dxi 、dni として採用したフィルム画像
中の特定画素が主要画像部に対応していない画素である
可能性が高いので、個別基準濃度dxi 、dni に対す
る重みを比較的大きくする(例えばw1 =w2 =0.5
や、w1 >0.5 でw2 <0.5 等)。
【0084】一方、ステップ264の判定は肯定された
ものの、ステップ266の判定が否定されてステップ2
70に移行した場合には、濃度値を個別基準濃度dxi
、dni として採用したフィルム画像中の特定画素が
主要画像部に対応する画素である可能性も若干残ってい
る。主要画像部の色味は非中性色であることが殆どであ
るので、個別基準濃度dxi 、dni がフィルム画像中
の非中性色の部分の色バランスを表している可能性があ
る。このため、ステップ264の判定が否定された場合
よりも個別基準濃度dxi 、dni に対する重みを比較
的小さくする(例えばw1 <0.5 でw2 >0.5 等)。
【0085】上述した各基準濃度に対する重みの決定
は、請求項3に記載の「基準部分が主要画像部に対応し
ていると判定した場合に、基準部分が主要画像部に対応
していないと判定した場合よりも、基準部分から抽出し
た画像特徴量(本実施形態では個別基準濃度dxi 、d
ni )が修正条件の決定に関与する度合いを低下させ」
ることに相当している。
【0086】また、上記以外の他の条件に応じて各基準
濃度に対する重みを更に調整するようにしてもよい。例
えば個別基準濃度dxi 、dni と平均基準濃度DXi
、DNi とが近似している場合(すなわち第1の変換
条件と第2の変換条件とが近似している場合)には、色
バランス修正対象のフィルム画像は、照明光の相違等に
起因する全体的な色バランスの偏倚のない画像である可
能性が高いので、平均基準濃度DXi 、DNi に対する
重みが大きくなるように調整してもよい。
【0087】また、標準的な照明光(例えば昼光)で照
明されたシーンを表すフィルム画像に対し、照明光の種
類の相違によりフィルム画像の3色のバランスがどのよ
うに変化するかは従来より知られている。このため、例
えば平均基準濃度DXi 、DNi が表す3色のバランス
を基準(すなわちグレイ)としたときの個別基準濃度d
xi 、dni が表す3色のバランスの差異が、照明光の
種類の相違とみなせる差異か否かを判断し、照明光の種
類が異なっていると判断した場合には、個別基準濃度d
xi 、dni に対する重みが大きくなるように調整して
もよい。
【0088】ステップ272では上記で決定された重み
係数w1 、w2 を用い、次の(1)式及び(2)式に従
って個別最大基準濃度dxi と平均最大基準濃度DXi
との重み付き平均濃度DDXi 、個別最小基準濃度dn
i と平均最小基準濃度DNiとの重み付き平均濃度DD
Ni を各々演算する。
【0089】 DDXi =w1 ・dxi +w2 ・DXi …(1) DDNi =w1 ・dni +w2 ・DNi …(2) そして、次のステップ274では重み付き平均濃度DD
Xi 、DDNi を基準濃度として、ファインスキャン画
像データに対して色バランスの修正を行うための色バラ
ンス変換条件を決定する。具体的には、予め定められて
いる高濃度側記録濃度Dsi 及び低濃度側記録濃度Dh
i を取込み、記録用画像データに対してネガ−ポジ変換
も同時に行うため、重み付き平均濃度DDXi が低濃度
側記録濃度Dhi に変換され、重み付き平均濃度DDN
i が高濃度側記録濃度Dsi に変換されるように、各成
分色毎に色バランス変換条件を決定(詳しくはルックア
ップテーブル71に設定する色バランス変換データの生
成)する。
【0090】なお、図6にはR濃度に対する色バランス
変換条件の一例(すなわち、重み付き平均R濃度DDX
R を低濃度側R記録濃度DhR に変換し、重み付き平均
R濃度DDNR を高濃度側R記録濃度DsR に変換する
変換特性の色バランス変換条件)を示す。このステップ
276は、先のステップ274と共に請求項5に記載の
決定手段(変換条件決定手段210)に対応している。
なお、フィルム画像がポジ画像である等のようにネガ−
