JPH10271346A - 画情報の変換方法及び装置 - Google Patents

画情報の変換方法及び装置

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JPH10271346A
JPH10271346A JP9068618A JP6861897A JPH10271346A JP H10271346 A JPH10271346 A JP H10271346A JP 9068618 A JP9068618 A JP 9068618A JP 6861897 A JP6861897 A JP 6861897A JP H10271346 A JPH10271346 A JP H10271346A
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Application number
JP9068618A
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English (en)
Inventor
Takaaki Terashita
隆章 寺下
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の原画像に対し、原画像情報が表す原画
像の色バランスを各々適正な色バランスに修正する。 【解決手段】 プレスキャン画像データに対して濃淡の
階調を変換して条件設定用データを得た後に(252〜26
2)、多数のフィルム画像のデータより平均階調バランス
曲線を求め、前記条件設定用データからR,G,B の階調バ
ランスを修正するための個別基準濃度を求め、該個別基
準濃度と平均階調バランス曲線から多数のフィルム画像
の平均的な階調バランスを表す平均基準濃度を求め、各
基準濃度に対する重み係数を決定して重み付き平均濃度
を求め、重み付き平均濃度に基づき色バランス変換条件
を決定する(264〜276)。ファインスキャン画像データが
入力されると、濃淡の階調を変換した後に(302〜310)、
色バランス変換条件に基づきR,G,B の階調バランスを修
正する(312,314) 。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画情報の変換方法及
び装置に係り、特に、記録媒体に記録された原画像を表
す原画像情報を所定の変換条件に従って変換することに
より、該原画像情報が表す原画像の色バランスを修正す
る画情報の変換方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、写真フィルム等に記録されて
いる原画像を記録媒体に複写記録するにあたり、撮像等
によって得られた原画像の各画素の各成分色から定まる
階調値(濃度値、輝度値、明度、網点面積率等)を表す
画像データに対し、記録材料に画像を記録するために階
調変換を行い、階調変換によって得られた記録用データ
を用いて画素単位で記録材料に画像を記録することが行
われている(所謂デジタル複写方式)。
【0003】このデジタル複写方式において、画像デー
タに対する階調変換は、基本的には画像データが表す原
画像の各画素の階調値を、記録材料上で画像として再現
される階調値の範囲(以下、画像再現域と称する)内に
割り当てることを目的としているが、記録画像の画質
は、画像データの階調値をどのように変換したかによっ
て大きく左右されるので、以下で説明するように、従来
より種々の階調変換方法が提案されている。
【0004】特開平2-157758号公報には、階調変換を行
うための変換曲線を設定する際の基準値であるハイライ
ト濃度及びシャドー濃度を自動的に設定する技術とし
て、原画像の各画素毎に色成分別の濃度値の平均値を求
め、各画素毎の平均濃度値と画素数との関係を示す平均
濃度値度数ヒストグラムを求め、平均濃度値度数ヒスト
グラムから累積平均濃度値度数ヒストグラムを求め、累
積平均濃度値度数ヒストグラムにおいて所定の累積濃度
出現率に対応する平均濃度値を見い出し、見い出した平
均濃度値と平均濃度値度数ヒストグラムにおける発生限
界濃度値とによって決定される濃度区間内において、色
成分別の区間内平均濃度値を求め、該色成分別の区間内
平均濃度に基づいて基準濃度点(ハイライト濃度、シャ
ドー濃度)を設定することが開示されている。
【0005】また、特開平 5-91323号公報には、上記技
術において、原画像中の局部的に明るい(例えば鏡面反
射)部分や局部的に暗い部分の影響を軽減して基準濃度
点を求めるようにした基準濃度点の設定方法が記載され
ている。
【0006】また、特開平6-242521号公報には、ネガ画
像を多数個の領域に分割し各成分色毎に分解して測光
し、各成分色毎に最大基準値及び最小基準値(濃度値)
を定め、各成分色毎の最大基準値が記録画像上で白に再
現され、最小基準値が記録画像上で黒に再現されるよう
に階調変換を行う技術が開示されている。
【0007】更に、特開平4-285933号公報には、原画中
の主要画像部、ハイライト部、シャドー部を検出し、主
要画像部とハイライト部及びシャドー部との濃度差を算
出し、該濃度差を所定値と比較して階調補正量を演算
し、該階調補正量を用いて階調変換を行うハードコピー
装置が記載されている。
【0008】また、特開昭60-37878号公報には、複数の
標準トーンカーブを記憶しておき、該複数の標準トーン
カーブを、原稿のハイライト点及びシャドー点を通るよ
うに各々修正し、所望の出力信号に対する偏差が最も小
さいトーンカーブを階調変換テーブルとして用いる方式
が開示されている。
【0009】また、特開昭 62-111569号公報には、ハイ
ライト点、シャドー点等の特色点の座標をディジタイザ
で指定させ、座標が指定された特色点の画素及びその近
傍の画素のデータに基づいてノイズの影響を排除した特
色点の代表濃度を求め、特色点の代表濃度から階調変換
等の画像処理条件を自動設定する技術が開示されてい
る。
【0010】このように、画像毎に最大基準濃度、最小
基準濃度、ハイライト濃度、シャドー濃度等の基準濃度
を各種の手法により設定し、設定した基準濃度から変換
条件を設定したり、設定した基準濃度に基づいて標準的
な変換条件を修正して用いることは従来より知られてい
る。また、機差やカラー原稿の発色特性を補正する技術
も従来より提案されている(特開平6-237373号公報、特
開平5-344326号公報等参照) 。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特に写真フ
ィルムに撮影記録されたフィルム画像の色バランスは、
写真フィルムのフィルム種毎に異なるフィルム特性や、
撮影記録したシーンにおける照明光の種類(例えば昼
光、夕日、蛍光灯の光、タングステン灯の光等)によっ
て変化する。このため、フィルム画像等の原画像を記録
材料に複写記録する場合には、フィルム種や照明光の種
類が相違していても記録画像に色味の差が生じないよう
に、画像データの変換を行うことが望ましい。このフィ
ルム特性や照明光の種類の相違、或いはフィルム画像の
経時劣化等に起因するフィルム画像の全体的な色バラン
スの偏倚は、上述のように画像毎に基準濃度を設定して
変換条件を設定することにより、ある程度補正できる。
【0012】しかしながら、従来の基準濃度設定方法で
は、例えば原画像中の特徴部分(例えば原画像が表すシ
ーンにおける最も明るい部分や最も暗い部分等)の濃度
値から基準濃度を設定し、該部分の色味が中性色(グレ
イ)となるように変換条件を設定するので、前記原画像
中の特徴部分の色味が非中性色の場合には、設定した変
換条件に従って原画像情報を変換して画像を記録したと
すると、記録画像の色バランスが特定の色に偏倚すると
いう問題があった。
【0013】例えば、緑の植物に囲まれたシーンや背景
が青空のシーンを表すフィルム画像では、緑や青空に相
当する部分を特徴部分として基準濃度が設定されること
が多く、この場合、記録画像の色バランスは、緑の補色
であるマゼンダ又は青の補色である黄色に偏倚する。ま
た、金屏風が背景のシーンを表すフィルム画像では、金
屏風に相当する部分を特徴部分として基準濃度が設定さ
れることが多く、この場合、記録画像の色バランスは、
黄色の補色である青に偏倚する。更に、ストロボを発光
させて人物を撮影記録したフィルム画像では、人物の顔
に相当する部分を特徴部分として基準濃度が設定される
ことが多く、この場合、記録画像の色バランスは肌色の
補色の色に偏倚する。
【0014】また、複数種の照明光によって照明されて
いるシーンを撮影したフィルム画像(例えばタングステ
ン灯照明の室内でストロボを発光させて撮影したフィル
ム画像や、蛍光灯照明の室内の窓際で撮影したフィルム
画像等)では、フィルム画像が表すシーンのうちの最も
明るい部分(フィルム画像がネガ画像であれば高濃度部
分)が何れの照明光の照明下か、によって前記シーンの
うちの最も明るい部分に相当する特徴部分の色味が異な
る。このため、前記特徴部分に対応する被写体が何れの
照明光の照明下によって、記録画像の色バランスが大き
くばらつくことになる。
【0015】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、種々の原画像に対し、原画像情報が表す原画像の色
バランスを各々適正な色バランスに修正することができ
る画情報の変換方法及び装置を得ることが目的である。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明に係る画情報の変換方法は、記録
媒体に記録された原画像を表す原画像情報を所定の変換
条件に従って変換することにより、該原画像情報が表す
前記原画像の色バランスを修正する画情報の変換方法で
あって、前記色バランスの修正を行う原画像に関連する
情報に基づいて前記原画像を分類し、前記原画像の分類
結果に基づいて、前記原画像の原画像情報から求まる第
1の変換条件と、複数の原画像の原画像情報から求まる
第2の変換条件と、を演算処理して変換条件を求め、前
記求めた変換条件に従って前記原画像情報を変換するこ
とを特徴としている。
【0017】原画像が、例えば標準的な照明光(例えば
昼光)と種類の異なる照明光で照明されたシーンを表す
画像であったり、標準的な特性と異なる特性を有する記
録媒体として記録された画像である等の場合には、該原
画像の全体的な色バランスは標準的な色バランスから偏
倚する。これに対し、色バランスの修正を行う原画像の
原画像情報から求まる変換条件(すなわち本発明に係る
第1の変換条件)は、上記のような照明光の種類や記録
媒体の特性の相違等に起因する個々の原画像の全体的な
色バランスの偏倚を修正できる変換特性を有している。
【0018】一方、複数の原画像に亘って各成分色毎の
濃度を積算して平均的な色相を求めたとすると、該色相
はグレイ又はグレイに近い一定の色相になることが知ら
れている。従って、複数の原画像の原画像情報から求ま
る変換条件(すなわち本発明に係る第2の変換条件)
は、大多数の標準的な原画像(例えば照明光の種類の相
違や記録媒体の特性の相違等に起因する全体的な色バラ
ンスの偏倚が生じていない画像)において、例えば原画
像中の特徴部分の色味がグレイでなかったとしても、原
画像が表すシーンにグレイの部分が含まれていたとする
と該部分の色味がグレイになるように色バランスを修正
できる変換特性を有することになる。
【0019】請求項1記載の発明では、色バランスの修
正を行う原画像に関連する情報に基づいて原画像を分類
している。この分類は、色バランスの修正を行う原画像
が、第1の変換条件又はそれに近い変換条件を用いるこ
とで適正な色バランスに修正できる画像か、第2の変換
条件又はそれに近い変換条件を用いることで適正な色バ
ランスに修正できる画像かに基づいて行うことができ
る。
【0020】そして、請求項1の発明では、分類結果に
基づいて第1の変換条件及び第2の変換条件を演算処理
して変換条件を求め、求めた変換条件に従って原画像情
報を変換している。上記の演算処理では、例えば第1の
変換条件及び第2の変換条件のうち、原画像を適正な色
バランスに修正できる変換条件であると推定される変換
条件の変換特性が、演算処理後の変換条件の変換特性に
及ぼす影響が大きくなるように変換条件を求めることが
できる。
【0021】これにより、記録媒体の特性の相違や照明
光の種類の相違等により全体的な色バランスの偏倚が生
じている原画像については、第1の変換条件の変換特性
が及ぼす影響が大きくなるように変換条件が求められる
ことにより、従来と同様に、上記のような原画像の色バ
ランスを適正な色バランスに修正することができる。ま
た、記録媒体の特性の相違や照明光の種類の相違等に起
因する全体的な色バランスの偏倚が生じていない原画像
については、第2の変換条件の変換特性が及ぼす影響が
大きくなるように変換条件が求められることにより、原
画像中の特徴部分の色味が非中性色であったとしても、
原画像の色バランスを適正な色バランスに修正すること
ができる。
【0022】更に、複数種の照明光によって照明されて
いるシーンを表す原画像については、例えば第2の変換
条件の変換特性が及ぼす影響が比較的大きくなるように
変換条件を求めれば、原画像中の特徴部分が何れの照明
光での照明下に対応しているかによって、変換後の色バ
ランスが大きくばらつくことを防止することができる。
