JP3738547B2 - 溶融めっき設備の空中浮揚ポット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、めっき浴中に機械的な機構を設けることなく対象物にめっきを施すことができる溶融めっき設備の空中浮揚ポットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、溶融めっき設備において、めっき浴中に機械的な機構を設けることなく対象物にめっきを施すことができる空中浮揚ポットが開発されている。この空中浮揚ポットは、下部に磁場を印加して内部の溶融めっき金属(例えば亜鉛など)を浮揚させるように保持して、下部から上部へ向けて対象物(例えば帯鋼)を通過できるようにしている。このような空中浮揚ポットの要部の概略構造を図2に示す。
【0003】
図2に示すように、空中浮揚ポット20は、双方の高周波磁場印加装置21で印加する水平磁場の作用による電磁力により、内部の溶融めっき金属101を底部開口部22から漏出させないように保持し、デフレクタロール31で走行方向を上方へ変更された帯鋼100を底部開口部22から上部開口部23へ向けて通過させると共に、温度や組成を調整された溶融めっき金属101を双方の供給ノズル24から帯鋼100の表面付近に常に吐出して供給することにより、帯鋼100に連続的にめっきを施し、上部開口部23の上方のスリットノズル26から帯鋼100の両面に気体を噴射することにより、帯鋼100の表面に付着している余計な溶融めっき金属101を掻き落として均等にすると共に、帯鋼100の表面に形成しためっき層の厚さを調整することができるようになっている。なお、図2中、25は、帯鋼100のめっきに供された溶融めっき金属101を排出する排出路である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述したような空中浮揚ポット20では、垂直方向に走行移動する帯鋼100の表面に供給ノズル24から溶融めっき金属101を水平に吐出して供給するため、図3に示すように、吐出された溶融めっき金属101と帯鋼100との衝突部に動圧101aが生じ、この動圧101a部分と前記底部開口部22との間の溶融めっき金属101の排出路25へ向かう流れを遮ってしまう。このため、底部開口部22付近の溶融めっき金属101が更新されにくく、当該部分の溶融めっき金属101の温度や組成が他の部分の溶融めっき金属101と異なるようになりやすいため、調整された溶融めっき金属101による帯鋼100へのめっきを施すことができなくなってしまう場合があった。また、前記底部開口部22付近の溶融めっき金属101中に発生するドロスを排出路25に排出する機能を維持することができず、帯綱100にドロスが付着してしまう場合があった。
【0005】
このようなことから、本発明は、内部の溶融めっき金属を滞留させることなく常に更新することができる溶融めっき設備の空中浮揚ポットを提供することを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための、本発明による溶融めっき設備の空中浮揚ポットは、内部の溶融めっき金属を水平磁場で保持することにより底部開口部を形成し、当該底部開口部から上方へ向けて対象物を通過させると共に、当該対象物へ向けて供給ノズルの吐出口から上記溶融めっき金属を吐出して供給する溶融めっき設備の空中浮揚ポットにおいて、前記供給ノズルの前記吐出口の開口面積を先端側ほど大きくするように前記底部開口部へ向かう方向へ傾斜する傾斜部を当該供給ノズルの当該吐出口の下部縁端に形成することにより、前記底部開口部付近の前記溶融めっき金属を滞留させることなく流れるように前記供給ノズルの前記吐出口を当該底部開口部付近まで拡げたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明による溶融めっき設備の空中浮揚ポットの実施の形態を図1を用いて説明する。なお、図1は、その要部の概略構造図である。
【0009】
図1において、11は高周波磁場印加装置であり、空中浮揚ポット10の底部に底部開口部12を形成するように対をなして設けられ、印加する水平磁場の作用による電磁力により、内部の溶融めっき金属101を底部開口部12から漏出させないように保持することができると共に、下方に配設されたデフレクタロール31で走行方向を上方へ変更された対象物である帯鋼100を上記底部開口部12から受け入れることができるようになっている。13は上部開口部であり、前記底部開口部12から受け入れた帯鋼100を上方に送り出すことができるようになっている。
【0010】
14は供給ノズルであり、帯鋼100の両面付近に溶融めっき金属101を吐出して供給することができるように対をなして設けられている。供給ノズル14の吐出口14aの下部縁端には、当該吐出口14aの開口面積を先端側ほど大きくするように傾斜した傾斜部14bが形成されている。つまり、供給ノズル14は、その吐出口14aを上記底部開口部12付近まで拡げるように当該吐出口14aの下部縁端が上記底部開口部12へ向かう方向へ傾斜する傾斜部14bを有し、垂直方向に走行移動する帯鋼100の表面に対して溶融めっき金属101を水平方向および底部開口部12側(斜め下方)へ向けて吐出することができるようになっているのである。