ポジ変換を行う必要がない場合には、重み付き平均濃度
DDXi が高濃度側記録濃度Dsi に変換され、重み付
き平均濃度DDNi が低濃度側記録濃度Dhi に変換さ
れるように色バランス変換条件を定めればよい。
【0091】上記の色バランス変換条件は、個別基準濃
度dxi 、dni と平均基準濃度DXi 、DNi との重
み付き平均に相当する変換条件であり、濃度値を個別基
準濃度dxi 、dni として採用したフィルム画像中の
特定画素が主要画像部に対応する画素である可能性があ
る場合には、個別基準濃度dxi 、dni に対する重み
を小さくしているので、ネガフィルムのフィルム種、濃
度値を個別基準濃度dxi 、dni として採用したフィ
ルム画像中の特定画素の色味が非中性色か否か等に拘ら
ず、フィルム画像中の各画像部が記録画像上で適正な色
味で再現されるようにファインスキャン画像データの色
バランスを修正できる色バランス変換条件が得られる。
【0092】一方、先のステップ264及びステップ2
66の判定が各々肯定された場合には、色バランス修正
対象のフィルム画像は、例えばストロボを発光させて撮
影した等により主要画像部濃度DNFが極端に高い又は
低い画像であり、濃度値を個別基準濃度dxi 、dni
として採用したフィルム画像中の特定画素が主要画像部
に対応する画素である可能性が非常に高い。主要画像部
の色味は非中性色であることが殆どであるので、個別基
準濃度dxi 、dni (この場合の個別基準濃度dxi
、dni は、請求項1及び請求項2に記載の「非中性
色の被写体に相当する画像部から抽出される画像特徴
量」に相当)を用いて色バランス変換条件を決定し、決
定した色バランス変換条件に従って色バランスの修正を
行ったとすると、変換後の画像データが表す画像はグレ
イバランスのとれた色バランスとはならない確率が高
い。
【0093】このため、ステップ264及びステップ2
66の判定が各々肯定された場合にはステップ268に
移行し、個別基準濃度dxi 、dni を用いることな
く、平均基準濃度DXi 、DNi を基準濃度として色バ
ランス変換条件を決定する。具体的には、平均最大基準
濃度DXi が低濃度側記録濃度Dhi に変換され、平均
最小基準濃度DNi が高濃度側記録濃度Dsi に変換さ
れるように、各成分色毎に色バランス変換条件を決定
(詳しくはルックアップテーブル71に設定する色バラ
ンス変換データの生成)する。
【0094】上記の色バランス変換条件は、第2の変換
条件に相当する平均基準濃度DXi、DNi のみを用い
て求めているので、ネガフィルムのフィルム種、濃度値
を個別基準濃度dxi 、dni として採用したフィルム
画像中の特定画素の色味が非中性色か否か等に拘らず、
フィルム画像中の各画像部が記録画像上で適正な色味で
再現されるようにファインスキャン画像データの色バラ
ンスを修正できる色バランス変換条件が得られる。
【0095】このステップ268における色バランス変
換条件の決定についても、請求項3に記載の「基準部分
が主要画像部に対応していると判定した場合に、基準部
分が主要画像部に対応していないと判定した場合より
も、基準部分から抽出した画像特徴量が修正条件の決定
に関与する度合いを低下させ」ることに相当している。
なお、ステップ264及びステップ266の判定が各々
肯定された場合に、ステップ268の処理に代えて、ス
テップ270で個別基準濃度dxi 、dni に対する重
み係数w1 をw1 =0として、ステップ272以降の処
理を行うようにしてもよい。
【0096】次のステップ276では、上記で決定した
色バランス変換条件を、フィルム画像のコマ番号と対応
させて記憶部70に記憶し、ステップ250に一旦戻
る。なお、上述したステップ252〜276の処理は、
ファインスキャン画像データよりも解像度が低くデータ
量の少ないプレスキャン画像データを対象として行われ
るので、ファインスキャン画像データを対象として処理
を行う場合と比較して、より短時間で処理を完了させる
ことができる。
【0097】一方、ファインスキャン部38でフィルム