このように、請求項1の発明によれば、種々の原画像に
対し、原画像情報が表す原画像の色バランスを各々適正
な色バランスに修正することができる。
【0023】請求項2記載の発明に係る画情報変換方法
は、記録媒体に記録された原画像を表す原画像情報を所
定の変換条件に従って変換することにより、該原画像情
報が表す前記原画像の色バランスを修正する画情報の変
換方法であって、前記色バランスの修正を行う原画像に
関連する情報に基づいて前記原画像を分類し、前記原画
像の分類結果に基づいて、前記原画像の原画像情報から
求まる第1の変換条件と、複数の原画像の原画像情報か
ら求まる第2の変換条件と、の各々に対して重みを定
め、前記定めた重みに基づいて、前記第1の変換条件と
前記第2の変換条件との重み付き平均に相当する変換条
件を求め、前記求めた変換条件に従って前記原画像情報
を変換することを特徴としている。
【0024】請求項2記載の発明では、請求項1の発明
と同様に、色バランスの修正を行う原画像に関連する情
報に基づいて原画像を分類し、分類結果に基づいて第1
の変換条件及び第2の変換条件の各々に対する重みを定
めている。これにより、原画像を適正な色バランスに修
正できる変換条件であると推定される変換条件の重みが
大きくなるように、第1の変換条件及び第2の変換条件
の各々に対する重みを定めることができる。
【0025】そして、請求項2の発明では、定めた重み
に基づいて、第1の変換条件と第2の変換条件との重み
付き平均に相当する変換条件を求め、求めた変換条件に
従って原画像情報を変換している。
【0026】これにより、記録媒体の特性の相違や照明
光の種類の相違等により全体的な色バランスの偏倚が生
じている原画像については、第1の変換条件の重みが大
きくされて変換条件が求められることにより、従来と同
様に、上記のような原画像の色バランスを適正な色バラ
ンスに修正することができる。また、記録媒体の特性の
相違や照明光の種類の相違等に起因する全体的な色バラ
ンスの偏倚が生じていない原画像については、第2の変
換条件に対する重みが大きくされて変換条件が求められ
ることにより、原画像中の特徴部分の色味が非中性色で
あったとしても、原画像の色バランスを適正な色バラン
スに修正することができる。
【0027】更に、複数種の照明光によって照明されて
いるシーンを表す原画像については、例えば第2の変換
条件に対する重みを比較的大きくして変換条件を求めれ
ば、原画像中の特徴部分が何れの照明光での照明下に対
応しているかによって、変換後の色バランスが大きくば
らつくことを防止することができる。このように、請求
項2の発明は、請求項1の発明と同様に、種々の原画像
に対し、原画像情報が表す原画像の色バランスを各々適
正な色バランスに修正することができる。
【0028】なお、請求項2の発明において、第1の変
換条件及び第2の変換条件の何れか一方の重みは0であ
ってもよい。この場合には、第1の変換条件と第2の変
換条件との重み付き平均に相当する変換条件として、第
1の変換条件又は第2の変換条件を求める(或いは、予
め双方の変換条件を求める場合には、第1の変換条件と
第2の変換条件との重み付き平均に相当する変換条件と
して第1の変換条件及び第2の変換条件の何れかを選択
する)ことになる。
【0029】また、本発明に係る原画像情報は、記録媒
体に記録された原画像そのものを表す情報であってもよ
いし、該情報が表す原画像の階調を、所定の条件(例え
ば画像として再現すべき階調値範囲が記録材料上で画像
として再現される階調値範囲内に収まっている、原画像
中の主要画像部の階調が或る範囲内に収まっている等)
を満たすように変換した後の情報であってもよい。更
に、本発明に係る色バランスの修正と、前記所定の条件
を満たすための階調の変換を、原画像情報に対する1回
の変換により1度に行うことも可能である。
【0030】ところで、色バランスの修正を行う原画像
に対する分類は、前記原画像の種々の画像特徴量を用い
て行うことができるが、請求項3に記載したように、原
画像に関連する情報として、原画像の原画像情報から求
めた第1の変換条件を前記第2の変換条件と比較した結
果、前記記録媒体に前記原画像を撮影記録した際の撮影
条件、及び前記原画像中の主要画像部の画像特徴量の少
なくとも何れかを用いて行うことができる。
【0031】第1の変換条件は、色バランスの修正を行
う原画像の原画像情報から求めているので、色バランス
の修正を行う原画像に固有の特徴を反映した変換条件と
なる。これに対し、第2の変換条件は複数の原画像の情
報から求めているので、標準的な原画像の特徴を反映し
た変換条件となる。このため、第1の変換条件と第2の
変換条件とを比較する(具体的には、例えば変換条件を
設定するための基準値を比較する)ことにより、色バラ
ンスの修正を行う原画像が、標準的な原画像に対してど
のような特徴を有しているか(例えば原画像が表すシー
ンにおける照明光の色味が標準的な照明光の色味に対し
てどのように偏倚しているか)を検知することができ
る。
【0032】従って、原画像に関連する情報として、第
1の変換条件と第2の変換条件とを比較した結果を用い
ることにより、色バランスの修正を行う原画像が、何れ
の変換条件の重みを大きくすべき画像かを容易に判断し
て分類することができ、第1の変換条件及び第2の変換
条件の変換特性が演算処理後の変換条件の変換特性に及
ぼす影響の大きさ、或いは第1の変換条件及び第2の変
換条件の各々に対する重みを適正に定めることができ
る。
【0033】また、記録媒体が写真フィルムで、原画像
が写真フィルムに撮影記録して得られた画像である場合
は、記録媒体に原画像を撮影記録した際の撮影条件(例
えばストロボ発光の有無、被写体の輝度、被写体の距離
とストロボのガイドナンバー、光源種、撮影年月日等)
から原画像がどのような特徴を有しているかをある程度
推定可能であるので、上記のような撮影条件が、カメラ
等によって前記記録媒体に情報として記録されているこ
とで取得可能である等の場合には、原画像に関連する情
報として撮影条件を用いることにより、色バランスの修
正を行う原画像が、何れの変換条件の重みを大きくすべ
き画像かを容易に判断して分類することができ、第1の
変換条件及び第2の変換条件の変換特性が演算処理後の
変換条件の変換特性に及ぼす影響の大きさ、或いは第1
の変換条件及び第2の変換条件の各々に対する重みを適
正に定めることができる。
【0034】更に、原画像が表すシーンにおける照明光
の種類については、原画像中の主要画像部の色味から判
断可能である。このため、原画像に関連する情報として
原画像中の主要画像部の画像特徴量を用いることによっ
ても、色バランスの修正を行う原画像が、何れの変換条
件の重みを大きくすべき画像かを容易に判断して分類す
ることができ、第1の変換条件及び第2の変換条件の変
換特性が演算処理後の変換条件の変換特性に及ぼす影響
の大きさ、或いは第1の変換条件及び第2の変換条件の
各々に対する重みを適正に定めることができる。
【0035】請求項4記載の発明は、請求項1又は請求
項2の発明において、前記原画像に関連する情報とし
て、前記原画像が表すシーンにおける照明光の種類を用
いて前記原画像の分類を行うことを特徴としている。
【0036】前述のように、原画像の色バランスは原画
像が表すシーンにおける照明光の種類によって異なって
いる。このため、上記のように照明光の種類に基づいて
原画像を分類すれば、第1の変換条件及び第2の変換条
件の変換特性が演算処理後の変換条件の変換特性に及ぼ
す影響の大きさ、或いは第1の変換条件及び第2の変換
条件の各々に対する重みが、照明光の種類毎に変更され
ることになり、原画像情報が表す原画像の色バランス
を、照明光の種類が異なる原画像毎に、各々適正な色バ
ランスに修正することができる。なお照明光の種類は、
先の請求項3に記載した各種情報やその他の画像特徴量
の少なくとも何れかを用いて検知することができる。
【0037】なお、上記のように照明光の種類に基づい
て原画像を分類することに加えて、照明光の種類が異な
る原画像毎に分けて第2の変換条件を各々求め、色バラ
ンスの修正を行う原画像と照明光の種類が同一の原画像
から求めた第2の変換条件を用いて、第1の変換条件と
併せて演算処理して変換条件を求めるか、或いは第1の
変換条件との重み付き平均に相当する変換条件を求める
ようにすれば、原画像情報が表す原画像の色バランス
を、照明光の種類毎により、正確に適正な色バランスに
修正することができる。
【0038】ところで、例えば原画像が、主要画像部と
背景画像部とが異なる照明光で照明されたシーンを表す
画像(例えば背景が蛍光灯やタングステン灯等で照明さ
れている状態でストロボを発光させて主要被写体を照明
して写真フィルムに撮影記録されたフィルム画像等)で
ある場合、原画像情報のうち背景画像部に相当する情報
を用いて第1の変換条件を求めたとすると、この第1の
変換条件が背景画像部を照明していた照明光の色味の影
響を受け、主要画像部の色バランスを特定の色に偏倚さ
せる変換特性となることがある。背景画像部に比較して
主要画像部の色バランスの偏倚は視認され易いので、上
記のように主要画像部の色バランスが偏倚することは好
ましくない。
【0039】このため請求項5記載の発明は、請求項1
又は請求項2の発明において、第1の変換条件は、原画
像の原画像情報から求めた原画像中の主要画像部の画像
特徴量に基づいて作成することを特徴としている。
【0040】請求項5記載の発明では、原画像中の主要
画像部の画像特徴量に基づいて第1の変換条件を作成す
るので、原画像が表すシーンにおいて背景画像部を照明
していた照明光の種類が、主要画像部を照明していた照
明光の種類と異なっている等の場合であっても、第1の
変換条件として、原画像情報が表す原画像中の主要画像
部の色バランスを適正な色バランスに修正できる変換条
件を得ることができる。
【0041】請求項6記載の発明に係る画情報の変換装
置は、記録媒体に記録された原画像を表す原画像情報を
所定の変換条件に従って変換して該原画像情報が表す前
記原画像の色バランスを修正する画情報の変換装置であ
って、原画像情報から第1の変換条件を作成する第1の
変換条件作成手段と、原画像に関する情報を複数の原画
像について記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶さ
れている複数の原画像の情報に基づいて第2の変換条件
を作成する第2の変換条件作成手段と、前記第1の変換
条件と前記第2の変換条件との重み付き平均に相当する
変換条件を求める変換条件決定手段と、前記変換条件決
定手段によって求められた変換条件に従って、原画像情
報を変換する変換手段と、を備えたことを特徴としてい
る。
【0042】請求項6記載の発明では、原画像情報から
第1の変換条件作成手段によって第1の変換条件が作成
される。また、記憶手段には原画像に関する情報が複数
の原画像について記憶されており、第2の変換条件作成
手段は、記憶手段に記憶されている複数の原画像の情報
に基づいて第2の変換条件を作成し、変換条件決定手段
は、第1の変換条件と前記第2の変換条件との重み付き
平均に相当する変換条件を求める。そして変換手段で
は、変換条件決定手段によって求められた変換条件に従
って、原画像情報を変換する。従って、請求項6の発明
によれば、請求項2の発明と同様に、種々の原画像に対
し、原画像情報が表す原画像の色バランスを各々適正な
色バランスに修正することができる。
【0043】請求項7記載の発明は、請求項6の発明に
おいて、前記原画像情報から原画像中の主要画像部に相
当する情報を抽出する主要画像部抽出手段を更に備えた
ことを特徴としている。
【0044】請求項7の発明では、原画像中の主要画像
部に相当する情報を抽出する主要画像部抽出手段を備え
ているので、例えば請求項5と同様に、第1の変換条件
作成手段が、主要画像部抽出手段によって抽出された情
報から求まる主要画像部の画像特徴量に基づいて第1の
変換条件を作成したり、請求項3と同様に、変換条件決
定手段が、主要画像部抽出手段によって抽出された情報
から求まる主要画像部の画像特徴量に基づいて第1の変
換条件及び第2の変換条件の各々に対する重みを定めた
りすることが可能となる。従って、請求項7の発明によ
れば、原画像情報が表す原画像の色バランスを、特に主
要画像部が適正な色バランスとなるように修正すること
が可能となる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態の一例を詳細に説明する。
【0046】〔第1実施形態〕図1には本実施形態に係
る写真処理システム10が示されている。写真処理シス
テム10には、図示しないカメラによって画像が撮影記
録されたネガフィルム12が多数本持ち込まれる。持ち
込まれた多数本のネガフィルム12は、スプライシング
テープ等によって繋ぎ合わされ、図示しないフィルムプ
ロセッサで現像等の処理が行われた後にフィルム画像読
取装置16へセットされる。
【0047】フィルム画像読取装置16の内部には、フ
ィルム搬送路に沿ってプレスキャン部36、ファインス
キャン部38が順次配置されている。各スキャン部3
6、38ではネガフィルム12に記録されているフィル
ム画像の走査読み取りを各々行う。図2に示すように、
プレスキャン部36よりもフィルム搬送路の上流側には