【0011】
15は排出路であり、帯鋼100のめっきに供された溶融めっき金属101を排出することができるようになっている。16はスリットノズルであり、前記上部開口部13から送り出されてきた帯鋼100を挟むように当該上部開口部13の上方に対をなして配設され、当該帯鋼100の表面に気体を噴射することができるようになっている。
【0012】
このような空中浮揚ポット10では、双方の高周波磁場印加装置11で印加する水平磁場の作用による電磁力により、内部の溶融めっき金属101を底部開口部12から漏出させないように保持し、デフレクタロール31で走行方向を上方へ変更された帯鋼100を底部開口部22から上部開口部23へ向けて通過させると共に、温度や組成を調整された溶融めっき金属101を双方の供給ノズル14の吐出口14aから帯鋼100の表面付近に常に吐出して供給することにより、帯鋼100に連続的にめっきを施し、上部開口部23の上方のスリットノズル26から帯鋼100の両面に気体を噴射することにより、帯鋼100の表面に付着している余計な溶融めっき金属101を掻き落として均等にすると共に、帯鋼100の表面に形成しためっき層の厚さを調整する。
【0013】
ここで、供給ノズル14の吐出口14aに前記傾斜部14bが形成されていることから、供給ノズル14の吐出口14aから吐出される溶融めっき金属101は、垂直方向に走行移動する帯鋼100の表面に対して水平方向および前記底部開口部12側(斜め下方)へ向けて吐出されるようになるので、当該底部開口部12付近の溶融めっき金属101は、流れが滞留することなく常に更新されるようになる。
【0014】
したがって、底部開口部12付近の溶融めっき金属101の組成が他の部分の溶融めっき金属101の組成と異なるようなことはないので、調整された溶融めっき金属101による帯鋼100へのめっきを施すことができ、さらに、ドロスの排出機能も維持することができる。
【0015】
【発明の効果】
本発明による溶融めっき設備の空中浮揚ポットは、内部の溶融めっき金属を水平磁場で保持することにより底部開口部を形成し、当該底部開口部から上方へ向けて対象物を通過させると共に、温度や組成を調整された上記溶融めっき金属を上記対象物へ向けて供給ノズルの吐出口から吐出して供給する溶融めっき設備の空中浮揚ポットにおいて、前記底部開口部付近の前記溶融めっき金属を滞留させることなく流れるように前記供給ノズルの前記吐出口を当該底部開口部付近まで拡げ、供給ノズルの吐出口から底部開口部付近へ向けて溶融めっき金属を吐出させることにより、温度や組成を調整された溶融めっき金属を上記底部開口部付近にも常に供給することができる。この結果、底部開口部付近の溶融めっき金属の組成が他の部分の溶融めっき金属の組成と異なるようなことがなくなり、調整された溶融めっき金属による対象物へのめっきを施すことができる。
【0016】
また、前記供給ノズルの前記吐出口の開口面積を先端側ほど大きくすることにより、供給ノズルの吐出口から吐出される溶融めっき金属の流速を減速させ、対象物との衝突部に立つ動圧を低く抑えることができるので、底部開口部付近の溶融めっき金属は、流れが滞留することなく常に排出口に向かって流出し、溶融めっき金属の更新が促進されるようになる。この結果、底部開口部付近の溶融めっき金属中に発生するドロスを排出路に排出させるドロス排出機能を維持することができるので、対象物へのドロスの付着を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による溶融めっき設備の空中浮揚ポットの実施の形態の要部の概略構造図である。
【図2】溶融めっき設備の従来の空中浮揚ポットの要部の概略構造図である。
【図3】従来の空中浮揚ポットの問題点の説明図である。
【符号の説明】
10 空中浮揚ポット
11 高周波磁場印加装置
12 底部開口部
13 上部開口部
14 供給ノズル
14a 吐出口
14b 傾斜部
15 排出路
16 スリットノズル
31 デフレクタロール
100 帯鋼
101 溶融めっき金属
Claims (1)
- 内部の溶融めっき金属を水平磁場で保持することにより底部開口部を形成し、当該底部開口部から上方へ向けて対象物を通過させると共に、当該対象物へ向けて供給ノズルの吐出口から上記溶融めっき金属を吐出して供給する溶融めっき設備の空中浮揚ポットにおいて、
前記供給ノズルの前記吐出口の開口面積を先端側ほど大きくするように前記底部開口部へ向かう方向へ傾斜する傾斜部を当該供給ノズルの当該吐出口の下部縁端に形成することにより、前記底部開口部付近の前記溶融めっき金属を滞留させることなく流れるように前記供給ノズルの前記吐出口を当該底部開口部付近まで拡げた
ことを特徴とする溶融めっき設備の空中浮揚ポット。
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