画像の読み取りが行われてファインスキャン画像データ
が入力されると、ステップ290の判定が肯定されてス
テップ292へ移行し、入力されたファインスキャン画
像データを取り込んで記憶部70に一旦記憶し、次のス
テップ294では、先に取り込んだファインスキャン画
像データが表すフィルム画像に対応する色バランス変換
条件(ルックアップテーブル71に設定すべき色バラン
ス変換データ)を、前記フィルム画像のコマ番号をキー
にして検索して取り込み、取り込んだ色バランス変換デ
ータをルックアップテーブル71に設定する。
【0098】ステップ296ではファインスキャン画像
データを各成分色のデータ毎にルックアップテーブル7
1に入力する。これにより、ファインスキャン画像デー
タは、ステップ294で取り込んだ色バランス変換条件
に従って、フィルム画像が記録されているネガフィルム
のフィルム特性や、濃度値を個別基準濃度dxi 、dn
i として採用したフィルム画像中の特定画素の色味が非
中性色か否か等に拘らず、記録用画像がグレイバランス
のとれた画像となるように色バランスが修正されて、ル
ックアップテーブル71から記録信号として出力され
る。
【0099】次のステップ298では記録信号をプリン
トヘッド120に出力してステップ250に戻る。これ
により、プリンタプロセッサ18ではプリントヘッド1
20により、フィルム画像がポジ画像として記録材料に
記録される。上記処理が繰り返されることにより、ネガ
フィルム12に記録された各フィルム画像から、グレイ
バランスがとれ、各フィルム画像中の主要画像部を含む
各画像部が適正な色味で再現された記録画像を各々得る
ことができ、記録画像にカラーフェリアが発生すること
を防止することができる。
【0100】〔第2実施形態〕次に本発明の第2実施形
態について説明する。なお、本第2実施形態は第1実施
形態と同一の構成であるので、各部分に同一の符号を付
して構成の説明を省略し、以下、本第2実施形態の作用
を説明する。
【0101】本第2実施形態に係る制御回路42の作用
を機能毎にブロックに分けて示したとすると、第1実施
形態で説明した図3と同じになるが、本第2実施形態で
は変換条件決定手段210において、主要画像部濃度D
NFが色バランス変換条件の設定に用いる基準濃度(重
み付き平均濃度DDXi 、DDNi 又は平均基準濃度D
Xi 、DNi )と等しいか否か判定し、主要画像部濃度
DNFが基準濃度と等しいと判定した場合には、色バラ
ンス変換条件の修正を行う。
【0102】次に図7のフローチャートを参照し、本第
2実施形態に係る制御回路42で実行される色バランス
変換条件の設定・変換処理について、第1実施形態で説
明した処理と異なる部分についてのみ説明する。
【0103】本第2実施形態では、ステップ264又は
ステップ266の判定が否定された場合(濃度値を個別
基準濃度dxi 、dni として採用したフィルム画像中
の特定画素が、主要画像部に対応していない画素か、又
は主要画像部に対応していると断定できない画素であっ
た場合)に、ステップ270で個別基準濃度dxi 、d
ni 及び平均基準濃度DXi 、DNi に対する重みを決
定し、決定した重みに基づいてステップ272で重み付
き平均濃度DDXi 、DDNi を演算し、重み付き平均
濃度DDXi 、DDNi を基準濃度としてステップ27
4で色バランス変換条件を決定した後にステップ284
へ移行し、主要画像部濃度DNFが、重み付き平均濃度
DDXi の三色平均値DDX又は重み付き平均濃度DD
Ni の三色平均値DDNに等しいか(又は略等しいか)
否か判定する。
【0104】主要画像部濃度DNFが濃度DDX又は濃
度DDNに等しい(又は略等しい)場合、先のステップ
274で決定された色バランス変換条件を用いてファイ
ンスキャン画像データの変換を行ったとすると、主要画
像部濃度DNFが低濃度側記録濃度Dhi 又は高濃度側
記録濃度Dsi に変換され(又は前記何れかの記録濃度
に近い値に変換され)、記録画像上での主要画像部の濃
度が極端に高い又は極端に低くなる、所謂濃度ファリア
が発生すると判断できる。このため、ステップ284の