バーコードリーダ40が設けられている。バーコードリ
ーダ40は、発光素子40Aと受光素子40Bとの対が
フィルム搬送路を挟んで対向配置されて構成されてい
る。受光素子40Bは制御回路42に接続されている。
制御回路42は、受光素子40Bから出力される信号の
レベルの変化に基づいて、ネガフィルム12に光学的に
記録されている、フィルム種等を表すバーコードを読み
取り、ネガフィルム12のフィルム種等を判断する。
【0048】バーコードリーダ40とプレスキャン部3
6との間には、ネガフィルム12を挟持搬送する一対の
ローラ44、読取ヘッド46、画面検出センサ50が順
次配置されている。読取ヘッド46及び画面検出センサ
50は各々制御回路42に接続されている。フィルム画
像読取装置16にセットされるネガフィルム12の中に
は、裏面に透明な磁性材料が塗布されて磁気層が形成さ
れ、この磁気層にコマ番号、フィルム種、撮影時の撮影
条件等を表す情報が磁気記録されていることがある。読
取ヘッド46は前記磁気層に磁気記録された情報を読取
可能な位置に配置されており、前記情報を読み取って制
御回路42へ出力する。
【0049】また、画面検出センサ50は前述のバーコ
ードリーダ40と同様に発光素子と受光素子の対で構成
されている。制御回路42は画面検出センサ50の受光
素子から出力される信号のレベルの変化に基づいて、ネ
ガフィルム12上におけるフィルム画像の位置(及びサ
イズ)を判断する。
【0050】一方、プレスキャン部36は、プレスキャ
ン部36を通過するネガフィルム12へ向けて光を射出
するように配置されたランプ52を備えている。ランプ
52はドライバ54を介して制御回路42に接続されて
おり、射出する光の光量が予め定められた所定値となる
ようにドライバ54から供給される電圧の大きさが制御
回路42によって制御される。ランプ52の光射出側に
はC(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)の3
枚の調光フィルタから成る調光フィルタ群56、光拡散
ボックス58が順に配置されており、さらにフィルム搬
送路を挟んで結像レンズ60、CCDラインセンサ62
が順に配置されている。
【0051】調光フィルタ群56の各調光フィルタは、
CCDラインセンサ62におけるR、G、Bの3色の感
度のばらつきを補正するために、光路中への挿入量が予
め調整されている。調光フィルタ群56、光拡散ボック
ス58、ネガフィルム12及び結像レンズ60を順次透
過した光はCCDラインセンサ62の受光面に照射され
る。CCDラインセンサ62は、Rの光の光量を検出す
るセンサ、Gの光の光量を検出するセンサ及びBの光の
光量を検出するセンサが隣接配置されて成る多数のセン
サユニットが、ネガフィルム12の幅方向に沿って所定
間隔隔てて配列されて構成されている。
【0052】従って、CCDラインセンサ62は画像
を、前記センサユニットの間隔を1辺の大きさとする多
数個の画素に分割し、各画素毎に透過光量を検出する。
前記結像レンズ60は、ネガフィルム12を透過した光
のうち、ランプ52から射出された光の光軸と交差しか
つネガフィルム12の幅方向に沿った1画素列(以下、
この画素列に対応する位置を読取位置という)を透過し
た光を、CCDラインセンサ62の受光面に結像させ
る。
【0053】CCDラインセンサ62の出力側には、増
幅器64、LOG変換器66、A/D変換器68が順に
接続されている。CCDラインセンサ62から出力され
た信号は、増幅器64で増幅され、LOG変換器66で
対数変換され、A/D変換器68によってデジタルの画
像データ(フィルム画像の各画素のR、G、B毎の濃度
値を表すデータ)に変換される。A/D変換器68は制
御回路42に接続されており、A/D変換器68から出
力された画像データはプレスキャン画像データとして制
御回路42に入力される。なお、プレスキャン画像デー
タは本発明の原画像情報に対応している。
【0054】制御回路42は、図示は省略するがCP
U、ROM、RAM、入出力ポートを備え、これらがバ
スを介して互いに接続されて構成されている。また制御
回路42は、入力されたプレスキャン画像データ等を記
憶するための不揮発性の記憶部70と、ファインスキャ
ン画像データ(後述)を記録用画像データに変換するた
めのルックアップテーブル(LUT)71を備えてい
る。更に、制御回路42にはCRTディスプレイ72が
接続されており、入力されたプレスキャン画像データを
用いて処理を行って、ポジ画像をディスプレイ72に表
示することも可能とされている。
【0055】また、プレスキャン部36とファインスキ
ャン部38との間には、搬送ローラ対74と従動ローラ
76とから成るローラ群と、従動ローラ78A、78
B、78Cから成るローラ群と、が所定間隔隔てて配置
されており、この2つのローラ群の間にネガフィルム1
2のループが形成される。このループにより、プレスキ
ャン部36におけるネガフィルム12の搬送速度と、フ
ァインスキャン部38におけるネガフィルム12の搬送
速度と、の差が吸収される。搬送ローラ対74にはパル
スモータ80が連結されている。パルスモータ80はド
ライバ82を介して制御回路42に接続されている。制
御回路42はドライバ82を介してパルスモータ80を
駆動することにより、ネガフィルム12を搬送させる。
【0056】一方、ファインスキャン部38はプレスキ
ャン部36とほぼ同一の構成とされている。すなわち、
ファインスキャン部38はネガフィルム12へ向けて光
を射出するランプ84を備えている。ランプ84はドラ
イバ86を介して制御回路42に接続されており、射出
する光が所定の光量となるようにドライバ86からの供
給電圧の大きさが制御回路42によって制御される。ラ
ンプ84の光射出側には3枚の調光フィルタから成る調
光フィルタ群88、光拡散ボックス90が順次配置され
ており、さらにフィルム搬送路を挟んで結像レンズ9
2、CCDラインセンサ94が順次配置されている。
【0057】調光フィルタ群88の各調光フィルタも、
CCDラインセンサ94におけるR、G、Bの3色の感
度のばらつきを補正するために、光路への挿入量が予め
調整されている。結像レンズ92は、調光フィルタ群8
8、光拡散ボックス90、ネガフィルム12を透過した
光のうち、読取位置に位置している画素列を透過した光
をCCDラインセンサ94の受光面に結像させる。CC
Dラインセンサ94もCCDラインセンサ62と同様の
構成とされているが、センサユニットの間隔がCCDラ
インセンサ62よりも小さくされている。従って、CC
Dラインセンサ94はCCDラインセンサ62と比較し
て、画像をさらに細かくさらに多数個の画素に分割し、
各画素毎に透過光量を検出する。
【0058】CCDラインセンサ94の出力側には、増
幅器96、LOG変換器98、A/D変換器100が順
に接続されている。CCDラインセンサ94から出力さ
れた信号は、増幅器96で増幅され、LOG変換器98
で対数変換された後に、A/D変換器100によってデ
ジタルの画像データに変換される。A/D変換器100
は制御回路42に接続されており、変換された画像デー
タはファインスキャン画像データとして制御回路42に
入力される。なお、ファインスキャン画像データも本発
明の原画像情報に対応している。
【0059】制御回路42は、詳細は後述するが、プレ
スキャン部36から入力されたプレスキャン画像データ
に基づいてLUT71に設定する変換データを求め、変
換データを設定したLUT71により、ファインスキャ
ン部38から入力されたファインスキャン画像データを
印画紙等の記録材料に画像を記録するための記録用画像
データに変換する。制御回路42はプリンタプロセッサ
18のプリントヘッド120(詳細は後述)と接続され
ており、前記変換により得られた記録用画像データを記
録信号に変換してプリントヘッド120へ転送する。
【0060】また、ファインスキャン部38の下流側に
は搬送ローラ対102が配置されている。搬送ローラ対
102にもパルスモータ104が連結されている。パル
スモータ104はドライバ106を介して制御回路42
に接続されている。制御回路42はドライバ106を介
してパルスモータ104を駆動することにより、ネガフ
ィルム12を搬送させる。
【0061】一方、図1に示すように、プリンタプロセ
ッサ18には層状に巻き取られた印画紙等の記録材料1
12を収納するマガジン114がセットされている。記
録材料112はマガジン114から引き出され、カッタ
部116を介してプリンタ部110へ送り込まれる。プ
リンタ部110にはプリントヘッド120が設けられて
おり、このプリントヘッド120はフィルム画像読取装
置16の制御回路42に接続されている。プリントヘッ
ド120は、制御回路42から記録信号が転送される
と、該記録信号に基づいて記録材料112への画像の露
光を行う。
【0062】このプリントヘッド120としては、例え
ばR、G、Bの各成分色毎のレーザ光を前記記録信号に
応じて変調すると共に、記録材料112の搬送方向と直
交する方向に沿って走査させて記録材料112に照射す
ることにより、記録材料112上に画像を露光記録する
構成のプリントヘッドを用いることができる。また、こ
れに代えて、CRTや液晶パネル等の表示手段を備え、
記録信号が表す画像を表示手段に表示させ、表示手段に
表示された画像を記録材料112上に露光記録する構成
(例えば表示手段としてCRTを用いた場合には、CR
Tから射出された光を直接又は空間光変調素子を介して
記録材料112に照射することにより実現でき、表示手
段として液晶パネルを用いた場合には、液晶パネルを透
過した光を記録材料112に照射することにより実現で
きる)のプリントヘッドを用いてもよい。
【0063】プリンタ部110を通過した記録材料11
2は、リザーバ部150へ送り込まれる。リザーバ部1
50は所定間隔隔てて一対のローラ152が設けられて
おり、この一対のローラ152間に記録材料112のル
ープが形成される。このループによって、プリンタ部1
10と下流側のプロセッサ部154との搬送速度差が吸
収される。プロセッサ部154には、発色現像槽15
6、漂白定着槽158、水洗槽160、162、164
が順に配置されている。これら各処理槽内には各々所定
の処理液が貯留されている。記録材料112は各処理槽
内へ順に送り込まれ、各処理液に浸漬されて処理され
る。
【0064】プロセッサ部154の下流側には乾燥部1
66が設けられている。乾燥部166は図示しないファ
ンとヒータとによって生成した熱風を記録材料112に
供給する。これにより、記録材料112の表面に付着し
た水分が乾燥される。乾燥部166を通過した記録材料
112は、カッタ部168でプリント毎に切断された後
にプリンタプロセッサ18の外部へ排出される。
【0065】次に本第1実施形態の作用を説明する。図
3は、本第1実施形態に係る制御回路42の作用を、機
能毎にブロックに分けて示したものである。なお、図3
ではプレスキャン部36から入力されるプレスキャン画
像データを実線の矢印で、ファインスキャン部38から
入力されるファインスキャン画像データを破線の矢印で
各々示している。
【0066】図3に示すように、制御回路42は、画像
データ入力手段200、無彩色データ変換手段202、
階調修正条件作成手段204、階調修正手段206、無
彩色データ逆変換手段208、第1の変換条件設定手段
210、変換条件記憶手段212、第2の変換条件設定
手段214、変換条件決定手段216、画像信号変換手
段218を備えている。各手段で実行される処理の詳細
については、後にフローチャートを用いて詳述するが、
画像データ入力手段200はプレスキャン部36及びフ
ァインスキャン部38に対応しており、プレスキャン画
像データ及びファインスキャン画像データを各々入力す
る。
【0067】無彩色データ変換手段202は、画像デー
タ入力手段200から入力されたプレスキャン画像デー
タを、フィルム画像の濃淡を表すプレスキャン濃度デー
タと、フィルム画像の色を表すプレスキャン色データと
に分離すると共に、画像データ入力手段200から入力
されたファインスキャン画像データを、フィルム画像の
濃淡を表すファインスキャン濃度データと、フィルム画
像の色を表すファインスキャン色データとに分離する。
【0068】階調修正条件作成手段204は、プレスキ
ャン濃度データ及びプレスキャン色データに基づいて、
濃度データが表すフィルム画像の階調を修正するための
階調変換条件の作成(具体的にはLUT71に設定する
変換データの決定)を行う。階調修正手段206はLU
T71を含んで構成されており、階調修正条件作成手段
204によって決定された変換データをLUT71に設
定し、該LUT71により、プレスキャン濃度データ及
びファインスキャン濃度データの各々に対して階調の変
換(修正)を行う。
【0069】無彩色データ逆変換手段208は、階調修
正手段206で階調変換が行われたプレスキャン濃度デ
ータと、プレスキャン色データとを合成することによ
り、画像データ(条件設定用画像データ)への逆変換を
行うと共に、階調修正手段206で階調変換が行われた
ファインスキャン濃度データと、ファインスキャン色デ
ータとを合成することにより、画像データ(すなわち記
録用画像データ)への逆変換を行う。
【0070】第1の変換条件設定手段210では、無彩