判定が肯定された場合にはステップ286に移行し、主
要画像部濃度DNFが適正な濃度値に変換されるように
色バランス変換条件を修正する。
【0105】LUT71に設定する色バランス変換デー
タは、変換前の濃度値と変換後の濃度値との対応を定め
たデータであるが、上記の色バランス変換条件の修正
は、例えば色バランス変換データに対し、該色バランス
変換データにおける変換後の濃度値を修正することによ
り実現できる。例えば主要画像部濃度DNFが濃度DD
Xに一致していた場合、図8(A)に示すように重み付
き平均濃度DDXi が主要画像部記録濃度Df(主要画
像部記録濃度Df>低濃度側記録濃度Dhi)に変換さ
れ、変換前の濃度値に対して変換後の濃度値が全体的に
高濃度側にシフトする(図8(A)の矢印参照)よう
に、色バランス変換データにおける変換後の濃度値を修
正する。
【0106】また色バランス変換条件の修正は、色バラ
ンス変換データにおける変換前の濃度値を修正すること
によっても実現できる。例えば濃度DDXが主要画像部
濃度DNFに一致していた場合、図8(B)に示すよう
に、重み付き平均濃度DDXi が主要画像部記録濃度D
fに変換され、変換後の濃度値に対して変換前の濃度値
が高濃度側に濃度補正量ΔDだけ全体的にシフトする
(図8(B)の矢印参照)ように、色バランス変換デー
タにおける変換前の濃度値を修正する。これにより、低
濃度側記録濃度Dhi に変換される濃度値はDDXi'
(但し、DDXi'=DDXi +ΔD)となる。なお、図
8(A)、図8(B)のシフト量は各成分色とも同じで
なければならない。
【0107】第1実施形態でも説明したように、本実施
形態では、ファインスキャン画像データを色バランス変
換条件に従って変換することにより得られる記録信号に
基づいて記録材料112への画像の露光を行うので、記
録画像上での主要画像部濃度を変更する(図8の例で
は、記録画像上での主要画像部濃度を低濃度側記録濃度
Dhiから主要画像部記録濃度Dfに変更している)こ
とは、記録材料112への露光量の変更によって実現で
きる。露光量の変化と、この露光量の変化に相当するネ
ガ濃度の変化との関係は予め判っている(例えば露光量
で20%の変化に相当するネガ濃度の変化は0.07であ
る)ので、濃度補正量ΔDは記録画像上での主要画像部
濃度を主要画像部記録濃度Dfに変更するための露光量
の変化量から求めることができる。
【0108】なお、上記では主要画像部濃度DNFが濃
度DDXに等しい(又は略等しい)場合を例に説明した
が、主要画像部濃度DNFが濃度DDNに等しい(又は
略等しい)場合についても、上記と同様にして色バラン
ス変換条件を修正できることは言うまでもない。
【0109】ステップ286で上記のようにして色バラ
ンス変換条件を修正すると、ステップ276へ移行す
る。また、ステップ284の判定が否定された場合には
記録画像上で濃度フェリアは発生しないので、何ら処理
を行うことなくステップ276へ移行する。
【0110】一方、ステップ264及びステップ266
の判定が肯定された場合(濃度値を個別基準濃度dxi
、dni として採用したフィルム画像中の特定画素
が、主要画像部に対応している画素であった場合)に
は、ステップ268で平均基準濃度DXi 、DNi を基
準濃度として色バランス変換条件を決定した後にステッ
プ280へ移行する。ステップ280では主要画像部濃
度DNFが、平均最大基準濃度DXi の三色平均値DX
又は平均最小基準濃度DNi の三色平均値DNに等しい
か(又は略等しいか)否か判定する。
【0111】ステップ280の判定が肯定された場合に
は、記録画像上で濃度フェリアが発生する可能性がある
ので、ステップ282で先のステップ286と同様にし
て色バランス変換条件を修正した後にステップ276へ
移行する。また、ステップ280の判定が否定された場
合には、何ら処理を行うことなくステップ276へ移行
する。上述したステップ262、286、282は請求
項4の発明に対応している。
【0112】上記により、フィルム画像中の主要画像部