色データ逆変換手段208から出力された条件設定用画
像データに基づいて、該画像データが表すフィルム画像
の色バランスを適正な色バランスに修正するための変換
条件(第1の変換条件)を設定する。変換条件記憶手段
212は記憶部70の記憶領域の一部を含んで構成され
ており、フィルム画像に関する情報を多数のフィルム画
像について記憶している。なお、本実施形態における
「多数」には数個以上も含まれる。第2の変換条件設定
手段214は、変換条件記憶手段212に記憶されてい
る多数のフィルム画像の情報に基づいて、多数のフィル
ム画像の第1の変換条件の平均に相当する変換特性を有
する第2の変換条件を設定する。
【0071】変換条件決定手段216では、色バランス
の修正を行うフィルム画像に関する各種情報に基づい
て、色バランスの修正を行うフィルム画像に対して第1
の変換条件設定手段210が設定した第1の変換条件
と、第2の変換条件設定手段214が設定した第2の変
換条件と、の各々に対する重みを定め、双方の変換条件
の重み付き平均に相当する色バランス変換条件の決定
(具体的にはLUT71に設定する変換データ(第1の
変換条件の基準濃度値と第2の変換条件の基準濃度値と
の重み付き平均値と、記録材料に記録する記録濃度との
関係を表す)の決定)を行う。
【0072】画像信号変換手段218もLUT71を含
んで構成されており、変換条件決定手段216によって
決定された変換データをLUT71に設定し、該LUT
71により、無彩色データ逆変換手段208から出力さ
れた記録用画像データに対する色バランスの変換(修
正)を行う。なお、フィルム画像がネガ画像の場合に
は、この色バランスの変換と同時にネガ−ポジ変換も行
われる。
【0073】次に図4のフローチャートを参照し、制御
回路42で実行される処理について説明する。ステップ
250では、プレスキャン部36からプレスキャン画像
データが入力されたか否か判定する。判定が否定された
場合にはステップ290へ移行し、ファインスキャン部
38からファインスキャン画像データが入力されたか否
か判定する。
【0074】図2に示した構成からも明らかなように、
フィルム画像読取装置16では各フィルム画像に対し、
プレスキャン部36、ファインスキャン部38の順で、
両スキャン部36、38において各々フィルム画像の読
み取りを行うと共に、プレスキャン部36におけるフィ
ルム画像の読み取りと、ファインスキャン部38におけ
るフィルム画像の読み取りとは非同期で行われる。この
ため、ステップ290の判定も否定された場合にはステ
ップ250へ戻り、プレスキャン画像データ又はファイ
ンスキャン画像データが入力される迄、ステップ25
0、290を繰り返す。
【0075】プレスキャン部36でフィルム画像の読み
取りが行われてプレスキャン画像データが入力される
と、ステップ250の判定が肯定されてステップ252
へ移行し、入力されたプレスキャン画像データを取り込
んで記憶部70に一旦記憶する。次のステップ254で
は、プレスキャン画像データを、フィルム画像の濃淡を
表すプレスキャン濃度データと、フィルム画像の色を表
すプレスキャン色データと、に分離する。
【0076】なおプレスキャン濃度データは、例えばプ
レスキャン画像データが表す各画素の各成分色(R、
G、B)毎の濃度値のうちの所定色の濃度値(例えばG
濃度)とすることができ、この場合、プレスキャン色デ
ータは前記所定色を含む色差データ(R−G、B−G)
を各画素毎に演算することによって得ることができる。
また例えば、プレスキャン濃度データは各画素の各成分
色毎の濃度値の平均値W(W=(R+G+B)/3)と
してもよく、この場合、プレスキャン色データとしては
平均値Wと各色との差(R−W、B−W)を用いること
ができる。また例えば、プレスキャン濃度データは各画
素の各成分色毎の濃度値の最小値k(k=min(R、
G、B))としてもよく、この場合、プレスキャン色デー
タとしては最小値kと各色との差(R−k、B−k)を
用いることができる。
【0077】またプレスキャン濃度データとして、輝度
や色彩学上の明度などを用いてもよい。例えばプレスキ
ャン濃度データが輝度信号Y(Y=0.30・R+0.59・G
+0.11・B)であるなら、プレスキャン色データは色差
信号(R−Y、B−Y)や色差信号I、Qで表せる。プ
レスキャン濃度データを明度L* で表すなら、プレスキ
ャン色データとしてはCIE1976L* * * 色空間に
おけるa* 、b* や、CIE1976L* * * 色空間に
おけるu* 、v* などを用いることができる。なお、上
記均等色表色系以外の表色系の明度又は輝度と色度を用
いてもよい。このステップ254は無彩色データ変換手
段202に対応している。
【0078】上記のように、濃淡を表す濃度データと、
それに対応する色データとに画像データを分離するデー
タ変換としては、濃度データと色データから画像データ
への逆変換が可能な関係をもつ様々な変換を適用可能で
ある。例えば濃度データをDv、色データをCa、Cb
とすると、下記のR濃度、G濃度、B濃度の一次変換式
で表すことができる。
【0079】
【数1】 修正濃度データDv’(階調変換後の濃度データD
v)、色データCa、Cbから記録画像データR’、
G’、B’への変換は、上記変換式に基づく逆変換で容
易に行うことができる。
【0080】次のステップ256では、プレスキャン濃
度データ及びプレスキャン色データに基づき、フィルム
画像の階調を変換するための階調変換条件を設定(ルッ
クアップテーブル71を階調変換テーブルとして機能さ
せるためにルックアップテーブル71に設定する階調変
換データを作成)する。このステップ256は階調修正
条件作成手段204に対応している。
【0081】階調変換条件の設定には、従来より提案さ
れている種々の方法を適用することができ、例えばプレ
スキャン濃度データから記録画像上で再現すべき濃度域
を表す最大基準濃度DNX及び最小基準濃度DNIを演
算し、記録材料の画像再現域(記録材料において画像と
して再現されるための濃度域:以下では記録材料の画像
再現域のハイライト部記録濃度及びシャドー部記録濃度
から定めた高濃度側変換濃度値をDx、低濃度側変換濃
度値をDiと称する)に基づき、最大基準濃度DNXが
高濃度側変換濃度値Dxに変換され、最小基準濃度DN
Iが低濃度側変換濃度値Diに変換されるように設定す
ることができる(例として図5に破線Bで示す変換特性
参照)。
【0082】最大基準濃度DNX、最小基準濃度DNI
の演算には、従来より公知の種々の方法を適用すること
ができ、具体的には、例えばフィルム画像中の最大中性
色濃度を最大基準濃度DNXとし、最小中性色濃度を最
小基準濃度DNIとすることができる。また、フィルム
画像を主要画像領域と背景画像領域とに分割し、背景画
像領域内の最大中性色濃度と主要画像領域内の最大中性
色濃度との重み付き平均値を最大基準濃度DNXとし、
背景画像領域内の最小中性色濃度と主要画像領域内の最
小中性色濃度との重み付き平均値を最小基準濃度DNI
としてもよいし、背景画像領域内の最大中性色濃度を最
大基準濃度DNXとし、背景画像領域内の最小中性色濃
度を最小基準濃度DNIとしてもよい。
【0083】また、フィルム画像中の主要画像部を抽出
して主要画像部濃度DFOを求め、例として図5に実線
Aで示す変換特性のように、最大基準濃度DNXが高濃
度側変換濃度値Dxに、最小基準濃度DNIが低濃度側
変換濃度値Diに、主要画像部濃度DFOが所定濃度D
pR(フィルム画像がネガ画像かポジ画像かに応じて異
なる値を設定してもよい)に各々変換されるように階調
変換条件を設定してもよい。また、図5に示す破線B
を、主要画像部濃度DFOと所定濃度DpRの交点を通
るように平行移動させて、階調変換条件を設定するよう
にしてもよい。
【0084】主要画像部濃度の演算は、例えば入力され
たプレスキャン画像データに基づいてディスプレイ72
等にフィルム画像を表示し(ポジ画像に変換して表示す
ることが好ましい)、ライトペン等によりフィルム画像
中の主要画像部をオペレータに指定させることによりフ
ィルム画像中の主要画像部の位置を特定し、位置を特定
した領域の平均濃度等を主要画像部濃度DFOとするこ
とができる。
【0085】また、主要画像部濃度は、上記のようにオ
ペレータの手を煩わすことなく自動的に推定することも
可能である。すなわち、主要画像部としてのフィルム画
像中に存在する人物の顔に相当する領域(顔領域)を抽
出し、抽出した顔領域の濃度(例えば平均濃度等)を主
要画像部濃度とする。顔領域の抽出方法としては、例え
ば特開昭 52-156624号公報、特開昭 52-156625号公報、
特開昭53-12330号公報、特開昭 53-145620号公報、特開
昭 53-145621号公報、特開昭 53-145622号公報等に記載
されているように、フィルム画像の測光によって得られ
た測光データに基づき、各画素が色座標上で肌色の範囲
内に含まれているか否か判定し、肌色の範囲内と判断し
た画素のクラスタ(群)が存在している領域を顔領域と
して抽出することができる。
【0086】また、本願出願人が特開平4-346333号公
報、特開平5-100328号公報、特開平5-165120号公報等で
提案しているように、画像データに基づいて色相値(及
び彩度値)についてのヒストグラムを求め、求めたヒス
トグラムを山毎に分割し、各測定点が分割した山の何れ
に属するかを判断して各測定点を分割した山に対応する
群に分け、各群毎に画像を複数の領域に分割し(所謂ク
ラスタリング)、該複数の領域のうち人物の顔に相当す
る領域を推定し、推定した領域を顔領域として抽出する
抽出方式を適用するようにしてもよい。
【0087】また、本願出願人が既に特開平8-122944
号、特開平8-184925号で提案しているように、画像デー
タに基づいて、画像中に存在する人物の各部に特有の形
状パターン(例えば頭部の輪郭、顔の輪郭、顔の内部構
造、胴体の輪郭等を表す形状パターン)の何れか1つを
探索し、検出した形状パターンの大きさ、向き、検出し
た形状パターンが表す人物の所定部分と人物の顔との位
置関係に応じて、人物の顔に相当すると推定される領域
を設定すると共に、検出した形状パターンと異なる他の
形状パターンを探索し、先に設定した領域の、人物の顔
としての整合性を求め、顔領域を抽出する抽出方式を適
用することも可能である。
【0088】更に、フィルム画像中の背景に相当すると
推定される領域(背景領域)を判断し、背景領域以外の
領域を主要画像部に相当する領域として抽出するように
してもよい。具体的には、画像データに基づいて各画素
の色が、色座標上で明らかに背景に属する特定の色(例
えば空や海の青、芝生や木の緑等)の範囲内に含まれて
いるか否か判定し、前記特定の色範囲内と判断した画素
のクラスタ(群)が存在している領域を背景領域と判断
して除去し、残った領域を非背景領域(主要画像部)と
して抽出することができる。同様に、明らかに背景に属
する特定濃度の範囲内に含まれるか否かを判定して背景
領域を求め、残った領域を主要画像部として抽出するよ
うにしてもよい。
【0089】また、本願出願人が特開平8-122944号、特
開平8-184925号で提案しているように、前記と同様にし
て画像を複数の領域に分割した後に、各領域毎に背景に
相当する領域としての特徴量(輪郭に含まれる直線部分
の比率、線対称度、凹凸数、画像外縁との接触率、領域
内の濃度コントラスト、領域内の濃度の変化パターンの
有無等)を求め、求めた特徴量に基づいて各領域が背景
領域か否か判定し背景部と判断した領域を除去し、残っ
た領域を非背景領域(主要画像部)として抽出するよう
にしてもよい。
【0090】また、上記のようにフィルム画像中に存在
する主要画像部の位置を特定することなく、ネガフィル
ム12の磁気層から読取ヘッド46によって読み取った
撮影条件を表す情報(例えば撮影時のストロボ発光の有
無や撮影時に測定された被写体との距離)等に基づい
て、フィルム画像中の主要画像部濃度を推定することも
可能である。例えばフィルム画像が、ストロボを発光さ
せて撮影された画像であり、かつ被写体との距離が近距
離〜中距離程度の場合、主要画像部は高濃度〜中濃度の
濃度範囲に存在(但しフィルム画像がネガ画像の場合)
していると推定できる。また、撮影時に測定された被写
体輝度等の撮影条件も考慮して主要画像部濃度を推定す
ることも可能である。
【0091】更に、フィルム画像中に、顔領域等のよう
に明らかに主要画像部と判断できる画像部が存在してい
ない場合には、例えばフィルム画像を、ハイライト画像
部を重視すべき画像、シャドー画像部を重視すべき画
像、中間濃度画像部を重視すべき画像等に分類し、主要
画像部濃度として各分類毎に予め定められた濃度値を用
いたり、フィルム画像中の予め定められた領域の濃度値
を主要画像部濃度とすることができる。
【0092】また、フィルム画像を面露光により記録材
料に記録する場合の露光量は、フィルム画像の各種の画
像特徴量に基づいて決定されることが一般的であるが、
この露光量決定方法によって主要画像部を適正に再現で
きる露光量が得られるのであれば、フィルム画像の各種
の特性値に基づき、前記露光量決定方法によりフィルム
画像を面露光する際の露光量を演算し、得られた露光量
に対応する濃度値を逆算して主要画像部濃度を求めるこ
とも可能である。