濃度DNFが極端に高い又は極端に低い場合にも、記録
画像上で主要画像部の濃度が極端に高く又は低くなる、
所謂濃度フェリアが発生することを防止することができ
る。
【0113】なお、上記では濃度値を個別基準濃度dx
i 、dni として採用したフィルム画像中の特定画素が
主要画像部に対応する画素であると判定した場合に、個
別基準濃度dxi 、dni が色バランス変換条件の決定
に関与する度合いを低下させるようにしていたが、これ
に限定されるものではなく、例えば濃度値を高濃度側の
個別基準濃度dxi として採用した画素が主要画像部に
対応する画素であった場合に、低濃度側の個別基準濃度
及び中濃度域の個別基準濃度を演算して低濃度域〜中濃
度域の色バランス変換条件を求め、この色バランス変換
条件を外挿等により高濃度側に拡張して、低濃度側から
高濃度側に至る色バランス変換条件を決定するようにし
てもよい。
【0114】また、上記では個別基準濃度dxi 、dn
i を演算した後に、濃度値を個別基準濃度dxi 、dn
i として採用したフィルム画像中の特定画素が主要画像
部に対応する画素か否かを判定するようにしていたが、
これに限定されるものではなく、フィルム画像中の主要
画像部を先に抽出しておき、フィルム画像から主要画像
部領域を除いた領域から個別基準濃度dxi 、dni を
求めるようにしてもよい。この態様は請求項1又は請求
項2の発明に対応している。
【0115】また、上記では非中性色の被写体に相当す
る画像部として主要画像部を用いていたが、これに限定
されるものではなく、例えば複数のフィルム画像のデー
タに基づいて、フィルム画像中の中性色又は中性色に近
似した色味の被写体に相当する画素のR、G、Bの階調
バランスを表す無彩色条件を定め、この無彩色条件に合
致しない画素、或いは無彩色条件に合致する画素を除い
た画素を非中性色の被写体に相当する画素と判定し、非
中性色の被写体に相当する画素を除外するか、又は前記
画素の画像特徴量が色バランス変換条件の決定に関与す
る度合いが小さくなるように色バランス変換条件を決定
するようにしてもよい。この態様も請求項1又は請求項
2の発明に対応している。無彩色条件は、例として以下
のようにして決定することができる。
【0116】すなわち、複数のフィルム画像(同一の写
真フィルムに記録されている画像群であっても、同一の
フィルム種の写真フィルムに記録されている画像群であ
っても、画像内容や撮影条件が類似している画像群であ
ってもよい)の各々に対し、高濃度側及び低濃度側にお
ける無彩色の条件を表す高濃度側R、G、B基準濃度及
び低濃度側R、G、B基準濃度を各々設定して平均値
(高濃度側平均R、G、B基準濃度及び低濃度側平均
R、G、B基準濃度)を演算し、例として図9に示すよ
うに、色座標(図9ではR濃度−G濃度を横軸、G濃度
−B濃度を縦軸にとった色座標を例として示す)上に高
濃度側平均R、G、B基準濃度及び低濃度側平均R、
G、B基準濃度を各々プロットし、例えば両者を直線
(無彩色線と称する)で結び、例えば無彩色線を中心と
する一定の範囲(例えば図9に破線で囲んで示す範囲)
を無彩色条件とすることができる。そして、色バランス
修正対象のフィルム画像のデータの中から、R、G、B
濃度が前記一定の範囲内に入る画素を中性色又は中性色
に近似した色味の被写体に相当する画素とすることがで
きる。
【0117】更に、上記では同一フィルム種のネガフィ
ルムに記録された多数のフィルム画像のデータを用い
て、フィルム種毎に平均基準濃度DXi 、DNi (第2
の変換条件)を求めていたが、これに限定されるもので
はなく、同一のネガフィルムに記録された複数のフィル
ム画像のデータを用いて1本のフィルム毎に第2の変換
条件を求めるようにしてもよいし、所定の画像特徴量が
近似している複数のフィルム画像のデータを用いて第2
の変換条件を求めるようにしてもよい。また、ネガフィ
ルムの磁気層に磁気記録されている情報等に基づき、撮
影条件(例えば照明光の種類、撮影場所、撮影時間帯
等)が類似しているフィルム画像のデータを用いて第2
の変換条件を求めるようにしてもよい。