【0093】また、フィルム画像の濃度範囲のうち記録
材料の画像再現域を逸脱している濃度範囲hを主要画像
部濃度DFOを基準として抽出し、濃度範囲hに相当す
る画像部の画像特徴量から濃度範囲hの再現条件を決定
し、決定した再現条件も考慮して最大基準濃度DNX及
び最小基準濃度DNIを演算して階調変換条件を設定す
るようにしてもよい。濃度範囲hの再現条件を決定する
ための画像特徴量としては、例えば濃度範囲hに相当す
る領域内の画素間のコントラストの平均値や画素間の色
差の平均値、画素サイズの変化に対する前記平均値の変
化、背景領域内の所定コントラスト以上の領域の面積、
色や濃度に基づくクラスタリングによるクラスタ数、各
クラスタ間の濃度差や色差、背景領域内の中性色の領域
と非中性色の領域の面積比や分布、背景領域に対する空
間周波数の分析結果等を用いることができる。
【0094】また、ステップ256の階調変換条件の設
定は、濃度ヒストグラムに基づいて行うようにしてもよ
い。すなわち、プレスキャン濃度データから濃度ヒスト
グラムを求め、該濃度ヒストグラムに対して記録材料の
画像再現域を設定(主要画像部濃度DFOを基準として
設定してもよい)して画像再現域を逸脱している濃度範
囲hを抽出し、プレスキャン濃度データの濃度範囲が記
録材料の画像再現域内に収まるように濃度ヒストグラム
の形状を修正して目標ヒストグラムを設定する。次に、
設定した目標ヒストグラムに基づいてプレスキャン濃度
データを修正する。なお、或る濃度データのヒストグラ
ムを別のヒストグラムに修正するための濃度データの変
換は、ヒストグラム変換法として、例えば「画像の処理
と解析」(日本リモートセンシング研究会編 p186 共立
出版株式会社1981年刊)等の多くの画像処理専門書に、
累積ヒストグラムを変換関数として行う方法が記載され
ており、上記の濃度データの修正はこの方法を適用する
ことができる。そして、修正前の濃度データと修正後の
濃度データとの関係に基づき、修正前の濃度データを修
正後の濃度データに変換するための変換条件(階調変換
条件)を求める。
【0095】更に、ステップ256において、フィルム
画像を、主要画像部を含む主要画像領域と主要画像部を
含まない背景画像領域とに分割し、分割結果に基づい
て、プレスキャン画像データを、主要画像領域に対応す
る主要画像領域濃度データと、主要画像部を含まない背
景画像領域に対応する背景画像領域濃度データとに分割
し、各画像領域の濃度データ毎に階調変換条件を設定す
るようにしてもよい。各画像領域の濃度データ毎の階調
変換条件は、先に述べたように、最大基準濃度DNX及
び最小基準濃度DNIを演算して設定するようにしても
よいし、更に主要画像部濃度DFOも演算して設定する
ようにしてもよいし、濃度ヒストグラムに基づいて設定
するようにしてもよい。
【0096】なおフィルム画像の分割は、例えばプレス
キャン濃度データから求めた濃度ヒストグラムの形状が
双峰性であれば、該濃度ヒストグラムに基づいて分割の
しきい値を求めてフィルム画像を分割することができ
る。また、プレスキャン濃度データの濃度範囲に対し、
主要画像部濃度DFOを基準として記録材料の画像再現
域を設定し、記録材料の画像再現域を逸脱している濃度
範囲hが主要画像部濃度DFOに対してハイライト側に
存在しているか、シャドー側に存在しているかを判断
し、各画素毎の色、濃度、フィルム画像上での位置、コ
ントラスト等の画像特徴量の類似性を演算した結果、或
いはフィルム画像をディスプレイ等に表示しオペレータ
が手動によりエリアを指定した結果等に基づき、クラス
タリングや二値化等の公知の画像分割方法を適用して、
記録材料の画像再現域を逸脱している濃度範囲に対応す
る領域を中心として背景画像領域を抽出することによ
り、フィルム画像を分割するようにしてもよい。
【0097】上記のようにして階調変換条件を設定する
とステップ258へ移行し、設定した階調変換条件(階
調変換データ)をフィルム画像のコマ番号と対応させて
メモリ等に記憶する。次のステップ260では、上記の
階調変換データをルックアップテーブル71に設定し、
プレスキャン濃度データをルックアップテーブル71に
入力する。これによりプレスキャン濃度データは、ステ
ップ256で設定した階調変換条件に従って、画像とし
て再現すべき濃度範囲が記録材料の画像再現域内に収ま
り、フィルム画像中の主要画像部や背景画像部が記録画
像上で適切な濃度値で再現されるように階調変換され、
ルックアップテーブル71からは階調変換後の画像デー
タ(濃度データ)が出力される。このように、ステップ
260は階調修正手段206に対応している。なお、上
記の濃度データに対する階調変換では、フィルム画像が
ネガ画像であればネガ画像のままで、フィルム画像がポ
ジ画像であればポジ画像のままで、濃度データの階調の
みが修正される。
【0098】次のステップ262では、階調変換を行っ
たプレスキャン濃度データにプレスキャン色データを合
成する(具体的にはステップ254と逆の処理を行う)
ことによって画像データを生成する(以下では、この画
像データを「条件設定用画像データ」と称する)。この
ステップ262は無彩色データ逆変換手段208に対応
している。
【0099】後述するように、ファインスキャン画像デ
ータを濃度データと色データとに分離し、分離した濃度
データに対して上記で求めた階調変換条件によって階調
変換を行った後に色データと合成すれば、濃度範囲が記
録材料の画像再現域内に収まり、主要画像部を含むフィ
ルム画像中の各画像部が、色味が変化することなく記録
画像上で適正な濃度値で再現されるように変換された画
像データ(記録用画像データ)が得られる。
【0100】しかし、フィルム画像の全体的な色バラン
スやフィルム画像中の各画像部の色味は、ネガフィルム
のフィルム種毎に異なるフィルム特性(具体的には各成
分色(R、G、B)毎の発色濃度特性(露光量と発色濃
度との関係))や、フィルム画像が表すシーンにおける照
明光の種類(昼光、夕日、蛍光灯の光、タングステン灯
の光等)によって変化する。また、フィルム画像がネガ
画像であれば、ネガ−ポジ変換も行う必要がある。この
ため、次のステップ264以降では、ネガフィルムの発
色濃度特性等に応じて画像データの各成分色毎の階調バ
ランスの修正を行うための色バランス変換条件を求め
る。
【0101】すなわち、本実施形態では多数のフィルム
画像のデータ(条件設定用画像データ:請求項6に記載
の「原画像に関する情報」に相当)が、各々フィルム種
と対応されて記憶部70に記憶されている。なお、この
条件設定用画像データは、後述するように第2の変換条
件の設定に用いられるので、記憶部70は請求項6に記
載の記憶手段(変換条件記憶手段212)に対応してい
る。
【0102】ステップ264では、バーコードリーダ4
0がネガフィルム(フィルム画像が記録されているネガ
フィルム)に記録されているバーコードを読み取ること
によって検出された前記ネガフィルムのフィルム種を取
込み、記憶部70に予め記憶されている多数のフィルム
画像のデータのうち、前記取り込んだフィルム種と同一
のフィルム種のネガフィルムに記録されていたフィルム
画像のデータを取り込む。
【0103】次のステップ266では、取り込んだ多数
のフィルム画像のデータに基づき、多数のフィルム画像
の平均的な3色の階調バランスを表す平均階調バランス
曲線を決定する。この平均階調バランス曲線は、例えば
G濃度又は3色平均濃度を基準濃度として定めることが
できる。例えば基準濃度としてG濃度を用いた場合に
は、多数のフィルム画像の各画素を各画素のG濃度の高
低に基づいてクラス分けし、各クラス毎にR濃度の平均
値及びB濃度の平均値を演算する。そして、G濃度とR
濃度の平均値との関係、及びG濃度とB濃度の平均値と
の関係を最小二乗法等により直線又は曲線で近似するこ
とにより、平均階調バランス曲線(又は直線)を得るこ
とができる。図6には、基準濃度としてG濃度を用いた
場合のG濃度とR濃度との関係を表す平均階調バランス
曲線の一例を示す。
【0104】ステップ266では、同一フィルム種のネ
ガフィルムに記録されていた多数のフィルム画像のデー
タを用いて平均階調バランス曲線を定めているので、こ
の平均階調バランス曲線は、前記フィルム種のフィルム
画像に記録されている大多数の標準的なフィルム画像
(例えば照明光の種類の相違等に起因する全体的な色バ
ランスの偏倚が生じていない画像)におけるグレイ部分
の3色のバランスを表している。なお、ステップ26
4、266で平均階調バランス曲線を決定することに代
えて、平均階調バランス曲線をフィルム種毎に予め定め
て記憶しておき、対応する平均階調バランス曲線を取り
込んで用いるようにしてもよい。
【0105】次のステップ268では、先のステップ2
62で生成された条件設定用画像データに基づいて、該
条件設定用画像データに対応するフィルム画像に対し、
最大基準濃度DNX、最小基準濃度DNIを考慮して、
各成分色毎に最大基準濃度dxi 、最小基準濃度dni
(但しi はR、G、Bの何れかを表す、以下では「個別
最大基準濃度dxi 」、「個別最小基準濃度dni 」と
称する)を演算する。この個別最大基準濃度dxi 、個
別最小基準濃度dni としては、例えば各成分色毎の最
大基準濃度DNX、最小基準濃度DNIに相当する濃度
を用いることができる。
【0106】個別基準濃度dxi 、dni は、階調バラ
ンス修正対象のフィルム画像に対して個別の色バランス
変換条件を設定する際に用いられる基準濃度であり、各
成分色毎の個別最大基準濃度dxi が各々第1の所定濃
度に変換され、各成分色毎の個別最小基準濃度dni が
各々第2の所定濃度に変換されるように色バランス変換
条件を定めたとすると、ネガフィルムのフィルム種毎の
フィルム特性のばらつきを補正できると共に、階調バラ
ンス修正対象のフィルム画像に照明光の種類の相違等に
起因する全体的な色バランスの偏倚があれば、これを補
正できる変換特性を有する色バランス変換条件が得られ
る。
【0107】従って、個別最大基準濃度dxi 及び個別
最小基準濃度dni は本発明の第1の変換条件に対応し
ており、個別基準濃度dxi 、dni を設定するステッ
プ268は、請求項6に記載の第1の変換条件作成手段
(第1の変換条件設定手段210)に対応している。
【0108】ステップ270では、上記で設定した個別
最大基準濃度dxi 及び個別最小基準濃度dni に基づ
き、前述の平均階調バランス曲線より平均最大基準濃度
DXi 及び平均最小基準濃度DNi を決定する。具体的
には、例えば平均階調バランス曲線がG濃度を基準濃度
として定められている場合には、個別最大基準G濃度d
G を平均最大基準G濃度DXG とすると共に個別最小
基準G濃度dnG を平均最小基準G濃度DNG とし、こ
の平均基準G濃度DXG 、DNG に基づいて平均階調バ
ランス曲線からR及びBについての平均基準濃度DXi
、DNi を決定する(図6には、平均基準G濃度DX
G 、DNG から平均基準R濃度DXR 、DNR を求めて
いる例を示す)。
【0109】平均基準濃度DXi 、DNi は、同一フィ
ルム種のネガフィルムに記録された多数のフィルム画像
のデータから定めた平均階調バランス曲線を用いて求め
ているので、各成分色毎の平均最大基準濃度DXi が各
々第1の所定濃度に変換され、各成分色毎の平均最小基
準濃度DNi が各々第2の所定濃度に変換されるように
色バランス変換条件を定めたとすると、ネガフィルムの
フィルム種毎のフィルム特性のばらつきを補正できると
共に、階調バランス修正対象のフィルム画像に照明光の
種類の相違等に起因する全体的な色バランスの偏倚がな
ければ、濃度値が個別基準濃度dxi 又はdni として
採用される画素(特徴部分)の色味が非中性色であった
としても、該フィルム画像が表すシーン中のグレイ部分
を記録画像上でグレイとして再現できる変換特性を有す
る色バランス変換条件が得られる。
【0110】従って、平均最大基準濃度DXi 及び平均
最小基準濃度DNi は本発明の第2の変換条件に対応し
ており、平均基準濃度DXi 、DNi を決定するステッ
プ270は、ステップ264、266と共に請求項6に
記載の第2の変換条件作成手段(第2の変換条件設定手
段214)に対応している。
【0111】次のステップ272では、個別基準濃度d
xi 、dni と平均基準濃度DXi、DNi とを比較し
てフィルム画像を分類し(請求項3に記載の、「第1の
変換条件を前記第2の変換条件と比較した結果」に基づ
く分類に相当)、分類結果に基づいて個別基準濃度dx
i 、dni に対する重み係数w1 (本発明の第1の変換
条件に対する重みに相当)及び平均基準濃度DXi 、D
Ni に対する重み係数w2 (本発明の第2の変換条件に
対する重みに相当)を決定する。重み係数w1、w
2 は、一例として以下のようにして決定することができ
る。
【0112】例えば個別基準濃度dxi 、dni と平均
基準濃度DXi 、DNi とが近似している場合(すなわ
ち第1の変換条件と第2の変換条件とが近似している場
合)には、階調バランス修正対象のフィルム画像は、照
明光の相違等に起因する全体的な色バランスの偏倚のな
い画像である可能性が高い。このため、個別基準濃度d
xi 、dni に対する重みと平均基準濃度DXi 、DN
i に対する重みを等しくするか(例えばw1 =w2 =0.
5 )、平均基準濃度DXi 、DNi に対する重みを大き
くする(例えばw1 <0.5 でw2 >0.5 や、w1 =0で
2 =1.0 等)。
【0113】また、標準的な照明光(例えば昼光)で照
明されたシーンを表すフィルム画像に対し、照明光の種
類の相違によりフィルム画像の3色のバランスがどのよ
うに変化するかは従来より知られている。このため、例
えば平均基準濃度DXi 、DNi が表す3色のバランス
を基準(すなわちグレイ)としたときの個別基準濃度d
xi 、dni が表す3色のバランスの差異が、照明光の
種類の相違とみなせる差異か否かを判断し、照明光の種
類が異なっていると判断した場合には、個別基準濃度d
xi 、dni に対する重みと平均基準濃度DXi 、DN
i に対する重みを等しくするか(例えばw1 =w2 =0.
5 とする) 、個別基準濃度dxi 、dni に対する重み
を大きくする(例えば好ましい照明光の雰囲気を出すた
めにはw 1 >0.5 ,w2 <0.5 とし、昼光色下の再現の
ためにはw1 =1.0 ,w2 =0とする等) 。
【0114】ステップ274では上記で決定された重み
係数w1 、w2 を用い、次の(1)式及び(2)式に従
って個別最大基準濃度dxi と平均最大基準濃度DXi
との重み付き平均濃度DDXi 、個別最小基準濃度dn
i と平均最小基準濃度DNiとの重み付き平均濃度DD
Ni を各々演算する。
【0115】 DDXi =w1 ・dxi +w2 ・DXi …(1) DDNi =w1 ・dni +w2 ・DNi …(2) なお、重み係数w1 、w2 を、最大基準濃度のための重
み係数w1X、w2X、最小基準濃度のためのw2N、w2N
分離し、互いに異なる値を設定するようにしてもよい。
例えば蛍光灯照明下でストロボを発光させて撮影した場
合、主要画像部の照明光はストロボ光であるが、背景画
像部の照明光は蛍光灯である。主要画像部に比較して背
景画像部が暗い上記のようなシーンでは、重み付き平均
濃度DDXi についてはw1X<w2X,重み付き平均濃度
DDNi についてはw2N>w2Nとすることが好ましい。
【0116】そして、次のステップ276では重み付き
平均濃度DDXi 、DDNi に基づいて、記録用画像デ
ータ(後述)に対して各成分色毎の階調バランスの修正
を行うための色バランス変換条件を決定する。具体的に
は、予め定められている記録材料のハイライト部記録濃
度Dhi (記録画像(ポジ画像)上で最も明るい部分の
濃度)及びシャドー部記録濃度Dsi (記録画像上で最
も暗い部分の濃度)を取込み、記録用画像データに対し
てネガ−ポジ変換も同時に行うため、重み付き平均濃度
DDXi がハイライト部記録濃度Dhi に変換され、重
み付き平均濃度DDNi がシャドー部記録濃度Dsi に
変換されるように、各成分色毎に色バランス変換条件を
決定(詳しくはルックアップテーブル71に設定する色
バランス変換データの生成)する。
【0117】なお、図7にはR濃度に対する色バランス
変換条件の一例(すなわち、重み付き平均R濃度DDX
R をハイライト部R記録濃度DhR に変換し、重み付き
平均R濃度DDNR をシャドー部R記録濃度DsR に変
換する変換特性の色バランス変換条件)を示す。このス
テップ276は、先のステップ274と共に請求項6に
記載の変換条件決定手段(変換条件決定手段216)に
対応している。
【0118】上記の色バランス変換条件は、第1の変換
条件と第2の変換条件との重み付き平均に相当する変換
条件であり、これにより、ネガフィルムのフィルム種、
フィルム画像が表すシーンにおける照明光の種類、フィ
ルム画像中の特徴部分の色味が非中性色か否か等に拘ら
ず、フィルム画像が表すシーン中の各被写体の色味が記
録画像上で適正に再現されるように、記録用画像データ
の各成分色毎の階調バランスを修正できる色バランス変
換条件が得られる。
【0119】なお、フィルム画像がポジ画像である等の
ようにネガ−ポジ変換を行う必要がない場合には、重み
付き平均濃度DDXi がシャドー部記録濃度Dsi に変
換され、重み付き平均濃度DDNi がハイライト部記録
濃度Dhi に変換されるように色バランス変換条件を定
めればよい。
【0120】次のステップ278では、上記で決定した
色バランス変換条件を、フィルム画像のコマ番号と対応
させて記憶部70に記憶し、ステップ250に一旦戻
る。なお、上述したステップ252〜278の処理は、
ファインスキャン画像データよりも解像度が低くデータ
量の少ないプレスキャン画像データを対象として行われ
るので、ファインスキャン画像データを対象として処理
を行う場合と比較して、より短時間で処理を完了させる
ことができる。
【0121】一方、ファインスキャン部38でフィルム
画像の読み取りが行われてファインスキャン画像データ
が入力されると、ステップ300の判定が肯定されてス
テップ302へ移行し、入力されたファインスキャン画
像データを取り込んで記憶部70に一旦記憶し、次のス
テップ304では、先に説明したステップ254と同様
にしてファインスキャン画像データをファインスキャン
濃度データとファインスキャン色データとに分離する。
なお、このときには入力されたファインスキャン画像デ
ータが表すフィルム画像に対応する階調変換条件及び色
バランス変換条件は、既に作成されてメモリ等に記憶さ
れている。
【0122】ステップ306では、先に取り込んだファ
インスキャン画像データが表すフィルム画像に対応する
階調変換条件(ルックアップテーブル71に設定すべき
階調変換データ)を、前記フィルム画像のコマ番号をキ
ーにして検索して取り込み、取り込んだ階調変換データ
をルックアップテーブル71に設定する。ステップ30
8ではファインスキャン濃度データをルックアップテー
ブル71に入力する。これにより、ルックアップテーブ
ル71からは、ステップ306で取り込んだ階調変換条
件に応じて階調変換された画像データ(濃度データ)が
出力される。
【0123】このように、ステップ306も階調修正手
段206に対応している。次のステップ310では、先
に説明したステップ262と同様に、階調変換を行った
ファインスキャン濃度データに、ファインスキャン色デ
ータを合成することによって記録用画像データを生成す
る。このステップ310も無彩色データ逆変換手段20
8に対応している。
【0124】次のステップ312では、先に取り込んだ
ファインスキャン画像データが表すフィルム画像に対応
する色バランス変換条件(ルックアップテーブル71に
設定すべき色バランス変換データ)を、前記フィルム画
像のコマ番号をキーにして検索して取り込み、取り込ん
だ色バランス変換データをルックアップテーブル71に
設定する。ステップ314では記録用画像データを各成
分色のデータ毎にルックアップテーブル71に入力す
る。
【0125】これにより、記録用画像データは、ステッ
プ312で取り込んだ色バランス変換条件に従って、フ
ィルム画像が記録されているネガフィルムのフィルム特
性や、フィルム画像が表すシーンにおける照明光の種
類、フィルム画像中の特徴部分の色味が非中性色か否か
等に等に拘らず、フィルム画像が表すシーン中の被写体
が記録用画像上で適正な色味で再現されるように各成分
色毎の階調バランスが修正されて、ルックアップテーブ
ル71から記録信号として出力される。
【0126】次のステップ316では記録信号をプリン
トヘッド120に出力してステップ250に戻る。これ
により、プリンタプロセッサ18ではプリントヘッド1
20により、フィルム画像がポジ画像として記録材料に
記録される。このように、ステップ316は、記録材料
への画像の記録を実際に行うプリントヘッド120と共
に、本発明の記録手段に対応している。
【0127】上記処理が繰り返されることにより、ネガ
フィルム12に記録された各フィルム画像から、主要画
像部及び背景画像部が各々適正な濃度値とされ、各フィ
ルム画像が表すシーン中の被写体が適正な色味で再現さ
れた記録画像を各々得ることができる。
【0128】〔第2実施形態〕次に本発明の第2実施形
態について説明する。なお、本第2実施形態は第1実施
形態と同一の構成であるので、各部分に同一の符号を付
して構成の説明を省略し、以下では第2実施形態の作用
について、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明
する。
【0129】図8は、本第2実施形態に係る制御回路4
2の作用を、機能毎にブロックに分けて示したものであ
る。図8に示すように、本第2実施形態に係る制御回路
42は、第1実施形態に係る制御回路(図3参照)と比
較して、更に、撮影条件判定手段220を備えている。
撮影条件判定手段220は、ネガフィルムの磁気層に磁
気記録された撮影時の撮影条件等を表す情報、或いはフ
ィルム画像から抽出された主要画像部の画像特徴量に基
づいて、フィルム画像を撮影した際の光源の種類(照明
光の種類)等の撮影条件を判定し、判定結果に基づいて
第1の変換条件及び第2の変換条件に対する重みを決定
する。
【0130】そして変換条件決定手段216は、撮影条
件判定手段220によって決定された重みに従って、第
1の変換条件と第2の変換条件との重み付き平均に相当
する色バランス変換条件を決定する。
【0131】本第2実施形態に係る制御回路42では、
第1実施形態で説明した図4のフローチャートのステッ
プ264〜278の処理に代えて、図9に示す色バラン
ス変換条件作成処理を行う。この色バランス変換条件作
成処理について、図9のフローチャートを参照し、第1
実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0132】本第2実施形態では、ステップ264、2
66で平均階調バランス曲線を決定し、ステップ268
で第1の変換条件に相当する個別最大基準濃度dxi 、
個別最小基準濃度dni を各成分色毎に演算し、ステッ
プ270で第2の変換条件に相当する平均最大基準濃度
DXi 、平均最小基準濃度DNi を各成分色毎に定めた
後に、ステップ280で、読取ヘッド46が、ネガフィ
ルムの磁気層から読み取った情報のうち、フィルム画像
撮影時の撮影条件を表す情報を取り込む。
【0133】次のステップ282では、ステップ280
で取り込んだ撮影条件を表す情報に基づいてフィルム画
像を分類し(請求項3に記載の「原画像を撮影記録した
際の撮影条件」に基づく分類に相当)、個別基準濃度d
xi 、dni 及び平均最大濃度DXi 、DNi に対する
重み係数w1 、wを決定する。このステップ282は、
ステップ280と共に撮影条件判定手段220に対応し
ている。
【0134】なお、撮影条件に基づく重み係数w1 、w
2 の決定は以下のようにして行うことができる。すなわ
ち、撮影条件としては、ストロボ発光の有無、被写体の
輝度、被写体の距離とストロボのガイドナンバー、光源
種、撮影年月日等の情報が挙げられるが、ネガフィルム
の磁気層に撮影条件としてどのような情報が磁気記録さ
れるかは、フィルム画像の撮影記録に用いたカメラの種
類等によって異なっていることも考えられる。このた
め、撮影条件として磁気層に磁気記録されている情報の
種類及び内容に応じて重み係数w1 、w2 を決定する。
【0135】例えば磁気記録層に、撮影条件としてスト
ロボを発光させてフィルム画像を撮影記録したことを表
す情報が磁気記録されていた場合には、フィルム画像
は、少なくとも主要被写体がストロボ光によって照明さ
れているシーンを表していると判断できる。ストロボ光
の色味は昼光の色味に近いので、個別基準濃度dxi 、
dni に対する重みと平均基準濃度DXi 、DNi に対
する重みを等しくするか(例えばw1 =w2 =0.5 ) 、
平均基準濃度DXi 、DNi に対する重みを大きくする
(例えばw1 <0.5 でw2 >0.5 や、w1 =0でw2
1.0 等) 。
【0136】更に、ストロボが発光されて撮影されたシ
ーンであっても、被写体の距離が大きくかつ被写体輝度
が高いときには、ストロボ光よりも他の照明光の影響が
大きいため、ストロボのガイドナンバーに応じて重み係
数w1 >w2 とする。
【0137】また、例えばフィルム画像の撮影記録に用