【0118】また、上記ではプレスキャン画像データを
多数のフィルム画像について記憶しておき、多数のフィ
ルム画像のプレスキャン画像データに基づいて平均階調
バランス曲線を定めていたが、これに限定されるもので
はなく、プレスキャン画像データから所定の基準に従っ
て選択した画素(例えば色味がグレイに近い画素)のデ
ータのみを記憶しておき、該データを取り込んで平均階
調バランス曲線を求めるようにしてもよいし、各フィル
ム画像に対して設定した個別最大基準濃度dxi 及び個
別最小基準濃度dni のみを記憶しておき、各個別基準
濃度の平均値に基づいて平均階調バランス曲線を定めて
もよい。
【0119】また、上記では多数のフィルム画像のデー
タが記憶部70に予め記憶されている場合を例に説明し
たが、これに限定されるものではなく、色バランス変換
条件の決定と並行してフィルム画像のデータを記憶部7
0に記憶・蓄積するようにしてもよい。また、一定量の
情報が蓄積された段階で、新たな情報の記憶を停止する
か、新たな情報を記憶する代わりに古い情報を消去する
ようにしてもよい。また記憶部70に記憶した時期等に
応じて各情報の重みを変化させて(例えば新しく記憶し
た情報の重みを大きくして)、平均基準濃度DXi 、D
Ni (第2の変換条件)を演算するようにしてもよい。
【0120】更に、上記の個別基準濃度dxi 、dni
、平均基準濃度DXi 、DNi に代えて、変換前の濃
度と変換後の濃度との関係を表す変換条件を各々定める
ようにしてもよい。この変換条件は変換特性が線形であ
っても非線形であってもよく、変換特性を変換テーブル
の形態で表したものであってもよいし、数式の形態で表
したものであってもよい。また、上記では個別基準濃度
dxi 、dni に対する重み係数及び平均基準濃度DX
i 、DNi に対する重み係数をフィルム画像単位で定め
ていたが、これに限定されるものではなく、例えば上述
したように変換特性を変換テーブルの形態で表した変換
条件を用いる場合には、変換テーブルのテーブル値単位
で重み係数を定めるようにしてもよい。これは、変換条
件の変換特性が非線形の場合に特に有効である。
【0121】また、上記では入力されたファインスキャ
ン画像データに対して、色バランス変換条件に応じた色
バランスの修正を行うようにしていたが、入力されたフ
ァインスキャン画像データに対して所定の階調変換処理
を行い(ファインスキャン画像データを、フィルム画像
の濃淡を表す濃度データとフィルム画像の色を表す色デ
ータとに分離し、濃度データに対して階調変換処理を行
ってもよい)、階調変換後の画像データに対して色バラ
ンス変換条件に応じた色バランスの修正を行うようにし
てもよい。
【0122】また、上記では2つのスキャン部(プレス
キャン部36及びファインスキャン部38)を設けてい
たが、これに限定されるものではなく、例えば上記実施
形態におけるファインスキャン部に相当する単一のスキ
ャン部を設け、該スキャン部から入力された画像データ
に対し、画素を結合させて画素数を少なくする画素密度
変換や一定間隔で画素を抽出する方法等の画像処理を行
い、画素数を少なくした画像データを、上記実施形態で
説明したプレスキャン画像データとして同様に用いても
よい。
【0123】また、上記ではフィルム画像としてネガフ
ィルム12に記録されているネガ画像を例に説明した
が、これに限定されるものではなく、例えばリバーサル
フィルム等の他の写真フィルムに記録されているポジ画
像等の他のフィルム画像を用いることも可能である。ま
た記録媒体についても、印画紙等の感光材料以外に、普
通紙、感熱材料、OHPシート等の記録材料を適用可能
である。
【0124】更に、本発明はR、G、Bの3色により画
像を記録する色再現系に適用することに限定されるもの
ではなく、例えばR、G、B、K(黒)の4色により画
像を記録する色再現系に適用することも可能である。
【0125】また、上記では原画像の濃淡を表す物理量
として濃度値(光学濃度)を例に説明したが、これに限
定されるものではなく、輝度値、色彩学上の明度に相当
する変換値、原画像に対する測光値、網点面積率、濃度