いたカメラが、フィルム画像として撮影記録したシーン
における光源の種類を判定し、判定結果を磁気層に撮影
条件として磁気記録する機能を有している場合には、磁
気層に磁気記録されていた光源種が標準的な光源種であ
れば平均基準濃度DXi 、DNi に対する重みを大きく
し、前記光源種が標準的な光源種と相違していれば、個
別基準濃度dxi 、dni に対する重みを大きくする。
【0138】更に、例えば磁気記録層に、撮影条件とし
て撮影年月日を表す情報が磁気記録されていた場合に
は、撮影日から現在に至る期間の長さを求める。求めた
期間の長さが長い場合には、経時劣化等に起因してフィ
ルム画像の全体的な色バランスが偏倚している可能性が
高いので、個別基準濃度dxi 、dni に対する重みを
大きくする。
【0139】次のステップ274以降では第1実施形態
と同様に、上記で決定された重み係数w1 、w2 を用い
て重み付き平均濃度DDXi 、DDNi が各々演算され
(ステップ274)、重み付き平均濃度DDXi 、DD
Ni に基づいて色バランス変換条件が決定される(ステ
ップ276)。これにより、ネガフィルムのフィルム
種、フィルム画像が表すシーンにおける照明光の種類、
フィルム画像中の特徴部分の色味が非中性色か否か、フ
ィルム画像の経時劣化の有無等に拘らず、フィルム画像
が表すシーン中の各被写体の色味が記録画像上で適正に
再現されるように、記録用画像データの各成分色毎の階
調バランスを修正できる色バランス変換条件が得られ
る。
【0140】なお、撮影条件判定手段220は、第1の
変換条件及び第2の変換条件に対する重みを、上記のよ
うにネガフィルムの磁気層に磁気記録された撮影条件を
表す情報に基づいて決定することに限定されるものでは
ない。図10には、本第2実施形態に係る色バランス変
換条件作成処理の他の例を示す。この処理では、ステッ
プ270で平均最大基準濃度DXi 、平均最小基準濃度
DNi を各成分色毎に求めた後に、ステップ286でフ
ィルム画像中の主要画像部を抽出する。なお、先に述べ
たように、階調変換条件を作成する処理において主要画
像部の抽出を行った場合には、本ステップ286では主
要画像部の抽出結果の取り込みのみを行う。このステッ
プ286は請求項7に記載の主要画像部抽出手段に対応
している。
【0141】次のステップ288では、フィルム画像中
の主要画像部を抽出した結果に基づいて、条件設定用画
像データから主要画像部に相当する画像データを取り出
し、取り出した画像データが表す主要画像部の色味に基
づいて、撮影時の照明光の種類を判定する。例えば主要
画像部として人物の顔が抽出された場合、主要画像部の
色味は肌色であるが、照明光の種類によっては肌色と若
干異なる色味となる。例えば照明光が蛍光灯の光であれ
ば、ポジ画像では緑成分の強い色味となる(ネガ画像で
は緑の補色であるマゼンダ成分の強い色味となる)。
【0142】このため、例えば階調バランス曲線が表す
R、G、Bの色バランスを基準(グレイ)として色座標
を設定し、該色座標上で主要画像部に相当する画素の色
味が肌色の範囲内に含まれているか否かを判定すること
により、撮影時の照明光の種類を判定(より詳しくは照
明光が標準的な照明光(例えば昼光又は昼光に近い色味
の照明光)か否かを判定)することができる。なお、主
要画像部の色味は肌色であることに限定されるものでは
ないが、標準的な照明光で照明したときの色味が予め判
明していることが望ましい。また、フィルム画像中の主
要画像部よりも広い範囲の色味に基づいて照明光の種類
を判定するようにしてもよい。
【0143】ステップ290では、ステップ288で判
定した照明光の種類に基づいてフィルム画像を分類し
(請求項4に記載の「照明光の種類」による分類に相
当、また前述のように主要画像部の色味に基づいて照明
光の種類を判定しているので、請求項3の「原画像中の
主要画像部の画像特徴量」に基づく分類にも相当す
る)、個別基準濃度dxi 、dni 及び平均最大濃度D
Xi 、DNi に対する重み係数w1 、w2 を決定する。
このステップ290はステップ288と共に撮影条件判
定手段220に対応している。
【0144】例えば、照明光が標準的な照明光であると
判定した場合には、個別基準濃度dxi 、dni に対す
る重みと平均基準濃度DXi 、DNi に対する重みが等
しくなるように重み係数w1 、w2 を決定するか、或い
は平均基準濃度DXi 、DNi に対する重みが大きくな
るように重み係数w1 、w2 を決定する。また、照明光
が標準的な照明光と異なっていると判定した場合には、
個別基準濃度dxi 、dni に対する重みが大きくなる
ように重み係数w1 、w2 を決定する。
【0145】上記のように重み係数w1 、w2 を決定す
ることにより、ステップ274、276で、特にフィル
ム画像が表すシーンにおける照明光の種類に拘らず、前
記シーン中の各被写体の色味が記録画像上で適正に再現
されるように、記録用画像データの各成分色毎の階調バ
ランスを修正できる色バランス変換条件を得ることがで
きる。
【0146】〔第3実施形態〕次に本発明の第3実施形
態について説明する。なお、本第3実施形態は第1実施
形態及び第2実施形態と同一の構成であるので、各部分
に同一の符号を付して構成の説明を省略し、以下では第
3実施形態の作用について、第1実施形態と異なる部分
についてのみ説明する。
【0147】図11は、本第3実施形態に係る制御回路
42の作用を、機能毎にブロックに分けて示したもので
ある。図11に示すように、本第3実施形態に係る制御
回路42は、第1実施形態に係る制御回路(図3参照)
と比較して、更に、主要画像部抽出手段222を備えて
いる。主要画像部抽出手段222は、無彩色データ逆変
換手段208から出力された条件設定用画像データに基
づいて、フィルム画像中の主要画像部の抽出(又は抽出
結果の取込み)を行う。そして第1の変換条件設定手段
210は、抽出された主要画像部のデータから第1の変
換条件を決定する。
【0148】本第3実施形態に係る制御回路42では、
第1実施形態で説明した図4のフローチャートのステッ
プ264〜278の処理に代えて、図12に示す色バラ
ンス変換条件作成処理を行う。この色バランス変換条件
作成処理について、図9のフローチャートを参照し、第
1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0149】本第3実施形態では、ステップ264、2
66で平均階調バランス曲線を定めた後にステップ29
4へ移行し、条件設定用画像データに基づいてフィルム
画像中の主要画像部を抽出する。なお、第2実施形態に
係る色バランス変換条件作成処理(図10)のステップ
286と同様に、階調変換条件を作成する処理において
主要画像部の抽出を行った場合には、本ステップ294
では主要画像部の抽出結果の取り込みのみを行う。ステ
ップ294は請求項7に記載の主要画像部抽出手段(主
要画像部抽出手段222)に対応している。
【0150】次のステップ270では、条件設定用画像
データのうち、フィルム画像中の主要画像部に相当する
画像データに基づいて、各成分色毎の最大基準濃度、最
小基準濃度を個別基準濃度dxi 、dni として演算す
る。このステップ270は、請求項5に記載の第1の変
換条件の作成に対応している。
【0151】ステップ270では、フィルム画像中の背
景画像部に相当する画像データを用いずに、個別基準濃
度dxi 、dni を求めているので、色バランスの修正
を行うフィルム画像が、背景画像部に相当する被写体に
対する照明光の種類が、主要画像部に相当する被写体に
対する照明光の種類と相違しているシーンを表している
画像であったとしても、第1の変換条件として、記録画
像上で主要画像部が適正な色バランスとなるように記録
用画像データの各成分色毎の階調バランスを修正できる
変換条件を得ることができる。
【0152】なお、上記では同一フィルム種のネガフィ
ルムに記録された多数のフィルム画像のデータを用い
て、フィルム種毎に第2の変換条件(より詳しくは第2
の変換条件に相当する平均基準濃度DXi 、DNi )を
求めていたが、これに限定されるものではなく、同一の
ネガフィルムに記録された複数のフィルム画像のデータ
を用いて、数画像単位、或いは1本のフィルムの全ての
画像を1単位として第2の変換条件を求めるようにして
もよいし、所定の画像特徴量が近似している複数のフィ
ルム画像のデータを用いて第2の変換条件を求めるよう
にしてもよい。また、ネガフィルムの磁気層に磁気記録
されている情報等に基づき、撮影条件(例えば照明光の
種類、撮影場所、撮影時間帯等)が類似しているフィル
ム画像のデータを用いて第2の変換条件を求めるように
してもよい。
【0153】また、上記では請求項6に記載の「原画像
に関する情報」として条件設定用画像データを多数のフ
ィルム画像について記憶しておき、多数のフィルム画像
の条件設定用画像データに基づいて平均階調バランス曲
線を定めていたが、これに限定されるものではなく、条
件設定用画像データから所定の基準に従って選択した画
素(例えば色味がグレイに近い画素)のデータのみを記
憶しておき、該データを取り込んで平均階調バランス曲
線を求めるようにしてもよいし、各フィルム画像に対し
て設定した個別最大基準濃度dxi 及び個別最小基準濃
度dni のみを記憶しておき、各個別基準濃度の平均値
に基づいて平均階調バランス曲線を定めてもよい。
【0154】また、「原画像に関する情報」としては、
上記以外に、各フィルム画像毎に設定した個別基準濃度
dxi 、dni であってもよい。但し、個別基準濃度d
xi、dni は、平均階調バランス曲線に基づくデータ
の選択を行うことなく設定するので、記憶している個別
基準濃度dxi 、dni に対応するフィルム画像の大多
数が、標準的な照明光と異なる照明光で照明されている
シーンを表すフィルム画像であったとすると、第2の変
換条件が、前記標準的な照明光と異なる照明光で照明さ
れた被写体の色バランスの偏倚を補正する変換特性とな
ってしまうことがある。このため、「原画像に関する情
報」としては個別基準濃度dxi 、dni を記憶する場
合には、より多数のフィルム画像の情報を記憶すること
が好ましい。また、後述のように第1の変換条件として
変換前の濃度と変換後の濃度との関係を表す変換条件を
定める等の場合に、「原画像に関する情報」として第1
の変換条件そのものを記憶するようにしてもよい。
【0155】更に、上記では「原画像に関する情報」が
記憶部70に予め記憶されている場合を例に説明した
が、これに限定されるものではなく、色バランス変換条
件の決定と並行して「原画像に関する情報」を記憶部7
0に記憶・蓄積するようにしてもよい。また、一定量の
情報が蓄積された段階で、新たな情報の記憶を停止する
か、新たな情報を記憶する代わりに古い情報を消去する
ようにしてもよい。また記憶部70に記憶した時期等に
応じて各情報の重みを変化させて(例えば新しく記憶し
た情報の重みを大きくして)、第2の変換条件を演算す
るようにしてもよい。
【0156】また、上記では第1の変換条件として個別
基準濃度dxi 、dni を求めると共に、第2の変換条
件として平均基準濃度DXi 、DNi を求めるようにし
た例を説明したが、これに限定されるものではなく、第
1の変換条件及び第2の変換条件として、各々変換前の
濃度と変換後の濃度との関係を表す変換条件を定めるよ
うにしてもよい。また、第1の変換条件及び第2の変換
条件は、変換特性が線形であっても非線形であってもよ
く、変換特性を変換テーブルの形態で表したものであっ
てもよいし、数式の形態で表したものであってもよい。
【0157】また、上記では第1の変換条件に対する重
み係数及び第2の変換条件に対する重み係数をフィルム
画像単位で定めていたが、これに限定されるものではな
く、例えば変換特性を変換テーブルの形態で表した変換
条件を用いる場合には、変換テーブルのテーブル値単位
で重み係数を定めるようにしてもよい。これは、変換条
件の変換特性が非線形の場合に特に有効である。
【0158】更に、上記では画像データを濃度データと
色データとに分離し、濃度データに対して階調変換を行
った後に色データと合成して記録用画像データを得るよ