値を指数変換した値等の各種の物理量を適用できる。
【0126】また、上記では色バランス変換条件に対応
する色バランス変換データをルックアップテーブルに設
定し、該ルックアップテーブルを用いて色バランスの修
正を行うようにしていたが、これに代えて、関数式等で
表された変換条件に従って色バランスの変換を行うと共
に、関数式等を直接変更することにより所望の変換特性
の色バランス変換条件を得るようにしてもよい。
【0127】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、原画像中の非中性色の被写体に相当する画像部を判
断し、非中性色の被写体に相当する画像部から抽出され
る画像特徴量が、修正条件の決定に関与しないように修
正条件を決定するので、原画像中に存在する非中性色の
被写体に相当する画像部が及ぼす影響を解消し、画像デ
ータが表す画像が適正な色バランスの画像となるように
画像データを修正することができる、という優れた効果
を有する。
【0128】請求項2記載の発明は、原画像中の非中性
色の被写体に相当する画像部を判断し、非中性色の被写
体に相当する画像部から抽出される画像特徴量が、修正
条件の決定に関与する度合いが小さくなるように修正条
件を決定するので、原画像中に存在する非中性色の被写
体に相当する画像部が及ぼす影響を低減し、画像データ
が表す画像が適正な色バランスの画像となるように画像
データを修正することができる、という優れた効果を有
する。
【0129】請求項3及び請求項5記載の発明は、修正
条件の決定に用いる画像特徴量の抽出対象である、高濃
度側階調値域に対応する原画像中の基準部分及び低濃度
側階調値域に対応する原画像中の基準部分の少なくとも
一方を検出し、検出した基準部分が原画像中の主要画像
部に対応しているか否か判定し、検出した基準部分が主
要画像部に対応していると判定した場合に、検出した基
準部分が主要画像部に対応していないと判定した場合よ
りも、検出した基準部分から抽出した画像特徴量が修正
条件の決定に関与する度合いを低下させて修正条件を決
定するので、原画像中の主要画像部の階調値が極端に高
い又は低い場合にも、主要画像部が適正な色味で再現さ
れるように画像データを修正することができる、という
優れた効果を有する。
【0130】請求項4記載の発明は、原画像中の主要画
像部の階調値を算出し、算出した主要画像部の階調値が
所定の階調値に修正されるように修正条件を決定するの
で、上記効果に加え、原画像中の主要画像部の階調値が
極端に高い又は低い場合にも、主要画像部が適正な階調
値で再現されるように画像データを修正することができ
る、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る写真処理システムの概略構成
図である。
【図2】フィルム画像読取装置の概略構成図である。
【図3】本実施形態に係る制御回路の機能ブロック図で
ある。
【図4】第1実施形態に係る制御回路で実行される色バ
ランス変換条件の設定・変換処理を示すフローチャート
である。
【図5】平均階調バランス曲線の一例を示す線図であ
る。
【図6】色バランス変換条件の一例を示す線図である。
【図7】第2実施形態に係る制御回路で実行される色バ
ランス変換条件の設定・変換処理を示すフローチャート
である。
【図8】(A)及び(B)は、主要画像部濃度が極端に
高い又は低い場合の色バランス変換条件に対する修正の
一例を説明するための線図である。
【図9】無彩色条件を決定するための画素の選択に用い
る色座標上の範囲を示す線図である。
【符号の説明】
10 写真処理システム 12 ネガフィルム 36 プレスキャン部 38 ファインスキャン部 42 制御回路 71 LUT 112 記録材料 120 プリントヘッド

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原画像を表す画像データに対し、前記画
    像データが表す画像が少なくともグレイバランスのとれ
    た色バランスの画像となるように、前記画像データを修