うにした態様を説明したが、これに限定されるものでは
なく、入力された画像データそのものに対して階調変換
を行うようにしてもよい。この場合、画像データから記
録用画像データへの階調変換と、記録用画像データから
記録信号への色バランス変換とを統合し、1回の変換に
より画像データから記録信号へ変換することも可能にな
る。
【0159】更にまた、第1の変換条件設定手段21
0、変換条件記憶手段212、第2の変換条件設定手段
214、及び変換条件決定手段216を、無彩色データ
逆変換手段208の前に配置し、濃度データから色バラ
ンス変換条件を求めるようにしてもよい。この場合、図
6の平均階調バランス曲線は、横軸に濃度データが表す
濃度を、縦軸に多数の色データから求めた色バランスを
用いることによって平均階調バランスを表すようにすれ
ばよい。
【0160】また、上記では2つのスキャン部(プレス
キャン部36及びファインスキャン部38)を設けてい
たが、これに限定されるものではなく、例えば上記実施
形態におけるファインスキャン部に相当する単一のスキ
ャン部を設け、該スキャン部から入力された画像データ
に対し、画素を結合させて画素数を少なくする画素密度
変換や一定間隔で画素を抽出する方法等の画像処理を行
い、画素数を少なくした画像データを、上記実施形態で
説明したプレスキャン画像データとして同様に用いても
よい。また、プレスキャン画像データに相当するデータ
を用いずに、ファインスキャン画像データに対して、階
調変換条件の作成、階調変換、色バランス変換条件の作
成、色バランスの変換等の一連の処理を順次行うように
してもよい。
【0161】また、上記では原画像としてネガフィルム
12に記録されているフィルム画像を例に説明したが、
これに限定されるものではなく、例えばリバーサルフィ
ルム等の他の写真フィルムに記録されているフィルム画
像等の他の透過原稿や、紙等に記録された画像(反射原
稿の画像)、或いはコンピュータやデジタルカメラ等で
作成された画像データが表す画像を原画像として適用す
ることも可能である。また記録媒体についても、印画紙
等の感光材料以外に、普通紙、感熱材料、OHPシート
等の記録材料を適用可能である。また、CRT等の画像
表示装置に適用することも可能である。
【0162】更に、本発明はR、G、Bの3色により画
像を記録する色再現系に適用することに限定されるもの
ではなく、例えばR、G、B、K(黒)の4色により画
像を記録する色再現系に適用することも可能である。
【0163】また、上記では原画像の濃淡を表す物理量
として濃度値(光学濃度)を例に説明したが、これに限
定されるものではなく、輝度値、色彩学上の明度に相当
する変換値、原画像に対する測光値、網点面積率、濃度
値を指数変換した値等の各種の物理量を適用できる。
【0164】また、上記では原画像の各画素の各成分色
毎の濃度値を表す画像データが入力される形態を説明し
たが、原画像の各画素毎の濃淡を表す濃度データ及び原
画像の各画素毎の色味を表す色データが入力される形態
であってもよく、この場合、入力された画像データから
濃度データ及び色データを分離する手段(無彩色データ
変換手段202)を省略できる。
【0165】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、色バランスの修正を行う原画像に関連する情報に基
づいて前記原画像を分類し、分類結果に基づいて、前記
原画像の原画像情報から求まる第1の変換条件と、複数
の原画像の原画像情報から求まる第2の変換条件と、を
演算処理して変換条件を求め、求めた変換条件に従って
前記原画像情報を変換するようにしたので、種々の原画
像に対し、原画像情報が表す原画像の色バランスを各々
適正な色バランスに修正することができる、という優れ
た効果を有する。
【0166】請求項2記載の発明は、色バランスの修正
を行う原画像に関連する情報に基づいて前記原画像を分
類し、分類結果に基づいて、前記原画像の原画像情報か
ら求まる第1の変換条件と、複数の原画像の原画像情報
から求まる第2の変換条件と、の各々に対して重みを定
め、定めた重みに基づいて第1の変換条件と第2の変換
条件との重み付き平均に相当する変換条件を求め、求め
た変換条件に従って前記原画像情報を変換するようにし
たので、種々の原画像に対し、原画像情報が表す原画像
の色バランスを各々適正な色バランスに修正することが
できる、という優れた効果を有する。
【0167】請求項3記載の発明は、原画像の原画像情
報から求めた第1の変換条件を第2の変換条件と比較し
た結果、記録媒体に原画像を撮影記録した際の撮影条
件、及び原画像中の主要画像部の画像特徴量の少なくと
も何れかを用いて色バランスの修正を行う原画像の分類
を行うので、上記効果に加え、第1の変換条件及び第2
の変換条件の各々に対する重みを適正に定めることがで
きる、という効果を有する。
【0168】請求項4記載の発明は、原画像が表すシー
ンにおける照明光の種類を用いて前記原画像の分類を行
うので、上記効果に加え、原画像情報が表す原画像の色
バランスを、照明光の種類が異なる原画像毎に、各々適
正な色バランスに修正することができる、という効果を
有する。
【0169】請求項5記載の発明は、原画像中の主要画
像部の画像特徴量に基づいて第1の変換条件を作成する
ので、上記効果に加え、第1の変換条件として、原画像
情報が表す原画像中の主要画像部の色バランスを、適正
な色バランスに修正できる変換条件を得ることができ
る、という効果を有する。
【0170】請求項6記載の発明は、第1の変換条件作
成手段によって原画像情報から第1の変換条件を作成
し、記憶手段に記憶されている複数の原画像の情報に基
づいて第2の変換条件作成手段が第2の変換条件を作成
し、変換条件決定手段が、第1の変換条件と第2の変換
条件との重み付き平均に相当する変換条件を求め、該変
換条件に従って変換手段が原画像情報を変換するので、
種々の原画像に対し、原画像情報が表す原画像の色バラ
ンスを各々適正な色バランスに修正することができる、
という優れた効果を有する。
【0171】請求項7記載の発明は、原画像情報から原
画像中の主要画像部に相当する情報を抽出する主要画像
部抽出手段を更に備えたので、上記効果に加え、原画像
情報が表す原画像の色バランスを、特に主要画像部が適
正な色バランスとなるように修正することが可能とな
る、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る写真処理システムの概略構成
図である。
【図2】フィルム画像読取装置の概略構成図である。
【図3】第1実施形態に係る制御回路の機能ブロック図
である。
【図4】第1実施形態に係る制御回路で実行される階調
変換条件及び色バランス変換条件の設定・変換処理を示
すフローチャートである。
【図5】階調変換条件の一例を示す線図である。
【図6】平均階調バランス曲線の一例を示す線図であ
る。
【図7】色バランス変換条件の一例を示す線図である。
【図8】第2実施形態に係る制御回路の機能ブロック図
である。
【図9】第2実施形態に係る色バランス変換条件作成処
理の一例を示すフローチャートである。
【図10】第2実施形態に係る色バランス変換条件作成
処理の他の例を示すフローチャートである。
【図11】第3実施形態に係る制御回路の機能ブロック
図である。
【図12】第3実施形態に係る色バランス変換条件作成
処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 写真処理システム 12 ネガフィルム 36 プレスキャン部 38 ファインスキャン部 42 制御回路 71 LUT 112 記録材料 120 プリントヘッド

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に記録された原画像を表す原画
    像情報を所定の変換条件に従って変換することにより、
    該原画像情報が表す前記原画像の色バランスを修正する
    画情報の変換方法であって、 前記色バランスの修正を行う原画像に関連する情報に基
    づいて前記原画像を分類し、 前記原画像の分類結果に基づいて、前記原画像の原画像
    情報から求まる第1の変換条件と、複数の原画像の原画
    像情報から求まる第2の変換条件と、を演算処理して変
    換条件を求め、 前記求めた変換条件に従って前記原画像情報を変換する
    ことを特徴とする画情報の変換方法。
  2. 【請求項2】 記録媒体に記録された原画像を表す原画
    像情報を所定の変換条件に従って変換することにより、
    該原画像情報が表す前記原画像の色バランスを修正する
    画情報の変換方法であって、 前記色バランスの修正を行う原画像に関連する情報に基
    づいて前記原画像を分類し、 前記原画像の分類結果に基づいて、前記原画像の原画像
    情報から求まる第1の変換条件と、複数の原画像の原画
    像情報から求まる第2の変換条件と、の各々に対して重
    みを定め、 前記定めた重みに基づいて、前記第1の変換条件と前記
    第2の変換条件との重み付き平均に相当する変換条件を
    求め、 前記求めた変換条件に従って前記原画像情報を変換する
    ことを特徴とする画情報の変換方法。
  3. 【請求項3】 前記原画像に関連する情報として、前記
    原画像の原画像情報から求めた第1の変換条件を前記第
    2の変換条件と比較した結果、前記記録媒体に前記原画
    像を撮影記録した際の撮影条件、及び前記原画像中の主
    要画像部の画像特徴量の少なくとも何れかを用いて前記
    原画像の分類を行うことを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載の画情報の変換方法。
  4. 【請求項4】 前記原画像に関連する情報として、前記
    原画像が表すシーンにおける照明光の種類を用いて前記
    原画像の分類を行うことを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載の画情報の変換方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の変換条件は、前記原画像の原
    画像情報から求めた前記原画像中の主要画像部の画像特
    徴量に基づいて作成することを特徴とする請求項1又は
    請求項2記載の画情報の変換方法。
  6. 【請求項6】 記録媒体に記録された原画像を表す原画
    像情報を所定の変換条件に従って変換して該原画像情報
    が表す前記原画像の色バランスを修正する画情報の変換
    装置であって、 原画像情報から第1の変換条件を作成する第1の変換条
    件作成手段と、 原画像に関する情報を複数の原画像について記憶する記
    憶手段と、 前記記憶手段に記憶されている複数の原画像の情報に基
    づいて第2の変換条件を作成する第2の変換条件作成手
    段と、 前記第1の変換条件と前記第2の変換条件との重み付き
    平均に相当する変換条件を求める変換条件決定手段と、 前記変換条件決定手段によって求められた変換条件に従
    って、原画像情報を変換する変換手段と、 を備えたことを特徴とする画情報の変換装置。
  7. 【請求項7】 前記原画像情報から原画像中の主要画像
    部に相当する情報を抽出する主要画像部抽出手段を更に
    備えたことを特徴とする請求項6記載の画情報の変換装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002156711A (ja) * 2000-11-16 2002-05-31 Olympus Optical Co Ltd プリンタ装置及び電子カメラ

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002156711A (ja) * 2000-11-16 2002-05-31 Olympus Optical Co Ltd プリンタ装置及び電子カメラ

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