    正条件に従って修正する画像処理方法であって、 原画像中の非中性色の被写体に相当する画像部を判断
    し、 前記判断した非中性色の被写体に相当する画像部から抽
    出される画像特徴量が、前記修正条件の決定に関与しな
    いように前記修正条件を決定し、 前記決定した修正条件に従って前記画像データを修正す
    ることを特徴とする画像処理方法。
  2. 【請求項2】 原画像を表す画像データに対し、前記画
    像データが表す画像が少なくともグレイバランスのとれ
    た色バランスの画像となるように、前記画像データを修
    正条件に従って修正する画像処理方法であって、 原画像中の非中性色の被写体に相当する画像部を判断
    し、 前記判断した非中性色の被写体に相当する画像部から抽
    出される画像特徴量が、前記修正条件の決定に関与する
    度合いが小さくなるように前記修正条件を決定し、 前記決定した修正条件に従って前記画像データを修正す
    ることを特徴とする画像処理方法。
  3. 【請求項3】 原画像を表す画像データに対し、前記画
    像データが表す画像が少なくともグレイバランスのとれ
    た色バランスの画像となるように、前記画像データを修
    正条件に従って修正する画像処理方法であって、 前記修正条件の決定に用いる画像特徴量の抽出対象であ
    る、高濃度側階調値域に対応する前記原画像中の基準部
    分及び低濃度側階調値域に対応する前記原画像中の基準
    部分の少なくとも一方を検出し、 前記検出した基準部分が前記原画像中の主要画像部に対
    応しているか否かを判定し、 前記検出した基準部分が前記主要画像部に対応している
    と判定した場合に、前記検出した基準部分が前記主要画
    像部に対応していないと判定した場合よりも、前記検出
    した基準部分から抽出した画像特徴量が前記修正条件の
    決定に関与する度合いを低下させて前記修正条件を決定
    し、 前記決定した修正条件に従って前記画像データを修正す
    ることを特徴とする画像処理方法。
  4. 【請求項4】 前記原画像中の主要画像部の階調値を算
    出し、算出した主要画像部の階調値が所定の階調値に修
    正されるように前記修正条件を決定することを特徴とす
    る請求項3記載の画像処理方法。
  5. 【請求項5】 原画像を表す画像データに対し、前記画
    像データが表す原画像が少なくともグレイバランスのと
    れた色バランスの画像となるように、前記画像データを
    修正条件に従って修正する画像処理装置であって、 前記修正条件の決定に用いる画像特徴量の抽出対象であ
    る、高濃度側階調値域に対応する前記原画像中の基準部
    分及び低濃度側階調値域に対応する前記原画像中の基準
    部分の少なくとも一方を検出する検出手段と、 前記検出手段によって検出された基準部分が前記原画像
    中の主要画像部に対応しているか否かを判定する判定手
    段と、 前記検出された基準部分が前記主要画像部に対応してい
    ると前記判定手段によって判定された場合に、前記検出
    された基準部分が前記主要画像部に対応していないと前
    記判定手段によって判定された場合よりも、前記検出さ
    れた基準部分から抽出した画像特徴量が前記修正条件の
    決定に関与する度合いを低下させて前記修正条件を決定
    する決定手段と、 前記決定手段によって決定された修正条件に従って前記
    画像データを修正する修正手段と、 を備えたことを特徴とする画像処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009112047A (ja) * 2009-01-22 2009-05-21 Canon Inc 画像処理装置及びその方法
JP2011147139A (ja) * 2011-02-04 2011-07-28 Canon Inc 画像処理装置及びその方法

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